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みんなちがってみんないい

インチュニブ

最近インチュニブを服薬されている利用者が増えています。そもそも、どういう子どもに使われどういう効果があるのか調べてみました。

インチュニブは、グアンファシン塩酸塩という薬の商品名のADHD治療薬です。グアンファシンという成分が脳の情報伝達機能を助け、ADHDの多動性、不注意、衝動性の症状を改善する効果があります。日本で製造販売が承認され、販売が開始されたのは2017年5月ですが、アメリカ、イギリス、オーストラリアでは以前からADHDの治療薬として、コンサータ、ストラテラと共に使用されてきました。インチュニブは、患者の体重、症状、薬の効き方を踏まえて飲む量を決めるので、医師の処方が必要です。また、処方される年齢は6歳~と決められています。従来の薬とは違う作用で働くため、ストラテラやコンサータでは効果を感じられなかったり、副作用などにより継続できなかった人への効果が期待されています。

インチュニブが働く仕組み
ADHDの原因は解明されていませんが、脳の前頭前皮質という部分での情報伝達に問題があるとされています。中でも、シナプスという情報の送受信をする部位がうまく働かないことが原因の一つではないかと言われています。そのため、外から入ってきた情報をうまく取り込んだり処理をしたりするのが難しく、自分の注意や行動をコントロールできなくなると考えられています。そして「落ち着きがない」「注意が長続きしない」「衝動的に行動してしまう」といった”多動、不注意、衝動性”の症状としてあらわれます。

ADHDのある人の中には、図のように後シナプス(情報を受け取る側)に伝達された情報が漏れ出てしまい、神経伝達量が減少してしまっている場合があると考えられています。インチュニブの役割は、後シナプスの情報の取りこぼしを減らすことです。インチュニブの主成分であるグアンファシンが、後シナプス中のアドレナリン受容体という物質を活性化させることで、シナプス内のHCNチャネルという穴を塞ぎ、入ってきた情報を漏れにくくさせます。その結果、より多くの情報を伝達できるようになり、覚えられる情報の量や、その持続力も高まります。その結果、多動、不注意、衝動性といった症状の改善に繋がるのです。

コンサータやストラテラとの違い
コンサータやストラテラの方がインチュニブより早くADHDのお薬として使われていました。インチュニブが後シナプス=受け手側の問題を治療するのに対して、この二つのお薬の仕組みは前シナプス=送り手側の問題を治療します。コンサータはドーパミンという伝達物質を前シナプスが再取込する穴を塞ぎます。ストラテラはノルアドレナリン(ドーパミンの化合物)という伝達物質を前シナプスが再取込する穴を塞ぐのです。

簡単に言えばこの二つは前シナプスの伝達物質の再取込穴を塞いで後シナプスへ伝達物質を多く送る働きをし、インチュニブは後シナプスで情報が漏れないようにする働きと言えます。つまり、狙いは情報が伝達するように伝達物質を一定量に確保することですが、働きかけているところが違うのです。また、インチュニブは「攻撃性」を抑えるための働きが良いと言われています。体重減少など小児には厄介な副作用がインチュニブには少ないという理由で、まずはインチュニブから試す医師が多いようです。

インチュニブの用法・用量
インチュニブは1日1回服用する薬です。飲む量は、医師が体質、症状、薬のきき方などをもとに決めます。飲む時間帯はなるべく決まっていたほうが良いでしょう。最初は副作用などを確認するために子どもなら1mgから開始し1週間をおいて1mgずつ増減せせます。体重によって服薬量は決まりますが、例えば体重34kg以上42kg未満は4mg、75kg以上は6mgが最大量です。他薬とインチュニブと併用すると、効果が変わったり、副作用が出たりする薬や食品があります。もともと服用している薬がある場合や、インチュニブを服用しながら他の薬を服用することになった場合は、主治医に相談しましょう。

以下がインチュニブとの併用に注意すべき薬の一例ですので、確認してみてください。
・中枢神経抑制剤
・インチュニブの血中濃度を通常よりも上げる可能性のある薬(イトラコナゾール、リトナビル、クラリスロマイシン など)
・インチュニブの血中濃度を通常よりも下げる可能性のある薬(リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン など)
・血圧を低下又は脈拍数を減少させる作用のある薬(降圧剤,ジギタリスなど)
・バルプロ酸(バルプロ酸の血中濃度が増加する可能性がある)
・アルコール

副作用
傾眠(眠気)が50%以上の割合であらわれます。ひどい眠気が続いたり、昼間からうとうとして仕事や学業に支障がでるようでしたら医師とよく相談してください。頻度は少ないですが、もっとも重要なのが低血圧と徐脈です。インチュニブはもともと高血圧のお薬(降圧剤)として開発されたものだそうです。多くは軽度ですが、なかには失神するほどの重症例も報告されています。ふらつき、立ちくらみ、息切れ、意識低下といった症状に注意が必要です。その他にも、頭痛、倦怠感、気分がしずむなどの副作用が報告されています。

「障害」は当事者と周囲との間にある

前回、大阪市の自治会役員に関わる自死事件での親族の訴訟について、「人権を守る方法 07/31」 という視点で掲載しました。今回の産経の主張は合理的配慮の考え方をスロープや点字のように民間に広げる努力が必要だということでした。ただ、目に見えない障害への配慮については、障害があるから免除できるというだけで、本当の障害の理解にはつながりません。つまり、GOMESSが「GOMESSが託した思い 08/03 」で言うように、想像する側の理解力が必要になるのです。障害は当事者と周囲の人の間にあるものという考え方が必要だと思います。
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「おかねのけいさんはできません」障害ある男性の自殺が与えた衝撃
障害者への合理的配慮とは

8/15(土) 20:00配信【産経新聞】

精神障害などがある大阪市の男性=当時(36)=が昨年11月に自殺した。遺族は、居住する市営住宅の自治会の次期班長選びをめぐり、男性に障害の有無などを記した文書作成の強要があったとして、当時の自治会長らを提訴。《しょうがいかあります(原文ママ)》《おかねのけいさんはできません》。社会福祉協議会の担当者も同席していた場で男性が書かされた誤字交じりの文章は、社会に大きな衝撃を与えた。男性はなぜ死を選んだのか。経緯と主張を振り返る。(杉侑里香)

■手帳も見せた
訴状によると、問題の発端は昨年11月18日、1人暮らしをしていた男性宅に入っていた一通の“お知らせ”。「来年度の自治会の班長決めを12月1日に行う」「くじで班長が当たっても変更はできない」との内容だった。

身の回りの簡単なことはできるが、人と接することを苦手としていた男性は、当時の自治会会長に障害者手帳などを見せ、班長ができない旨を伝えた。だがその後、当時の班長から「特別扱いはできない」と告げられ、12月の集まりに来るよう求められた。困った男性は区役所やケースワーカーに相談。地域の社会福祉協議会の担当者が「12月の集まりには私が参加し、あなたが班長をできないことを説明する」という話で落ち着いた。

だが11月24日、事態は急転する。男性は市営住宅の集会所へ呼ばれ、社協担当者と会長、班長の4人で話をすることになったのだ。そこで約2時間後に完成したのが、《しょうがいかあります》の一文から始まる文書だった。男性は自治会側から「当面は班長をしなくていい」との旨の説明を受けた一方、12月の集まりには参加するよう求められた上、文書を他の住民に見せることも告げられたという。男性は翌日、自宅で自殺した。

■自治会側は「男性も了承」
男性の両親は会長と班長、自治会に計2500万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴。今年7月31日、第1回口頭弁論が開かれ、被告側はいずれも争う方針を示した。被告側は答弁書で、男性が班長をできない事情を理解していたが、「公平な自治会運営のためには、くじから外すことを他の住民にも理解してもらう必要があった」と主張。ただ、住民に事情を直接説明することを男性が嫌がったため、「ストレスの少ない方法」として文書作成を依頼し、「男性は特に嫌がることもなく了承した」との認識を示した。また文書は4人で確認を進めながら完成させたものであり、強要や自殺との因果関係はないとも強調した。

■自殺前夜「さらし者」
こうした被告側の主張に、遺族は強く反論する。自殺前日の夜に食事をともにした兄(41)は「『根掘り葉掘り書かされた』『さらし者にされる』と弟は落ち込んでいた」と明かす。男性は障害があることを周囲に知られるのを嫌がっていた。兄は「そんな弟が、自ら進んでこんなことを書くはずがない」と憤る。

文書には《おかねのけいさんはできません》《1たい1ではおはなしできます》《ひとがたくさんいるとこわくてにげたくなります》といった個人の特性だけでなく、《自てんしゃにはのれます》《せんたくはできます》など、自治会業務との関係性が不明な記述もあった。遺族は、こうした内容を無理に書かされたり、他の住民の前での公開を告げられたりしたことが過度な心理的負担となり、自殺に追い込まれたと考えている。

■合理的配慮とは
裁判や男性直筆の文書が報道されると、ツイッターなどの会員制交流サイト(SNS)で反響が広がった。《自治体に共生の理念はないのか》《気の毒すぎる》。男性に同情したり、自治会側を批判したりする声が大半を占めた。

平成28年に施行された障害者差別解消法。健常者を基準とした社会環境の中にある、障害者にとっての社会的障壁を取り除くことに努める(合理的配慮を行う)よう求めるものだ。具体的には段差などの物理的なものに限らず、精神障害の人に落ち着ける環境を提供したり、優先順位をつけて物事を伝えたりするなどの工夫や配慮も含まれる。ただ、こうした障害者への合理的配慮は、今も十分な理解が得られていないとの見方もある。

「(合理的配慮を)『特別扱い』と混同し、つるし上げるような風潮は今も根強い」。精神障害者の家族でつくる全国精神保健福祉会連合会(東京)の小幡恭弘事務局長が指摘する。小幡氏によると、背景にあるとみられるのは、新型コロナウイルス禍で浮上した「自粛警察」に代表されるような同調圧力。「みんな嫌なことを我慢しているのに」という一方的な気持ちだ。その上で小幡氏は「『できない』と『やりたくない』は全く違う。できない理由を並べるのではなく、それぞれが他の人の立場に立って助け合えるようになれば」と求めた。

帰省先知事の意見

吉村知事 帰省先知事の意見参考に…全国知事会の考え方の一覧表を投稿

8/11(火) 14:57配信【デイリースポーツ】

吉村洋文大阪府知事が11日、ツイッターに新規投稿。全国知事会の帰省についての考え方を一覧表にし、「参考にして頂ければ」と判断材料にしてほしいと記した。

吉村知事は「先日の全国知事会で、帰省に関して47都道府県の知事の考え方を一覧表にすべきと提案し、一覧表になりました。既に帰省済の方、これからの方、検討中の方、様々と思いますが、帰省先の知事の意見も参考にして頂ければと思います」と一覧表にした意図を示し、「いずれにしても感染防止策の徹底お願いします」と求めた。

吉村知事は一覧表において「帰省自体を自粛いただくことは求めていません。帰省にあっては、体調管理・感染症対策を十分に行っていただくようにお願いします。帰省した際は、宴会等で大騒ぎするような環境はつくらず、静かに親族と会ってお盆をお過ごしください」としている。

帰省先知事の意見

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帰省についての各知事の意見はバラバラです。帰省は慎重にと構えるのは東高西低です。テレビの東京キー局と在阪準キー局の主張の違いがそのまま出てきた感じです。煽りにあおる東京キー局・在名準キー局の放送圏域の知事の意見と、吉村大阪知事らがリードする意見を報道する在阪準キー局の関西圏では、知事の意見が異なるという事です。

人が移動すれば、感染が広がるのはある程度は仕方のないことです。ただ、お年寄りを除いてその症状は軽症か無症状がほとんどです。福島県では帰省する学生にPCR検査代を県が負担するとのことです。検査で陰性判定でも帰省するまでに感染する可能性はあるし、症状もないのにわざわざ検査しに行って感染リスクを高めることもないというのも一理あります。

メディアに惑わされず、家族全員健康が確認できるなら、故郷への帰省はそれほどリスキーな事ではないこと。そして、帰省先で感染リスクの高いところに行かなければ感染予防はできると在阪知事達は述べています。

ただ、どんなに正論であっても、マスクやトイレットペーパー、うがい薬の買占めが止まらないように、見えない事に恐怖する集団心理を鎮めることは難しいのものです。感染への恐怖感があるのにGO TO トラベルなど焼け石に水のような経済施策を打つよりも、感染禍が収束するまでは経済は確実に落ち込むのですから、経営困難で生活苦の方が出ないように会社にも個人にも資金援助をして感染恐怖が収まるのを待ったほうが現実的なのかもしれません。

 

みんなを応援する甲子園に

前例のない「夏の甲子園」始まる 2校による選手宣誓「明日への勇気と活力を」

8/10(月) 9:26配信【デイリースポーツ】

新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になった今春のセンバツに選出された32校を招待して開催される「2020年甲子園高校野球交流試合」が開幕。午前10時から開幕試合を戦う大分商、花咲徳栄(埼玉)の2校が参加し、開会式が行われた。

前例のない「夏の甲子園」。開会式前にグラウンドでキャッチボールを行って開会式に臨んだ両校は二列に分かれ、互いの距離を保ってマウンド横に整列。無観客のスタンドでは、ベンチ外の選手や一部の関係者などが間隔を取ってスタンドで見守った。 異例となった2校のみの開会式では今大会に招待された32校の集合写真が大型スクリーンに映し出され、1校ずつ紹介されるなど過去にない形で進行された。  

この後、大分商の川瀬主将、花咲徳栄の井上主将が選手宣誓した。選手宣誓は以下の通り。  (川瀬堅斗主将)「宣誓、私たち高校球児は夢の舞台、甲子園を目指すことを目指し、仲間たちと励まし合いながら、心技体を鍛えてきました。新型コロナウイルスとの戦い、度重なる大規模な豪雨災害からの復旧、復興など、厳しく不安な状況下で生活している方もたくさんおられます。このような社会不安があるなか、都道府県の独自大会、そしてこの2020年甲子園高校野球交流試合を、開催していただけることによって再び希望を見いだし、あきらめずにここまでくることができました」  

(井上朋也主将)「ひとりひとりの努力がみんなを救い、地域を救い、新しい日本を作ります。想像、挑戦、感動、いま、私たちにできることは一球をひたむきに追いかける全力プレーです。交流試合の開催や、日々懸命に命、生活を支えて下さっている皆様への感謝の気持ちを持ち、被災された方々をはじめ、多くの皆様に明日への勇気と活力を与えられるように、選ばれたチームとしての責任を胸に…」  

(二人で)「最後まで戦い抜くことはここに誓います」。

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たった6日間だけの夏の(春の)甲子園。勝ち負け関係なくたった1試合だけの甲子園。あれだけ改革が言われた炎天下の中での試合は変わらないけど、宣誓メッセージは確実に進化しています。「苦しんでいる人、頑張っている人を励ましたい」と言います。ただただ応援されていた高校生プレーヤーが、災害大国ニッポンの応援をしようと、いつの間にか成長していることに感動します。甲子園を頂点にした高校野球はベタで好きではなかったけれど、今年は応援しています。

出場校32校がオーロラビジョンで開会式に写真参加

エッセンシャル・ワーカー

放課後等デイサービスでクラスター発生 神戸市

2020/8/8 19:01【神戸新聞NEXT】

神戸市は8日、障害のある児童の放課後等デイサービス施設「ガリレオ東灘」(同市東灘区)で、小学生5人や職員の計10人が新型コロナウイルスに感染したと発表し、クラスター(感染者集団)が発生したとの認識を示した。

小学生の男児5人、40代の男性職員1人、20代の女性職員4人。同市によると、10人はいずれも軽症か無症状という。

男性職員は2日に発熱があり5日にPCR検査を実施し、陽性が判明。30日と翌31日にマスクを着けず室内で勤務していた時間があったため、濃厚接触者として利用者14人と職員5人を7日に検査した。

男性職員は31日に系列の「ガリレオ六甲道」(同市灘区)でも3時間ほど勤務しており、濃厚接触者にあたる利用者6人と職員3人にも検査を実施。利用者6人は陰性で、職員3人は結果待ちという。2施設は当面休業する。(小谷千穂)
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〈新型コロナ〉児童分野で働く職員に慰労金自治体に独自の動き

8/4(火) 10:07【福祉新聞】配信

新型コロナウイルス感染症の対応に追われる子ども分野で働く職員を対象に、独自に慰労金を創設する自治体が出てきた。愛知では児童養護施設や保育所を対象にした「応援金」を創設。政府は福祉分野で働く慰労金を支給する方針を示しているが、子ども分野は対象外となっており、現場からは「コロナ第2波の足音が聞こえる中、こうした取り組みが全国に広がれば」という声も出ている。

政府は5月、新型コロナに関する「緊急包括支援交付金」を拡充し、福祉分野で働く職員全員に1人当たり5万円の慰労金を支給すると発表した。施設で新型コロナが発生していれば20万円に増額する。

ただ対象は特別養護老人ホームや障害者施設、救護施設など高齢や障害分野に限定。児童養護施設や乳児院、母子生活支援施設、保育所など子ども分野の施設については重症化リスクが低いことから慰労金の対象外としている。

そうした中、愛知県は独自に「民間児童福祉施設職員応援金」を創設した。県内の児童養護施設、乳児院、保育所、婦人保護施設など1500カ所以上を対象に、1施設10万円を交付する。

応援金の目的について、愛知県は「職員の労苦に報いてモチベーションを維持するため」と説明。宴会や旅行は禁止しているが、慰労金としての支払いを想定する。「シンプルな申請方法にすることで、8月中に支給できれば」と話す。こうした姿勢に対して、現場からは喜びの声が上がる。

愛知県内で児童養護施設や特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人和敬会の太田一平理事長は「政府による慰労金の対象から外された児童福祉関係者の落胆は大きかった。金額の問題ではなく、自治体が子ども分野の現場に目を向けてくれたことがありがたい」と評価する。

「全国の児童養護施設でクラスターが発生していないのは職員の努力の結果だ。新型コロナ第2波の足音が聞こえる中、自治体独自の慰労金がほかの地域でも広がれば」と話す。

また、山形県は子ども分野の施設職員を対象に1人当たり5万円の慰労金を支給する。保育所など約350カ所、児童養護施設5カ所、乳児院1カ所を含む計約900カ所で働く約1万3000人が対象。常勤・非常勤は問わず、調理員や事務員も対象になる見通しで、政府の慰労金で対象外となった部分を補完する位置付けとなっている。

同様に茨城県ひたちなか市も認可保育所や学童保育の職員に3万円を支給する方針。岡山県倉敷市は、市内の保育士を対象に1人最大5万円の慰労金を独自に給付する。

一方、東京都練馬区では、高齢・障害・保育分野の福祉施設・事業所で働く職員を対象に慰労金を支給する。約1600施設で働く約2万4200人を対象に、1人当たり2万円の支給を想定する。現場の実情に応じて、職員ごとに支給金額を変えることも可能だという。

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最初の記事は、感染させた放デイはけしからんというバッシング記事です。記事に非難こそ書かれてはいませんが、こんな小さな事業所名をさらしてスタッフまでも特定できる内容で報道しています。注意喚起だけなら他に報道の仕方があったはずです。学童保育も保育所も学校も障害者施設も老人施設も感染者を出しただけで、名前をさらされバッシング対象になるのだなと関係者は思うでしょう。二つ目の記事は、感染リスクが高いけどエッセンシャルワーカーとして貢献している職員に報奨金を出しましょうという記事です。この二つの記事の内容が同居しているのが今の日本社会です。感染症のゼロリスクは科学的に考えてあり得ません。無理なゼロリスクをエッセンシャルワーカーに押し付けても意味のないことです。むしろ、慰労金だけでなく5/29のブルーインパルス飛行のように、リスク承知で頑張っている人たちを励ますのが筋ではないかと思います。

閑話休題。武漢ウイルス感染症(COVID-19)は、仕事に関するいくつかの観点を変えつつあります。そのうちの一つが仕事に対する物理的な関わり方です。長らく仕事というものは、毎日会社に出かけ、決まった時間に職場でするものと思われてきました。しかし、COVID-19による自粛要請の結果、「決まった時間に職場に行かなければできない仕事」と「そうでない仕事」の2種類あることがわかってきました。

工業化の進展によって、ホワイトカラーとブルーカラーという区分けができたように、デジタル化とCOVID-19によって、「エッセンシャルワーカー」と「リモートワーカー」というような新しい仕事の区分けが生まれつつあります(下図参照)。

国土の広い北米やオーストラリア、あるいは距離はそんなに離れていなくとも冬季の移動が難しい北欧諸国では、リモートワークは以前から活発に行われています。欧米では、医療従事者、警察・消防関係者、公共団体関係者、銀行やスーパーマーケット勤務者というようなライフラインに関係する労働者をエッセンシャルワーカーと呼び始めています。エッセンシャルという単語が示すように、そこには一定の敬意が込められています。デジタル化が進み、様々な仕事がリモートで可能になっても尚、どうしても物理的に対応しなくてはならないことは残り、社会活動をしていく上で不可欠な仕事があります。それを担う職業の労働市場におけるステータスは、需給バランスを踏まえれば、今後、上がっていくことは間違いありません。

エッセンシャルワーカーの場合
(1)「出勤手当/現場手当」が一般的に支給されるようになる
ロックダウン時の英国では、その時も出勤しなければならない職務に就く人(スーパーマーケットや銀行など)には、特別ボーナスが支給されました。感染リスクがあり、身体的な負荷や家族の負担も大きいというのがその理由でした。これがリモートワーカーとの対比の中で、有事だけのものではなく、平時から支給されるようになる可能性が高いです。現在でも、高温手当、危険手当といったものはありますが、その基準が下がり、出勤すること自体が負荷である、という見方です。

(2)時間管理と職務内容管理はより厳格になる
物理的に拘束されるため、時間管理はより厳格になります。場合によっては、成果よりも物理的拘束の方が重視される評価報酬に変わります。また、手間や時間をかけて出勤していることから、敢えて職場で自分の役割とは関係のない仕事をやるよりも自分に求められる仕事だけ終えて帰宅することが当たり前となり、職務内容(ジョブディスクリプション)に基づく業務遂行の確度が報酬と結びつきます。

(3)同一労働・同一賃金の適用が進む
物理的に拘束される仕事は、広い意味での社会インフラに関わる仕事に多いです(それが「エッセンシャル」のネーミングの所以)。インフラならば、そこに必要なのは、一定のサービス品質であって必要以上の付加価値は期待されません。このような業務は、同一労働・同一賃金の考え方と相性良く、中長期的には社会レベルでの適用が加速します。米国では同一労働・同一賃金を担保するためにO-NETという国が定めた職務定義があります。さらにフランスでは、それに国が賃金水準まで定めています。エッセンシャルな職務については、日本版O-NETが整備され、賃金水準のガイドラインが策定される必要性もでてきます。

リモートワーカーの場合
(1)時間管理が難しく、裁量労働が一般化する
現在の裁量労働制には、一定の制限が設けられていますが、その基準が緩やかになります。自由な働き方が従業員にとってのリモートワークのメリットであるので、個人の裁量(自由さ)を促進するようになります。そうすると、報酬制度は年俸制に近いものになり、報酬の対価が明確に定められる必要性が高まります。欧米のように個人単位で雇用契約が結ばれ、個々人の報酬の対価が契約として定められるようになります。

(2)「通勤手当」が無くなり、逆に通信費・事務設備に関する手当が支給される
リモートワーカーは、そもそも出勤するかどうかがはっきりしないため、出勤した時のみ交通費を精算するようになります。既にリモートワークが普及している欧州の保険会社ではこのやり方が運用されています。一方で、職場で提供されているインフラに関わるコスト(例えばネット環境を整えるための施設や通信コスト等)は、個人に対して支給されます

(3)基本給に地域水準が適用される
必ずしも通勤しなくて良いのであれば、どこに住んでも良いだろうと多くの人が考え、地方居住者が増えます。これにより、Cost of Livingの考えに基づいた報酬決定が行われます。いわゆる居住地域によって、報酬格差をつけようという考え方です。基本給に、どの地域に居住しているかによって係数をかけて報酬を決めるのです。

うがい薬

「うがい薬で唾液中のコロナウイルス減少」吉村知事会見
新型コロナウイルス

2020年8月4日 19時10分【朝日新聞デジタル】

大阪府と大阪市、府立病院機構大阪はびきの医療センター(大阪府羽曳野市)は4日、新型コロナウイルスの感染者に殺ウイルス効果のあるうがい薬でうがいをしてもらったところ、唾液(だえき)の検査で陽性となる割合が減ったとの研究結果を発表した。府などは肺炎などの重症化の予防につながる可能性があるとして、本格的な研究を始める。

政府が効果などを認めていないため、吉村洋文知事は「薬事法(現・医薬品医療機器法)上、効果があるとはいえない」とした上で、「(殺ウイルス効果のある)『ポビドンヨード』を含むうがい薬は『イソジン』などとして市販されているので、うがいを励行してほしい」と呼びかけた。

センターの松山晃文・次世代創薬創生センター長によると、研究は府内で宿泊療養している軽症や無症状の患者41人を対象に実施。ポビドンヨードを含んだうがい薬で1日4回うがいした人の唾液のPCR検査の陽性率は、1日目は56・0%で、4日目は9・5%に減った。うがいをしなかった人は、それぞれ68・8%、40・0%だったという。

松山氏は「コロナは鼻やのどの奥で増える。今回、唾液だけでやっているので、これで患者を治せるわけではない」とした。「ウイルスを含んだ唾液が肺に入ることで肺炎を起こすケースがある。唾液中のウイルス量を減らすことで重症化が抑制され、人にうつしにくくなるのではないか」とも説明。今後は対象者2千人を目指して研究を続けるとした。

効果が薄い場合の責任について記者団に問われると、吉村知事は「僕が責任を取るのは研究結果。結果は保証したい。コロナに完全に効く薬はなく、それに対して責任取るとか取らないとか、そういうものじゃない」とした。

会見で吉村知事は「買い占めはしないでください」と訴えたが、大阪市中央区のドラッグストアでは会見後の午後4時半過ぎ、イソジンを含むうがい薬を置く棚だけが空になっていた。男性店長は「1時間ほど前に売り切れました」。約30個あったうがい薬が10分ほどの間に売り切れたという。

「本来は風邪が流行する冬場に売れる商品。コロナの予防にはなるかもしれないですが……」。新型コロナウイルスの影響で1家族に1個と限定して販売していたという。

自転車で店に駆けつけた男性(40)は、売り切れた棚の前で立ち尽くし、「テレビ番組でうがい薬が取り上げられているのを見た妻に頼まれて買いに来た。本当に効くのか分からないが、念のため、あれば安心できるかなと思って」。肩を落とし、携帯電話で妻に報告した。(本多由佳、小林太一)

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うがい薬を知事推奨、大阪府に抗議・問い合わせ450件
新型コロナウイルス

2020年8月6日 19時56分【朝日新聞デジタル】

大阪府の吉村洋文知事が4日、新型コロナウイルス対策として、殺ウイルス効果のあるポビドンヨードを含むうがい薬を使ったうがいをすすめたことに対し、府に抗議や問い合わせの電話が相次いでいる。5日だけで約450件に上り、職員が対応に追われている。

吉村知事は4日、大阪市の松井一郎市長、府立病院機構大阪はびきの医療センターの松山晃文・次世代創薬創生センター長とともに市内で会見した。新型コロナ感染者がうがい薬を使ったところ、唾液(だえき)検査で陽性となる割合が減ったという松山氏らの研究結果を発表し、「薬事法(現・医薬品医療機器法)上、効能があるとまでは言えない」としつつ「うがいを励行して欲しい」と重症化予防につながる可能性を示唆した。

府によると、この発表について、府民からは「(うがい薬が)店頭からなくなった」、「ネットで転売しており、取り締まる必要があるのではないか」といった問い合わせが相次いだという。薬局からは「卸業者から入ってこなくなり現場は混乱している」、医療従事者からは「妊産婦らへの副作用もあり、安易に使用を推進するべきではない」といった電話もあった。府は、抗議への対応で通常業務に支障が出ており、専用の電話回線を4回線増設した。

吉村知事は6日、こうした意見が相次いでいることを受けて、「予防効果があるということはないし、言っていない。不要な買い占めは控えてほしい」とあらためて説明した。

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「何かがなくなりそうになったら、そうなる前に買い占めろ」という行動は、それが論理的に間違っているかどうかは別にして、自分を守るためには必要な行動ということになります。放送の時点でうがい薬を買わなかった人は、もう当分うがい薬は買えなくなるからです。科学的な根拠とは関係ありません。集団ヒステリーとはそういうものだそうです。

研究発表の内容で医師が述べているのは「唾液の中のウイルスを減らすことで、人にうつしにくい」ということです。そしてそのことが、軽症患者にとって重症化を防ぐことにつながるかどうかは、研究を続けていかないとわからない、ということでした。イソジンでコロナ陽性者が減るとは、言っていないのです。

手を石鹸で洗えば手に付いたウイルスが死ぬのと同じで、ポピドンヨードでうがいをしたら口の中のウイルスの一定数を滅らすことができ「唾液を使ったPCR検査における陽性反応者の数が減る」のは当然です。しかし、2005年の風邪予防の研究では、ヨード液と水道水でうがいをするのでは、塩素を含んだ水道水の方が効果があったことや、ヨードは甲状腺ホルモン合成が抑制されて、甲状腺機能低下を招くことが知られていますが、こうした情報はなかなか報道されません。

甲子園:フィールド・オブ・ドリームス

今年は映画館で甲子園!高校野球ドキュメンタリー新旧2作品が連続劇場公開

8/6(木) 7:00配信【映画.com】

高校野球を題材にした記録映画2作品が劇場公開

新型コロナウィルスの影響を受け、中止が決定した今年の「夏の甲子園」。100年以上続く歴史の中で史上3度目、戦後としては初となる高校野球界にとっても異例の事態となったが、「今年は映画館で甲子園を。」をテーマに、高校野球を題材にした記録映画「第50回全国高校野球選手権大会 青春」「甲子園:フィールド・オブ・ドリームス」の劇場公開が決定した。

【動画】「甲子園:フィールド・オブ・ドリームス」予告編

1968年9月に劇場公開され「幻の傑作」と語り継がれる「第50回全国高校野球選手権大会 青春」は、“日本で一番美しいもの”を追い求めた巨匠・市川崑監督が、第50回記念大会を圧倒的なスケールで映画化。時代が変わっても守り続けるべき高校野球の「伝統」を再発見できる作品だ。

そして、移りゆく時代と共に変えるべき高校野球の「革新」を映し出す、新作ドキュメント「甲子園:フィールド・オブ・ドリームス」(20)は、ニューヨークを拠点に活躍する山崎エマ監督と制作陣の「高校野球という日本独自の文化を海外に紹介したい」という願いから日米の国際共同制作作品として誕生。海外に先駆け放送され大きな反響を呼んだNHKのドキュメンタリー「ノーナレ 遥かなる甲子園」(18)、「HOME 我が愛しの甲子園」(19)で描ききることができなかった部分まで被写体を掘り下げた長編作品。米・撮影クルーとともに100回記念大会へ挑む激戦区・神奈川県の横浜隼人高校と、大谷翔平や菊池雄星を輩出した岩手県・花巻東高校の球児とその指導者へ1年間に渡る長期取材を敢行。日本人メジャーリーガーたちの“原点”を描いた作品として、また高校野球を“日本社会の縮図”と位置づけ変わりゆく時代の空気をも切り取る山崎監督ならではの視点とその手腕に、野球大国であるアメリカ全土で高い関心と大きな話題を集めた。

「第50回全国高校野球選手権大会 青春」は、8月14日から、「甲子園:フィールド・オブ・ドリームス」は8月21日から丸の内TOEI、アップリンク渋谷ほか全国順次公開。

▼「甲子園:フィールド・オブ・ドリームス」山崎エマ監督コメント

「高校野球という日本独特の文化を、世界の人たちに知ってもらいたい」という思いで始動したこのプロジェクト。ニューヨークの映画祭や全米放送後に、甲子園のことを初めて知ったアメリカ人たちが「KOSHIEN」に興奮し語り合う様子に感銘を受けました。そんな本作が、日本の皆様にもお届けできる機会を頂き、感無量です。100年以上に渡って培った伝統と、時代に伴う変化が用いられる高校野球の現場には、次世代を育てる責任と向き合う指導者たちと、青春の全てを捧げる球児たちの姿がありました。夏の甲子園100回大会の年に撮影した本作に出演した当時の1年生は、今年の3年生で、辛い思いを秘めて最後の夏を過ごしていると思います。2020年、パンデミックの影響で春と夏の甲子園が中止される特別な年に、巨匠市川崑監督が夏の甲子園50回大会を捉えた名作「青春」と共に、また高校野球が本来の姿を取り戻すまでの「繋ぎ」の一つとして、そして今一度この日本の風物詩を見つめ考える機会として、本作が役に立てばと願っています。全国の球児や関係者の方々にとっても、少しでも前に進むパワーの源にして頂ければ幸いです。

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今年は武漢ウィルス感染予防で甲子園がなくなりました。地方大会はやっているようですが、甲子園があるときのような盛り上がりはありません。

映画館での感染はこの半年間報告されたことはなく安全が担保されているようです。映画で新旧の甲子園映画対決を観るのもいいなと思います。

★8月14日(金)公開『第50回全国高校野球選手権大会 青春』(日本/97分/1968)総監督:市川崑

★8月21日(金)公開『甲子園:フィールド・オブ・ドリームス』(2020年/アメリカ・日本/94分/16:9カラー/5.1ch /ドキュメンタリー)監督・編集:山崎エマ

UPLINK京都【烏丸通:新風館地下1階】

小学校で「教科担任制」導入

”担任”なくしました 小学校で「教科担任制」導入 先生チームで支援「相性問題軽減、専門性も発揮」/兵庫・丹波市

8/3(月) 11:04配信【丹波新聞】

兵庫県丹波市の中央小学校が今年度、4、5、6年生の高学年で、学級担任制に代わり、教科担任制を導入した。中学校のように教科ごとに教師が代わる。教師5人で4学級を担任するもので、1年間を通して固定した学級を担任する教師はいない。同校は、「管理・統制」から「自律・個別最適化」を目指しており、西田隆之校長(55)は「従来より教師は半歩引き、子どもたちが自分たちで考え、課題を解決し、問題を乗り越える力を培うための試み」と説明している。

教師5人でつくる「高学年団」が、4年生(2学級)、5、6年生(各1学級)の計4学級を受け持つ。
国語は南里奈さん、算数は足立浩基さん、理科・体育は梅田拓人さん、社会、外国語は藤井千歳さん、音楽・図工と算数補助は高橋祐子さんが担当する。この顔ぶれで、各学級のホームルームも担当するが、1年間の固定ではなく、すでに3度代わっている。

同校は、学年団という関わり方をすることで、多くの教師の価値観に触れる機会が持て、問題によって相談する教師を代えるなど、児童が考えて行動するようになることを期待しているほか、児童と教師の相性問題の軽減、教師が自身の専門性を発揮し、授業の質の向上が図れると考えている。

算数担当の足立さん(38)は、「例えば6年生が分数を学ぶ時期に5年生は小数の学習をする。教材が全部手元にあるので、『5年生のときのことを振り返ってみよう』と出題ができる。複数学年を持つことで、どこでつまずいたのかが確認できる。上の学年、下の学年のプリントを自由に使って自習できるようにもしている」と、教科担任制のメリットを語る。国語担当の南さん(32)は、「今教えていることが、1年後のここにつながるんだなと、教えるイメージを持ちやすい。1時限ごとに教師が代わるので、休み時間に食い込んで、切りの良いところまで進めることはできない。時間配分を気にしている」と言う。一方、従来の担任のように一日中、同じ児童と接しないため、変化を見逃さないよう生活面での情報共有を教師間で密にする必要があるという。

印象に残る教師が「恩師」に
足立さんらを学校改革で知られる東京・麹町中学校に派遣し、同校の若手教師らと意見交換した上、兵庫教育大学の宇野宏幸教授の助言を受け、1年半かけて準備した。西田校長は「私たち世代は担任と言えば、ドラマ『金八先生』のようなイメージだが、支援してくれる大人チームのようなものに変わる。その中で、困っているときに相談にのってくれたり、ほめられたことがうれしいと印象に強く残る教師を『恩師』と、児童が思うのかもしれない」と話している。2年後には全国の小学校で教科担任制が始まる見通しで、今後、各校で具体的な検討が進む。

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義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方について文科省は、令和4年(2022年)をめどに小学校高学年からの教科担任制を本格的導入すべきとしています。 小学校高学年の児童の発達の段階、外国語教育など専門性の向上を踏まえたもので、今後は教科担任制に必要な教員数の確保や小中学校の連携について検討を進めていくそうです。

この発想は、学力向上と働き方改革の両方からでてきたそうです。小学校で全教科の準備をするには放課後の時間は短かすぎます。教える教科数を少なくして専門的に指導することは大事なことです。正直、新しく入った英語やプログラミング、ダンスの指導をどの先生も準備するなんてオバーワークもいいところです。だったら、教科制の中高のレベルは高いのかと言われそうですが、これはこれでクラブ問題や生徒指導問題という別の問題があるので、簡単に比べることはできません。

チームで指導しようとするならば良い結果がでるでしょうし、教科の砦の中に教員が埋没すれば中高の教科制の悪いところと同じ結果になるでしょう。それでも、自然科学や社会科学の魅力や、芸術やスポーツの奥深さを伝えるには専門性を要します。それが好きな先生しか伝えることができないと思うのです。そうした先生は必ず凸凹発達の子どもたちのカリスマティックアダルトとしても輝いてくれるはずだと思うのです。

文字が読めない―見逃されるケースが大半

文字が読めない―発達性読み書き障害
見逃されるケースが大半(2020/08/03 07:00)【時事メディカル】

特異的読字障害は「発達性読み書き障害」とも呼ばれ、脳に損傷がないのに文字が習得できない状態で、俳優のトム・クルーズさんが抱えている障害としても知られている。知能の遅れはなく、普通に会話もできるため、気付かれにくい。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所(東京都小平市)知的・発達障害研究部の稲垣真澄前部長は「発達性読み書き障害は、早期発見とその子に合わせた指導が必要です」と話す。

子どもの読み書きに不安を感じたら相談を

▽いじめや登校拒否も
特異的読字障害は、文字を正しく、すらすら読むことが難しい障害で、読めないために書けないという障害を生じる。医学的には発達障害の中の学習障害に分類され、限局性学習症とも言われている。稲垣前部長は「小さい頃から文字に対する関心が低く、絵本を見てもパラパラとめくるだけで、興味を示さないなどの様子が見受けられます。

しかし、知能的な遅れがないため大半は見過ごされています」と説明する。小学校に入学して、授業で教科書を読む、文字を書くといった学習が始まると、単語の文字を一つ一つ拾う逐次読みをする、文章を正確に読めない、字を書くのに時間がかかり升目や行に納められない、雑な字を書くなどの特徴が目立つようになる。「いじめの対象になったり、学習性無力感といって、過去の経験からどうせ自分にはできないと諦めてしまい、登校拒否に至ったりすることもあります」と稲垣前部長は指摘する。ただし、周囲の理解があれば、これらは防げるという。

▽個々に合わせた訓練
脳の頭頂葉に角回(かくかい)と呼ばれる場所があり、言語や認知をつかさどっている。発達性読み書き障害は、ここの機能に障害があるため、表記された文字とその読み(音)が自動的に対応できないのではないかと言われている。診断では知能検査と併せて必ず音読検査を行い、平仮名、漢字、単語や文章などに分け、どこに読み書きの問題があるのかを明らかにする。具体的な指導方法は一人一人異なる。例えば平仮名に問題がある場合は、「あ」や「い」といった文字をパッと見せて、何と書いてあるか正しく言えるようにし、文字音変換の自動化を訓練する。次に、それを単語で行う。

近年では、障害があっても平等に教育や社会生活に参加できるようにという合理的配慮から、テストの問題用紙に振り仮名を振ったり、時間延長や問題の読み上げを行ったりする学校も出てきている。また、早く障害に気付き学習的な介入を行えるよう、稲垣前部長らは幼稚園教諭や保育士らの気付きを促す子どもの様子に関する観察シートを作成した。「読み書きに障害があるのではと感じたら、発達障害に詳しい医療機関や発達障害者支援センター、児童相談所などに相談してください」と呼び掛けている。
(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

GOMESSが託した思い

大反響の発達障害のCM 「障害者? 違う、僕は僕」 当事者のラッパー・GOMESSが託した思い

深澤友紀2020.7.11 17:00【AERA】

昨年6月にYouTubeで公開された「発達障害をテーマにしたドキュメンタリーCM」が共感を集めている。発達障害をテーマにしたドキュメンタリーCMの何が心に刺さるのか。AERA 2020年7月13日号から。
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東海テレビが制作した発達障害をテーマにしたドキュメンタリーCM「見えない障害と生きる。」が、反響を呼んでいる。昨年6月にYouTubeで公開されると現在までに145万回以上再生され、JAA広告賞消費者が選んだ広告コンクールの経済産業大臣賞や日本民間放送連盟賞のCM部門最優秀賞などを受賞した。発達障害は「見えない障害」の言葉通り、映像化も難しいテーマだが、なぜ視聴者の心に刺さる作品が生まれたのか。

全編で5分間のCMには、発達障害の一つ、学習障害(LD)で文字が読めない教師や、聴覚過敏で周囲の音に襲われる学生、独特のこだわりを持つ掃除好きの男性など6人の発達障害当事者が登場し、最後は自閉症のラッパー、GOMESS(ゴメス)さん(25)のラップが90秒間続く。
カメラを見つめ、画面の向こうの「あなた」に問いかけるGOMESSさん。冒頭はこうだ。
僕は誰だ人間
でも僕はフツウじゃないらしい
だから何だ障害者健常者
違う僕は僕だ
言葉に騙(だま)されないで
障害は確かにあるけど
僕とあなたの間にあるその障害は僕だけのものじゃないと思うんだよ

GOMESSさんはラップに込めた思いをこう語る。
「『障害者』という言葉で線引きするのっておかしいと思っていて、生きづらさがあって見えている景色が違うだけ。同じ人間なんだと伝えたかった」
10歳の時、パニックを起こしたことを機に自閉症と診断された。特に聴覚過敏が強く出て、鳥が電線から羽ばたいた音や、父親が新聞を広げる音などでパニックになり、周りにあるものを壊した。15歳までの5年間は学校にも行けず、「世界のすべてが敵だと思っていた」。

ただ、振り返ると、「家族が僕を愛してくれて、言葉掛けや行動をすべて変えて協力してくれた」。事前に「今から掃除機かけるよ」と教えてもらうと心の準備ができ、パニックを起こさないでいられた。音楽が好きになると、親は毎週図書館に連れて行ってくれ、CDを借りてさまざまな音楽を聴いた。そこで出合ったのがラップだった。
「うまくしゃべれなくても、このラップでうまくやってきたし、いろんな生き方がある。こんな人間もいるんだと知ってほしい」

6歳の当事者の男の子と両親が登場するシーンでは、「ゆっくりだけど、みんな学んでいる。」というコピーが映し出される。CMのプロデューサーを務めた東海テレビの桑山知之さん(30)は言う。「はじめは『ゆっくりだけどちゃんと学んでいる』というコピーだったんですが、僕が変えようと提案しました。子どもだけじゃなくて、周りも一緒に成長しているから」CMの中で母親は「対応の方法もわからず間違った声かけをしていたけど、(発達障害を)勉強するうちに、彼のわかりやすいように対応できるようになってきたのかな」と語っている。「障害があるからといって、助けるとか手を差し伸べるのではなくて、人と接するときに相手を知って相手に合わせることって当然のこと。そこを伝えたかった」(桑山さん)

