掲示板

みんなちがってみんないい

就労メニューとワークシステム

前回「すてっぷ日記」で就労メニューについてとりあげました。学童期の自立課題のワークシステムから積み上げていくものだという説明をしました。「一人で作業に取り組むなんてとてもとても」と思われるかもしれませんが、私たちはプットイン課題が自立的にできるなら何かの仕事が将来開発できると考えています。

プットイン課題とは、物を穴に入れる課題です。大きな入れ物に入れる素材の大きさに合わせた穴をあけて、右利きなら右からとって左の穴に入れるワークシステムです。ただ穴に入れるだけですが始めと終わりがはっきりしています。右のモノ(例えば小さなボール)がなくなったら作業終了です。この理解と動作ができれば、様々なものに発展していきます。量も多くできますし形も変えられます。色も変えられます。例えば三角の黄色の材料と四角の黒の材料を、空箱に三角の穴で黄色で囲った縁取りと、四角の穴で黒で囲った縁取りにします。最初は色は分からなくても同じ形の穴にしか入らないのでモノを選別する作業になります。やがて色に気が付けば、穴の形は変えずに色で選別するようになります。

このようにして14歳くらいまで様々に取り組んでいけば、何らかの選別作業を小一時間続けられるようになります。もちろん気が散りやすい方は、1分からはじめればいいし、5分課題に休憩つけてインターバルで10回やれば50分の作業になります。誰からも介入されずに自立して作業することが誇りになります。課題を終えてご苦労様と声を掛けられて達成感のない人はいません。就労メニューとそれに結び付くワークシステムについてご希望の方はスタッフまでご相談ください。

 

響け!ユーフォニアム

叶えたい事が 溢れてるから 立ち止まってる 暇なんてないよね 胸に秘めたあこがれを フルボリュームで届けよう 行こう…クレッシェンドの向こうへ つまずいてもいい はみだしてもいい 君の音色を 僕たちは待っている 響け! 生まれたての夢つめ込んで 大きな空へ いま旅立とう 拓け! 笑顔を味方につけて 離さない 諦めたくない 限界さえも 跳ね返す勇気で DREAM SOLISTER....

歌詞は、京アニ製作アニメ「響け!ユーフォニアム」の主題歌「DREAM SOLISTER」。

立命館宇治は、夏の高校野球京都府代表校です。同校の地元・宇治市に本社を置く京アニの第1スタジオ放火殺人事件を受け、同校ブラスバンド部はエールの意味も込めて「響け!ユーフォニアム」の主題歌「DREAM SOLISTER」を応援歌に決定しました。ただ、コンクールと初戦の日程が重なり、演奏には初戦突破が条件となっていました。立命館宇治(京都)は、1点を守りきり、春夏通じて甲子園初勝利。2回戦では京アニ作品「響け!ユーフォニアム」の主題歌を応援歌として演奏する予定です。

…離さない 諦めたくない 限界さえも 跳ね返す勇気で DREAM SOLISTER ひとつ ふたつと増えてゆく おいでよ ここまでおいで 楽しまなくちゃ まだまだフォルテシモ DREAM SOLISTER La La La La La 君の声 聴かせて欲しい La La La La La 終わらない音楽は 続いてゆく…

頑張れ京アニ!

帰省対策

お盆が近づきました。お盆にはいつも会えない、おじいちゃん・おばあちゃんに会いに田舎に帰省される方も多いと思います。ただ、帰省は発達に凸凹のある子どもたちにとってストレスフルな行事となる子もいます。移動に時間がかかり、体力を消耗する。いつも会わない人に何人も会う。いつもと違う環境での寝泊まり、飲食。団体行動を強制される行事(法事・お墓参り・おでかけなど)等「いつもと違う状況」では不安が高まりやすくなります。その結果、いつもできていることもできなくなってしまうかもしれません。

そんな時に、おじいちゃんやおばあちゃん、親戚から「〇年生なのにこんなこともできてないの」と怒られたり、マイナスな言葉をかけられたりする場合があるかもしれません。最終的には「しつけをちゃんとしてるの」と親もつらい思いをすることがあるかもしれません。まだまだ、「子どもができていないことは親のしつけが悪い」「できないことは叱って教えるものだ」というしつけの文化が根強く発達障害に適した子育ては理解されていません。

本来は、おじいちゃん・おばあちゃん、親戚に事情を話して理解してもらうのが子どもにとっては一番ベストですが、少なくとも保護者が相談しやすいキーパーソンを一人決めて事前に相談すればどうでしょうか。帰省する前に「叱ることで自信がなくなってしまう」「褒めることに力を入れたら素直になってきた」と伝えるのです。

帰省先は基本的に子どもにとってストレスになる場合が多いです。生活のリズムが崩れないように調整し、いつも以上に、当たり前にできていることに目を向けて、細かく褒めることが大切です。そうすると子どもの調子がいい状態が作りやすく、自分から良い行動をとろうとし怒られる場面が減るかもしれません。

一方で、実家の祖父母が穏やかで包容力のある方なら実家が大好きになる子どもも少なくありません。そういうケースでは、家庭でうまく取り組めなかった朝型の生活リズムへの修正や、静かなゆったりした田舎の環境で好きな活動をたくさんさせて、思う存分リフレッシュさせましょう。子どもの調子が自宅より良いなら実家に始業式前まで預かってもらうのも悪いことではありません。子どもが多様な人と穏やかに関わるのはとてもいいことです。リスクは早めに察知して対策を考え、メリットは積極的に生かして夏の後半を乗り切りましょう。

キャンプ

今夏は、経費削減でキャンプに出掛ける人が多いそうです。家族だけでなく空前のキャンプブームだそうです。『オートキャンプ白書』によると、2012年に720万人だった利用者は、2018年には850万人に増加し、6年連続して増えているそうです。野外キャンプを推進する団体が行った小学生対象の調査で「キャンプで一番楽しみにしていることは?」、1位は温泉。自由記述の「一番やりたいことは?」で最も多かったのは「ぼーっとしたい」でした。小学生が、中年サラリーマンのような回答で、みんなどんなキャンプだったのか、ちょっと気になります。

キャンプといえば、楽しくバーベキューをして、焚火の前で飲み食いしながらのおしゃべりが楽しいのですが、労せずその時間が待っているわけではありません。到着したら、まずはテント設営を家族全員で行い、タープ(日よけ雨よけ)を張り、子どもらと水汲み小枝集め、包丁を持つ子と、荷物やシュラフ(寝袋)のテント内整理の子に分かれるといった日常よりもすべき仕事、果たすべき役目がたくさんあります。これらを覚えさせ習得させるまで、ある程度時間がかかります。手伝っては虫を追いかけ、水を汲んでは川に石投げする子どもに、「大人ばっかり働いてるし、手伝わんならキャンプに連れてこんよ!」と叫んでいたりします。叱られた子は「もう、キャンプなんか嫌やし」とすね始めます。でも、うまく火が起こせたら「すごい!ありがとう!」と褒められ、水を運べば感謝されと、仕事を達成すれば何回でも褒められる環境なので子どもたちはまんざらでもありません。テントが設営された瞬間。タープが張れた瞬間。焚火に火が回り始めたとき。自分が切った具材の入った食事が出来上がったとき。子どもも大人も大きな達成感に包まれます。

