すてっぷ・じゃんぷ日記

タグ:個に応じた支援

そのうちじゃなくて今すぐがいいの♪

最近Tiktokで「新しい学校のリーダーズ」の「オトナブルー」が流行していますね。Tiktokを知っている子ども達からちょくちょく話を聞くこともあります。タイトルはその曲の歌詞ですが、本記事の内容とはほとんど関係ありません。すみません。

子どもが「〇〇をしたい!」と遊びやゲームを要求した時に「宿題をしてから」「やることをやってから」と約束することがあります。このブログで何度も書いている応用行動分析(ABA)の理論を基に、「してほしい行動」にアプローチし、それを行動した結果として「良いこと」がある=強化としているのです。

ただ子どもの発達段階によっては「~~をしてから」ということ自体が難しいことがあります。特にASDの傾向がある子どもは「0(出来ない)か100(出来る)」しか見えていません。「今できない」=「できない」となってしまうのです。つまり「そのうち」じゃなくて「今すぐ」がいいのです。そういった子にどれだけ「後から出来るよ」と伝えても良い強化には繋がらないこともあります。

そういった子にはまず「したいこと」を思い切りさせます。「したいこと」がひと段落ついた後、ほんの少しの量でいいので「してほしい行動」を提示します。この約束が子どもがパニックになる前に提示できることが一番良いですね。

基本的なセオリーは抑えつつ、子どもによって支援の形を変えることが特別支援には必要な視点だと考えています。ただ公教育ではそれが薄まってきているように思えます。これについてまたY先生と話したのでそれも後日ブログに書く予定です。

めざせ読み名人!!

じゃんぷでは読み指導の一環として「MIM(ミム)」を用いた指導に取り組んでいます。MIMについての詳細は省きますが,興味のある方は調べてみてください。

文字を読むことが苦手な子にとって,長音,拗音,促音が入る言葉はひらがなで習った読み方とは違う読み方をしたり,或いは読まなかったり等更にややこしいことになります。

特殊音節の読み方が定着しないまま学習が進むとことばの書きにも影響が出てしまいます。子どもはますます自信をなくし,読み書きが嫌いになってしまいます。

ただ読むだけではなく,言葉を読むときに手を叩きながら読む,という練習をしています。「清音,濁音,半濁音は手を叩く,促音は手をグーに握る,長音は合わせた手を下に伸ばす,拗音は手をねじって叩く」といった規則を作り,一文字ずつ読んでいく練習をしています。その練習が重なったら「①かけこ ②かけっこ ③かっけこ」と書かれたカードを見せ,正しい読み方の番号を言ってから読む,という練習もしています。

じゃんぷに来ている子どもの中には「これ楽勝や!先生聞いててな!」と自信満々に取り組みを始める子もいます。もちろん向き不向きはありますが,読み指導の一つとして紹介をします。

疲れた…

じゃんぷに来た子どもたちの顔つきが少し疲れている様子でした。新年度になって,6時間授業が始まったこともあるのでしょう。その中でも疲れやすいB君ですが,個別学習の時間は張り切って勉強をしています。カタカナ書きの練習は普段ハ行までですが,「今日はマ行まで書く!」と言って頑張って取り組みました。

しかしそれで力を使ってしまったのか,自立の時間のスケジュール(宿題)を見るとどんどん顔が暗くなっていきます。漢字の宿題はなんとか頑張りましたが,計算ドリルの宿題は「もうできないよ…」と言って床に寝そべってしまいます。計算ドリルの宿題は逆算(5×□=20 □の数字を求める)の問題が20問で,単純な九九から少し考えないといけない問題でした。普段のB君なら一人で取り組める問題ですが,疲れている状態なので見ただけで嫌気が差したのでしょう。

「〇分まで休憩する。」「〇時になったら始める。」という約束で休憩し,宿題に取り組みました。

子どもの辟易性(うんざりする,嫌気が差す)を軽んじず,その子の状態に合わせて支援をしています。この日は「問題は先生書くし,答えだけ書いたらいいよ。」としました。最後に「出来たね!」と声をかけるととても良い笑顔を見せてくれました。