片づけが苦手で離婚した注意欠如・多動性障害(ADHD)の女性もCMに出演。女性の「パッと見、フツウに見えるからわかってもらえない」というせりふの通り、発達障害は見た目でわかりにくく理解されにくい。「映像化しづらくてテレビでもあまり取り上げられてこなかったテーマだけど、だからこそ伝えたかった。最後のラップや聴覚過敏の男の子が周囲の音に襲われる演出などは、テレビのドキュメンタリーではやらない手法。広告的な視点があったから、生まれた動画だと思います」(桑山さん)

(編集部・深澤友紀)※AERA2020年7月13日号

 

強度行動障害

物を壊し親に手上げ…強度行動障害、支援の現状は

【西日本新聞】7/31(金) 11:03配信

急に飛び出して命の危険がある、物を破壊する、人を傷つける-。こうした行為が頻繁に表れる「強度行動障害」。知的、発達障害がある人の1%程度とされ、見守りが難しく、家族だけで孤立しがちという。ほとんど知られていない当事者の暮らしを見つめ、配慮や支援のあり方を考える。

◇◇

強度行動障害がある北古賀弘紀さん(28)は福岡市の生活介護事業所「おおほり苑」に約10年前から通うようになり、暮らしが落ち着いてきたという。この通所施設では、どんな支援が行われているのだろう。

もともとワンフロアだったという部屋が個別のスペースに区切られていた。23日午後。あいにくの雨の中、弘紀さんは生活支援員の松原俊輝さん(22)と相合い傘で外に出かけた。

個別に異なる時間
この日の作業は、空き缶の回収を呼び掛けるポスティング。歩いて地元の一戸建てを回り、チラシを丁寧に入れ込んでいく。昔は止まった車を見つけると、ホイールやワイパーを壊そうと走りだすこともあったという弘紀さん。「そんな気配があるときは、さりげなく間に立つなどして遮れば、また作業に集中してくれます」(松原さん)

小一時間で施設に戻った後は、自分専用の作業机で紙を折ったり、シールを貼ったり。予定をすべてこなした「ご褒美」として、また2人で近所のスーパーへ。好物のおやつを買い、弘紀さんは満足そうだった。

全員でレクリエーションをするなど一般的な生活介護事業所とは違い、ここではそれぞれが個別の環境で異なる時間を過ごす。

親元で自立難しく
身近な人を傷つけたり、ものを破壊したりする強度行動障害。「本当はしたくてしているわけではなく、自閉症などの特性によって環境の理解や意思の表現が難しく、本人が何かに困っていることの現れ」と施設長の増山利幸さん(44)は指摘する。「一度でも起こすと続けてしまう人には、行動を予測し、まずさせないことが大事。困った気持ちを周りが受け止め、適切なコミュニケーションを教えていくんです」。それが本人の自信や自立にもつながる。

ただし、何が苦手なのか、原因や要因は人それぞれ。一定のスペースなど物理的環境をととのえれば落ち着く人もいれば「弘紀さんのように、身近な支援者が信頼できるかどうか人に左右される」場合も。利用者一人一人にじっくり向き合い、見極め、対応を試行錯誤していくため「やはり時間は掛かります」。1人に対して3人の支援員が必要なこともあり事実上、一度に多くの受け入れは難しい。何より支援者側の知識や経験が問われていく。

同施設は利用者約50人のうち、知的障害などの重度者が約9割。母にかみつき、ひっかき、長期間自宅に引きこもっていた人、突発的にフロントガラスを肘で割る人、次の行動に移るまで気持ちが切り替えられず長時間、その場を動かない人…。家族からのSOSに応じ、同僚や後輩と支援ノウハウを共有しながら、こうした強度行動障害のある人も受け入れ続けてきた。

「わが子と必死に向き合い、将来に不安を感じながら毎日を送ってきた高齢の親御さんばかり。親元ではどうしても生活パターンが改善されにくい。行動障害を軽減させ、自立をサポートしていくのが、やはりわれわれ支援者の役目ですから」(増山さん)
しかし、こうした通所施設は「少数派」だ。

地域の一員として
おおほり苑を運営する社会福祉法人「福岡障害者支援センター」理事長の野口幸弘さん(66)は、強度行動障害のある人の支援策を模索してきた「福岡市強度行動障がい者支援調査研究会」の座長を務めている。

初代の同施設長でもあり、若手職員向けに独自の研修を行うなど「家庭生活が困難でも、当事者が住み慣れた地域で暮らしていく」ための通所施設やヘルパー、グループホーム(GH)を想定した人材育成に取り組んできた。

国レベルでも専門の支援者養成研修制度が始まり、修了者によるサービスを提供する施設やGHなどには報酬を加算する制度もできたものの、「残念ながら、積極的に当事者を受け入れようと考える事業者がなかなか増えない」ことがもどかしいという。

日中活動への報酬自体の低さや、支援の難しさ以上に、野口さんが感じるのは「障害が重い人ほど親が面倒をみるか、みられなくなれば入所施設へ、という古くからの固定観念が、当事者や支援者側にまだまだ根強い」現実。GHなどへの公的補助を充実していくためにも、社会全体の意識改革が必要となる。

「どんなに支援が難しい人でも、いろいろ関係性を模索していると、意思が通じ合い、ニコッと笑ってくれる瞬間がある。かわいいんですよ。家族も職員も喜んでくれる」と野口さん。そんな笑顔を多くの人が知れば、社会も変わっていくのかもしれない。

(編集委員・三宅大介)

【ワードBOX】福岡市強度行動障がい者支援調査研究会
2004年、福岡県内の入所施設で起きた虐待事件を機に、当事者を地域で広く支援する施策を模索する目的で06年、市内の学識者や行政、福祉関係者で発足。実態調査などを行い、支援者側の人材育成や、個別に行動面の課題軽減を目指した集中支援など、市内のさまざまな事業展開に関わる。昨年の実態調査によると、市内の強度行動障害のある人は346人(市外の施設利用者を含む)。

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記事での強度行動障害の人数は成人の数だけをあげていますが、児童でもほぼ同じ比率で他害や自傷があります。大人の力で抑えきれなくなって強度行動障害という名になるだけであって、その兆候は小さな時期からあります。大事なことは、行動障害を予防する観点で生活や学習が組み立てられるかどうかにかかっているということです。

話し言葉の苦手な子どもに代替コミュニケーションの支援や環境調整を障害特性に基づいて支援できていれば多くの行動障害は減少していくし、予防できます。もちろん、強い感覚障害や感情調整の難しさがあって薬物療法も並行して必要になることもありますが、薬物療法は対症療法でありメインではありません。行動障害の予防も対応も、その主軸は障害理解による正しい行動支援以外にはありません。

 

人権を守る方法

「おかねのけいさんできません」男性自殺 障害の記載「自治会が強要」

【毎日新聞】7/31(金) 10:37配信

知的・精神障害がある男性(当時36歳)が自治会の役員らに障害者であることを記した書面を書くよう強要され、自殺したとして、男性の両親が自治会と役員らに計2500万円の賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。両親によると、男性は「おかねのけいさんはできません」などと障害の影響についても詳しく書かされ、他の住民にも見せると告げられた翌日に自殺していた。31日に第1回口頭弁論があり、役員らは争う姿勢を示した。  

◇遺族が提訴、自治会役員らは争う姿勢  

訴状などによると、男性が1人暮らしをしていた大阪市内の市営住宅では2019年11月、自治会の班長を住民同士がくじ引きで選ぶことになった。男性は障害を理由に選考から外してもらうよう役員らに求めたが、「特別扱いできない」と聞き入れられなかった。  

役員らは集会所で男性と対応を話し合った際、障害があることや日常生活への影響を記すよう要求。男性が書面を作成すると、役員らは他の住民にも書面を見せて男性のことを紹介すると説明したという。翌日の11月25日、男性は自宅で命を絶った。  

書面は便箋2枚に手書きでつづられ、「しょうがいか(が)あります」という言葉で始まる。「おかねのけいさんはできません」「ひとがたくさんいるとこわくてにげたくなります」「ごみのぶんべつができません」などと苦手なことを列挙し、文頭に×印を付けた。「となりにかいらんをまわすことはできます」などと、可能なことには○印を付けたとみられる。  

◇両親「障害有無は個人情報」

両親は「障害の有無などは他人に知られたくない個人情報。必要性がないのに本人の意思に反して書面作成を強要した」として、プライバシーや人格権の侵害を主張。他の住民に見せると伝えて心理的な負担をかけており、役員らは自殺を予見できたと訴えている。  

一方、役員は「どうすれば他の住人の理解を得ながら、男性を班長選出から外せるか模索した」として、強要を否定。書面の作成については「嫌がっているそぶりはなかった。ストレスのない方法を選択して適切だった」と主張している。  

近くに住む兄(41)によると、亡くなる前夜、男性は「言いたくないことまで根掘り葉掘り書かされた。さらし者にされる」とため息交じりに話し、落ち込んでいたという。兄は「弟は真面目でおとなしく、障害もあって他人に指示されると抵抗できなかった。自殺に追い込んだのは許せない」と話す。【伊藤遥】  

◇自殺した男性が書かされたとされる書面(一部)  

しょうがいか(が)あります

○2500えんは ふうとうにいれれます
×おかねのけいさんはできません
○1たい1ではおはなしできます
×ひとがたくさんいるとこわくてにげたくなります
○となりにかいらんをまわすことはできます
○ひととあったらあたまをさげることはできます
×いぬとかねこはにがてです
×ごみのぶんべつができません
○自てんしゃにはのれます
○せんたくはできます ほすこともできます
○どこでもすーぱーこんびにはかいものできます
○くやくしょびょういんにはいけます
×かんじやかたかなはにがてです

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PTAや保護者会、町内会の役員決めはお互いの交流が薄ければ薄いほど、えげつない決め方をしていることを耳にします。そして、人権が尊重されない場所では、いつも弱い人にしわ寄せが行きます。お年寄りの場合も一人暮らしであれば役員が回ってきます。役員を回避するために「生年月日」や「一人暮らし」の証明が求められている地域もあります。

逆に、「役員は嫌だから町内会費も払わないPTA会費も払わない」ことで組織に所属する意思のないことを表明して関係を一方的に断つ人もいます。地域社会が崩れてきた結果、周囲が「異質者」を晒し者にするか、自ら無関係を晒すかという両極端の現象です。いつか自分も社会的弱者になるという想像力の欠如でもあります。

どうして「手伝いますよ、一緒にやりましょう」の一声がかけられないのでしょう?人はみんな違うのですから、それを認めてお互いに手を差し出し手をつなぐこと以外に人権や健全な社会を守る方法はありません。

学習指導の課題は、小中高ともに8割以上が「ICTの活用」

小学校の夏休み「2週間未満」25%最短は9日間

【朝日新聞】2020年7月17日 20時36分

コロナ禍で休校を実施した自治体のうち、今年の小学校の夏休みを2週間未満(土日含む)とした自治体が25%に上ることが、文部科学省の調査でわかった。今月の豪雨被害による休校で、さらに短くせざるを得ない自治体が出る可能性がある。

調査は全国の公立小中高校などの夏休みの日数や、休校中・再開後の課題などについて、全市町村や都道府県の教育委員会に6月23日時点の状況を尋ねた。

小学校を休校した1715自治体のうち、夏休みの日数を一番短い「9日」にしたのは105(6%)で、2週間未満が25%だった。中学校を休校した1745自治体については、一番短い「9日」が139(8%)で、2週間未満は28%だった。

小中学校ともに、一番多かったのは「16日」(小学校21%、中学校20%)で、「23日」(小学校11%、中学校11%)が続いた。

高校を休校した154自治体については、一番短い「4日」が1、次いで短い「9日」は10で、2週間未満は18%。最多は「23日」(18%)だった。

また、本来なら夏休みだった期間に授業をする場合、給食を実施する自治体は小中学校ともに95%に上り、半日授業や昼食持参の自治体以外はほぼ実施することがわかった。

文科省によると、小中学校の夏休みは例年、寒冷地を除くと、7月下旬から40日程度としている地域が多い。ただし、近年は冷房の導入で期間を短縮する自治体も増えている。

一方、休校中に学校が課した家庭学習では、「同時双方向型オンライン指導」が高校で47%だったのに対し、小学校で8%、中学校で10%にとどまった。複数回答可で休校中の学習指導の課題を尋ねたところ、小中高ともに8割以上が「ICTの活用」を挙げた。(宮崎亮)

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このブログでは何回か小中学校のICT教育が進まず、諸外国から大きな後れをとっていることや、ICT教育をうまく使えば発達障害、特にLD児の支援に大きな効果が期待できることを書いてきました。

今回は武漢ウィルスで思うように教科学習が進まなかった子どもに対して、長期休業中にICT教育が使えたらという先生方がいかに多いかという記事でした。

問題は一人一台の電子機器とwifiをはじめとするリモート環境が家庭に準備できないという事です。しかし、一方で小学校低学年では3割の子どもが、中学では7割の子どもがスマートフォンを所有しています。勉強道具より遊び道具のリモート環境が成立しているのが我が国の現状です。

すてっぷでは、この間リモート学習教材の試用をしてますが、子どもたちは1か月もしないうちに半時間程度の学習に取り組めるようになります。デメリットは子どもによっては障害特性に合っていない教材があることですが、自学自習の学習態勢(自分で自分に合った速度で勉強をすすめる姿勢)を育てるにはICT教材が最も適していると考えています。

 

報道しない自由

免疫学の権威が断言「コロナ第2波なんかない!」集団免疫でしか終息しない

2020年7月28日 11:00 0【東スポWeb】

新型コロナウイルスの感染者が東京を中心に増え続けている。第2波の訪れと認識し、緊急事態宣言の再発令を求める声や22日に始まった「GoToトラベル」キャンペーンに伴う県をまたぐ移動に懸念の声が高まっている。そんな中、免疫学の権威として知られる順天堂大学医学部免疫学特任教授の奥村康氏(78)と京都大学特定教授の上久保靖彦氏(53)が27日に都内で新型コロナウイルスに対する緊急会見を開催し、第2波の到来を真っ向否定した。

感染の危険性と隣り合わせの生活が始まった。3密を避ける工夫が行われるようになり、マスクの着用も必須となった。

だが、奥村氏は「頭隠して尻隠さず。数字的にマスクの効果があるのか疑問に思う。僕はまったく効果があるとは思わない」と話す。

新型コロナは集団免疫によって終息すると考えている奥村氏はその根拠として「過去に世界で流行したスペイン風邪や香港風邪、あるいはSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)など、いずれも最終的に終息したのは、人間が集団免疫を持ったからである」と述べた。

「今は猛威を振るっている新型コロナも最終的には集団免疫によって抑え込まれていくし、それ以外に人間が勝利する道筋はない。自粛などしないで普通に生活を送れば多くの人が感染し、免疫を持つまでの期間を短縮できる。しかし、それは犠牲者が増えてしまうので現実的ではない。なるべく犠牲者を少なくしてから感染経験者を増やしていく戦略を考える必要がある」と断言した。

さらに「日本人の多くはすでに抗体を獲得しているはず」とも発言。

「新型コロナでは、PCR検査陽性の人でさえ、9割以上は無症状。それは、感染後5日から1週間で抗体ができるから。インフルエンザでは、ワクチンを打ってない人も抗体検査をすれば必ず引っかかる。電車や街中で知らず知らずのうちにかかり、症状が出ないうちに治ってしまうためだ。同様にコロナの集団免疫はできると考えている」と見解を明かした。

上久保氏は感染拡大を防ぐ取り組みを疑問視してこう語る。

「免疫がなければ感染するし、免疫があれば感染しない。人との距離を離したからといって唾が飛ばないというわけではない。ウイルスなどの微生物はあたり一面にいる。いくら離れようと全く関係ない。密とかそういうことは、実はまったく関係のない話だ」

会見ではヨーロッパの人口100万人当たりの新型コロナウイルス死者数のデータが記されたグラフが公開された。どの国も右肩上がりに死者数が増加しながら、あるところまでいくと急激に減少している。

グラフについて上久保氏は「各国順番に感染が来て、ある時、必ず落ちていく。急激に死者曲線が終息に入る。山の高さは変わるけれど、曲線の形態は必ず同じ。ロックダウンや行動制限によって終息したというよりも、みな同じ形で、ある段階で突然のように死者数が急激に減少する。このデータから、私どもは集団免疫が達さ(れ)ないと終息することはないと考えている。このデータはその証拠であると捉えている」と説明した。

感染者数は増えているものの、死者数はかなり減っている。このままある程度のところまでいけば、自然と終息するということなのだろうか。

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iPs細胞でノーベル賞を受賞した山中教授は、「なぜ日本人の死亡者は二けたも少ないのか」「ジャパンミラクルと世界から言われる謎を解くファクターXを見つける必要がある」と言います。同じ京都大学で「専門家でもないくせにと、政府専門家会議から無視されてきた」という上久保教授らの解析が注目されています。

上図に示すように、確かにインフルエンザ患者グラフの腰折れ時期が、先発の2種類の武漢ウィルスが日本にやってきた時期と考えれば、これに免疫細胞が反応してサイトカインを放出した結果インフルエンザウィルスが増殖できずに収束したことはうなずけます。

また、あれこれの理由で武漢ロックダウン後も中国渡航者を長く迎え入れた結果、多くの日本人に武漢ウィルスが感染して免疫がつき、いよいよ強毒変異した武漢ウィルス(武漢・欧米強毒型)が来た3月中頃には多くの日本人が免疫をつけ無症状か軽症で患者が抑えられてきたことも理にかなっていると思います。

そして、すでに昨年12月から感染が広がった日本人にPCR検査をすれば、症状はないけれどもウィルスを検出してしまうのも合点がいきます。ここで言えることは、約42万人が死亡するとの試算を公表した8割おじさんの意見やPCR検査を増やせば感染を予防できる等と煽っていたメディアは、3月末からこのエビデンスを示して主張していた上久保教授らの主張を全く取り上げなかったという事実です。

報道の自由とは報道しない自由とは違うはずです。発達障害情報にもメディアが煽る話もあるし、報道しない確かな情報もあります。SNSなどが発達してきた現在、まったく知りえない情報は少なくなったとは思いますが、最後は一人一人がどの情報を選び取り採用するかにかかっています。

えほん障害者権利条約(英語版)

「19人の命忘れない」障害者権利条約の理念を伝える絵本の英訳版を発行 やまゆり園事件4年

2020年7月28日 13時50分【東京新聞】

障害者への差別禁止や社会参加を保障する「障害者権利条約」をテーマにした絵本の英訳版が、26日に全世界に向け発刊された。この日は2016年に相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害された日。絵本の作者は「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、事件を考える企画が思うように進められない中、『忘れない』との気持ちを込めた」と話す。

英訳されたのは絵本「えほん障害者権利条約」(汐文社)。NPO法人の日本障害者協議会(東京)代表の藤井克徳さん(71)が15年5月に日本語版を出版した。国連で06年に採択された権利条約を日本が14年に批准したのを受け、条約が生かされれば誰もが住みやすい社会になることを幅広い世代に知ってもらうためだった。

藤井さんは生まれつき弱視で、7年前に失明した。音声が出るパソコンを使い、国連で誕生した条約が世界各国に広がっていく様子、障害の有無に関係なく、さまざまな人たちがともに暮らす街の場面を執筆した。絵は静岡市葵区の障害者施設「ラルシュかなの家」管理者の佐藤啓さん(43)が版画で描いた。

英訳版を企画したのは、難しいと敬遠されがちな条約を、世界の人たちにも絵本の形で分かりやすく伝えたいとの思いから。「欧米でも条約が社会に浸透しているとは言い難い。子どもたちだけではなく、欧米やアジアの政府関係者や障害者団体のリーダーたちにも読んでもらいたい」。翻訳は上智大准教授渡辺剛弘さんと、渡辺さんの妻暁あか里りさんが担当した。

発行日の26日は、津久井やまゆり園で殺害された入所者19人の命日。事件を起こした植松聖さとし被告への死刑判決が確定して以来、初めて迎える節目となった。事件では、植松死刑囚の「障害者は生きる意味がない」などとの優生思想的な発言が注目された。

23日には、難病患者の依頼を受け薬物を投与し患者を殺害したとして医師2人が逮捕された。医師の1人は「高齢者を『枯らす』技術」といったブログを出していたとみられる。藤井さんの法人は毎年、事件を通し優生思想などを考えるフォーラムを開いてきたが、今年はコロナの影響で開催を断念。藤井さんは「不十分だった裁判について正面から考え、問題が終わっていないと確認したかったが、せめてこの日に本を世界に発信することで、19人を弔いたい」と話している。

絵本は「Picture Book United Nations Convention on the Rights of Persons with Disabilities」。AB判変形、32ページ。1980円(税込み)。

モスバーガー・ロボット

接客ロボット ファストフード店で実験 障害者が自宅から操作

【NHK】2020年7月22日 19時45分

ファストフード店に置いたロボットを操作して、離れたところにいる人が接客サービスにあたる、実証実験が行われることになりました。

東京 品川にあるファストフード店には、港区のベンチャー企業が開発した23センチのロボットが置かれました。

今回の実証実験では、関西地方に住む重度の身体障害がある人が、自宅からロボットを操作して、客から注文を聞く接客サービスにあたります。

接客は今月27日からおよそ1か月間、平日の午後2時から午後6時の間に行われ、実験を通じて障害者の雇用の場を広げることをめざします。

また、従業員と客との接触を少なくして、新型コロナウイルスの感染防止につなげる効果も期待しています。

ロボットを操作して接客にあたる23歳の女性は「神経性の難病で外で働くのが難しいので、ロボットを通じていろんな人と話すことは刺激になります。接客中のことばづかいが難しいですが、がんばって働きたいです」と話していました。

実験を行うモスフードサービスとベンチャー企業では、接客だけでなくロボットで決済までできるよう開発を進め、ドライブスルーなどでの活用も検討することにしています。

ベンチャー企業、オリィ研究所の吉藤健太朗所長は「障害がある人がロボットを通して働くことができれば、活躍の場が広がっていくと思う。研究を進めていきたい」と話していました。

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「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)の女性患者=京都市=から依頼を受け、薬物を投与して殺害したとして、2人の医師が嘱託殺人の容疑で京都府警に逮捕された事件がメディアで報じられていますが、一方では、こうして社会参加の道を拓こうとする人々もいます。

モスバーガーを運んでくるロボット、これに接続されたインターネットの向こう側に人がいると思うと、何か不思議な気持ちです。これまでテクノロジーは人から仕事を奪ってきましたが、テクノロジーによって新しい仕事が生まれることだってあるということです。

自分が欲しかった言葉や、してほしかったこと

障害児の保護者支援の必要性訴え 倉敷のNPO理事長が本発刊
【山陽新聞】(2020年06月30日 14時34分 更新)

倉敷市を拠点に障害児の保護者を支援する認定NPO法人「ペアレント・サポートすてっぷ」の安藤希代子理事長(50)が、これまでの活動をまとめた「ひとりじゃないよ 倉敷発・居場所づくりから始まる障がい児の保護者支援」(吉備人出版)を発刊した。自閉症の娘の育児経験などを織り交ぜながら、障害児への支援に比べて注目されることが少ない親へのサポートの必要性を訴える。

「すてっぷ」は、発達障害などを抱える子を持つ母親たちが、同じ立場の者同士で支え合おうと2012年に発足した。保護者が立ち寄れるスペースとして、市内の民家を改装して「うさぎカフェ」を開設。週2回開き、来所者の相談や交流の場になっており、年間延べ千人以上が訪れる。

「ひとりじゃないよ」は、「自分のまちでも同じような居場所をつくりたい」と多くの声が寄せられたのを受け、「グループ立ち上げのヒントになれば」と、全6章を書き下ろした。特別支援学級の保護者会で、行事参加者の顔触れがほぼ同じだった経験から、出てくる余裕がない人にも支援の手を差し伸べたいと活動を始めた経緯や、福祉サービスをまとめたガイドブック作製などこれまでの主要な活動を紹介。団体設立や運営の参考になればと、資金確保や効果的な広報活動など、実務面のアドバイスも盛り込んだ。

安藤理事長は「障害のある子を育てる保護者は多くの不安を感じているのに、支える手は本当に少ない。多くの人に支援の必要性について知ってもらい、保護者の『居場所』が増える助けになればうれしい」と話す。

 四六判、254ページ。1650円。全国の書店やインターネット通販で販売している。

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著者は、専門職ではないので専門家の視点から書かれた本ではありません。娘さんの子育てを通じて経験した、「試行錯誤」「紆余曲折」「七転八倒」の日々を振り返って、困難な子育てをしている保護者(とくにお母さん)を支えるための活動がまとめられています。平成30年の西日本豪雨災害で感じた「被災した障がい児の家族」についても綴られています。

著者自身は、娘さんも成人されて「いまだから振り返ることができるんだ」「あのころ頑張っていた自分を、自分で認めてあげたいんだ」と、書かれています。子どもが小さいころ、ママ友さんたちに負けまいと、相当に背伸びをして頑張って、意地を張っていたことも赤裸々に書いておられます。そして、「まだまだ渦中にいる方には、それ(客観的に自分を見つめること)はとても困難なこと、だからこそ、誰かがそっと見えるところにいてあげることが大切」だと述べます。

これは、障がいの有無に関係ないことです。どんな人も、日々の子育てや介護、看護の中で躓いたり、心が折れそうになったことがあると思います。けれども、時間がたつと、「きれいな美しい思い出」しか残らなくなって、自分もつらかったはずなのに、真っ最中の人に、うっかり「励ましの言葉」や余計なお世話やアドバイスをしてしまったり、そういう場面に出くわすことは良くあります。でも、自分が欲しかった言葉や、してほしかったことはそうじゃない…。この本は、それをすっかり忘れていたことに、改めて気づかされます。

気になる行動の録画アプリ

気になる行動だけ録画、発達障害の幼児支援に新アプリ
2020年7月21日 10時00分【朝日新聞】

発達障害のある子どもの気になる行動だけ撮影し、動画をクラウド上に記録する。そんなアプリを新潟県内の療育施設、大学、企業が開発している。子どもの通う施設の職員と保護者、専門家らが子どもに関する情報を共有し、適切な支援につなげる狙い。AI(人工知能)を用いた自動録画も近く実現しそうだ。

「クレヨンのふたを開けます」。指導員の声に、座っていた4人の幼児が一斉に動き出す。ただ、1人だけは反応がなく、促されて初めて動き始めた。

40秒ほどの短い動画。これは、アプリ開発に加わっている新潟市中央区の療育教室で今月撮影したものだ。教室が見渡せる場所にアプリが入ったスマートフォンを置き、幼児の気になる行動があれば指導員がエプロンのポケットに入れた専用のボタンを押す。すると、その後だけでなく前にもさかのぼって計40秒間の動画がクラウド上に自動保存される。

クレヨンのふたを開ける幼児らの動画を見た長沢正樹・新潟大大学院教授(特別支援教育)は、反応が鈍かった1人について「遅れていますね」と教室の寺島亜衣子所長(47)に指摘した。指導法について「特に座学では、可能な限り個別に学習する必要がある」とも。長沢教授は昨年12月から、この教室でアプリを用いた指導の実証実験をしている。

アプリ開発には、ソフトウェア開発会社・ロレムイプサム(新潟県長岡市)と長岡技術科学大(同市)の永森正仁助教(教育工学)も加わっている。撮影・保存した動画のファイルに説明の文章を書き込む機能もあり、当時の子どもの状況を保護者にも分かりやすく伝えられるという。

この療育教室では以前から子どもの様子を撮影し、支援を検討する際の参考にしてきたが、動画編集にかかる膨大な手間が難点だった。気になる行動の時に絞って撮影する機能がなく、長時間の動画から該当する部分だけ抽出する必要があったからだ。それが、アプリを用いると作業時間が半分ほどに。今後、幼児がふだん通う保育園や保護者との情報共有にも活用するという。

長沢教授は「問題行動前の子どもの状況や、行動後の職員の対応が無駄なく記録される。効率よく支援の改善につなげられる」とアプリの利点を説明する。

今後、AIを活用して、指導員がボタンを押さなくても自動撮影されるよう改良する予定。幼児の動きや職員の声のトーンなどをAIに事前学習させ、必要な場面を自動感知して録画する仕組みだ。家族らの同意を得たうえで幼児に腕時計型端末を着け、心拍情報からストレスの度合いをAIが判断し、自動撮影することも可能という。7月、新潟県の5G活用ビジネス創出事業に選ばれ、500万円の補助が決まった。

将来的には、発達障害支援以外の用途にも活用を目指している。永森助教は「介護現場での虐待や小中学校でのいじめの防止にも力を発揮できる可能性がある」と期待している。(高浜行人)

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私たちの事業所でも、子どもの活動やトレーニング場面を動画で撮って職員で共有し、支援の在り方を検討するのに役立てています。動画はニュアンスや文脈が伝わりやすいので、職員の反応が子どもの誤解を招いていることもよくわかります。動画を共有して職員の支援レベルが上がればいいなと思います。

「あ」からじゃない「覚え方」

遊び 連想し「ひらがな」ながら学習 「あ」からじゃない「覚え方」に焦点
【東京新聞】2020年7月21日 07時03分

つかむの「つ」、静かにしぃーのポーズで「し」、くちばしの「く」…。埼玉県の小学校教諭佐藤智子さん(53)が、ひらがなの「覚え方」のポイントを盛り込んだ絵本を作った。ひらがな学習にこだわった背景には2人の教え子の存在があった。ひらがなの学習といえば、「あ」から始めると思われがちだが、佐藤さんは画数の少ない字から教える。形を見せ、声に出し、子どもたちに手や体を動かしてもらって、文字の形とイメージを結び付けることを大切にしている。黒板に「へのへのもへじ」の絵を描いて、文字を探させたり、両手で羽の形を作った、ひよこのポーズから「ひ」を教えたりもする。

簡単な字を覚えたら、次は足し算。「棒(|)」+「ろ」=「わ」、「ち」+「し」=「を」といった具合だ。「座らせて何度も書かせると、子どもは飽きてしまう。学習の土台となるひらがなは楽しく身に付けてもらいたい」と話す。約二十年前、佐藤さんが初めて一年生を担任した時、教科書通りに「あ」から教えると、何度やっても書けない子がいた。どうしても不格好になる。「ひらがなでこんなにも苦労する子がいると知らなかった」。先輩教諭の助言を受け、一画で、左利きの子でも簡単な「し」から工夫して教えると書けるようになった。数年後、二年生で担任をした子も習ったはずのひらがなが読めず、書けなかった。給食の準備時間に個別に一字ずつ教えると読み書きができた。「教え方一つで、ひらがなを覚えられる子が増える」と実感した。

佐藤さんは自閉症の次男の育児に手がかかり、退職を考えた時期もあった。でも、学校に行くと、ひらがなが書けなくて困っている子が待っていた。「あの子たちがいたから、仕事も続けてこられました」そんな二十年間のひらがな指導の経験や思いを詰め込んだのが、絵本「ひらがなものがたり」。ひらがなの国の王子と姫が赤い石を奪った竜と闘う物語で、全てのひらがなが入るように構成。絵本を見ながら字を探し、遊びながら覚えることを目指している。

ひらがな学習本は「あ」から、はねや止めなど書き方に力点を置いて解説する本が多いという。「覚え方や教え方に焦点を当てた本は少ないのでは」と佐藤さん。今年はコロナ禍で、家庭でひらがなを学んだ子もいるだろう。「ひらがなでつまずき、学習へ向かう心の扉を閉じる子がいないように。困っている親子に絵本を届けたい」と語る。


絵本はぶどう社刊、税込み千三百二十円。問い合わせは同社=電03(5779)3844=へ。
文・奥野斐

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視覚情報だけでなく、体性感覚やエピソード記憶で文字を指導する方法は、心ある教師があれこれと開発してきました。佐藤智子さんの取り組みもその一つです。子どもたちのまわりに何人の佐藤さんを得るかが子どもたちの学習のイメージを作ると言っても過言ではないです。子どもの学びをあれこれ言う前に、「教え方にセオリーはない」「違う学び方をする人」という柔軟な思考を指導者が学ぶ必要があります。

 

コンサータの働き

ADHDの薬、コンサータの副作用と用量用法の注意点について

コンサータの用量と用法について
ADHDの治療薬コンサータの服用については、ガイドラインが定められているそうです。
コンサータ投与のガイドラインによると、最初にコンサータを服用する場合は、朝1回、用量は6~10歳の子供の場合は18mg、11歳以上の子供は27mgから始めること、となっています。コンサータは18mgと27mgと36mgのカプセルで、体重の重い子供の場合は、組み合わせて処方され1日54mgが限度です。最初にコンサータを処方する場合は、1~2週間で薬の効果をみていきます。

ADHDの治療薬コンサータの効果と持続時間は?
コンサータは、ADHDの症状(不注意・多動性・衝動性)を抑える作用があります。
特に衝動性や多動性には大きな効果があるといわれています。
コンサータの効果の持続時間は12時間程度なので、1日に朝1回の服用で十分で、午後に飲むことはありません。

コンサータの副作用は?
コンサータはの副作用は、頭痛、腹痛、不眠、食欲がなくなるなどの症状があらわれることがあります。
どの副作用も深刻なほどの症状ではないのですが、午後に服用すると夜に眠れなくなる可能性があるので、基本的にはコンサータの服用は朝1回にすべきだといわれています。また、コンサータの副作用で食欲がなくなり、体重が減るなどの症状が現れた場合は、薬の使用をいったん中止する必要があります。

治療薬コンサータを一生飲み続けることはない
ADHDは治療で治るような病気ではなく、治らない障害なので、薬も一生飲み続けなくてはいけないのか、と不安を感じる人も多くいると思いますが、コンサータを一生飲み続ける例はほとんどないそうです。平均すると、コンサータの服用期間は数ヶ月から数年といわれていて、薬が必要なくなっていきます。薬を飲まなくても、ADHDの子供が自分で行動や感情をコントロールしたり、ブレーキをかけることができるように成長していくからです。従って、ADHDの治療においては、コンサータを使用した薬物療法とあわせて、行動療法を並行して行うことが重要です。

薬の効果やメリットを自覚できると回復が早い
ADHDの子供が、自分で薬の効果を自覚できるようになると、自分でADHDの症状をコントロールしようとする意欲が働き、改善が早くなる傾向があります。子供が10歳前後に成長してくると、薬の効果による「違い」を実感できるようになり、自分で努力しようとする姿勢があらわれやすいです。

尚、コンサータについては今年度より管理制度が変わるので注意が必要です。

デジタル教科書を2024年に本格導入

小学校の学習者用デジタル教科書を2024年に本格導入へ
文:小槌 健太郎 【日経BP】2020.07.16

文部科学省は学習者(児童・生徒)用デジタル教科書を2024年度に、まず小学校の改訂教科書の使用開始に合わせて本格導入する方針を固めた。2020年7月7日に開催した有識者による「デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議」の初会合で、デジタル教科書導入に向けたスケジュール案を示した。

デジタル教科書導入に向けたスケジュール案。GIGAスクール構想の実現と並行してデジタル教科書の導入を拡大し、2024年度の小学校の教科書改訂に合わせてデジタル教科書を本格導入する

デジタル教科書には教員が授業の中でディスプレイなどに表示して使用する「指導者用」と、児童・生徒が紙の教科書と同じように自身のパソコンやタブレットなどの端末で使用する「学習者用」の2種類がある。これまでも指導者用デジタル教科書は導入が進んでおり、授業の中での活用も進んでいた。

一方、学習者用デジタル教科書は、2018年5月の学校教育法改正(学校教育法等の一部を改正する法律 )を受けて、2019年度から紙の教科書と同じ内容を収録したデジタル教科書であれば、紙の教科書と併用できるようになった。

ただ、児童・生徒が使用するパソコン・タブレット端末が整備されていなかったことや、学校教育法(第34条第2項)がデジタル教科書の基準として、紙の教科書が主でデジタル教科書は各教科の授業時間数の2分の1未満しか使えないという制約があった。また、紙の教科書は国費で児童・生徒に無償給与されるのに対して、デジタル教科書は無償給与の対象外で、1教科につき200円~2000円の費用は学校設置者となる教育委員会の負担となるため、導入に二の足を踏む自治体が多かった。

学習者用デジタル教科書を域内の小学校に1校でも導入している自治体は2020年度で14.7%しかない。文部科学省の調査では、小学校の学習者用デジタル教科書は、2019年度は紙の教科書の20%、2020年度には94%と大半が利用可能な状況になっている。その一方で、公立小学校で学習者用デジタル教科書を導入している自治体は2019年度で6.1%、2020年度でも14.7%にとどまっている。

2020年に入って、児童・生徒1人1台のコンピューターと高速の校内ネットワークを整備するGIGAスクール構想が新型コロナウイルス感染症対策で前倒し導入されることが決まった。文部科学省は整備された端末で使用する学習者用デジタル教科書を次の小学校の教科書改訂時期に当たる2024年度に本格導入することを視野に、デジタル教科書の位置付けや使用時間を制限する現行制度の見直しなどを含め、有識者会議で検討を行う。

会議の座長を務める東北大の堀田龍也教授は「子供たちが1人1台端末を持つ前提で、良質なコンテンツを提供し、紙と異なる使い方の検討が必要だ」と語った。会議では、2020年中にも方向性を示す予定だ。

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やっとというか、まだまだと言うか、デジタル教科書はLD児特に読みの障害のある児童には音声読みをしてくれるので有効だという事がわかっていました。いつまでたっても文科省が導入しないので「ディジー教科書」の名前で民間ベースでボランティアの力で10年以上前から作られてきました。

2008年9月17日施行の「教科用特定図書普及促進法(教科書バリアフリー法)」と「著作権法第33条の2」の改正により、LD(学習障害)等の発達障害や弱視等の視覚障害、その他の障害のある児童・生徒のための「拡大教科書」や、デジタル化された「マルチメディアデイジー教科書」等が、やっと製作できるようになったのです。

そしてあと4年でやっと全て実現するのです。だいたい、書籍も新聞もデジタル編集を始めたのは1970年代ですが、本格的にはワープロが普及をしライターがデジタル入稿する1980年代です。つまり、1990年代には教科書をはじめほとんどの出版物がデジタルで編集され保存されていたのです。それから四半世紀が経過したわけです。ディスレクシアの子どもたちにも教科書が「読める」ようになったのです。

憲法第二十六条, すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

コロナ第2波が到来しても学校教育は継続(大阪)

コロナ第2波が到来しても学校教育は継続、大阪府が方針決定

7/4(土) 20:00【Lmaga.jp】配信

大阪府の『新型コロナウイルス対策本部会議』が7月3日に実施され、今後第2波、第3波が生じた際、府内の学校においては原則一斉臨時休校をおこなわず、分散登校とオンライン授業を組み合わせて学校教育活動を続けることを決定した。

第2波に備え、学校教育活動の方向性についても議論された今回の会議。参考としたひとつ、文部科学省の「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」では、「今後、感染リスクはゼロにならないということを受け入れつつ、感染レベルを可能な限り低減させながら学校教育活動を継続していくことが重要」と提示。

また、日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会の医学的知見では「海外のシステマティック・レビュー(データ・論文の調査分析による総括)では学校や保育施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しく、逆に医療従事者が仕事を休まざるを得なくなるため、コロナの死亡率を高める可能性が推定されている」と発表されている。

これらを踏まえ、大阪府教育委員会の酒井隆行教育長は、「3カ月の休校は、子どもたちの生活の乱れや心理的不安定、学習保障に地域差が生じた。また、家庭で過ごす子どもに対する保護者の負担もある。予防策を徹底しつつ学校教育活動の継続性を確保することが、保護者の安心につながる」と説明。今後、大阪モデルのモニタリング指標に応じて教育活動を工夫するという。

まず、1週間の感染者合計が120人になるなど、黄信号が灯された場合は、平常授業はおこなわれるが、合唱などリスクの高い活動は感染症対策を徹底。さらに重症病床使用率が70%となり赤信号が灯された場合も、分散登校・短縮授業・オンライン授業を組み合わせるなど、制限されつつも教育活動は継続される。

吉村洋文知事は、「10代の感染の状況や感染経路を見ると一斉休校は基本的にしなくて良いと思う。陽性者が出た場合は、一時的に休校は必要だけれど、一斉に休校するということは逆に効果がほとんどない。学校については、できるくだけ動かす方向」と明言。

一方で、「非常事態時の赤信号になったとき、保護者の判断で行かせないと決めた場合に、オンライン授業も選択できる柔軟な運用をお願いしたい」と指示を出し、酒井教育長も了解した。

取材・文・写真/岡田由佳子

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政府のGo To トラベルは実施する。感染防止策は厳密に実施しなさいと、人が動けば感染が広まるのに予防しろと、アクセルとブレーキ両方踏むようなダブルスタンダード発言が甚だしい毎日です。なんとか、東京はステイ・TOKYOと決めたそうです。

だけど、昨今の感染対策状況を見ていると、感染なしのゼロリスクの同調圧力に流されているような気もします。感染ゼロは不可能です。例えワクチンができようとも感染は防げません。そんなことはみんな分かってはいるのだけれど、本音のウイズ・コロナでは「命をおろそかにするのか」と叩かれそうで、建前でゼロ・リスクを言っている感もあります。教育界では特に建前論を感じていた中で、大阪府の発信は勇気あるものでした。

経済が失速し失業率が1%上がると日本の場合は数千人が自死すると言われます。すでに飲食や宿泊業界は毎月数千規模で廃業していくという試算もあります。それでも「感染赤信号」の東京の人が地方に移動するのは正直恐ろしいという気持ちも道理です。それなら、近場で宿泊・飲食で良いと思います。

漢字が書けない私が、それを「誇らしい」と思える理由

漢字が書けない私が、それを「誇らしい」と思えるようになった理由-漫画『きょうも厄日です』       山本さほ インタビュー(2)

7月15日(水)12時0分 ねとらぼ

『岡崎に捧ぐ』などの作品で知られる山本さほさんは、なぜか厄介な人たちを引き寄せてしまう謎の能力の持ち主。トラブル続きな日々をつづったエッセイ漫画『きょうも厄日です』の中から、その一部を作者インタビューと合わせて公開します。(聞き手/構成:杉本吏)

●漫画『きょうも厄日です』とは?
街を歩けば不思議な人に出くわし、電車に乗れば面倒な人に絡まれ、旅行に行けばおかしな事件に巻き込まれる……。山本さほさんの身に降りかかる災難を、“笑い時々ホラー”なタッチで描きます。

●作者プロフィール:山本さほ
1985年生まれ。幼少時代からの親友「岡崎さん」との友情や子供時代の思い出を描いた自伝的作品『岡崎に捧ぐ』がネット上で話題となり、漫画家に。現在、『きょうも厄日です』(文春オンライン)『無慈悲な8bit』(週刊ファミ通)連載中。

●書字表出障害(ディスグラフィア)
聞き手:今回は、漢字をうまく書くことができない「書字表出障害(ディスグラフィア)」に関するエピソードです。自分がこの障害かもしれないと気付いたのはいつ頃ですか?
山本:フリーターだった頃はそれほど字を書く機会がなかったんですけど、25?26歳でアパレル業界に就職したら、辞書を使わないと報告書の文章が書けなかったんですね。でも、当時はただ「自分がバカなんだ、自分の頭が悪いだけだ」って思ってました。
 だから漫画家になってからですね、そういう学習障害の一種があると知って、自分がそうなんだと気付いたのは。

聞き手:周りの漫画家仲間に話したら、「実は自分もそうなんだよ」という人がものすごく多かったとか。
山本:そうなんです。あくまでも自分調べですけど、漫画家は驚異のディスグラフィア率で。だからそこで、ちょっとうれしいというか、誇らしくなっちゃって。「選ばれし者?」みたいな気持ちに(笑)。