たかが年に1、2回のキャンプかもしれませんが、子どもは野外活動で何かを獲得すると思います。最初は仕事の中身がわからなくてもめたりするけれど、最終的には自分から仕事を見つけて取り組みます。すべてが「内発的な動機づけ」です。内発的動機づけは、賞罰など外からの強制力に依存しない自発行動です。子どもが大好きな焚火。木を運んで、自分でくべて、乾燥しているものがよく燃えることを知って仲間に伝えていきます。何かを買ってあげるからというような「外発的動機づけ」で木を運んでいないから発見し伝えようとするのです。森の中の遊びなど、さまざまなところに自由があり、子どもは、自由を獲得してこそ、成長があります。

遊びに夢中になって雨に降られてびしょぬれになれば、次回は「風が出てきたら雨が降る」などと風や空の様子を感じながら遊ぶようになります。夕立がくれば、テーブルやいすをたたんでビニールシートをかける等、応急作業を家族や仲間と協力して迅速に行なえるようになります。昼食の枯れ枝を集めに行けば、たくさんある所見つけ夕食分もついでに拾う等、すべての体験が自分で考え判断する力や段取りする力につながります。ただし、最初からテントやコテージがあり道具もすべて整備された今流行の「グランピング」はここでいうキャンプではありません。不便さがあってこそ大事な宝物が獲得できるのです。それから、子どもが大きくなったら家族キャンプには誘いにくくなります。思春期は親は大抵うざい存在です。また友達同士で何かを成し遂げる価値を感じる時期です。家族でキャンプ、知り合い家族と合同キャンプは小さなうちの期間限定の値打ちがあると言えるかもしれません。

検査の読み方

検査を見る人は、まず全検査IQ(WISC)とか総合尺度(KABC)が100よりどれくらい離れているかを見ようとします。心理検査の多くは100を平均にとって偏差値で得点を表現します。受験で使う偏差値の平均は50です。50から多いほど難関校の合格レベルになっていきます。しかし、検査は受検ではありませんので、100より多い数字だから良いという事ではありません。この数値は10以上ある検査の平均値に過ぎないからです。発達障害の子どものように能力に激しい凸凹がある人の平均値はほとんど意味がないのです。

学力で考えてみましょう。国語が10点で数学が90点ならこの人の平均点は50点です。クラスの平均点はどちらも50点だとします。ではこの人の全体的な学力は50点でクラスの平均学力なのでしょうか?そういうより、国語が超苦手で数学がめっぽう強いといった方がこの人の実態を表します。学力対策も平均50点の国数の対策をするより数学はおいといて国語の対策を集中的にとるのが当たり前です。

検査の結果も同じことです。KABCでいう同時(見て処理)尺度が115で、継次(聞いて処理)尺度85で他の2尺度が100なら、平均値の認知尺度は100です。この100を見て認知の力は標準と見てはいけないのです。言葉で理解する力は平均より低く、理解の早い図や絵も用いて説明した方がよいということになります。IQ(全検査IQや認知総合尺度)だけみても凸凹発達の人には意味がないというのはこうした理由からです。

一般にIQが安定するのは9歳以降と言われ、心理検査は3年生以降でないと大きく変化することがあります。また、IQと学力も必ずしも一致しません。研究によると4割程度しか一致しないのです。つまり、教え方や環境、本人の素質でIQは伸びるという事です。ただし、その人に適した教え方をやめるとIQが元に戻るという研究もあるので、いかに環境が重要かわかります。

検査の細かなことは、検査をした方が丁寧に説明をしてくれます。しかし、大事なことは、大枠を理解することです。大枠とは平均点でしかないIQではありません。大枠とは凸凹のプロフィールが何を意味するか理解し、凸凹のプロフィールつまり得意な事や苦手なことを組みあわせた支援のイメージのことです。

K-ABCⅡ

WISC-Ⅳは、ウェクスラーという米国の心理学者が1949年に開発し改訂が繰り返されている知能検査の1つです。ウェクスラー式知能検査は世界でも広く使われている知能検査で、受ける人の年齢に合わせて、幼児用…WPPSI、児童用…WISC、成人用…WAISの3つがあります。ここでは対象年齢が学童期のWISCについて紹介します。定期的に改定されており、現在は第4版となるWISC-Ⅳが最新となっています。15の下位検査(基本検査:10、補助検査:5)で構成されており、10の基本検査を実施することで、5つの合成得点(全検査IQ、4つの指標得点)が算出されます。それらの合成得点から、子どもの知的発達の状況をさまざま方向から把握できます。4つの指標得点とは言語理解指標、知覚推理指標、ワーキングメモリー指標、処理速度指標の4つで、それぞれの指標が出るため、得意なこと、不得意なことの判断に役立ちます。

特に情報をどのように入力し、どのように表現するのが向いているかという判断は、勉強法を考えていく上で役立ちます。例えば、知覚推理が弱い子どもには、絵や図で伝えるより言葉にして論理的に伝えたほうが理解しやすいなど、対策を考えることができます。標準化された検査は、検査項目で3ポイント、指標ポイントで15点が「有意な差」(明らかに違いがある)ですから、個人の凸凹を判断するときにはこの開きを見ていきます。

本事業所で採用している検査の一つは、K-ABCⅡです。アメリカの心理学者カウフマン夫妻により(1983)作成されました。カウフマン夫妻はウェクスラー博士のもとでWISCの改訂に協力してきました。妻のナディーン・カウフマンは学習障害をはじめとする発達障害が専門です。夫妻はWISCの課題をKABCで解決しようとしました。子どもの知的能力を、認知処理過程(認知)と知識・技能の習得度(学力)の両面から評価し、得意な方法を見つけ、それを子どもの指導に活かすことを検査の目的としたのです。

K-ABCⅡはカウフマンモデルとCHCモデルという2つの理論モデルに立脚し最新の理論を取り入れたこと、認知処理を、継次(言語的)処理と同時(視覚的)処理だけでなく、学習能力、計画能力の4つの能力から測定していること、が特徴といえます。WISC-Ⅳとの違いは以下の表のとおりです。

WISC-Ⅳには基礎学力を図る検査項目はありません。WISCは医療用として用いられてきた背景があるからです。K-ABCⅡには、習得尺度という基礎学力を図るための尺度があります。これにより、学習がどれだけ定着しているかを知ることができます。K-ABCⅡの検査は、教育を意識して作られているため、WISC-Ⅳよりも学習と結び付けて考えやすい特徴があることも本事業所が採用している理由です。学校や病院ではWISCがほとんど利用されます。KABCは2回に分ける必要があり時間がかかるということが大きな理由だと思います。次回はK-ABCⅡで検査の読み方について考えます。

 

標準化された検査

検査は公的な機関や病院、教育機関などさまざまな場所で活用されます。発達障害の診断では、様々な施設で心理検査を受けることになります。専門家のいる病院やクリニック・発達障害者支援センター・児童相談所・保健センターなどです。また、診断以外でも発達障害の子どもの特徴や性格を細かく知って支援や教育の方針を明確にするために活用されます。そのため学校や放課後等デイサービスなどでも使用されます。逆に、心理検査の報告にあまり関心のない施設があったり職員がいたとすれば、そこは特性に応じた細かな支援については関心がないところかもしれません。

