すてっぷ・じゃんぷ日記

今日の活動

「いっしょにあそぼ!」

 支援学校小学部のPさんは、公園遊びやタブレット遊びが大好き。そして、それぞれの遊びの中で、コミュニケーションが課題だったPさんが大きく成長した姿を見せてくれています。

 すてっぷに来た頃のPさんの公園遊びと言えば、砂場での一人遊びがほとんどでした。そこでPさんの一人遊びは保障しながらも、友だちとの集団遊びを少しずつ増やしていきました。だるまさんがころんだや鬼ごっこなど、最初は理解が難しかった遊びも、職員と1対1で取り組むことで意味が分かるようになり、自分だけでも参加できることが増えていきました。そして今では公園に行く前から、ホワイトボードを見て誰と一緒に行けるかを確認。公園に着いたら「○○くんー」とすてっぷの友だちとの集団遊びに参加したり、ときには地域の友だちとも遊んだりする姿が見られるようになりました。一方のタブレットについては、友だちとの約束(2022/2/7)で紹介しましたが、PさんとUくんとで約束を守れたという経験を積んだことで、PさんはUくんに対して信頼関係が築けたのかもしれません。Uくんのそばで過ごすことも増え、またUくんが遊んでいるタブレットのアプリやテレビゲームに興味を持つようになっていきました。

 先日、Uくんが小学生の友だちと職員とでテレビゲームの「スマブラ」で遊んでいる時のことです。PさんがUくんと職員の座るソファに一緒に座り、テレビゲームの様子を見始めました。Pさんは以前からときどき同じようにして様子を見ていたので、もしかしたらいっしょに遊べるかもしれないと職員は考え、Pさんを誘ってみました。するとPさんは「先生とチーム!」と言って参加。Uくんたちも受け入れ、試合スタートです。前半は職員が操作し、後半はPさんに交代。するとPさんはコントローラーを使い、つたないながらも技を繰り出します。その後も職員の補助がありながらも、試合が終わるまで一緒に遊ぶことができました。その後、職員は他の子の支援のため離れたのですが、帰るまでのもう一試合もPさんはそのまま参加。自分で好きなキャラを選択して試合スタートしたのです。UくんもPさんだけで参加することに驚いたようでしたが、Pさんが見やすいように座り位置を変え、一緒に最後まで遊びました。

 支援学校、小学校と違う学校の子ども同士が関われることが、放課後等デイサービスだからこそできることの1つだと考えています。そのために必要な支援を日々積み重ねていますが、Pさんの成長には目を見張るほどの驚きがあります。もちろんUくんの理解やかかわり方も大きかったと思います。Uくんが活躍したエピソードをまた紹介したいと思います。

Tiktokは悪いことばかりじゃありません!

じゃんぷに通う子ども達の中にはTiktokをよく見ている,という子どもがいます。「Tiktok」とは今若い世代(所謂Z世代ですか?)に人気の,音楽に乗ってダンスをしたりちょっとした面白い動画をアップして皆に見てもらう,というアプリです。

個別学習の時間が少し早めに終わり,最近あった楽しいことを話すことになったO君。「Tiktokで面白い手品動画があってな!それちょっと練習したいねん!」と話してくれました。読み書きが苦手で,他の人に上手に説明するのも苦手なO君ですが,「〇〇っていう人で…『封筒 手品』で検索したら出るかも!」と相手に伝わることを意識しながら説明をしてくれました。「これを休憩にしたいから,先生封筒とはさみある?出来たら貸してください!」と要求し,少し練習をしてからみんなの前で手品を披露してくれました。

最近はスシローなどの迷惑行為の動画で話題になっている動画投稿系アプリですが,子ども向けの工作や手品動画を出している投稿者もたくさんいます。今回のようにそこから自分の興味を引き出し,良い形でみんなに発信してくれることがあります。悪い方面ばかり目立ちがちですが,このように子どもにとって良い面もあります。今週は珍しい動物を扱っている人を紹介してくれるそうです。楽しみにしてるよ~!

「レシピを検索!」

 支援学校中学部のNくんは、文字を書いたり読んだりすることが苦手で、2学期の半ば頃まではすてっぷに帰ってきても宿題にかかりきり。漢字や記述の宿題をなんとか終わらせ、あとはパソコンのキーボード練習とおやつだけでもう帰る時間に、という日も珍しくありませんでした。

 2学期の後半くらいから、宿題の内容と量が少しずつNくんに合うように変わっていき、すてっぷでの活動時間にも余裕が出てきました。そこでキーボード練習も上達し、ICT機器の扱いも得意なNくんに、調べ物学習をしてもらうことにしました。生活に紐づいた調べ物ということで、Nくんと相談した結果、おやつ作りのレシピを調べることに。早速Nくんはどのおやつを作るか、すてっぷにある写真から「チャーハン」を選び、iPadでレシピを検索しました。

 ICT機器なら文字の入力はお手の物のNくん。すぐにチャーハンのレシピを見つけました。そのページには作り方の動画まであり、そのレシピで作ることに決定。職員が必要な材料を聞くと、Nくんは「メモ用紙ちょうだい」と職員に伝えます。メモ用紙をもらったNくんは、iPadのレシピを見ながら、材料名と量をメモ用紙に書き込みました。そして職員に渡して、おやつ作りの日を待ちました。

 おやつ作り当日は、Nくんの書いたメモ通りに職員が材料をそろえ準備万端。Nくんもすでに見つけていたレシピをiPadに表示し、動画を見ながら順調に調理を進めます。早速味見をすると、「おいしいね!」と職員に伝えます。職員も「味見していい?」とスプーンで一口分をもらって食べてみると…おいしい!お見事です。自分でICT機器を使い、文字入力やレシピの書き写しをしながら、動画通りに調理しておいしいチャーハンを作り上げたNくんに、職員一同感動しました。先日もおやつ作りに取り組み、ナポリタンスパゲッティを作り上げたNくん。このときは動画ではなく、一枚ずつの写真を見ながら完成させていました。できることがどんどん増えていっているNくんです。

小数

小学3年生の子ども達は算数で「小数」を学習しています。

教科書では最初,水のかさの図を使い,2年生で習った「L」と「dL」を使って学習を始めます。既習事項をおさらいし,「dL」の部分を小数として扱います。分数を既に習っているので,1/10L→0.1Lと教え,小数の世界に入っていきます。

じゃんぷでも同じように1/10Lが0.1Lと教え,ほとんどの子どもが小数を理解することが出来ました。ただ定規の問題(cm)になったり,計算問題等,違うパターンになるとわからなくなることがあります。

そういう時のために,事前に定規のパターンの問題でも同じように「1cmを10個に分けて,1/10は…」と教えます。また,位取りについては「すらぷり」というサイトにあるプリントが子ども達にとってわかりやすかったようです。丁寧に位取りの練習をしてから計算問題に入るとすんなり問題を解くことが出来ました。

かがみの孤城

先日「かがみの孤城」を見に行きました。

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「ドラえもん」に出てくる「どこでもドア」や「鏡の国のアリス」の鏡。向こう側の異世界に日常の救いや解決の手がかりを求めたくなるのは,今の世の中,子どもだけではない。映画「かがみの孤城」(公開中)は不登校の女子中学生,こころ(声・當真あみ)が、ある日、自室の鏡の中に誘われる。

「本屋大賞」を受賞した辻村深月の同名小説を〝泣ける〟「クレヨンしんちゃん」劇場版で知られる原恵一監督がアニメ化した。

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この映画では7人の中学生が出てくるのですが,ほとんどが不登校という設定です。それぞれに理由はあるのですが…それについてはネタバレになるので伏せます。この映画ではパンフレットに載っていましたが「たいていのことはなんとかなる。」というメッセージを伝えたいそうです。

じゃんぷに通う子ども達の中には自分の成績や学校のことについて悩んでいます。それについて真剣に向き合い,学習に臨んでいるのですが頑張りすぎて疲れてしまう子どもも少なくありません。

教えているこちら側から見ると頑張っている姿を評価します。子どもも頑張っていると評価をされるので頑張ることを続けます。それももちろん大事なのですが,こちらが思う以上にそれは子どもにとってしんどいことなのかもしれません。

そんな時,「なんとかなるよ。」と肩の力を抜いてリラックスすることも良いことなんだ,伝えたいですね。

「やさしいルール、どうする?」

 すてっぷの小学生たちが今はまっているボードゲームが「ごきぶりポーカー」です。ごきぶりというだけで、嫌なイメージのインパクトが強いかもしれません。ですがゲームとしてはシンプルで、相手が出したカードが宣言通りか、それとも嘘かを見抜くというゲームです。

 カードには8種類の生物が書かれています。どの種類も苦手な人がいるだろうという生き物ですが、どこか愛嬌のあるイラストになっています。そのカードを伏せながら対戦相手の1人に出し、それが何の生物かを宣言します。このとき、本当のことを言ってもいいですし、嘘のことを言っても構いません。出された人はその宣言が本当か嘘かを考えて返答します。本当でも嘘でも見抜けたら、カードを出した人にカードを返して、その人の手元に置きます。見抜けなかったら、そのままカードを出された人の手元に置きます。これを繰り返し続け、誰かの手元に同じ種類のカードが4枚たまるか、全8種類のカードがたまったら、その人の負けになります。

 このゲームの面白いところは、多くの人の手元にカードがたまってくる後半です。例えばごきぶりが3枚たまってきた人は、誰かにカードを出す時にごきぶりカードを選ぶと、本当でも嘘でも見抜かれたら自分の手元にごきぶりが4枚たまって負けてしまいます。それが相手にもわかっているので、本当か嘘かを見抜くときの判断材料になり、より推理がはかどります。またこのゲームは3人以上でも遊べ、すてっぷの小学生たちはむしろ5、6人で遊ぶときによくこのゲームを選んで、大人数でよりいっそう盛り上がっています。

 新年になって新しく用意したボードゲームの中で、特に子どもたちがはまってよくリクエストするようになったのが、この「ごきぶりポーカー」でした。大人数で遊べる中でも、基本的には1対1で相手が本当のことを言っているのか嘘を言っているのかを見抜くという内容がシンプルで分かりやすかったのかもしれません。また相手の言っていることを見抜く、または見抜かれないようにポーカーフェイスになるということは、すてっぷの小学生たちは苦手な傾向にありますが、だからこそおもしろいと感じて楽しめるのかもしれません。とは言っても、やはり苦手は苦手。中には6連続で見抜かれ続け、手元のカードがどんどんたまっていくという子もいました。そんなときは「やさしいルール」の提案。2連続でたまった人がいたら、次は他の人からというルールにしてみました。先日は始める前に、「やさしいルール、どうする?」と、採用するかどうか友だち同士で相談する姿も。一つのゲームから、新しくSSTの機会が生まれています。

