すてっぷ・じゃんぷ日記

2022年2月の記事一覧

友達と遊んだ方が楽しいやん

設定遊びが終わった後,W君が「スマブラ(ゲーム)をしてもいいですか?」と聞いてきました。W君は宿題が嫌いなので,事業所で宿題をやりたがらないのですが,今は「終わったら好きなゲームが出来るよ」という約束で頑張っています。シャイなW君ですが,とても大好きなゲームなので「ゲームがしたい!」と積極的に申し出てきました。

すると1つ上のR君が「僕も一緒にやっていい?」と聞いてきました。初めは「パソコンでゲームする」と言っていたのですがW君が「スマブラしたい!」と言っているのを聞くと少し考えて職員に聞いてきたのです。許可をすると2人で協力しながら配線等の準備をし,楽しくゲームをしていました。

後からR君に「最初はパソコンしたいと言っていたのになんで変えたの?」と聞くと「あのゲームは友達と一緒にやって面白いやつやから」と答えてくれました。普段は口が悪い,と責められがちなR君ですが友達のことを思って行動する一面も持っていたのです。

今すてっぷに通っている小学6年生の子ども達は3月で卒業をします。「一気に6年生卒業しちゃって大丈夫かな?」と思っていましたが,今日の姿を見て安心をしました。

“書いて覚える学習”に必要な力 Y先生のじゃんぷ通信11

「書いて覚える学習」に必要な力 Y先生のじゃんぷ通信11

学校の宿題には漢字ドリルを毎日書いて覚える宿題がどの学校にもあります。確かに我々親世代も、小さい頃は書いて覚えることを経験しています。書いて覚えることに何の疑問も持たないのが当然かもしれません。

先日「読み書き障害」の研修会があり、その中で発達性ディスレクシア研究会理事長の宇野彰先生からこんなことを教えてもらいました。
実は“書いて覚える学習”の中には次の5つの力を同時にやっているということでした。
①形態をとらえる「視知覚の力」(目で漢字等の文字の形をとらえる) 
②とらえた形を覚えておく「視覚記憶」の力(目で見たものを短時間覚える力)
③だいたいは読めるので「音の記憶」の力(音としても記憶する力)
④意味も分かるので「意味の記憶」の力(その漢字の意味も記憶する力)
⑤「筆順の記憶」の力

子ども達がノートに書く作業はじつはこんなに多くの力を使っているのです。ほとんどの子ども達は大人と同じように無理なくこなしていますが、この力のどこかで困っていると、それをカバーするのにエネルギーを使いすぎて、他の力にも影響が出てきている子どもたちがいます。

・「えーと、『せ』という字はどんなんやった?」と思い出すのに2秒ぐらいかかります。
・漢字を写すのに、ドリルの手本を何回も見直さないといけない。
・ノートに書いているうちに、一本線が足りない字になってしまう。
などなどの様子が見られます。こんな時に「ちゃんと見なさい」「書いたら覚えるはず」と言っても解決しません。

宇野先生は、5つの力を同時に使うことがうまくいってない時は「分けて学習する」といいと言われます。放課後デイじゃんぷでは、その子の困りに合わせてどの力を使いやすくするかを見つけながら取り組めるようにしています。子ども達の見せる様子から、こんなことをアドバイスしていると次は紹介していきます。