聞き手:記憶力自体は悪くなくて、特に一度通った道の記憶なんかはずっと忘れないと描かれていました。
山本:道を覚えたり地図を読んだりっていうのは、数少ない自慢できることの一つで。何十年も前に通った道を覚えてたり、海外で人に案内されて通った道を、数年後に自分だけで完璧に歩けたりとか。
 それって全部、立体的に覚えているんです。だから漫画で描いているような過去のエピソードも、「あのときはここにあの人が立っていて、こっちにはこの人が立っていて」って舞台上のように覚えているんですよ。

聞き手:脳の中で、極端に得意なことと苦手なことがあるんですね。あとはサイン会など、人前で字を書くときにプレッシャーで真っ白になってしまう、という描写もありました。
山本:はい、緊張がやばくて。普段は漢字を書くほうだけが苦手で、読むほうは大丈夫なんですけど、プレッシャーが掛かると読むほうもできなくなります。
 今でも覚えてるのが、小学校の国語の授業で、一人ずつ立って一行ずつ読まされるのってありましたよね。私あれがめちゃめちゃ苦手で。自分の番の漢字が読めなかったらどうしよう、って。小学生だから、読み間違えるとみんな笑うんですよ。それで人前で何か読み上げるのがすごく嫌いになりました。

聞き手:確かに、普段の会話では普通なのに、音読のときだけガチガチになってしまう子がいた記憶があります。
山本:小学生の頃はけっこうがんばって漢字を覚えようとしてたんですけど、何百回書いても無理だったから、生まれ変わって何回やり直しても絶対覚えられない自信があります。
 私が漫画家になれたのは、ネットに上げた個人的な作品がたまたま多くの人に読んでもらえて、というきっかけで本当にラッキーなだけだったんですけど、あのままアパレルで働いて、絵なんて描かない仕事を続けてたら……。今そうやってつらい思いをしてる人もいっぱいいるんだろうな、と思います。向いてないほうの仕事についちゃって。

聞き手:自分の能力が発揮できていないだけだとしても、「仕事ができない人」扱いされちゃいますもんね。
山本:そう、漫画を描くほうが向いてるのに文章をいっぱい書く仕事についちゃったりとか。私もそうだったから分かるんですけど、すごく自分がバカに思えてくるんですよ。「この漢字さっきも間違えたし、自分の頭が悪いから仕方ないんだ」って。そういう風に自分の評価を下げちゃってる人もいますよね。

聞き手:そうすると、この障害の存在を知ったというのは山本さんにとってプラスでしたか?
山本:そうですね、知ってすごくポジティブになりましたね。この障害のことが言われ始めたのってここ十数年という話もあって、まだまだ知らない人が多いと思うので、もっとみんなに知ってもらえたらいいですよね。

スマホは学校に持ち込むべきか

スマホ普及で見直し 携帯持ち込み、学校は慎重

【時事通信】2020年07月14日07時08分


文部科学省が学校への携帯電話の持ち込みに関する通知を見直すのは、スマートフォン普及の広がりを重視したためだ。ただ、管理の難しさやインターネット交流サイト(SNS)でのトラブルへの懸念などから、現状では容認に慎重な学校も多いとみられる。

内閣府の調査によると、スマホや携帯電話の所有・利用率は、小学生で2010年に20%だったのが、17年には55%に上昇。中学生は49%から66%となり、いずれもスマホの伸びが大きい。一方、有識者会議のヒアリングでは、持ち込みを認めるべきでないと回答した中学校が569校のうち87%に上ったとする全日本中学校長会のアンケート結果が示され、「学校がスマホを管理する設備が不足している」「生徒間でのトラブルの増加は否めない」などの懸念が示された。

実際に持ち込む児童生徒が増えるかは未知数だ。全国に先駆けて小中学校への持ち込みを認めた大阪府では、4月までに府の方針通りとした自治体は3町にとどまった。容認したある町では、保護者に事前の面談と同意書への署名を求めており、希望する児童生徒は1割に満たず、小学校低学年の児童がほとんどという。

文科省幹部は「学校に必要ないものという位置付けは変わらないが、うまく付き合えるなら容認する考え方もあると示した」と説明。持ち込みの条件とした保護者らとの合意について、「クリアするのは容易ではない。実情に応じ各学校で判断してほしい」と話した。

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学校や関係者に判断を任せたら、いつまでたっても時期尚早と言い続けるのだと思います。良し悪しは別にして、今までのやり方を変えようとしないのが学校の基本形だからです。

先生たちがスマホ持ち込みで困っているのは、個人の持ち物であるスマホの管理を誰が担当するのかと言う話です。子どもが学校にもってきたものの管理は学校が責任取るのが当たり前です。この当たり前を前提にすれば、話は相当前向きになります。

だから、まずは、スマホは学校に持ち込みOKとし、そのために必要な事を考えていくという逆の発想が大事です。持ち込んでから考える、やりながら揃えるという発想です。当然、問題もおこるでしょうが、これまで学校がタッチできなかったSNSのことなどが正面から取り組めるようにもなります。学校WIFIも一気に進みフィルタリング技術やスマホ管理技術も学校が開放し大きな市場となれば必ず進みます。

学校を企業の食い物にするななどというステレオタイプなスローガンからは教育のICT進化は望めません。学校に新しい風を吹き込ませてこそ学校は変わっていくのだと思います。

ADHDの診断は正しいのか

ADHDの正体―その診断は正しいのか―

岡田尊司 著

Shincho LIVE! (2020年5月号書評)finalvent

数年前から、著名人が「自分は発達障害だった」とカミングアウトするようになった。インターネット上でも自己紹介の一環のように、自身を発達障害だと語る人が目につく。実際、精神科でそのように診断される人は増えている。発達障害は子ども特有のもの、というのは昔の話だ。大人になってからの診断で、ようやくわかったという感じである。そうした大人の発達障害には、注意欠如や落ち着きのなさが特徴のADHDや、コミュニケーションが取りづらくなりがちなASD(アスペルガー症候群とも言われていた)がある。その両方を備えていることもある。

こうした世相と呼応するように、本書の第一章に興味深い症例が出てくる。64歳の男性Uさん。子どもの頃の成績は優秀だったが友だちはほとんどいなかった。テレビ業界に入ってからは目覚ましい成果も上げていたものの、ずっと生きづらさを抱え、50代で精神科を受診し、抗うつ剤を飲む日々となった。60歳で退職し無気力な日々を過ごしていたが、大人の発達障害を扱ったテレビ番組を見て、自分はこれではないかと思い至った。診断を受けたところ大人の発達障害とわかり、SSRI(抗うつ剤)に加え、コンサータが処方された。しかし、症状が改善した実感はない。

この症例は本書の問題提起を象徴的に示している。そもそも「大人の発達障害」や「大人のADHD」とは何か。近年そういう診断を受ける人が増えている背景には、どういう事情があるのか。診断・投薬を受けても、なぜ症状が改善されないのか。本書はこうした「大人の発達障害」、特に「大人のADHD」が近年増えてきた実態について、最先端の研究成果を含む医学資料の読み直しと臨床経験を基に、その仕組みや背景を、正直、ここまでするかというほどに根気よく追究している。

そもそも「大人のADHD」と診断されている実態は何か。著者が打ち出す仮説は世界の常識を一変させてしまう。「大人のADHD」は、本来子どもが診断対象であった発達障害の延長で起きる症例ではなく、別の原因による症状かもしれない、というのだ。著者はこれを仮に「疑似ADHD」として考察を深化させる。

なるほどと私は思う。先の64歳のUさんの生きづらさや診断への希求は、まさに63歳の私に重なるからだ。現状、「大人のADHD」と診断されている事例には、著者の言う「疑似ADHD」が多く含まれているのではないか。その疑念と追究は、私のような読者には衝撃的ですらあった。

「大人のADHD」という診断と投薬によって、現在の症状が改善されるなら、それでいい。それなら診断と投薬はその人を支えている。しかし、「生きづらさ」を抱えつつも、コンサータなどの投薬が効かないし、症例が改善されていないという問題を抱えている人には、本書の提言は重要な意味を持つだろう。

誤解なきように付記すれば、本書は発達障害の診断のもとになる精神疾患の国際的な基準「DSM-5」を否定するものではない。現状ADHDと診断されている実態には次の4種類があるのではないかと考察しているのである。
(1)発達障害による本来のADHD
(2)本来のADHDが環境要因で悪化している
(3)愛着障害など養育要因から疑似ADHDとなっている
(4)養育要因以外の理由で疑似ADHDとなっている
 
こうした精密な考察から見えてくるのは、生きづらさを実感している人それぞれの経験や環境要因を精査する必要性であろう。「あなたは大人のADHDです。このお薬で改善されます」といった明快な答えが得られないとしても、投薬の再検討により副作用を減らすこともできるし、真の問題改善の端緒が得られるかもしれない。

また本書はこうした「大人のADHD」の問題に加え、発達障害と診断された子どもにかかわる大人のあり方についても十分な提言を行っている。発達障害の子どもを抱える親や教師にも、多くの示唆が得られるだろう。例えば、発達障害の子どもの学童期には、押さえつけ型の教育をしても反発だけが大きくなる。問題点に目を向けるより、まず理解者となり、精神的な安全基地となることが大切である。また、親として否定的な態度にとらわれているときには、自分自身の親との関係を見直すことで事態を客観的に扱えるようになる。

発達障害や生きづらさに安易な答えはない。著者は「地道な内省とかかわりの先にこそ、根治への道は続いている」という。本書は強い励ましになるだろう。

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岡田 尊司(おかだ たかし)

Okada Clinic 院長

1960年、香川県に生まれる。東京大学文学部哲学科に学ぶも、象牙の塔にこもることに疑問を抱き、医学を志す。ひきこもった時期や多くの迷いを経験する。京都大学医学部で学んだ後、京都大学医学部大学院精神医学教室などで研究に従事するとともに、京都医療少年院、京都府立洛南病院などに勤務。山形大学客員教授として、研究者の社会的スキルの改善やメンタルヘルスの問題にも取り組む。著作家や作家・小笠原慧としても活動している。

 

学校へのお願いの仕方の極意

発達障害の小学生ママ必見!学校へのお願いの仕方の極意とは

更新日:2020-07-06【パステル総研】

1.発達障害の子どものスムーズな学校生活には先生との連携が必須です!
6月に学校が再開して、1ヶ月以上が経ちましたね。発達障害・グレーゾーンのお子さんの学校生活はスムーズですか?
今年は異例の3ヶ月と言う長期休暇を経ての新学期です。発達障害の子どもにとってはストレスも一層強く、登校しぶりがあるなど困りごとが増えているお子さんもいるかもしれません。
ではここでお母さんに質問です。
我が子の対応について学校へのお願いは、きちんとしてありますか?
発達障害・グレーゾーンの子どもは脳の発達が未熟であるために
・集中して先生の話を聞くことができない
・指示が通りにくい
・見通しを持って行動することが苦手
など様々な特性を抱えています。そのため、学校生活ではみんなと同じようにできないことが多く自信を失う機会も増えがちです。
さらに、学校の理解がないと適切なサポートも受けられず、「努力不足だ」と誤解されて叱られてしまう可能性もあります。
つまり発達障害の子どものスムーズな学校生活には、先生との連携が必須なんです。
と言っても「うまく先生に伝える自信がない」「ちゃんと対応してもらえるのか不安…」と言うお母さんもいるかもしれませんね。
実は、学校へのお願いの仕方には「必ず押さえるべき注意点」があるんです。

2.先生のホンネと学校へのお願いの仕方の極意とは?
さて、学校へのお願いと言うと「サポートブック」などの書面形式を取ることが一般的です。
そして「あれもこれも先生に伝えないと!」と細かくたくさん記入するお母さんもいらっしゃるようです。
しかし、それは大きな誤解です。
実は、先生が求めている学校へのお願いの書面というのは、「とにかくシンプルなこと」です!
学校の先生はたくさん業務を抱えており、とにかく忙しいです。
内容が多すぎると、
・読む時間がない
・読めたとしても、35人学級を回しながら全ての要望に応えるのは無理
・「せっかく伝えたのに全然配慮してもらえていない!」とお母さんを落胆させてしまうのではと心配になる
など、先生の負担を増やしてしまうだけで効果が得られないことが多いんです。
また新学期のこの時期に渡す書面は、あくまで「先生とこれから連携を取るきっかけ作り」という位置付けです。
ですから、
・まずは先生に知ってほしい必要最低限の情報があればOK
・書面を読んだ先生に「もっと話を聞きたい!」と思ってもらえること
が重要なんです。

3.効果的なサポートレターの書き方を大公開!
◆苦手と得意はセットで!
我が子の学校生活に不安を感じて、先生に苦手なところをたくさん伝えたくなる気持ちは分かります。
しかし「〇〇ができません」「××が苦手です」とできないことばかり言われても
・「この子は大変そうだな…」と不安を感じさせてしまう
・できないところばかりに目が行くようになってしまう
などと、先生の精神的な負担を大きくしてしまうだけです。
そこでやってほしいことが、苦手なことと得意なことをセットで伝えることです。例えば
「行動の切り替えが苦手ですが、好きなことにはとことん集中して取り組みます」
「字を書くことは苦手ですが、絵を書くのは得意です」
と言う感じで、我が子の長所もきちんと伝えてほしいのです。
こうすることで、先生の気持ちも軽くなりますし、学校でもスムーズに対応してもらえやすくなります。
◆おうちでの様子や対応を伝える
2つ目は、おうちでの様子や対応をしっかりと伝えることです。
学校との連携で欠かせないのは「親の協力する姿勢」です。学校での困りごとの対応を全て先生にお任せするのではなく、
・お母さんがしっかり家で対応していること
・学校へお願いしたい対応の範囲を明確にすること
の2つを伝えることが大事です。例えば
「待つことが苦手です。家では『ちゃんと待ててるね』とこまめに褒めることできちんと待てています。学校でも待つ場面があったら一言声をかけていただけますか?」
と言うお願いの仕方をすることで
「このお母さんはおうちでも特性に合わせた対応をしているんだな」
「こうやって対応すればいいんだな」
と先生の協力を得やすくなります。
◆日頃から先生への感謝を忘れない
そして、学校へのお願いで一番大事なことは日頃から先生への感謝を忘れないことです。
先ほどもお伝えしたように、先生は1人で35人学級を回さないといけない上に業務も多く、とても忙しいです。
普段から、連絡帳や電話で
「先生のおかげで登校しぶりもなく通えています。」
「先生に褒められた!と嬉しそうに話してくれました。」
などこまめに感謝を伝えるようにしましょう。
学校へのお願いの仕方の極意とは「とにかくシンプルなこと」。
ポイントは
・苦手と得意はセットで伝える
・おうちでの様子や対応を伝える
・日頃から先生への感謝を忘れない
という3つです。
たくさん書いても先生も「対応しきれない!」となってしまうので、1つの項目につき記入することは多くて3つまでが理想です。

「社会情緒的スキル」コロナ休校前後で比較

「社会情緒的スキル」、コロナ休校前後で子どもたちを比較 京大准教授ら

【京都新聞】2020年7月5日 19:20

子どもの能力のうち将来の学力や友人関係、問題行動との関連性が示され、教育や保育の現場でも注目されている「社会情緒的スキル」。思いやりや自制心といったIQ(知能指数)では測れない能力を指し、集団生活での関わりや家庭環境に影響を受けることが研究で分かっている。新型コロナウイルス感染拡大防止で休校・休園や外出自粛を経験した子どもたちに、同スキルの変化はあったのか。調査した京都大文学研究科の森口佑介准教授(発達心理学)に聞いた。

思いやり行動増える■「影響限定的 注視は必要」

-調査について教えてほしい。
「社会情緒的スキルを調べるためのアンケートを用いて、子どもの姿を、かんしゃくを起こすなどの行動面▽不安が強いなどの情緒面▽じっとしていられないといった多動、不注意面▽友達との関係性を示す仲間関係▽他人に気遣いができるなどの向社会性-の五つの側面から分析した。調査は4~9歳までの子どもを持つ保護者420人に対し、緊急事態宣言が出ていた4月にウェブで行った。私たち研究チームは昨年、同じ内容のアンケートを同じ属性の保護者に実施しており、子どもの変化をパンデミック(世界的大流行)前後である程度比較することができた」

-子どもたちにどのような変化があったのか。
「5つの側面を総合した全体としての結果には、ほとんど差はなかった。コロナ禍を過ごした子どもについては国内外で多くの調査が行われ、精神的な健康に問題が生じたと結論付けているが、それらとは異なる結果が出た。ほとんどの調査チームがパンデミック後のみのアンケートを行っている。子どもの情緒が不安定などという結果が出たとしても、その子が元々問題を抱えていたのかもしれないし、外出自粛などの異常な状況がネガティブな回答を誘発した可能性もある。今回のような状況下では悪い方向に変化すると思いがちだが、私たちの研究結果を見ると、現時点では必ずしもそうではないと考えている」

-側面ごとの変化は。
「向社会性のみで言えば、ほとんどの年齢でパンデミック時の方がスコアが高くなった。親から見ると、子どもは思いやりのある行動をとりがちになったということになる。この点は興味深い。治療困難な感染症が広がると、一般的に自分が所属していない集団(外集団)に対する差別や攻撃、偏見が増え、所属する集団(内集団)をより好むようになることが知られている。外集団は感染症を持っているかもしれないと考えて攻撃し、その結果内集団の結束が強まるという。その心理が子どもたちに働いた可能性がある」

-今後子どもたちに影響が出る可能性はあるのだろうか。
「調査結果から現時点で日本での影響は限定的だと考えている。ただ海外で報告されているように虐待が増加したり、経済状況の悪化で家庭環境が大きく変わったりしていた場合、ダメージは深刻なものになる。今後も注意して子どもたちの様子を調査していかなければならない」

デジタルメディア扱う能力 短期に飛躍的向上

森口准教授らのチームは、社会情緒的スキルの調査と併せて、子どもたちがタブレットなどのデジタルメディアを使いこなす能力の発達についても調べた。能力は短期間で飛躍的に向上していた。

調査は0~9歳までの子どもを持つ保護者700人が対象。画面の表示ボタンを押す「タップ」やファイルを移動して貼り付ける「ドラッグドロップ」などの操作スキルと、写真を見たり撮ったりする機能スキルを調査した。

結果では両スキルとも各年齢で上達が見られ、特に4歳以上では1歳程度高い年齢に相当するスキルを獲得していた。

森口准教授は「外出自粛やオンライン授業などでデジタルメディアに触れる機会が増え、タブレットなどを扱うスキルの発達を促した可能性がある」としている。

もりぐち・ゆうすけ 京都大文学研究科博士課程修了。乳幼児期から児童期における認知機能の発達的変化を研究する。著書に「自分をコントロールする力 非認知スキルの心理学」(講談社)など。

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保護者420人へのアンケート調査を武漢熱前後で行うとはかなり規模の大きな調査と言えます。簡単に言えばほとんど変わらなかったと言う結論です。武漢熱前後で一番はっきりしたのは大人の問題です。同調圧力に弱い大人は、根拠のはっきりしないことでも「みんなが言っているから」と簡単に流れてしまう傾向があります。心ある小児科医たちが何度も子どもにはほとんど影響のない風邪だと言っているのに、休校してでもクレームをかわそうとする事なかれ主義を子どもたちが学ぶことのないようにしたいものです。

熊本豪雨災害

決壊、浸水…豪雨の爪痕深く 橋崩落は14カ所 熊本県南部

2020/7/6 6:00【西日本新聞 熊本版】 和田 剛 郷 達也 壇 知里

熊本県南部を襲った豪雨の被災地では5日、建物や道路の破損など爪痕の大きさが徐々に明らかになってきた。ぐずついた天気が続く中、決壊した堤防の緊急工事や水没した自宅や家具の片付けなど、各地で復旧に向けた動きも出始めた。

県によると公共土木施設の被害は、道路ののり面崩落や路肩決壊など計38カ所▽橋の崩落14カ所▽土砂災害30カ所▽人吉市の公共下水道施設1カ所-など。このほか、八代市坂本庁舎1階が水没した。

道路の寸断などにより5日朝時点で8市町村に孤立集落が確認された。球磨村は78地区1432世帯が孤立するなど被害が大きく、このうち8地区では停電と断水、電話の不通が重なっているという。

肥薩おれんじ鉄道八代-出水間は二十数カ所で被害が確認。くま川鉄道は保有車両5両すべてが浸水し、球磨川第4橋梁が流失した。

医療・福祉施設の浸水被害は、医療施設28カ所▽高齢者施設18カ所▽保育所6カ所▽障害者施設2カ所-など。

芦北町の芦北高校と芦北支援学校、球磨村の渡小学校などの校舎に床上浸水した。小学校7校▽中学校4校▽高校12校▽特別支援学校2校が6~8日(一部は6日のみ)に休校する。

人吉市中神町では、球磨川の堤防が長さ約40メートル、幅約4メートル、高さ約8メートルにわたって決壊。現場では5日、ブロックなどで堤防の形に戻す緊急工事が行われた。国土交通省八代河川国道事務所人吉出張所の中村良一所長(47)は「少しの雨でも水位が上がる。雨が降っているので怖い」と茶色く濁った川面を見つめた。 (和田剛、郷達也)

「ダムによらない治水」極限まで検討したい  蒲島知事

蒲島郁夫知事は5日、県南部の豪雨被害を巡り「球磨川の氾濫を実際に見て大変ショックを受けた。改めて『ダムによらない治水』を極限まで検討したいと確信した」と述べた。人吉市や八代市を視察後、県庁で報道陣の取材に答えた。

蒲島知事は2008年の就任直後、国が五木村に建設を予定していた川辺川ダム計画の白紙撤回を求めて反対を表明。翌年に民主党政権が計画中止を表明した。国と県、流域市町村がダムに代わる治水策を協議しているが、議論はまとまっておらず、建設計画自体の廃止手続きは取られていない。

蒲島知事は「白紙撤回の決断は県民の意向だった」として「この12年間で(ダムに代わる治水策が)できなかったのが非常に悔やまれる」と話した。 (壇知里)

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自然災害で福祉施設が受けるダメージは大きなものです。特に利用者が即座に移動できない入所型施設や児童施設の災害リスクは大きいです。災害危険地域に福祉施設などを作ってはいけないという法律が施行したのはごく最近です。そして、法律施行前に作られた施設はそのままです。

ハザードマップの危険地域には少なくない福祉施設があります。福祉施設は民間経営ですから、土地価格の安価な場所に作らないと経営が成り立ちません。安価な場所は、危険地域が多いのです。

蒲島知事の(川辺川ダム建設の)「白紙撤回の決断は県民の意向だった」という発言が開き直りだという批判は多いですが、ダムができれば減災ができるかどうかは別問題だと思います。想定外の自然災害が起きればダムも堤防も防波堤も役には立たないということを、私たちは平成時代に経験してきたからです。そして、最も弱い子どもと障害者と老人にこの課題は顕在化します。

老人や障害者や子どもが利用する施設は、優先して安全地域へ施設ごと誘導する政策が必要ではないかと思います。すぐさま命を守る行動を起こすような地域ではなく、弱い人が利用する施設は避難しなくてもよい地域に移設していくのが、人口減を迎える日本の優先課題だと思います。

 

デジタル対応、世界に20年遅れ

揺らぐ「学びの保障」 デジタル対応、世界に20年遅れ
教育改革 危機が促す

【日経電子版】 (2020/7/7 5:27更新)

新型コロナウイルスの感染拡大が教育を揺るがしている。全国休校がもたらした学習格差、画一的な教育制度、再考を迫られる大学のグローバル展開――。教育の新たな形を示せるかがコロナ時代の国家の競争力をも左右する。

 「自宅にいる人も見えていますか」。東京都立白鴎高校(台東区)の教員が教室内の生徒20人とパソコン画面に映る生徒20人に呼びかけた。同校は6月の分散登校期間、対面とオンライン(遠隔)の併用授業を行った。

休校中の4月に教員数人が始めた遠隔指導は全教員約70人が動画の配信をできるまでになった。生徒は宿題も遠隔で出した。田中幸徳副校長は「オンラインと対面を融合し、教育の質を高めたい」と意気込む。

デジタル技術を変革に生かすデジタルトランスフォーメーション(DX)の波が学校にも押し寄せてきた。休校中に地域間などで学習機会の格差が生じ、どんな時も学びを止めない「学びの保障」が揺らいだとの悔いが現場を突き動かす。

各国は先を行く。「最も遅れていることを改めて自覚した」。3月23日の国連教育科学文化機関(ユネスコ)での教育担当の閣僚級会合。フランスやイタリアなどの発言を聞いた萩生田光一文部科学相は絶句した。参加11カ国で日本以外の全てが休校中にオンラインで指導をしていたからだ。

上智大の相沢真一准教授(教育社会学)によると「日本の学校のデジタル対応は世界から20年近く遅れている」。2000年代前半は日本の学校のコンピューター整備状況は各国と大差がなかった。しかし09年には授業中のデジタル機器の利用状況が経済協力開発機構(OECD)加盟国で最低水準となり、18年も同様だった。「日本の学校は情報機器を遊び道具とみて遠ざけたが、世界は鉛筆やノートと同じ文房具にした」

3月下旬から原則休校になったオーストラリア。広大な国土で教育格差が生じないよう10年以上前から政府などが遠隔学習に力を入れ、子ども1人に1台の情報端末を配備してきた。休校中もホームルームから授業までオンラインが広く活用された。

日本にも好例はある。3月の休校後すぐ遠隔授業を始め、4月には全小中学校に広げた熊本市だ。16年の熊本地震での休校の経験を糧に、18年度からNTTドコモなどと組み、タブレット端末の配備に力を入れてきたことが奏功した。

デジタル技術に対応した人材を育てるためにも学校教育のDXは避けて通れない。18年の国際学力調査で読解力と科学的リテラシーが世界トップ級になった欧州のエストニアは、情報技術(IT)立国を掲げて約20年前から全学校の教室にパソコンとネット環境を整備。教材も電子化する。学習履歴を基に単位を与えて飛び級を認め、優れた才能を発掘する制度も整えた。

日本もコロナ禍を受けて1人1台の端末を今年度中に配備する目標は立てた。しかし登校を再開した途端にオンライン指導をやめ、対面授業に戻る学校も相次ぐ。非常時も学びを止めず、新たな時代を生き抜く人材を育てようとする強い意志はそこにない。問われているのは危機感と覚悟だ。

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放デイも、PCやタブレット端末を子どもの余暇支援にしか使えていません。子どもたちの学びのためにシステムを導入するとなると、大手のICT教育の会社と連携するしかありませんが、使い方はそれぞれの運営に任されているのですから、明確な戦略をもって取り組むべきだと思います。新しいものを導入するとき、あれこれ批判することは簡単ですが、成果を出すには地道な努力が求められます。努力もせず、先生が使えないだの予算がないだのとICT導入の困難ばかりを言い訳にしてきたトップは、スマホが使えない大人が少なくありません。それが結局、先進国の中で日本が取り残された原因のようにも思えます。

ただ、ICT機器を利用する大人のデジタル機器への親和性は大事ですが、今や一人が一台スマホを持ち、毎日スマホを使っています。ICT教育を進めるにあたって、これ以上に大人に必要な経験はあまりないと言えます。経営者や責任者のICTへの投資の決断一つでICT教育は進むはずです。

授業についていけない僕を救った落語

識字障害で授業についていけない僕を救った落語
柳家花緑 2020.06.28【幻冬舎PLUS】

自身の経験を軽妙につづった花緑さんの新刊『僕が手にいれた発達障害という止まり木』より、一部を公開します。

*   *   *

「読めない」「書けない」から、授業についていけない
僕の本名は小林九(こばやしきゅう)といいます。小学校時代のあだなは、「バカな小林くん」。いやぁ、子どもって残酷(ざんこく)ですね。まくら言葉のように、僕の名前の上に「バカな」がつくんですから。

なぜ「バカな小林くん」なのかというと、教科書が読めないから。一文字一文字追うので、ものすごく時間がかかるし、意味もつかめない。

一番つらかったのは、授業中に「小林くん、何ページの何行目から読みなさい」と、立って読まされるときです。つっかえつっかえなんとか読むのですが、緊張するとますます読めない。すると、クラスのみんなが笑うんです。

教科書が読めないと、すべての教科についていけなくなります。言葉の認識が苦手なので、思考力も育ちません。1年生でついていけないということは、2年生になると完全に落ちこぼれです。

担任の先生からは、しょっちゅう怒られていました。というのも、授業がさっぱりわからないので、ついしゃべったり、よそごとをしてしまうんですね。だから先生からしてみたら、授業を妨害(ぼうがい)する問題児です。

自分なりに、必死でついていこうとはしていたんですよ。でも、どうしてもついていけない。すると、自分でも「自分はバカなんだなぁ」と思ってしまいます。

言い換えると、自分で自分のことを、あきらめてしまうんですね。だから、「バカな小林くん」と言われても、なにも言い返せません。

宿題も、ほとんどやったことがありません。どうせわからないし、やる気も起きません。でも、「やらなきゃいけないことを、やっていない」という負い目みたいなものは、子どもながらに感じていたと思います。だから、なんかもやもやしてしまう。

そうそう、こんなこともありました。祖父の五代目柳家小さんには、大勢の弟子がいました。そのなかの一人が、柳家小三太(こさんた)師匠という先輩。当時は前座で、「小たか」と名乗っていました。で、僕が宿題をしないのを見かねてか、ある日、宿題の算数のドリルを一緒にやってくれたんです。

翌日、今日は珍しく宿題を提出できると意気揚々(いきようよう)。宿題が先生から戻ってくると……なんと答えが全部×、間違っていました(笑)。

でも、「バカな小林くん」と呼ばれても、学校には毎日行っていました。なんでかなぁ。たぶん、友だちと遊びたかったからでしょう。というより、しゃべりたかったから。それくらい、しゃべるのが大好きな子どもでした。

あっ、あと、「好きな女の子に会いたい」という気持ちも大きかったですね。小林くん、なかなかノーテンキです。

落語のおかげ
小学校5年生の通知表の所見欄には「気が散って学習に身が入りません」と書いてあります。でもその後、「心をおちつけて、絵を描くときのように、根気よく復習しましょう」と続きます。

というのも、勉強はできないけれど、図工はすごく得意だったんです。絵を描いたり工作をするのは、遊びの感覚。熱中し出すと、それこそ我を忘れてとことん熱中するので、絵を描いているときはすご~く静かです。

中学に入ると、音楽と美術はたいてい5段階の5。数学や社会、英語が1なので、そのコントラストといったら! 好きな科目のときは、ウキウキしましたね。それに助けられていた面もあります。

僕の場合、相当な落ちこぼれだったので、いじめにあっても不思議ではありません。実際、今思えば彼も発達障害だったんだろうなと思えるクラスメイトは、いじめられていました。

僕がいじめられなかったのは、落語のおかげです。9歳から落語を始め、祖父の高座に初めて出たとき、その様子がテレビで放映されたんです。すると、信じられないようなことが起きました。なんと、バレンタインデーにチョコレートをもらったんです。それも、5人から! ちなみに兄はカッコいいので、いつも山のようにチョコレートをもらっていましたが。

まぁ、当時はテレビに出たというだけで、ちょっと一目おかれた。だから、いじめられなかったのでしょう。本当に、落語には助けられました。

母は、いずれ僕を落語家にしようと心に決めていたようで、小学校2年のころから日本舞踊や三味線などの習い事をさせられました。それは、自分としては楽しかったんです。踊りや音楽はけっこう得意だし、好きだから熱中するんですね。

これは余談ですが……。

母は直感で、兄にはクラシックバレエを習わせようと思ったようです。確か当時兄は、10歳くらい。もう、恥ずかしいと思う年齢ですから、タイツなんて穿(は)いて踊るのはイヤだとゴネました。すると母は、兄にこう言いました。

「九にもやらせるから」

「それなら習いに行ってもいい」

そんなわけで、兄と一緒にバレエを習いに行くことになりました。

ところが通い始める直前に、兄が階段から落ちて腕を骨折してしまいます。しかたなく、僕だけ小林紀子バレエ団に通うように。兄の小林十市(じゅういち)は後にプロのバレエダンサーになりますが、そんなわけで実は僕、バレエに関しては兄の先輩です(笑)。

いよいよ修行開始
正式に落語の修行を始めたのは9歳のとき。最初に教えてもらったのは、『から抜け』という、与太郎(よたろう)が出てくる噺です。

与太郎とは、落語によく出てくるキャラクターで、ちょっとマヌケで、失敗が多い。人から言われたことを、一度では理解できません。でも、あいきょうがあって、人からあまりきらわれない――とまぁ、子ども時代の僕みたいなキャラクターです。

『から抜け』は、小噺(こばなし)がいくつかあるような感じで、全体で7分くらい。与太郎だけではなく、近所のおばさんや、兄弟、父親も出てくるので、キャラクターを演じわけるように、と教わった記憶があります。教えてくれたのは、叔父である、今の六代目柳家小さん。当時は柳家三語楼(さんごろう)といいました。

落語は、「口伝(くでん)」というやり方で師匠から教わります。口伝とは文字通り、「口で伝える」。つまり、師匠がしゃべるのを聞いて、覚えるわけです。

その昔、録音機器がなかった時代は、まさに師匠の一言一句を記憶するしかなかったのでしょう。僕が修行を始めたころは、カセットテープに録(と)らせてもらって、それを何度も繰り返して聞いて、マネしてしゃべっていたんだと思います。

2席目は『桃太郎』という親子の話。その後、祖父に『芋俵(いもだわら)』という泥棒の話を習いました。そのときに初めて、間(ま)というものを教わりました。祖父の口マネをしながら、「そうだ、もっとそこはゆっくりだ」といった感じで教えてもらい、繰り返し稽古をした覚えがあります。

中学に入ると、カセットを聞いてノートに書きとるようになりました。残念ながら、当時のメモは残っていません。たぶん、先輩の誰かからノートに書いたらいいと言われたのでしょう。中学校を卒業するころには、11席くらい、やれるネタがありました。

*   *   *

この続きは『僕が手にいれた発達障害という止まり木』(幻冬舎)で! 全国の書店で好評発売中です。

6歳までの適切な療育の効果

発達障害の子どもの可能性を奪う…日本の「療育施設」の現状
大坪 信之2020.7.4【幻冬舎ゴールドオンライン】

※当記事は、2018年12月4日刊行の書籍『「発達障害」という個性 AI時代に輝く――突出した才能をもつ子どもたち』から抜粋したものです。

発達障害の子どもの約4割は、療育を受けられていない
発達障害と上手につき合っていくためには、「療育」を受けるという方法があります。療育とは、治療と教育の両方を併せ持つもので、社会に出ても困らないようにするためのトレーニングです。ところが、発達障害と診断される子どもが増えるにしたがって、療育を受けられる場が足りなくなっています。

文部科学省の調査によると、発達障害とされる子どもが推計で約60万人いるとされていますが、そのうち4割弱は特別な支援を受けていません。本来、発達障害の子どもは、療育を受けることで、社会に出て活躍できる足がかりをつくることができます。にもかかわらず、多くの子どもたちが療育を受けられずにいるというのは、本人にとっても社会にとっても大きな痛手です。

それぞれの自治体には、障害のある子どもに対して、それぞれに合った治療・教育を行う場として療育センターが設けられています。療育センターには、通所支援の場として、6歳までの未就学児に発達支援を行う児童発達支援事業所・児童発達支援センター、医療型児童発達支援を行う医療型児童発達支援センター、6~18歳(場合によって20歳)が通う放課後等デイサービス、保育所等訪問支援があります。

療育センターで療育を受けようと思ったら、まずは市区町村の窓口に相談に行く必要があります。窓口には相談員がいて、必要に応じて療育センターに申し込みをすることになります。ところが、6歳以下の子どもが実際に療育センターで療育を受けるためには、3年待ちが当たり前というのが現状です。発達障害の子どもの数は増えているのに、療育センターの定員はほとんど変化がありません。療育を受けたい子ども数が増えているのに、受け皿は増えていないのです。

「6歳までの適切な療育」が子どもの生きづらさを軽減
子どもの脳は、6歳までに急激に発達していきます。6歳までに適切な療育を受けることができれば、発達障害の子どもの生きづらさは、かなりの部分が解消します。しかし、現状では、たとえば3歳児健診で発達障害だといわれたとして、すぐに療育センターに申し込んでも3年待ちが当たり前です。つまり、6歳までに療育を受けることができないのです。

ハーバード大学をはじめとして様々な研究で、6歳までに効果的な療育を受けられれば、IQを上げることができるとしています。これを受けて、日本の療育の現場でも、就学までの教育の場にしようということでつくられたのが、「児童発達支援事業所」でした。

それまで療育の場となっていたのは、「児童デイサービス」と呼ばれるものでした。児童デイサービスは、就学・未就学を問わず、通所の療育施設として設けられていました。それが、2012年に「障害者自立支援事業法」と「児童福祉法」が改正され、未就学児を対象とした教育の場である「児童発達支援事業所」と、就学児を対象とした預かりの場である「放課後等デイサービス」に分けられたのです。

とはいえ、もともとは就学・未就学問わず預かり保育の場であった「児童デイサービス」が、午前中は「児童発達支援事業所」、午後からは「放課後等デイサービス」となっただけというケースが多くあります。教育のノウハウを持っていないために、相変わらず預かるだけの場となっていることもあります。

放課後等デイサービスについては、2012年の法改正によって、株式会社も参入できるようになりました。国の目標としては中学校区に1施設で、全国で9700施設ですが、すでに10000施設を超えています。これほど増えたのは、放課後等デイサービスに関しては、場所を確保して、人手があればつくれるからです。

一方、「児童発達支援事業所」がなかなか増えないのは、専門性が必要だからです。幼児教育に専門性がある事業体となると、幼児教室の運営会社くらいでしょう。参入できる事業体の数が少ないのがボトルネックとなっています。就学までに適切な療育を受ければ、IQが上がるのですから、本当は未就学児を対象とする児童発達支援事業所の方が必要なはずなのに、こういった理由からなかなか増えていないのです。

軽度の発達障害であれば、療育の開始が遅れることも…
また、発達障害の判定ができる小児科の医師が少ないことも問題です。診断を担当する医師が発達障害に詳しくない場合、「もう少し様子を見ましょう」などといわれて、診断が先送りになれば、余計に療育の開始が遅れます。療育センターでは重度の子どもが優先されますので、軽度と見なされた子どもは、より不利になります。一般に「グレーゾーン」といわれるような子どもに至っては、療育センターに通う機会すら得られないのが現状なのです。

療育を受けられる施設は、各自治体の療育センターだけではありません。ほかの選択肢はどうなのでしょう。その一つに、病院で療育を受けるという選択肢があります。しかし、療育を行っている病院で初診の予約をとろうとしても、10か月から1年待ちは当たり前という状況です。当然、療育の開始までにはそれ以上の時間がかかることになります。

では、民間の療育機関はどうでしょう。民間の施設については、預かることがメインの「預かり型」が多く、療育を受けられる「教育型」の施設が少ないのが課題です。比率としては、預かることがメインの事業所が9割近いというのが現状です。もちろん、「預かり型」のニーズがあるのも事実です。発達障害の子どもを育てているお母さんの苦労は計り知れません。子育ては、ただでさえ大変ですが、たとえば多動傾向のある子どもを一日中追いかけているお母さんは、心身ともに疲れ切っていることも多くあります。そういうお母さんに、ひとときでも休んでもらうためには、預かり型が果たす役割は大きいといえるでしょう。

しかし、子どもの将来を長い目で見たとき、社会の中で能力を発揮していくためには、幼児期に適切な療育を受けることが大切です。教育型の施設が足りず、しかるべき時期に適切な療育が受けられないというのは、その子の将来にわたる大きな損失なのです。

療育が受けられる施設の数が足りないのと同時に問題なのが、療育の質です。自治体の療育センターの現場では、先生が自作の教材を使って、それぞれのやり方で療育を行っています。そのため、療育のノウハウが蓄積されにくいという現状があります。・・・・(後略)

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NPOホップすてーしょんも、この著書と同じような危機感を就学前の発達障害療育に対して持っています。公立の療育センターでも施設によって療育者によって療育方法が異なるし、民間の児童発達支援事業でも経営方針によって様々な療育が行われていますが、セオリー通りの療育からエビデンスがはっきりしないものまで様々です。就学前の児童発達支援も昨日掲載した高学年以降の発達障害支援と併せて新しい事業所の内容として計画中です。発表はもうしばらくお待ちください。

 

学習から就労を一貫支援

発達障害児ら向け 学習から就労を一貫支援 福井・坂井の企業

福井新聞 2020年6月19日(金)

発達障害などで困っている子どもの学習と就労を一貫して支援する県内初形態の事業「WALLESS(ウォレス)」を、福井県坂井市の企業が立ち上げた。学び方や人との接し方を個別指導する放課後等デイサービスを福井市内に開設。障害者雇用の企業コンサルティングを併せて手掛け、利用者とのマッチングを図る。「誰もが個性を生かして働ける社会をつくっていきたい」としている。

 事業名は「WALL(壁)」と「LESS(減らす)」に由来する。運営会社を設立したのは、これまで人材育成事業を展開してきた山内喜代美代表取締役(福井市)。「障害があったり、困っていたりする子どもにとっての、社会の目に見えない壁を少しでもなくしたい」と思いを込める。

 放課後等デイサービス「ウォレスアカデミー」を4月、福井市大手3丁目のビル内に開設した。預かり目的がメインで集団行動を学ぶ一般的な施設と異なり、中高生を含む6~18歳の子どもに個室でマンツーマン指導をするのが特徴。塾のようにして、週1、2回の頻度で50分ずつの利用予約を受け付ける。

 学習障害(LD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)などの子どもたちが対象。保育士や教員の資格を持つ講師が、読み書きや計算、社会でのマナーなどを教える。新型コロナウイルスの影響が落ち着いて利用は増え、現在は小中高生26人が通っている。

 「ウォレスワーク」と銘打った企業向けの取り組みでは、県内の特別支援学校で就労支援の経験を積んだ専門スタッフが、職場での障害のある人への接し方や特性の生かし方を助言。アカデミー利用者の適性に照らした雇用のマッチングを目指す。来年には就労トレーニング「ウォレスジョブトレ」も始める予定。

 アカデミーに通う注意欠陥多動性障害(ADHD)の小学3年男児の母親は「文字に苦手意識がある息子にあった教え方をしてくれている」と目を細める。管理者で社会福祉士の永田弘幸さんは「障害や症状だけで区分せず、オーダーメードの対応をしていきたい」と意気込んでいる。

 山内代表取締役は「子どもが対人関係などで困っていても、学習に問題がなければ対処されないままで、社会に出てからつらい思いをして、ひきこもりになるケースがある。早い段階から子どもたちに向き合って、将来のためのサポートをすることが必要」と話している。

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NPOホップすてーしょんも同じようなコンセプトで新事業所を計画中です。小学校高学年から中学生までの発達障害を起因とする学びの課題に取り組むことは極めて重要な課題だと感じています。もちろん、その学びの課題の背景には学習上の困難だけでなく、対人関係の困難や行動上の困難があることも少なくありません。また、進路という視点から考えると、就労にソフトランディングすることが困難なケースが多いです。学校を卒業してから、成人してから、取り組むのではなく、早い時期から自分の特性を知り、支援を受けることで自分らしさを発揮できるのだと考えられるように取り組むことが重要だと考えています。

問題行動への対処法=分化強化

問題行動への対処法=分化強化(DRO/DRA/DRI/NCR)