アプリを使って漢字を覚えよう

じゃんぷで学習している子どもの中に,「常用漢字筆順辞典」というアプリを使って漢字の学習をしている子どもがいます。このアプリは漢字を様々な方法で検索でき,その漢字の読み方や書き順などを学ぶことが出来ます。

以前「言葉の手がかりを使って漢字を覚えよう! 投稿日時 : 2022/11/14」で紹介した子どもも今,このアプリを使って学習を進めています。個別学習の中で一年間にならった漢字のまとめ小テストをし,書けなかった,もしくは間違えた問題をこのアプリで音声検索をして正しい漢字を覚えています。

初めの方,漢字のへんとつくりが逆になっていたり,似た漢字を書いたりと「おしい!」という間違いをしていましたが,正しい漢字の書き順を順番に丁寧に取り組んでいます。じゃんぷに来て取り組む漢字の小テストも正答率が8割を超えることがほとんどとなり,成果が見えてきました。

上に挙げた子どもは継次処理が得意な子どもなので,「順番に」おちうやり方がぴったり合いました。反対に同時処理が得意な子どもには音声検索で漢字を検索させ,正しい漢字を見た上で漢字の特徴を一緒に探します。その上で漢字の作りを言葉で覚えます。イメージは「オジンオズボーン」という芸人のネタに近いような形です。

このように子どもの得意に合わせた教え方が出来るアプリが最近はよく出てきています。まさに「かがくのちからってすげー!」

メンテナンスとブログの一旦休止のお知らせ

 

日頃よりお世話になっております。

Webサーバの保守・点検作業を行っており,ブログの掲載を停止させて頂いております。
ご迷惑お掛け致しますが,今しばらくお待ちいただきたく存じます。

ブログについては何か別の方法で掲載できないか検討中ですので,決まり次第こちらでお知らせいたします。

「前よりも分かることが増えたよ」

 支援学校中学部のLくんと高等部のMくんの二人で、先日『街コロ』に取り組みました。二人で設定遊びに取り組むことは久々でしたが、支援学校で同じクラスだったこともあってか、何をするかスムーズに相談を始めました。Mくんははじめ、「『ワードバスケット』はどう?」とLくんに聞きました。そばにいた職員は、Lくんはどう答えるだろうと不安げに聞いていました。

 Lくんが小学生の友だちとボードゲームで遊んでいたときに、小学生の友だちがよくリクエストしていたのが『ワードバスケット』。言葉やアイディアを発想・表出したり、1ゲームの時間が短かったりという理由で小学生は『ワードバスケット』が好きだったのですが、Lくんは反対に発想・表出が苦手、でもじっくり考えて積み上げていくゲームが好み。でもLくんは小学生の友だちのリクエストを断れず、「いいよー」と受け入れて遊んでいくうちに、しんどさが積みあがっていってしまったということがありました。

 さてMくんにはLくんはどう答えるだろうと職員がそばで見守っていると、Lくんは「それはぼくは苦手だからできないよ」と答えたのです! 職員はその成長に驚きました。Mくんはその言葉を聞き入れ、「じゃあ『街コロ』は?」と聞くと、Lくんは「それならいいよ」と答え、『街コロ』をすることに決まりました。

 一方のMくんはボードゲーム自体が久々。高等部ということもあり、パソコン課題や作業課題など、個人の課題を優先してきました。ただ数年前に当時の小学生たちとボードゲームに取り組んだ時は、負けることへの耐性が低く、また運が悪いと投げやりになってしまいがちだったため、勝ち負けのあるボードゲームを避けていたという経緯がありました。『街コロ』はサイコロを毎回振るので運のよしあしがあり、また勝ち負けがはっきりつくゲームです。ですがMくんは、サイコロの運一つ一つは気にせずゲームを進め、落ち着いて最後までできたのです! 結果はMくんの勝ちだったので、負けのしんどさはなかったかもしれませんが、それでも終わりの振り返りのときに、「前にしたのは2、3年前だったし、前よりもわかることが増えててよかった。作戦も考えることができるようになってるし、理解もできるようになってて嬉しかった。2人だけど、このメンバーで出来てよかった。」とコメントしたことに、職員はMくんの成長を感じずにはいられませんでした。

 すてっぷの1年目から在籍しているLくんとMくんの日々の頑張りが、積み重なった成果として表れたんだと職員全員が感じられた取り組みでした。

社会で活躍する人間を10歳から育てる

先日Y先生から「studioあお」という京都市上京区にある学習塾について教えてもらいました。「LIFE~夢のカタチ~」というテレビ朝日で放送している番組で特集されており,紹介してもらいました。

幸いTVerで見逃し配信をしていたので筆者も視聴をしました。そこは「勉強を教えない学習塾」ということで,簡単に書くと通う子ども達が様々な企画を考え,大人たちはそれを全力でバックアップをする,といったところです。

学校の中では中々難しいことがありますが,子ども達にはたくさんの面白いアイデアがあります。教室でいろんな意見を聞き,「それいいね!」と思うアイデアがあっても学校の中でしようとすると難しいこともあります。そういったことを実際に挑戦できる,というのは子ども達にとって貴重な体験になります。

2020年度の新学習指導要領から「キャリア教育」が入り,文部科学省から手引きやガイドが出ました。しかし学校現場の中で日々の授業と別にキャリア教育をしていくのはどうすればいいか,混乱しながら進めているところも少なくありません。筆者が勤めていた京都市は先行してキャリア教育をしていこう,となっていたのですが「何をどうしよう」とはっきりとわかっていないまま取り組んでいた記憶があります。学校現場ももう少し柔軟になってもらえればな…と思うこともあるのですが…こういった取り組みが広まり,子ども達が面白いアイデアを自由に,どんどん挑戦できるような場所が増えればな,と感じた瞬間でした。

【LIFE~夢のカタチ~】

https://tver.jp/episodes/epde108eub

※該当する回は1月21日(土)までの配信となっています。ご注意ください。

 

夢バトルしようぜ夢バトル!

子どもが学習が始まる少し前のちょっとした時間に「夢バトルしようぜ!」と言っていました。

「あ,チェンソーマン見てるんだな。」とすぐにわかりましたが…個別の時間中,「さっきのセリフ(夢バトル)って何?」と聞きました。「俺チェンソーマン見てるねん。」と答えてくれたので,知っていたのですがわざと「どんなやつなん?」と聞きました。

その子は一生懸命に説明しようとし,この場面が好き,このキャラが好き,と話してくれました。その子は普段国語の学習中,登場人物の気持ちの変化や場面の転換等の読み取りが苦手な子だったので「これはチャンスだぞ」と感じました。

次の週,「前言ってたの見たで,おもしろいな。なんで〇〇は最後あんな行動したん?」と聞きました。すると「え?助けてもらったからかなぁ…借り作りたくないって言ってたし…」「でも仲良い訳じゃないよね」「でも『お前に貸しは作りたくない』って言ってたで」と,登場人物の気持ちを考えていました。「しっかり気持ち考えようとしてるやん!」と言うと「そうかなぁ」と言っていましたが…

国語の教科書を読んでいる時,「気持ちが変化したのを表しているのは?」と聞くと「これかなぁ」と答えるようになってきました。チェンソーマンの話が自信になってきているようです。

子どもがハマっていることを聞くことはよくある場面です。それを学習との架け橋になるような工夫を少ししてあげると,子どもの学習への意欲が少し向上します。どんなことでも大切なのです。

 

※チェンソーマンの画像を載せようとしたのですが放課後等デイサービスのブログにはあまりふさわしくないと思ったので載せていません。気になった方は自己責任で調べてみてください。

「2対2でもキックベース!」

 先日、公園でキックベースに取り組みました。今の小学生メンバーがキックベースに取り組むのはほぼ初めて。最初に子ども3人がチームになり、職員との対戦形式で練習してルールを確認しました。中には小学校でやった時の苦手意識がある子もいましたが、これ以前に一度練習していて、そこで成功体験を積めたことが功を奏したのか、スムーズに参加出来ました。ルールを確認しながらでしたが、対戦形式で進めたこともあり、子どもたちは大盛り上がり。次は2対2でしたいと要望がすぐに出て、チームに分かれて試合形式で遊びました。

 野球やキックベースの良い点の1つが、攻撃守備が分かれていて、同じチームでの動きが分かりやすいということです。特にすてっぷに来ている子には全体を見ることが苦手な子がいます。サッカーなど自分チームと相手チームが同じ場にいると、混乱してしまうことが少なくありません。それに対し、野球やキックベースは攻撃チームと守備チームが混ざることは、ランナーを除いてありません。そのため、自分が攻撃チームなら順番にバッターボックスに立ち、ピッチャーの球を打つ。ランナーになったらベースを回って走るというわかりやすい行動をすればよいです。守備だと少しややこしいですが、ランナーがベースに走ってくる前にボールを先回りさせるということが基本になります。

 一方で野球やキックベースになかなか取り組めない理由もあります。ボール遊びをしてよい広い公園が必要という点や、道具の準備が必要という点もあります。ですが一番大きいのは、チーム戦をするためには多くの人数が必要ということです。すてっぷで取り組むときは、多くても4対4。普通のルールでは対戦がなかなか成立しません。

 そこで職員の間で提案しているのが三角ベースやタイベン形式です。三角ベースは1塁と3塁、本塁だけにするもので、小学校の体育などでもよく取り組まれています。タイベンは筆者が子どものころによく遊んでいて、その形式をそのまま紹介しました。ベースは本塁だけ。打球を守備が捕ったら、その位置から本塁にいる味方に投げます。本塁を踏んでいる味方が取れたらアウト。取れなかったら攻撃チームに1点が入るというルールです。そのままでは難しいかもしれないので、本塁の周りに円を描き、その範囲で捕れたらOKにするなどの工夫が必要かもしれません。さてすてっぷの小学生たちにはどんな方法がヒットするでしょうか。また経過を報告したいと思います。

4x²-4x-1=0

4x²-4x-1=0

さて,この問題を解いてみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パッと解けたでしょうか?

