すてっぷ・じゃんぷ日記

今日の活動

君の名は

公園では、みんなで「だるまさんが転んだ」や「けった」をします。みんな好んで鬼をやりたがるのですが、1年を超えて一緒に通所してきている仲間の名前をまだ覚えてない子がいるのには驚きました。毎週1回は必ず顔を合わしていても、「あの人」で済ませているのです。ASDの他者に興味がない特性とは言えここまで興味がなかったかと愕然とします。そういえば、知らない人がいたならまず名前を交わすという行動が、利用者の子どもたちには見受けられません。いつもスタッフが紹介しているからと言えばそれまでですが、関心がなければ覚えることもないのです。

冬休みの宿題

小学校も今日から冬休み。学校の先生方とも良いお年をと言葉を交わして「お迎え」をしてきました。子どもたちは「早く宿題を終わらせて楽しく冬休みを過ごしたい」とそわそわしています。その一方で「どうせまた苦手な繰り上がり下がりの計算問題があるから憂鬱やねん」「憂鬱なものからさっさと終わらせたいねん」と話します。

学校は相変わらずドリル一本やりの宿題が多いです。それがワーキングメモリーの弱い子どもたちに学習性無力感を与えるものだとは知らないようです(知ってたら問題ですが…)子どもの嫌うドリル学習をいくらやってもワーキングメモリーは鍛えることはできません。脳は楽しいという情動で学習が成立するからです。

もちろん速音読や暗算やNバックトレーニングはワーキングメモリーを鍛えます。ワーキングメモリーを鍛えることは物事の段取りや見通しの力というプランニングの力も伸ばしていきます。つまり人に頼らないで過ごせるのですから、生活の自由度は増大します。自由に生活ができれば、自尊感情は当然高まります。

しかし、ここで、鶏が先か卵が先かの話をしていてもしかたがありません。要するに苦手な音読や暗算とは思わせずにワーキングメモリーを鍛える楽しい学習をどう演出するかです。デジタルデバイスを利用してゲームのようにトレーニングする機器も出ています。高額ですし、誰にでも効果があるのかどうか確認できないので、お勧めはできないのですがいくつか商品化されているものもあります。http://www.cogmed-japan.com/

ワーキングメモリー 05/07」でも書きましたが、この力は生活に欠くことができません。ワーキングメモリーのピークは30歳だそうですからどの子も伸ばせる可能性があることは確かです。

赤が改善状態の悪化したもの 黄色が不変 緑が更に良くなったもの

感情表現

Bさんがニヤニヤしているのでなんか変だなーと思ってたら、スタッフの服にマーカで色を付けたというのです。本人に問い質すと何でそんなことをしたかわからないというのです。このシチュエーションなら、悪戯してやろうとニヤニヤして実行に至るの図です。しかし、Bさんは違うのです。Bさんは調子が悪くなるとニヤニヤするのです。そして、大昔に叱られて最悪の気分になった不適切な行動を再現するのです。いわゆるフラッシュバック行動です。ASDの人の感情表現を読み取るのは難しいときがあります。感情表現も学習の対象にしているのはこうした自己フィードバックと表現の苦手さもあるからです。

風邪流行のきざし

利用者の中にもスタッフの中にも風邪気味の人が増えています。感染症情報センターのデータhttp://www.pref.kyoto.jp/idsc/index.htmlでは、乙訓はこの1週間インフルエンザ が「流行入り」と咽頭結膜熱(プール熱)が増えてきています。咽頭結膜熱(プール熱)はプール感染だけでなく年中飛沫感染もします。発熱・結膜炎・咽頭炎の3つの症状で、5日程度の発熱、目の充血かゆみ、せきなどです。予防は手洗い、飛沫防止ですがアデノウィルスの感染力は強力で学校伝染病第2種(はしか等と同じ)に指定されており、インフルエンザと同じく解熱後2日まで出席停止です。

終業式

今日は府立の特別支援学校の終了式。京都市と小学校は24日です。学童保育や放デイはこれからが毎日朝から晩までの日課になります。府立学校は冬季休業、それ以外の学校は開業の場合は、所属している学校が休業かどうかで帰り(送り)の時間が違います。休業日の子どもは基本的に16時まで開業日の子どもは17時までがサービス時間です。

本日の昼食はふわふわ天津飯。柔らかいのもおいしいです。関東では「天津丼」、関西では「天津飯」と呼ぶことが多いそうです。

 

買い物

自分の気に入ったおやつを買いに、近くのスーパーまで買い物に行きます。まだ食品は8パーセントなので外税計算はややこしくて、暗算というわけにいきません。電卓持っていくのもいいのですが、こんな時にこそ、キャッシュレスで子どもでも払えるデジタルマネーが欲しいものです。おそらく10年もたたないうちに日本もキャッシュレス社会になっていくはずです。限度額が設定でき用途も記録に残るデジタルマネーの方が大人ははるかに管理しやすいです。

しかし、この条件にあてはまるものは15歳以上から持てるデビットカードくらいしかありません。ただ一つ、6歳から持てる電子マネーがあります。交通系ICカードです。ICOCAは前払いチャージ式でコンビニでもチャージできますから便利です。物品購入履歴はチャージ機では金額しかわからないですが、レシートをノートに保存する習慣をつければ残高も確認できます。キャッシュレス時代に向けての準備教育のために、或いは計算の苦手な方への買い物の自立支援のために交通系ICカードはお勧めです。子どもICOCAはみどりの窓口でお子様であることを証明する保険証などを持っていけば購入できます。