子どもの問題行動に対処する場合、①問題行動の原因(強化子)を理解する ②そのための対応方法の1つに消去(計画的無視)がありますが、それだけではうまくいきません。というのも、消去という手段だけでは現実問題は対処しきれないからです。子どもの問題行動に『強化子を与えない』という手続きが『消去』です。これに対し、『分化強化』は次の様に定義されています。「分化強化は、望ましい標的行動を増やし、望ましくない行動を減らすために、強化(第4章)と消去(第5章)の原理を応用したものである。」もう少し噛み砕いていうならば、問題行動と適切な行動を分けて考え、問題行動を消去し、適切な行動を強化します。だから、分化強化と呼ばれるわけです。

分化強化は先ほど述べた通りですが、実はこの分化強化には①DRO(他行動分化強化)②DRA(他行動分化強化)③DRI(他行動分化強化)といった3つの種類があります。

他行動分化強化/DRO
DROとは、Differential Reinforcement of Other Behaviorの略で、問題行動以外の適切な行動を強化することによって、間接的に問題行動を減らす手法です。DROの特徴は「問題行動以外のあやゆる適切な行動」が標的となる点にあります。つまり、強化すべき行動が複数あるわけです。
発達障害児に限ったことではないが、子どもと接する場合、100%問題行動(社会的に望ましくない・やめて欲しい行動)に直面する。例えば
①泣き喚く=注目
②兄弟をいじめる=自己刺激
などが考えられます。
しかし、このような行動に1つ1つ対処するのは結構な労力が必要なわけです。そこで、問題行動には消去手続きで対処し、それ以外の場面の適切な行動を褒めてあげます。具体的には、
①泣きわめいてない時のことを褒める(ご飯を食べる、早く寝るなどこちらの指示に従えた時)
②兄弟をいじめてない時を褒める(大人しくおもちゃで遊んでる時)
これがDRO(他行動分化強化)です。

代替行動分化強化/DRA
DRAは、Differential Reinforcement of Alternative behaviorの略で、問題行動の代わりとなりうる行動を選択し、それをピンポイントで強化する手法です。”ピンポイント”というのがミソで、これに対し、先ほど説明したDRAは『問題行動以外の全ての行動』を強化することにありました。例えば、会社や学校で嫌なことがあった人が、枕を顔に押し付けて「バカヤロー」とか叫んでストレス発散してる場面、これ、DRAです。枕なしで叫んだら、迷惑(問題行動)になるので、それと似た機能を果たす、より適切な行動(代替行動)を強化しています。似た行動ですから、カラオケとかもありです。これを幼児に置き換えると、自分の欲しいものが手に入らず、泣き喚いたり、人を叩いたたりすることがあります。そういう時は、『ちょうだい』とか『貸して』などのような要求言語やサインなどを代替行動として強化すると良いです。『泣き喚くから物をあげる』というのは最悪の選択です。子どもは要求が通るとわかればその行動を続けてしまいます。

対立行動分化強化/DRI
DRIは、Differential Reinforcement of Incompatible behaviorの略で、Incompatibleは、両立できないという意味です。問題行動に代わる適切な行動の中で、とくに問題行動と物理的に両立できない行動を強化する手続きになります。例えば、親指をしゃぶる子どもには、手が空いてるから親指をしゃぶってしまうと考えます。そこで、両手を使わないとできない作業、お絵かき、塗り絵、ゲームなどその子が好きなもの、あるいは、新たな楽しい遊びなどを開発することで親指しゃぶりの頻度を減らすよう働きかけます。標的行動が「指舐め」ということであればこういうのを使うのも一つの手です。

非条件強化/NCR
NCR(Non Contingent Reinforcement)も分化強化の1種らしいです。問題行動の機能となっている強化の効力をなくすことでその行動頻度を減らそうとする働きかけです。紙を破ることが不適切行動になっている人に、ずっと紙を破らせ続けるのです。要は、「飽きさせる」のです。これで上手くいくのかなとは思いますがNCRも選択肢の中には入れておきます。
このようにして、応用行動分析では子どもの行動を変容させるときに分化強化と言う手法を使います。

過剰な対策はすべきではない理由

小学校でのクラスター発生 それでも過剰な対策はすべきではない理由
忽那賢志 | 感染症専門医 6/20(土) 10:17【Yahoo NEWS】

3月からほとんどの小学校・中学校・高校が新型コロナ対策として臨時休校となっていましたが、緊急事態宣言の解除を受け、各地域で学校再開が始まっています。そんなさなか、小学校でのクラスター発生の報道がありました。
北九州 集団感染の小学校 授業中や登下校時などに感染か
また、これまでにも小学校でのクラスター発生は報告されていました。
富山市の小学校でクラスターか 教室で感染可能性
我々はこの小学校でのクラスター発生事例を受けてどのように対応すればよいのでしょうか?果たして小学校での感染対策はより強化されるべきなのでしょうか?先日、私は長女の中学校の入学式に参加しましたが、すでに「新しい生活様式における入学式」が導入されていました。

生徒や保護者の椅子は適度な距離が取られ、出席者の数も制限されていました。体育館の窓は全開に開けられ換気が行われており(雨がガンガン入ってきてましたけど)、もちろん全員がマスク着用です。式典のプログラムに「国歌斉唱」がありましたが、副校長先生より「声に出さず心のなかで歌ってください」と参加者へのアナウンスがあり、心のなかで国歌を歌い、ちょっとサッカー日本代表になった気分がしました。このように、すでに学校は文部科学省から出された「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~『学校の新しい生活様式』~」という長いタイトルのマニュアルに基づいた感染対策を行っています。

うちの子どもたちも健康観察カードが配布されて毎日検温してから登校しています。しかし、仮にこれに100%準拠したとしてもリスクはゼロにはならないでしょうし、緊急事態宣言が解除された今ではゼロリスクを学校に求めること自体が無茶というものです。ましてや対象は子どもです。マニュアルを完璧に遵守することは難しいでしょう。個人的には今回のクラスター発生によって世論が「もっと学校での感染対策を徹底しろ」という流れになることを危惧しています。

学校での感染対策を過剰に行うべきではない理由を以下に述べます。小児の感染例は国内でも、世界的にも少ない
日本では20歳未満の感染者は他の年齢層と比較して極端に少なく、国内全体のわずか4%です。確かに日本は少子高齢化が進んでいますので、そもそも子どもが少ないわけですが、それを差し引いても少ない感染者数です。

日本だけでなく、海外でも小児例は成人例よりも報告が少なく、例えば中国でも人口分布と比較しても明らかに小児の発生が少ないことが分かっています。ではなぜ小児ではこのように感染者が少ないのでしょうか。
小児の新型コロナウイルス感染症では、
・感染しても症状が出る割合が低い
・感染する割合が成人と比べて低い
・重症化する頻度が低い
ことが分かってきました。

新型コロナウイルス感染症では、感染したとしても症状が出ない"無症候性感染者"がいることが分かっています。どういう人が感染したら症状が出て、どういう人なら感染しても無症状なのか、という条件についてはまだよく分かっていませんが、小児ではこの無症候性感染者の割合が多くなるようです。

世界各国の感染者の状況の調査によって、70代以上の感染者のうち69%が有症状者になる(31%が無症状)のに対し、10代の感染者では約21%の人が有症状者になる(79%が無症状)であると報告されています。

年齢が低いほど感受性が低く、年齢が高くなるに従って感染しやすくなります。60歳くらいからはプラトーに達します。なぜ年齢によって感受性の違いが生まれるのかについては、まだ結論は出ていませんが、新型コロナウイルスが細胞内に侵入する際に結合するACE2受容体をコードする遺伝子であるACE2遺伝子の発現量が小児では少ないことが可能性の一つとして挙げられています。

さらに小児では新型コロナに感染しても重症化することは稀です。海外では新型コロナに関連した川崎病の様な病態(Multisystem inflammatory syndrome in children (MIS-C))が報告されており、警戒すべきではありますが、国内ではまだこのMIS-Cの報告はありません。

このように、小児では基本的にはそもそも感染者が少なく、有症状者や重症化も少ないため、ゼロリスクを求めるような学校での過剰な感染対策は避けるべきです。例えば学校閉鎖のような極端な対策も、保護者への負担が生じる一方で、流行全体に与える影響はごくわずかであることが分かってきています。今後もこのような学校でのクラスターは発生する可能性はありますが、国内全体を見渡せば流行のごく一部に過ぎません。流行を広げているのは小児ではなく我々成人です。流行の規模からすると、より注力すべきは今だと夜の街や病院でのクラスター対策でしょう。

日本小児科学会は緊急事態宣言が解除された翌日の5月26日に「新型コロナウイルス感染症に対する保育所・幼稚園・学校再開後の留意点について」という声明を発表しています。・学校での感染症対策を徹底したとしても新型コロナウイルス感染のリスクをゼロにすることは不可能です。地域の小児科や感染管理に関する医師と綿密な連携体制を構築し、刻々と変化する状況に対して適切な判断を行う必要があります。・子どもの教育、福祉、健康の源である保育所・幼稚園・学校生活は、子どもにとって最も基本的かつ大切な活動です。休所・休園・休校の問題点としては、子どもの教育の遅れ、生活習慣の乱れ、運動不足、それによる体重増加、栄養の偏り、食環境の変化、家庭内での虐待の増加、保育所・幼稚園・学校での福祉活動の低下、保護者の就労困難・失業、祖父母などの高齢者との接触機会の増加などがあげられます。

出典:新型コロナウイルス感染症に対する保育所・幼稚園・学校再開後の留意点について(日本小児科学会)
休校が子どもや保護者、社会に及ぼす影響は非常に大きいものであり、できるだけこうした処置を取らないようにコロナを意識した新しい学校での生活様式を送りながら、もしクラスターが発生してしまった場合は早期に検知し専門家の介入によって拡大を防ぐ、という対応が現実的ではないかと思います。

そして、学校でのクラスター発生のもとを辿れば成人での流行に行き着きます。我々大人が流行を広げないことが子どもたちを守ることにも繋がるのです。

 

小1のギャップを乗り越えた!

災い転じて? コロナ禍の後押しで、小1のギャップを乗り越えた!

2020年6月29日【読売】

「どちらでもいい」と言われても
我が家の一人息子で発達障害のたー君は、新しい環境が苦手です。児童精神科の先生によると、「見た目は楽しそうにしていても、新しい環境で感じる違和感などを人に伝えることが困難で、本人の自覚なくストレスをため、身体に不調を来すことがある」のだとか。そういえば、3歳でこども園に入ったばかりの頃は、たびたび原因不明の高熱を出し、1日寝込むと熱が引く、といったことがありました。

そんなたー君も、この春から新1年生。少しでも楽しい小学校生活を送ってもらうため、私と夫のヒロさんは1年近く前から、入学に向けて準備をしていたのです。

私たちの住む街では、配慮や支援が必要な子どもは、小学校へ入学する前年に、教育委員会が管轄するセンターで発達検査と専門家による就学相談を行います。

そこでのたー君の発達検査の結果は、身体能力や情緒面に発達障害の特性が見られるも、IQ(知能指数)の数値は境界域(明らかな知的障害があるとは言えない)。相談員からは「現状では、(通常学級、特別支援学級)どちらでもいいかと」と、言われてしまいました。

最後は本人が選んだ
これ、どうやら「発達障害あるある」らしく……。障害が比較的軽い子どもの場合は特に、どちらの学級が向いているのか判断する決め手がなく、選択を任された親は迷いに迷うのです。

私も、内心「こちらは初めての子育てで、どうしたらいいかわからないから相談に来たのにぃ~」と困惑。心の声が伝わったのか、相談員に「入学先の校長先生にも相談してみては」と勧められました。夫のヒロさんと一緒に行ってみたものの、ここでも「相談にはいくらでも乗りますが、最終的には親御さんが決めてください」と、やはり最後は親が決めるのです。

それからしばらくは、ヒロさんと「大勢でワイワイすることが好きなたー君は、通常学級かも」「いやいや、手厚いサポートがある特別支援学級の方がたー君は過ごしやすいんじゃないか」など、深夜まで話し合う日々が続きました。いくら話し合いを重ねても結論が出ず、最終的には、「みんなと一緒に勉強したい」というたー君の意見を尊重して、「通常学級」に進むことを決めたのです。

たー君の「取説」を作ってみた

たー君の入学準備だけでも、なかなかの大仕事だというのに、同時並行で、体調を崩した母さんの介護や、認知症の父さんの特別養護老人ホーム探しも進めねばなりません。それがトリプルケアの宿命だとしても、かなりハードな日々だったのです。

そんな中でも、たー君のことを語り合える仲間ができたのは、大きな救いでした。小学生の放課後デイサービス(障害がある子どもが、運動や音楽、図工など、それぞれの特性に応じたプログラムを受けられる施設)に、年明けから「お試し期間」として週に1回通うようになり、そこで知り合った先輩ママさんから「通常学級を選択したなら、『たー君の取扱説明書』的なものを作って、『この点はサポートしてほしい』というのを具体的に書いて担任の先生に渡すといいよ」とのアドバイスが。「先生も忙しいから、うちはA4用紙1枚にまとめて渡したら喜ばれたよ」と、ちょっとしたポイントまで教えてもらいました。

私も物書きの端くれ、簡にして要を得た、我が子の「取説とりせつ」を作成すべく、腕まくりでパソコンに向かいました。

・耳から入る情報処理には時間がかかるため、指示の理解に苦しんでいたら、黒板にその内容を文字で書いていただけると助かります。
・一度、頭に入った情報に変更があるとパニックになることがあります。そのときは「『これ』と『これ』の順番が逆」など、紙に書いていただければパニックになりづらいです。
 ――という感じで、たー君の特性と、さまざまな場面での対処法やサポートしてほしいことをA4用紙1枚に収め、担任の先生に渡したのです。すると、「うまくいかないときの対応まで……これは助かります!」と、先輩ママさんが言う通り、先生のウケは抜群でした。

こうして万全の準備で学校生活に入るはずだったのですが……新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月は入学式とその翌日に登校しただけで、休校になってしまったのでした。

宿題の山も自分のペースでこなす
担任の先生が自宅まで持ってきてくれた(なんと、全児童の家庭を1軒ずつ回ったそうです!)宿題は、まだ一度も授業をやっていないにもかかわらず、算数のドリル、国語のプリント、種まきから始める朝顔の観察日記など、親も驚くほどの量。こ、これを私たちが、一からたー君に教えるのでしょうか……。

気を取り直して、まずはたー君と一緒に机の前に座るところから始めました。最初のうちは、集中力が切れたら机から離れて気分転換をしてもOKという、自宅学習ならではの超マイペースな進め方です。

たー君は元々、ルールができるとそれに従いやすいという特性があります。「毎日机に向かう」ということを、無理のない形でルール化できたことで、集中力も徐々に伸びていきました。

6月からやっと登校できるようになったものの、3密を避けるため1クラスを半分にし、十数人ずつ午前と午後に分かれて、1日3時間の授業を受ける分散・短縮体制でスタート。緊急事態宣言が解除されても、日常が戻ってくるのはまだまだ先だと、ため息が出ました。

ところが、このスタイルがたー君にとっては、緩やかに新しい環境に慣れる機会となったようです。こども園の頃のように高熱を出すこともなく、「学校、楽しいね」と、毎日笑顔で登校しています(それでも疲れ果てて、週末はずっと寝ていたけど……)。

親としては、新入学の出ばなをコロナ禍でくじかれた感がありましたが、意外や意外! 発達障害のたー君にとっては、初めての学校生活になじむのに、ちょうどいい助走期間になったのです。(岡崎杏里 ライター)

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この地域の学校でも、三密を避けるため授業人数が少なくなったり、休憩時間もお互いの接近を避けるように配慮しているので、対人関係に課題のある子どもにはありがたいようです。要するに今の都会の学校は密度が高すぎる故に様々な制度疲労が生じているという事でしょうか。もっとのんびりいこうぜというメッセージが浮かび上がります。

 

 

落語家の僕が「発達障害」を語る理由  柳家花緑

落語家の僕が「発達障害」を語る理由

柳家花緑 2020.06.13 【幻冬舎Plus】

スピード感あふれる歯切れのよい語り口で、本業のほかテレビや舞台でも活躍中の落語家・柳家花緑さん。2017年、花緑さんは発達障害のひとつ「識字障害」(ディスレクシア)であることを公表しました。
子ども時代から、できないことや苦手なことは自分の努力不足だと思い込んでいた花緑さん。40歳を過ぎて自分が発達障害だと知り、「飛びっぱなしによる疲労でときどき空から落ちていた鳥が、やっと止まり木を得た感覚。本当にラクになりました」と語ります。
自身の経験を軽妙につづった花緑さんの新刊『僕が手にいれた発達障害という止まり木』より、一部を公開します。

*   *   *
思わぬ反響
僕には、「読む」「書く」ことに困難がある、識字障害(しきじしょうがい、ディスレクシア)という学習障害があります。そしてたぶん、注意欠如(ちゅういけつじょ)・多動性(たどうせい)障害(ADHD)もあります。

そのことを知ったのは、2014年。そのころから高座(こうざ)で笑い話として自分の障害について話していましたが、2017年、マスコミでも公表しました。

すると新聞やネットのニュースで僕の障害のことが広がり、仲間内からも、すれ違いざまに「大丈夫(だいじょうぶ)なの?」と声をかけられることが増えました。一瞬のことなので、「うん、大丈夫」としか答えられなかったのですが、これじゃあ、なにが大丈夫なのかさっぱりわからない(笑)。

この「大丈夫なの?」は、どうやら、ちゃんと生活できているのか、ということのようです。なかには、なにか重い病気を抱えていると思ってしまった人もいたようです。要(よう)は多くの人が、「学習障害」や「発達障害」について、正確なことを知らないんですね。

一方で、「実は自分も」「うちの子も」という声も多く聞くようになりました。

確か第1号は、太神楽(だいかぐら)曲芸をやっている鏡味仙成(かがみせんなり)くんのお母さんだったと思います。僕の本のサイン会に来てくれ、「実はうちの息子も識字障害なんです」と話しかけてくれました。

それからわりとすぐ、本人と会う機会がありました。「大変だったね」と声をかけたら、「はい」と、ちょっぴりマジメな顔。なんでも、師匠の「仙三郎(せんざぶろう)」という名前がどうしても書けなくて、苦労をしたとか。

なんとなく彼のことが気になり、僕の独演会に出てもらったことも。ご両親が観みにいらして、終演後、楽屋(がくや)口で「ありがとうございました」とニコニコしていらしたのが印象的でした。

ネットのニュースで僕の障害について知ったという三遊亭白鳥(さんゆうていはくちょう)師匠は、笑いながら軽く話しかけてきました。

「大変だね。オレもね、小学校のとき、教室を歩き回るから、椅子にぐるぐる巻きにされていたんだ。今だったら虐待(ぎゃくたい)だよねー」
びっくりしたのは、春風亭小朝(しゅんぷうていこあさ)師匠の反応です。
「よかったねぇ。政治家になれるじゃないか」
「はぁっ? ちょっと待ってください。僕、政治家になんて、なりたくないですから」
どうやら師匠は、発達障害の僕なら「多様性の時代のシンボル」になれると、ちょっぴり本気で思ったようです。もちろん、僕には政治家になろうなんて気はまったくありませんが。

少しでも、お役に立てるのなら
その後、2018年11月からNHKで「発達障害って何だろう」というキャンペーンが始まりました。僕も番組に呼んでいただき、大阪医科大学で識字障害の検査を受けることに。その結果、知能にはとくに問題はないけれど、文字の認識に困難があると判明。「きれいなディスレクシアですね」とお墨付(すみつ)きをいただきました。

いやぁ、テレビの影響力ってすごいですね。正直、びっくりしました。そのころからです。ぜひ僕の経験を話してほしいと、あちこちから講演の依頼がくるようになったのは。

でも講演会とはいいながら、必ずといっていいほど「落語もお願いしたいんです」という声が多いもんですから、あるとき、こちらから「落語もやりましょうか?」と聞いたら、「すいません、落語はご遠慮いただきます」という返事が返ってきてびっくり。でも当日、講演を2時間、その後質問も受けつけたら、トータル2時間40分もやっていました。もう、落語をしゃべっているスキがない。お越しになる皆さんの、発達障害に対する関心の高さに驚きました。

そうやって全国あちこちに呼んでいただくようになり、どれだけ多くのお母さん、お父さん、そして発達障害を抱えている本人が苦しんでいるのかを、目(ま)の当(あ)たりにしました。

僕の場合、おかげさまで落語家として皆さまの前で落語を披露(ひろう)し、テレビの仕事などもしています。でも、学校でいじめられたり、仕事が続かなかったり、ご苦労されている方がすごく多いんですね。講演の後の質疑応答では、深刻な悩みを告白なさる方もいます。

たとえば、息子は発達障害だけど、それを子どもに伝えたほうがいいのか。さんざん迷い、悩んでいると、必死に訴えかけてくるお母さんもいます。

僕はその分野での専門家ではないので、自分が経験した以上のことは話せません。それに、ひとくちに発達障害といっても、表われ方は千差万別。一人ひとり表われ方も状況も違うので、軽々しくアドバイスするなんて、とてもできません。

ですから、最初はちょっと迷いましたよ。発達障害に関して、僕なんぞが人前で話していいのかな、って。

でも、たとえばこんなことがありました。

講演が終わった後、小学生の男の子が僕のところに走り寄ってきたかと思うと、ぎゅーっと僕の手を握り締め、泣きながら「ボクも~~うぅぅ~そうなんです」。

なんでも教科書が読めないので、学校でいじめられるんだそうです。思わずもらい泣きしてしまいました。

一方で、僕がカミングアウトをした動画を見て勇気づけられて、自分も学校でカミングアウトをした、という子もいました。その子は字を書くのが苦手なので、学校と相談して、タブレットの持ち込みを認めてもらったそうです。

僕の話を聞いて、少しでも勇気づけられる子どもや、お父さん、お母さんがいるのなら、自分の経験を話すことには意味がある。そう思うようになりました。

最近は、法政大学で脳の多様性(ニューロダイバーシティというらしいです)に関するパネルディスカッションに呼ばれたり、東京大学と筑波(つくば)大学による「ニューロダイバーシティ&インクルージョンシンポジウム~多様な発達特性を有する学生が社会で活躍するための高等教育・就労支援のあり方を考える~」というシンポジウムで基調講演を頼まれるなど、いろいろなところからお声がかかります。

僕の本業は、もちろん落語家です。でも、人さまの前に立つ、いや、座る仕事をしているおかげで、発達障害についてより多くの人に知ってもらうためのお手伝いは、できるかもしれません。

最近は、それもまた僕の役目かな、と考えるようになりました。そこで、直接お目にかかれない人にも僕の経験や感じていることをお届けできればと思い、この本を書くことにした次第です。

本を書くにあたって、僕自身の勉強のために、発達障害に関する専門家の先生にお話をうかがいに行きました。また、僕の母はどんな思いで息子を育ててきたのかなど、改めて聞いてみました。

そしてなんと、僕の弟子の一人が、重度の発達障害であることが判明! 彼は、僕とはまったく違ったタイプの症状です。

人間は一人ひとり性格も個性も違うからこそ、世の中おもしろいし、豊かになる。多くの方にそう思っていただければ幸いです。

*   *   *

この続きは『僕が手にいれた発達障害という止まり木』(幻冬舎)で! 全国の書店で好評発売中です。

コーヒーはぼくの杖

コーヒーはぼくの杖【書評】
はずスラ【NOTE】2019/12/11 15:25

中学に入って数ヶ月後、岩田響さんは母親から自分が発達障害であることを告げられます。8歳の頃にアスペルガー症候群の診断を受けていたのですが、ご両親が伏せていたのです。自分の子どもが発達障害と知って、それまでのいろんな行動に合点がいったと言います。

響さんの特徴としては、・周囲の状況が把握できない・温度が分からない・時間感覚がない・黒板に書かれた文字が水に浸かったように見えて読めない・頭で考えた通りに手足が動かず、うまく文字が書けない・興味がないものには集中できない・過去の記憶が時系列順に整理できない、です。

中学生で障害を知らされた響さんは、周りに劣るまいと自分の中の正しい中学生像を演じようと頑張ります。中学時代にいじめを受けた経験のある母親は明るく彼を見守りますが、現実の厳しさを教えようとする父は彼に普通である事を強います。結果、彼は中1で学校を辞め、自問自答の日々を過ごします。父はここで彼に与えた重圧を知ります。

常に新しい事に目を向けるお母様は独学で手作りの洋服を作り、家族との時間を大切に考えた父親も服の染色を独自に学び手伝います。そして自宅のアトリエの一部を店舗に変え、月に1週だけの洋品店を始めました。彼の退学はそんな矢先の出来事でした。特に他にする事もなかった響さんは、二年の間、父親の染色作業を手伝います。しかし、興味のない物に集中できない彼はそれもやめてしまいます。

父の影響で、次に関心を持ったのがコーヒーです。生まれつき味覚や臭覚に優れていた彼は、異常なまでのこだわりを持ち始めます。図書館で本を読みあさり、なんとネパールにまで足を運び、独学で焙煎を学び出します。失敗を重ね、少しずつ歩き出したのです。毎日、8~20時(長い時は22時を回る)まで小屋にこもり、美味しいコーヒー豆を焙煎し、大切なひとときをお客様に提供するために追究を続けます。

響さんは、コーヒーとの出会いをきっかけに普通じゃない自分を受け入れることができました。本のタイトルである『コーヒーはぼくの杖』とは、足が不自由な人が杖なしには歩けないように、人生を歩む杖としての一杯のコーヒーなのでしょう。

自閉症の天才ピアニスト

17歳でデビュー!自閉症の天才ピアニスト 母が語る「子育てで人の手を借りることは、恥ずかしいことじゃない」

6/15(月) 8:05【たまひよオンライン】Benesse Corporation


17才という若さで「天才ピアニスト」と言われデビューした紀平凱成(カイル)さん。3才で自閉スペクトラム症と診断され、聴覚過敏や視覚過敏に悩まされながらも、現在、ピアニストとして活躍しています。懸命に支えてきた母・紀平由起子さんに話を聞きました。

元気のない私に、凱成はいちごをくれた
――母目線のエッセイ『カイルが輝く場所へ』を出版されましたが、乳幼児期の思い出は?

紀平さん(以下敬称略) 凱成はとてもおとなしい赤ちゃんで、おなかがすいたときや眠いとき以外、激しく泣くこともありませんでした。よく笑い朗らかで、手がかからないと思っていたくらい。ただ、6カ月を過ぎてもおすわりをせず、母子健康手帳の成長目安に比べて成長が遅れているのかなと思うことはありました。

――自閉スペクトラム症とわかったのはいつごろですか?

紀平 正式に医師に診断されたのは3才になってから。でも2才前くらいから走り回って、目が離せなくなっていました。「ワンワン、きた」といった二語文が出ず、言葉の遅れも気になっていました。ただ、当時は発達障害について情報も少なく、個人差の範囲かな、と。2才4カ月のとき、自治体に相談して健診を受けたところ、療育を始めることに。「自閉症の傾向があります」と言われたときはどこかほっとしました。原因があるなら治療ができると勘違いしたんです。

――自閉スペクトラム症を含め、発達障害は脳機能の障害なので、完治はしないと言われていますね。

紀平 はい、それを知ったときは落ち込みました。でもそのとき、いつも動き回ってばかりの凱成が、ふと私の前にきてぎゅっと抱き締めてくれたんです。別の日にも大好きないちごを「あげる」と差し出してくれた。何も見てないようで親の普段とは違う様子を感じていたんですね。凱成の優しさに励まされました。

小学1年生のころから、夢は「ピアノを弾く人」

――凱成さんは幼いころから音楽に興味を持っていたのですか?

紀平 私も夫も音楽好きで、凱成が赤ちゃんのころから家にはドラムやギター、電子オルガンなどの楽器がありました。凱成は楽器をおもちゃ代わりにして、よく夫のひざの上に座ってドラムをたたいていました。2才を過ぎたころ、アニメのテーマソングを聴いて、電子オルガンでそのとおりに弾いたんです。「教えていないのに?」と驚きました。その後も耳にした曲をどんどん弾いたり、ギターのコードを勝手に調整するなど、突出した才能があるのかも、と思わされる出来事が重なりました。

――それでピアニストをめざしたのですか?

紀平 小学1年生のときに学校で将来の夢を聞かれて「ピアノを弾く人になりたい」と答えたんです。まさか「将来」について考えているなんて思っていなかったのですが、しだいに、「ピアニストになりたい」と言うようになり、私たちも真剣に応援し始めました。

――デビューするまでの苦労は?

紀平 小学5年生くらいから聴覚過敏や視覚過敏がひどくなり、ピアノもイヤマフ(防音具)をつけて苦しみながら弾くように。とてもつらい状態が数年続きました。それでも本人は一度もやめたいと言わず、一貫して夢を追い続けました。そんな彼を支えないわけにはいかなかった。そしてご縁がつながり、17才でデビューできました。

困難を乗り越えて、ピアニストに挑戦する息子へ
――夢を果たした凱成さんへ、今の思いをお聞かせください。

紀平 下を向いて日常を過ごしていた凱成が、デビュー後は人前に出て演奏をしたり、取材を受けたりできるようになりました。障害は完治しなくても、困難を克服しようとする本人の頑張りと成長に信じられない思いでいます。

――今、子育てを振り返って、思うことは?

紀平 障害がわかった当初、私も夫も人に迷惑をかけてはいけない、と自分たちだけで凱成の面倒を見ようとしていました。でも、今の凱成があるのもこれまで支えてくれた人たちがいてこそ。子育てで人の手を借りることは恥ずかしいことじゃない、親がゆとりを持って子どもに愛情深く接することができるなら、そのほうが大切だと、今になって気づくことができました。今、子育てをまさに頑張っているママ・パパたちにも、そのことをお伝えできたらうれしいですね。
紀平凱成(きひらかいる)
Profile
2001年生まれ。2019年4月、17才でピアニストとしてデビューを果たす。デビューアルバム『Miracle』が好評発売中。イベント情報はオフィシャルサイトに掲載。

紀平由起子(きひらゆきこ)
Profile
1971年生まれ。幼いころから音楽に親しみ、かつて仕事をしながらシンガーソングライターをめざしたことも。出産を機に子育てに専念し、現在は、凱成さんの音楽活動をサポートする。

書籍『カイルが輝く場所へ 発達障害のわが子がピアニストとして羽ばたくまで』

3才で自閉スペクトラム症と診断され、聴覚過敏などに苦しみながらも、ピアニストになる夢をかなえた紀平凱成さん。息子に寄り添い続けた家族の軌跡を、母・由起子さんがつづったエッセイ。子どもをあるがままで受け入れることの大切さを教えてくれる一冊です。紀平由起子著。1300円/NHK出版

COCOAアプリに不具合

感染者 接触確認アプリに不具合 修正まで通知なし 新型コロナ

2020年6月23日 12時24分【NHK】


新型コロナウイルスに感染した人と濃厚接触した疑いがある場合に通知を受けられる、「接触確認アプリ」に不具合が見つかり、厚生労働省がアプリの修正を進めています。修正を終えるまで、感染した人への番号の発行を見合わせるため、接触の通知は行われないことになります。

アプリは、今月19日に運用が始まり、スマートフォンを持っている人どうしが15分間以上、1メートル以内に近づくと、相手のデータを互いに記録します。

利用者が新型コロナウイルスに感染した場合、保健所から発行される処理番号をアプリに入力すると相手先に濃厚接触の疑いがあると通知されるしくみで、23日午前9時の時点でおよそ371万件ダウンロードされています。

ところが、厚生労働省によりますと、処理番号について、誤った数字をアプリに入力すると「失敗」と表示されるはずなのに、正しく登録できたことを示す「完了」と表示されてしまう不具合が見つかったということです。

厚生労働省は不具合の修正を進めていますが、混乱を招くおそれがあるとして、修正を終えるまで感染した人への処理番号の発行を見合わせています。

このため、この間に感染が確認された人に関する接触の通知は行われないことになります。厚生労働省は、今後の見通しについて明らかにしていませんが、なるべく早く修正を終えたいとしています。

加藤厚生労働大臣は、記者会見で、「次の感染拡大に備えて、アプリをできるだけ早く利用してもらえるよう、最初のバージョンをリリースしたが、最初の1か月間は試行版という位置づけだ。不具合については、改善作業を進めており、作業が終了した時点で、修正版としてアプリを更新したい。それほど時間をかけずに対応したい」と述べました。

竹本IT担当大臣は、記者会見で、アプリのダウンロードが、23日午前9時までの時点で、およそ370万件に上ったことを明らかにし、「国民の6割が利用しないとクラスターの発見はできないという説もあるが、6割というのはなかなか大変だ。濃厚接触の可能性の通知を受けた人がPCR検査を行うなどの積み重ねの結果として、クラスターを発生させない効果が期待できる」と述べました。

トークン・エコノミー法

トークンエコノミー法とは、ジョージア州立大学名誉教授テオドロ・エイロン博士(Teodoro・Ayllon)とノヴァ・サウスイースタン大学教授のネイサン・アズリン博士(Nathan・H・Azrin)によって開発され、1968年に出版された「トークンエコノミー(The Token Economy)」で紹介された方法です。

「トークン(ふだ)」とは本人にとって価値のある強化子と交換できる代理物のことです。例えば、適切な行動に対してシールを貼ってあげたり、丸印のチェックをつけてあげたり、クリップを置いてあげたりすることです。これらが決められた数だけ貯まったら価値のある強化子、例えば校長先生に褒めてもらえたり、休憩時間が5分伸びたり、好きなお菓子を買ってもらえたり、することが出来ます。このトークンと交換できる強化子を「バックアップ強化子」といいます。

このように事前に標的とした望ましい行動が見られたらトークンを与えますが、事前に標的とした減少させたい不適切な行動が見られた場合はトークンを没収します。このトークンを没収する手続きを「レスポンスコスト」といいます。例えば、授業中不適切な会話をしたらトークン1つ、立ち歩いたらトークン2つなど基準を設定し、それらの行動が見られたら基準通りにトークンを没収します(負の弱化)。ただ、「レスポンスコスト」は今日の応用行動分析の現場ではあまり使われなくなっています。

標的行動とトークンの基準、バックアップ強化子を視覚的に分かりやすく提示したり、リストを作成するなどして、いつでも確認できるようにすると良いです。

トークンエコノミーの良いところは、実用的であることです。例えば学校や事業所で課題に従事する行動に対してトークンエコノミーを用いる場合、どんなところでも用いることができ、課題を中断せずすぐにトークンを提示することができ、周りの子どもの邪魔にもなりません。

また、トークンを得られる基準を高めたり(例えば、1分間課題に従事できたらトークン1つから、3分間課題に従事できたら、5分間、10分間、と伸ばしていくなど)、バックアップ強化子と交換できるトークンの数を増やしたりすることにより(例えば、トークン3枚で交換から5枚、10枚。20枚と変更するなど)、バックアップ強化子を提示する頻度を減らし「飽和」(ご褒美に飽きる)を防ぐことが出来ます。家庭でも例えば冷蔵庫にトークンをつけるシートを貼り付けておいたりすると、子どもが事前に決めた適切な行動を示したらシートに1つチェックを入れるなどは、それほど手間がかからないと思います。ただ、子どもと契約もせずに、大人が勝手に変更すると一気に信頼性がなくなり使えなくなるので注意が必要です。

トークンエコノミーを導入する場合、まずはシステムの意味を理解してもらう必要があります。標的となる適切な行動とトークンが得られる基準、バックアップ強化子の種類と交換できるトークン数を明確にし、視覚的に分かりやすいように工夫して、子どもにシステムを説明します。コミュニケーションが可能であれば、ある程度話し合って子どもの希望も聞きながら、表的行動やトークン数等を決めると良いです。

最初はシールが2枚貯まったらバックアップ強化子と交換するなど、頻繁にバックアップ強化子と交換できる機会を作り、システムの意味を教えていきます。そして、徐々にシール5枚などに基準を高めていきます。子どもが理解でき、ごまかさない形式で、また紛失したりしないような環境に合わせた形式で、トークンエコノミーを用いていきます。トークンは学校運営にも有効であり、トークンなどの具体物を用いた強化子の方が、微笑と過賞賛といった社会的強化子よりも効果的であり、有利であるという報告があります。

COCOA

接触アプリ、19日午後に提供開始 厚労省
【日経電子版】2020/6/19 12:14更新

厚生労働省は19日、新型コロナウイルスの感染者と濃厚接触した可能性があることを通知するスマートフォン向けアプリ「COCOA」の提供を同日午後3時ごろに開始すると発表した。

アプリによって濃厚接触者を効率的に割り出し、迅速に検査することで感染拡大を防ぐ狙いがある。互いにアプリを利用していないと接触の記録は残らないため、普及率が実効性のカギを握る。

今回提供するアプリは基本ソフト(OS)に「アンドロイド」「iOS」を搭載する機種が対象で、米グーグルやアップルのアプリストアで無料でダウンロードできる。

スマホの近距離無線規格「ブルートゥース」を使い、アプリの利用者同士が1メートル以内に15分以上いた接触の記録をスマホ内に蓄積する。感染が判明した利用者がアプリで申告すると、スマホ内に記録された接触者に対してサーバー経由で通知が送られる仕組みだ。

氏名や電話番号、位置情報など個人が特定される情報は記録、収集せず、通知を受けても過去に接触した誰が感染したのかまでは分からない。接触の記録は14日経過後に自動的に無効化され、アプリを削除した場合も記録は消去される。

スマホにアプリを入れている人同士の接触記録しか残らないため、普及率が6割以上ないと効果は薄いとされる。同様のアプリは他の国でもすでに運用されているが、プライバシー侵害への懸念などから必ずしも普及は進んでいない。3月にアプリ配布を始めたシンガポールの普及率は3割程度にとどまっている。

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要するに、武漢ウィルスの陽性感染者(COCOAをインストールしたスマホ所持者)と接触したから検査したほうがいいよ。というお知らせが来るのです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/cocoa_00138.html

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000641521.pdf

6月21日夏至の日ー全国各地、おうちで日食観察を-

2020年6月21日(日)の午後、日本全国で部分日食が起こります。日本で見られる日食は2019年12月26日の部分日食以来ですが、次回全国で見られる日食は2030年6月1日の北海道での金環日食(他の全国各地では部分日食)までありませんので、梅雨空に晴れ間が生じたら、是非見ておきたい天文現象です。

日食とは、太陽-月(新月)-地球の順に宇宙空間で3つの天体が一直線に並ぶことで起こる現象です。昼間、太陽からの光を受けた月の影が地球に落ち、そこだけ昼間なのに光があたらない場所が出来ます。

日食には、完全に太陽を月が隠してしまう「皆既日食(皆既食)」、太陽の縁が丸くリング状に見える「金環日食(金環食)」、そして太陽の一部分が欠けて見える「部分日食(部分食)」があります。皆既日食や金環日食が生じる場所は帯のように狭く、その周りの地域で部分日食が見られます。今回は、アフリカ中部、アラビア半島、パキスタン、インド、中国、そして台湾のそれぞれ狭い範囲で金環日食となり、この帯状の金環食帯の中心では最大で0分38秒の金環食を見ることが出来ます。今回は、金環食の継続時間がとても短い現象です。

金環食帯の外側の一定範囲では、太陽は完全には隠れませんが、一部のみ隠れる部分日食になります。この日、日本各地では、天候に恵まれれば、午後から夕方の時間帯になりますが、太陽が欠ける様子を観測用具や木洩れ日等を用いることで観察可能です。

那覇では太陽の面積の79%、東京では36%、札幌では18%が月によって隠されます。

太陽の観察はとても危険です。太陽の光と熱のエネルギーは膨大なため、直接、太陽を見ると失明する危険があります。肉眼でも危ないのですから、天体望遠鏡や双眼鏡を使うことは極めて危険です。肉眼で見ることはもちろん、天体望遠鏡や双眼鏡も使わないでください。太陽観察用の「日食グラス」等専用の用具で観察しましょう。また、そのような用具が手に入らなくても、木漏れ日やピンホールカメラを用いて観察する方法があります。より詳しい情報は国立天文台の解説ページをご覧ください。

太陽の光を見かけ上減光できるからといって、黒いごみ袋、アルミホイル、ポテトチップスなどの袋、色付きの下敷きなどで見ることもとても危険です。これらは赤外線を通してしまうため、可視光を減光していても、熱によって網膜が傷ついてしまう可能性が指摘されています。

COVID-19拡大予防のため、今回の日食では日食観察会等が開かれない地域がほとんどかと思います。ご自宅などで3密にならないように楽しむ他、国立天文台の石垣島天文台はじめ、全国各地から日食中継が予定されています。また、金環日食となる海外の国々からもインターネット上で中継イベント等(英文)が予定されていますので、併せてそちらもお楽しみください。

参照ページ:

宙ツーリズム推進協議会 おうちで日食観察を楽しもう!全国各地からオンライン中継

JAPOS(日本公開天文台協会)観測キャンペーン夏至の日の部分日食を見よう

和歌山大学観光学部 YouTube Live-全国縦断「夏至の日に部分日食を見よう!」

 

文科、コロナ対応、教育活動の実施に関するQ&Aを公開

コロナ対応、教育活動の実施に関するQ&Aを公開
2020.6.16 Tue 12:20 【ReseEd教育業界ニュース】

文部科学省は2020年6月15日、Webサイトに「教育活動の実施等に関するQ&A」を公開した。発熱で学校を休んだ児童生徒の再登校基準、修学旅行の実施に関する見解、児童生徒の心のケア、学習活動の留意点、教職員の勤務など、幅広い質問内容を紹介している。

「教育活動の実施等に関するQ&A」は、学校設置者・学校関係者向けに新型コロナウイルス感染症に対応した教育活動の実施などについて、質問と文部科学省の回答をまとめたもの。5月21日時点で全104問にわたるQ&AをPDFで公開しているほか、分野別にまとめた内容をWebページに掲載している。

Webページで紹介している質問内容は、「学校における感染症対策」「感染者が発生した場合や児童生徒等の出席等の対応」「学校の臨時休業」「学習指導等」「その他」の5分野。マスク不足への対応、健康診断の実施、児童生徒の心のケア、学習活動の留意点、教職員の勤務、保育料や授業料の取扱いなど、幅広く網羅している。

たとえば、発熱で学校を休んだ児童生徒の再登校基準については、「熱が下がった後にすぐに登校してよいかどうかについては、地域の感染の状況によって判断が変わる」と説明。基本的な考え方として、感染経路不明の感染者が多発している地域は「熱が下がった後も一定期間自宅にとどまっていただく対応も考えられる」、感染経路の不明な感染者がいない地域は「一時的な発熱の後、他に症状もないような場合に登校を拒む根拠は乏しい」と述べている。

修学旅行の実施については、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」や「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」、新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえて学校設置者が適切に判断。実施に際しては、日本旅行業協会などが作成した「旅行関連業における新型コロナウイルス対応ガイドラインに基づく国内修学旅行の手引き」などを参考に旅行事業者などと連携し、感染対策の徹底に努めるよう求めている。

そのうえで「当面の措置として修学旅行を取り止める場合においても、その教育的意義や児童生徒の心情等にも配慮いただき、中止ではなく延期扱いとすることを検討いただくなどの配慮をお願いしたい」との考えを示している。

教育活動の実施等に関するQ&A」は、文部科学省のWebサイトから確認できる。《奥山直美》

https://www.mext.go.jp/content/20200521-mxt_kouhou01-000006270_2.pdf

https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00032.html

教育活動の実施等に関するQ&A

①学校における感染症対策に関すること【更新】
②感染者が発生した場合や児童生徒等の出席等の対応に関すること【更新】
③学校の臨時休業に関すること【更新】
④学習指導等に関すること【更新】
⑤その他【更新】

読むトレGO!