恥ずかしながら筆者は「あれ?どうやってやるんやったけ!?あれ!?」と混乱してしまいました。

この問題はとある京都の高校の入試問題に出てくるものです。中学数学の教科書にも出てくるレベルで,基礎中の基礎問題であると思われます。

こういった問題を学習障害の子ども達に教える時,職員間で非常に悩むことが多いです。じゃんぷの限られた時間の中で「ポイント教える」としているのですが,中学数学はどこまで教えるかを悩んでいます。今回は「因数分解を使うパターン」と「解の公式を使うパターン」の2つがあるよ,ということになりましたが…

算数,数学等はどうしても継次的な処理になりがちです。同時処理を生かした教え方も学ばなければならない,と感じた瞬間でした。

「『田んぼの田』ならいいよ」

 すてっぷの小学生たちは公園遊びが大好き。特に鬼ごっこが好きという子が何人もいます。ただ、公園によっては広すぎて鬼ごっこをしても鬼がずっと捕まえられないままということがありますし、逆に狭い公園では面白みに欠けたり衝突の危険があったりということもあります。

 そんなときに職員が提案するのが『田んぼの田』。このブログでも何度か紹介していますが、4m四方ほどの田の字を書いて、鬼は線上だけを移動して追いかけ、逃げる人は逆に線を踏まないように移動するという、鬼ごっこの遊びの一種です。狭い公園でも遊ぶことができ、また人数が少なくてもOK。子どものリクエストで、子どもと職員との1対1で取り組んだこともあります。3分や5分と時間を決めてカウントすると、子どもも興奮して走り回り、結構ハードな運動になります。逃げるときは右回りにするなど方向を決めることで、逃げる人同士が衝突しないように気をつけて遊んでいます。

 先日、Gくん、Hくん、Iくんと職員とで公園に行ったときも、この『田んぼの田』に取り組みました。はじめに何をしたいか職員が3人に聞くと、GくんとHくんは鬼ごっこがしたいと言いました。ですがIくんは、「広いからイヤだ」と主張。確かにこの公園はとても広いです。職員がGくんとHくんに「どうする?」と聞くと、Gくんは「初めの鬼を増やそう」、Hくんは「エリアを区切ろう」と、それぞれアイディアを出しました。そのアイディアも大変良かったのですが、それでもIくんは納得しません。そこで職員が、「1回目は『田んぼの田』をしよう。そして2回目はエリアを区切った鬼ごっこにしよう」と提案。Iくんに「2回目は見学していいよ」と伝えました。するとIくんは納得し、『田んぼの田』に参加。Iくんを含めた3人はテンション高くスタートし、どんどんと白熱していきます。職員も負けじと参加し、最初に決めた5分があっという間に終わりました。熱気が冷めやらない中、職員がIくんに「二回目は見学でもいいけど、どうする?」と聞くと、Iくんは「やる」と宣言。最初は嫌がっていた鬼ごっこに参加することができました。

 Iくんも含め、すてっぷの小学生たちの多くは、友だちといっしょに遊ぶことを課題としてます。一見簡単そうなことに見えますが、友だちと折り合いをつけることは、理解力、交渉力、感情コントロールなど、さまざまな力が必要となります。今回はIくんの感情コントロールができやすいように、Iくんが楽しめそうだなという遊び=『田んぼの田』を職員から提案しました。よほど楽しかったのか、最後の自由遊びの時もHくんを誘って『田んぼの田』で遊んだIくん。次は自分から提案して交渉できるように支援したいと思います。

漢字の練習

じゃんぷで子ども達の冬休みの宿題を見ていく中で,漢字の宿題に苦手意識がある子どもがいました。その子自身は漢字が嫌いというわけではありませんが,「何回も書くのがなぁ…」と言っていました。冬休みの宿題で間違えた漢字をノートに練習する,という宿題でした。「嫌やなぁ」と言いつつもしっかりと集中してやり切っています。

以前から紹介している白石範考先生の著書には「練習させるのは三回以内」と書いていました。例えば「一つの漢字を十回書きなさい」「二十回書きなさい」と言われた時に「それは楽しそうだ!」と思う子どもは少ないでしょう。ただ漢字を覚えるためには書いて練習する必要があります。白石先生は「三回」がちょうど良い,と考えているようです。確かに回数より,子どもが「なんのために書いているのか」と意識する方が大切です。

一回目は手本を見ながらゆっくりと書く。ゆっくりと書くと「あれ,ここはどうなっているんだろう」と疑問に気づきやすいです。二回目は一回目に疑問に思ったことや間違えそうになったところを意識しながら書く。三回目は,手本を見ずに書きます。ここでもし間違えた時はもう一度書きます。

何をするのか,どう書くのかを意識しながら書くことが大切ですね。

(参考・引用 「新国語授業を変える漢字指導」 著 白石範考 文溪堂)

楽しみながら言葉遊び

 新年になり、すてっぷでは新しいボードゲームにいくつかチャレンジしています。そのうちの一つが「ワードスナイパー」です。このゲームはいたってシンプル。ひらがな1文字(2文字のときもありますが)から始まる言葉のうち、お題に合わせたものを思いつけたら、得点が入るというゲームです。

 同じようにひらがなから言葉を連想するというところは、「ワードバスケット」によく似ています。「ワードバスケット」はすてっぷでも以前から取り組んでいるゲームで、カードを使ってしりとりをしていくというものです。ひらがなの書かれたカードを手札にしてスタート。最初の1文字からしりとりになるように次々と言葉を言いながらカードを出していきます。そして手札が無くなったら勝ちと言うゲームです。言葉を連想する必要があるので、取り組むメンバーに合わせて、2文字OKや連想しやすいような絵つきのあいうえお表を用意するなどの工夫をしてきました。

 一方で、この「ワードスナイパー」は手札はありません。山札の表には「食べ物」や「赤いもの」といったさまざまなお題が書かれています。そしてゲームがスタートしたら、山札の一番上のカードを裏にします。するとそこにはひらがなが。あとは、その文字から始まる言葉で、お題に合わせた言葉を早い者勝ちで宣言。その人がひらがなのカードを取ります。おもしろいのは、そのカードに書かれている得点が、カードによって違うこと。言葉が思いつきやすいひらがなは得点が低く、言葉が出てきづらいひらがなは得点が高くなっています。そのため、単純な手数だけでは勝負が決まらず、難しい言葉を1つでもぱっと思いつけたら有利になることもあります。

 さっそく「ワードスナイパー」にチャレンジしたEくんとFくん。学校の勉強が苦手なEくんですが、このゲームだとどんなお題でもじっくりと考え、言葉を出してきます。「ふ」から始まる「歴史上の人物」では、なんと「藤原道長!」と回答。職員を驚かせました。一方のFくんはさまざまな言葉を知っていますが、じっくり考えるのは苦手。Eくんが考える間は、諦めてふらふらしてしまいます。しかしこのゲームがEくんにとってよかったのは、「ワードバスケット」とは違って、誰かが思いつかなかったら次のお題に変わるというところです。さらにひらがなの選択肢も増えます。なので、誰も思いつかず進まないということはなく、次々とゲームが展開していくので、Fくんも飽きずに最後まで続けられました。

 すてっぷではまだこのゲームをしていない子も、またチャレンジしていこうと思っています。そのときのメンバーに合わせた工夫をして、楽しみながら言葉遊びができるようにしていきます。

山登りのアイディア

 すてっぷで日常的に取り組んでいる外出活動の1つが西山登り。秋の観光シーズンの間はしばらく控えていましたが、12月中旬ごろから取り組みを再開しました。公園での集団遊びや自由遊びだと混乱してしまう子でも、山登りはスタートとゴールがはっきりしていて、しっかりと見通しを持って運動することができます。またその分、集団で行動することもよく分かり、さまざまな課題にチャレンジすることもできます。

 すてっぷでよく行く40分~60分ほどのルートは、それほどの高低差もなく、子どもたちにとっては適度な運動になります。ただそれでも、登りがしんどくて遅れる子や、逆に降りでブレーキがかけられず駆け出してしまう子もいます。集団が離れてしまったり、狭い道で追い抜きがあったりすると危ないので、山登りに行くときは職員の中で、子ども担当の他にも、先頭(ルートの確認と注意喚起)と最後尾(全体を見て指示を出す)の役割を確認しています。

 先日はすてっぷで「鉄塔」と呼んでいる目的地に向けて出発。澄んだ晴れ間の下、気持ちよく登ることができました。久しぶりに鉄塔から見る景色は、遠くまで見渡せます。テンションも高くなり、降りも元気に歩いて帰ってきました。いっしょに行った支援学校高等部生のDくんは久々の山登り。以前は集団から遅れがちだったDくんですが、この日は他の子どもたちのワクワク感が、Dくんを手伝ったのかもしれません。集団を意識し、見事ペースを合わせて最後まで歩けました。Dくん、素晴らしい!

 さて、この山登り、しばらく続けていこうと思っていますが、ルートを毎回変えるわけにもいきません。去年は子どもたちがモチベーション高く登れるように、折り返しでチキンラーメンを作って食べたり、2人で荷物を持ったりするなど、子どもたちに合わせた取り組みをしてきました。今年はどんなアイディアが出せるか、職員の工夫のしどころです。

宿題の進捗は…

さて,昨日からじゃんぷに子どもが来所しています。小学生の子ども達は冬休み中ということもあり,少し気持ちがフワフワした様子でした。

小学3年のC君に「宿題はどう?」と聞くと「出来てるよ」と答えてくれました。計画を立てることが苦手なC君でしたが,冬休みの宿題は学校の先生と一緒に計画を立てて取り組んだようです。

「ワークのこのページを〇日に取り組む」というようにそれぞれの宿題をいつ取り組むのかを学校で決め,終わったらどんな遊びがあるのか,をお家で決めて取り組んだようです。

長期休暇の宿題をその子に合わせ,一緒に計画を立てて子どもが自分の力で達成できるような配慮が大事だと感じた出来事でした。C君,幸先の良いスタートです!!