 

凧あげ

外遊びから帰ったA君が頬を真っ赤にして教えてくれました。「凧めっちゃあがったで!糸全部なくなったで!」「すごいすごい凧あげ名人やな」「うん。俺名人やねん!」ということで、今日も公園に良い風が吹き、35m巻きのタコ糸全部使って揚がったそうです。角度は30度以上だそうですから、三角関数の正弦で・・・・高度20mくらいかな。ちなみに航空法では300mまでは揚げて良しだそうです。タコ糸の重さと揚力が釣り合ったところで限界ですから、高く揚げるならナイロン糸と釣り用のリールを用意すればもっと揚がるらしいです。

タブレット

また中国製の電化製品が壊れました。今回はタブレットです。PCよりも直感的なので子どもたちが操作するのは向いているので、買ってみたのです。アマゾンを見てみるとiPadは3万5千円、NECも3万円。なのに中国製は1万2千円!タブレットなんて中身は世界標準だし大丈夫だろうと高を括って購入したのは10月。なんと1カ月半の命でした。電源部分のUSB給電ソケットがガサガサになって接触不良で充電できなくなりました。あーサイクロン掃除機で懲りたはずなのに…。安物買いの銭失い2回目です。今日NECのタブレットが届きました、接続してもガタがない。やっぱり日本製はよろしい。

 

支援と自立

放課後デイサービスでは事業所が遠くて自力通所できない利用者に、送迎をするサービスがあります。近所に居住し自力で通える方は原則このサービスは使えません。ただ、どんなものでもグレーゾーンがあります。片道20分なら自力通所エリアだが21分なら送迎可能エリアかどうかなどという話です。

これには基準はありません。むしろ、その子どもにとって自力で通所することが自立のために良いという支援方針を持つなら少々遠くても自力通所にすべきだということです。時間を守って、自分の力で移動することは自立の第一歩だからです。もちろん、安全性の問題など自力通所の検討は総合的に行う必要があります。ただ、支援のつもりが、その子の自立の芽を摘んでしまうケースはしばしばあります。対象者への配慮のつもりが、行き過ぎた支援につながってしまう場合がある事を、福祉関係者は日常的な課題である事を自覚する必要があります。

海外の九九の覚え方

昨日、九九の宿題で苦労している子のことを書いたら少し反響があったので、もう少し九九について考えてみます。今回は、海外では九九はどのように覚えさせているのか調べてみました。

昨日も書いたように、音韻障がいや読みの流暢性に問題のない人は、2×2=4を「ニニンガシ」というように、語呂よく、リズムよく暗記することができます。1の段から9の段まで、繰り返し暗唱して覚えていきます。しかし、海外でこのような方法を採用する地域は少なく、ひたすら数字を並べて暗記しているようです。たとえば、英語圏だと12×12まで暗記する必要があります。日本の暗記量は少ないほうで、世界の子どもたちはけっこう大変なようです。インドでは20×20まで暗記するのが一般的で、地域や学校によっては99の段まで学ぶところもあるようです。これができれば2桁×2桁の掛け算もスムーズにできるようになるため、計算のスピードが大幅にアップするというのが理由です。

九九を利用するインド式の掛け算も最近注目されています。計算が簡単で早く、暗算でも間違いにくいというメリットがありますから、覚えてみるのもいいかもしれませんね。アメリカやイギリスでは12×12まで暗記します。日本語のように数式を短く表現することができないため、九九の表を見ながらひたすら覚えていくやり方です。「Two times two equals four. Two times three equals six.」と、呪文のように暗唱する子が多いそうです。ひたすら暗記していくと、2×2を見るとぱっと答えが出てくるようになります。覚えるのは大変ですが、数字を見ただけで反射的に答えが出てくるため、計算は意外と早いようです。また、小学校で覚えない子も多いため、高校生でも九九の授業を受けることがあります。ただこれは音韻性障害のことが全く配慮されていません。(日本もですが)

ドイツは10の段まで覚えます。覚え方は英語圏と似ており、九九の表を見ながら2×2=4と数式をそのまま覚えます。丸暗記させる方式ではなく、最初は九九の表を参考にしながら問題を解きます。ひたすら計算を反復練習して、最終的に九九も覚えるのです。日本と大きく異なるのは、数字の読みあげ方です。ドイツでは、一の位の次に十の位を読みます。56なら6と50です。また、授業の進め方も異なり、九九をすべての段学ぶ前に、割り算がはじまります。確かに、掛け算と割り算には関連がありますから、合理的な学び方かもしれません。掛け算の基本である九九ですが、国によって覚える範囲や覚え方はさまざまです。ドイツのように丸暗記を重視しない地域や、インドのようにたくさん覚えて計算スピードを上げる国と様々です。

ただ、音だけで覚える方法は読み障がいのある人には致命的です。基本は視覚からも九九を取り込むことです。九九表の法則性がわかって来れば自分で答えが探せます。すらすら流暢に言えるようになるまで、大人は離れず最後まで聞いてどこがうまくなったか必ず評価してあげることです。