すてっぷ・じゃんぷ日記

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学校お迎えでのおねがい

Nさん、学校のお迎えの時に見通しが持てなかったのか先生の気を引きたかったかのかわからないけど昇降口で座り込んで動こうとしません。しばらくスタッフ待ったのですが、他の子どもを長時間待たせるわけにもいかず、抱え上げて送迎車に運ぶことになりました。そのあとは本人は何事もなかったかのように事業所についたのですが、あまり勧められた支援ではないなと言う話になりました。

学校でもスクールバスに乗せるまでは担任の仕事であるように、放デイの送迎車に誘導するまでは先生方にお願いしたいのです。もちろん、ほとんどの子どもは自分ですすんで送迎車に乗り込んでくるのでスタッフはそれをサポートしています。ただ、不安が強かったり切り替えが苦手な子どもも少数ですがいます。こういう子どもは、それまでの経過がよくわかっている先生方にお願いしたいのです。子どもの身体が小さければ実力行使も可能ですが、こういう子どもこそ思春期に差し掛かって体力もついてくると今度は子どもの側からの実力行使が始まります。

自立心が高まって来る時は大人の一つ一つの指示が気に入らなくなり反発します。その時は「どの靴はいていくの?」等と選択をさせると嘘のように自分で移動できます。なんでもお兄ちゃんのようにできるようになりたいけど「できないかもしれない」という不安が起こる時期では、斜めに構えてなかなか挑戦しようとしません。そんなときは、まずできたことを褒めます。昇降口ではつまづいているけど教室からは一人で来た事をえらいえらいと評価します。あとは、本人次第となりますが決して人と比べてはいけません。やるべきことは分かっているのですから。

それから、障害特性から次の見通しを「消失」することがあるということを念頭に置くことです。せっかく意気揚々と教室からは今日は放デイだと思ってきたけど、昇降口の喧騒で記憶がなくなって、いつもの「スクールバス」に置き換わっている子が少なくありません。そうなると、「何故あなた方は私を放デイに拉致るの?」と誤解します。ワーキングメモリーへの保存が心配な子どもには、自分で本日のお迎えコース写真を自分で選んで昇降口まで運んでスタッフに渡します。そうなると「ご乗車ありがとうございます」とご機嫌の放課後が始まるのです。どうぞよろしくお願いします。

トイレトレーニング

見学で訪れる就学前の子の中には排せつが自立していない子どももいます。保護者の方は保育所で言われた通りしているけどなかなか自立しないと焦られている方もおられますが、焦る必要は全くありません。トレーニングの時機と方法がその子の状態と特性にヒットすればあっという間に自立する子も少なくないです。みんなと同じやり方でうまくいかないなら、別のやり方を選べば良いのです。

下のグラフはトレーニング開始時期の調査ですが、通常でも2年以上の開きがあります。トイレトレーニングでは3歳までにパンツに変えて濡れる感覚を教えるんだという通説がまかり通っていますが、知的な遅れや発達障害を併せ持つ子はそれではうまくいかないことが少なくありません。通常のやり方での成功の原動力は、大人に褒められたい認められたいという動機の強さです。その要求が弱い場合は、別のアプローチを考えれば良いのです。また、濡れた感覚は子どもによって感じ方が違います。特に発達障害の子どもの感覚は過敏すぎたり鈍麻すぎたりで大人が思うような濡れて嫌な感覚を感じてないこともあります。結論から言えば、時機を見定めて短期集中型(3日から1か月程度)で視覚支援(何をどうするか成功したらどうなるか絵にして知らせる)や行動療法(ご褒美作戦)を用いたトレーニングで成功している例も少なくないのです。

時機を見定めるまでは、紙パンツでいいのです。3歳頃から布パンツで始めて1年も2年も失敗を続けている子どもがいますが、本人にとって失敗が当たり前になってかえって成功しにくいです。また、この失敗は時機を見誤っているか方法が間違っているのかもしれないと考えるべきです。子どもの個性は違うのですから、トレーニングも個性に合わせたほうが成功します。以下に通常のトレーニング方法を掲載しました。知的な遅れのある子や発達障害の子にどこが合わないか考えてみましょう。
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通常の場合のトレーニングの考え方はまず布パンツへの移行です。薄いタイプであれば、おしりに濡れた感触がすぐに伝わり、子供も失敗に気付くと同時に、漏れた不快感を感じます。この「不快感」がトイレトレーニングではとても大切で、子どもは不快感を味わうことによって「パンツにおしっこをしたら気持ち悪いんだ、だからトイレにするんだ」ということを学び、早くトイレトレーニングが進むと言われます。そして、水分をよく吸収する分厚いパンツは、洗濯が少なくすむけれど、子どものトイレトレーニングには不快感が少ないので不向きだと言われています。また、トイレトレーニングは子ども自身の意欲がとても大切で、パンツがモチベーションになるので、その子が好きな色やキャラクターのパンツを履くことで、トレーニングに意欲的になると言われます。

トレーニングの時期は「排尿の間隔が2~3時間空いていること」が目安になり、お喋りの早い子は「トイレ行きたい」と言えるのでトレーニングしやすいと言われます。トイレトレーニングは「3歳の誕生日を迎えるまで」を目安に、春~夏の終わり頃までが寒く無くて良いそうです。冬は寒くてトイレの間隔が短くなるので失敗が増えて良くないというのが理由です。
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いかがでしたか?濡れるのが気持ち悪く感じるということや、~だから~するという通常3歳頃の認知や言葉の力、排尿間隔が2時間以上という成功のための前提があるのです。逆に言えばこの前提が揃わなければトレーニング効果が上がりにくいという事です。効果がないのに延々と平均の子どもたちと同じ方法で取り組む就学前施設は、是非工夫をしてほしいものです。そして、別の方法があるのですから取り組んで欲しいものです。就学前児を支援する何とか支援センターはその工夫の助言をするためにあるのですからもっと積極的に支援して欲しいものです。そして、みんな同じ時期や同じやり方でなくても良いし、他にも視覚化や構造化、他の行動療法アプローチがあることを広めて欲しいものです。