すてっぷ・じゃんぷ日記

宿題が多すぎる!

すてっぷを利用している小学生のほとんどが「宿題の量が多い」「苦手な練習が多すぎ」と悲鳴を上げています。また、低学年のうちはいいのですが、高学年になってくると宿題に向かうたびに「できなさ」に向き合わされる辛さが半端ないと訴えています。

理由はほとんどが、言語性ワーキングメモリーの少なさ所以の読み書き障害か、視空間性ワーキングメモリーの少なさ所以の算数障害です。中学年以降からはただ読めるだけでなく、すらすらと読めないと書き写しもしんどくなってきます。他の子どもは読む中で単語の音と意味が短期記憶から長期記憶に保存されるので、それを呼び出してきてどんどん読む速度が速くなりますが、いつまでも拾い読みの人は長期記憶にも単語が保存されないので遅いままです。

算数の速度は事物ファイルシステム・量的イメージシステムという視空間性ワーキングメモリーに左右されます。パッと見て3~4個が認識できるようになると数の分解も可能になります。例えば、7+5の「5」を3と2に分解して10と2という繰上りができそのうちに「5は3と2」などの長期記憶ができるようになります。そうするとすらすらと計算できてしまうのですが、この視空間性ワーキングメモリーが弱いといつまでたっても分解合成で指を使ったりしないと答えが出ないので長期記憶に保存されず他の子どもとどんどん水が開きます。

10ある力を他の子どもは学年が増すにつれ長期記憶が助けるので4か3の力で読んだり計算しているのですが、それがいつまでたっても低学年児と同じように10の力を使うとすれば、量が多くなれば処理できなくなるに決まっています。学習は、練習よりも意味が理解できているかどうかに力点を置いてほしいです。排水量の少ないシンクを思い浮かべて、水は出しすぎないように、どうかよろしくお願いします。