すてっぷ・じゃんぷ日記

タグ:読み書き支援

クイズを作って発表しよう

「どうぶつずかんを読もう!: 10/13」で紹介した子どもと,休憩時間にみんなで遊ぶ取り組みについて一緒に考えていました。「〇〇君が今まで集めた動物図鑑でクイズ作って,クイズ大会をしてみたら?」と話すと.「いいよ!やろうやろう!」と言ってくれました。

読み書きが非常に困難な子なのでみんなの前で文章を読む,ということは嫌がるかなと思ったのですが…とても乗り気になってくれました。

今まで集めた動物図鑑カードを持ってきて,個別学習の中でクイズ作りをしました。「2年生もいるから選択式にしたほうがいいかな…」「難しいから〇問正解した人にはボーナスのおやつプレゼントとかしたいな」「ラッコの数とか俺もびっくりしたからみんなも驚くんじゃないかな」…たくさんのアイデアを出してくれました。

動物の名前書いてくれないかな~と思い,問題のテーマとなる動物の名前を書く欄を作ったのですが,「ラッコ」を書いて力尽きたようで「後は先生が書いて…」となったのですが…それでも苦手な文章読みを頑張って何回も練習し,みんなの前で発表してくれました。

下の画像はその子と一緒に作ったクイズの原稿です。文章は文節ごとに空白を作り,該当学年まで習った漢字を使いつつも読み仮名をつけています。単語のまとまりを意識して読む練習にも繋げています。

言葉の手がかりを使って漢字を覚えよう!

じゃんぷに通っている子どもの中に,「漢字が中々覚えられない」と感じている子どもがいます。その子のテストを見てみると白紙回答の問題は一つもありませんでした。

へんとつくりが逆になっていたり,形の似た別の漢字を書いていたり等,何となく形は覚えているようです。なので「読めるけれども書けない」といった状態になっているのです。

こういう場合,「言葉の手がかり」を使って順番に漢字の形を覚える方法が合っているかと思われます。下の画像のようなプリントを用意します。プリントに書いている通りに「ななめ、じゅう」「ななめ、よこ、たて、よこ」と聴覚記憶を頼りに漢字を覚えていきます。

これは小池敏英先生,雲井未歓先生が出している「遊び活用型 読み書き支援プログラム(2013 図書文化)」の本に詳しく載っています。興味のある方は是非ご一読ください。

アイデアいっぱい!マインドマップで整理しよう!

じゃんぷに通うP君が夏休みの宿題を持ってきました。先日持ってきたのは「絵日記」です。

P君は先日旅行に行った時のことを書く,ということでその時の出来事を次々と話してくれました。普段書くことが苦手なP君が鉛筆が止まらないようでした。ただ頭の中で浮かんだことを文章にすることはまだ苦手なようで,継ぎ接ぎな文章になってしまうようです。なので絵日記をじゃんぷに持ってきたとのことでした。

P君はたくさん出来事を話してくれるので,それをマインドマップにして時系列を整理し,文章の構成を組み立てました。そして文章を一緒に作り,それをP君が絵日記に書きました。

すごく達成感があったようで,「最後まで文章書けた(空白を作らず文章を埋めれたということ)の初めて!」と喜んでいました。

情報を整理して文を書こう!

じゃんぷに通っている子ども達の中に,「感想文って苦手やなぁ。」とつぶやく子が多数います。

読み書きを苦手としている子ども達は本を読む習慣が少なくなり,必然的に「文章」に触れる機会が少なくなります。「アニメは好きだけど漫画は読まない。」という子も中にはいます。

学校では校外学習等行事の後に感想を書く機会がありますが,そういった子ども達にとって憂鬱な時間になるようです。子ども達の意見をまとめていくと「何を書いたらいいかわからない。」「どうやって書いたらいいかわからない。」「文を書き始められない」等々…

じゃんぷでは子ども達と行事の感想を聞きながらマインドマップで表したり,時系列ごとに並べ,情報を整理しています。そして書くことが苦手な子の場合は状況に応じて,文を一緒に書いたりなぞりにしたりタイピングにしたりと様々な方法を使っています。

情報を整理することで「あ,わかった!書けるわ,先生見てて!」と言ってくれた子もいます。子どもは道筋を示すことで出来るようになることがあります。

漢字の組み立て

じゃんぷでは漢字の読み書き支援として,「遊び活用型読み書き支援プログラム」というものを使っています。

主に「漢字の組み立て」を使っています。学校では漢字の形から偏と旁(つくり),書き順等覚えることがたくさんあります。学年が上がるにつれて覚える漢字の量が増え,形も複雑になっていきます。

「漢字が書ける」ということは部分的に分けていくと,

 

・「形」がわかる。

・「読み方」がわかる。

・漢字の「意味」がわかる。

 

といったことに分けることができます。更に細かくすると書き順等も出てきます。つまり,様々な脳の機能を使って漢字を覚え,書くことが出来るようになります。

読み書きが苦手な子どもたちにとってそういったことに脳のエネルギーを多く使います。そこにドリルでの反復練習等,さらに力を使うことが出てくると脳がヘトヘトになってしまいます。

じゃんぷで使っているソフトでは,漢字を偏と旁(つくり)を中心に3~4個のパーツに分け,書き順に沿って組み立てていくものです。

これを使って大まかな書き順を知り,漢字と読みの一致の練習をしています。

これを使って「この漢字はもうわかるで!」「この漢字を書けるようになったで!」と話してくれる子どももいます。じゃんぷではスモールステップを踏んで,少しずつ子どもたちの学習支援を進めています。