本年もよろしくお願いいたします。

謹んで新春の祝詞を申し上げます。昨年は格別なご高配を賜り厚く御礼申し上げます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

ブログについては明日から今まで通りの記事を投稿しようと思っています。本日からすてっぷ,じゃんぷ共に子ども達が来所します。一段と寒さが厳しくなりましたが,元気な姿が見られることが楽しみです。

今年もお世話になりました。

平素より格別のご愛顧を賜り厚くお礼申し上げます。 本年は大変お世話になりました。 来年もすてっぷ,じゃんぷ職員一同,皆様にご満足頂けるサービスを心がける所存でございますので,より一層のご支援を賜りますよう,お願い申し上げます。

さて,先日子ども達と年末年始の予定について話をしている時に「先生,僕って4月から成長した?」と聞いてきた子どもがいました。「もちろん!年下の子の見本に率先してなってくれるし,苦手な勉強は教えてください,って言えるようになったし。学校の先生からもたくさん褒められたんでしょ?」と返すと,「うん!」と答えてくれました。

この子だけではありませんが,こういった節目の際にふと自分のことを振り返ることがあります。自分だけではどうだろう?と思い,身近な大人に聞くのでしょう。そういった時,うんと褒めてあげてください。できるだけ具体的に。そして子どもが「来年も頑張る!」と思えたら素敵ですね。

「来週のスケジュールは?」

 支援学校高等部のBくんは、すてっぷでパソコン学習や作業課題に毎回取り組んでいました。ただ、ときには気晴らしがしたいと、公園や散歩に出かけたいと職員に伝えてきました。そこで職員があくる日にお出かけを予定し、Bくんは機嫌よく公園へ出発。元気に体を動かして帰ってきました。ただ、その後でパソコン学習や作業課題に取り組んでいると、休憩時間が短くなってしまいました。するとBくんはイライラしだし、「どうしてパソコン学習や作業課題をしなくちゃいけないんだ」と職員に訴えました。

 職員としては、気晴らしに公園へ行ったのだから、いつものパソコン学習や作業課題をがんばってほしいと思い、帰ってからの課題を予定し、当日のスケジュールでも提示していました。しかしBくんにとっては、公園に行った分、休憩時間が少なくなるとは思っていなかったのでしょう。そして当日のスケジュールを確認し、そのスケジュール通りに取り組まないといけないと課題をがんばったものの、休憩時間が少なくなったことで、課題の押し付け感が生まれたのかもしれません。

 このままでは課題に前向きに取り組めなくなってしまうと、職員間で話し合いました。そして事前のスケジュール交渉に問題があったのではと考え、事前のスケジュール交渉が視覚的に捉えられるようなツールを作ることに。そして、週末に必ず来週のスケジュール交渉をする時間を作ることにしました。Bくんといっしょにツールを確認し、まずは学校から帰ってくる時間と、家に帰る時間を始めに貼ります。そしてBくんが取り組みたい課題を貼り、職員がBくんに取り組んでほしいと考えている課題もそこで提示して、交渉。翌週の利用当日、到着したら最初にそのツールを確認して、その日のスケジュールを自分で作るようにしました。そうすることでBくんの課題の押し付け感は消え、今では前向きに課題に取り組めるようになりました。

 Bくんは会話ができる分、言葉だけでのやりとりだと誤解してしまう分があります。そしてスケジュール通りに取り組まないといけないというまじめさ(=こだわり)が、自分自身のしんどさに繋がってしまう場合があります。そこで、事前にスケジュール交渉をするツールを提示することで、視覚的に意思疎通しやすい中で、今は交渉していい時間だということが分かって、Bくんは交渉に臨めるようになりました。そうすることで、課題に前向きに取り組めるようになるとともに、新しい課題にチャレンジする余裕も生まれました。今はお母さんの言葉もあり、エクセルが使えるようにコツコツと練習に取り組んでいます。がんばれ、Bくん!

「よろしくお願いします。」

じゃんぷでは子ども達に指示を出す時,「よろしくお願いします。」と伝えるようにしています。

子ども達は「〇〇しようね。」と言われるより「〇〇をしてほしいのです。よろしくお願いします。」と言われる方がなぜか動くことが多いです。

先日,じゃんぷのクリスマスパーティーをしていた時に子ども達にテーブル拭きや道具の準備をしていた時です。今までは「テーブルを拭いてください。」と言われても「え~!」と言っていた子ども達が「先生からのお願いです。テーブルを拭いてほしいです。よろしくお願いします。」と言うと「わかりました!」と言ってテキパキと動きました。さらに「次は何をしたらよろしいでしょうか!?」と聞いてきます。(なぜか片膝をついて)

いつも,どの場面でも通用するというわけではありません。ただなぜか上から言われるよりもお願いされる,と下手に言われるとなぜか「しょうがないな」という気持ちになるものです。ご家庭でも使えるかもしれませんね。「お願いです。宿題をしてほしいです。よろしくお願いします。」「それは嫌です。」と丁重にお断りされるかもしれませんが。笑

バスはいつ来る?

 冬の外出計画を立案し始めました。今回のお出かけでは、小学生は公共交通機関を使うことを目標の1つにしています。すてっぷから駅まではバスを使って行くのが便利です。さっそく事前学習として、先日最寄りのバス停まで行ってきました。小学生のみんなは時刻表がどこにあるか見つけ、帰ってからでも確認できるよう、時刻表の写真を撮ってきてきました。時刻表はインターネットで検索してダウンロードすることもできますが、実際にバス停まで行くことで、当日にバスに乗るときの見通しも持てるようになります。

 去年も公共交通機関を使って清水寺などの観光地までお出かけしましたが、ほとんどの子は3月に卒業。今年のメンバーの大半は、公共交通機関での外出は未経験です。中には、バスに乗ったことがないという子も。経験のある年長者のAくんも、バスに対しては苦手意識があります。「財布落としてしまってん」とぼやくAくん。ただ去年のバスでのお出かけでは失敗しておらず、その前のお出かけで財布を落としてしまった記憶が混ざってしまっているようです。実際は1dayパスポートを購入し、そのパスポートで京都市内のバスを乗りついで出かけていきました。去年も事前に調べ学習をし、購入するには「どこで?」「いくらするの?」と調べています。そうして財布は出さずに、カバンなどに留めた定期入れに購入したパスポートを入れて、落とさずに帰ってこれました。

 他にも便利なのがICOCAなどの交通系ICカード。こちらも同様に、定期入れなどに入れて支払うことで、落とす心配が減ります。すてっぷで公共交通機関を使ってのお出かけは、年に1回ほど。成功体験に繋がるよう支援方法を職員一同で考えています。パスポートやICカードなどのアイディアもその一つ。また外出計画案が纏まりましたら、本人や家族に提案したいと思います。

興味があるのは良いことです!

先日,相談事業所とのモニタリングで「A君が学校でもとっても生き生きしてるんです!」と話を聞きました。A君は学習に向かいはしますが,苦手な算数の問題等は避けようとする姿がありました。(最後までやり切りますが)

今年の夏ごろ,突然漢字に執着する様子が見られました。漢字の学習をしている時でもそうでないときも,「〇〇って漢字はあるの?」「習ってない漢字は入ってる?」と質問をするようになりました。

お家や学校でも同じことをしているらしく,大人の思いとしては「それよりも今の勉強をしてほしいなぁ…」となるところです。

ですがその気持ちを受け止めつつも今の学習に向かえるよう工夫をする,ということになり,家庭,学校,じゃんぷ全ての場所で同じように対応をすることになりました。

「文章問題の漢字を教えて!」と言われると「問題終わったらね」「今日の算数の終わったら珍しい漢字5個教えるよ」と,その興味を引き出しにしながら学習に取り組みました。

学校,家庭,じゃんぷと同じ対応をするとA君はどこでも学習に意欲的に取り組み,難しかった文章問題も少しずつ自分で取り組むようになっています。(文字に興味を持ってくれたので文章を読む機会が必然的に増え,読む力がついたこともあります。)

子どもが何かに興味を持つことは素晴らしいです。そのことをないがしろにせず,学習に関連付けたりして学習に向かうための引き出しにすることが大事です。

また,今回は関係機関が同じ理解をし,共に支援が出来た事も大きいと思います。子どものことを理解し,共に支援をする。大事だなぁ~~!!!

 

出来てるよ

先日じゃんぷに来ている6年生の子どもと歴史新聞づくり(学校の課題)をしていました。自分で計画を立てる 投稿日時 : 11/30で紹介した子どもです。

自分で文章をまとめることが苦手な子なので,理科や社会のノートまとめをじゃんぷでしています。社会の歴史新聞づくりが最後に残っていた課題でした。書くテーマを学校の先生に自分で確認し,「書くとこ決めてきたよ」と言ってくれました。自立的に取り組めるようになってきています。

さて,国語の習っている単元としてはそろそろ卒業文集に取り組むころだろう,と思い「卒業文集取り掛かってる?」と聞くと,「もう始めて下書きもう終わるよ」と教えてくれました。

なんと自分で「一緒に考えてください」とお願いし,学校の先生と文章化を整理しながら下書きを進めていたようです。自分の取り組みやすいやり方を見つけ,自分で援助を求めることが出来たことに成長を感じました。

「ティーバッティングでも役に立つ!」

 すてっぷでは公園に行ったら、集団遊びに取り組む時間を作っています。時にはボールを持って行き、ドッチボールやサッカー、野球などの球技をすることも。集団遊びで野球をするときは、2チームに分かれるほどの人数もいないので、打つ人と守る人に分かれるようにしていました。ただピッチャーが投げるようにすると、なかなか打てなかったり、ストライクも入らなかったりで、守備をしている人が退屈になることがよくありました。そこで、 二人で打ったホームラン(2022/9/14)で紹介したように、今はピッチャーをなくして、ティーバッティングで打つようにしています。そして打つ人、守る人に加え、キャッチャーをする人を作り、返球を受け取ってティーにボールをセットする役割を持たせました。そして、その3つを順番交代で回して集団遊びとして取り組んでいます。

 先日も、支援学校中高等部生のメンバーで、ティーバッティングで遊びました。はじめに打つ順番を決めて、打つ人の次の人がキャッチャーをして、残りの人で守備をするようにすることで、自分たちで意識して順番交代ができました。中学部生のYくんは、キャッチャー役に大張り切り。打つ人のためにボールをセットしたり、ティーの高さを変えてあげたりしています。自分が守備をしているときに、バッターの人にティーの高さが合っていないのにキャッチャーの人がなかなか気づかなかった時は、守備位置からティーまで走っていき、ティーの高さを変えてあげることもありました。

