すてっぷ・じゃんぷ日記

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中学年リーダー!

 すてっぷに通う小学校中学年のDくん。この夏、目をみはるばかりの成長を見せてくれています。

 今の小学校グループは、2年前のリーダーたちが卒業してから新しく入ってきた子たちが中心です。高学年の子もいますが、どちらかというと年下をリードするというタイプではありません。子どもたち主体で話し合う場面(公園で何をして遊ぶ?など簡単な設定)は作りながらも、職員が支援しながら進めてきました。

 Dくんはこれまで、こういった話し合いの場面では、積極的に発言することはありませんでした。「ドッチボールがしたい!」など単発的に発言をすることはありましたが、みんなで決めるという過程のなかにはなかなか参加しません。それは言い方が強すぎたり、提案が通らなかった時に感情コントロールができなかったりなどの失敗経験があったのかもしれません。

 そこですてっぷでは友だちと楽しく遊べたという経験を増やしていくとともに、話し合いの機会を作る中で友だちと話すことや折り合いをつけるなどのコミュニケーション・社会性課題の成功体験を増やしていきました。そしてDくんの年下の子も増え、迎えたこの夏。Dくんは見事!リーダーシップを発揮してくれています。友だちに「何をする?」と聞いてくれたり、「グッパでチームを決めよう」と提案してくれたり。また年下の女の子に気遣って「やさしく投げようか」と声をかけるなど、相手の立場に立った提案をしてくれています。

 友だちへの優しい声掛けや提案が増えたDくん。一方で突発的に強く反応したり否定してしまったりということもまだ見られます。失敗経験につながってしまわないよう、丁寧に支援を続けていきます。

新リーダー誕生!

 この5月から、すてっぷの小学生グループの仲間が2人増えました。2人とも小学校中学年で、さっそく活動に参加したり、休憩時間に友だちと一緒に遊んだりして過ごしています。新人2人が友だちと一緒に過ごせるよう、職員も支援していますが、頼りになるのは先輩たちです。

 小学校5年生のJくんは、もう一人の6年生の先輩Kくんと一緒に小学校グループを引っ張ってくれています。Jくんが3年生の時、当時の6年生4人が下の子達をリードしてくれていました。その姿を覚えていたのかもしれません。今年5年生になってから、職員に「Kくんといっしょにリーダーしなあかんなぁ」とポツリとつぶやきました。そして有言実行、後輩の子達を思いやる姿をたくさん見せてくれています。

 先日、新人のLくんが休憩時間にパソコンでマインクラフトをしようとしていたときのこと。そばにいたMくんがLくんに「それ、使わないで!」と叫びました。すてっぷにある子ども用のパソコンは共用で、Lくんが遊ぼうとしていたセーブデータは以前Mくんがそのパソコンで作ったものだったのです。自分の作ったものを壊されたくないというMくんの気持ちもわかりますが、だからと言って強い口調で注意しても、新人には酷な話です。Lくんがおろおろしていると、そばにいたJくんが声をかけました。「L、新しく世界作り。教えてあげるし」。その後、Lくんが自分でセーブデータを作り、自分の世界でスタートできるところまで見守りました。そして最後に、「友だちの世界に入って壊したりするのはあかんのやで」と優しくLくんに伝えました。Lくんは落ち着いて、「うん」とうなずきました。

 リーダーとしてLくんに思いやった言葉をかけられたJくん。職員の指導だけでは子どもたちの集団作りはうまくいきません。子ども同士だからこそ伝わる思いもあります。その機会を作ったり、邪魔しないようにしたりと支援しながら、思いやれたJくんをたっぷり褒めたいと思います。