すてっぷ・じゃんぷ日記

タグ:支援計画

具体的な目標

放課後等デイサービスでは、半年に1回個別支援計画を書き直します。1万4千の事業所が23万人弱の子どもたちに書いて保護者に説明していることになります。もちろん、放デイだけで考えるのではなくて、相談事業所が家庭や地域での目標も含めて当事者からの聞き取りやアセスメントを経たサービス利用計画として大枠の目標を設定し、それに沿う形で放デイの目標が決まります。

気になるのは、どの計画をみても誰にでも当てはまりそうな目標が並んでいることが少なくない事です。支援計画とは、文字通り支援の計画ですから、何をどのように支援すれば子どもが自立的に活動できるのか、みんなと活動に参加できるのかが記述されている必要があります。

勿論、生活経験を重ねる中で自然に子どもたちが気づいて力をつけていくことが望ましいのですが、子どもを取り巻く環境は必ずしも子どもが自分で学べる環境ばかりではありません。その環境の調整も含めてスタッフは子どもの支援を考えていく必要があります。そして、放デイの取り組みだけで子どもが成長していけるものでもありません。家庭や学校、他の事業所も利用している子どもはそれもふくめて考える必要があります。

となってくると、あまり大上段に振りかぶった大きな目標よりは、1回2時間ほどで週2~3回の放デイでできることを目標にしなければなりません。具体的に書くことは今まさに必要なリアルな支援が展開されている証拠でもあるのです。

 

懇談会

福祉事業所ではおおよそ半年に一回は支援計画の振り返りと新たな計画の作成を行い、利用者やその保護者の方と懇談を持ちます。この流れは教育界にも影響を与え、個別の指導計画や教育支援計画があります。これは、福祉が明けても暮れても同じような目標を何年もかかげ続けて、その支援について根拠が感じられないという利用者関係者の声を受けて、また「私たちの事を私たち抜きで決めないで(Nothing About us without us)」という障害者の権利運動も背景にして、始まったものです。そして、低劣な支援を続ける事業所は淘汰されるべきだとして、契約の段階で利用者と事業所が対等に話をして、現実的な支援策について話をするためのツールとして支援計画は生まれたのです。しかし、それでも事業所の立場の方が強いのは変わりないです。事業所の数が過当競争にならないように事業所数がコントロールされているので、利用者の事業所選択の余地がほとんどないからです。

確かに資本力が大きければ質の高い実践の可能性は高まります。しかし、それだけでは支援の質は高められません。どんなに資本力のない事業所でも、科学的な根拠に基づいた支援の質は時間をかければ利用者とその関係者に伝わっていきます。この9月は懇談会が続きます。当事業所の支援をぜひご理解いただき、新規または、更新された支援計画に、ご契約をいただきたいと思います。