日本初!音声認識による読み書き障害(ディスレクシア)トレーニングゲーム発売。実証実験で20%以上読みの時間が短縮!
プレスリリース発表元企業:株式会社サムシンググッド

ディスレクシア、読みの困難さを抱える子どもは5%とも10%ともいわれています。EdTech企業の株式会社サムシンググッド(東京都港区、代表取締役 脇坂龍治)はNintendo Switch(TM)用ゲームアプリとして「机に座らない学習」をコンセプトに、(1)発達障害分野の第一人者、「医学博士 平岩幹男先生」と企画から研究、実証実験まで共同で開発。(2)4週間×10人超の児童による実証実験を2回実施。(3)「67%の子どもが20%以上読みの時間が短縮」し、「2度読みも減少」。2020年2月には本件の論文も発表。確かな効果が期待できるソリューションとして7月上旬より発売開始します。

EdTech企業の株式会社サムシンググッド(東京都港区、代表取締役 脇坂龍治)は、2020年7月上旬にNintendo Switchでゲーム形式でトレーニングできる「読むトレGO!」を発売いたします。
詳細はhttps://www.yomutore.net/をご覧ください。

[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfYUdyQ2t2Y1NsTC5KUEc.JPG ]

読むトレGO!プロジェクトは、医学博士の平岩幹男先生とサムシンググッド開発陣の共同プロジェクトです。2018年の企画段階から初期の研究用ソフト開発、そして実証実験を経ての商業用ソフト開発と、全ての工程を共同で研究開発致しました。
多くの子どもたちや保護者の方からも様々な意見を頂き、当社のエンジニアが一つ一つ丁寧に形にしていきました。読みのトレーニング・ゲーム要素だけでなく、保護者向けに分かりやすいような、トレーニングの記録と評価機能等もご用意しました。
平岩先生はこう仰います。「ディスレクシアの障がいや読みの苦手さを持つ子どもたちに必要なことは、読みの学び直しの機会であり、何歳からでも遅くない」と。私共も、この言葉を実現できるよう開発に邁進してまいりました。

開発・発売元:サムシンググッドとは
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfTkJtSmJocUJSVi5KUEc.JPG ]
サムシンググッドは2015年、役員3名で始動いたしました。当初はソフトバンク様等からプログラム開発やWEBサービス運営を受託するビジネスが中心でした。2017年にNTTドコモ様向けに知育アプリ(プリキュアかずあそび)提供を開始したのを機に、プログラミングやCGデザインチームを大幅に拡充。知育、英語学習、ソーシャルゲームなどを開発していきました。2018年より発達障がい児童向けの教育ソフト開発の研究を開始。その一環で児童福祉施設を中野と新宿に開所(Uooh!療育ラボ)、現在200人以上の児童が通所しています。2020年7月に「読むトレGO!」を発売予定。2020年6月現在、IT×発達性協調運動障がいトレーニングシステムの研究開発中です。

読むトレGO!の特徴
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfSEhST3RmTFJIei5KUEc.JPG ]
①ゲーム機のNintendo Switch用 であること。
2018年の企画初期、平岩先生から「教科書や教材を見ただけで泣き出す子もいるんだよ」とのお言葉が。できるだけお勉強感を無くす為にゲーム機用アプリにしました。ジョイコンで刀を振ったり金魚をすくったり、マイクを使ったりと「机に座らない」読みの学習をコンセプトにしました。
②日本初!音声認識システムでのディスレクシア・トレーニングソフト
ディスレクシアの子どもたちは、読みが苦手だから、書きはなおさら。ですので、日本の国語の授業の「読むと書くを同時に習う」学習法は、とても難しい事となります。我々が重要視したのは「文字を見て」「声で答える」こと。とにかく「読むことが出来る事」を目的にしました。
③全6ゲーム227ステージ!
様々な角度からトレーニングをアプローチする合計6コンテンツ、54レベル、227ステージをご用意しました。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfekxmQVpRY0NRbC5qcGc.jpg ]


医学博士 平岩幹男 先生について
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfaUVLTVdRQlFsYS5qcGc.jpg ]

平岩幹男: 医学博士。Editorial board: Austin Journal of Autism and Related Disorder。
1976年東京大学医学部医学科卒業。三井記念病院小児科、東京大学医学部研究生を経て帝京大学医学部小児科助手?講師。1992年戸田市立健康管理センター母子保健課長?参事・健康推進室長。2009年Rabbit Developmental Research開設(代表)。2012年-2019年国立成育医療研究センター理事。
専門領域:発達障害(自閉症)、乳幼児健診、思春期医学など。著作多数。

実証実験について
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfVFN2clhYQm91Ti5KUEc.JPG ]
平岩先生が主導し、「読むトレGO!」プロジェクトでは、ディスレクシアの診断(DSM-5thに基づく)を受けた児童10名程度を対象にした実証実験を2回(2019年9月、2020年1月)実施しました。第1回目は8/30~9/28のピッタリ4週間、初日に平岩医師の問診とテスト、4週の間は実験用ソフトを家に持って帰りトレーニング、最終日に平岩医師の問診とテスト、という内容です。この結果はとても素晴らしく、全ての児童の読みのスピードが向上、2/3の児童は何と20%以上向上の数値がでました(論文は小児科診療2月号:診断と診療社刊に掲載)。しかし、、、子どもたちの反応は散々でした。。。とにかく音声認識の認識率が悪く、せっかくキチンと読めても正解にならず、「ブブー」と×にされる。泣き出しそうになりながら「嫌だった」と話す子どもが出る始末、当社開発メンバーは意気消沈でした。もう開発期間が延びる(=お金がかかる)のはやむを得ず、ということで、音声認識エンジンを差し換え開発再開。当初予定より半年間も開発期間が延長しましたが、子どもたちにも「まぁまぁだな!」と言っていただけるソフトに仕上がったと思います。本当に実証実験にご参加いただき、様々な意見をくださった子どもたち、保護者の方々に感謝しております。

発達性読み書き障害児童はクラスに1人の可能性。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfQXlkV01wTk96Sy5KUEc.JPG ]

■ディスレクシアとは
dyslexia。発達性読み書き障がい。dysはギリシャ語の「困難」「欠如」という意味、lexiaは「読む」という意味。一番の特徴は、コミュニケーションのうち「話す言葉」「聞く言葉」といういわゆる音声言語には障害がないのに「読む」「書く」という文字言語に障害があること。よって、小学校に入る前には診断が付きにくい。
世界には色々な言語があるが、日本語にはひらがな、カナカナ、漢字と文字の種類がおおっく、おそらく1クラスに1人くらいは存在すると言われている。
世界的に見て、ディスレクシアの特徴は二つ。
①文字を音に変える障がい(デコーディング)
「あ」「ゆ」が読みにくい。時間をかければ読める。なので、「あ」「ゆ」で悩んでいると「あゆつり(鮎釣り)」という単語を見たときにすっと読めない。
②音のまとまりとして単語を読むことが難しい障がい(チャンキング)
「い」「ぬ」と読めても「いぬ(犬)」という音のまとまりとして読めない。よって語彙理解が難しくなる。
【注意】
読みの苦手さ=ディスレクシアだけでない。
認知機能が遅れている知的な問題、紙に書いてある文字がチラつく。すぐに気が散って集中できない、など他の問題も考えられる。

■子どもたちの問題
わが国の学校教育は、ディスレクシアの子どもにとても苦痛を強いる指導法となっている。
①読みの苦手な子に、他の子どもに2回読ませるところを4回、5回と読ませる。
②「読む」と「書く」を同時に指導する。「読み」が苦手な子どもたちは大なり小なり書くのも苦手であり、同時に行うことはとても難しい。

■知的障がいではないが「しんどさ」を抱える子どもたち
知的障がいではないが、しんどさを抱える子どもたちは存在し、読みの困難さを抱えていることもしばしばある。
IQで測ると70以上だが、記憶する力や認識する力が少し弱い子どもたちは、実は人口の7%~11%くらい存在すると言われている。この子たちは知的障がいとしてのいわゆる障がい者手帳は取れないし、障がい者枠で将来就労することもなかなか難しい。しかし適切にサポートをすることで世の中で生きていけるようになる可能性がかなり高いグループというふうに、考えてもいいのではないか?と平岩先生は考えている。

※知的障がい定義はIQであれば70以下。
例えば、小学校に入り、友達とも元気に遊んだり話したり、色々な事ができる。しかし、小学校2年生くらいになると「どうも国語の力が弱いな?」「読むのが苦手だな?」「内容の理解が今一つだな」と感じられるようになる。そのちょっとした苦手さを抱えながら学年が上がっていき、授業もドンドン進んでいく。そして小学校4年生くらいになり、その躓きがどうにもならなくなる、ということはよくある。うまく国語がついていけない。そうすると通常の学級いわゆる普通のクラスは無理だから、「では特別支援学級に移ったらどうですか?」と言われることが多い。しかし、通常学級では国語の授業は週4時間。これが特別支援学級になると週2時間、特別支援学校になると週に1時間になっていしまう。これで、どのように追いつくことが出来るのだろうか?わが国の教育制度はこのようなことに対処する「学び直し」という概念が乏しい、と言わざるを得ない。学び直しをする事で、その方たちの「人生を変えていくこと」に繋がることはとても良いことだと感じる。(平岩先生談)
【出典】本ページ記載の内容は、2020年4月にサムシンググッドが平岩先生にインタビューした内容の抜粋である。

日本のディスレクシア人口のデータ
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfY0VPRW1lTnRqSC5KUEc.JPG ]

わが国では文部科学省も厚生労働省も本件に関する大規模な疫学調査を行っていない。よってディスレクシアの人口がどの程度存在するのか?はわからない。その中、参考になるデータは下記のとおりである。
学習面で著しい困難を示す児童生徒の割合は6.1%
・文部科学省調査
・調査時期:平成24年2月~3月
・調査対象:通常の学級に在籍する児童生徒53,882人(1,200校)
※担任教員が記入し、特別支援教育コーディネーター又は教頭による確認を経て提出した回答に基づくもので、発達障がいの専門家チームによる診断や、医師による診断によるものではない。従って、本調査の結果は、発達障害のある児童生徒の割合を示すものではなく、発達障がいの可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒の割合を示すことに留意。

第2波に自粛は必要か

休業要請・外出自粛は有効だったかどうか検証 大阪府新型コロナウイルス対策専門家会議
6/12(金) 16:33配信【ABCテレビ】

12日に開かれた大阪府の新型コロナウイルス対策の専門家会議で、吉村知事は「第2波に備えるためには、第1波の経験とか事実の分析をきちんとやって、社会経済に与えるダメージを最小化しながら、感染症対策を最大化することを追及しなければならない」と話しました。

第1波が収束した今、第2波に備えるために、これまでの休業要請や外出自粛の呼びかけが有効だったかどうか検証しました。大阪府が独自に分析したのは、感染のピークは緊急事態宣言が出される前の「3月28日」だったという推定です。吉村知事の「緊急事態宣言も営業の自粛も、まったく効果がなかったということですか?」との問いに、大阪大学の中野貴志教授は「なかったと思います」と答えました。3月末からは感染が収束に向かっていて、緊急事態宣言に伴う自粛の効果は限定的だったというのです。ただ、どうして収束したのか、正確な原因を解明するのは難しいというのが別の専門家の見方です。大阪大学の朝野和典教授は「きょうの議論だけで自粛、休業が無意味であったという結論にはしてほしくない」と話しました。専門家会議が終わり、吉村知事は「同じことをやらずとも、感染は抑えられるんじゃないかという論点を持たないといけない。国家レベルでも大阪レベルでも追及していく必要がある」と話しました。

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自粛を呼び掛けたことについての社会的な是非は問うべきではないでしょう。みな、暗中模索の中で決めたことだからです。この記事の教授の発言は後出しジャンケンのようなものです。しかし、実際に効果があったのかなかったのかを検証することはとても大事なことです。

同じように、学校の臨時休業は本当に必要なものだったのかどうかも検証してほしいです。無症状の感染者が出てるからと、その都度、学校閉鎖をするようなことなのかどうかも検証していく必要があります。プールも感染予防の研修をした教員の管理下で感染が予想外に起こったのかどうか、窓を開けた教員の管理下にある教室でマスクは本当に必要だったのかどうかなどです。ただ、高齢者への感染と高齢者施設のクラスター化をどう防ぎきるのかはもっと良いアイデアを出し合い、政策化されても良いと思います。

新型コロナの新規感染者数(棒グラフ・人)と実効再生産数(折れ線・右軸)

5歳児の3%に自閉スペクトラム症

5歳児の3%に自閉スペクトラム症 弘前大グループが有病率を国内初推計
2020年06月03日【河北新報社】

自閉スペクトラム症(ASD)の有病率が5歳時点で3%以上であることが、弘前大大学院医学研究科の研究グループの調査で分かった。国際的な診断基準が変更されて以降、ASDの有病率を推計したのは国内で初めてという。ASDと診断された9割が、他の発達障害を併せ持っていることも判明した。

調査は2013~16年、弘前市と連携して実施。5歳児健診時に、子どもの様子や子育てのストレスなどについて、保護者と幼児が通う幼稚園などの教師らに書面で回答を求めた。書面調査で陽性と判定された幼児と、保護者が検査を希望した幼児に、知能や運動能力を測定する2次検査を受けてもらい、ASDかどうか診断した。

調査対象5016人のうち、約8割が書面調査に回答。2次検査を受けた559人のうち87人がASDと診断された。検査に不参加の幼児も含め統計学的な調整を加えると有病率は3.22%と推定されるという。また、ASDと診断された88.5%が、注意欠如多動症(ADHD)など他の発達障害を持っていることも分かった。併存する障害が二つある幼児が36.7%と最も多く、一つが28.7%、三つが22.9%で続いた。

自閉症の国内での有病率を巡っては、改訂前の診断基準に基づく1996年の調査で、0.2%とされていた。研究グループの斉藤まなぶ准教授(児童精神医学)は「3%という数字は、ASDを含む発達障害が決して珍しくないことを示している。適切な支援を早期に提供することが、本人と保護者の生きやすさにつながる」と指摘する。研究成果をまとめた論文は5月14日、英国の医学学術誌に掲載された。

[自閉スペクトラム症(ASD)]対人関係がうまく築けない、こだわりが強いといった特徴を持つ発達障害の一つ。コミュニケーションや言語に関する症状を重度から軽度まで連続体(スペクトラム)として広く捉えて診断する。国際的な診断基準が2013年に改訂され、別の障害とされていた自閉症やアスペルガー症候群も含まれるようになった。

発達障害の人のマスク着用の件

新型コロナウィルスの感染拡大は、発達障害の自閉症スペクトラム障害(ASD)のある人たちに新しい困難をもたらしました。社会的およびコミュニケーションスキル、反復行動、同一性へのこだわり、感覚に関わる問題がASDのある人がマスクを着けることを困難にします。ASDの人の多くは触れられることにとても敏感で、顔はとくにです。 マスクの着用は不快な感覚を与えることもあります。

皮膚の表面には引っかき傷をつけるような布の質感、マスクの上部が皮膚と接触する場所での圧力、耳にはかかるゴムの引っ張りがあります。マスクの中では温かく湿った息のにおいがします。さらに空気を吸ったり吐いたりするのに抵抗を感じ、それにASDの多くの人は心配や不安を感じます。マスクをつけるとASDのない人でも不快を感じますが、ASDの人はそれがより激しいものとなる可能性があります。

そして、これらの感覚的な課題に加えて、マスクは新しいソーシャルコミュニケーションの課題も生み出します。自閉症スペクトラム障害では視覚知覚能力の低下が含まれることもあります。マスクをつけた人に対しては、いつも以上に表情を読み取ることが難しくなります。マスクをつけた人の顔を見ると目しか見えません。ASDのある人の中には目を見ることが困難な人も多く、ますますコミュニケーションが困難になってしまいます。

そして、マスクを声をこもらせることもあるため、言葉も聞き取りにくくなります。しかし、マスクの利用をできるようにする方法はいくつか考えられます。
・ぬいぐるみ、人形、家族など、好きなものや人にマスクをつける実演をする
・さまざまなタイプの素材のマスクを選べるようにして、最も快適なマスクを見つけられるようにする
・必要なときに休憩をとることができるように、短時間のマスクの着用を練習することから始める
・マスクをうまく着用しつづけられるように、静かで穏やかな、人の少ない場所へ出かけることを計画する
・外出前にマスクを着用するための視覚的な手がかりとして、マスクを着用した人の写真を利用する。写真はドアの近くに貼ったり、タブレットですぐに見えるようにしてもよい
・マスクをかぶったままガムを噛んだり、キャンディーをなめたりして、気を散らしマスクの中の息のにおいを変える
・透明なマスクもあります。そのマスクであれば口が見えます。コミュニケーションの改善に役立つといわれます
ASDのある人にとって、マスクの着用が簡単ではない理由を理解することは親や関係者にとって重要な情報です。

台湾のコロナ対策で立役者となった発達障害の「38歳の天才」

6/10(水) 6:01配信【ダイヤモンド オンライン】より抜粋

新型コロナウィルスが世界中で猛威を振るい、欧米の先進国がコロナ対策に苦慮している中で、もっとも対応に成功していると報じられたのが台湾です。

台湾の蔡政権は2020年1月に、いち早く中国との人的往来をほぼ完全に遮断しました。それに加えて、スマートフォンのアプリを利用した方法でマスクの買い占めを防ぐなど、防疫体制の構築に力を注ぎました。その結果、他のアジア諸国と比べても、被害はかなり小さく抑えられています。

この台湾のコロナ対策において重要な役割を演じているのが、IT担当大臣である「38歳の天才」、オードリー・タンです。IQが180とも言われるオードリーには、発達障害(特にASD)の傾向が顕著に見られます。オードリー氏は男性として生まれ、20代で性転換を受けて女性となりました。学校にもなじめませんでしたが、10代で起業するなど早くから高い能力を発揮し、35歳のとき史上年少で入閣。今回のコロナ騒動下では「マスク配布システム」などITを活用したコロナ対策を打ち出して高く評価されました。  

彼女はマイルールをいろいろ持っていて、25分間仕事するごとに5分間の休憩を取らないといけないし、毎日必ずメールボックスのメールを捨てて、「To Doリスト」にやるべきことを残しません。また毎週決まった時間に、フランスにいる精神科医と45分間の対話を行っているなど、ASD的な「こだわり」の特徴が濃厚です。  

人類の歴史の中でも、発達障害の特性を持つ人々は科学や芸術に新しい光を吹き込み、社会を大きく変革してきました。「ネットの神童」で「無私の公僕」であるオードリー・タンも、そういった天才のひとりです。この世界的な危機を救うのは発達障害のマインドを持つ人たちなのかもしれません。(岩波 明)

マスクと熱中症

暑い日が続いています。梅雨から夏の暑い季節に向けて、熱中症の予防が大事です。暑さを避ける、小まめに水分を取る、体調管理に気をつけるといった従来の予防策に加え、今年の夏は、新型コロナウイルス感染症の予防も考え合わせながら、感染リスクの少ない場面ではマスクを外す、エアコンを使いつつ、換気も小まめに行うといったことも大切になりそうです。

厚生労働省は5月、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」における熱中症予防の留意点について発表しました。それによると、夏の気温・湿度が高い中でマスクを着用すると、熱中症のリスクが高くなる恐れがあるとして、「屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、熱中症のリスクを考慮し、マスクを外すようにしましょう」としています。

マスクを着用している場合には、強い負荷の作業や運動は避けて、のどが渇いていなくても小まめに水分補給をすること、エアコンを使っていても換気が必要になるため、小まめに温度設定を調整することなどの注意を呼びかけています。日本救急医学会、日本臨床救急医学会、日本感染症学会、日本呼吸器学会のワーキンググループは6月1日、学術団体として熱中症予防に関する提言を出しました。

最初に掲げたのは、「室内換気に十分な配慮をしつつ、小まめにエアコン温度を調節し室内温度を確認」すること。熱中症は室内で多く発生していることから、エアコンによる室温管理が重要である一方、通常の家庭用エアコンは空気を循環させるだけで、換気の機能はないという。そのため、新型コロナ感染予防のためには、適宜、窓を開けて風通しをよくすることが重要だとしています。扇風機なども活用することや、すだれやレースカーテンなどで直射日光を避けるなどの工夫にも触れています。

提言ではまた、マスクの着用によって体に負担がかかることを考慮し、周囲と距離を取るなどの感染対策に注意しながら、適宜マスクを外して休憩することが大切と呼びかけています。マスク着用が体温に及ぼす影響を学術的に研究した報告はあまりなく、「現時点ではマスクをつけて運動しているから必ず熱中症になりやすいとも言えない」としつつ、「心拍数、呼吸数、二酸化炭素、体感温度の上昇から、マスクをつけることで、体に負担がかかると考えられる」と指摘しました。

熱中症予防には小まめな水分補給が大切。口の渇きはそもそも脱水予防の指標にはならないとして、口の渇きには関係なく塩分を含む経口補水液の頻回摂取を訴えた。このほか、暑さに慣れていない時期が危ないので適度な運動で徐々に体を慣れさせること、独居高齢者など熱中症に弱い人には特に注意が必要なこと、日頃の体調管理を行い観察記録をつけることなどを提言しました。

マスクについては、日本小児科医会が5月25日、2歳未満の子どもへの使用はやめるよう呼びかけるメッセージを発表しました。それによると、乳児の呼吸器の空気の通り道は狭いため、マスクは呼吸をしにくくさせ呼吸や心臓への負担になること、マスクそのものや 嘔吐物による窒息のリスクや熱中症のリスクが高まること、顔色や唇の色、表情の変化など体調の異変への気づきが遅れることなどの心配がある一方、子どもが新型コロナウイルスに感染することや重症化する例は少ないことなどを理由としています。米国でも、2歳未満の子どもには使用しないよう警告しています。

香川のゲーム依存症対策条例「効果上がらず」

香川のゲーム依存症対策条例「効果上がらず」ゲームエイジ調査
2020年6月9日 16時18分【産経新聞】
 

香川県で4月から施行された「ネット・ゲーム依存症対策条例」について、地域の子供たちのゲーム利用時間の減少にはあまり効果が上がっていないことが分かった。

同条例は子供たちのゲーム依存防止のために利用時間を制限する内容。モバイルゲーム利用者約135万人の動向調査を行っているゲームエイジ総研(東京都渋谷区)が、全国平均と比較して発表した。

発表によると、新型コロナウイルスの感染拡大で休校措置がとられた時期と重なったためか、全国的に10代の利用時間は増加傾向にある。

香川県の10代の利用時間も全国と同様に、学校が休校になった3月7日前後から増加。条例が施行された4月1日には減少したが、その後の緊急事態宣言の発令に合わせて再び増加傾向に戻った。2月3日~4月19日の11週間で、利用時間平均は全国で計270・2時間、香川で計262・6時間と、あまり変わらなかったという。

総研は「条例の影響力は少ないのが実態のようだ。依存防止を意識してもらうためには、一律に時間制限するのとはまた違ったアプローチの方法が考えられるのでは」としている。

バランスの決断

北九州市の事例は、今後どこでも発生すると思われます。北九州市では、濃厚接触者は症状がない限り2週間の自宅待機のみを促してきました。ドライブスルー検査などPCR検査の受け入れ体制が充実してきたので、北九州市は感染症状のない子どもも全て、PCR検査を実施するようになったのです。つまり、今までも濃厚接触者を検査をすればその程度は存在していたことになります。学校が始まれば当然感染の可能性があります。従って、感染ゼロリスクで学校を開けるのは不可能なのです。感染率を下げるには接触回数を減らすしかありません。つまり、登校回数を減らすしかないのです。

ただ、こんなことをイタチごっこのようにやっていてもきりがありません。どこかで、子どもたちの教育保障と感染リスクヘッジのバランスの決断をする時が来ます。そして、PCR検査が万能のように主張される識者の方もおられますが、軽症や無症状であればあるほど陽性的中率は7割から5割以下に落ちていくので、検査陰性でも安心などとは全く言えないのです。子どもにとってはほとんど害のない感染と高齢者にとっては高リスクの感染をどうバランスをとるのかと言う決断がいるのだと思います。

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北九州市「第2波」発生2週間 学校、病院…試行錯誤続く
2020/6/6 6:00 【西日本新聞】

北九州市が新型コロナウイルス「第2波」発生を最初に発表してから6日で2週間となる。登校が始まっていた小中学校で児童生徒の感染が相次ぎ確認されたことで、全市的な分散登校に逆戻り。複数の大規模病院でクラスター(感染者集団)が発生し、救急患者の円滑な受け入れにも黄色信号がともる。今後、波及の恐れがある他地域の対策モデルとなれるのか。同市が直面する課題は多い。

■休校か登校か
北九州市を襲った新型コロナ「第2波」では、市内の小中5校の児童生徒が感染。これを受けた市教育委員会の対応は、一斉休校ではなく分散登校だった。「子どもたちのリスク低減は必要だが、心と体を育てる場でもある学校の継続も使命。バランスに悩んだ」。田島裕美教育長は決断に苦慮したことを明かす。小倉南区の小学校ではクラスターの疑い例も発生したが、市保健福祉局の永富秀樹局長は「現段階で国内の小学校での集団感染例はない。子どもから子どもへの感染と推定されているが、特定に至っていない」と慎重な言い回しだ。市に派遣されている厚生労働省のクラスター対策班が「教室内感染」と判断した場合、再開した全国の学校への影響が大きいためだ。市危機管理参与で、救急救命九州研修所の郡山一明教授は「児童らの感染は濃厚接触者のPCR検査をしっかりやって初めて分かってきたこと」とした上で「症状は軽症か無症状。『3密』の度合いを下げられる分散登校を選んだ」と説明する。市は今回、小中学生の感染発表に際し、性別などを非公表とする対応に切り替えた。加藤勝信厚労相は、5日の閣議後会見で「感染症は誰でも感染しうる。子どもたちや医療従事者への偏見、差別はあってはならない」と強調した。

■救急患者1.5倍
「1日の救急患者の受け入れが最近1・5倍に増えた」。市内の医療関係者は疲れ切った様子で語った。多くの急患を受け入れている北九州総合病院など三つの大規模病院でクラスターが発生したことで、別の病院に救急搬送が集中する課題が急浮上した。「第2波」の渦中、熱などの症状がない救急搬送の高齢患者らを念のため調べると、相次いで感染が判明。救急医療の最前線は、増加する急患とそこからの感染防止に神経をすり減らしている。市消防局によると、現時点で「搬送遅れなどの影響は出ていない」とする一方、同市などは市周辺の6医療機関にも急患受け入れの依頼を5日から本格化させ、「救急医療体制の逼迫(ひっぱく)」の回避へ力を注ぐ。市立八幡病院の伊藤重彦院長は「重症以外での救急外来を避けてほしい。軽症者は、まずかかりつけ医や電話相談をお願いしたい」と呼び掛けている。このほか、「警戒中の医療機関で、どうしてクラスターになったのか」など検証すべき課題は山積み。感染経路不明者の確認も市内全域で続き、一定規模の市中感染が疑われている。(竹次稔、一瀬圭司、山下航)

なぜそんなに早く諦めるのか

一昨日も学校のリスクヘッジとはゼロリスクを求めているのものではないという記事を掲載しました。今問題になっているのは、小6や中3の修学旅行等の宿泊活動の早々とした中止決定です。宿泊先の旅館も、自治体丸ごとキャンセルだと経営的に大打撃ですが、子どもたちも大ショックです。

ただでさえ、武漢ウィルス感染予防でプールもクラブも行事も自粛させられ、「勉強だけで学校に行くなら、ネット授業で十分。学校なんかいらない」と言う子どもたちの声もあります。子どもの感染症状のほとんどは無症状か軽症です。それがクラスターになって家族や老人への二次感染に繋がるのが怖いと言う訳です。でも、無症状で誰が感染しているか分からない中で学校は再開しているのですから、理屈としては二百日もある学校内での感染確率と3日程度の宿泊学習の感染確率は大差ないと思うのです。

同じ環境で健康観察が続けられた子ども集団の貸切車輌での移動と不特定多数の交通移動は同列視できないし、宿舎はホテルにし食事は部屋内での弁当にするなどいくらでも工夫はできるはずです。結局、教育の論理よりもリスク回避という名のもとの責任回避じゃないかと批判されるのは、無理もないなと思います。

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保護者「なぜそんなに早く諦めるのか」…区立中の修学旅行中止に不満も
2020/05/24 10:04【読売】

新型コロナウイルスの影響を受け、東京都世田谷区は今年度の区立中学校の修学旅行を中止にする方針を固めた。保護者からは「なぜそんなに早く諦めるのか」と不満の声が出ているが、区は「滞在先で生徒が発症した場合の安全確保が困難」と理解を求めている。

区によると、修学旅行を1学期中に実施予定だった学校の中には、日程を変更するのが困難なところもあるという。区教育委員会は、学校ごとに実施の可否が分かれることを懸念し、全ての区立中学校で中止にする方針だ。バスや電車を使った長時間の移動や、大人数での寝食を伴うため、感染リスクが避けられないことも理由という。

新型コロナの影響をふまえて旅程を変更した学校の関係者からは落胆の声も。ある中学校では、8月末~10月か高校受験終了後の3月の実施を目指して旅行会社と調整を進め、3月中旬に実施することが決まったばかりだった。この学校の保護者の一人は「子供たちは『コロナ禍では中止が当たり前』という感覚になってしまっている。もう少し前向きに検討できないものか」と話した。

文部科学省は修学旅行について、教育的な意義や生徒の心情への配慮を理由に、感染の収束後に実施を検討するよう求めている。

フェースシールド

スナックでフェースシールドした店員が水割りを作って客と話している映像がありました。お酒を飲みながらお話するのがスナックの価値なので、客がそれでいいならいいかなと思っていました。スナックだけではなく、あちこちの対人サービス営業のお店でフェースシールドが広がっています。要するにフェースシールドは「うちの店は安心安全だよ」という客引き用のツールになっているようなのです。

と言っているうちに、「わが町の学校は安心安全だよ」とフェースシールドを導入した自治体が出てきました。感染症よりもはるかに有病確率の高い熱中症になりはしないかと心配しています。過ぎたるは猶及ばざるが如し(度が過ぎることは、足りないことと同じくらい良くないということ )。

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フェースシールド、学校で必要? 医師「素手で触ると感染リスク」と警鐘
2020年6月2日 07時13分【東京新聞】

新型コロナウイルス感染拡大に伴い休校していた学校が1日、各地で再開された。感染防止のため児童生徒らにマスクの着用を求め、手洗いや換気の徹底を図る学校が多い中、顔の前面を覆うフェースシールドを着けさせる自治体もある。医師からは「子どもらが扱うにはリスクが高い」との見方が出ている。

「学校現場でもフェースシールドを活用しながら感染拡大を予防していきたい」。大阪市の松井一郎市長は五月二十二日の記者会見で、市立小中高の全児童生徒と教職員にフェースシールドを配ると明らかにした。市教育委員会によると、児童生徒用十八万七千個と、市立幼稚園を含む教職員用二万個を合わせた二十万七千個を業者から一千万円で購入。六月十日までに順次、配布する。

休み時間や給食の時間など、児童生徒が距離を保ちにくい時に着用させ、授業中は担任らに任せる。使用後は児童生徒らが水とせっけんで洗い、学校での保管を基本に、自宅に持ち帰っても構わない。市教委の担当者は「マスクと併用するか、どちらか一つを使うかは学校の判断」と話す。

福岡県粕屋町は町立小中の全児童生徒と教職員用に五千四百個を約百万円で購入し、登校が再開された五月二十五日に配布した。当初は授業中、原則全員に着用させていたが、保護者らから反対の声が寄せられ、熱中症の心配もあるとして、わずか一週間で方針転換。六月一日からは「着ける」「着けない」の判断を学校ができるようにした。

フェースシールドは医療従事者や、対面での長時間の接客を伴う店舗の従業員らが着けるのが一般的。文部科学省が定めた、新型コロナ感染に伴う学校の衛生管理マニュアルもフェースシールドには言及せず、マスクの着用や手洗いなどを求めている。同省健康教育・食育課の大西恵美保健指導係長は「マニュアルを作る際、専門家からフェースシールドの話は出なかった。飛沫(ひまつ)はマスクで防げると考えている」と説明する。

厚生労働省によると、五月二十七日時点の累計感染者数は一万六千四百七十五人。うち未成年者は4%の六百六十八人にとどまり、死者はゼロ。五月二十三日以降、感染者が急増している北九州市の小学校でクラスター(感染者集団)が発生しているとはいえ、児童生徒への影響は限定的だ。

教育評論家の親野智可等(おやのちから)氏は「感染をマスクで100%防げるわけではなく、フェースシールドの着用は理解できる。新型コロナは未知の部分が多く、試行錯誤して良ければ続ければいいし、悪ければやめればいい。ただ、熱中症や、暑さで集中力が落ちるリスクもある」とみる。

医師からは、注意を促す声が上がる。国立感染症研究所の元研究員で蔵前協立診療所(東京都台東区)の原田文植(ふみうえ)所長は「往診でフェースシールドを試したが、暑くて断念した。子どもが使うのは無理だろう。開いている部分から手を入れて顔を触ってしまえば、感染は防げない」と唱える。

埼玉県立小児医療センター救急診療科の植田育也科長も「フェースシールドは相手の飛沫が付着し、本来は医師らが慎重に扱わなければならない防護具。子どもらが素手で触ると、感染リスクが高まる」と強調した。

リスクヘッジ

各自治体歩調を合わせて今年は学校プール無しだそうです。以下のスポーツ庁の見解は前向きのタイトルですが、実は「安全対策を講じることが困難であれば、今年度の水泳を控えるよう」とゼロリスクでなければ中止を求めている様にも読め、中止への逃げ道を残しまず。確かに感染者が出るような無防備はまずいですが、一人も出さないと言うのは見えないウィルス相手に現実には無理な話です。現感染率はサイコロを6回振って同じ目の出る確率です。それでも「感染するかもしれないから、中止」がこんなに幅を利かせ、誰も文句が言えない雰囲気です。

昨日のマスクがつけられないASD者の記事も同じです。医療関係者等の装着以外マスクに予防効果はないと言うのがこれまでのWHOの定説です。いつの間にかWHOの定説を覆し、根拠データもなしに国民総マスク化がすすみます。武漢ウィルスは恐れる必要はない、中国はしっかり対応しているから大丈夫と1月当初は世界中にコメントし、瞬く間に世界で620万人が感染し38万人が死亡するという有様ですから、WHOの定説を信用しろといっても、こんな失敗があっては難しいのかもしれません。

それはさておき、危険だと言って中止するのは簡単です。しかし、リスクを減らしながらも、必要なことは実行していく冷静さも重要です。

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学校プールは実施可能 塩素濃度、適切管理で―スポーツ庁
2020年05月22日16時26分【時事】

スポーツ庁は22日、学校の水泳授業について、プールの塩素濃度を適切に管理すれば実施が可能だとする見解をまとめ、全国の教育委員会などに連絡した。専門家の意見を踏まえ、新型コロナウイルスの水中感染リスクは低いと判断した。一方で、十分な安全対策を講じることが困難であれば、今年度の水泳を控えるよう求めた。
授業では、水中で消毒効果を発揮する塩素(遊離残留塩素)の濃度について、従来と同様に1リットル当たり0.4~1.0ミリグラムとなるよう管理してもらう。ドアノブやシャワー、ビート板などは小まめに消毒し、プールサイドでの児童生徒間の距離を2メートル以上保つ必要があると指摘した。
幼稚園などのプールについても、同様の対策を講じることで実施が可能だと示した。

 

マスクできない理由分かって

マスクできない理由分かって 感覚過敏の娘、「『着けろ』と怒鳴られないか…」母の不安な日々
2020年6月1日 11:00 【京都新聞】

母親(上)がマスクを着けてあげようとすると、嫌がる娘(京都市内)
「自閉症の娘が、こだわりや感触の特性でマスクが着けられません」「日帰り温泉で、館内の利用を断られました」。京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」のLINEに、母親からの悲痛な声が届いた。新型コロナウイルス感染防止のため、マスク着用が「当たり前」になりつつある中、偏見におびえながら暮らす現状だという。
京都新聞社に声を寄せたのは、京都市西京区の母親(53)。長女(25)は、自閉症スペクトラムと重度の知的障害がある。障害の特性で体の感覚が過敏で、マスクが着けられない。
母親がマスクを着けてあげようとすると、長女は嫌がってその手を払いのけ、不快な表情を浮かべた。母親は「皮膚感覚や口をふさがれる圧迫感が、我慢できないのかな。知的障害の娘はマスクの必要性を理解できないし、無理強いすると自傷行為につながってしまう」と話す。長女は、他人のマスク姿も不安に思うようで、既に膝をかむなどの自傷行為があったという。

■日帰り温泉で売店などの利用断られ
5月、お風呂が大好きな長女を連れて、家族で京都府内の日帰り温泉施設に出掛けた。すると、受付で「マスクしてください」と言われた。障害の特性があってマスクを着けられないことを説明しても、「他のお客さまが嫌な思いをするかもしれないので」と浴室以外の売店や休憩所の利用は断られた。
風呂から上がった後は髪も乾かさず、日帰り温泉施設を急いで離れざるを得なかった。母親が事情を説明しても施設は売店や休憩所の利用を渋った。母親(53)は「同じ人間なのに、違う扱いをされて悲しくなった」と話す。
政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は5月4日、今後の感染拡大に備えた「新しい生活様式」を提言し、その実践例として「外出時、屋内にいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用」と求めた。マスクの着用を入店条件にする商業施設などが増えており、今夏以降も「マスクが当たり前」の社会が予想される。
母親は「外出時、『マスクを着けろ』と怒鳴られたり、白い目で見られたりしないか不安です」とし、「施設や店舗が『マスクなしでもOKの日や時間』を作ってくれるとうれしい」と話す。
「新しい生活様式」を担当する厚生労働省結核感染症課は、京都新聞社の取材に対し「感染予防には、手洗いなどを含め総合的な対策が必要で、マスクの有無が全てではない。マスクを着けられないからといって、不当な差別につながることがあってはならない」としている。

■感覚過敏 一つの刺激に集中
マスクの着用が困難な人に、どんな配慮が社会に求められるのか。自閉症や発達障害に詳しい「どんぐり発達クリニック」(東京都世田谷区)の宮尾益知医師=小児精神神経科=に聞いた。
一般的な感覚の人は、音やにおいなどさまざまな刺激を脳で自動的に取捨選択するが、自閉症の人は一つの刺激に集中してしまう。マスクが耳や口を覆う不快さや、マスクを着けた時に口が隠れる見た目の不自然さに集中してしまい、耐えられなくなる。
対策としては、締め付けの弱いタオルやフェースシールドを着けたり、マスクに口や好きなキャラクターを描くなどの手段がある。ただ、感覚過敏の人には、感覚が一般の人に比べて激烈でとても我慢できない人もいる。そうした事情を持つ人がいることも、社会に広く知られる必要がある。

テラハ問題は身近に起こっている

リアリティショーで人気の「テラスハウス」の木村花さんが、SNSでの非難を苦にして亡くなった事件は国会にまで議論が飛び火して、SNSを規制する方向で世論が動いているといいます。匿名なら何を書いてもいい、欲求不満のはけ口にしてもかまわない、金もらって出演している人と普通の人は違うなど様々な論点があります。

しかし、同じような傾向は別に有名人でなくてもクラスや職場の裏アカの書き込みにも見られます。書き込まなければ自分が狙われると言ういじめの構造とSNS問題はやや違いますが、ディスった人たちが社会的な罪に問われない、コミュニティーから排除されないというところは同じ性質です。そうは言ってもSNSはなくなりません。大人は子どもにどのように教えればいいのか議論を進める必要があります。

でも、下の長々とした論評よりも、今日東京上空を飛んだブルーインパルスの医療従事者への感謝飛行の方が何百倍も説得力があります。ガンバレ!ありがとう!を交わし合う感動が、多くの人々を前向きに一つにしてくれることを、教えてくれています。

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テラハ問題を理解できない若者たちの闇 「何が問題なの?」
2020.05.29 17:00 【NEWSポストセブン】

5月23日、女子プロレスラーの木村花さん(享年22)が急逝した。花さんは恋愛リアリティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系・Netflixでも配信)に出演していたメンバーで、女子プロレスで培ったヒールとしての役割を演じた彼女の姿に、かねてよりネット上では多くの誹謗中傷が飛び交っていた。

27日、フジテレビは同番組の打ち切りを発表。フジテレビと制作会社は「木村花さんがご逝去された事について、あらためてお悔やみ申し上げます。またご遺族の方々にも深く哀悼の意を表します」とのコメントを発表している。一般人も含めた出演者たちの恋愛模様を赤裸々に描くというコンセプトの「恋愛リアリティショー」には、これまでも出演者のデマ情報の流布やSNSでの執拗なアンチコメントなどが問題視されてきた。

今回の木村さんの訃報に触れ、多くの人たちが誹謗中傷の書き込みに対する非難の声を上げている。しかし、この痛ましい出来事を受けてもなお、「何が問題なのか分からない」という若者たちもいるという。私立大学で教鞭を取る情報学系の研究者A氏(30代)は、今回の件を受けての学生からの反応に驚いたという。「学生に今回の件について尋ねたところ思わぬ反応があった。『テラハのファンだった』という女子学生の一人は、『彼女が亡くなったのは個人的な問題なのに、なぜ番組が叩かれるんですか? 番組を作っている人と、番組のファンが被害者です!』と言ってきた。このコメントには唖然としましたが、他の学生も『ネットの言葉なんか無視するべき、スルースキルがあれば起こらなかったと思う』、『アンチも養分だと思わないと。正直、続きが気になっていたし、新しく加入したメンバーがかわいそう』などとコメントをしていたんです。肩透かしを食らった気持ちでした。ここまで、言葉の持つ力は軽いものなのか。

木村さんと同年代の視聴者の声を聞き、自分自身の考えが甘かったと猛省しました。日本のリテラシー教育にかかわる研究者、教育者として、ここまで根深い問題があるとは、今回の件まで理解できていなかったのです」A氏はさらに、学生へ向けて「芸能人や著名人のSNSにコメントをする(リプライを送る)ことはどう感じるか? リプライしたことはあるか?」と尋ねたところ、多くの学生から「友だち感覚でリプを送れる」、「つまらない芸人には、リプで『全然おもんない』と送ったことがある、「ふざけてDMを送る友達も多い」などという反応があったという。同じツールを使う者同士、フラットな対人関係にあると錯覚するのではないか、と付け加えた。

今回、テラスハウスに関しては過剰な演出や台本の有無なども話題にされているが、「議論をそこに矮小化しないで欲しい」と語るのは、別の私立大学で社会学を教えるB氏(40代)だ。「視聴者のリテラシー不足を非難する前に、そうした激情型の視聴者を煽り立て、そのネガティヴなエネルギーでコンテンツの価値を増幅させようという制作意図自体に限界が来ていた。経済学でいう『アテンション・エコノミー』(※注目や関心の高さが経済的利潤を生むという概念)が悪い形で発露した事例ではないでしょうか」「リアリティショー」という番組構成に対して、視聴者が「現実とドラマの世界を区別できない」という指摘についてはどうか。B氏はこう語る。

「『リアル/バーチャル』以前に、私たちはある種のステレオタイプのもとに、対象を『見たいように見る』。たとえば、今回の場合は番組制作サイドも視聴者も、木村さん個人ではなく、“女子プロレスラー、ハッキリと意志表示する強い女、個性的なヘアメイクやファッション”といった要素やカテゴリーで彼女を切り取った。か弱く守ってあげたい受動的な女性像とは真逆です。そして一部の人たちの間には、こういったカテゴリーの女性ならば非難して良いんだ、という認識がある。誹謗中傷する者にとっては、リアルかバーチャルかはどちらでも良い。ただ『叩きやすい要素』、『盛り上がれる要素』があれば良い。そこにジェンダー的な問題が潜んでいることを、もっと私たちは自覚しないといけません」(B氏)

問題はネットリテラシー以前の、より根深いところにあるのかもしれない。

PECSセミナー in 京都

PECS「レベル1ワークショップ」(初級)が7月25日(土)26日(日)の二日間京都市で予定通り開催される見通しです(会場は未定ですがいつもは京都テルサです)また、家で学べるオンラインワークショップ(ZOOM使用)も6月13日  ~6月14日、6月20日~6月21日に開催されます。一般は39000円ですが保護者・学生は29000円です。いずれもピラミッド社のWEBから申し込み可能です。ご相談は、すてっぷのスタッフまでお声掛けください。

 

 

テレワーク継続

テレ(リモート)ワークをやってみると意外に会社に行く必要はそんなにないと感じたサラリーマンは多いと聞きます。緊急事態宣言が解除されても、そのままテレワークが続けられる会社はそのままでという政府の後押しもあって、新しい働き方が定着するかもしれません。そして、それは社会性の障害等を持つ人たちにとって、新しい就労の機会=在宅勤務の機会を広げることになるのかもしれません。

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【事例】ITスキルを学び、テレワークを実現!
       障害者就労移行支援manaby
@Press
2020.5.21 16:12 SankeiBiz © 2020 SANKEI DIGITAL INC.

