すてっぷ・じゃんぷ日記

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休憩のトレーニング

 支援学校中学部のUくんは、すてっぷの休憩時間に過ごせることがなかなか見つけられませんでした。もともとはアニメが大好きで、よくDVDを見ていたのですが、1年ほど前から観なくなりました。それからは手持無沙汰になったように、指のさかむけを剥こうとしたり、服の糸をひっぱったりと、なかなか落ち着いて過ごせません。休憩にできることを複数提案し、どれにするか選択できるようにしても、自分では選ぶことはできませんでした。それどころか、職員が「どっち?」と聞くと、Uくんは「どっち?!」と過剰反応することも見られることがありました。

 そこでスケジュールから休憩時間をなくし、代わりに「せんせいとべんきょう」を入れて、かるたを職員と一緒に遊ぶ時間にすることにしてみました。他にも「さぎょう」でシュレッダー作業を入れるなどして、まずはやることがある状況の中、適切に活動できた(過ごせた)時間が長くなるようにしながら、それを褒めていくようにしました。

 次第に不適切行動や選択への過剰反応が少なくなっていったUくん。少しずつ、何もしないで横になってリラックスする休憩の時間を作ったり、視覚的に選択肢を提示して選んだりのチャレンジを増やしていきました。1年経った今では、公園で体を動かした後で運動か休憩かを聞くと、自分で休憩を選んでベンチでごろんとリラックスして過ごせるようになりました。スケジュールでも休憩時間を入れるようにして、休憩時間に先生と遊ぶか休憩かを聞くと、横になってリラックスすることも選べるようになりました。

 「休憩時間に好きなことができるよ」と提示しても、自分で過ごし方を見つけるのが難しい子もいます。休憩時間をその子に任すのではなく、必要に応じて休憩と選択をトレーニングとして取り組んでいます。

気持ちを楽にして

6年生のI君は分数の計算に挑戦しています。約分が苦手な様子なので分数×分数,分数÷分数の単元はとても疲れるようです。

宿題をしている様子を見ると問題を解くことで精いっぱいのようです。まだ約分ができる問題が1つ2つ程残っているのですが,自分で見なおして間違いを見つける程の気力は残っていないようです。

こちらから声をかけ,「まだ約分できる答えがないか見直しておいで」と声をかけると自分で見なおし,見つけることは出来ました。しかしまだ課題はありますが,疲れた様子です。

スケジュールの間に「休憩」を挟み,一緒に割りばし鉄砲を作って遊ぶ時間を取りました。こういった工作や遊びは好きな子どもなので,嬉しそうな様子を見せましたが「まだ課題あるけど…」とI君は言います。

「大丈夫大丈夫,〇時まで遊んで,それから始めても余裕あるくらいの量やから。」と伝え,「このページは5分で終わるし,これも5分で終わるから…」と時間の見通しを伝えると「じゃあちょっと休憩しようかな」と安心したようです。

子どもがやる気を持って取り組むことはとても良いことです。しかし偶にそれが「焦り」になって追い込んでしまうこともあります。そういった様子が見えた時は「ちょっと気持ちを楽にしようか」と休憩を提案してもよいかもしれません。

休憩・遊び??

よく子どものスケジュールに「休憩」とか「あそび」とか示して「自由にしていいよ」と言う意味で使っていることがあります。でも、これは子どもによっては、何をしていいかわからない事になります。今日は子ども自己刺激の声が大きかったと言う報告があったりしますが、その前にその時子どもがどうしていたのかが大事です。

何かをしていて声が出るなら、貧乏ゆすりとか椅子のギッタバッタンと同じようなものですが、何もしていない時に声が出てしまうなら、暇なので自己刺激をしているか、声を出していると誰かがするべきことを指示してくれる事があるので、「暇なので指示して」という注意喚起かも知れません。

コミュニケーション障害が重い子どもの場合は、後者が多いです。そうであるならば、やり直し行動で絵カードで好きなものを要求する等を教えます。大事なことは、大人が思っている「休憩」「あそび」は目に見えるものではありませんから何をしていいかわからない子が少なくないのです。「休憩」ではなく「忍たまビデオ見る」とか「髭男のアルバムを聴く」「シルバニアンファミリーを並べる」等具体的な余暇の過ごし方を提示することが大事です。