すてっぷ・じゃんぷ日記

タグ:行動修正

お庭の裸足教育

Sちゃん、公園の砂地を見つけると靴を脱いで走り出します。それはまだいいのですが、川遊びの時も頑として怪我防止のための靴を受け付けてくれません。砂地と水は裸足と決めているようです。

最近はだいぶん少なくなってきたのですが、就学前の施設の園庭で裸足保育を推奨しているところがあります。足裏の感覚刺激は脳への良い刺激となり良い発達の一助になるという昭和伝説です。欧米では、赤ちゃんの頃から家の中でも靴を履き、はだしは風呂と寝るときくらいです。裸足保育で過ごした子どもの身体、認知、情緒面での発達が統計的に有意に高いと言うデーターもありません。どうやら、裸足が良いという科学的根拠はないようです。

就学してきたASDの子どもの中には、砂地を見つけると靴を脱いで走る子が時々います。就学前施設に引き継ぎに行ってみると子ども全員が裸足で園庭で遊んでいたというケースが多いです。ASDの子どもは、場所と行動がセットになり、なかなかそれを変えてくれません。Sちゃんには、公園には遊び靴の入った靴袋を、川遊びには川遊び靴の靴袋を運んでもらい遊びと靴はセットだよと教えるプロジェクトを検討中です。

 

エラー修正

U君は、「ジュースが欲しい」「クッキーが欲しい」等、事業所での簡単な要求なら絵カードで自発のコミュニケーションができます。ただ、学校等では「あーあー」と大きな声を出せば「どうしたの?何が欲しいの?」と聞いてくれるので、大きな声は要求のきっかけを作る行動にもなっています。

ある時、U君が「あーあー」と大声を出しているので、U君が公園に行きたいのだと思い連れ出した、とスタッフから報告がありました。そこで議論になったのは、大声を出すと公園に連れて行ってもらえると誤解しないだろうかという事です。「それなら、彼の欲しいもの(公園に行く)がわかっているので、絵カードを出させたら良かったですね」と意見が出ました。正しい意見です。問題はどうやって間違った行動を絵カード表出行動にもっていくかの修正方法です。

ABAの手法には、適切な行動の教え方はあちこちに掲載されているのですが、間違った行動を修正する方法があまり紹介されていません。当事業所が知る限りは、PもECSの4ステップエラー修正のみです。これは、モデル・プラクティス・スィッチ・リピートの4段回の修正方法のことです。

絵カード交換コミュニケーションだけでなく、修正はいろんな場面で必要です。なぜ修正方法に注目するかと言えば、マニュアルがないと人によっていろんな修正をするからです。結局、修正する人の指導スキルの違いがその子に混乱を与えるだけでなく、指導方法そのものの信頼度を失墜させかねないからです。また、仮にその修正方法に間違いがあっても、やり方が違えばどこを修正していいかわからなくなります。マニュアルを小馬鹿にする人がいますが、それは効果がないのに検証されずに続けているマニュアルが少なくないからです。本来マニュアルはバージョンアップするためにあるのです。行動修正は4ステップエラー修正でお願いします。