すてっぷ・じゃんぷ日記

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宿題の進捗は…

さて,昨日からじゃんぷに子どもが来所しています。小学生の子ども達は冬休み中ということもあり,少し気持ちがフワフワした様子でした。

小学3年のC君に「宿題はどう?」と聞くと「出来てるよ」と答えてくれました。計画を立てることが苦手なC君でしたが,冬休みの宿題は学校の先生と一緒に計画を立てて取り組んだようです。

「ワークのこのページを〇日に取り組む」というようにそれぞれの宿題をいつ取り組むのかを学校で決め,終わったらどんな遊びがあるのか,をお家で決めて取り組んだようです。

長期休暇の宿題をその子に合わせ,一緒に計画を立てて子どもが自分の力で達成できるような配慮が大事だと感じた出来事でした。C君,幸先の良いスタートです!!

「漢字をきれいに書けるかな?」

夏休みが近づいてきました。夏休みと言えば、子どものころの「宿題」を思い出します。小学校では「夏休みの友」という愛称で提出されていましたが、学生時代までずっと夏休みの宿題に苦労してきた筆者にとっては、友だちというよりは「戦友」と言った方がしっくりときます。

 すてっぷでも宿題に取り組んでいる子がいます。L君は毎日、漢字ドリルの写しを頑張っている頑張り屋さんです。ただ最近、字の形が崩れてきているのが気になると、お母さんと職員の間で話題に上がりました。字が崩れてきている要因は、いくつか考えられました。

・宿題をしているときにL君が、近くで遊んでいる友だちの動作や音が気になるのではないか。

・宿題が終わっても、評価されたり褒められたりすることがなく、適当に流しているのではないか。

 そこで2点、改善することにしました。まずLくんは今まで共有の机で宿題をしていたのですが、それを少し離れた仕切り板がある場所に変えました。また、宿題が終わったら「できました。」とNくんから職員に伝えられるよう、Nくんとシミュレーションして練習しました。そして職員がノートを確認することにして、時には修正することもあるかもしれませんが、最後は褒めて終えるようにすることを職員で共有しました。

 新たに宿題をする場所を移したL君。仕切り板によって、他の子の動作や音に気が散ることなく、漢字一文字に対して時間をかけて、丁寧に取り組めました。また、宿題が終わった後に、職員に「できました。」と報告することもできています。職員がノートを確認すると、最近の崩れていた字と比べると一目瞭然!きれいな字が書けていました。職員から「字をきれいに書いているね。」と伝えると、N君は嬉しそうにノートを受け取りました。

 今回改善したのは環境整備と振り返りの時間を作ることでした。子ども本人に「きれいな字を書こう」と目標を伝えるだけではなく、周りを変えてみることで、より目標を達成しやすいようにすること、そして何より本人が達成感を得られるようにすることが大事だと思います。

1つずつ,時間を区切って

じゃんぷに来ているU君が頑張って宿題に取り組んでいます。

やる気はきっちりあるのですが,どこか宿題中ボーッとしてしまい,終盤「あわわわわ」と急いで宿題をすることがありました。

書くことへの苦手さや,計算等の処理に意識を集中するので,時間にまで意識が向かないようです。そこに力を使っているのでボーッとしてしまうのでしょう。

そこでタイムタイマーを使い,視覚的に時間を意識させるような支援をしてみました。また,彼は「宿題は時間が物凄くかかる」と思い込んでいるところもあります。1つの宿題が終わった時に「5分で終わらせることが出来たね!すごいやん!」と「これだけの時間で終わらせることが出来た。」という経験を具体的に伝えるようにしました。

まだ始めたばかりですが,少しずつ経験が積み上がっているように思えます。普段は帰る直前まで国語算数の宿題を取り組み,「まだ音読がある!」と慌てていました。しかし先日,算数の宿題を帰る5分前に終わらせ,「あと音読かな?」と聞くと「それはもう終わってるよ!宿題終わり!」とすっきりした表情で教えてくれました。U君,よかったね!

宿題と電卓と信託

U君が帰り際に電卓計算をしていました。ワーキングメモリーが弱いのと不器用なのでキーボード操作が遅くて20問中10問しか仕上げていませんでした。「これあとどうするの?」「どうしよう。家に帰ったら電卓ないから計算問題できないよ」「すてっぷにいる時間を考えて、通所したら今日の日程を計画したらいいね」「うん、そうする」

こんな話をしていて少しむなしくなりました。新しい担任とはいえ、学校は引継ぎをするものです。U君にとって「字を書く計算する」は最もパワーを使う作業で、他の子はルーティン作業のような軽微な課題も彼にとってはそれだけで疲弊してしまう活動なのです。

学級担任と自営業の塾講師はどこが違うでしょう。塾の人気がなくなり生徒が集まらなければ塾は倒産ですが、学校の生徒は担任を選べません。生徒に指導の結果がでなくても収入が下がることもありません。それは、適切な学校教育をしてくれると国民が信託をしているからです。そこが自営業の塾講師とは違うところです。信頼しています。

宿題プリントを考える

放デイに通ってくる子どもたちの多くは学校から宿題を持って帰ってきます。ブログでの宿題ネタは2年間で50タイトル近くありますが、その中で学校にお願いしていることは、個性のある学習特性に合わせた宿題を出してほしい!自学自習になる宿題を出してほしい!自尊感情が高まる宿題を出してほしいということです。3つもあるのかと思われそうですが、(宿題は自学自習 01/15)でも書いているように、同じことを違う側面から言っているに過ぎません。

B君が、「先生助けてください」というので見に行くとクロスワードパズルのプリントです。「こいのぼりをあげる日は?って書いてあるよ」「う~ん春かな夏かなぁ」問題が読めないだけでなく、暗に祝日をさしている意図も読めません。B君には知的な遅れもありますがディスレクシアの問題も抱えている人です。学校では学校でやらせたことを宿題にしているだけだと言われます。五十音が不確かな子どもに、例えこれを学校で一度やったからとしてもできるほうがミラクルです。プリントは低学年の自習用のプリントで良く使うものですが、低学年用といえどもLD用には作られていません。教えたから覚えているだろうという先生の自信はどこから湧いてくるのでしょう。

他にも、ワーキングメモリーが弱い高学年の子どもに、繰上りのある計算問題を低学年用だからと出してくる鈍感さには首をかしげたくなります。その問題が自力で終了できないこと、電卓を使って回答しても電卓の練習にはなるがそれ以上でも以下でもなく、知的な遅れのないC君には屈辱の時間でしかないことが理解できないのだと思います。担任は難しくないものをと「善意」で通常(読み書き障害のない子ども用)の低学年プリントを宿題に転用しますが、読み書きの問題は知的な遅れとは違うのです。知的障害とは質的に違う読み書き障害のことを知ってほしいと切に願います。

障害の状態は一人一人違うのでオーダーメイドがいいですが、支援学級には最高8人の子どもがいますから全てとは思っていません。読み書き障害用のプリントはたくさん市販されているのでその中のチョイスでもかまいません。少々の手助けは必要にしても、基本は一人でできる事が大事なのです。