心理検査は子どもの一部分の情報ですから検査の様々な数値が子どもの実態の全てを表すものではありません。数値は低いのに努力した結果、進学校に入学している高校生もいますし、高い数値なのに怠学の結果、進学する学校の選択肢が少ない中学生もいます。心理検査の結果だけで、その人の人生はわからないのです。しかし、心理検査で能力の凸凹があることを知っていれば、子どもに向いた学習の仕方や生活の仕方をあらかじめ考えることができます。何かにつまずいた時も原因が把握しやすくなりますから、傷口が広がらないうちに早く対応できます。子どもに持ち続けてほしいものは高い能力ではありません。自分は失敗しても立ち直れる、その方法は必ず見つけることができるという気持ちが育ってほしいのです。そのためには、失敗しても支援によってリカバリーできた経験や、失敗を予測して別の方法で到達する経験をたくさん積んでほしいのです。そうすれば自分を信じることができるし、支援を信じることができるはずです。

心理検査の流れは、行動の観察・問診として、実際の検査を実施する前に、子どものおおまかな特徴、生育歴や生活環境を把握します。また、本人や両親の困り感、関係者の意見や周囲の環境面についても把握します。そして、報告がどの場所で誰に活用されるのかを判断して検査の種類を選択します。心理検査は1種類のみを実施するのではなく、複数の発達、知能、特性検査を組み合わせて行うことがほとんどです。

検査の種類はいろいろありますが、京都で多用されるのは「新版K式発達検査」です。本来この検査は乳幼児向けの適当な検査がなくて京都児童院(今の児童福祉センター)で開発されたもので、今は成人まで測れます。しかし、標準化(統計的に妥当性があるように作る)されていないのと、子どもの能力を運動・認知・言語の3つに分類され、新しい知能分類(CHC理論)に基づいていないので、何を測定しているのか分かりにくく説明がしにくいのです。それでも、ベテランの検査者にとっては子どもの苦手が推測しやすいということで関西ではよく使われています。

保護者にとってはこの3つの数値を示されても、見る力や言葉の力が進んでいるか遅れているかしかわからず、「一緒に生活したらわかる」程度の数値です。しかし、この検査者の中には「数値が独り歩きするから」と数値を当事者に示さない人がいるそうです。前回も述べましたが、常識で考えれば、検査結果の数値を隠す人の報告を信用できるはずがありません。そんなに自分が行う検査にも説明にも自信がないのならやらなければいいのです。そんな検査に付き合う子どもこそ迷惑です。

K式検査は2001年に改訂されたきり20年近く改訂されていません。知能検査は、10年で陳腐化します。文明の進化と共に子どもの知能全般が伸びるからです。今度予定されている改訂は2020年だそうです。これは標準化された検査になるそうですが、知能の分類は変えないそうです。明日は他の検査について掲載します。

インフォームドコンセント

心理検査の目的を一言で表すとすると、「子どもの障害の程度を把握し、1人ひとりに合った支援を行うため」です。発達障害の中には、自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠陥多動症(ADHD)、学習障害(LD)などさまざまな障害があります。しかし、以前のようにアスペルガー症候群や非定型自閉症といった細かい分類をすることは少なくなっています。それは、発達障害では、障害の重なりがあり明確に分けられず、発達の凹凸は子どもそれぞれで異なり、それに伴って障害の特徴も細かく違っているからです。(日本の場合、障害の診断は医師しかできません。)

発達の度合いや知能の程度、各能力の特徴まで検査をすることで、発達障害の子どもの特性をしっかりと把握することができます。同じ障害の診断だとしても、検査の結果により見られる凹凸は一人一人違います。その結果をもとに、どの能力を活かしていくか、どのような支援が必要かを、子どもの特徴に合わせて考えることができます。

心理検査は、当事者か保護者の依頼がなければできません。もちろん、学校や施設は心理検査を行うことで正確な支援内容を考られることなどを保護者に説明して検査を勧めるのは良いことです。しかし、何故検査が必要なのか十分に説明しないまま、「障害の疑い=検査=診断=配慮の理由」という流れ作業のように扱ってしまうと、保護者は検査を子どものふるい分けに感じてしまい、たとえ検査を受けても、障害の証明書を突き付けられたような嫌な気持ちになることがあります。検査を勧めることは、その結果報告に基づいて、現場は全力で支援する約束をしたということです。「勉強ができなかったのは障害の結果」「不適切な行動は障害の結果」と子どもの責任にしないという約束です。

また、一部の地域では検査をしているのに検査結果の報告書を保護者にも当事者にも渡さない検査者がいるそうです。例えば、病院で検査を受けて、医師が病気のあれこれを言うだけで検査結果が当事者に示されなければ、何がどの程度悪い病気なのか患者にはよく分からないまま治療が進めらるのと同じです。今日、十分な情報を得た(伝えられた)上での合意(インフォームドコンセント)は医療に限られたことではありません。報告書がないのも問題ですが、報告書があるのに手渡されないなどという事がまかり通っている地域があるとは、開いた口がふさがりません。おそらく、報告内容に責任を取りたくない言質を文字で残したくないという検査者や組織の保身のためでしょうが、検査に携わる者として許されることではありません。医療も何もかも人が判断して行うことで100%はあり得ません。だからこそ、説明と合意が必要なのです。合意のための説明には文書があって当たり前ですし、当事者が写しを持ち帰るのも常識です。報告書を渡さないのがいかに非常識かということです。リスクを取らない検査者の言うことは信じられないと思います。

心理検査を依頼するときは、何のために検査をするのか、結果が出たら子どもにとってどんなメリットやデメリットがあるのかきちんと説明をしてくれる人かどうか判断して依頼しましょう。次回は、検査の実際について掲載します。

カリスマティックアダルト

「カリスマティックアダルト」という言葉は、ハーバード大学のロバート・ブルックス教授が、「ありのままの自分を受容し、課題をきちんと指摘してくれるカルスマティックアダルトとのかかわりが、人の人生を大きく変える」と示し、発達障害の子どもらの成長に欠かせない存在としてこの言葉は引用されています。辞書には、『よき理解者あるいは本人を常に無条件で受け入れてくれ、また本人が全幅の信頼を寄せている成人のことを「カリスマティック・アダルト(Charismatic adult)という。本人を心から信頼してくれるよき理解者こそが、その子どもの秘められた才能を引きおこす最も重要なキー・パーソンとなる』とあります。

カリスマティックアダルトと呼ばれる大人は、子どもには、多元的(色々)な知能があること、人間社会には、多様性が必要であることを知っています。そして、子どもにおける「正常」というのは神話のような作り事で、だれにもその子の能力を予測することなどできないと信じています。

子どものカリスマティックアダルトは、同性の家族が理想的ですが、他人でも構いません。おじいちゃんやおばあちゃん、学校の先生や近所の人、たまたま知り合った趣味の人。それは、子どもがなりたいと憧れる大人だから、カリスマティックアダルトになろうとしてなれるものではありません。それは、子どもが決めるのです。このことを勘違いしている大人は多いです。できる人が「カリスマ」ではないのです。「しっかり」している大人が良いわけでもありません。弱点があったり苦手があったりするから子どもが選ばないわけでもありません。ずばぬけて得意な分野があるというのはきっかけにはなりますが、あとは子どもが見抜くのです。