障害福祉サービス、就労支援事業を行う株式会社manaby(本社 宮城県仙台市、代表取締役 岡崎衛)は、創業時から障害者への在宅就労訓練を提供しており、就職者の23.2%(※2020年3月時点)がテレワークで活躍しています。

★得意を活かして在宅就労を実現
Aさんは、自動車部品を販売する会社でEC(通販)サイト用の画像加工やバナー制作、HP更新の仕事をしています。障害者雇用枠ではなく一般の求人でしたが、自身の障害をオープンにして働いています。自分が学んできた技術を活かせる仕事があるとマナビーの支援員から紹介され、入社して1年が経ちました。Aさんにはパニック障害がありましたが、現在はほぼ寛解しています。発症は公認会計士を目指して頑張っていたころのことでした。一次試験を通過し、二次試験に向けて勉強に取り組んでいるときに体に異変が起きたのです。机に向かっても気分が悪くなってしまい、人混みに出ると疲れるようになりました。電車に乗るのもつらく、休むことしかできなかったと言います。しばらくは不安定な体調との闘いでした。医師と相談しながら薬の量を増やしていったあるとき、「もう少し外に出てみよう」と思えたそうです。そんなときに検索して見つけたのがマナビーでした。 

★心強い仲間の存在
Aさんは公認会計士への挑戦から気持ちを切り替えて、マナビーで学ぶことを決めました。在宅訓練ができると知って興味を持ったマナビーでしたが、支援員からは「Aさんならできるはず」と通所訓練を勧められました。電車もそれほど混んでいなかったので、通ってみることにしたAさん。事業所でホームページ作成のHTML/CSS、画像処理のPhotoshop、illustratorなどを学びました。「スタッフが一緒に考えて応援してくれるので、自分のできることをやってみよう、と思えるようになった。一人じゃない、と感じました。心強いですね。」とAさんは言います。

★健康に働き続けるために
現在Aさんは自宅で週に5日働いていますが、体調を崩すことなく仕事に集中できています。「多くの人とのコミュニケーションに疲れてしまうところもあったので、在宅で働くことで、自分にとって程よい距離感を維持できるとも感じています」一方で、意識をしないと家に籠りがちになってしまいます。Aさんは、運動不足解消もかねて毎朝30分近所を散歩し、太陽の光を浴びるようにしているそうです。また、腰を痛めないように椅子に姿勢補助器具を使うのも、快適に働くためのポイントです。

★いま、自分にできることを積み上げること
社会の状況で思うようにできない、他人のようにはできない、と悩む方がいるかもしれません。自分の目指す働き方を実現するのは難しいと思うこともあるでしょう。「いま、自分にできることを積み上げていくことが、きっと自分らしい働き方につながる。自分もそうだったから」と、Aさんは力強く語ってくれました。そしていま、Aさんは働きながらファイナンシャルプランナーの勉強をしています。すでに2級の資格を取得して、さらにその上を目指して頑張っています。「障害者が直面するお金の相談に乗れるように、困っている人の役に立ちたいと考えるようになりました。そんな仕事もしていきたい。仕事はひとつでなくてもいいですよね。」

「放課後等デイサービス」経営悪化

障害児支える「放課後等デイサービス」経営悪化の事業所相次ぐ
【NHK2020年5月25日 5時38分

多くの特別支援学校で休校や分散登校が続く中、障害がある子どもや家族を支えているのが、「放課後等デイサービス」と呼ばれる制度です。民間などの事業所が子どもたちを受け入れ、自立した社会生活を送るための力を養うものですが、国の要請で運営時間を延長した3月以降、経営が悪化する事業所が相次いでいて、業界団体は支援を訴えています。

東京 江東区にある放課後等デイサービスの事業所はこれまで午後2時から5時半まで開けていましたが、特別支援学校が休校になった3月以降は子どもの居場所を確保してほしいという厚生労働省の要請を受け、午前8時半から開けて運営時間を延長しています。

ダウン症の娘が通う区内の女性は「自宅では同居する母親を介護するため子どもをみる時間がないが、ここに来れば友達や顔見知りのスタッフもいる。サービスのおかげで生活リズムを保つことができる」と話していました。

その一方、事業所では東京都の外出自粛要請が続く中、利用者数自体は減り、運営時間が延びた影響で人件費は増えたことなどから、先月の収支はおよそ130万円の赤字だったということです。

事業所を運営する田中祐子さんは「今は経営は二の次で、サービスを必要とする子どもや家族の声に応えたくて続けています」と話していました。

全国476の事業所が加盟する「障害のある子どもの放課後保障全国連絡会」の中村尚子副会長は、「放課後等デイサービスの運営費用はその月の利用者数に応じて国と自治体から支払われる仕組みで、今回のような事態が起きると存在が危ぶまれてしまう。公的な支えが必要だ」と訴えています。

京都市学校再開案内

京都市の学校再開案内が22日に発表されました。読んでいてごちゃごちゃ書いてあって具体的なことがよくわからないです。文書は5W1Hをバランス良く書く必要がありますが、今回の文書は言い訳のようなWHYがやたらに多いのです。

主旨は、1週目は給食無し帰り、2週目は給食あり帰り、3週目から平常校時です。また、登校が不安な家庭の児童の欠席は当面欠席日数としてカウントしないそうです。これは強迫性やこだわりが強い子どもの家庭の場合かえって複雑な事態を招きそうです。

尚、2週目までは全員が集まると良くないので半分づつ登校する学校や、学年で時間帯をずらして登校する学校になるというものです。これがものすごくわかりにくいのです。これで感染予防になるのかなとも思います。ウォーミングアップだの欠席はつけないだのと全学校が揃えることを指示しながらも、児童生徒の分け方も登校日や始業終業時間も各学校に丸投げしているので、各校の足並みが揃わないようです。あえてややこしい指示を出しているのは、責任の半分を学校に持たせたいのかなとも勘ぐってしまいます。

そして、学校の登校人数を半分にしたからといって感染リスクが半分になる証拠も、逆に、人数を倍にしたらリスクが倍になる証拠も今のところはないのです。それは、この3か月、日曜以外毎日開所してきた、3密の学童保育や放デイの感染者が京都中ゼロ名で、この理屈が成り立たないからです。しかも、子どもらの多くは品切れや様々な理由でマスクすらしていないにも関わらず、京都府の感染者はゼロだからです。つまり、2週間の半数登校作戦にリスクを減らす統計的な根拠は今のところないのです。強いて言えば、この方が安心だという気分が得られるということかもしれません。

発表後土日をはさんでいるので、明日からもう少しまともな提案が各校から出されるのかもしれません。しかし、働いている親にとっては、宣言が解除されているのにあと半月、隔日や時間別の登校に付き合わされるということです。もちろん3密の学童保育や放デイは、まだまだ延長してこの受け皿になるわけですから、どこが感染予防に慎重なのか科学的な根拠すら乏しいと思います。今回の再開指示が「感染回避の対策はしましたよ」というアリバイ作りに見えてしまうのは私だけではないと思います。

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令和2年5月21日
京都市教育委員会

市立学校・幼稚園の再開について

政府による緊急事態宣言及び京都府知事からの学校に対する休止要請が解除されたことを受け,下記のとおり,本市立学校・幼稚園を再開します。

1.学校・幼稚園の再開時期
 5月31日(日曜日)までとしている臨時休業期間については,5月18日(月曜日)からの「教育活動再開に向けた準備期間」の取組(希望制による「学習相談・面談」や,学級や学年等を対象とする「登校(園)日」等。)を継続し,準備を進めたうえで,6月1日(月曜日)から学校・幼稚園を再開します。

2.段階的な学校・幼稚園の再開
 令和2年3月5日からの休業期間が3か月に及ぶことから,再開に向けては,各校種の実態も踏まえながら,段階的に,通常の教育活動へ繋げることとします。

(1)6月1日(月曜日)から12日(金曜日)まで (高校は5日(金曜日)まで)
ア 児童生徒等が,学校・幼稚園生活へ順応するための「ウォーミングアップ期間」として,各校種の実態も踏まえつつ,段階的に「在校時間を増やす」,「登校する日を増やす」等しながら,学校園を再開します。
イ 長期間に及ぶ臨時休業期間を踏まえ,児童生徒等の心身のケアとともに,学校生活における感染拡大防止のための行動様式の確認と指導を図りつつ,児童生徒等同士また児童生徒等と担任をはじめ教職員とのつながりを深める期間とします。
ウ また,臨時休業期間における家庭学習等の丁寧な確認と見取りを行い,必要に応じて指導し,その定着を図ります。

(2)6月15日(月曜日)以降 (高校は8日(月曜日)以降)
通常の学校教育活動を再開します。

※ 6月1日(月曜日)以降に実施する教育活動に,感染拡大への懸念等から御家庭の判断により欠席する児童生徒等は,当面,指導要録上の「欠席」としない取扱いとします。

3.感染拡大防止対策の徹底について
 各学校・幼稚園で,次の事項を踏まえた,学校・幼稚園ごとの感染拡大防止の取組指針を作成し,保護者等とも共有して,感染拡大防止を徹底しながら教育活動を行います。

(1)基本的な感染症対策の徹底
ア 登校時,授業と授業の間や給食時間前,長時間休憩後等のこまめな手洗いや咳エチケットを徹底するよう指導。
イ 多くの児童生徒等が手を触れる場所(ドアノブ,手すり,スイッチ,共用する器具等)の毎日の消毒。
ウ 免疫力を高めるため,十分な睡眠,適度な運動やバランスの取れた食事を心がけるよう指導。

(2) 集団感染のリスクへの対応(「3密条件」の回避等)
ア 教室等のこまめな換気を実施。
イ 教室内の座席と座席の間隔をできる限り広く確保するなど席配置を工夫。
ウ 飛沫を飛ばさないよう,やむを得ない場合や場面を除き,必ずマスクを着用するよう指導。また,教職員,来校者もマスクの着用を徹底。

(3)児童生徒等の健康管理の徹底
ア 毎朝「健康管理票」を持参させ,健康観察を徹底。
イ マスク着用に伴い,熱中症のリスクが高まる可能性があるため,室温調整やこまめな水分補給等の実施。

4.新型コロナウイルス感染症の予防に関する指導
 児童生徒等が,新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識を身に付け,感染のリスクを自ら判断し,これを避ける行動をとることができるよう,発達段階に応じた指導を実施します。
5.各教科等の指導における留意事項
(1)各教室の席は全員が前を向く講義型(一斉授業の形態)として,席間についてもできる限りスペースを空けるなど席配置を工夫。
(2)児童生徒同士の話し合い活動やグループ活動等については,近距離での会話とならないよう,また,それが難しい場合は,当面,行わない等,授業展開を工夫。
(3)各教科等の特性上,感染症対策を講じてもなお飛沫感染等の可能性の高い活動を行う場合等については,順序の変更等の工夫。
6.給食の実施について
 小学校・中学校(義務教育学校含む),及び総合支援学校では,以下に留意し,6月8日(月曜日)から給食を再開します。
(1)配食・会食前や返却後の手洗い,給食当番のマスク着用等,感染防止対策を徹底。
(2)給食の受取,返却等は,学年ごとに時間差を設けるとともに最少人数で行うなど,密接,密集を避ける。
(3)会食時は,飛沫を生じないよう,机を向かい合せにしないで会話を控える。
7.部活動について
 中学校(義務教育学校後期課程含む),高校では,通常の学校教育活動の開始日(中学校は6月15日(月曜日),高等学校は6月8日(月曜日)予定)以降,条件付きで再開します。
 小学校は,児童への負担等を考慮し当面休止とします。
8.授業時数の確保に向けた取組
 夏休み等の10日程度の短縮や,学校行事の見直し,1校時当たり5分短縮することによる7時間授業を週1回から3回程度実施するなど,児童生徒等の負担にも配慮しながら,様々な工夫を行い,授業時数を確保します。

市立学校・幼稚園の再開について
お知らせ(5月21日付け)(PDF形式, 962.87KB)

 

将棋道

将棋は、藤井聡太四段のように身近な家族から教わることが最初の第1歩です。しかし、最初から8種類20枚の駒(コマ)を使って将棋をすることは難しいものです。そこで段階を踏んで将棋に興味をもってもらい、強くなるための本格的な指導は将棋教室等強い人に教えてもらいます。
将棋には、大人でも難しいと感じる「漢字」がたくさん書かれています。そのため「苦手意識」を持ってしまう子供も多数います。実は将棋には様々な遊び方があります。「遊び」を通じて、将棋の駒への抵抗感を下げていきます。

◎まわり将棋
将棋盤と駒をつかった2人対戦の「すごろく」ゲームです。お互いに「歩」1枚を将棋盤の「隅」(対角線状)に置きます。4枚の「金」をさいころのように振って、出た目を合計した数だけマスを移動します。
裏 ⇒ 0マス
表 ⇒ 1マス進む
横向き ⇒ 5マス進む
上向き ⇒ 10マス進む
下向き ⇒ 20マス進む
マスは将棋盤の端を時計回りに移動します。コマが将棋盤を1週するか。「隅」に止まると大きなコマに変ります。
歩 ⇒ 香 ⇒ 桂 ⇒ 銀 ⇒ 角 ⇒ 飛車 ⇒ 王将
早く王将になった人が勝ちです。自然に「駒」の格(強さ)を学ぶことができます。

◎将棋崩し
2~4名で対戦するゲームです。将棋の四角い箱に、全ての駒を入れた状態で将棋盤にひっくり返して「山」を作ります。指1本だけを使って、音を立てないようにコマを将棋盤の外に出します。出したコマは自分のものになります。もし、「カタッ」と音が鳴ってしまったらその瞬間に、次の人に交代します。山がすべてなくなり、最後に持っているコマの数が一番多い人が勝ちです。

◎はさみ将棋
2名で対戦するゲームです。それぞれ9枚の「歩」を将棋盤の端に並べます。「歩」は左右上下のいずれかに動かすことができます。交互に1つずつ「歩」を動かし、相手の「歩」を自分の2つの「歩」で挟み込むと相手の「歩」を取ることができます。1つだけはなく、隣同士で並んでいる「歩」の両端を挟めば、2個以上とることが可能です。相手の「歩」を全てとったほうが勝ちです。

◎スタディ将棋で駒の動かし方を覚える
本将棋をはじめる子供は、「くもん出版」から販売されている「スタディ将棋」を使うことが多くなっています。動かせる方向が描かれているため、わざわざ動かし方を覚えなくても将棋を楽しむことができるからです。実は、話題の藤井四段も子供のころに使用していました。藤井四段への注目度があがるにつれて、「スタディ将棋」も人気となっているため、現在は品薄状態になっています。

将棋はゲームのひとつであるため、将棋を一生懸命頑張ったからと言って学校の成績がよくなるわけではありません。しかし、将棋を楽しむことによる副次的なメリットがいくつもあります。
1.礼儀・マナーをおぼえる
将棋教室に参加すると、同世代はもちろん、年上のお兄さんから年配のおじいちゃんまで幅広い年代の人と対局をすることになります。将棋も日本の古い武道とおなじく「礼」に始まり「礼」に終ることを重んじているため、しっかりとした礼儀作法を身に着けることができます。
2.地道な努力の大切さを学べる
将棋で強くなるためには、無数にある局面において、どのように指した方が有利かと言う「記憶」が極めて重要です。したがって、過去の棋譜を地道に覚えるという作業が必須になります。将棋以外の分野でも良い成績を収めるために努力が必要と言うことが理解できます。
3.達成感を得ることができる
一生懸命努力をして、今まで勝てなかった相手に勝てた時の喜びはとても得難いものです。その喜びを知っているからこそ、日々の地道な努力を続けることができるのです。将棋の世界は細かく「級」にわかれており、自分がどんどん強くなっているという実感が持ちやすく、特にやり始めの時は達成感を得やすい習い事です。

緊急事態宣言 京都大阪兵庫解除

 緊急事態宣言 北海道は継続へ
05月21日 11時56分【NHK】


緊急事態宣言の解除をめぐり、政府が専門家に意見を聴く「諮問委員会」が開かれ、大阪など関西2府1県で解除するとした政府の方針は妥当だとする見解が示されました。東京など首都圏の1都3県と北海道は宣言が継続されることになります。
新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言の解除を前に、政府が感染症の専門家などに意見を聴く「諮問委員会」が午前10時ごろから開かれました。
冒頭、西村経済再生担当大臣は「8都道府県のうち京都府、大阪府、兵庫県では直近1週間の新規感染者の報告数が10万人あたり0.5人程度以下となり、医療提供体制や監視体制も十分と認められることなどを総合的に勘案し、宣言を解除することが妥当と判断される」と述べ、関西2府1県で宣言を解除する方針を諮問しました。
このあと西村大臣は記者団に対し、関西2府1県で解除するとした政府の方針は妥当だとする見解が示されたことを明らかにしました。
東京など首都圏の1都3県と北海道は宣言が継続されることになります。
これを受けて政府は午後、衆参両院の議院運営委員会での報告と質疑を経て、21日夜に開く対策本部で正式に決定することにしています。
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あちこちの放デイでは「もう限界」と言う声が聞こえていたので、やれやれというところです。おそらく冬までは第2次宣言はないと思いますが、放デイのマンパワーがかなり疲弊して、ボロボロになっているのは間違いないです。

ソーシャルナラティブ

昨日のソーシャルナラティブという言葉が初めて出てきたので解説します。これは、以前書いたソーシャルストーリーTMのことです。自閉スペクトラム症の人の捉え方に合わせて(=理解の仕方に配慮しながら)、社交上の約束事や暗黙の了解について伝える方法です。非自閉スペクトラム症の人々が、自閉スペクトラム症の人に物事を伝える際のマナーとも言えます。開発者のキャロル・グレイが書いた書き方ルールは著作権があり、「ソーシャルストーリーTM」とされています。それをまねて(C・グレイ)のルールに完全には従わず、オリジナルのものを書く場合は、区別のために「ソーシャルナラティブ」と称すべきなので今回はソーシャルナラティブと書きました。

ソーシャルナラティブという用法を日本でおそらく初めて論文で用いた藤野・米山(2009:415)らには、用語について以下のような注があります

「ソーシャルストーリーTM」という名称は米国において 商標登録され,現在では Gray による公認を受けなければ,この名称を使った講演,研修会,研究発表などを行うことは許可されていない(Gray, 2006)。一方,Myles, Trautman, & Schelvan(2004)はソーシャルストーリーTM に代表される社会的状況の意味を説明し望ましい行動の 見本を記述した物語を使った支援方法の一般呼称として“Social Narrative(ソーシャルナラティブ)”という名称を 創案し使用している。本稿でも Myles らにならい,この ようなタイプの教育技術を「ソーシャルナラティブ」と 総称することにした。また先行研究で“Social Stories” を使用したと記載している論文でもGrayによる公認を受けたことが明記されていないものは“Social Narrative(ソーシャルナラティブ)”を使用したものと解釈し,本稿ではそのように表現した。

 

ソーシャル・ナラティブで感染不安の解消を

毎日、垂れ流される武漢ウィルスの感染情報に恐れをなしているASD児のことについては何度か掲載してきましたが、問題は正確に感染のリスクが子どもたちに知らされていないことです。なので、他者に接触すれば感染すると誤解している子どもが少なくありません。これをソーシャル・ナラティブ風に書くと以下のようになります。

新型コロナウィルスに感染した人はこの4か月間で16367人。10万人に13人です。これは、サイコロを6回振って6回連続で同じ目が出る確率に近いです。つまり、感染する人はものすごく少ないのです。

4か月間で交通事故に遭う確率は10万人に100人で、先の感染確率の8倍で0.1%です。この確率でも、通事故にあうかもしれないから外出しないという人はほとんどいません。それはごく小さな確率だからです。信号を守る、一時停止をする、交差点で左右をよく見て通行するという交通ルールに気を付ければ事故を防止できる確率だと考えられるからです。

新型コロナウィルスの感染率はそれより一桁小さな確率です。これは外出してもほとんど感染しないと考えて良い確率です。マスクをする、外のものを触った手で目や口を触らない、帰ったら手を洗う、この三つを守れば予防できる確率だと考えられます。

コロナウィルスは人に直接接触しても皮膚から感染はしないウィルスです。つまり、皮膚感染を恐れる必要はありません。友達の身体に触れても感染しないのです。どうしても気になる時は、ポケットに除菌シートを入れて黙ってそっと手をふけば気持ちが落ち着くかもしれません。

このウィルスは70歳以上のお年寄りの人に感染したときに重い肺炎になりやすいです。しかし、子どもが感染しても、何も起こらないか、少し熱が出るくらいの人が多いです。新型コロナウィルスの感染が原因で死んだ子どもは、わが国には一人もいません。

テレビでは、感染が少なくなっているのに、感染すると危険だという情報を毎日何回も放送しています。これは、感染数が少なくなったという放送より、感染は危険だという放送の方が視聴率が上がるからです。テレビ放送は視聴率が上がるように作られるので、真実が放送されないこともあります。ただ、子どもには何が正しい情報か調べる方法がないので、私は、親や先生に聞いて確かな情報を教えてもらいます。

私は、外でマスクをすれば直接口を手で触れないし、帰ったら手を洗うのでウィルス感染の予防ができます。そして、もしも、子どもが感染しても軽い症状だけで治ってしまうので、私は心配しなくても大丈夫です。

YouTube「向日が丘学習支援チャンネル」

臨時休業中の学校のホームページを見ると、先生方が色々頑張って発信している学校もあります。小中学校独自ではテキストベースのものが多いですが、支援学校はおもしろい動画のオンパレードでした。

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京都府立特別支援学校で学まなんでいる児童生徒のみなさん、学校に通かよえない毎日が続いていますが、元気にしていますか。このページぺーじ『まなびのバイキングばいきんぐ』は、コロナウィルス感染拡大予防のため在宅となっているみなさんを応援するために、全の府立特別支援学校の先生が協力して立ち上げました。このページには、みんなの笑顔を思浮かべながら考えた先生たちのアイデアがたくさん詰まっています。自分のできそうなもの、楽しそうなものを選んで見てください。そしてやってみてください。そして、学校でまた会えたときに、どれが楽しかったか教えてくださいね。それでは、「見みてみよう・やってみよう!!」

http://www.kyoto-be.ne.jp/tokubetsu/cms/?page_id=96

これの向日が丘支援学校版がyoutubeにアップされています。

https://www.youtube.com/channel/UC-R92ycFKYIO1WexpZVym8Q

校舎内やスクールバスに投影するプロジェクションマッピングや簡単なマジックなど楽しいですよ。一度覗いてみてください。

 

川崎病類似の症例

新型コロナ、川崎病類似の症例急増に関与の疑い-イタリア医師ら指摘

ブルームバーグニュース Jason Gale 2020年5月15日 9:15 JST

少数の子供にしか見られないが、発症すれば血管に炎症が起き大事に至ることもある川崎病に似た症例が世界各地で報告されている。症例数は通常の約30倍に急増しており、新型コロナウイルスがこれを引き起こしている可能性があると、イタリアでの調査報告が指摘した。子供へのリスクについて、パンデミック(世界的大流行)の影響に苦しむ他国にも不吉な警告だ。

イタリアの感染拡大の中心地となったベルガモでの詳細な分析が14日、医学誌ランセットに掲載された。それによると、川崎病に似た症状の子供が10人見つかり、さらにニューヨークと英イングランドでおよそ90人の症例が報告された。

川崎病は5歳までの子供がかかることの多い希少疾患で、血管に炎症や腫れを起こす。発熱や発疹、目の充血、唇や口の乾きやひび割れ、手のひらや足の裏の赤み、リンパ節の腫れなどの症状を伴う。

新型コロナ感染症(COVID19)にかかっても子供は成人に比べて重症化するリスクは依然低いが、リスクはゼロではないと、この報告は明示している。新型コロナが猛威を振るう他国でも同様の症例が発生する可能性があり、学校再開を巡るガイドラインを策定するに当たり考慮すべきリスクだろう。

報告執筆者の1人でベルガモの小児科医であるアンナリーザ・ジェルバゾーニ氏は、「われわれの経験では、新型コロナに感染した子供のうち川崎病のような症状が出てくるのはごく少数だ」としつつ、「世界の各国が社会的な距離をとる政策の緩和を計画する中では特に、新型コロナが子供に及ぼす影響を理解していくことが重要だ」と電子メールで指摘した。

一般的な例では、この症状を発症した子供のうち約4分の1が心臓の合併症を起こすが、適切な治療が行われれば命に関わることはまれだという。この症状を引き起こす原因は判明していないが、感染に対する免疫の過剰反応が関係しているとみられる。

原題:Coronavirus Spurs Spike in Serious Blood Disorder in Children(抜粋)

大阪に追随「京都方式」

昨日掲載した武漢ウィルス感染症緊急事態宣言の解除を示した「大阪モデル」にならって、5/12日に「京都方式」を発表しました。以下が京都府LINE公式アカウントの発表です。

【京都府LINE公式アカウント 新着情報 #新型コロナウイルス】
本日開催の専門家会議において、緩和判断基準(案)について議論頂き、概ね了解を得ました。
コロナ感染症は収束した訳ではなく、緩和は段階的かつ慎重に進めていく必要があります。
最終的には、15日に開催する専門家会議を踏まえ対策本部会議において決定します。

<4つの判断基準(案)>
①新規陽性者数 5名未満(7日間平均)
②感染経路不明者数 2名未満(7日間平均)
③PCR検査陽性率 7%未満(7日間平均)
④重症者病床使用率 20%未満
※全ての指標が7日間連続で下回っていることが確認できた段階で緩和に移ります。

大阪の3分の1の人口で換算すれば、大阪府感染経路不明者数10名より厳しめですが、数値で枠組みを決めたところは評価できます。と、思っていると政府も追随して、発表するようです。

政府は14日午後、安倍晋三首相が記者会見し、解除を判断した理由などを説明します。対策本部での正式決定は会見後となる予定です。

解除の根拠は、直近2週間で新規感染者数が減少傾向にあり、「直近1週間の新規感染者数が人口10万人あたり0・5人以下」などとするものの、必達の基準とはせず、医療提供体制に余裕があるかやPCR検査の拡充など各地域の状況を総合的に判断する方向です。

再び感染が急拡大する兆しがみられる場合は、改めて緊急事態を宣言する考えです。ただ、具体的な数値基準は示さず、直近の新規感染者数や、感染経路不明者の割合などをもとに判断する方向で調整中と言います。

どうも官僚色が強ければ強い程、責任を取りたくないのか条件が曖昧ではっきりしない感じがします。数値基準もハードルが高過ぎます。人口1億2千万とすれば、新規感染者数が週600人、一日85人以下ならOKですよということです。京都府260万なら週13人、1日2人未満ですから、京都の5人未満目標の倍以上のきつい目標となります。ただ、学校を3か月止め、飲食店も1か月以上止めれば達成はできるはずです。気になるのは煽り気味の自粛ムードと、その同調圧力を恐れて解除の決断が根拠なく遅れてしまうことです。

 

大阪モデルと視覚化の効能

大阪府では5月5日、『大阪府新型コロナウイルス対策本部会議』で、約1カ月延長が決定した緊急事態宣言の規制を早期に緩和させるための独自基準「大阪モデル」を決めました。吉村洋文知事は、「感染状況を4つの信号に分ける。警戒信号が7日間点灯しなかったら自粛を解除する」と発表しました。

この日の会議では、府独自の基準にも基づく自粛要請もしくは要請解除の基本的な考え方について検討。モニタリング指標として、4つの警戒基準案を資料にして公表しました。
1つめは、新たに発見された感染経路(リンク)不明陽性者の増加比(前週比1未満)
2つめは、新規陽性者における感染経路不明数(10人未満)
3つめは、新規PCR検査での陽性率(7%未満)
4つめは、重症の患者を受け入れる病床使用率(60%未満)
(5月4日時点で、1=0.68、2=7.29人、3=4.5%、4=33%とすべて基準値以下)

この4つを「警戒信号」とし、陽性者の発生を抑えて4つの信号すべてが原則7日間消えれば自粛は段階的に解除します。一方、解除後であっても1から3までの信号が全点灯した場合には、改めて府民へ自粛などの対策を要請するという方針です。現在の緊急事態措置において、5月31日までは自粛を継続しますが、吉村知事は「14日の国の判断も参考にしながら、15日に府としてどう判断するかを発表したい」と、大阪府ではこれら警戒基準案をベースに段階的な解除が可能か判断するといいます。今後、府下の警戒状況については、「より分かりやすく行動変容を促せるよう大阪城や太陽の塔、通天閣にも協力をお願いし、大丈夫は緑、警戒は黄色、注意は赤などライトアップで見える化したい」と語りました。

大阪城のライトアップは金がかかりすぎると松井市長に断られましたが、視覚化と言うアイデアは安心感をもたらします。発達障害の人だけでなく、誰だって視覚化すれば見通しがもてて頑張ろうとするのがよくわかる事例だと思います。今日で達成6日目で後二日で判断です。基準や枠組みを示し視覚化すれば、辛いことなのに楽しみさえ持てるのが視覚化のすぐれたところです。

SNS

発達障害の中でも特にASD(自閉スペクトラム症)の方は、相手の気持ちを汲み取る事や、相手の発言の行間を読むことが苦手です。その為、SNS上でも相手の気持ちがわからず、当事者が気づかない間に相手を傷つけてしまう可能性があります。Twitterで不適切な発言をしてしまい、本名が晒される報復を受けたりします。この場合、被害を受けるのは本人だけでなく、家族や親戚に迷惑をかけてしまうことになる為、「拡散」がされやすいSNSでの発言は要注意です。また、その他に、発達障害を持つ方がSNSを利用する際に気を付けないといけないことは、他のユーザーから誹謗中傷等のリプライ(返信)を受けてしまう事です。

インターネット上には様々な人がいます。中には憂さ晴らしの為にわざわざ攻撃の対象を見つけて、誹謗中傷を浴びせかけるような人たちもいるのです。発達障害の方がターゲットとされた時に、そのような人たちをうまく無視することができればいいのですが、ムキになって相手をしているとどんどんメンタルが疲弊してしまいます。ただし、不適切な発言をしてしまうのは発達障害の方やその特性に限りません。むしろ人口から考えれば少数です。匿名性が不適切発言を助長すると考えられます。ADHD(注意欠陥・多動障害)を抱えている方は衝動的な言動が少なくないので、SNSの利用時に衝動性が出てしまうと、SNS上での対人関係においてマイナスの影響が出てしまいます。

発達障害を抱える方が上手にSNSを使う為には、文章や画像を送る前に、「この投稿を見た人はどのような気持ちになるだろう」「この投稿をすることによってどのような影響が出るだろう」と考えるルーチンを作るために、キーボードの横に【入力したら吟味する】等の標語シールを貼っておきます。また、多くのSNSには「限定公開」という機能があり、自分の友達や知り合いの間のみでSNSを楽しむという事もリスク回避になります。おススメは「ミュート」です。ブロックをすると相手のアカウントと自分のアカウントを完全に隔離することができますが、ブロックをしたこと自体が相手にバレてしまうSNSが多いですが、ミュートであれば、相手にミュートしたことがバレずに相手からのリプライを見えなくしてくれるので、相手に余計な感情を抱かれる危険性がありません。

SNS上では自閉スペクトラム症(ASD)のことを「アスぺ」と呼んで揶揄する人がいます。そして、その「アスぺ」という言葉の使い方は間違った意味で使われていることが多いです。特に、文を誤解して捉えてしまった人に「アスぺ」という言葉がかけられることが多いのですが、読解能力と、ASDのコミュニケーションの特性とは関係がありません。また、ADHD(多動症・注意欠陥)についても、誤った認識のもと、SNS上に投稿がされているケースが散見されます。こうしたSNS上でのスラングが発達障害に対して間違った認識を生む原因の一つにもなっています。

発達障害の当事者やその両親の方がSNSから得ることができる恩恵はたくさんあります。例えば、発達障害に特化したSNSを利用して発達障害による日常的な困りごとについて相談できる相手が見つかるかもしれません。発達障害の当事者やその両親は、周りに発達障害の悩みを相談できる人がおらず、孤独感を抱えてしまいがちです。しかし、SNSならば同じ悩みを相談し、共感しあえる相手が見つかるかもしれません。発達障害の当事者やその両親にとって、悩みを共感しあえることは大変喜ばしい事です。また、発達障害に特化したSNSではなくても、Facebook等には、発達障害の情報交換を目的としたコミュニティもあります。

自分が「馴染めそうだな」と感じたコミュニティに入ってみて、普段抱えている発達障害の悩みを打ち明けあったり、共感したりすることができれば孤独感の解消に繋げることができます。直接、発達障害のコミュニティが主催する場に足を運ぶのは抵抗があるかもしれません。しかし、SNSを利用することで発達障害のコミュニティに入ることの心理的障壁を下げることができるかもしれません。ただし、SNSは匿名性が前提なので、場所や氏名等の個人情報が特定できないようにする注意が必要です。

SNSは根拠がなかったり、嘘を平気で拡散して喜びにする人や、その嘘に乗っかって本気で信じてしまう人たちも少なくありません。でもそれはSNSに限ったことではありません。テレビや新聞など大手のメディアでも平気で根拠のないことを拡散することがあります。メディアの目的は嘘だろうが真実だろうが大衆に注目してもらい金を稼ぐことですから、過激になり尾ひれがついて連日報道されます。

今流行りの「#検察庁法改正案に抗議します」も、発端は63歳で今年2月退職のはずの検事長を、検事総長にするために退職延長したのはけしからんし、これでは65歳定年の総長を68歳まで任用を延長できることになるので更にけしからんと言います。しかも今回の法案はこれを正当化するので言語道断というものです。しかし、この法律を施行するのは2年後の4月なので、仮に今の方が総長になっても2か月前に65歳を過ぎており新しい法の影響はありません。現行政の人事権限の問題は法案とは関係のない話で、法案の何が問題なのか説明になっていません。それでも、著名人がこのハッシュタグ付けるとファンが爆発的に拡散します。もう、正しいか間違いかは法案の内容とは関係ないようです。

武漢ウィルス恐慌という最大の危機を前にして、今そんなことでもめてる場合かというのが、大勢の意見ではないかと思います。SNSとは情報の一方通行時代から、市民が双方向性のメディアを手に入れたという意味では画期的なものです。ただ、使い方によっては、個人だけでなく社会の毒にも薬にもなる代物だという事も理解しておくことが大事です。

 

カミングアウト

栗原類さんは、イギリス人の父と日本人の母を持つハーフで、5歳ごろからモデルの活動を開始し、中学2年生の時からファッション雑誌『MEN’S NON-NO』に掲載されます。俳優業にも積極的に挑戦している栗原類さんがNHKの番組で自分が発達障害だということを告白しました。その番組では「冷蔵庫にいつも入っている牛乳がない、または配置が違うだけで気持ちがわるくなる」「聴覚が敏感なので不穏な音は非常に苦手である」と言っていました。子どもの頃はアメリカにいてそのアメリカの音楽の授業がどうしても苦手だったのでと急で教室から逃げ出したこともあるそうです。苦手なことも得意なことも個性として捉えることが必要だと言います。

スティーブン・スピルバーグは、「未知との遭遇」「ジェラシックバーグ」という世に衝撃を与える大ヒット映画を指揮する映画監督です。彼も発達障害であることを告白しています。発達障害と一口で言っても様々なタイプがあり困っていることは一つだけではないのですが、一番厄介な思いをしたのは「失読症」だそうです。本を読めない・文字を読めない・文字が認識できない、特に子どもの頃はこの発達障害が原因で進学に遅れをとり、それがきっかけでイジメを受けていたそうです。児童期は抜き出た個性が嫌な面で目立ってしまい、さらに勉強できないというハンデで酷く悩んだと言います。しかし、字を読む事が出来ないことでより「想像力」を高めたり、普通の人とはものが異なって見えてしまうことでより想像性を刺激され、創造力の源泉となったのかもしれません。

時代を変える偉大な人、アインシュタイン、エジソン、ステーブジョブス、トムクルーズ、他多くの人は、特別な才能があるゆえに、変人(発達障害)と言われました。今も多くの才能を日本の教育は潰しています。これは人類の大きな損失です。このような後世に残るような人物が「自分は発達障害である」という発言をすることで、これは病気でなく『個性』だと社会が認識できるようになります。人と違うというだけで好奇な目で見られたり、いじめの対象になってしまうのは世の常ですが、公平な社会を目指していくのであれば、こうし著名人が勇気を持ってカミングアウトすることで誰もが生き易い社会へと変わっていくはずです。

ニンテンドースイッチ

「どうぶつの森」巣ごもりでヒット 任天堂ゲームソフト、世界で500万本超販売
【毎日新聞】2020年5月6日 15時00分

任天堂が販売中のゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」が記録的なヒットを続けている。新型コロナウイルスの感染拡大により世界中で外出自粛が広がる中、現実の世界では控えているお花見やデートができたと「巣ごもり」プレーヤーの共感を集めている。

「あつまれ どうぶつの森」は、任天堂のゲーム機「ニンテンドースイッチ」の専用ソフト。2001年に発売された第1作から続くシリーズ7作目で、スイッチ向けでは3月20日に初めて発売された(希望小売価格・税抜き5980円)。通称「あつ森」として親しまれ、海外では「アニマルクロッシング・ニューホライズン」として売られている。

米調査会社のニールセンによると、ソフトのダウンロード世界販売は3月に500万本に上り、家庭用ゲームのダウンロード月販売の新記録を達成した。ゲーム情報誌「ファミ通」などによると、パッケージ販売でも発売16日間の累計が300万本超を記録し、米国での3月のゲームソフト販売数で1位を獲得した。

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武漢ウィルス騒動もなんのその任天堂は新ソフトでばく進中です。今回は、ゲーム内容が何もないところから始まる開発ゲーム、いわばマイクラ風が子どもの心をつかんだと言えます。

Nintendo Switchのコントローラには、トロンOSが搭載されています。(OS=オペレーションシステム:コンピュータの基本ソフトウェア)トロンOSとは1980年代、日本がIBM勢とマイクロソフトOSから一発逆転を狙った次世代OSです。結局、パソコンOS界を制したのはマイクロソフトウインドウズとマックOSでした。性能は優っていたトロンOSでしたがアメリカの圧倒的な交渉力と営業力に負けてしまいます。

負けたトロンOSはマイクロチップを搭載した小型デバイスに移植され、日本の全ての携帯電話に使われ世界中に輸出されました。しかし、その携帯電話もスマホに変わり、OSはアンドロイドとiPhoneのiOSに変わり、またも全てをアメリカ陣営に奪われてしまいます。

平成時代のOS覇権戦争でアメリカ勢に歯ぎしりしてきたものとしては、任天堂ゲーム機の一部であっても世界中を制覇していると思うと、ちょっとだけ胸のすく思いがあります。トロンOSは事実上の世界標準のオープンソフトウェアとなり全ての電気製品がネットに繋がる時代、IOTの世界で進化していくと思います。

春と秋にひどくなる発達障害の片頭痛

春や秋の季節の変わり目になると発達障害の子どもたちの特性がいつもより目立つようになる、片頭痛がひどくなるということがあるようです。季節の変わり目になるとどうして特性が強くあらわれるのか、それは「気圧の変化で脳がすこし腫れるような感じ」と言う人もいます。季節の変わり目は気圧の変化で体調を崩しやすいので敏感な発達障害の子どもたちは、大きく影響をうけます。

環境の変化を苦手とする発達障害の子ども達は、春や秋に体調を崩すことがおおいです。もちろん気圧の変化もありますが、この季節は行事が多い事も関係するようです。新学年、運動会、学芸会、文化祭などイベントが多いです。そのために多くの練習をします。運動会なら競技や行進のほかにもマーチングがあったり、学芸会なら劇や歌の練習もあります。これらのイベントのために、毎日集団行動が求められることも増えていきます。ただ、今は武漢ウィルス予防のための休校続きですから、学校がなくても症状があるなら、生理的な問題が大きいと考えてあげるべきです。

体温調節が苦手な子の多い発達障害ですが、今は日中でも動くと半袖でいいかなと大人でも思う季節ですから、多動な子ども達にとっては暑い。そして湿度が高いことも影響してさらに暑さを感じる季節です。「暑い」と言って、室内に入っても冷房がついていません。かつ動き回るので、体内の温度が上昇して具合が悪くなる、または片頭痛がはじまります。

片頭痛の予防薬が処方されていない場合は、小児用の頭痛薬が処方します。頭が痛くなってからでは頭痛薬は効果がありません。頭痛の初期の段階で服用した方が効き目があります。彼らは、うまく言いたいことを伝えられない(言語化できない)、痛みに鈍感ということがありますので、初期の段階の頭痛を知らせることは困難ですので、「頭に違和感を示している」時点で、「頭痛くなりそう?」と聞いてみると、何らかの返答がかえってくると思います。本格的に片頭痛が始まってしまった場合は、頭痛薬を飲ませ少し寝かせるとすっきりすることが多いようです。

コロナ、子どもと知識共有して

長引く臨時休校。さすがに勉強嫌いの子どもたちも、もう休みは飽きたみたいです。自分たちは何のために休んでいるのか、どうなれば登校できるのかと言う情報は大人と共有しておく必要があります。

 

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コロナ、子どもと知識共有して 医師らが教材作り発信

2020年4月17日 14時00分【朝日新聞デジタル】

新型コロナウイルスの情報を子どもにも分かりやすく届けようと、医療関係者が教材などを作って発信しています。親子で正確な知識を得て、どう向き合うか考えてほしい、との思いが込められています。

小学生が「監修」

岡山大の狩野光伸教授(医療科学)は今月初め、科学系研究者らが参加する一般社団法人「知識流動システム研究所」の仲間らと子ども向け教材「新型コロナウイルスについていっしょに考えよう!」を作り、研究所のホームページで公開している(https://www.smips.jp/KMS/2020/04/02/stop_corona_20200402/別ウインドウで開きます)。ダウンロードして印刷すれば、チラシや小冊子が簡単に作れるようになっている。

子どもの問いに対し、ちゃんと説明することが重要、という視点から企画した。①コロナウイルスってなに? ②どのような症状があるの? ③どうやって感染するの? ④感染をふせごう! ⑤ウイルスとたたかっている友だちや家族を応援しよう!――という5項目。④の予防法は、手洗い方法やマスクの使用法、「密閉・密接・密集」を避けることなどを詳しく説明している。感染した人への差別も戒め、「応援しよう」と呼びかけている。