 さて次のバッターは中学部生のZくん。厚着で動きづらい中、バッティングに臨んだものの、打ち損じてティーを倒してしまいました。Zくんは上着を脱いで、ベンチに置きに離れます。すると守備をしていたYくんはティーまで走っていき、ティーを起こしてあげました。ところが、上着を脱いで戻ってきたZくんは、邪魔をしに来たと勘違い。そこで職員が間に入り、YくんからZくんにどうしてそうしたか説明する機会を作りました。Yくんは「倒れたのを立たせたんだよ」と説明でき、Zくんは「分かったけど、いいから。自分でするから」と答えることができました。

 Yくんは、人の役に立ちたいと日常の中から手伝えることを探してがんばっているところです。集団遊びの中で役割を作ることは普段から心がけていることですが、その積み重ねがあって、Yくんが自分を輝かせる場面にたくさんチャレンジすることができているのだと思います。

比例・反比例

比例・反比例は小6の算数で習い,中学,高校の数学科でもずっと使っていきます。

この単元では文章を読んで式に直し,「比例か」「反比例か」を答えることがあります。例としては

①180ページある本をxページ読んだ時,残りページ数をyとする。

②半径がxcmの円の周の長さをycmとする。円周率は3.14とする。

③90cmのリボンをx等分したときの1本分の長さをycmとする。

④面積が20cm²の長方形の縦の長さをxcm,横の長さをycmとする。

 

といった問題が出てきます。上記の4つを「y=」の式に直し,比例なのか反比例なのか,どちらでもないのか答えます。

「表にすると簡単だ」と思いつつ,以外とそう簡単ではありません。比例はどのような関係なのか,反比例はどのような関係なのかを把握しておかなければなりません。さらに上記の問題では既習事項が定着している前提の問題です。読みや想像が苦手な子どもにとっては難しい問題です。

こういった問題の時,まず比例と反比例がどのような関係なのかに立ち戻ることが必要です。この問題に迷っていた子どもに下のイラストを見せました。すると「あ~そうやったそうやった。だからこれは…」と問題を解き始めました。

文章が羅列してあると混乱もしやすくなります。そういう時こそ原点に返ることが大事なのかもしれません。

本文に関係ありませんが面白かったのでこちらも載せておきます。↓

(画像元 パグまんが めー語

 

「僕の数は何だろう?」

 相手の心理を読む要素のあるゲームは、なかなか難しいですが、だからこそ好きという人が多いのかもしれません。犯人は誰?(2022/6/24)で紹介した「犯人は踊る」も、隠れている相手の手札を読むことが、勝利につながります。ただし、ババ抜きしたり交換したりで、犯人カードがあっちにきたりこっちにきたりするので、心理を読むことが絶対条件というわけではありません。その点も「犯人は踊る」が好きな子が多い理由なのでしょう。詳しくは上記の記事をご覧ください。

 さて先日、「コヨーテ」というゲームに取り組みました。このゲームは逆に、自分の情報が分からないゲームです。どういうことかというと、ゲームの初めにある数が書かれたカードが一枚ずつ裏向きで配られるのですが、そのカードを裏向きのまま自分のおでこにつけます。つまり、自分のカードの数はわからないまま、ゲームが始まります。ではどのように推理するかというと、他の人から情報を読み解くしかありません。他の人は自分から見れば表向きにおでこに着けているのですから、その人の数が何なのかわかります。さらに、ゲームとしては、1人ずつ数を増やしながら、順番を回していきます。そして全部の合計数を超えてはいけない(正確には超えたことがばれてはいけない)という条件もあります。なので他の人の数の増やし方から、自分の数を推理することも可能ということです。

 先日取り組んだ時のことです。職員が3、Wくんが20、Xくんが4のカードでスタートしました。Wくんから数を言っていくことになり、Wくんはまず「5」と宣言しました。ところが次のXくんが「25」と宣言。職員の3、Xくんの4しか見えていないWくんからすると、Xくんが「25」と大きい数を言ったのは、自分の数が「20」だからではないかと推測できたのでしょう。案の定、Wくんは次の番で、自分の数と予想した20と、見えている職員の3、Xくんの4とを足して「27」と答え、それがまさしく合計の数。次にXくんが宣言した「28」が、アウトの数になってしまいました。終わった後で、Xくんとは「Xくんがいっきに20増やしたから、職員とXくんの数が見えているWくんは、自分の数が20だとわかったんじゃないかな」と振り返りました。

 自分の数が分からない中、相手の数と相手の宣言から、自分の数を推理するということもさることながら、相手の視点に立って、自分の発言が相手の思考にどういう影響を与えるのかを考えるということも、コミュニケーションのよいトレーニングになるかもしれません。ですが大事なのは、ゲームとして楽しめたかどうか。楽しい時間を過ごせた中で、何か一つ落とし込めそうなことを職員が見つけられたら、その点にしぼって、職員と振り返るようにして支援しています。

活躍できる場

(クイズを作って発表しよう 投稿日時 : 11/21)の続きです。

最近はあまりのあるわり算の宿題にも挑戦しています。ご褒美だった「どうぶつずかんカード」も「もういいかな」と言っており,自立の時間になると「行くわ」と言って宿題やじゃんぷでの学習に向かっています。

さて,じゃんぷで作った「どうぶつクイズ」を「印刷してください」とお願いすることがありました。「いいけど,どうした?」と聞くと「学校で生き物係やからクラスの出し物でこのクイズ出したいねん」と話してくれました。

一緒にクイズを作っている時,絶滅危惧種のアレコレを調べながら「そうなんや!すげぇ!」「これは知ってたわ,先生知らんやろ~(笑)」と生き生きとした表情で取り組んでいます。そういった自分の得意を活かせる場所が学校にも出来た事が本当によかったと思います。

「自分が活躍できる場」というのは子どもの自己肯定感にとってとても大切なものです。毎週のように「今日はクイズ作りできる!?」と明るい表情で聞いてくる姿が出てきて嬉しく思います。

 

下は一緒に作ったクイズです。みなさんも解いてみてください。

「iPad代えて」

 すてっぷでの休憩の楽しみの1つがiPad。支援学校の子も小学校の子も、多くの子が、休憩のときに時間を決めてiPadを楽しんでいます。動画を見て過ごす子もいれば、ゲームが好きな子もいます。そのためiPadには、職員が許可したゲームアプリをいくつか入れています。ゲームアプリの中には、前回の続きが同じ端末でしかできないものもあります。iPadを導入した初期は、前回の続きがしたい、でもどれかわからないということがありました。

 そこでiPadのカバーの色を端末ごとで固定するようにしました。どの端末か、子どもでも分かりやすいようにしています。そうすることで、子ども達もストレスなく、どの端末だから、どの続きをしようかと見通しを持てるようになりました。さらに「黒いタブレットください」といった属性の要求や、「他の子がしたい色のタブレットを使っているから終わるまで待とう」といった交渉も起きるようになってきました。中には子ども同士で「○時になったら交代」といった交渉をすることも。「友だちとの約束」(2022/2/7)で紹介した友だち同士での交渉も、こうした経緯があり、交渉の経験を積み重ねていきました。

 ただ、友だち同士の交渉が、必ずしもうまくいくとは限りません。交渉の意味自体が分からない子もいますし、交渉の意味が分かる子でも、交渉が成立するには職員の支援が必要ということも多いです。先日、黒のiPadが使いたいUくんも、考えを巡らせていました。そのとき黒のiPadで動画を見ていたVくんは、今までUくんが交渉してもうまく交換できたことはありませんでした。ただVくんは、他の色のiPadを使っていたこともあります。Uくんもそれを覚えていて、交渉の方法を工夫したら交換ができるんじゃないかと考えたのかもしれません。Uくんは別のiPadを借りて、そのiPadでVくんが見ている動画と全く同じ動画を検索して表示しました。そしてその画面を見せながら、Vくんに「代えて」と伝えたのです。するとVくんは、そのiPadを受け取って、黒のiPadを手放しました。Uくんの工夫は功を奏し、見事VくんとiPadを交換できたのでした。

 Uくんが工夫して交渉し、VくんとのiPadの交換がスムーズにいったことは、Uくんにとって何よりの成功体験になったと思います。放課後等デイサービスだからこそ起こった、子ども同士のコミュニケーションの機会。UくんにとってもVくんにとっても、コミュニケーションが育つ場面がいっぱいです。どんな日常にも起こるそのチャンスを、損ねないよう気を引き締めて支援していきます。

クリスマスが今年もやってくる♪

竹内まりやの「すてきなホリデイ」がCMで流れる季節となりました。

じゃんぷでは子ども達がクリスマスカードを書き,それを手作りの「アドベントカレンダー」としてクリスマスまで(正確にはじゃんぷクリスマスパーティー)の日数を数える,という取り組みをしています。

さて,なんてことのない遊びのように思えますがじゃんぷに来ている子ども達の中には「書くことが苦手な子ども」「自分で文を考えることが苦手な子ども」「日にち等の抽象的な数的概念を想像することが苦手な子ども」と様々です。

クリスマスカード作りの時,まず子ども達にアドベントカレンダーを見せ,「この中にみんなが書いたカードを入れ,一日ずつ開けて書いた紙をツリーの形になるように貼っていきます」と,子ども達が楽しみになるように,そしてどのようなものが出来上がるのか具体的に見せました。

そしてクリスマスカードの内容は「①ことしほしいプレゼント ②いままで もらって うれしかった プレゼント」とテーマを作り,見本の文章を書いています。また,「わからないとき,むずかしいとき は せんせい に そうだん しても よいです。」と難しい時にどうすればよいかを示しています。

今子ども達がじゃんぷに来所したときに「今日のカード」と発表をしています。それと同時に「あと何日って書いている?」と一緒に数えることもしています。

子ども達がゆったりとリラックスしつつ,実は学習になっている,という仕掛けをしています。アドベントカレンダーの側にはクリスマスツリーを置き,それでほっこりしている子どももいます。癒されるね~!

(写真はじゃんぷのではありません!ごめんなさい!)