以下のことは十分条件ではないけれども必要条件かもしれません。それは、相手に共感することができる人。子どもにレッテルを貼らない人。子どもが自分の弱点を才能にする手助けができる人。「何が欠けているか」ではなく、今ある自分の素質をベースにした自分らしさを育てる手伝いをする人。大丈夫という感覚を与える人。子どもの怒りを沈めるために冷静な無関心を用いる人。子どもをぞんざいに扱ったり見下さない人。子どもの目線に立つことができる人。その子が内に秘めている価値を見いだすことができる人。子どもがうまくいかないとき、自分ならどう違ったやり方ができるか考えられる人。子どもから自分の評価を求め、真剣に話を聞くことができる人。


子どもたちは、自分はここに居場所があり、自分に選択権があり、自立していると感じ、つまり「自分はできる」と感じることを大切にしてくれると信じる人を、カリスマティックアダルトと決めるのです。

不登校ユーチューバー

「不登校は不幸じゃない」と“不登校ユーチューバー”として「ゆたぼん」(10歳)が注目を集めました。
https://binged.it/2OtmXOL
不登校児は年々増加しており、調査によると「少子化にもかかわらず、不登校の児童生徒数の割合はこの20年で1.5倍に増え、過去最多になっている」そうです。ゆたぼんは不登校になった理由として「周りの子たちがロボットに見えたから」などと説明していて、ゆたぼんを後押しする著名人も多数登場した。脳科学者の茂木健一郎氏はゆたぼんと対談し、「学校に行かなくても学ぶことは無限にできる。学校で身につく社会性がすべてではない。応援しています」とコメントします。ほかにも「勉強が嫌いならしなくてもいい。掛け算は計算機があるんだから、できるようになる必要はない」と発言する人もいます。世の中では“不登校でも構わない”という主張が結構あるようです。

しかし、文部科学省の「不登校経験者への追跡調査」によると、「行かなくてよかった」と肯定的評価をしているのは約1割で、約4割が「行けばよかった」と後悔しているのも事実です。不登校でもいいという世論はあるけど、所詮、他人の子どもだからではないでしょうか。自分の子が不登校になったらどうされるのでしょうと思います。不登校当事者と無関係な人が学校に行かなくていいと安易に語っているような気がします。

なんとなく面倒で学校に行かなくなった人の中には、家ではゲームしたり、まったり自由に過ごし、浪人して大学に入ることができたのですが、学力が伴わないのと締め切りも守れないので、先輩や同期の友人に助けられながら卒業したそうです。そして、不登校のときは一人でも平気だと思っていたけど、人間関係が重要だということを初めて学んだと言います。

他には、学生時代の友人はゼロで、ネットを通じた知り合いが数人いる程度で、結婚式に呼ばれることもないし、人付き合いの仕方がわからないから、彼女ともつき合ったこともないそうです。体育祭や修学旅行など学校生活の思い出もなにので、ドラマやマンガでそういうシーンを見ると羨ましくて胸が締めつけられるそうです。そして今、将来の孤独死を恐れながら暮らしている方もいます。

小学校や中学校は、子どもたちが基礎学力や社会性を身につける発達期なので、行かなくていいという根拠がありません。おそらく、行かなくてよいという発言には、様々な子どもに合わせられない今の学校への批判が含まれているのでしょうが、そういう発言は改革に後ろ向きな学校を免罪するだけで、学校が子どもをふるい分けする仕組みを強化するだけです。大人になって何をやるにしても、柔軟な発想を生み出すためのベースは基礎学力と多様な対人経験だと思います。高校生や大学生なのであれば、本人の選択に任せていいと思います。本人が無駄だと思う時間を浪費するより、学びたい知識や実用的な技術を身につけた方がよいと思うからです。

京アニ

7月18日に京都府京都市伏見区京アニで発生した放火・殺人事件は、京都アニメーション第1スタジオに男が侵入してガソリンを撒いて放火したことにより、京都アニメーションの関係者に多数の死傷者が発生しました。死者は35人に上り、警察庁によれば「放火事件としては平成期以降最多の死者数」となった痛ましい無差別殺人事件です。現在も世界中から京アニを支援する取り組みが続きクラウドファンディングはすでに2億円を超えています。筆者が京アニを知ったのは、2009年「けいおん!」ですが、たまたま知り合いの子どもが素敵なアニメだからと紹介してもらったのがきっかけです。アニメ「けいおん!」シリーズのロケ参考地となった滋賀県豊郷町では、同町の伊藤定勉町長が公式サイトに声明を発表し、豊郷町観光協会は同シリーズの校舎のモデルとなった豊郷小学校旧校舎群に献花台を設置しました。2016年には初めてのアニメ映画だけの製作「聲の形」が上映されましたが、これは聴覚障害者の学園生活を描いた同名の漫画を映画化したもので、素敵な映画です。「聲の形」の舞台モデルとなった大垣市でも事故翌日には市内2箇所に募金箱を設置したそうです。また、高校ブラスバンドのアニメ「響け!ユーフォニアム」シリーズの舞台となった宇治市では事故の翌日、宇治市観光センターに募金箱を設置しました。この事業所の子どもたちも影響を受け毎日のようにアニメ画を描いている子がいます。京アニは私たち、子どもたち、世界に素敵なアニメを送り続けています。がんばれ京アニ!

思春期2


さて前回は、思春期の子どもを育てる保護者の方が感じやすいであろう悩みの背景に、「今までのわが子とちがう」という点を述べました。また母親の場合、異性である息子の成長に戸惑い、対応の仕方に迷いが生じて、叱ってばかりになったり、はれ物に触るように対応したりなど、コミュニケーションがうまく取れなくなる人も少なくないということを書きました。今回は、どう対応すればよいかを考えていきましょう。

まずは視覚的構造化です。「勉強するゾーンと趣味のゾーンを分ける」「忘れ物しないよう置き場所を決めておく」など、環境を整えることで、子どもにとって刺激が少なくなったり、行動の切り替えがスムーズになります。そのため、大人の介入が減りストレスや衝動的な言動を減らすことができます。起床についても修羅場となる場合が少なくないですが、基本は起きて朝の家庭での活動(食器ならべ、掃除など)があることや起床習慣しかありません。これは前回述べた(7/13)睡眠障害のところもお読みください。

自立心が芽生えはじめた子どもに対しては、大人が指示する方法でのコミュニケーションは難しくなってきます。自立心の芽生えはじめた子どもにとって思春期は、自分の主張や考え方を表出して意思を示す事。自分の主張や考えを他者と調整して考える事。解決にむけて妥協する事。の力をつけていく時期にあたります。意思を示した子どもに対して、「考える」支援をすることで、解決に導いていくことが求められます。この時に「気持ちを尊重して聴く」ことが、子どもが自分で自分の考えを整理し動き出す支援になります。

聴く時は、すぐに否定せず「そう」「うん」などの言葉で気持ちをいったん認める。子どもの気持ちを代弁する。どうする?どうすればいい?など、考えをたずねることが重要です。気持ちを認め、代弁することで、コミュニケーションができる関係性をつくり、反発・拒否だけで終わらず、どうすればいいのかを自分で考えられる時間をつくります。

食事時間なのにゲームがやめられない場合
大人「ごはんだよ」子ども「分かってる」大人「そう。今いいところなの?」大人「…うん」大人「一応決着つくのに何分くらいかかりそう?」(時間をおいてから)大人「〇分たったよ。一応の決着ついた?」。「今いいところなの?」と子どもの気持ちをいったん認めたうえで、何分くらいかかりそうかたずね、自分で考えさせるのがポイントです。

