すてっぷ・じゃんぷ日記

タグ:安心

子どものつぶやき

じゃんぷに来ている中学生のM君が「テスト嫌やなぁ…勉強嫌やなぁ…」とつぶやいていました。

M君は中学1年生で,今回が初めての定期テストです。一見「勉強するのが嫌」という風に聞こえますが,職員は「不安があるのかな。」という見方をしました。

個別指導の時間,学習の前に一緒にテスト範囲を確認し,その中身を確認しました。するとM君は安心したからか学習に集中して取り組むことが出来ました。(一緒に考えよう! : 05/18)でも書きましたが,子ども達は日常生活の中で不安を抱えていることが多いです。そういった不安を子ども達の小さなつぶやきから拾い,少しでも解消できるような支援をしていくよう心掛けています。

一緒に考えよう!

先日じゃんぷに来ているJ君と学校で発表する文章を考えました。

学年での行事の中で発表する係になったようです。しかしJ君は意欲はあるものの不安も強い様子です。「先生一緒に考えて~」とお願いをしてくれました。

学年全員の前で発表する文章なので,J君はとても緊張しています。「どんなことを話すか。」と中心のテーマを書き,それをマインドマップにして内容を整理していきました。文章が出来上がっていく内にJ君からもどんどんアイデアが出,「ここはこんな言い方したい。」「ここでこれを言いたい。」と前向きになっていく姿が見えました。

学校生活の中での不安は子どもによって様々です。中には「教室で発表すること,間違えることが不安」という子ももちろんいます。

学習に対しての不安,そして今回のような発表といった行事に対しての不安に対して向き合い,子どもが少しでも安心できるようなことがじゃんぷでも出来ればいいな,と感じています。

動画で支援

高等部のK君がボール投げを楽しそうにしていると職員から報告がありました。前々回、初めてボール投げのやり取りをしたけど、ものすごく嫌そうな顔をして、ボールが飛んでくると恐怖の顔色になり無理なのかなという報告がありました。

どうして教えたか聞くと職員の投げたり受けたりする様子を真似るように指示したと言うのです。ASDの人の中には、指示されて人の真似をするのがものすごく苦手な人が少なくありません。「こっち見て」「ここを見て」と大人は言うのですが、「こっちってどこや?ここってどれや」と言葉で言われても人のどこを見て何を真似ていいのかわからないからです。

そこで、ボール投げの動画を見せましょうという事になりました。タブレットの動画は何を見ていいかすぐにわかります。注目点がわからなければ指さしても示せます。前回は、ボール投げの動画を見てK君一発で何をしているのか、どうすればいいのかわかったようで、その後すぐに他の職員と上手にボール投げ・受けができるようになったそうです。

そして今回、最初にうまくいかなかった職員とボール投げをすると、嘘みたいにニコニコして上手にできたという報告となったわけです。最初の段階では、どうしていいかわからないのに、前で職員が「○×△ω」と訳の分からない事をしゃべっているかと思えば、突然ボールが飛んできて顔に当たりそうになって、「怖い怖い」と思ったのかもしれません。今ニコニコしているのは「先週、動画見て良く分かったわ」という安堵と自信の笑顔なのです。百聞は一見の「動画」に如かず・・です。