おやつでもPECS

 支援学校高等部のSくんは、2週間ほど前から、机でおやつを食べることにチャレンジしています。Sくんは高等部生ですが、背丈が小さく、おやつのときはずっと座椅子を使っていました。ですが成長期と言うこともあってかこの半年で、ぐんと身体が大きくなりました。そこで、机でおやつを食べることにしたのです。

 飲み物もペットボトルからコップに変えてチャレンジ中。1年前まではトレーニング用のマグカップを使っていたことを思ったら、驚くほどの成長です。スプーンは以前から使うトレーニングをしていましたが、この1年は、自分の指で食べるもの(せんべいなど)をつまむトレーニングもしています。

 そんなSくんですが、食べる姿の成長もさることながら、おやつ時に行っているPECSトレーニングでも目覚ましい成長を見せてくれています。慣れているおやつ、飲み物なら絵カードの弁別もばっちりで、絵カードをしっかり見て要求したいものを確認してから、職員に手渡すことができています。「まって」カードをもらって椅子に座って待ち、ふたのあるミニゼリーをもらうと、ふたを開けてほしいと「てつだって」とカードで伝えることもできるようになりました。

 同じように、PECSトレーニングの成長が目覚ましいのが、小学部のTさん。Tさんは2語文(○○+ください)にチャレンジ中です。タイミングが合えば、SくんとTさんとで、同じ机に並んで座り、いっしょにおやつでPECSトレーニングをすることも。1年前の2人のおやつの様子を思い出してみると、考えられないくらいの成長を見せてくれている2人ですが、そんな成長した未来のことを思いえがいて、毎日コツコツとトレーニングを続けてきた日々の積み重ねの結果だと考えると、支援の重要さを実感します。

 

「出来ない」の悪循環

「僕は〇〇が苦手で出来ないんや~」という子どもの声をよく聞きます。しかし案外それは本人の思い込みだった,ということも少なくありません。

例えば先日「国語は苦手なんや…文章読めんし…」と話していた子どもが国語のテストで高得点を取ってきました。その子は本をよく読んでおり,興味のあることに関しての知識は大人を優に超える程の知識を持っています。それだけ本を読んで内容を理解することができるので漢字を書くことは難しいにしても読解問題は解くことが出来ます。実際じゃんぷで取り組んだ時も「嫌だ~苦手や~!」と言っていた割に始めると「…あれ,出来るわ」と本人も驚いた様子でした。

さて,「出来ない」と思い込むということは周りから「出来ない」と思われていた,ということです。「ゴーレム効果」というものがあります。それは「ある人物に対して周囲の期待が低い場合、その人物は周囲の期待通りにパフォーマンスが低下してしまう」という心理学効果です。例えば仕事の中で「〇〇さんはどうせできないから…」という空気を職場で作ってしまうとその通りにパフォーマンスが下がってしまい,どんどん仕事が出来なくなる,ということです。反対に「ピグマリオン効果」というものがありますが,これは学校現場でもよく使われている言葉なので知っている方も多いと思います。

子どもは大人のことを本当によく見ています。子どもがこういった悪循環に陥らないよう,子どものことを適切に理解,評価して支援をしなければならない,と改めて感じています。

我慢するって?

11月に各小学校で就学時健診が行われました。ここで就学前の子ども達の健康診断を行うとともに,保護者の方への説明会や就学相談をする機会もあります。

また,30分ほどの時間を使って就学前の子ども達が教室で絵を描いたりする時間があります。そこで小学校の教員が子ども達の様子を確認します。就学児健診後の話の中でよくあげられるのは「指示通りに絵を描いていなかった」「友達と話すのが止まらなかった」「座っていられなかった」といったことです。

この中でも注目されるのは「座っていられなかった」です。そして「どうやって座らせることが出来るか」等の話から始まります。

しかし発達段階のことをよくよく思い出すと,あることに気が付きます。

「我慢する」というのは概ね4~5歳半の時に形成される社会性です。当然発達というのは子どもによって様々なので就学直前にここまで至っていない子どももいます。

教員の立場からすると学級経営のこともあり,「どうやってルールを理解してもらおうか」という視点になりがちです。(筆者もそうでした…)しかしそこまでの社会性が形成されていない子どもに「ルールだから」と教えてもわからないのは当然のことです。

そうではなく,その子の強みを見極め,それを活かせるような支援が必要です。その子の興味関心,視覚,聴覚…etc その子にとって最大限のパフォーマンスが出来るように関係機関と連携しながら支援が必要でしょう。

話は逸れましたが,「我慢する」がまだ形成されていない子どもにはその子の強みを活かした支援をし,「ルールを守れた」という事実を作ってあげることが大切です。また,「我慢する」ということは「真ん中を意識する」ということです。(「やる」か「やらない」だけの世界なので「やりたくないけどちょっとやってみる」という真ん中です。)

真ん中を意識するような遊びが有効かもしれません。積木を階段状に積む,お盆の上にボールを置いてそれを落とさないように運ぶ等々…発達段階を見極め,それに合った遊びや活動がたくさんあります。今後もそれを紹介していこうと思いますね。

「僕に任せて!」

 先日、支援学校高等部生のQくんが、同級生のRくんといっしょに、ペットボトルつぶしの協力作業に取り組んでいました。自分たちで作業の準備を終えると、Qくんは職員に手のしぐさでサインを出しました。「自分たちで作業するから、離れていて」。そして二人で作業を始めます。ペットボトルのラベルを外すのに苦戦しているRくんに、Qくんはそっと手を差し出し、「R君、手伝っては僕に言って。」と言いながら、ペットボトルを受け取るとラベルの端をこすり、ラベルを取りやすい状態にして、Rくんに渡しました。そして二人でペットボトルつぶしをやり切り、職員に「2人で終わりました」と報告しました。

 Qくんは少し前までは、作業に自信を持てていませんでした。ドッグ棒(ホットドッグ用の太くて先が丸まっている串)を10本ずつまとめる作業では、やり切れるか不安で職員を呼び、それでも本数の間違いや、向きの間違いがたびたび見られました。自立してできるようになってほしいと職員は一考し、10本並べてから袋に入れられるようにジグ(補助道具)を作成しました。

 ジグを見るとQくんは「これなら僕にもできそう。」と言って、すぐに飛びつき、作業に前向きに取り組むようになりました。ジグを使って作業に正しく作業を終えられることが増えてくると、Qくんの姿に変化が。自信を持って作業に取り組めるようになり、職員にも「離れてて」と示して、自分でやり切れることが増えていったのです。空き缶やペットボトルつぶしの作業も自信を持ってやり切れるようになっていき、それが協力作業にもよい影響を与えるようになりました。

 自立的にチャレンジするということは、時には不安が付きまといます。その不安を職員が受け止めるだけではなく、こうしたらうまくいくということを提示することも、支援の大事な中身です。自立して作業できるようになったことで自信を持てるようになり、協力作業で友だちを手伝ってあげている(それも友だちができる部分を残す形で!)Qくんを見ていると、この仕事をやっていてよかったと心から思えてきます。

ソーシャルスキル

先日友人からこのような話を聞きました。

「Aさんと買い物行ったときに〇〇円以上買ったら特典がつくんやって。それでAさんの金額が少し足りなかったから俺の買おうとしてたやつを『勝手に』会計一緒にされたんやけど(笑)」

その話を聞いた時に「なぜだろう?」と考えましたが,Bさんの視点から考えると「もう少しで特典がもらえる」→「一緒に買っちゃえばいいよね」→「よし一緒に買おう」という思考になったのではないでしょうか。

この話のどこに問題があったかというと「『勝手に』会計を一緒にした」というところです。友人も(笑いながら)「一言言ってくれればよかったのにな~」と話していました。

この話を聞いた後にソーシャルスキルのことを思い出していました。ソーシャルスキルトレーニングでは、対人関係や集団生活を営みやすくするための技能(スキル)を養います。

子どもでもよくあることで,特に対人関係において人の表情を読み取る,場の空気を読む等が苦手な子どもはソーシャルスキルトレーニング(以下SST)を学習の中で取り組むこともあります。

じゃんぷに来る子ども達は「自分の話聞いて~!」と自分語りが止まらない子ども達もいます。そういった子ども達に対しては最初にスケジュールを見せ,学習の合間に「お話タイム」という項目を作って「この時間に話聞くから楽しみにしてるね!」とポジティブになるような言葉を使いながらSSTをしている子どももいます。

こういったことに関しては同法人のすてっぷの方がよく取り組んでいます。今までの記事にもSSTとは書いていませんがそれに繋がることを書いている記事がたくさんあるのでぜひ読んでみてください。

 

体重移動の学び方

 すてっぷでは、支援学校の中学部生や高等部生の作業課題として、アルミ缶やペットボトルの分解・つぶし作業に取り組んでいます。つぶす本数を始めに確認し、自分で準備片付けをして、終わったら報告するまでを自立して行えるように練習しています。協力作業が課題となる子らが複数で取り組むこともあります。

 中学部のPくんも、アルミ缶つぶしの作業課題に取り組んでいます。ただ、アルミ缶をつぶす際に、すてっぷではプレス器に足を乗せて、ぐっと体重をかけてつぶすのですが、Pくんはこの体重移動がなかなかうまくできず、缶をきれいにつぶせませんでした。しばらくは自立的に行うことや、協力作業の際のコミュニケーション課題と並行して行ってきましたが、プレス器の使い方はなかなか上達しませんでした。

 ある日のこと、この日もPくんはアルミ缶つぶしの作業課題に取り組んでいました。やはり、アルミ缶は上手につぶせず、職員が見本を見せていました。すると、Pくんは近くにあった「てつだって」の絵カードを手に取り、職員に渡してきたのです。職員が「わかったよ。じゃあいっしょにつぶそう」とPくんの手を取り、プレス器を踏むのを待ちました。そしてPくんがプレス器を踏むと、ぐっと手を引き寄せ、Pくんの体重がプレス器にぐっとかかるようにしました。そして、それを何回か繰り返しました。

 するとPくんは、体重移動のコツをつかみ、次の日から自分だけでプレス器を上手に使えるようになったのです。上からの指導や指示ではなく、本人のアクションに合わせて本人本位の形で伝えられたことが、功を奏したのかもしれません。今ではPくんにとってアルミ缶つぶしの作業は、自信をもってやり切れる課題の一つになり、協力作業でも友だちをリードすることが増えてきました。自立してできるようになったことが本人にとってとてもよい影響があったことをうれしく思うと同時に、これからもどんどん増やしていけるように支援していきたいと思った出来事でした。

自立学習の時間

じゃんぷでは子ども達が自分で学習をする「自立学習」の時間を作っています。子ども達が自分で学習を選び,順番を決め,自分がやりやすい学習方法を確立していく力をつけるために取り組んでいます。

