すてっぷ・じゃんぷ日記

VOCAの意味

VOCAは、Voice Output Communication Aidsの略で音声出力会話道具が直訳になるでしょうか。大事なのはOutput(アウトプット)=出力というところです。言葉のない人の音声言語の代わりに使う道具という意味合いが重要です。人は、人から促されて喋ることはほとんどありません。自分が必要な時に自分で喋るのです。

XさんのVOCAの使い方は、先生が手にVOCAを持った時に「おかわり」と、Xさんがボタンを押しに行くという報告がありました。「え?それって『大人がおかわりと言いなさい』と言った時だけ喋れという指導と同じですよ」と他のスタッフが言いました。その通りです。自分から音声出力する=自発性言語を育てるはずのVOCAが受け身(応答性言語)の道具になっているのです。

肢体不自由の人は移動・食事・排泄など依存的になることが多いです。しかし、電子機器などを使えば、自分の意志を伝えることは可能なことからVOCAが生まれました。もちろん最初は身体プロンプト(後ろから手を添えて操作させる)をするなどしてVOCAの意味を教える必要があります。ただ、教え方は自発性を担保する教え方でないと、そばに人がいないと伝えられないとか、VOCAを人に持ってもらわないと使えないようになってしまいます。本人が操作しやすい位置にVOCA専用台を作る等いろいろ工夫して、自分だけの力で操作できる環境を整えようと話し合いました。

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