すてっぷ・じゃんぷ日記

2024年5月の記事一覧

「じゃあそっちは分配法則ってこと?」

じゃんぷでは、中学生も授業後や部活後にやってきて、学習に取り組んでいます。多くの中学校では、来週から1学期の中間テスト。じゃんぷの中学生たちも、自分に合わせた勉強方法を職員と相談しながら、テスト勉強に取り組んでいます。

 先日、数学ドリルに取り組んでいたIくんが手を止めました。見ると、多項式の因数分解の問題です。職員がその問題をホワイトボードに書いて、解き方を教えます。「そうなんだけど…」と納得のいかない様子で、答えまでは書きましたが、以降の問題は同じように解けません。様子を見ていると、どうやら解き方を全く知らないわけではなさそうです。続きのページにあった、足したら○、かけたら△になる数字は?という問題はすらすら解いていました。ですが、続けてまた因数分解の問題になると、多項式をさらに細かく書こうとして、()すら出てきません。

 そこで職員が大きなホワイトボードに、展開と因数分解について書いていると、同級生の友だちや他の職員も参加して、ミニ講義のような形になりました。友だちが「因数分解は…」と先生と話していると、Iくんも会話に参加。「素因数分解のときは…」と友達に言います。ここで初めて、素因数分解と因数分解で解き方が混ざってしまっているのではと職員が気づきました。そこで「因数分解というのは数×数の形にすること。素因数分解は素数×素数にしているよ」と伝えると、Iくんは少し納得したようで、「じゃあそっち(展開)は分配法則ってこと?」と尋ねます。職員が「そう。分配法則を使って()を外しているよ」と答えると、納得したようでドリルに戻りました。

 じゃんぷに来ている子の中には、授業で聞いたことや昔教えてもらったことが大きく残っていたり、1対1の状況では緊張が増してしまう子もいます。Iくんも初め、職員から因数分解を教えてもらっても、頭に入っていないようでした。ですが友だちや他の職員も入り、みんなで自由に話せる機会が持てたことで、1対1では言えなかったことを言うことができたり、友だちや職員がホワイトボードを見て考えているのと同じように考えて自分の意見を言うことができました。1対1の学習にこだわらずに、同級生を交えて一緒に考える雰囲気を作ることで、自分の考えや思っていることを言いやすいこともあると感じた場面でした。

「サーカスを見に行ったよ」

 すてっぷの小学生グループの外出で、サーカスの観覧に行ってきました! 会場は大阪と少し遠い場所で、電車で片道約1時間。いつもより長い時間ですが、行くメンバーがすてっぷでお出かけを何回も経験してきた子ども達だったので、その時間で計画を立てました。
朝は少し余裕をもって出発。この間、小学生グループはICOCAで電車に乗る練習をしています。券売機でのチャージもスムーズにできるようになってきました。 乗車駅と降車駅、それぞれの時間をスケジュールで確認します。1つ終わったら職員が赤字でチェックし、次の確認。「次に乗る電車のホームはこっちかな」「〇〇行に乗るよ!」と、子ども同士でも会話が飛び交います。


 昼前に無事最寄り駅に到着。やよい軒で昼食を食べてから、徒歩でサーカス会場へ。待ち時間が長いのもサーカスを見るため、仕方ないとばかりに、子ども達はいつも以上に我慢強く待ってから、会場内に入りました。


 会場内に入ると薄暗い中、照明がたかれ、音楽も静かながら響いています。一人の子どもはボソッと「思ってたのと違った」と言いました。職員が声をかけると、その子は「大丈夫」と答えましたが、隣りの子は「音がしんどそう」と答えました。そんなときに役立つのがイヤーマフ! 事前にサーカスに行ったことのある職員に聞き、イヤーマフが必要だろうと準備していました。イヤーマフを付けると、その子も「大丈夫」と答え、いざ開演! 10分ほどの休憩を挟んで、合計2時間。途中「あと何分?」と確認する子に時間の見通しを持たせながらでしたが、全員がしっかりと上演を見終わることが出来ました!


 帰り客の多さや電車の送りで少しバタバタしての帰路にはなりましたが、「サーカス、楽しかった」「何が楽しかった?」「僕は――」とみんなで感想を言い合いながら帰りました。楽しみのために我慢して待ち、2時間ほどの上演を楽しみ、「~だったけど、楽しかった」で無事終われたことに、子ども達の成長を強く感じた職員でした。