イラストをちりばめたカラーで「感染」「味覚の変化」などの漢字にルビもふった。より詳しく解説した「もっと知りたい人のためのQ&A」や「大人版」も用意し、保護者からも正確な情報を伝えられるようにしている。各地の教育委員会などで活用が広がり、紙芝居版も公開した。

狩野さんは「子どもも当事者だから、きちんと理解し、納得することが大切。教材を活用し、自分で考えて対応してほしい」と話す。

愛知県の藤田医科大学医学部の微生物学講座・感染症科も2月に「コロナウイルスってなんだろう?」という教材を作り、同科のホームページで公開している(http://www.fujita-hu.ac.jp/~microb/Final_version_ruby.pdf別ウインドウで開きます)。英語版もある。

「子供(こども)が感染(かんせん)してもちょっとした『かぜ』くらいですむことがほとんど」だが「おじいちゃんやおばあちゃん、もともと病気(びょうき)のある人(ひと)がかかると重(おも)い病気(びょうき)になり、命(いのち)をおとすこともあります」と説明。「コロナウイルスやっつけるぞ作戦」として手洗いやせきエチケットも紹介した。

桜井亜樹助教は、自身の小学生の子どもに「監修」をお願いしたという。「退屈な生活にイライラしている子もいれば、かかったらどうなってしまうのか心配している子もいるでしょう。まずは子どもが新型コロナウイルスについてどう思っているか確認した上で、納得できない、もしくは不安に感じている部分を埋められる情報を伝えるのはとても大切なことだと思う」

「不安で怖いのは当たり前」
 子どもに向き合う大人に呼びかけようという動きも。

 子どもの心理に詳しい大湫(おおくて)病院児童精神医療センター(岐阜県瑞浪市)の関正樹医師は、保護者に向けて「気持ちとの付き合い方」を助言する小冊子を作った。

 診察時、「外に出るのが怖くて診療を受けに行けない」「(発熱や風邪症状が出て)感染したのではと不安で眠れない」と訴える子どもがいた。親も疲れたり神経質になったりしている場合があるため、まず親向けに情報を伝えることにした。

 小冊子では「こころが疲れると イライラしやすくなったり コロナウイルスのことばかり考えたり」ということが起こると説明。「ひとりで抱えない」「情報番組を見過ぎない」「できるだけ手抜きを」「不安を信頼できる人と分かちあって」などと助言している。子どもが「怖い」と訴えたら、真剣に耳を傾け、予防のために「できること」を伝えてあげる、といった対処法も掲載した。

 子ども向けに「不安は考えれば考えるほど大きくなります」として、運動や深呼吸、ゲームなどに集中することを勧めている。

 小冊子は院内で配るほか、データを病院のホームページ(http://www.ob3.aitai.ne.jp/~okutehp/covid19.html別ウインドウで開きます)でも公開している。関さんは「不安で怖いのは当たり前という点と、どう対応したらよいかを親と子に伝えたかった。長期戦とも言われる中、親子で話すきっかけとしても使ってほしい」と話す。(上野創、山本奈朱香)

京都市教委休校延長発表

【緊急情報】市立学校・園の臨時休業期間の延長と学習保障,教育活動再開に向けた準備等について

令和2年5月5日
市立学校・園の臨時休業期間の延長と学習保障,教育活動再開に向けた準備等について
 本市では,全市立学校・幼稚園において,当面,5月17日(日曜日)までを臨時休業期間としておりましたが,緊急事態宣言が延長され,京都府知事からの休止要請も5月31日(日曜日)まで延長されたことに伴い,本市立学校・幼稚園についても,次のとおり臨時休業期間を延長することとします。
1.臨時休業の延長期間等(教育委員会事務局 総務部 総務課 電話:075-222-3767)
(1)延長期間
京都府知事からの特措法に基づく休止要請を踏まえ,学校保健安全法第20条に基づく全市立学校・幼稚園での臨時休業を,5月31日(日曜日)まで延長します。
※なお,今後の本市域の感染状況等を踏まえ,期間を変更することがあります。
(2)特例預かり等の実施について <幼稚園,小学校,義務教育学校(前期課程),総合支援学校>
御家庭でお過ごしいただくことへの御協力を呼びかけつつ,引き続き実施します。
2.学習保障に向けた取組(教育委員会事務局 指導部 学校指導課 電話:075-222-3806)
 臨時休業期間の延長に伴い,子どもたちの学習保障,健康・生活面での支援のため,主に,次のような取組を充実します。
(1) 現在~5月17日(日曜日)まで:「家庭学習の充実」期間
ア 4月28日(火曜日),5月12日(火曜日)(予定)に教科書準拠の家庭学習課題を,教育委員会が作成し,学校を通じて各家庭に配布するなど充実。
イ 家庭学習等の状況を家庭訪問や電話等で確認・指導するなど充実(週1回程度)。
ウ KBS京都の教育特別番組や学校ごとの学習動画を順次配信。
(2) 5月18日(月曜日)~31日(日曜日)まで:「教育活動の再開に向けた準備」期間
ア 上記(1)アに加え,KBS京都の放送充実(5月18日(月曜日)から放送予定。小1~小3分も追加等。),京都新聞ジュニアタイムズでの特別紙面の継続。
イ 希望制による「学習相談・面談」を,分散等,感染防止策を徹底して設定。
  (準備が整う学校は,5月17日(日曜日)以前から実施。状況に応じて,任意の「登校日」等も検討。)
ウ 特に,中3生には「学習相談・面談」等の積極的利用の働き掛け。また,小1・小6にも配慮した設定を検討。
エ 「学校(学級)ポスト(※)」の設置
※ 小・中学校で,児童生徒が,課題を提出したり,質問を投函できる「学校(学級)ポスト」を設置し,家庭学習の状況把握と指導を進める。

 

実効再生産数

「実効再生産数」とは1人の感染者が平均してうつす人数のことで、これが1未満になれば感染者は減少していくという数値です。ただ、この数値は環境によって変動するので、数値が1未満になったから警戒を解除したらいいというものではないそうです。

イギリスやドイツでは「実効再生産数」を1以下に抑え込むことを政治目標にして、この目標を達成していれば徐々にロックダウンを解除して経済活動を正常化させると言います。対して、わが国は4月10日で全国も東京も「実効再生産数」は1未満であるのに、「緩やかな減少」とか「思ったほど減少しない」とか曖昧な表現が多いまま自粛の延長を図っています。

日本の場合、失業率が1%増えれば自殺は年間2300人程増えると言われています。現在の失業率は2%ですが、10年前までは5%でした。感染による死者を抑えながらも景気の立ち直りを支えていくことが重要です。それぞれの困難な生活を抱えながらの自粛なのですから、目標値をみんなで共有することは大事だと思います。
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4月1日ごろ減少転じたか 外出自粛要請など契機―専門家会議
2020年05月02日07時38分【時事ドットコムニュース】

新型コロナウイルス対策を検討する政府専門家会議は、1人の感染者が平均してうつす人数「実効再生産数」が4月1日ごろに「1」を下回り、感染が減少傾向に転じたとみられるとの分析をまとめた。「一定の成果が表れ始めた」と外出自粛要請など一連の対策を評価したが、人と人の接触の8割減は未達成で、減少ペースは緩やかだとした。

<新型コロナウイルス都道府県別感染者数・死者数>
同会議で感染状況の推計に当たる西浦博・北海道大教授(理論疫学)は、東京都内の感染が減少に転じた要因は、3月25日の小池百合子都知事による外出自粛要請などが考えられると指摘。緊急事態宣言の後、感染リスクの高いナイトクラブなどに対し休業を要請した効果も大きいとした。4月10日の実効再生産数は0.5に低下したが、「今後も維持できるか見る必要がある」と慎重な対応を求めた

感染の減少が緩やかな要因としては、医療機関や福祉施設内での集団感染を挙げた。仕事に就いている30代以上の年代では、接触減が8割に達していないとの分析も明かした。全国の同10日の実効再生産数は0.7で、東京ほどの低下はみられなかった。

大石和徳・富山県衛生研究所所長は「感染減のスピードが鈍いのは、政府の対応も影響している」とした。緊急事態宣言発令や店舗の休業要請、テレワークの推進などで、実施の遅れが目立つと指摘した。大橋順・東京大准教授(集団ゲノム学)も「感染減は不十分で、宣言を解除すればすぐに患者が急増する」と分析。「ロックダウン(都市封鎖)をしなくても、現状程度に接触を制限すれば感染が減りそうだと分かったのは良かった。今後の政策に生かしてほしい」と求めた。

 

大山崎町学校臨時休業の延長について

これで乙訓の休校延長決定が出そろいました。

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大山崎町新型コロナウイルス感染症拡大防止にかかる学校臨時休業の延長について(4月30日掲載)

 大山崎町立小中学校においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けた臨時休業の措置をとるとともに、5月7日からの学校再開に向け準備を進めてまいりましたが、感染収束の見通しが確実になっていないことに加え、ゴールデンウィーク後の状況を見極める必要もあることから、臨時休業期間を延長することといたしました。
 臨時休業期間の延長については、下記のとおりとしますので、御理解と御協力をいただきますようお願いいたします。
臨時休業の延長期間
小学校・中学校とも5月31日(日曜日)まで
(注)感染状況等を踏まえ、短縮や延長を行うことがあります。
諸連絡事項
臨時休業中、児童生徒は原則自宅待機(小学校のグラウンド開放ならびに中学校の部活動はありません)とし、感染症予防のための不要不急の外出を避けてください。
手洗いや咳エチケット(マスクの着用等)、換気など、感染症予防の対策を行ってください。
毎朝の検温など、児童生徒の健康観察に努めてください。
学校は、家庭訪問等により児童生徒の健康状態の把握や学習状況の確認を行います。学習課題等につきましては家庭訪問により配付します。家庭訪問の日程は、後日改めてお知らせします。
臨時休業中に実施できなかった学習指導については、1学期を8月7日(金曜日)まで延長し、夏季休業を8月8日(土曜日)から8月25日(火曜日)に短縮することに加え、学校行事の精選等で授業時数を確保することで回復を図ることとし、学習保障、進路実現に万全を期すこととします。

放課後児童クラブの開所について
放課後児童クラブでの児童の受け入れは継続しますが、感染防止をより一層徹底するため、登所の自粛をお願いします。詳しい内容は、別途、町教育委員会生涯学習課からのお知らせ文書(4月30日に入会児童保護者あて発出予定)を御確認ください。

Shows at Home

"Stay home"「家に居ろ」と言われてくさっていると、"Shows at Home" 「家で見てね」と励ましてくれる動画が注目されていることをネットで見つけました。この演出は震災の時「花は咲くプロジェクト」でNHKがやったけど、こちらの方がナチュラルでいいなと感じました。

ちなみに、homeなど場所の前にはatが着くと習ったはずですが、"Stay home"にはありません。アメリカ英語とイギリス英語の違いなのか?最近は英語も文法が乱れているのか?だれか分かる人教えてください。
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これが日本ミュージカル界の本気の歌声だ。『民衆の歌』が紡ぐ明日への希望に「涙が止まらない」
中村 かさね (Kasane Nakamura) 【HuffPost News 2020年04月28日 18時17分】

日本のミュージカルファンにとって、待望のプロジェクトが始まった。

ミュージカル俳優や歌手ら36人がミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中歌『民衆の歌』をリレー歌唱する動画が4月26日の夜、YouTubeで公開され、大きな反響を呼んでいる。
動画はミュージカル俳優で舞台「レ・ミゼラブル」で革命家アンジョルラス役を務めたことがある上山竜治さんのソロから始まる。山崎育三郎さんや城田優さん、濱田めぐみさんなどの豪華メンバーがリレーで歌い継いでいく。

それぞれ自宅のリビングや浴槽、スタジオらしき場所などからリモートで熱唱。コーラスや伴奏も加わり、ラストは1つの画面に40人が映し出されて大合唱となるが、別々の場所から歌っているとは思えないくらいに息がぴったりだ。

明日を信じる希望を歌い上げる
動画は、「Shows at Home」というプロジェクトの一環。
新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続く中、閉塞感や不安を感じている人たちに向け、「歌」を通じて明日へ希望を持てるようになってほしいと企画された。
プロジェクト第一弾となった『民衆の歌』は、ミュージカル『レ・ミゼラブル』を代表するナンバーで、自由への闘いを前に、民衆が明日を信じる希望を歌い上げる。
「人々が後ろ向き気持ちになりつつある現在、この歌を通じて、勇気を届けていきたい」と選んだ一曲だという。
新型コロナの影響で、2月下旬から多くの舞台が公演中止を余儀なくされている。海外でも、ミュージカル俳優らがリモートで歌い継いだり、医療従事者や生活困難者への寄付を訴えて歌やトークを披露する動きが広がっていた。
YouTube動画のコメント欄には、「涙が止まらない」「明日も頑張れる」などの声が寄せられている。医療従事者と見られるファンからのコメントも少なくない。

オンラインならではの豪華共演が実現
「Shows at Home」プロジェクトは上山さんが企画し、賛同した俳優らが集結。世界を舞台に活躍するミュージカル俳優のラミン・カリムルーさんも参加するなど、オンラインならではの豪華な共演が実現した。
「自宅での自粛の日々が続き、自分にできることは何だろうと悶々と考えているなか、やっぱり僕らには歌がある。そう思いました」という上山さん。プロジェクトについて、次のようにコメントしている。
「最前線で戦う医療関係者の方々、外で思いっきり遊ぶこともなかなかできない子供たち。慣れない自宅待機で苦労されているご家族のみなさん。先の見えない不安はみんな同じだと思います」
「こんな時だからこそ、歌の力を信じている僕たちができることがあると思い、純粋に歌を届けたい。その”想い”から集まった今でしか叶わなかったであろう夢の共演に心から感謝しています。1人でも多くの方がこの歌で元気になってくれたら嬉しいです」

https://youtu.be/0Eax4cw6QFA

京都府・各市教委「休校延長5月末まで」発表

思っていた通り、京都市に引き続いて、京都府・向日市・長岡京市が4月28日付で休校延長を発表しました。

大山崎町のHP上は28日現在確認できていません。ただ、せっかく閉鎖されていないと喜んでいた大山崎の公園も軒並み閉鎖のお知らせがありました。室内でじっとしていられない子どもはどうすれば良いのかについては何も触れていませんし、法的根拠もその科学的エビデンスも不明確です。メディアが言っているから、隣の自治体もやっているからと、法律も示さず右に同じというわけでもないのでしょうが、もう少しよく考えてから丁寧な説明を行うことや、公園遊びがなくなっては困ってしまう人への代替策をセットで示して欲しいと思います。これでは「欲しがりません勝つまでは」の時代と同じレベルです。弱者や少数者、子ども障害者にしわ寄せが一番大きくなるのです。

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向日市立小中学校の臨時休業期間の延長について
更新日:2020年4月28日

本市では、5月7日からの教育活動再開について準備を進めてまいりましたが、感染収束の見通しが確実になっていないことに加え、ゴールデンウィーク後の状況を見極める必要もありますことから、下記のとおり市立小中学校の臨時休業期間を延長することといたします。

臨時休業期間
小学校
令和2年4月10日(金曜日)から5月31日(日曜日)まで
中学校
令和2年4月11日(土曜日)から5月31日(日曜日)まで

対象
向日市立小学校及び中学校

今後の対応
小学校施設での児童の受入れについては引き続き継続します。

留守家庭児童会についても引き続き開会します。
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[2020年4月28日 21時43分]
長岡京市立小中学校の臨時休業の延長について(4月28日午後5時現在)
新型コロナウィルス感染対応について、市内の小中学校では5月6日まで臨時休業を行ってきました。

府の動向を踏まえ、臨時休業を下記のとおり延長します。
臨時休業の延長を受け、不足した授業を夏季休業期間を短縮し、可能な限り実施し補います。
詳細については、決定次第、各校ホームページを通じて連絡します。

休業期間
5月7日から5月31日まで
上記に関するお問い合わせ先:学校教育課(075-955-9533)

放課後児童クラブについて
放課後児童クラブは引き続き開所しますが、詳細については、決定次第、保護者に連絡します。
上記に関するお問い合わせ先:文化・スポーツ振興室(075-955-9546)

中学校部活動及び小学校グラウンド開放について(在校生向け)
小中学校の臨時休業の延長に伴い、中学校部活動及び小学校グラウンド開放についても休止期間を延長します。
休止期間
5月7日から5月31日まで
上記に関するお問い合わせ先:学校教育課(075-955-9533)

学校開放事業及び夜間照明施設利用について(登録団体向け)
小中学校の臨時休業の延長に伴い、学校開放及び夜間照明施設利用についても休止期間を延長します。
休止期間
5月7日から5月31日まで

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大山崎町公共施設の閉鎖について(4月28日22時00分更新)
4月15日(水曜日)までとしていた公共施設の閉鎖期限について、学校休校期間に合わせ、5月6日(水曜日)までとします。
3月24日(火曜日)から開放していた屋外施設につきましても、4月10日(金曜日)から5月6日(水曜日)まで再度閉鎖します。
4月28日(火曜日)より、天王山夢ほたる公園と桂川河川敷公園も5月6日(水曜日)まで閉鎖します。
近隣における感染状況、国・府の対応方針、全国的な社会情勢などを総合的に勘案し、閉鎖を延長する可能性があることは従前のとおりです。

地域で管理されている集会施設等も、原則として町の公共施設に準じた取り扱い(5月6日まで閉鎖を継続)とするようお願いします。

各自治体の感染者数は以下のとおり。
京都市210、井手町22、宇治市15、京田辺市10、城陽市5、向日市11、長岡京市8、八幡市5、綾部市3、亀岡市4、木津川市3、与謝野町3、福知山市4、大山崎町2、南山城村3、精華町1、未発表2。

京都市休校10日間延長

京都市教育委員会は先ほど休校延長を発表しました。

これに伴い、他の教育委員会もこれに追随するのかどうかは、まだ情報がありません。

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令和2年4月28日
新型コロナウイルス感染拡大防止のための市立学校・園の臨時休業期間の延長と学習保障の取組について
 本市では,全市立学校・幼稚園において4月10日(金曜日)から5月6日(水曜日)までを臨時休業期間としておりますが,本市の感染状況が引き続き警戒を緩めることができない状態にあることや,5月7日(木曜日)以降の対応について,児童生徒や保護者等への周知期間を確保し,各家庭及び学校・園における準備を円滑に進めていく必要があるため,子どもたちへの学習保障に向けた取組の充実を図りつつ,当面,下記のとおり臨時休業期間を延長することとします。

1.臨時休業の延長期間等(教育委員会事務局 総務部 総務課 電話:075-222-3767)
(1)延長期間 
  学校保健安全法第20条に基づく,全市立学校・幼稚園での臨時休業を5月17日(日曜日)まで延長します。
  なお,5月18日(月曜日)以降については,国の緊急事態宣言の延長の有無や本市域の感染状況等を踏まえ,改めて,決定します。
(2)特例預かり等の実施について <幼稚園,小学校,義務教育学校(前期課程),総合支援学校>
 ご家庭でお過ごしいただくことへのご協力を呼びかけつつ,引き続き実施します。

京都市休校10日間延長

その子に適した育ちを保障すること

保護者がその子の意思や実力に合わない目標設定をし、課題がクリアできなければ、「だめな子、うちの子じゃない」などと精神的な圧力をかけたりすることを「教育虐待」といいます。教育虐待を理解するキーワードは、「保護者のため」です。普通の虐待と違って、保護者は本当に「子どものため」と思ってやっているので、自分で自覚するのは案外難しいものです。それだけに、「気づき」が重要になってきます。様々な機会に、度がすぎたしつけや無理強いの学習は教育虐待であるという考え方を広げていく必要があります。

教育虐待が疑われる保護者には、単にアドバイスをするだけでは「私のことを邪魔する人」という誤解を引き起こします。それを防ぐポイントは、保護者の話を傾聴し、信頼関係を築くことです。その上で、「事業所で元気がなく、食欲もないようです。お子さんの調子はどうですか?」と、話を切り出してみます。この時、こちらの価値観を挟まずに、フラットな気持ちで事実のみを伝えます。

保護者に伝えるのが難しいと思った時は、早めに周囲に相談します。「自分で何とかしたい」と思うスタッフも多いのですが、連携できる人を確保しておくことも、スタッフの力量のひとつです。虐待対応は、一人で抱え込まないことが大切です。現実問題として事業所のサービス領域を超えた部分での対応が必要なことも多く、事業所内を飛び越えて相談事業所につなぐことも考えていきます。ただ、相談事業所の中には「関係者会議」や「連携会議」を設定することだけしか仕事前と考えていない場合もあるので、保護者や子どもにも直にアプローチしてほしい旨を伝えることが大事です。

「あなたのため」と言う言葉が、単なる強制になれば、自尊感情を傷つける心理的虐待や、体罰につながれば身体的虐待になります。こうしたことを予防するには、子どもがSOSを出せる環境を整えることが大事です。親子だけだとどうしても密室になってしまうので、保護者や子どもへの声かけが大事です。子どもに夜遅くまでの勉強を無理強いしているような場合、「睡眠は充分とれていますか? 充分な睡眠がとれていないと、翌日の成果が上がらないし、脳への悪影響があるともいわれています」と伝えます。保護者が、ふと我に返れるような声かけを、試行錯誤しながらも考えることが大事です。

認知に特性があるのなら特性を理解した育て方が必要です。保護者が、発達障害傾向のある子に対して「頑張れば普通になれる」と無理を強いることも一種の教育虐待です。このようなケースで大切なことは、保護者とスタッフが事実と目標を共有することです。漢字を何回も書いても覚えられないタイプの子がいるということを、いまだ知らない保護者はいます。保護者は、自分が頑張ればできたので、「頑張れば、大丈夫」と思っている方が少なくありません。少し手間はかかりますが、事実を伝え、保護者と共有できる目標を持つことは大事です。

マルトリートメントとは、「子どもへの不適切な関わり」と言う意味で、「教育虐待」を保護者以外の大人が行った場合に使われることがあります。発達障害の知識のない教師が一生懸命頑張り過ぎることが、マルトリートメントになることもあるので、注意が必要です。発達障害傾向のある子に対して、担任が「大丈夫です。私が何とかしますから」と頑張って指導していたことが、その子の過剰適応な生き方に繋がり、ひずみが青年期以降の生きづらさに出てしまうケースもあるからです。「教育とは、その子に適した育ちを保障すること」という視点を大事にしたいと思います。

相談支援事業とは

相談支援事業所とは、障害のある人が日常生活や社会生活を営む上で、困ったことやわからないことなどがあった場合に、相談することができる場所です。また、障害福祉サービス利用のための利用計画の作成、施設等から地域での生活に移行するための支援なども行っています。

放デイに関わるのは「指定障害児相談支援事業所」です。つまり、この相談所が当事者(子ども・家族)のニーズを把握し、行政と必要なサービス量を交渉し、実際にサービスを提供する事業所とも受け入れられるか交渉をします。

ただ、いつも気になるのは、大人の都合が優先していないかということです。もちろん、保護者は就労や家事等の事情を抱えています。しかし、相談者は子どもの発達課題と家庭事情のバランスを取りながらサービスの内容を考えていく必要があります。そのためには、子どもの発達課題や発達特性を把握し、支援方法もある程度は知っておく必要があります。残念ながら、現在の相談システムは発達障害の子どもの実態を把握できる仕組みとは言えません。そうなると、利用者と行政と事業所の単なる調整役にしかなれません。

子どものことを知ろうと思えば何らかの直接的なアプローチが必要です。行動障害を持っていたり、コミュニケーションに課題があったりすればなおさらです。聞き取りだけでは分からないことが多いのです。相談事業所は子どもを直に支援しないという弱点がこの制度にはあると思うのです。
以下、相談事業所の種類と利用決定のプロセスを掲載しています。参考にしてください。

【指定特定相談支援事業所】
障害者総合支援法に基づくサービスを利用する場合に必要な、「サービス等利用計画」の作成・サービスを提供する事業者との連絡調整・サービスの利用状況の検証(モニタリング)などを行う事業所です。一般的な相談も可能です。18歳未満の障害児の場合も居宅サービス(居宅介護、重度訪問介護、短期入所など)を利用する場合はこちらになります。

【指定障害児相談支援事業所】
児童福祉法に基づく障害児通所支援のサービス(児童発達支援等)を利用する場合に必要な、「障害児支援利用計画」の作成・サービスを提供する事業者との連絡調整・サービスの利用状況の検証(モニタリング)などを行う場所です。障害児の入所サービスについては、児童相談所が専門的な判断を行うため、障害児相談支援の対象とはなりません。

【指定一般相談支援事業所】
地域生活への移行に向けた支援を行います。地域移行支援と地域定着支援があります。一般的な相談をすることもできます。地域移行支援:入所施設に入所している障害者または精神科病院に入院している精神障害者について、住居の確保等、地域での生活に移行するための活動に関する相談、各障害福祉サービス事業所への動向支援などを行います。地域定着支援:居宅で単身等で生活する障害者について、地域生活を継続していくために、常時連絡体制を確保し障害の特性に起因して生じた緊急事態等における相談、障害福祉サービス事業所等と連絡調整など、緊急時の各種支援を行います。

*指定障害児相談支援事業所は指定特定相談支援事業所の指定を受けていることが多いようです。子どもの場合は、居宅サービスのみの利用希望であっても将来的に障害児通所支援サービスを利用する可能性があるなら、指定障害児相談支援事業所を選ぶ方がよいでしょう。

*相談支援事業所や相談支援専門員によって、得意とする障害種がある場合があります。どこの事業所を選んだらいいのかわからない場合は、市区町村の障害福祉課など障害福祉を担当している窓口に聞いてみてください。基幹相談支援センターという地域の相談支援の中核を担う機関がある場合は、そこに問い合わせてもよいでしょう。

*訪問看護や訪問リハビリテーションなどの医療保険を利用するサービスのみの利用や、地域生活支援事業である日中一時支援事業などのみを利用の場合は、サービス等利用計画/障害児支援利用計画は必要ありません。

※サービス等利用計画/障害児支援利用計画
障害福祉サービスや障害児通所支援を利用する場合、作成が必要なものです。原則として、相談支援専門員が作成しますが、本人や家族等がセルフプランを作成することもできます。
サービスを利用する子ども本人や家族の意向を踏まえて、総合的な援助の方針や解決すべき課題を踏まえ、適切なサービスの組み合わせを記載した総合的な計画です。
複数のサービスを利用する場合、それぞれのサービスを提供する事業者が同じ目標に向かって協力して支援していくための連携ツールになります。

※サービス利用の流れと相談支援事業所の関わり 
障害福祉サービスなどの利用開始までには様々な手続きが必要になり、相談支援事業所はそのお手伝いをしてくれます。具体的には次のような流れの中で相談支援事業所の関わりがあります。
1 利用申請 市区町村の窓口に利用したいサービスの申請をします。
2 相談支援事業所を決める サービス等利用計画/障害児利用支援計画の作成を依頼する事業所を探します。
3 相談支援事業所との面談 
4 サービス提供事業所の見学をする 児童発達支援事業所など、サービス提供事業所の見学をして、どの事業所を利用するのかを決めます。
サービス等利用計画案/障害児利用支援計画案の作成 相談支援事業所に作成してもらい、市区町村に提出します。
5 支給決定 サービス内容や支給期間が決定し、受給者証が交付されます。
6 サービス担当者会議の実施 保護者、担当の相談支援専門員、サービス提供者で支援の方向性について話し合います。
7 サービス等利用計画/障害児利用支援計画の完成
8 サービス利用の開始 サービス提供利用者と契約し、利用を開始します。
*1~4は順番が入れ替わったり、同時進行する場合もあります。どのようなサービスを受けたらいいのか決めかねる場合は、最初に相談支援事業所に相談して、申請や見学も一緒に行ってもらうこともできます。

 

接触8割減へというが…

今回の提言で、子どもの過ごし方について痛いのが、公園に人が大勢いるから空いた時間に行けと言う提言です。放デイなどはこれを言われると行く場所がなくなり、まさか狭い事業所の中に閉じ込めておくわけにいかないので、結果的には事業所を閉鎖するしか選択肢がなくなります。

長岡京市などは、めぼしい公園は全て閉鎖されているといいます。雨が降ったときの高架下公園などは本当に子どもたちの運動のために助かったのですが、閉鎖です。汚染されるかもしれない遊具を触るからというのが理由でしょうが、結局その後どうなっているか行政は把握しているのでしょうか?危険な空き地や道路で遊ぶ子供が増えているのを知っているのでしょうか。それでも、俺たちはやる事はやったからねという事でしょうか?遊具に張り紙をしてみるとか、役人を巡回させて話を聞いてみるとか調整してみるとかしないのでしょうか?短絡的なこのような措置には大勢の保護者から糾弾されても仕方がないと思います。

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接触8割減へ「10のポイント」 政府専門家会議
【朝日デジタル】2020年4月22日 23時13分

政府の専門家会議は22日、帰省や飲み会をオンラインで行うなど人と人との接触を8割減らすための「10のポイント」をまとめた。外出自粛要請後に人が多く集まるスーパーや公園での対策が課題とし、スーパーでの入場制限、公園の一律閉鎖を避けるための使い方の工夫などを求めた。

新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言が7日に出てから2週間がたつ。同会議は、宣言後の状況を分析。東京都内の主要な駅の人口が69~87%減少するなど、人の移動が大きく減ったとする一方、データからは8割削減は達成されているとはいえないと指摘した。必要とされる人との接触の8割減については「現段階では確認できていない」と評価を見送った。

分析とともに同会議がまとめた提言では、医療提供体制について、「医療崩壊」の防止と重症化防止により、死亡者数の最小化に力点を置いていく方針を示した。PCR検査は、検査の人材や試薬などが不足する恐れを指摘し、水際対策でのPCR検査の縮小を提言した。

再流行を防ぐ目的でクラスター(感染者集団)が発生する危険のある場所や大規模イベントなどは解除後も自粛要請が続く可能性があると盛り込んだ。大型連休の対応では、都道府県境を「またぐか否かに関係なく」、人混みに出ないよう強く要請している。

会議後、西村康稔経済再生相は宣言の解除に向けて「5月6日ギリギリまで専門家に分析していただく」と述べた。専門家会議の後に開かれた政府の対策本部では、安倍晋三首相が「一層の国民のみなさまの努力が必要な状況だ」と述べ、一人ひとりが行動を改めて見直し、人と人との接触を8割減らすよう求めた。大型連休中の帰省をビデオ通話を使った「オンライン帰省」とすることなど、専門家会議がつくった10のポイントを参考に「いま一度行動を見直していただきたい」と訴えた。

首相は「緊急事態を早期に終息に向かわせるためにいまが非常に重要な時期だ」と強調。8割の接触削減ができていないとみて、「何としても8割の低減を実現するべく、感染拡大防止に向けた取り組みを徹底したい」と訴えた。一方、5月6日までとなっている宣言期間の延長や解除に向けた見通しや手続きについては示さなかった。(安倍龍太郎、姫野直行)

武漢ウィルスの報道

メディアは毎日武漢ウィルスに何人感染したかを報道し、私たちはその報道を見て毎日落胆してるという図が日常となりました。3月から学校を休校しようが4月から緊急事態宣言をしようが、まだ明確な効果があがっているとは言いにくいというのが政府の見解です。ただ、下記のグラフは感染者累積数ですからグラフが下降することはないし、対数グラフなので少々減っても傾き変化は微細なので、但書はあるにせよ、やや煽り気味の印象は受けます。効果の有無を表現するなら新規患者数や死亡数の変動をグラフ化すべきです。

感染拡大の速度を落として、入院患者が病院からあふれだす医療崩壊を防ぐのが目下の目的です。何しろ日本の医師はイタリアより率が低いのです。しかし、ワクチンか抗ウィルス剤が開発されない限りは、感染は誰にも平等に広がっていきます。明確なのは、重症化する確率が高いのは老人であり子どもや働き盛りの人たちではないことです。そうであるならば、全体に網を張る規制はこの辺にして、老人のソーシャルディスタンスを厳しく特措法で規制したり、老人に特化した防疫施策をとるとかしたほうが良いのではないかと思ったりもします。

社会機能全般のレベルは落とさないとしたスウェーデンの緩やかな防疫の規制がうまくいくかどうかは神のみぞ知るところで、後世で証明するしかありません。少なくとも完璧に感染を封じ込めることは無理で、先の薬物の開発や新しい防疫施策を講じるための時間稼ぎだという事をメディアはもっと説明する必要があるとおもいます。

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東京の感染者倍増ペース6日→11日に 収束なお不透明
【朝日新聞デジタル】2020年4月21日 21時56分

最初に緊急事態宣言が出て2週間がたった。累計の感染者数は7都府県とも増え続けているが、福岡は約3日で約2倍に急増していたのがここ1週間は勢いが収まり、倍増する期間は7日より長い。福岡を除く6都府県は宣言前後は約1週間で倍増していたが、最近1週間ほどはわずかに勢いが緩やかになってきている。ただ増加が鈍っても、感染拡大が収束するまでの期間を見通すのは難しい。

朝日新聞が厚生労働省の公表データをもとに計算したところ、宣言前の7日までの1週間では、東京は累計感染者数が2倍になるのに約6日かかるペースだったが、21日までの1週間は約11日だった。福岡は7日までの1週間は約3日で2倍だったが、直近1週間は約12日に。大阪や神奈川でも同様の傾向だ。

新型コロナの潜伏期間などから、報告される感染者数の傾向は2週間ほど前の感染の状況を反映しているとされる。ソフトバンクの子会社「アグープ」がスマホアプリで集めた位置情報をもとに推計した、7都府県の主要駅周辺半径500メートル(毎日午後3時現在)の1週間の累積人口をみると、新宿駅は、6日までの1週間は前週より約18%減。7日からの1週間は前週比約33%減、14日からの1週間はさらに前週比約28%減だった。7都府県とも宣言後に大きく減る傾向は共通していた。

政府は不要不急な外出の自粛などで人同士の接触機会を7~8割減らすよう求めている。人出が必ずしも人との接触を表すわけではないが、感染者の増加の鈍化は自粛の影響が出つつある可能性がある。

ただ、1月下旬と最近1週間の人出の削減率を比べると、梅田(大阪)が81%、新宿74%、天神(福岡)65%、大宮(埼玉)61%、千葉52%と都市ごとのばらつきは大きい。

入院患者が回復したとしても退院まで時間を要する。累計患者数は増え続けており、病床不足など医療現場がさらに逼迫(ひっぱく)する恐れは高い。

沖縄県立中部病院感染症内科の高山義浩副部長は「外出自粛の成果はこれから明らかになる。クラスター(感染者集団)対策と、自主的な感染対策という日本の手法が有効だったのか、続ければいいのかが見えてくる。新型コロナウイルス自体はすぐには地球上からなくならないことを前提に、どう付き合っていくかを考えていく必要がある」と語る。(嘉幡久敬、伊藤隆太郎)

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休校終了はいつ?

新型コロナウイルスの感染拡大で長引く休園・休校。未だ終息の道筋が見えない中、感染はもちろん、学力の低下、部活動の休止などへの不安や戸惑いがたくさんあります。

4月6日~13日に実施したJ:COMの投票機能を使った男女703人の調査(コア層35~49歳)では、「5月連休明け」で、37%だったそうです。日々、コロナ感染者数が拡大する中、休校措置が取られる5月6日までに完全終息というのは望み薄のようです。しかし、ひとつの目安として、連休明けの学校再開に期待している人は多いと思います。

2位は「終息するまで通信制にすべき」(29%)、「通常通り4月から」(11%)、「6月」(8%)、「4月下旬」(4%)、「お盆休み明け」(4%)、「9月」(4%)、「7月」(1%)、「10月」(1%)という結果になりました。

2番目に多かったのは「通信制」です。政府は長引く休校対策として、公立学校にオンライン授業を導入するため、インフラ整備のほか、放送大学やNHK(Eテレ)も使うと言います。このほか、学校のパソコンやタブレットを自宅で利用することを目的に、モバイルルーターの貸与(通信量は自費)や、遠隔授業で教科書などを使用するための改正著作権法を28日に施行し、遠隔授業導入の準備を進めているようです。

しかし現時点では、自宅学習の参考サイトを家庭に通知する程度の対応にとどまっているケースも多いです。各家庭のネット環境は所得や家族構成等によって多様です。家のパソコンは親がテレワークで1日中使っている場合もあります。必要ページをプリントアウトしようとしても、印刷環境も異なります。さらに、兄弟がいる家庭は光回線でないと動画対応が難しいと思われます。特に公立の学校は、環境が十分でない子が「遠隔授業」からこぼれていくことが決してないよう、公平性を担保するようにきめ細かい対応が必要になります。

この期間が教育権の制限とならないように、各自治体の長が政府待ちにならず、できることから施策を実行してほしいものです。休校時のモバイルルーターやセルラー型端末の通信費用の公費負担などは、休校中は給食の公費負担がないのですからやる気になればできることです。各学校では、大型災害や不登校に対応できる公教育でのリモート学習環境を作る良いきっかけとして、教材作りに取り組んでみてはどうかと思います。

中学校での発達障害支援

中学校に入学するとき、特別支援学級にするか普通学級にするか小学校とは異なって、子どもの意思が大切になってきます。知的な遅れがないか、あっても気にならないごく軽い程度のものであれば、ちょっと変わっている子という印象を持たれがちですが、集団生活を余儀なくさせられるわけですから、コミュニケーション能力や行動の適応が難しいような時は、特別支援学級を使うことを検討してみる余地は十分にあります。特にLDの問題は進学や就職の進路に関して、避けて通れず、読み書き障害の有無が小学校卒業時ではっきりしないなら入学時に信頼のおける機関で検査を受けてはっきりさせておくべきです。LDなのか軽度知的障害なのかその両方なのかによって、学習支援は変わって来るからです。また、この違いを重視している担任ならかなり信頼ができると言えます。

中学生の子どもに見られる発達障害の特徴は様々ですが、小さなころから家庭や学校で注意を受けているような時は自己評価が低くなりやすい傾向にあります。また、その場の空気を読みにくいため誤解やいじめを受けやすいのも中学校時代に見られる特徴の一つです。これが不登校になったり引きこもってしまったりする子が中学で増える理由の一つです。

そして、発達障害を持つ本人も自分がほかの人とどこか違うと感じるようになるのもこの時期です。中学生の思春期にさしかかる時でもあり、他者と自分の違いを感じやすく、それを欠点を思ってしまうことも少なくありません。なので、これを個性と認識させ、苦手なことを克服することも大切ですが、得意なことに目を向けさせると、個性がのび、子どもが社会生活や学校生活を送りやすくなります。

グループ行動が苦手なこともありますが、仲間に入れないのには相応の理由が、個々にあるものです。なぜ孤立しているのかがわからないため、どうしたらいいのかもわかりません。さらに、グループ行動がとれないことを悩むこともないので、一人行動が多くなったり友達ができなかったりといったこともこの時期には多く見られます。中学生に始まったことではないのですが、総じて発達障害のある人は集団生活が苦手なものです。ところが中学生は同調することを良しとする年代もあるので、彼らにとっては過ごしにくい場合が少なくないです。

教科ごとに担任が違うと持っていくものを忘れてしまうことが良くあるため、ICTのメモなどでカバーしたり目に見えるところに備忘録を書いておいて、必ずその場で確認させるなど工夫をして予防します。同時に二つのことを行うことができず、一度に指示を出されると頭が混乱してしまうため、指示は一つ一つ出すなどといった工夫が大事です。個人差がかなりあるため、一概には言えませんが、他者との違いや得手不得手の理由を明確にして、自学自習や自己点検の習慣を身につけることを目標にしながら、学校生活になじめるようにしていくことが大切です。

Zoomで会議

Zoom は、2011年に中国人 Eric Yuan 氏によってカリフォルニアのサンノゼで創立された会社です。サンノゼは、シリコンバレーの中心地です。「Zoom(ズーム)」というのは短縮名で、企業の正式名称は、Zoom Video Communications です。ビデオミーティングを中心に、ウェビナー、グループメッセージング、会議室ソリューションなどのクラウドサービスを提供しています。

創業者の中国人 Eric S. Yuan 氏は、以前、世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社Ciscoの技術部門の副社長として、ビデオ会議システム WebEx製品の中心となっていた人物です。Zoom の経営陣には他にも CiscoのWebEx の中心メンバーや、同種のサービス BlueJeans のメンバーが在籍しており、ビデオ会議のシステムや業界を熟知した会社だと言えます。つまり、Cisco社のWebEx Meetingsを大衆レベルで気軽に使えるように改良し宣伝したのがZoomと言えます。Zoom のサービス自体は、2013年1月に始まり、2013年5月までに100万人のユーザー数が2014年6月には1000万人に増えました。武漢ウィルスの感染の影響でテレワークが爆発的に進んだ昨今は、おそらく2億人を越えたと言われています。

Zoomは、Windows、Mac、Linux、Chrome OS、iOS、Android などさまざまなクライアント環境から利用できるWEB会議システムです。Skypeなどのオンラインテレビ電話とは、用途が全く異なります。ミーティングの主催者は会議室を設定し、その会議室番地を参加者に伝えます。参加者は会議番地(URL)をクリックするだけで参加でき、アカウントを取得する必要もなく、料金も発生しません。クラウド上のファイルを共有する方法と同じだと言えます。

また、ミーティングルームでは、主催者の使える機能と参加者の使える機能が分かれています。主催者は、参加者が快適にミーティングを遂行できるよう、参加者やミーティングを簡単にコントロールできるようになっています。Zoomはあれこれ考えなくても直感的に操作がしやすいのでビジネスシーンよりも日常生活で広がったとも言えます。

子育て中の保護者や家を離れる時間がなかなかもてない人には、Zoom はとても役に立つツールです。Zoomの無料コースはLINEのグループトークのビデオ版と思えばいいかも知れません。遠くまで出かけなくても自宅に居ながらにして打ち合わせや情報交換ができるのは助かります。無料コースの制限時間は40分です。一旦切って続けることも可能ですが、40分くらいがミーティングには最適な時間とも思います。どのスマートフォンでも主催も参加もできるのがこのツールの強みです。まずはアンドロイドかiOSのスマホかタブレット、カメラ付きのPCでインストールして試してみるとイメージが湧くと思います。

 Zoomモバイルアプリ

 ※3月にFBI=連邦捜査局が「Zoom」にセキュリティー上の問題があると指摘し、各国政府が使用を見合わせているのは事実です。会議の内容に秘匿すべき情報がないかどうかを考えて運用することは、個々人で判断することになります。

学習障害の子どもとの向き合い方のコツ

学習障害の症状には個人差があるため、教師や保護者は個々に合った指導法を模索する姿勢が求められます。学習障害の子どもは、これまでの失敗やまわりの大人から叱られた経験が多いことで、自信を失っている傾向があるため、まずは自信を取り戻せるようにサポートすることが大切です。学習障害の子どもが、学習や生活の上での困難をすこしでも改善・克服できるように、適切に向き合うことが大切です。

・個々に合った勉強法やトレーニング法を見極める
学習障害の症状には個人差があるため、適した勉強法やトレーニング法は子どもによって異なります。その子どもに合った勉強法、トレーニング法を見極めることが大切です。これは、保護者だけ、教師だけで考えられるものではありません。子どもにかかわるまわりの大人が協力し合い、最善の勉強法とトレーニング法を考えましょう。ただ、注意してほしいのはドリル学習です。あちこちの会社からLD向けとしてドリルプリントやソフトウエア―が販売されていますが、書くのが苦手な人には苦痛でしかないような教材が少なくありません。訓練を否定はしませんが、目の悪い人には眼鏡を合わせてから、耳の聞こえない方には手話を使って課題を教えるように、支援を明確にしてから取組みましょう。

・苦手意識をつくらせないために、楽しく勉強できる環境づくりをすること
読み書きや計算などがうまくできないからと言って、まわりの大人が子どもを叱ってしまうと、その科目に苦手意識を持ってしまう可能性があります。そうなると、勉強法やトレーニング法を工夫しても、前向きに取り組めなくなるかもしれません。子どもが苦手意識を持たないように、楽しく勉強できる環境を整えましょう。

・できないことを責めないこと
学習障害の子どもは、勉強が嫌いであるために読み書きや計算ができないわけではありません。そのため、できないことを責めてしまうと、つらい思いをしてしまう可能性があります。できないわが子にイラ立ちを覚える方もいますが、できないことを受け入れた上で、子どもにとってよい環境を整えるようにしましょう。

・甘やかし過ぎない
子どものミスを見逃すことや、欲求をすべてみたすことは望ましい結果を生まないという意見があります。ほめることは大切ですが、不必要にほめてしまうと、「できなくても大丈夫」と思い、勉強に向き合う姿勢を持てなくなるかもしれません。どこまでできたのか、その成功率などの事実に基づいて評価することが大切です。また、「学習の構え」を作ることは自学自習には欠かせない力です。まずは5分から、成果の上がることに少しづつ毎日取り組むことが大事です。

・周囲のサポートを受けながら子どもと向き合おう
学習障害は、読み書き、計算、推論などのいずれかが極めて苦手なことが特徴です。「もしかして学習障害かも?」と思ったら、まず専門機関に相談します。専門家や教師の協力を得て、1人で悩まないことが大切です。当事業所でも利用者のご相談は受け付けています。

ドロボー! 子どもと鉢合わせ相次ぐ

子どもの留守番には十分注意してほしいとの警戒情報は近隣自治体でも入っています。ご注意を。

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休校、留守番中にドロボー! 子どもと鉢合わせ相次ぐ 警察「家族で対策を」
2020年4月15日 20:04【毎日新聞社】

新型コロナウイルス感染拡大の影響により学校が休校となるなか、自宅で留守番していた小中学生が、窃盗犯と鉢合わせする事件が愛知県内で3件確認された。専門家は「鉢合わせは、強盗などの重大事件に発展しかねない」と警鐘を鳴らしている。

愛知県警によると、愛知県の尾張地方で3月23日午前、小学生の女児(10)が自宅に1人で留守番中、鍵の閉まっていない窓から侵入した男と遭遇。男は女児を見つけると何も取らずに逃走した。また、同日午後には、同じ地方の男児(11)が留守番中、2人組の男が窓ガラスを割って侵入。2人組は男児に「ずっと前を向いていて」と指示し、キャッシュカードなどを盗んで逃げた。

三河地方では4月9日午前、留守番中の男子中学生(13)が窓をたたく音を聞き、怖くなって2階に避難。侵入者との接触はなかったものの、窓ガラスが割られ、バッグなどが盗まれていたという。侵入されたのはいずれも戸建て住宅で、3人の子どもにけがはなかった。

愛知県では3月2日から小中学校で臨時休校が始まった。県独自の緊急事態宣言を受け、休校は5月の大型連休以降まで続く見込みだ。そこで県は、留守番中の子どもの防犯対策として▽玄関ドアや窓の施錠を徹底する▽在宅中であることを周囲に知らせるため、明かりやテレビをつける▽自宅近くで逃げ込める場所を決めておく――などを県内の小中学校に通知している。

県内の侵入盗は長年、全国ワーストクラス。留守中の子どもと窃盗犯の接触は重大事件につながりかねないとして、県警もツイッターで注意を呼び掛けている。担当者は「留守中に泥棒が入る可能性があることを子どもに教えることが必要。110番の仕方やどこに逃げるのか、家族で対策を話し合ってほしい」と訴えた。

防犯に詳しい龍谷大犯罪学研究センター長の石塚伸一教授(犯罪学)は「今後も休校が続くため、自宅で待機している子供が窃盗犯と鉢合わせする事態は、休校を続ける全国各地で起きる可能性がある」と指摘。「鉢合わせすることで、窃盗犯が驚き、強盗や殺人などの重大事件になってしまう危険がある。施錠の徹底や家に人がいるということが外からも分かるようにすべきだ」と話した。【高井瞳、ガン・クリスティーナ】

ペアレントトレーニング(通称:ペアトレ)とは?

