すてっぷ・じゃんぷ日記

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余暇を探す

Q君は暇な時間が上手に過ごせません。ブロックを組み立てるとかyoutubeを見るとかキャラクターを並べるとかの興味のあることがあまりないので、大人の注目を集めるようないたずらをします。PCの電源を引き抜いたり、ドアから出たり、仲間の作業の邪魔をします。

余暇の過ごし方は、本人の好きなことを保障します。しかし、好きなことが大人の注目を集めることとなると目が離せなくなります。余暇とは余った暇と書きますが実は大変重要な意味を持ちます。自分の楽しみを実現する時間です。もちろん、対戦スポーツなど人を必要とするものもありますが、基本的には一人で楽しめる活動がないと自立が困難となります。

Q君はロゴや文字などの書写の能力がありそうなので、レタリングやカラーリングの作業が好きにならないだろうかなどと話しています。考えてみれば、本来、余暇の内容は本人が決めるもので、他人が余暇の内容を考えてあげるというのも不思議な感じですが、人がいなくても一人で過ごせるというのは思春期以降の大切な力です。Q君の余暇が見つかるように、彼の強い力を生かせるものを考えていこうと思います。

再びスケジュール考

スケジュールについては「9/19効果のでないスケジュール」や「5/30視覚支援」で述べましたが、その趣旨は、大人が子どもを管理するためにするためのものではなく、支援を受ける側の方々が、理解しやすく、不必要な混乱をしない、つまり、生活の主人公になるために行うものです。

そのほかにもスケジュールによる視覚支援は、短期記憶の弱い人の記憶の代わりになり、作業や学習を進めるにあたっていちいち人に頼らなくても、自分で自立してすすめられるという利点があります。つまり便利なのです。

ただし、やりたくもない課題、必要性を感じない内容については、いくら手順を示してもやりたくないものはやりたくないのです。つまり主人公たる本人のやりたいことが、自分の力で実現できるから、スケジュールをはじめとする視覚支援を本人が使おうとするのです。自分にとってメリットがあるから使うのです。座らせたり、片づけさせられたり、準備させられたりするためにスケジュールは使われるのではありません。それは、ABAの理論に基づいた動機付けの工夫が別に必要です。スマートなスケジュール支援はそこまで考えた総合的な教育支援になっているものです。