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「じゃあ、おれが投げるよ」
ようやく秋らしく、涼しく過ごしやすい日が続いたかと思いきや、一気に寒さが厳しくなり、あっという間に冬が来てしまったかのようです。慌てて冬服を取り出した人も多かったのではないでしょうか。
じゃんぷの子どもたちも、少し前までは半袖ばかりだったのに、今は多くの子が厚着をして帰ってきます。それでも学習や取組後に公園に行けることはとても楽しみのようで、「今日公園行ける?」とスケジュールを帰ってすぐに確認する子も少なくありません。
最近の子どもたちのブームは野球。公園に出かける時も、「今日は野球できる?」「バットとグローブ持っていっていい?」と、野球できることを楽しみに準備に入ります。公園に着くと、何人もの子が、「おれ打ちたい!」とバットとボールを持ってアピール。見守る職員に少し不安がよぎります。うまく投げる人や守る人を決められるかな。順番は? 他の集団ではティーバッティングなども使い、役割や順番交代などの支援もしてきました。今日の子どもたちはどうするかなと職員が見守っていると、「じゃあ、おれが投げるよ」と一人の子が立候補します。「誰から打つ?」「じゃんけん!」と残りの子たちがジャンケンし、「じゃあ俺1番!」「次、俺ね」と、順番を決めていきます。そして2番以降の子どもたちは誰に言われずとも、守備位置へ! 控えのバットとボールを持ったまま守備しているのはご愛敬ですが、自分たちで役割分担して、順番交代に野球で遊ぶことができました。
野球は1人や2人では中々遊べないスポーツです。30年ほど前は、そのあたりの公園でも子どもたちが10人ほど集まり、2チームに分かれて、守備もついての野球ゲームを楽しんでいました。しかし最近は、それほどの大人数が集まることは少なくなったのではないでしょうか。もちろんできる公園がほとんどなくなってしまったということもありますが…。それでも自分たちで相談し、役割や順番を決めて交代して遊べた子どもたち。社会性やコミュニケーションの力を積み上げ、発揮する場所の一つとして、じゃんぷでもその機会を子どもたちみんなに作っていきたいと思います。
「トランポリン大好き!」
先月からすてっぷでトランポリンの取り組みを始めました。支援学校小学部の低学年の子を対象に、室内で直径1mほどのミニトランポリンで取り組んでいます。もともと公園などに出かけ、道中の散歩や公園でのブランコで運動の機会を作ってきましたが、運動の幅を広げようということと、室内でできることを探そうと考え、トランポリンを導入しました。このグループでは、集団での設定遊びとして、ワニワニパニックやボウリングに取り組んでいるところでした。そこで、設定遊びが終わったら、その集団のまま、そのスペースでトランポリンに取り組むようにしました。
今年の夏、すてっぷでは初めての集団遊びとしてワニワニパニックに取り組んだDくんやEさんは、慣れて参加できるまで時間がかかりました。ですが、座って見ているだけでも「参加できたね、えらい!」と褒めるところから始め、毎日積み重ねていくうちに、次第に取り組めるようになっていきました。そしてボウリングに切り替えていったときには、スムーズに着席し、遊びに入れるようになりました。その成果が出たのでしょうか。もともとトランポリンが好きだったこともあったかもしれませんが、DくんやEさんはトランポリン遊びになるとスムーズに着席! 回数を数えて終わりを示すと、順番交代もばっちりです。
そしてジャンプはあまりできないFくんや、車いすで過ごすことの多いGさんも参加するようになり、より大きな集団での遊びになりました。Fくんは自分の番になると職員を呼び、手を持ってもらいながら跳ぶのを楽しんでいます。最近は腕に力を入れながら、後ろから腕を支えてもらうことで、自分で跳ぶことがお気に入りです。Gさんは歩いてトランポリンまで行き、トランポリンの上に座ります。職員が後ろから一緒にトランポリンに乗り、ジャンプ! Gさんも座ったまま跳ねるように跳び、その感覚を楽しんで笑顔に。最近は職員に支えてもらうことで、立って揺れを楽しんでいます。
大好きなトランポリン遊びがすてっぷでもできるようになり、遊びのレパートリーが増えた4人。一緒に遊ぶ人が変わったり、時には4人での集団になったりしても、順番を守って、自分の番が来たらトランポリンに行って遊んで、終わったら次の人に交代するという、簡単なルールをしっかり守れています。日々の積み重ねの成果が出たと実感しました。次は何の遊びにしようかなと、職員みんなで思案中です。