思春期の子どもは、小さいころと同じようにほめられると子ども扱いされたような気持ちになることもあります。子どもの心の発達に合わせたほめ方が必要になります。ほめられることで適切な行動が増え、親子のコミュニケーションも向上します。ポイントは、できないことではなく、できていることに着目し、結果ではなく努力(プロセス)に着目し、感謝や敬意を伝え、さらりとほめることです。例えば、寝転がってお菓子をたべながら宿題をしている状況なら、「机に座ってやりなさい!」と言えば、「うるさいんじゃ」となりますが、できていることに着目すれば「お、やってるな!」となり、子どもも悪い気にはなりません。

買い物でも、「忙しくて手が離せなかったから、買い物に行ってくれてほんとに助かった。ありがとう」とほめるほうが「えらいえらい」よりはるかに感謝が伝わります。「えらーい」「すごーい」と言われると、馬鹿にされたような気持ちになることもあります。さりげなく敬意を伝えることが大事です。

また、聴きたいことがあるときは、最初から聴き出そうとするのではなく、子どもが興味のある・話したいと思っている内容をまず聴くことが大切です。大人にとって都合のいい話ばかりをさせたがると、大人と話すことに意義を感じられなくなってしまいます。

ゲームやテレビ、勉強の時間など、大人と子どもで目標となる行動を話し合って決め紙に書きます。約束が守れたら印をつけ、記録します。ポイントがたまったら決めておいたものや好きな活動を交換できるシステムです。約束しておくことで、行動を促す際にスムーズになります。保護者が一方的に押し付けるのではなく、子どもの気持ちを受け止め、意見を聴いてからつくり、ハードルは高くせず、やればできるけれど、「継続・定着」が難しい行動を目標にしましょう。評価のポイントを明確・具体的にして、できなかったときのリカバリー策(例えば、同等の時間を必要とする家事や作業)も予め話し合って設けましょう。行動契約のメリットは、自己コントロールが育ち、自分の頑張りや努力が表なので目で見て分かりますし、将来就労したときに給料と労働の仕組みを体感でき理解しやすくなります。

このほかに異性のことや第二次性徴のこともありますがこれはまた別の機会とします。大事なことは大人が子どもの心の成長と発達障害ならその特性に合わせた対応に変えていくことです。特に敬意を払うこと、予告や契約は重要です。子どもに敬意を払うなんてとか、身近な子どもに契約なんてよそよそしいとか思う方が少なくないのですが、約束は人間生活のあらゆることに大事なことです。また、約束が守れなかった時の謝罪を含めたリカバリー方法も絶対に必要なものです。それはお互いを尊重するからできることなのです。

他者感情をうまく読みとれないから、敬意をこめて丁寧に(しつこくではありません!)理由を話すのです。もともと整理や順序が苦手だからこそ構造化(目に見える)した環境でむかつく大人から介入されなくても一人でできるように自立させ、字句通りに0か100かで考える人だからこそ契約文書でのトレーニングが有効となるのかもしれません。

思春期1

思春期は、子どもから大人への変化期間で、男の子の場合は11~18歳頃です。とはいっても、6年になった途端に思春期が訪れるわけではありません。前思春期は小5から始まっていますし、個人差も大きいので、急に変わったと親が驚くことは少なくありません。体の変化から始まり、精神面にも、社会で担う役割にも変化が訪れます。発達障害のある子どもにとっては、この変化が怖く感じられることもあり、混乱から困った行動につながってしまう場合もあります。

思春期の混乱によって出てきた困った行動には、男女の違いも含まれます。母親にとっては、どのように関わったらいいか迷うこともあります。体の成長への対応、勉強や交友関係、ゲームとの関わりなど、さまざまな事があります。

心の変化としては、自意識の芽生え、恋愛感情を覚えること、イライラや不安を覚えやすくなるという点です。社会的な役割に変化が出てくることで「一人の人間」という自意識が芽生えます。また、第二次性徴による体の変化に伴い「異性」「同性」という概念をより意識することで恋愛感情が生まれます。このような変化を受け、子どもの心は複雑になっていきます。心が複雑になることで、自分の中では扱いきれないテーマや感情を抱えるようになることも増え、精神が不安定になったり、イライラを覚えたりするのです。

発達障害がある子どもの場合、このような変化に相手の感情が読みにくいTPOにかまわず字句通りに行動するなどの認知特性が加わることで、極端な感情を持ったり、行動に移してしまうことがあるかもしれません。自分の内外における変化の複雑性に耐え切れず、不安定になっている点が思春期の特徴です。ライフステージが上がるごとに、社会から与えられる役割はより複雑になります。例えば、以前なら許されていたわがままも「もう大きいんだから我慢しなさい」と、とがめられたり、他人や女性との距離感を調節する必要が出てきたりします。

思春期は、自立心の芽生えから自己主張が強くなり、大人の指示に対して反発することが目立ちはじめます。思春期の男の子を育てる保護者には「人間関係、家庭内での暴言・態度、ゲーム・ネットへの依存」などの悩みが多くあります。

心と体の成熟スピードのアンバランスさから困難を感じている場合もあります。体は大きく成長しているのに心は幼い場合や、体の成長に対して心がませている場合もあります。男女差だけでなく、子どもに起きているトラブルの背景に何があるのかを見極め、無理をさせすぎないよう留意しながら年齢相応な行動ができるよう、対応していく必要があります。次回は対応について考えます。

消去と強化を組み合わせる

おさらいです。人は起こした行動に対する結果が望ましいものだと、以降もその行動を繰り返しやすくなります。この望ましい結果(ごほうび)を与えてその行動を増やすことを「強化」と言い結果のことを「強化子」と言います。お菓子や、おもちゃ、褒め言葉など本人が喜ぶものはどのようなものでも強化子になります。

人は行動のあとにごほうびとなる出来事が得られないと、その行動が減少していきます。これが「負の弱化」=「消去」です。罰には積極的罰と消極的罰があり、ごほうび(快)を取り去るのが消極的罰です。ここまでが前回の掲載でした。でもそんなに上手くいかない現実の問題にどう対応するのかと言うのが今回のお題です。

ABAを心得ている現場では、原則は罰の手続きだけを用いることはありません。罰を与える人がいない時に不適切行動が増えたり、他の不適切行動が増える可能性があるからです。このようなときは、環境調整(強化子のない場所)などによって対応していくほうがよいと言われています。消極的罰を用いるのは、子どもが幼く、困った行動が起きてから期間がたっていない場合などに限ったほうがいいと思います。

不適切行動に対応するには、問題行動を減らしつつ、望ましい行動を増やすことが重要です。つまり、消去と強化の両方を使うのです。消去は、「求めているものを与えない、もしくは与えられない」という状況を作ることですので、例えば、欲しい物があって泣き叫んでも毅然と無視し「欲しいものが手に入る」という強化子をなくします。これまでの「泣く」→「欲しいものが手に入る」→「泣く」という負の循環を断ち切ります。消去を行う時は、一時的にその行動が悪化する「消去バースト」(泣く強さが強くなる、暴れるようになるなど)が発生します。これも大人が反応せずにいるといずれ消去バーストは収まります。他者の迷惑にならない場所に連れて行き、泣きやむで待ちます。