ペアトレとは、親が子育ての知識とスキルを学ぶトレーニングです。ペアトレでは、子どものさまざまな行動に対してどう対応したらよいのかを学ぶことができます。ペアトレと言うと親だけが取り組むものかと思われがちですが違います。放デイスタッフをはじめ、子どもに関わる全ての関係者の重要なスキル習得法と言えます。(先生用という意味でTトレとも呼びます)

プログラムの内容は、対象や手法によってさまざまですが、多くのプログラムで共通していることがあります。それは、次の視点です。

・子どもの好ましくない行動に気づき、それを減らしていく
・子どもの好ましい行動に気づき、それを伸ばしていく
子育てをしていると、好ましくない行動を減らすことばかりに目が向きがちですが、実は、“好ましい行動をいかに伸ばすか”という視点が重要です。好ましい行動のレパートリーが増えると、自然と好ましくない行動は減少していきます。
これまでの研究から、ペアトレに参加することで子どもの気になる行動の改善だけでなく、親のストレス低減も報告されています。

親のストレスが低減した理由は、子どもに対する適切な対応を学ぶことによって、子どもの行動が変化し、子育てが楽になったためとも推測されています。
子どもの好ましい行動を伸ばすためには、“ほめる”ことも大切です。
子どものいいところ(好ましい行動)を伸ばすための“ほめのコツ”は二つです。

(1)結果ではなくプロセスをほめる
アメリカの心理学者ドゥエックは、能力を褒められた子(例:頭がいいね)よりも努力を褒められた子(例:粘り強く頑張ったね)の方が、やる気が高く、後の成績が高くなることを指摘しています。努力をほめられた子は、失敗しても「努力が足りない」と考え、失敗を乗り越えるためにチャレンジしやすいことがわかっています。

(2)子どもに「どうやったらそんなにうまくできるの?」と質問してみる
大人から“驚かれる”ことによって自信を高める子どももいます。また、小学校低学年ごろまでの子どもの多くは、“どうやったらうまくいったか”をあまり意識していないと言われます。そのため、親が「どうやったらそんなにうまくできるの?」と質問し、うまくいった方法を子ども自身が自覚できるように促すとよいでしょう。
そうすることで、次の機会も子どもにとって望ましい結果が得られる可能性が高まります。

一方、叱るときのコツですが、支援現場では“太く、短く、端的に”を合言葉としています。長々と叱っては、本質が見えなくなります。もちろん、嫌味やダブルバインドもNGです。
また、小さい子どもの場合は視点取得が未発達のため、「相手の気持ちに立って考えてごらん」という言葉がけは通じにくいです。“太く、短く、端的に”をポイントに、親は子どもに伝わりやすい言葉を選んでいきましょう!

※叱ることが逆効果となるケース
親に注目されたいという思いが強すぎて、わざと親をイライラさせる行動をとってしまう子どももいます。
親が叱れば叱るほど、望ましくない行動(親をイライラさせる行動)がエスカレートする場合は、親が叱ることが子どもにとっての“ご褒美”となっている可能性もあります。この場合、叱ることは意味をなしていません。
今回のようなケースへの対応についてペアトレの発想から考えてみると、好ましくない行動を叱るのではなく、“好ましい行動をしているとき”をあえて狙ってほめるのです(親をイライラさせる行動を1日中していることはないはずです。親子で楽しく過ごせている時間にたくさんほめましょう)。
“叱られる”ということも“褒められる”ということも、子どもにとっては親からの注目を得ていることに変わりません。そうであるなら、双方が気持ちよく過ごせるやりかたを選んではどうかと思います。

 

子どもの学び応援サイト

文部科学省は3月に、臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト(子供の学び応援サイト)を開設しました。新型コロナウイルスに伴う臨時休業期間における学習支援コンテンツについて、学校種別に紹介しています。

ポータルサイトには、「小学校」「中学校」「高等学校」「特別支援教育」「幼児教育」「リンク集」「児童生徒・保護者へのメッセージ」を掲載。「小学校」「中学校」「高等学校」は、臨時休業期間における各教科などの家庭学習の工夫および教材例を紹介。「特別支援教育」では家庭学習の参考資料、「幼児教育」では家庭での過ごし方への配慮を紹介しています。

小学校の内容をみると、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、体育、外国語・外国語活動など、13の教科についてまとめています。たとえば算数では、活用できるリンク集として「おすすめキッズサイト一覧 算数・数学(一般社団法人教科書協会)」「なるほど統計学園(総務省統計局)」を掲載しています。工夫例では、「児童の学習状況に応じて、教科書の復習問題や補充的な問題に取り組み、これまでの学習内容の習熟を図ったり、教科書の発展的な問題に取り組み、これまでの学習内容について理解を一層深めたりする」などの使い方を紹介しています。

中学校は、国語、社会、数学、理科、音楽、外国語など12の教科についてまとめています。外国語では、「中学校外国語教材『Bridge』(文部科学省)」「えいごネット(一般社団法人英語教育協議会、文部科学省協力)」など4つのWebサイトを掲載。「教科書や中学校外国語教材『Bridge』を活用して、英語の文章を読んだり、その内容理解のための問を解いたりする」などの工夫例を紹介しています。

メッセージでは、児童生徒に向けて、学校の休業中は、夏休みや冬休みなどと同じように、いつもどおりの生活リズムで過ごすといった生活に関することや、1人で勉強することが難しい場合には、周りの人にみてもらったり、手伝ってもらったりするなど学習に関することについてアドバイスしています。

保護者に向けては、子どもが家庭学習を行う場合には、掲載したWebサイトを参考にするなどして、子どもが取り組みやすい学習内容を選択することを勧めています。

新聞の見出し

「京大病院95人一時自宅待機 旅行などの自粛要請守らず 新型コロナウイルス」の 京大病院の記事の見出しだけ読んでいると、京大の研修医らを責めているように読めますが、内容をよく読むと、用心のため2週間待機させるというのが中身です。京大側も新聞の記事に慌てて、事実関係をホームページで説明しています。戦中も、震災中も原発事故中もこんなふうに事実を都合よく捻じ曲げて、何かのプロパガンダに使われることを一番注意しなければなりません。正しい情報を、正しい価値観で見抜く力が求められています。

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京大病院95人一時自宅待機 旅行などの自粛要請守らず 新型コロナウイルス
2020年4月8日 10時24分【朝日新聞】

京都大医学部付属病院(京都市左京区)に今年度から配属された医師や研修医ら計95人が、新型コロナウイルスの感染拡大により病院から自粛を求められていた飲酒を伴う会合や国内旅行をするなどしたとして、自宅待機になっていたことがわかった。

同病院によると、内訳は医師28人、研修医57人、事務職員ら10人。研修医は4月に95人が配属されたといい、その6割に当たるという。同病院の職場主催の飲酒の会合ではないという。
同病院は2月以降、院内での感染を予防する観点から、4月から配属される人に対し、飲酒を伴う会合や国内旅行などの自
粛を要請していた。守られなかった場合に自宅待機になるとは伝えていなかった。

今のところ症状が出ている人はおらず、会合などから2週間が過ぎた人から順次、仕事を始めているという。病院の診療態勢に影響は出ていないとしている。同病院は、自宅待機にした理由について「ほかの病院での事例に鑑み、新規採用職員に対しても、より厳しく対応をした。診療態勢を維持し、患者に安全な医療を受けてもらうための必要な措置と考えている」とのコメントを出した。(小林正典)
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京大病院ホームページから

新規採用研修医の自宅待機に関する報道について

先般、本院に採用された新研修医が多数自宅待機になっていることに ついての報道がございました。京大病院を受診されている患者さんや関 係者の皆様にご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

本院では、本年3月に各地の大学を卒業したばかりで4月から本院で 勤務をはじめる新研修医に、4 月1日までの2週間の間に一回でも2人 以上(家族での食事を含む)で飲酒を伴う外食をしたことがあるか等に ついて自己申告を求め、該当する場合には外食等の事実があった翌日か ら14日間を自宅待機とすることで、感染リスクを徹底的にゼロに近づ ける措置を行いました。この自己申告をした新研修医が57名に上った というのが報道されている事実です。本院としては、就職予定の新研修 医等に旅行や外食等の自粛を予め連絡しておりましたが、必ずしも全員 が正確にその内容を十分理解できていたとは限らないなかで、研修医た ちは極めて真摯に自己申告してくれたものと認識しています。 未来の医療を担う若者です。温かく見守っていただければ幸甚です。 なお、これらの研修医等の中に、新型コロナウイルス感染症を発症し ている者は1名もおりません。

本院では、患者さんと医療スタッフを含む本院職員の安全を確保し、 高度な医療を継続的に提供し続けられるようにするために、家族での外 食の自粛を含む、厳しい基準での感染予防策を職員に求めております。 引き続き職員の感染予防に関する意識を高め、徹底した感染管理を行っ て、安心・安全な医療の提供を継続に尽力して参ります。

令和2年4月8日
京都大学医学部附属病院長 宮本 享

PECSの受講がオンライン化

武漢ウィルス感染予防の中で、テレワークだとかリモートワークといって、インターネットを使って家庭や職場から離れた場所でノートやタブレット型PCで仕事をする方が増えています。

研修も、一堂に会して行うのではなく、ネットライブで学ぶものが増えています。そして、今回ついにPECSも大阪会場や福井会場はZOOMというアプリを使うことになりました。つまり、家の中で講義を聞き講師に質問できるのです。これは、ある意味、家庭を完全にはあけられない保護者には朗報かもしれません。ということで、オンラインワークショップは宣言が終結するまで続くのではないでしょうか。

※ZOOMについては、セキュリティー問題が指摘されていますが、新しいバージョンは問題ないようです。

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PECSレベル1ワークショップ オンラインワークショップ開催
4月 10, 2020 | イベント
4月18-19日に Zoom®のプラットフォームを使用してオンラインでPECSレベル1のワークショップを開催いたします。 コンサルタントと通常現地で行われるワークショップと同様に絵カード交換式コミュニケーションシステム(PECS®)のワークショップが皆様のご自宅からオンラインで受講できます。ワークショップはいつものようにインタラクティブな環境で絵カード交換式コミュニケーションについて学んでいただけます。 受講受付はこちらから。...

自閉症児と絵カードでコミュニケーション第2版ーPECSとAAC-

PECSの市販本が出ました。実は前から出てたのですが、出すのが早すぎて (2006/7/1)誤訳もあったりして、良書なのに広く普及しなかったのです。今回は満を持しての第2版です。

AMAZONで今日から絶賛発売中で発売1日目で一時的な在庫切れになっています。しばらくお待ちください。

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「自閉症の子どもへの拡大代替コミュニケーション(AAC)の適用で、言葉の発達を妨げることはないということには、十分な科学的根拠(エビデンス)があり、それどころか、言葉の発達が促進される子どももいる。AACの1つである絵カード交換式コミュニケーション・システム(PECS)を用いてコミュニケートしていた子どもたちの中には、その後、言葉が出るようになった子どもが少なくないことを示す研究結果がいくつかある。PECSで30から100枚の絵カードを使ってコミュニケートするようになった子どもは、話し始めることが少なくない。多くの子どもが、言葉だけでコミュニケートできるようになり、PECSは使わなくなる。」(ボンディ&フロスト『自閉症児と絵カードでコミュニケーション,第2版』より)

スティーブ・ジョブズが子どもにiPhoneやiPadを使わせなかった理由

スティーブ・ジョブズ(iPhone・iPadの生みの親)が子どもにiPhoneやiPadを使わせなかった理由

September 11, 2014 New York Times(新美真理子 訳)

2011年に亡くなったジョブスは、テクノロジーに関して本能的な才能があったが、親としてはローテクを貫き、子どもたちの電子機器の利用を厳しく制限すべきだと固く信じていました。「私達は、子どもたちのテクノロジー機器の利用を制限しています。」と、ジョブスは2010年、我が子のハイテク機器利用時間が増えることを心配して語りました。

現代の親なら百も承知だろうが、iPhoneやiPadは子ども達にとって非常に魅力的です。これら手のひらサイズの機器は最先端のおもちゃです。長い休暇、長いドライブの間などの親が忙しい時に、親の代わりとなって、子どもたちを喜ばせ、気晴らしをさせ、静かにさせてくれます。しかし、こうした超便利な助っ人に感謝する前に、それらの機器が子どもたちに及ぼす潜在的な害について心配すべきなのではないか?スティーブ・ジョブズはそう考えていました。今週発表されたニューヨーク・タイムズの記事で、ジャーナリストのニック・ビルトンは、ジョブスに彼の子どもがどのくらいiPodに夢中なのかを聞いた時の返事に驚いたことを回顧しました。

「子どもたちは、(iPodを)まだ使ったことがないのです。私は子どもたちのハイテク利用を制限しています。」「私はあっけにとられ、開いた口がふさがりませんでした。ジョブスの家ともなればハイテクオタクの天国のような場所を想像していたからです。壁は巨大なタッチパネルで、食卓にはiPadが埋め込まれていて、お客さんにはチョコレートのようにiPodがプレゼントされるような。 『いいや、それとは程遠いね』とジョブスは答えたのです。」

子どもがタッチスクリーンの機器で遊ぶことに関して大きな懸念を抱いているハイテク教祖はジョブスだけではありません。「ワイアード(Wired)」の元編集長、クリス・アンダーソンも、子どもたちが家庭にあるデジタル機器を使用する時間を親は厳しく制限すべきだと確信している。「子どもたちは私たち夫婦が厳しすぎると文句を言います。友達の家にはこんなに厳しいルールはないってね。でも、それは我々は誰よりも技術の危険性を見てきているからです。自分自身でも感じています。子どもたちの身にそのようなことは起こってもらいたくないのです。 」

UCLA大学の研究者たちが最近発表した研究によると、数日間、電子機器利用を禁止しただけで、子どもたちの社交スキルがまたたくまに向上したそうです。このことは大いに考える材料を与えてきます。なぜなら最近のリサーチで平均的なアメリカ人の子どもは1日に7時間半以上スマホや他のスクリーン(テレビ、パソコン、ゲームなど)を見ていると言われているからです。

ジョブスは間違いなくハイテクの天才です。しかし、彼は深夜までスクリーンを見つめてアングリーバードで遊んだり、Facebookで近況を更新し続けたりはしませんでした。「スティーブ・ジョブス」の著者、ウォルター・アイザックソンは、このアップル共同設立者の家で多くの時間を過ごしたが、そこで見たのは、スクリーンタイム(画面を見つめる時間)よりも、フェイス・トゥ・フェイス(面と向かった)の家族の会話を優先するジョブスの姿でした。「毎晩、スティーブは決まって、キッチンの長いテーブルで夕食をとり、本や歴史や様々なトピックについて話し合うのです。誰もiPadやコンピューターを使いません。子どもたちはデジタル機器中毒になっているようには全く見えませんでした。」だから、アップルやサムソンや他のハイテク企業が、最新の小型ハイテク機器がなければ人生物足りないと感じさせるような宣伝を暗にしてきたとしても、そうした機器の創始者が全く違う考えだった事を忘れないで欲しいのです。

ゲームやスマホにお守りをさせていませんか?翻訳の終わりに訳者の新美さんの見解が書かれています。ゲームやスマホによって著しく損なわれる社交性やコミュニケーション能力、また、問題解決力を子供の時からしっかり身につけさせるべきという、痛烈な批判が込められたメッセージです。さらに、すでにスマホやゲームの虜になってしまっている子どもたちを救済する方法として、取り上げるのではなく時間を制限する方法を提示されています。

全く取り上げるというのは難しいですから、まずは時間を制限することをおすすめします。 No Screen Policy(ノー・スクリーン・ポリシー)と呼ばれ、インター校(インターナショナル・スクール)では多くの家庭で取り入れられていました。 これは、夜(9時とか10時とかその家によって違います)になったら、スクリーン(テレビ、ゲーム、パソコン、スマホ)を禁止して、読書や音楽鑑賞や家族団らんや勉強の時間にする、という一般的な学校・家庭ルールでした。 子どもにとってよい睡眠は心身の発達に大切ですが、それを条例や法律で守るのか、家族や地域の文化にして守るのかを考えることも大切なことだと思います。

 

絵カードセンター

絵カードセンターは、自閉症支援に特化した絵カードのサイトです。絵カードの作成とダウンロードができ、絵カードの作り方・使い方など関連情報も提供中。自閉症の子どもを持つご家庭や特別支援に関わる先生は、ぜひ絵カードセンターを活用してください。視覚支援、PECS(ペクス)の絵カード、TEACCH(ティーチ)構造化の絵カードにも使えます。

絵カードメーカー (楽々絵カード作り)

絵カードメーカーでは、自閉症の子どもに使う絵カードが簡単に作れてダウンロードできます。一日のスケジュール表やカレンダーでよく使うイラストが揃っています。スマホで撮った写真からでも絵カードが作成できます。文字入れも自由自在。絵カードのサイズは、3種類から選べます。

PECSの絵カードはiPadアプリのPECSⅣ+を購入するとバーチャル絵カード(アプリ上のみ使える絵カード)が実装されていますが、PECSⅣ+のPECSが使えない人や、実物ブックも使う場合には絵カードを作る必要があります。個人的な経験では1年目で300単語程度を使うようです。そんなときにパパっと作れたらなぁと思う事はしょっちゅうです。また、名詞はほとんど写真で済むのでまだ良いのですが、動詞や形容詞等汎用性の高い単語は絵カードとなり、できるだけ家庭や学校でもそろえたいのですがなかなか一致しません。市販のアプリでも帯に短し襷に長しのものも多いです。こんなWebが出てきたことはうれしい限りです。ぜひ使ってみます。

府立学校も連休明けまで臨時休校

先ほど、府教委のホームページで府立学校の臨時休校の再開が発表されました。当事業所もさすがに体力の限界が来ていますので、連休明けまでは午後からの開所にしたいと考えています。

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広報資料
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための 府立学校に係る臨時休業について
令和2年4月7日 京都府教育委員会

4月3日(金)の府立学校の再開発表後、この週末にかけて新たな感染者が20 件確認され、そのうち感染経路が不明な事案が16件見られるとともに、首都圏の ほか、大阪府や兵庫県といった近隣府県に対し、緊急事態宣言が出される見込み であるなど、感染拡大の懸念が一層高まってきています。 そうした状況を踏まえ、府立学校の臨時休業について、京都府教育委員会にお いては、下記のとおり対応することといたしましたのでお知らせします。


1 府立学校の臨時休業 感染拡大の傾向が顕著な京都市・乙訓通学圏及び山城通学圏の府立学校並び に通勤・通学で京都市との往来が多い口丹通学圏の府立学校について、臨時休 業を実施する。
(1) 対象校 府立高等学校附属中学校(3校)、府立高等学校(本校35校・分校2校) 及び府立特別支援学校(本校8校・分校1校)
(2) 臨時休業の期間 令和2年4月13日(月)から5月6日(水)まで なお、終期については、今後の状況に応じて延長することがある。
(3) 臨時休業期間中の学校教育活動 〇 週に1~2日程度の登校日を設け、児童生徒の健康観察や学習状況の確 認等を行う。 〇 部活動は禁止とするが、登校日に教員の指導の下、運動不足やストレス 解消のための機会を設けることを可とする。
(4) 学習保障 〇 登校日に課題解説、新たな課題の配付、質問の受付等を行う。 〇 可能な範囲でメール等による指示を行う。
(5) 特別支援学校について 〇 上記の内容を基本としつつ、各校の状況に応じて対応する。 〇 自宅及び福祉サービス等で児童生徒の居場所が確保できない場合には、 特例的に学校で受け入れる。その際、スクールバスは「3密」に配慮しつ つ運行する。なお、給食については提供しない。

2 臨時休業対象校以外の学校
〇 府北部地域に所在する府立学校(附属中1校、高校15校・6分校、特別支 援3校・2分校)については、感染症対策を徹底した上で、学校教育活動を 実施する。部活動については条件を付した上で実施する。
〇 学校の所在地(市・町)で感染者が確認されている場合など、感染を危惧 されるご家庭の判断で欠席する場合は「欠席扱い」としない取扱いができる 場合がある。
〇 今後の地域の感染状況の変化や児童生徒、教職員が感染した場合等は、臨 時休業することがある。

3 府内市町(組合)立学校への対応 府教育委員会から市町(組合)教育委員会に対し、府立学校の対応も参考に 適切に対応するよう依頼する。

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京都・滋賀15市町、再び一斉休校 府立学校も検討
2020年4月6日 22:05

新型コロナウイルスの感染拡大を受け京都府、滋賀県内の15市町教育委員会は6日までに、同日以降順次再開する予定だった市町立の小中学校などについて、再び一斉休校することを決めた。感染者の急増や感染ルート不明者が増えていることを考慮した。京都府教委も府立学校の再休校について7日に判断する。

京都市教委は6日、市立小中高校、義務教育学校、総合支援学校、幼稚園を10日から5月6日まで再び一斉休校とすると発表。毎週登校日を設け、健康観察や学習状況の確認などを行う。宇治や亀岡、向日など山城、丹波、乙訓地域の11市町教委も6日以降順次、再休校とする。八幡、京田辺、井手の3市町を除き入学式や始業式は予定通り実施する。

滋賀県でも、感染者集団(クラスター)が発生した草津市は入学式と始業式を9日に行った後、10~19日を臨時休校にすると決めた。隣接する栗東市は8日に入学式と始業式をした後、9~19日を臨時休校とする。6日に感染者が確認された甲賀市は8~19日を臨時休校にする。8日の始業式は中止し、9日の入学式は行う。

京都府の西脇隆俊知事は6日、臨時の記者会見を開き、始業式から再開予定だった府立高と付属中、特別支援学校について、再休校の検討を府教委に要請したと明らかにした。府教委は7日に休校時期や期間、区域を判断する。
西脇知事は方針の変更について、感染ルート不明者の増加や政府が隣接の大阪府などを対象に緊急事態宣言の準備に入ったことを考慮したとし「児童生徒の健康を守るため」と強調。府北部と南部で感染状況に差があることなどから「地域ごとに異なる判断となる可能性も十分にあると思う」との見方を示した。再開を発表して間もない休校要請に「非常に迷惑を掛けた」と陳謝した。

京都、滋賀で6日までに再休校を決めた教委
▽京都市(10日~5月6日)
▽宇治市(小9日、中10日~5月6日)
▽亀岡市(8日~5月6日)
▽城陽市(小8日、中9日~10日)
▽向日市(小10日、中11日~5月6日)
▽長岡京市(小9日、中10日~5月6日)
▽八幡市(7~13日)
▽京田辺市(小6日、中7日~13日)
▽木津川市(小6日、中7日~10日)
▽大山崎町(10日~5月6日)
▽井手町(6~14日)
▽精華町(小8日、中9日~14日)
▽草津市(10~19日)
▽栗東市(9~19日)
▽甲賀市(8~19日)
※かっこ内は期間。小は小学校、中は中学校。京都新聞社調べ

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放課後デイサービスは「3密」

先ほど、政府が武漢ウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言に踏み切る意向を固めたとニュースがありました。まさか、京都府が思い直して始業式を延期することはないでしょうが、もしやと心配しています。長い春休みと新入生の対応で放デイ関係者は疲弊しているからです。表向きだけ整えても、裏方がどうなっているのか、見えない部分に負担がかかっていることも考えた施策を望みます。

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休校延長で障害児・生徒の放課後デイサービス悲鳴 3密の空間の残業「限界に近い」
毎日新聞2020年4月5日 19時40分(最終更新 4月6日 11時40分)

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、感染が広がる地域で学校の再開時期が遅れることになったが、しわ寄せを受けるのが子供たちを預かる施設や事業所だ。中でも障害のある児童や生徒を預かる放課後等デイサービスでは、密閉・密集・密接の「3密」を避けられない空間で、目を離せない子供たちと長時間過ごさざるを得ない状況が続き、関係者から「限界に近い」と悲鳴が上がる。

「きょうは何をして遊ぼうか」。福岡市内にある障害児通所支援の放課後等デイサービス事業所を3日に訪れると、部屋の隅に置かれたテーブル席で、女性職員が手足にまひがある女子生徒(16)にぴったりと付き添い、話しかけていた。言語障害もある生徒は音の出る文字盤を指して「太鼓」と答えた。 奥の3畳ほどの畳スペースでは、児童3人が職員2人と輪になってブロック遊びをしていた。約40平方メートルの室内でこの日、一日を過ごしたのは市内の特別支援学校や特別支援学級に通う小学3年~高校3年までの6人とスタッフの計約15人。子供たちには知的障害や身体障害があり、職員が目を離した隙(すき)の事故を防ぐため、部屋は常に閉め切っている。職員はマスクを着用しているが、嫌がる子供たちは6人全員が着けていなかった。

前日、福岡市は市立学校の休校期間を17日まで延長し、週末を挟んで再開時期を20日以降に遅らせると発表していた。元々は放課後の夕方のみだった預かり時間が、朝から夕方までに拡大されて1カ月。その状態がさらに少なくとも2週間は続くことになった。 「職員の残業は増え、家に自分の子を置いて来ている職員もいる。使命感でやってもらっているが限界に近い」。休校延長が決まり、事業所の運営者の女性(54)は本音を漏らす。 この女性が運営するデイサービス事業所は市内に計3カ所あり、児童・生徒計53人に対し、職員は30人。休校が始まってからはパート職員に長く働いてもらうなどして何とかやりくりしている。職員のマスクも一時不足し、消毒液は買い置きがなくなってしまった。

一般に特別支援学校は1クラスの人数も少なく、子供たちに目が行き届きやすいように児童・生徒1人当たりの教員も多く配置されている。子供たちが走り回る運動場もある。女性は「感染拡大を防ぐための受け入れ態勢としても、学校の方がはるかに環境は整っているはず」と話し、休校中の特別支援学校でも子供たちを預かってほしいと訴える。全国的には休校に伴う措置として、学校で教室などを開放し教員らが障害を持つ子供たちを預かる例はあり、文部科学省によると、3月10日現在で回答のあった102自治体のうち80自治体の特別支援学校が実施していた。

福岡県内でも北九州市は、休校期間が始まった当初の3月初めに市内に8校ある特別支援学校で実施し、各校2、3人が利用。小西友康・特別支援教育課長は「急な休校で預け先の事業所が予約できないなどの家庭もあったため、学校を選択肢の一つにしてもらった」と話す。市は4月3日、福岡市同様に休校期間を17日まで延長すると決め、学校での預かりも続けることにした。 特別支援教育を専門とする香川大の坂井聡教授は「休校延長で影響が長期化している今、教育委員会と事業所が連携し、学校でも受け入れて預かる子供の数を分散させるなど、休校中の対応を見直すべきだ。事業所だけに負担を強いると、疲弊してしまう」と指摘する。【山口桂子】

子どもの心身への影響考慮”京都府『4月8日から学校再開』

“子どもの心身への影響考慮”京都府『4月8日から学校再開』発表 京都市も再開決定
【MBS】2020/04/03 17:51

新型コロナウイルスをめぐり、“京都府”は府立学校について4月8日から(一部は9日から)再開すると発表しました。「難しい苦渋の決断ではありますが、感染症対策を徹底していただくことなどを前提として、臨時休業の延伸については要請しない。」(京都府 西脇隆俊知事)府は、京都産業大学関連で感染者が広がっているものの、感染ルートは判明していて、休みが続く子どもの心身への影響も考え、感染症対策の徹底を前提に再開を決めたということです。また“京都市”は、中学校を4月6日から再開、小学校を4月8日から再開すると発表。朝晩の体温などを記入した健康観察票を毎日持参させて確認する他、給食は向かい合わせで食べないなどの対策をとるということです。

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京都市もお知らせ発表がありました。


令和2年4月3日
京都市教育委員会

新型コロナウイルス感染拡大防止を踏まえた教育活動の再開等について

本市では,3月5日(木)から全市立学校・幼稚園において臨時休業を実施し,その後,春季休業期間となっておりましたが,感染防止対策を一層徹底したうえで,下記のとおり,教育活動を再開しますので,お知らせいたします。 なお,再開後も,児童生徒等や教職員に感染者が発生したり,本市域の状況に大きな変化が生じた場合等については,臨時休業の実施等,対応を変更する場合があります。




1 教育活動再開の判断について
本市においては,現時点で「新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施に関するガイド ライン(改訂版)」 (4月1日付 文科省)における「感染拡大警戒地域」とまで判断する状態ではありませんが,大阪府と近接するなど「予断を許さない状況」であり,4月2日付で,市長・知事連名により,市民・府民に対して,「人混みが予想される場所への不要不急の外出や会合等への参加を自粛」いただく等の緊急のお願いを発していることを踏まえ,感染防止対策を一層徹底したうえで,教 育活動を再開することとします。


2 再開に当たり感染防止対策を一層徹底 ①換気の悪い密閉空間,②多くの人の密集,③近距離・密接(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声,の「3密条件」が同時に重なる場を徹底的に避けることを基本とし,次のとおり,更なる感染防止対策の徹底に取り組みます。
(1)児童生徒等の健康観察の徹底 ア 朝晩の体温や健康状態を家庭で記入する「健康観察票」を毎日持参,確認。体温未記入等,健康状態が確認できない場合は,直ちに検温等を実施。
なお,各家庭において,この機に,子どもたちをはじめ,御家族の体調・健康管理の徹底,保健衛生意識の一層の向上について強くお願いする。 イ 発熱・咳等の風邪症状がみられる児童生徒や教員の登校,出勤自粛の一層の徹底。
(2)基本的な感染症対策の徹底
ア 登校時,トイレ後,給食前,ロング休み後等で必ず手洗いするなど指導の一層の徹底をはじめ,こまめな手洗いや咳エチケットの徹底。
イ 多くの児童生徒等が触れる場所(ドアノブ,手すり,スイッチ,共有する器具等)の消毒。
ウ 免疫力を高めるため,十分な睡眠,適度な運動やバランスの取れた食事を心がけるよう指導。

(3)集団感染のリスクへの対応
ア 休み時間毎に2方向の各1つずつ以上の窓や入口を開ける,教室等のこまめな換気を実施。 イ マスクの着用,手作りマスクの普及に向けた取組の実施。
(4)対面,接触,発声等を伴う教育活動の更なる工夫
ア 各教室の席は講義型(一斉授業の形態)として,座間もできる限りスペースを空けるなど配置を工夫。
イ 話し合い活動やグループ活動等において,近距離での会話とならないよう,スペースを確保。
ウ 音楽科における歌唱指導や管楽器の演奏等では,間隔を空け,人がいる方向を向かない。また年間指導計画の中で単元の順序を入れ替えて実施。
エ 家庭科(技術・家庭科)における調理などの実習は,年度当初に行わず,年間指導計画の中で 単元の順序を入れ替えて実施。
オ 体育科(保健体育科)において,できる限り個人や少数で実施し,児童生徒が密集せず距離を取って行うよう工夫。
(5)給食における配慮 ア 配食を行う者はもとより,児童生徒の手洗いを徹底。
イ 机を向かい合わせにしない等,飛沫を生じさせない工夫。ランチルームでの会食はしない。
(6)高等学校等
高等学校・総合支援学校(職業科)については,公共交通を利用して通学する生徒が多数在籍す ることから,時差登校等,各校が感染防止対策を工夫して教育活動を行う。
(7)部活動について
すべての校種で,当面の間,部活動を原則中止。
<参考>
入学式については,「3密条件」が同時に重なる環境を回避することを徹底し,来賓・保護者・在校 生の出席者を限定したり,次第を見直し短縮化したりして実施します。また始業式についても,校内放送で行うなど,感染拡大防止に十分留意したうえで実施します。

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4/8 府立学校再開だそうです

先ほど京都府のホームページで学校再開の案内が発表されました。

これ以上は放課後デイも、もう無理っぽいなぁというのが正直な感想です。子どもの活動にはある程度の広さが必要ですし、放デイは過密だけでなく毎日預かれるだけの事業所数が乙訓地域にはないので、1~2日おきに来ることになり、子どものニーズに合いません。あと、スタッフも日曜だけの休みなので疲弊してきていることもあります。

やれやれです。
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新型コロナウイルス感染症に係る学校再開について
令和2年4月3日 京都府教育委員会

4月1日の国の専門家会議の提言等を踏まえ、文部科学省の「新型コロナウイ ルス感染症に対応した臨時休業の実施に関するガイドライン(以下「ガイドライ ン」)」が改訂されました。 これを受け、本府における状況を踏まえ、新学期(4月8日又は9日)から学 校教育活動を再開することとし、下記のとおり対応します。

1 再開に当たっての府立学校の対応

(1) 感染症対策の徹底 〇 感染源を絶つ 毎朝の検温、風邪症状の確認 〇 感染経路を絶つ 手洗い・咳エチケットの徹底、通勤ラッシュを避けるための時差登校 〇 集団感染のリスクへの対応 3つの条件が同時に重なる場を徹底的に避ける
(2) 部活動の条件付き実施 〇 自校の部員のみによる校内での活動 〇 活動時間は2時間以内 〇 長時間閉鎖空間に集まるような発表会等は禁止 〇 体育館や音楽室等の活動場所の割振り
2 ガイドラインの臨時休業の考え方
(1) 感染者が判明した学校の臨時休業の考え方 〇 校内に感染者が確認された場合であっても、その活動の態様や接触者の 多寡、地域における感染拡大の状況、感染経路の明否等個別の事情をみな がら臨時休業すべきか否かを判断する。 (府立学校の児童生徒又は教職員の感染は確認されていない。)
(2) 感染拡大警戒地域における、感染者がいない学校も含めた、地域一斉の臨 時休業等の考え方 ○ 学校への通学にあたっては、通学に電車等の公共交通機関を利用してい る場合には、時差通学等の工夫について検討する。 〇 学校の臨時休業について、地域全体の活動自粛を強化する一環として合 わせて行うことにより、効果が発現されるよう留意する。
3 府内市町(組合)立学校への対応 府教育委員会から市町(組合)教育委員会に対し、国のガイドラインを踏ま え、府立学校の対応も参考に適切に対応するよう依頼する。
4 その他 今後の感染状況等によっては、再度の臨時休業を要請することもある。

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長岡京市

学校の再開について<3月27日午後8時現在>
国からの臨時休校の要請に基づき、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3月24日まで小・中学校を臨時休校としていました。
現在は、感染拡大のリスクを高める環境をつくらないように配慮しながら、学校再開に向けた準備を進めています。
始業式
感染拡大防止を徹底したうえで、下記日程で実施します。
小学校:4月7日
中学校:4月8日
修了式と同様に、体育館に全校児童生徒を集めての実施はしません。
晴天時は、グラウンドで着任式を実施します。(雨天時は各教室で実施し、着任式は実施しません)
入学式
文部科学省の方針を踏まえ、来賓・在校生は出席せず、新入生・保護者・学校関係者のみで実施します。
小学校:4月8日
中学校:4月9日
出席者にはマスクの着用を呼びかけます。
対象者には、別途お知らせします。

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向日市

更新日:2020年3月26日
文部科学省から、「新型コロナウィルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」が示されました。
本市といたしましては、同ガイドラインを踏まえた上で、新学期から市立小中学校の教育活動を再開いたします。
再開にあたりましては、ご家庭での検温など、引き続き十分な警戒を行うようお願いいたします。

小学校
始業式 令和2年4月7日(火曜日)、通常どおりの登校
入学式 令和2年4月8日(水曜日)午前9時30分開式
中学校
始業式 令和2年4月8日(水曜日)、通常どおりの登校
入学式 令和2年4月9日(木曜日)午前9時30分開式
留意事項
入学式は、小中学校ともに、入学する児童生徒と保護者及び教職員のみで行います。
式典縮小の趣旨をご理解いただきまして、咳エチケットを徹底するなどのご配慮をお願いいたします。

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大山崎町

学校の休校措置を解除します(3月23日17時30分掲載)
 政府の要請に応じる形で3月3日(火曜日)から3月24日(火曜日)まで休校としている大山崎町立小中学校については、3月24日(火曜日)をもって休校措置を終了します。なお、小学校については4月6日(月曜日)まで、中学校については4月7日(火曜日)まで春季休業中です。
 1.入学式について
  次のとおり対策を講じた上で実施します。
  来賓招待の中止など、式典の簡素化
出席者全員のマスク着用及び消毒液の設置
実施中の会場の適切な換気
  ※両小学校は4月8日(水曜日)、中学校は4月9日(木曜日)を予定
 2.始業式について
  全校集会の形を取らず、校長訓示等は校内放送等により実施します。
 3.その他
離任式(4月1日)は中止します。
部活動は当面の間、中止します。

障害を持つ子どもの「きょうだい児」

障害を持つ子どもの「きょうだい児」が、子どもらしく健全に発達しているかどうかについては、アダルトチルドレンの5つのタイプを基準に考えます。アダルトチルドレンとは、子どもが子どもらしく育つことのできなかった家庭、つまり「機能不全」家族で育って大人になった人(Adult Children of Dysfunctional Family)という意味で使われ、次のような5つのタイプに分類されます。

ヒーロー:優等生であり家族の誇りとなるような行動をとることで自分の存在価値を得ようと頑張るタイプであり、疲れていても休めない、完璧にできない自分を責めるといった傾向がある。
身代わり:家でも学校でも何かとトラブルを起こすことで、家族の中にある葛藤や緊張から目をそらさせる役割をしているタイプであり、内面にある寂しさやつらさを誰にも言えずに行動にあらわす傾向がある。
いなくなった子:ほめられるわけでも問題を起こすわけでもなく、目立たずに存在を忘れられたかのようにしているタイプで、目立たずにいることで自分が傷つくことから身を守っているものの、孤独感を強める傾向がある。
道化師:おどけた態度やしぐさで家族の緊張を和らげ、場を和ませる役割をするタイプで、自分の辛さをはっきり言葉にすることができないという傾向がある。
世話役:小さい時から親の面倒をみたり、愚痴や相談を聞いたりとカウンセラーのような役割を果たし、妹や弟の保護者役になったりするタイ プで、自分のことはいつも後回しにしているため自分の感情やしたいことがわからなくなる傾向がある。
(財団法人国際障害者記念ナイスハート基金 『障害のある人のきょうだいへの調査報告書』(2008) より)

これらのタイプを1人で複数持っているとか同じ人でも年齢によって入れ替わってくる場合もあります。親や学校の先生、周囲の大人には、こういった機能不全家族で育った子どもの特徴をきょうだい児が出していたときは、それを助長しないように関わります。ヒーロータイプで苦しいのに、真面目で責任感強いからと、便利使いで役割を引き受けさせると本人の生きづらさを助長するので、その子の家庭背景を踏まえた本質を見て関わり方を考えてあげてほしいと思います。
きょうだいたちは困っていても相談できない人が多くて、その背景には、親に手伝ってほしいことや相談したいことがあっても遠慮をしてきた経緯があります。そういう子どもには、困っている時に適切に相談するスキルを身に付けられるように(なおかつ、自尊感情を肯定的に保てるように)関わってあげる必要があります。
 
子どもが子どもとしていられる場所とか気持ちを吐き出す場所があるということはとても大切で、小さいときからケアしておかないと思春期に精神疾患を発症したりすることもあります。正確な数値はありませんが、きょうだいの精神疾患発症率は高いと言われます。また、学齢期だと周囲に人の目がまだありますが、大人になると仕事の相談はするけれどそれ以外の人生相談ってなかなかしないし、家族背景にまで立ち入ったアドバイスもしてもらいにくいですから、支援を受けにくくなるので配慮が必要だと考えられています。