集中するため,時間を意識するための道具を使ったり,解きやすい方法を個別の学習の時間の中で教え,自立学習の時にそれを使って自分で学習を進めるためです。

最初はこちらで取り組む内容を決め,子どもと相談しながら調整をしています。また,1人では難しい宿題等もあるため,そういうときは「先生に質問しても良い」というルールを設けています。しかし「わからないことがあったら質問したらいいよ~」と伝えていましたが中々質問が出来なかったりどうしたらいいのかわからないまま終わってしまうことが多々ありました。

そこで子どもそれぞれに「ヒントカード」を作り,「〇〇〇を貸してください。」「教えてください」といった言葉を書き,それぞれの子どもの前に張り出しました。そして使えた言葉には花丸をしたり,ヒントカードにはない言葉を使った時はそれを書き,「今の言い方もいいね!」と評価をしています。

するとどんどん子ども達が「教えてください」「〇〇を貸してください」と自分に必要な物を借りたりわからないところを聞いたりするようになりました。

具体的にどのような言葉を使えばいいのかわからなかったようです。子ども達の吸収力はさすがです。時間の意識が難しかった子が「タイムタイマー貸してください」感覚がないと集中が続かない子が「足のマットを貸してください」わからない問題を放置してしまっていた子が「この問題を教えてください」と要求するようになりました。

自分で計画を立てる

じゃんぷに通う小6のO君は今自分で学習の計画を立てています。中学になると定期テスト等で自分で計画を立てて学習を進めていく機会が増えていきます。

自分で見通しを持って計画を立てていくことが苦手なO君は学校の提出物が遅れてしまったり忘れ物が多かったりしました。なのでまず「その日のスケジュールを先生と一緒に決める」→「次の日のスケジュールを先生と一緒に決める」→「次の日のスケジュールを自分で決める」…これをスモールステップで進んでいっています。今は「次の日のスケジュールを先生と一緒に決める」に取り組んでいます。

O君は忘れ物が多いですが注意不足や衝動性,多動性による忘れ…というわけではありません。検査等からもそれがわかるのですが,ではなぜ忘れ物が多いのかというと「何のために必要なのか」をあまり感じていないようです。

つまり自分の中で「それが必要だ」と感じていないため,優先順位が下がり持ってこない,ということです。なので今,「自分で立てたスケジュールの元に準備をし,行動する」ということをしています。それから少しずつですが,O君の忘れ物は少なくなってきています。(まだ「やる必要あるのかな?」と感じている宿題については持ってこないことも多いですが…)

自分のスケジュールを理解しなければならない,と感じたのか家や学校でやるべきこと,やりたいこと等も話してくれるようになりました。じゃんぷで手伝ってもらいたい宿題や発表の準備等,少しずつ自分のやるべきことを把握してきています。

もうすぐ中学生になりますがまだまだ遊びたい年頃です。「ゲームがしたいなぁ…」とぼやくこともあります。先日はO君が「先生,スプラトゥーンのアップデートあるの見た?めっちゃブキ増えるし楽しみやなぁ!!」と話してくれました。

…ごめんよO君。先生は今パルデア地方で冒険をしています。

ボールシュート改

夏休みの終わりから、ワニワニパニック、ボウリングと集団遊びに取り組んできた、支援学校小学部低学年のグループ。11月中旬から、新しい集団遊びとして、「ボールシュート」という取り組みにチャレンジしています。

 もともと「ボールシュート」は、これまで上級生の子たちも取り組んできた遊びです。1人ずつ交代でチャレンジし、スタート位置からシュート位置までボールを持って歩いて(できる人はドリブルもして)から、段ボールで作ったゴールにボールを投げ入れる(落とす)というゲームです。段ボールのゴールは、ボールが入ったら「リン♪」とベルが鳴る仕組みにして、入ったことが分かりやすくなるような工夫をしています。また、段ボールそのものを床に置いてゴールにしていたので、前に投げるのが難しい子でも、落とすだけでゴールすることができるようになっていました。ただ、投げる前にうつむくように見る必要があり、自分で注目するのが難しい子も。また、落とすことができるようになっても、投げることに繋がりづらいという面もありました。

 そこで、今回チャレンジするグループの子達に合わせて、ゴールもアップデートすることにしました。ちょうどいいサイズの室内用の物干し台も見つかり、さっそく職員たちで改良。子どもの腕の高さにボールを入れる入り口を作り、ネットに跳ね返って、下の段ボールゴールに入るようにしてみました。

 ゴールが完成し、いよいよ「ボールシュート」の取り組みスタートです。出そろうのが難しくても、椅子に座って他の子を待つことがだんだんとできるようになってきています。みんなが揃ったら、さぁチャレンジ! ボールの受け渡しは、ボウリングの時の経験が活き、もうお手の物です。肝心の「ボールシュート」の取り組みは、足形のスタート位置の理解や、ボールを投げ入れることの理解に、初めは時間が必要でしたが、狙い通りボールを投げ入れる位置を自分で見ることができ、ボールをそこへ持って行くことができるようになってきました。自分で投げ入れられるようになるにはまだ積み重ねが必要そうですが、いつの日か公園で職員や友だちとボール遊びができるようになれたら嬉しいですね。この取り組みも、これまでの集団遊びと同じように、毎日コツコツと取り組んでいきます。

分数ってどういうこと~?

じゃんぷに通う3年生の多くの子どもが分数の学習に入りました。「分数ってどういうこと~?」と悩んでいる子どもも中にはいます。

分数の概念を教える時,下の画像のように丸いケーキをイメージしてそれを分ける場合や箱の中を分ける等,様々な具体例を出すことがあります。

初めに子どもがイメージをしやすいよう,こういった具体例を出します。ただイメージをすることが苦手な子ども達にとっては全く形が違うために同じ1/8でも「どこが同じなの!?」と混乱をすることがあります。1/8にはいろいろな1/8がありますが,今後習う小数との対応関係の学習,また継次処理が得意な子どもにとっては下のような細長いものの1/8が分かりやすいことがあります。

分数の概念がわからず,「数の小さい方から並べなさい」という問題で「1/2,1/3,1/4,1/5」と分母の数が小さい順に並べることもよくあります。こういった具体物の操作や視覚的な支援があるとよりわかりやすく分数の概念を教えることが出来ますね。

「友だちが褒めてくれたよ!」

 先日、小学生のJくんが学校の休み時間で描いたという絵を、すてっぷに持ってきて、職員と友だちのKくんに見せてくれました。絵は、2枚あって1枚はアニメのキャラクター。もう一枚はゲームのキャラクターの絵でした。Jくんは、「こっち(アニメのキャラクター)の絵は上手に描けたと思う。こっち(ゲームのキャラクターの絵)はあんまり上手に描けなかった。」と自信なさげ。ですがKくんは「○○じゃん。」と、Jくんが描いたゲームのキャラクターが何かすぐわかりました。そして、「おぉー!すごーい!」というようなリアクション。職員も「2枚とも上手に描けてると思うよ。」と伝えました。Jくんは、「ここを描くのが大変で…」と伝えたいことをKくんにずっと話をしていて、Kくんも「うん。うん。」と頷きながら話を聞いてくれていたので、Jくんは嬉しそうでした。

 翌日、「昨日、Kくんに見せたけど、(今日すてっぷに来る)Lくんにも見せたいから。」と、Jくんはこの日も2枚の絵を持ってすてっぷへ。Lくんには、ゲームのキャラクター(○○)の絵も、堂々と「見て見て」と伝えました。Lくんは開口一番に「〇〇じゃん。上手いなぁ。」とJくんに伝えました。その後も、「今までで一番上手いんちゃう。」と褒め、「この右手の辺りが上手に描けてて凄い。」や「絵上手に描けていいなぁ。」などたくさんの言葉を使って、Jくんが描いた2枚の絵を褒めていました。Jくんもたくさん褒められたので上機嫌になっていました。

 職員はJくんの2枚の絵を見て、「2枚とも上手い。」と正直に感じました。ただJくんは、「1枚は上手に描けたのだけれども、もう1枚の絵はあまり上手に描けなかった。」という気持ちが強かったようです。ですが、職員、Kくんに絵を褒めてもらう事で、「あまり上手に描けなかった。」から「そんなことないのかな。上手に描けているのかな。」と気持ちが和らぎ、Lくんにも堂々と見せることができたのだと思います。普段、職員たちが意識している「褒めて伸ばす。」ということが、子どもたち同士でもあるのだなと、ほっこりしたできごとでした。

T先生とY先生の雑談話 国語編2~文章の読み視点~

筆者とY先生で教材研究をしていく中,物語文と説明文の読みのポイントを教えてもらいました。筑波大付属小の白石範考先生や桂聖先生の著書を元に,紹介をします。

~物語文~

物語文の読みは「なぜ,そのようなことが起こったのか」「どうして、そのように変わったのか」という出来事や登場人物の気持ちの変化といった因果関係をとらえた読みが必要です。そのためには作品全体の繋がりをきちんととらえておかなければなりません。教材を以下の3つに分け,作品内容の因果関係をとらえます。

①「はじめ」の場面

中心人物と対人物が出会う前の場面・中心人物の状況説明の場面

②「なか」の場面

中心人物と対人物が出会って,さまざまな繋がりを持つ場面

③「おわり」の場面

中心人物がどのように変容したのか,決着がついた場面

 

~説明文~

説明文についても同じようなことがいえます。「どんな問題・課題」を「何を例にして」「どのような結論を出し」「その内容からどんなことを主張しているのか」を読むことが求められます。文章全体の繋がりをとらえて,その主張を読むことの重要性がここに見られます。

①「はじめ」の部分

序論・課題提示・話題提示・前書きにあたる部分

②「なか」の部分

課題・話題に対して,具体的なさまざまな事例から解決を図る部分

③「おわり」の部分

解決から筆者の主張・要旨の部分

 

上記のように「どのような視点で」「どこをポイントに」を見極め,教材のポイントをとらえて子ども達に学習支援を行っています。教員時代,国語の授業が一番苦手だった筆者にとって目から鱗の情報ばかりです。文章の読み方をとらえさせることができれば,子ども達も授業で「お客さん」にならず,積極的に参加することが出来ています。

