すてっぷ・じゃんぷ日記

2020年4月の記事一覧

天王山

天王山に登りました。一人は天王山のふもとの保育園で育ったH君と、もう一人はすぐに疲れてしまうJ君です。天王山の山頂には、城跡があり、H君など歴史ファンは、古城跡の土塁周辺から遺物が出土しないか探す人も少なくありません。J君にその興味がないわけではないし、標高差は200m程でそんな本格的な山道ではないですが、やはりしんどさが勝ってしまいます。行ったことがない道は見通しがないのでさらにいやになります。そんなわけで中腹で撤退してきました。

山崎城(やまざきじょう)は、山崎の戦い後、大坂城を築城するまで豊臣秀吉が本拠地としていました。別名「天王山宝寺城」や「天王山城」とも呼ばれています。 山崎城がある天王山(標高270.4m)は淀川を挟んで男山があり、宇治川、木津川、桂川の合流するところで、山城と摂津の国境にある。山麓には西国街道があり、河川を含め軍事、経済、交通の要所でした。 京都への圧力と、防備、外圧を防ぐ両面を持った地で、古来より何度か戦場となっているところです。歴史好きの子どもを連れていくには、手ごろな山です。

ごめんね

F君がおやつを持って立ち歩いているときに、肢体不自由のGちゃんの腕がF君の手に当たりました。F君大声で泣きだして「感染したらどうするんだー!だからこいつらは嫌なんだよ~」F君収まりがつかず、公衆の場でのNGワードがつぎつぎに飛び出し泣きじゃくるという一件がありました。発達障害の人たちの中には、触覚過敏の場合があり、緊張している時などはちょっと当たっただけで大騒ぎするほど刺激を感じたりする事があります。パニックとはいえ大声でNGワードはまずいので、別室に移動してもらいました。

F君、家に帰って今日あったことを家族に話し、家族からこんこんと諭されて「謝って来る」と決意しました。謝罪に来たF君は「緊張する―」と言いながら、言葉のないGちゃんに「ごめんなさい」が言えました。自分の言葉に責任を持つことを、ここで一つ一つ学んでいけばいいのだと思います。

 

衝動性と理由付け

してはいけないとわかっていても衝動でやってしまうことはあります。お友達が嫌がるのは知っているけどわざと嫌がることをしてしまう。スタッフがこれを言うと怒られるのは知っているけど喋ってしまうなどです。だれにでもあることですが、今やるか?というタイミングで執拗に繰り返す場合があります。

だいたいこういう行動が増える時は、本人がしんどい時です。それも確たる理由がなく、漠然と不安だったり、気持ちが「ぞわぞわ」するなどと当事者は言います。こういう時は、あれこれ社会的な因果関係を考えずに医療機関に相談した方が早く解決することが少なくないです。睡眠や食欲、便秘等自律神経系の乱れもよく観察して相談してみてください。

担当スタッフは、あれこれ理由を推測しますが、あまり根拠のない思い込みが多いです。理由を考えるよりもまずは、不適切行動の回数と変化、発生時間、先行状況、結果をABCシートに記録してみる習慣をつけていくことが大事だと思います。そして、おそらく先のケースはABCシートを分析しても、注目を得るという結果は共通しているのですが、先行条件の共通性が見出せないことが多いのです。

このはっきりしない行動に、根拠もなく意味づけをするのはナンセンスではないかということです。根拠のないことは占い師に任せておいて、行動科学や神経心理学的な知見を学ぶことが大事です。

マイクラ・コミュニケ―ション

すてっぷでは、マインクラフトも取り組みます。スタッフが作ったワールドにみんなを呼び込んで共同作業をしたり、課題を仕掛けたりします。4人くらいでやると楽しいです。お互いに駆け引きをしたり協力をしたりするのが楽しいのです。バーチャル空間なので、結構乱暴なふるまいもあるのですが、痛みが伴わないので、あとで「ごめんな」で済むことも多いので、支援もしやすいです。ある心理学者はマイクラには箱庭療法的効果がみられると、どこかで書いていました。そうかもしれないなと思います。放デイでは、マイクラが定番のゲームになっているところは少なくありません。

大事なことは、放デイの場と自宅でサーバーを経由して複数人で遊ぶ場合の違いや、教育j的に使った場合の効果をスタッフがわきまえているかどうかという事でしょう。逆にあんまり介入するとマイクラの楽しさを失うことも、スタッフは良く知って取り組む必要があるなと感じます。

泣く子も笑う絵カード

新入生のEちゃんが事業所に入るなり大声で泣きだしました。別に悲しくて泣いているのではありません。大人がいなくなれば泣かないのです。つまり、泣けば公園に連れて行ってくれるという理解なのです。

スタッフは、どうしたものかと困り顔です。ここは、機能的コミュニケーションを教える絶好のチャンスなのにもったいないと思っていました。そこへ、もう一人のスタッフがやってきて、Eちゃんに公園のカードを持たせて中心指導のスタッフに渡させました。「OK公園行こうね」と公園カードをスケジュールのゲームの後に貼り付けました。「ゲーム終わったら、公園に行こう」

Eちゃん、泣くのをぴたりとやめて、ニコニコしてゲームに取り組みました。そうだよ、大声出さなくても泣かなくてもあなたの思いは伝わるよ。ゲーム終了後、Eちゃんは笑顔で公園に出かけました。