時間がかかる場合もありますが、要求に反応してしまうと、逆効果なので一貫した態度で対応します。消去バーストが起きた時に完全に無視し続けることができないと、その困った行動を強化してしまうことがあるからです。例えば、要求が叶わず大泣きしても無視しているとします。そこで、物を倒したり傷つけるなどして無視し続けることが難しくなり対応してしまうと、より派手で影響が大きい行動をすれば大人に無視されないと学びます。そうすると、次回以降は最初から影響が大きい行動をするようになります。それが予測できるなら「要求の起こる場所に行かない」「別の場所で過ごす」などの環境調整で対応するほうが無理なく困った行動を防ぐことができます。

不適切行動を減らすと同時に、望ましい行動ができた時に褒めたり、ごほうびを与えることで強化を行います。強化には、様々な方法がありますが、今回は「別の適切な行動を強化する」という方法を例にあげます。「泣かずに○回行動できたら要求を叶える」というルールを設定し、事前に子どもと契約します。このルールを子どもにわかりやすく伝えるために、ノートやメモ帳を使って、適切な行動が終わるたびにシールが貯まる仕組みを作りましょう。このように、ポイントが貯まることでほうびがもらえる仕組みのことを「トークンシステム」と言います。トークンが一定数たまったら、要求が叶うご褒美(強化子)を用意し、実際にルールを守って行動ができたときには褒めてあげながらシールを貼り、揃った時はごほうびをあげます。このトークンの数は子どもと交渉しないほうがいいです。交渉するとトークンが減ると言う行動が強化されてしまうからです。何をトークンにするか、多い少ない増やす減らすは現場のセンスが問われます。一気に核心に迫らず、成功しやすいものから徐々に取り組むことがセンスを磨く初心者にはおすすめです。

子どもの特性はひとりひとり異なること、また問題行動の種類や状況は様々であるため、対応の方法は全て異なりますが、これらの手法により、どのような原因があるのか、どう行動を起こすべきなのかが具体的になります。不適切行動には、大声を出し合ったり嫌味の言い合いをしたりと子どもと同じレベルで力比べのような対応をするくらいなら、その膨大なエネルギーを無視とアイデアと褒め抜く根気に使っても損はないと思います。そう周囲の人たちにも最初から言って回ればどうでしょう。そして、少しでもうまく行った時は同じく周囲の人に喜んでみせるのです。笑顔を否定する行動は倫理に反するので弱化され減って行きます。あなたを直接否定する声は減って行くはずです。そして、よかったねと言ってくれたらありがとうと感謝して励まし行動を強化するのです。消去と強化を組み合わせると言うのが今回の提案でした。ご意見、ご質問お待ちしています。

強化と行動

ある行動を行い、望ましい結果が伴えば、その行動の頻度は高まります。例えば、『(A)夕食後→(B)宿題をする→(C)母親に褒められる』と『(B)宿題をする』という行動が増えます。これを“強化”と言い、その際の望ましい(C)結果を“強化子(きょうかし)”や“好子(こうし)”と呼びます。

この強化は応用行動分析(ABA)の基本であり、とても大切です。強化子というのは嬉しいものであるとは限りません。直前の行動を維持し、強める結果のことです。ドアノブを回すとドアが開きますが、この『ドアが開く』という結果は『ドアノブを回す』という行動の強化子となっています。ドアが開いてもそう嬉しいわけではないですが、ドアが開くという結果がドアノブを回すという行動を維持します。

基本的には望ましい結果、嬉しい結果が強化子となることが多く、その内容は人それぞれです。保護者や先生の賞賛、お菓子、おこづかい、ゲームができる、遊びに行ける、微笑みかけられる、休憩時間が伸びるなど、その子どもが喜ぶものは基本的に強化子として考えることができます。やりがいや達成感を感じるということも同様です。ある行動を増やしたければ、その行動の直後に強化子を与えることで、その行動が強化され頻度が高まります。不適切行動も同様であり、不適切行動の頻度が高く維持しているようであれば、その行動はその子にとって望ましい結果によって強化されていると考えます。

計画を立てる際によく見られる誤りは、お菓子などの特定のものを強化子と決めつけることです。お菓子が好きな子どもならお菓子が強化子になり、お菓子をそれほど好きでない子どもならお菓子は強化子にはなりません。また、お腹がいっぱいの時はお菓子を別に欲しくないので強化子にはならず、その時の状態によっても強化子は変わってきます。

次に、ある行動を行い、望ましくない結果が伴えば、その行動の頻度は減少します(ご飯中におしゃべりをして母親に怒られる、など)。これを“弱化”または“罰”と言います。その際の望ましくない結果を“嫌子(けんし)”または“罰子”といいます。この嫌子も人それぞれです。叱られる、叩かれる、空腹、喉の渇き、極度の暑さ寒さ、周囲からの批判などです。

弱化にも2つの条件があり、ある行動を行って嫌子の結果となる正の弱化と、ある行動を行って強化子がなくなる負の弱化があります。後者の代表的なものはタイムアウトで、望ましくない行動を子どもが示したら、子どもを強化子から遠ざけるという手続きです。ゲームを取り上げられる、減点されるのも強化子から遠ざける負の弱化です。

この強化と弱化、そして4つの条件によって、行動が増えたり、減ったりすることの多くを説明することができ、行動を修正したり形成したりすることが可能となります。

<正の強化>
 1. 行動を起こすと
 2. 強化子(好きな事)が得られ
 3. その結果、その行動が増える
<負の強化>
 1. 行動を起こすと
 2. 嫌子(嫌な亊)がなくなり
 3. その結果、その行動が増える

<正の弱化>
 1. 行動を起こすと
 2. 嫌子が得られ
 3. その結果、その行動が減る
<負の弱化>
 1. 行動を起こすと
 2. 強化子がなくなり
 3. その結果、その行動が減る

結果が好きな事か嫌な事が消えるならその行動は増え(強化)、結果が嫌な事か好きな事が消えるならその行動は減る(弱化)ということです。そして、行動の形態や種類に関係なく、この強化の原理は人の行動なら何にでも適用されるということです。良い行動であっても、悪い行動であっても、日常的な行動であっても、奇異な行動であっても、同様です。子どもに不適切行動が見られるならば、その行動により子どもにとって何か望ましい結果が得られていて不適切行動が強化されていると考えることができます。従って、不適切行動を予防するには適切な行動が増える好きな事か嫌なことが消える結果を探し、不適切な行動を減らすには嫌なものか好きなものが消える結果を探して取り組めばよいことになります。

しかし、弱化はなかなか難しいのです。子どもの好子はかなり強力なものが多いですから、少々の弱化、つまり嫌な亊を与えたり好きな事を奪っても持続的な効果はすぐには見えず、逆に消去バースト(行動がさらに強くなる)を前に怯んでしまいます。また内容や程度にもよりますが、弱化は倫理的に考えて躊躇しやすいからです。つまり大人のほうが効果と言う強化子がなかなか得られず、倫理的という同調圧力の言葉で取組行動が減ると言う負の弱化が成立します。ではどうすればいいか次回に考えて行きます。

応用行動分析を支援に生かす

発達障害のある人の行動問題について、前回はその支援の一丁目一番地は表出のコミュニケーションだと述べてきました。行動問題の解決と予防に必要なものはは、表出コミュニケーションと理解コミュニケーション(視覚的構造化含む)、3番目には応用行動分析(ABA=applied behavior analysis)だと考えられます。

