すてっぷ・じゃんぷ日記

タグ:支援

興味があるのは良いことです!

先日,相談事業所とのモニタリングで「A君が学校でもとっても生き生きしてるんです!」と話を聞きました。A君は学習に向かいはしますが,苦手な算数の問題等は避けようとする姿がありました。(最後までやり切りますが)

今年の夏ごろ,突然漢字に執着する様子が見られました。漢字の学習をしている時でもそうでないときも,「〇〇って漢字はあるの?」「習ってない漢字は入ってる?」と質問をするようになりました。

お家や学校でも同じことをしているらしく,大人の思いとしては「それよりも今の勉強をしてほしいなぁ…」となるところです。

ですがその気持ちを受け止めつつも今の学習に向かえるよう工夫をする,ということになり,家庭,学校,じゃんぷ全ての場所で同じように対応をすることになりました。

「文章問題の漢字を教えて!」と言われると「問題終わったらね」「今日の算数の終わったら珍しい漢字5個教えるよ」と,その興味を引き出しにしながら学習に取り組みました。

学校,家庭,じゃんぷと同じ対応をするとA君はどこでも学習に意欲的に取り組み,難しかった文章問題も少しずつ自分で取り組むようになっています。(文字に興味を持ってくれたので文章を読む機会が必然的に増え,読む力がついたこともあります。)

子どもが何かに興味を持つことは素晴らしいです。そのことをないがしろにせず,学習に関連付けたりして学習に向かうための引き出しにすることが大事です。

また,今回は関係機関が同じ理解をし,共に支援が出来た事も大きいと思います。子どものことを理解し,共に支援をする。大事だなぁ~~!!!

 

先生,書いて下さい!

先日じゃんぷに通う3年生のJ君が「今日はしんどいかも…先生,算数の宿題,式だけ書いてください。」と要求してきました。

J君は学習に対しての苦手意識が強く,宿題もやりたくない思いが強いです。4月当初,「やりたくない!」という気持ちが強く,宿題を「ない!」と言ってやり過ごそうとする姿も見られました。

読み書きや計算の処理が苦手なJ君にとって,ノートのマス目が小さくなったり,わり算といった学習内容のレベルアップ等,環境の変化についていくので精一杯だったのでしょう。「ここまでやろう。」「式は先生が書くよ。」「ここはなぞってもいいよ。」等,負担を減らしたり個別学習の時間で具体物を示して計算の方法をおさらいしたりし,J君が達成感を得られるように支援をしてきました。

宿題への向き合い方がわかったのか,ここ最近は「宿題嫌だ!」と言わずに黙々と取り組む姿が続いていました。大嫌いだった漢字の宿題もとても丁寧に取り組んでいます。

先日久しぶりに「算数の宿題の式だけ書いてください。」と職員に要求しました。「やりたくないよー!」ではなく具体的に援助を求めることが出来たのです。「わかった,じゃあ書いてる間漢字の宿題やっとく?」と聞くと「うん!」と言って黙々と宿題に取り掛かるJ君。自分の調子を客観視し,援助を要求したJ君の成長に感動した出来事でした。

約分が難しい…

じゃんぷに通うD君が約分に苦戦をしています。そもそも,約分を苦手としている子どもは多いですが,それはなぜでしょう?

約分とは分母と分子を同じ数で割っていくのですが,この『割れる数で割る』というのが少々曖昧で難しく感じているようです。特に計算が苦手であったりこだわりのある子どもにとっては余計にそう感じるようです。

最初はD君が公倍数,公約数を理解していないのか,と思いましたがそういうわけでもありません。それはきっちり理解していました。D君が「一気に終わらせたい。」という気持ちがあるようです。

「分数×分数」「分数÷分数」の宿題やプリントの答えを見ると「16/28」で終わっていたり,傍から見たら「まだ割れるやん!」と思ってしまいますが,D君にとってはそこで力を使い果たしてしまっているようです。

しかしそれで終わりにし,テストで×を貰ってしまうとそれはそれでD君の自己評価が下がってしまいます。

6年生の問題は問題数が多く,書くスペースも少ないです。約分の基礎である「小さい数字で割っていこう」ということを改めて教えつつ,少ない問題数でフリースペースが広い課題を準備し,定着するよう支援をしていこうと考えています。

 

モラル支援

高学年のK君がみんなを待たせているのに、待たせたことを謝罪もしないで下級生に横柄にあたることがあったという報告がありました。スタッフにしてみれば、在宅がちのK君がみんなと遊ぶことができる機会の出鼻をくじきたくなかったという思いがあります。しかし、反省会ではそれは支援だろうかと議論になりました。

まず、不適切な言動をスタッフはあれこれの理由があってもスルーしてはいけないことです。なぜ皆を待たせて謝罪がないのか正面から聞くことです。高学年の存在は、低学年にとってあこがれの存在です。しかしそれは下級生に横柄にしたり謝らなくていい存在ではありません。スタッフがその言動をスルーすれば集団モラルは劣化してしまいます。スタッフは、どんなに急いでいても、相手の気持ちがわかりにくい子どもたちだからこそ、なぜ謝罪が必要か丁寧に説明することが支援です。その場でできないなら後で話そうと保留して、その言動を許してはいないことを全体に示す必要があるという話をしました。