下の画像は白石先生が挙げる「読みの10の観点」です。こちらも大変参考になりますので興味のある方はぜひ調べてみてください。

「おにごっこしよう!」

 支援学校小学部のIさんは、公園で遊ぶのが大好き。スケジュールで見通しを持ち、自分の勉強が終わったら、「公園!」と言って砂場遊びの道具や自分の水筒を準備して、友だちや職員と一緒に出掛けていきます。公園では砂場で遊んだり、裸足で砂の感触を楽しんだり。時には公園に来ている地域の子に話しかけて、一緒に遊ぶこともあります。

 友だちと遊べることが何かないかなと考え、「おにごっこ」をしてみることにしました。職員に追いかけてもらうと、喜んで走るIさん。ただ、「おに、交代」と伝えると、「おにはイヤ!」と拒否します。「おに」という言葉と、「追いかけて遊ぶ」というイメージが結び付かなかったのかもしれません。

 そこで、職員と1対1でシミュレーションしてみることにしました。「○○さん(職員)が、おに」と伝え、Iさんにタッチします。そして、「Iさんがおに。タッチして」とおにの役割を伝えました。するとIさんは、職員にタッチしてきたので、「じゃあ次は先生がおに」と、おにが交代したことを説明しました。そしてタッチするまでの時間(追いかける時間)を少しずつ長くしていき、何度も取り組みました。

 そうして今では、職員と順番におにを交代しながら、長時間おにごっこで遊べるようになりました。友だちともおにごっこで遊ぶことに、少しずつチャレンジしています。おにごっこが大好きになったIさん。公園に行ったときに地域の子に「おにごっこしよう!」と声をかけるようになりました。スモールステップで取り組んできたことで、Iさんが友だちと遊べることが、また1つ増えました。

クイズを作って発表しよう

「どうぶつずかんを読もう!: 10/13」で紹介した子どもと,休憩時間にみんなで遊ぶ取り組みについて一緒に考えていました。「〇〇君が今まで集めた動物図鑑でクイズ作って,クイズ大会をしてみたら?」と話すと.「いいよ!やろうやろう!」と言ってくれました。

読み書きが非常に困難な子なのでみんなの前で文章を読む,ということは嫌がるかなと思ったのですが…とても乗り気になってくれました。

今まで集めた動物図鑑カードを持ってきて,個別学習の中でクイズ作りをしました。「2年生もいるから選択式にしたほうがいいかな…」「難しいから〇問正解した人にはボーナスのおやつプレゼントとかしたいな」「ラッコの数とか俺もびっくりしたからみんなも驚くんじゃないかな」…たくさんのアイデアを出してくれました。

動物の名前書いてくれないかな~と思い,問題のテーマとなる動物の名前を書く欄を作ったのですが,「ラッコ」を書いて力尽きたようで「後は先生が書いて…」となったのですが…それでも苦手な文章読みを頑張って何回も練習し,みんなの前で発表してくれました。

下の画像はその子と一緒に作ったクイズの原稿です。文章は文節ごとに空白を作り,該当学年まで習った漢字を使いつつも読み仮名をつけています。単語のまとまりを意識して読む練習にも繋げています。

「ふえおにならいいよ」

 走るのが大好きな子どもたちでも、鬼ごっこは苦手という子は少なくありません。すてっぷにも、鬼ごっこはちょっと…、と言う子がいます。話を聞いてみたり様子を見てみたりすると、自分が鬼役になった時に友達を捕まえることができないという不安感や、逃げきれずタッチされて鬼役になってしまって気持ちを切り替えられないしんどさがあるようです。

 そこですてっぷで鬼ごっこをするときは、ふえおにをすることにしました。普通の鬼ごっこのようにタッチして鬼が交代する鬼ごっこ(代わり鬼)ではなく、タッチしたら鬼役が増えるというルールです。『鬼に交代する=ネガティブなイメージ』のすてっぷの子たちに、ふえおにでは『鬼役になる=一緒に追いかける役割の仲間になる⇒友達と協力できる』というポジティブな考え方を伝えてみました。

 すると、鬼ごっこが苦手だった子どもたちも、ふえおになら元気に最後まで遊べるようになりました。今までは「鬼ごっこがしたい!」という意見に、「僕は絶対嫌!」と強く拒否していた小学生のH君も、「ふえおにならいいよ」と受け入れられるようになりました。そして、みんなで遊ぶ機会も増え、鬼役に慣れていくうちに抵抗感も薄くなり、今では普通の鬼ごっこ(代わり鬼)にもチャレンジできるようになったのです。

 遊びをした時間が、子どもにとってネガティブなイメージで終わらないように、まずは「参加できて、一緒に遊べた。」ことを褒めていくことが大切だと考えています。子どもたちが楽しく遊んでいると、大人もついつい時間を長くさせてしまいますが、疲れがたまってきたり、ちょっとしたネガティブな気持ちが積みあがったりすることもあります。ポジティブなイメージで終わらせるためには、子どもの表情や様子を見て、遊びを終わらせるのも大事かなと思います。子どもたちも「もうちょっと続けて遊びたかったな。」と思うくらいがちょうど、ポジティブなイメージで終えられて、次回する時に進んで遊びに参加しやすくなります。H君のような変化が見えて、職員はとても嬉しくなりました。これからも、子どもたちが、「一緒に遊べた。」というポジティブな経験を積み重ねられるように支援をしていきます。

文章問題のポイント

算数の文章問題で悩む子どもは非常に多いです。

文を読んで内容を想像し,頭の中で数の操作をしながら計算式を立てる…という複雑な処理をしています。文字を読むことが苦手な子,計算が苦手な子や書くことが苦手な子にとって一つの事に力を使うことに加えてたくさんの情報を頭の中で整理していかなければなりません。

考えることが難しくなり,授業中「お客さん」状態になってしまうことも少なくありません。授業者としてはそうならないよう配慮しているつもりが後でノートを見てみたら全然考えさせることが出来ていなかった,ということもあります。(筆者もそんな教員でした。反省です…)

じゃんぷでは子どもが学校の授業の中で「お客さん」にならないように学習支援もしています。3年生の「何倍でしょう」という単元はほとんどが文章問題なので「この単元嫌や~」となる子どもが多かったです。

ある子どもは計算式の想像が難しいですが聴覚記憶が良く,「〇〇の時は△△!」とパターンで覚えることが得意な子どもです。こういった子どもには下のような板書をし,文章を一緒に読んで「何倍でしょうがあったから?」「わり算!」「2倍です、と書いているから?」「かけ算!」と文章のパターンを教えました。すると想像がしやすくなったのか「何倍でしょう」の文章問題は解けるようになっています。基本的にテープ図等,視覚的な支援が多いですが子どもの特徴によって支援内容を考えることも大切です。

(板書が撮れておらず教材研究中の汚いメモしか残っていませんでした。ご了承ください。)

子どもが見通しを持ちやすい教材を

先日ある子どもが下の画像のようなプリントを持ってきました。

 

よく見るようなプリントです。ただその子どもは学習に対してかなり強い苦手意識があり,また読み書き,計算も相当にしんどい気持ちを持っています。

わり算を一問解くだけでしんどくなってしまう子どもが50問あるプリント(一面で50問なので裏表合わせて100問ですね。)を見たら「終わらせたい!」という気持ちより「しんどい、やりたくない!」という気持ちが勝ってしまうようです。さらに書くことにも困難があるため小さいスペースに計算をして書く,ということがどれだけしんどいことか,想像は容易いです。

しかし「宿題はやらねばならぬ」と思っているようです。なので下のように10問ずつのプリントに分けました。

 

一枚のプリントに見える情報量を少なくしています。また,「全部一気にやる必要はないから,今日は〇枚進めようね」と本人の負担にならない程度に取り組む枚数を決めて学習に臨んでいます。「これなら出来るわ!」と自分から学習に切り替える姿も見られてきています。数が膨大で終わる見通しが持てなかったのが,「この方法なら出来る」と見通しを持てたようですね。中学3年生の国語「握手(井上ひさし)」に登場するルロイ修道士ではありませんが,「困難は分割せよ」と声をかけたいものです。

「トランポリン大好き!」

 先月からすてっぷでトランポリンの取り組みを始めました。支援学校小学部の低学年の子を対象に、室内で直径1mほどのミニトランポリンで取り組んでいます。もともと公園などに出かけ、道中の散歩や公園でのブランコで運動の機会を作ってきましたが、運動の幅を広げようということと、室内でできることを探そうと考え、トランポリンを導入しました。このグループでは、集団での設定遊びとして、ワニワニパニックやボウリングに取り組んでいるところでした。そこで、設定遊びが終わったら、その集団のまま、そのスペースでトランポリンに取り組むようにしました。

 今年の夏、すてっぷでは初めての集団遊びとしてワニワニパニックに取り組んだDくんやEさんは、慣れて参加できるまで時間がかかりました。ですが、座って見ているだけでも「参加できたね、えらい!」と褒めるところから始め、毎日積み重ねていくうちに、次第に取り組めるようになっていきました。そしてボウリングに切り替えていったときには、スムーズに着席し、遊びに入れるようになりました。その成果が出たのでしょうか。もともとトランポリンが好きだったこともあったかもしれませんが、DくんやEさんはトランポリン遊びになるとスムーズに着席! 回数を数えて終わりを示すと、順番交代もばっちりです。

 そしてジャンプはあまりできないFくんや、車いすで過ごすことの多いGさんも参加するようになり、より大きな集団での遊びになりました。Fくんは自分の番になると職員を呼び、手を持ってもらいながら跳ぶのを楽しんでいます。最近は腕に力を入れながら、後ろから腕を支えてもらうことで、自分で跳ぶことがお気に入りです。Gさんは歩いてトランポリンまで行き、トランポリンの上に座ります。職員が後ろから一緒にトランポリンに乗り、ジャンプ! Gさんも座ったまま跳ねるように跳び、その感覚を楽しんで笑顔に。最近は職員に支えてもらうことで、立って揺れを楽しんでいます。

 大好きなトランポリン遊びがすてっぷでもできるようになり、遊びのレパートリーが増えた4人。一緒に遊ぶ人が変わったり、時には4人での集団になったりしても、順番を守って、自分の番が来たらトランポリンに行って遊んで、終わったら次の人に交代するという、簡単なルールをしっかり守れています。日々の積み重ねの成果が出たと実感しました。次は何の遊びにしようかなと、職員みんなで思案中です。