ABA理論は人間の行動の分析の仕方と法則を扱っている心理学理論です。ちょうど、化学反応の法則を導き出すことと似ています。水は電気分解すると水素と酸素になります。人は褒められるとその行動を繰り返そうとします。単純化すればのたとえ話ですが、このように化学反応と行動変容はよく似た表現をします。表出のコミュニケーションに取り組むPECSもABA理論に基づいています。激しい不適切行動も、成長の過程で周りの人たちの対応を含む環境によって強められた結果であることが多いです。まず、不適切行動が強まる例をABC(三項随伴性と言います)分析の枠組みで整理して示します。


<例1>
①(A)外に出たい→(B)くつ持ってくる→(C)外出ができる
②(A)外に出たい→(B)くつ持ってくる→(C)「後でね」と言われて外出できない
③(A)外に出たい→(B)窓ガラスをたたく→(C)母親に叱られるが外出できる
『課題からの逃避』の機能を持つ行動が強まる例は
<例2>
①(A)課題が嫌→(B)泣く→(C)課題が終了される
②(A)課題が嫌→(B)泣く→(C)課題が終了されない
③(A)課題が嫌→(B)逃げる→(C)課題が終了される
④(A)課題が嫌→(B)逃げる→(C)席に戻され課題が終了されない
⑤(A)課題が嫌(B)作業課題を投げる→(C)課題が終了される
⑥(A)課題が嫌→(B)作業課題を投げる→(C)課題が戻され終了されない
⑦(A)課題が嫌→(B)作業課題を破壊する→(C)課題が終了される


例1の先行条件(A=Antecedent)で子どもが求める結果(C=Consequence)は外出できることであり、例2では課題を終了することです。例から分かるように同じ結果を得るために行動が順に変わり強まっています。同じ行動でも段々強度が増していき(激しく、時間も長くなっていく)、下に進むほど対応が難しい行動になっていることが分かります。例1の『③窓ガラスをたたく』、例2の『⑦作業課題を破壊する』という行動(B=Behavior)は、対応する側としてはこどもの要求を通さざるを得ず、無視できない行動です(関係ない人を叩くといった他害行動が見られることもあります)。このような強力な行動を早い段階から行うこともありますが、不適切行動は例1、例2のように段階的に強度を増していくことが多いです。


ではな不適切行動の強度は増していくのでしょうか。決定的には適切な表出コミュニケーションができないことですが、強度が増すのはある行動を行うことで要求が通っていても、段々同じ行動では要求が通りにくくなるからです。保護者や対応する人が慣れてきて少々泣いても気にせず課題をすすめようとなったり、忙しくて対応できなかったり、「教育的」に外出の回数を制限するよう計画したりと理由は色々あります。

そして、ある行動を行っても要求が通らなくなり、または、通り難くなると、要求を通らせるために不適切行動をより激しく、より長く行います。これを消去バースト(消去時の爆発)と言います。この段階で要求が通ってしまうと、より激しく、より長く不適切行動を行うと要求が通るということを学習し、以前より不適切行動が強力になっていきます。それでも要求が通らなければ、要求が通るような行動を色々試し、自分のできる行動の中から要求が通りやすい行動を行います。そこで要求が通ると、新たな不適切行動が形成されるということです。このような仕組みで、不適切行動は強度を増し、対応せざるをえない行動に変わっていきます。これは障害のあるなしに関係なく、どんな人でもこのツボにはまると負の連鎖は繰り返されます。たまに要求がかなえば、例えばパチンコ通いのように次は成功するかもとお金をつぎ込むように、不適切行動をつぎ込んで要求が叶うまで繰り返します。次回は日常生活で不適切行動を強めないため何が必要かを考えます。

コミック会話

今回は、コミュニケーションをスムーズにする、コミック会話についてです。コミック会話も先に書いたソーシャルストーリ―の開発者である米国のキャロル・グレイが発案しました。開発の順序はコミック会話(comic strip conversations)の方が先です。ASDの子どもは、うまく状況を理解できなかったり、周りの人たちと違った捉え方をしてしまうことがあるのですが、そうした困っている状況を言葉で表現して、周りに説明するのが苦手です。コミック会話は、ASDの子どもが、今どんなことに困っているのか、どんなことを考えているのかを理解する手助けをしてくれます。また、彼らの周りで起こっている状況を的確に伝えるための手段としても、使うことができます。コミック会話の手法を使うことで、コミュニケーションをスムーズに取ることができるようになり、お互いの理解が進むのです。

コミック会話の方法は、子どもに書きながらコミュニケーションするのは良い方法だという理解を得て教えていきます。棒人間を描き、その人が言ったことを吹き出しに書き、感情を雲型の吹き出しに書くといった方法で状況を説明します。従って、文字や絵が描けることが前提です。このルールを徹底するのでマンガを描くのとは違い、表現ルールを覚える練習が必要になります。普段の会話をコミック会話を使って行うのです。たとえば、 今日、学校でどんなことをしたの?という、普通の日常会話です。こうして、普段から日常会話にコミック会話を使っておくことで、なにか困ったことがあった時にも、コミック会話を使って、スムーズに状況を説明できるようにしておきます。基本的にコミック会話は、ASDの子どもが、自分の気持ちなどを説明するために使うので、主に描くのは子どもです。

練習段階では、大人が質問をしながら、コミック会話を書き上げていくことになりますが、慣れて書き方がわかれば、子ども一人でも表現することができるようになります。会話ですので、子どもが書き、大人が書きと、続けていくことで、お互いの理解を深めていきます。

ノートを使うか、ホワイトボードを使うか、どんな筆記具を使うかは、様々なものを試せばいいです。ただ、筆記具に関しては、8色で感情な表現をするので、色のある筆記具を用意します。大きめのノートに色鉛筆、水性ペンなどを使う人が多いです。

コミック会話ができれば、状況や感情表現に非常に役に立つツールになります。話し言葉より先に文字に興味を持つタイプの方はコミック会話はとても分かりやすいようです。今の状況を周りに伝えられることでストレスが少なくなり、周りの大人も、子どもの考えていることがわかれば、どんな支援をすればよいのかがわかります。コミック会話がうまくいけば、かなり気持ちの面で穏やかになる方が多いです。ただし、コミック会話では子どもの誤解や間違いもたくさん発見できるので、間違いを指摘したくなりますが、それはNGです。表現することで役に立った、聞いてもらえてよかったという実感が大事です。

ここの、ブログを前からお読みの方はもうお気づきかと思います。ソーシャルストーリが理解コミュニケーションで、コミック会話は表出コミュニケーションです。他者のことがわかるだけではなく自分のことも相手にわかってもらってこそバランスが取れた暮らしというものではないでしょうか。理解だけ進んでも表出手段がなければストレスが溜まって行き詰ってしまうのは当然だと思いませんか。

ソーシャル・ストーリー

ソーシャル・ストーリーとは、米国のキャロル・グレイが開発した「身の回りのものの性質や様々な場面でのふさわしい言動はどのようなものなのかなどをASDの子どもにわかりやすい形で伝えるためのコミュニケーションツール」です。

ASDの人は社会的な暗黙のルールのようなものを察することが苦手です。子どもたちが自然に身に付ける暗黙のルールですが、自閉症スペクトラムのある子どもたちは、認知上の偏りや興味関心の偏り、他者の感情の読み取りが苦手、情報の取り込み方も違うために、丁寧に教えてあげないと自然に学ぶことが非常に難しいと言えます。しかし、周囲の人たちはそうした事情を知らないので、問題児だとか、何を考えているのか理解できない子ども、などと思われることも少なくありません。

ソーシャル・ストーリーは、様々な知識や暗黙のルールを丁寧に教えることによって、ASDの人たちの理解力を高めて、自分自身で適切な行動をとっていけるように書かれた文章です。ソーシャル・ストーリーについての本は、「ソーシャルストーリブック」と「お母さんと先生が書くソーシャルストーリー」の2冊が有名です。この本には多くの文例が載っていて、そのまま使える文例集です。日常生活や学校生活で必要な様々なスキルや情報が網羅されています。

ただ、ソーシャル・ストーリーは本来一人一人にオーダーメイドで作る文章なので、自分で書く場合には「お母さんと先生が書くソーシャルストーリー」が必要です。「ソーシャルストーリーブック」だけ読んで、書き方について不完全な理解のまま新しいソーシャルストーリーを書くのはやめた方がいいです。

幼稚園・保育園の年少の幼い子どもでもわかりやすい内容では「マイソーシャルストーリーブック」が良いです。「ソーシャルストーリーブック」に比べ、一つ一つの項目が丁寧に書かれていています。子どもが小さいうちはこちらを先に読む(読んであげる)と良いと思います。

ASDの子どもは社会的な暗黙のルールを自然に習得してくのが苦手なので、特に教えなくてもよいような簡単なことを、大人になっても理解していないということがあります。このような理解不足は、幼稚園・保育園や学校または職場での生活トラブルの原因になります。

ソーシャルストーリーは、ASDの子どもに、肯定的な表現をしながら様々なことを教えるので、自尊感情を損なわずに理解力を高め、子どもの成長のためには必要なツールです。子どもの発達によってはすべての項目は必要ないかもしれませんが、ある部分だけごっそり取りこぼしている可能性があるので、読み物としてすべての項目を読んでおくのも無駄ではありません。

また、大人がソーシャルストーリーの語り口を知っておくことは、普段の生活で、子どもとのコミュニケーションに非常に役に立ちます。ASDの子どもには、ソーシャルストーリーのように説明をすると理解しやすいので、子どもに理解できるように話せるからです。子どもにこちらの意図がちゃんと伝わり、お互いに不要なストレスを抱えることがなくなります。ソーシャルストーリーは、こちらの伝えたいことを子どもにわかりやすい言葉と文字で伝える支援方法と言えます。次回は他者の内面が読みにくい子どもへの支援として、コミックストーリを掲載します。

DV防止法

7月12日千葉地裁は、千葉県野田市立小4年の栗原心愛さん=当時(10)=が1月24日に自宅浴室で死亡した虐待事件で、父勇一郎被告(41)の暴行を制止しなかったとして、傷害ほう助罪に問われた母なぎさ被告(32)に懲役2年6月、保護観察付き執行猶予5年を言い渡した判決が確定したと明らかにしました。求刑は懲役2年でしたが、地裁によると、10日が控訴期限だったが検察側、被告側の双方から控訴がなかったので刑が確定したということです。母なぎさ被告も夫からDVを受けており、一部の意見には夫のDVの中で母親は子どもを守る判断力を失っているのだから母に刑を科しても刑の効果は薄く、保護と治療が必要というものもありました。

通称『DV防止法』が制定されたのは、2001年(平成13年)のことです。“夫婦喧嘩は犬も食わない”と限度をこえた夫婦の問題に対して、行政は関与することを長年控えてきたのです。ある面、他人が入り込むことを遠慮してしまう家庭という空間。法律がそこに踏み込むことで、辛い環境に耐えてきた女性達を救い出したことは、大きな意義があると思います。「DV」とは、ドメスティックバイオレンス(Domestic Violence)、略して「DV」です。ドメスティックは、「家庭的な」。バイオレンスは、「暴力、暴行」です。正式名称は、『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律』です。

一般的には「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」と書かれています。「配偶者からの暴力」に対する定義として、身体に対する暴力だけではなく、『心身に有害な影響を及ぼす言動』つまり言葉の暴力も含むということです。相手に危害を与える暴力は、圧倒的に男性から女性に及ぼすものが多いですが、言葉の暴力は、男性女性関係なく起こりえます。一年間のDV件数は、2015年(平成27年)には、63,141件の相談が寄せられています。検挙状況は、7,914人が刑法犯として検挙されました。DV防止法制定により、年間これだけの人が罪に問われ、同時にほぼ同数の被害者が救われていることになるので、法律ができた意義はとても大きいといえます。

法の前文には「配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することにより、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、この法律を制定する」とあり 家庭内の問題だからといって、今までのように放置しないで、しっかり対処しますよという法律になっています。『配偶者暴力相談支援センター』は、以下のことを行います。
○相談や相談機関の紹介 ○カウンセリング ○被害者及び同伴者の緊急時における安全の確保及び一時保護 ○自立して生活することを促進するための情報提供その他の援助 ○被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供その他の援助 ○保護命令制度の利用についての情報提供その他の援助です。DV相談件数は10万件超えの相談が寄せられています。他には、裁判所が配偶者に対して、保護命令を出すケースもあります。具体的に、被害者への接近禁止命令や住居からの退去命令が出されます。もし命令に違反すれば、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。また、発見者による通報という項目があります。配偶者からの暴力を受けている人を発見した人や医療関係者は、すすんで警察や配偶者暴力相談支援センターに通報することを推奨しています。このようにDV防止法によって、様々な行政の支援体制が整ってきています。

DV防止法改正内容 2001年にDV防止法が制定されたことで、家庭内で暴力を受け、沈黙していた多くの女性達が、救われることとなりました。配偶者からの暴力も犯罪であるということ。閉ざされた家庭空間で、「暴力をふるわれるのは、私にも問題がある」という被害者の錯覚が明らかになったこと。 それらをDV防止法が、私たちに気づかせてくれたのです。DV防止法は2001年の制定・施行以来、18年の歳月が経ちましたが、その間に三度の改正が行われています。法律は、極論すれば、人々が幸福で安寧な暮らしをするために存在するものです。。まだまだDVはなくならないとはいえ、以前はDVについて議論すら許さない風潮があった時期を思えば、やっとここまで来たという感があります。

台風5号

子どものころ、台風が近づいてくるとなんだかわくわくしたものです。今のように刻々と変わる正確で詳しい情報はありませんから、学校はすぐ休校になり、子ども心には余計なイメージが広がります。母はろうそくの買いたしや風呂の貯め水をしたり、雨戸を閉めてその上からくぎ打ちしていた父の姿が鮮明に思い出されます。非日常のドキドキもあるけど、家族全員で来るかもしれない困難に立ち向かっている姿が心地よかったのかもしれません。

今や都会では台風でも職場や学校に行き、ぎりぎりまで休業にしません。昔は町に出ても台風の前は静まり返っていて往来も少なかったものです。台風が来るかと思ったら次の日は晴れてたなんてこともよくあって、「あーよかったねー」で済んだのですが、今は正確な進路まで予想できますからそんなわけにもいかないようです。

20日(土)夜までの48時間で雨量は九州から四国、紀伊半島など西日本太平洋側の多い所で300mmに達する所があるそうです。また、21日(日)は台風5号に向かう南西からの湿った空気の流れが強まる九州では、雨雲が非常に発達し激しい雨となるおそれがあり、最大で500mmに達する大雨のおそれがあるそうです。広い範囲で南よりの風が強く、西日本では瞬間的に20m/sを超える強風に対しても注意を呼び掛けています。