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みんなちがってみんないい

吹田市いじめ調査を研究所と協同

大阪府吹田市がいじめの大規模調査を実施。子どもの発達科学研究所と協同
[公益社団法人子どもの発達科学研究所]

2021/03/24-19:46【時事通信】

市全体で取り組む初のいじめ実態調査。講演で発表
大阪府・吹田市の要請を受け、公益社団法人子どもの発達科学研究所(大阪市北区梅田 代表理事:片山泰一)は、吹田市全体の小・中学校でいじめ調査を実施しました。市全体の小・中学校を対象にした大規模ないじめ調査は、日本では特筆すべきものになります。
なお、2021年3月23日にメイシアター(吹田市文化会館)にて「令和2年度いじめ予防推進事業講演会」が開催され、今回の調査結果をまとめた講演を、子どもの発達科学研究所の所長である和久田学が行いました。

吹田市では、令和2年度より「いじめのない学校づくり」を教育ビジョンに掲げ、「いじめ予防推進事業」を実施してきました。そのなかで、同市の教育委員会は、いじめの調査と予防を目的に、子どもの発達科学研究所が開発した「いじめ予防プログラム『TRIPLE-CHANGE』」(*1)を採用しました。

今回、子どもの発達科学研究所が発表した調査は、同研究所の特色でもある「科学的手法」をベースにしており、吹田市全体の小・中学校を対象とする大規模調査として注目されます。令和2年度に実施したTRIPLE-CHANGEプログラムでは、小・中学校の教師の方々に対し、90分の職員研修を10コマ開催しました。

リーダー研修の様子
また各学校にて、教師が生徒たちに向けてワークブックを使った「いじめ予防授業」を3時間ずつ行いました。
TRIPLE-CHANGEワークブック
調査に関しては、信頼性・妥当性を科学的に検証した調査項目を用いた「学校風土いじめ調査」(*2)を採用し、令和2年9月と令和3年2月に、吹田市全体の小・中学校の児童および生徒に対してアンケート形式で行い、データをまとめて分析をしています。このような大規模な現場調査は極めて珍しい事例として注目されています。
この調査結果については、2021年3月23日にメイシアター(吹田市文化会館)で開催した「令和2年度いじめ予防推進事業講演会」にて、子どもの発達科学研究所の所長・和久田学が発表を行いました。

■子どもの発達科学研究所およびプログラムへの問い合わせはこちら
公益社団法人 子どもの発達科学研究所
Tel/FAX:053-456-0575
E-mail:info@kodomolove.org
担当:安田・天野
■注釈(子どもの発達科学研究所の各プログラムについて)
*1:いじめ予防プログラム「TRIPLE-CHANGE」は、米国で科学的根拠があると証明されているプログラムの先行研究を活かし、子どもの発達科学研究所が日本の学校で実施可能なものとして開発した、いじめ予防プログラムです。今まで受講された皆様により、多くの学校現場で実践され、効果を上げています。このセミナーでは、たくさんの事例を通して、いじめ問題に関する「正しい知識/技法」を提供しています。また、受講後すぐに現場で取り組めるように、指導案や教材も準備しています。
URL:http://kodomolove.org/business/course/prevention

■子どもの発達科学研究所およびプログラムへの問い合わせはこちら
公益社団法人 子どもの発達科学研究所
Tel/FAX:053-456-0575
E-mail:info@kodomolove.org
担当:安田・天野
*2:学校風土いじめ調査は、学校で起こっている「いじめ」と、その学校や学級の「風土(雰囲気)」に着目した調査です。信頼性・妥当性を科学的に検証した調査項目で、「いじめ被害」と「学校風土」の実態把握を行います。子どもたち1人ひとりへの無記名のアンケート調査を行い、子どもたちの視点から「学校」や「学級」の風土(雰囲気)を数値(データ)で捉え、可視化します。それにより、教師の方々が漠然と感じていた学校や学級の「強み(長所)」や「弱み(短所)」をデータとして捉え、教師間で共有できるようになります。このようなエビデンスに基づき、課題解決に向けた具体的な学校経営や学級を行えます。
URL:http://stopijime.kodomolove.org/lp/

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いつまでも同じ調査を続けるだけでは時間の無駄です。調査から見出された傾向を把握し積極的にいじめを防止するプログラムの実施こそが必要です。我が国の公的サービスは調査と実践が乖離しています。今回の吹田市と研究所のプランは調査と実践がセットになっています。実践したことがどれだけの効果を上げたのか、効果が上がった理由と課題を調査して、さらにプログラムに磨きをかけていきます。言ってみれば当たり前のことですが、これが日本の教育や療育はできていません。

どんなに評価の高いプログラムでもやりっぱなしでは効果があったのかなかったのかわかりません。エビデンス(科学的根拠)のある教育・療育というのは個別にも全体にも7割以上の効果を上げるものを言います。もちろん、実施前のベースライン(事前調査)も事後のデータもどのように(客観性のあるもので)取ったかも重要です。このプランとプログラムが成果を上げ日本中に広がれば良いと思います。

 

「お母さん」「お父さん」という表現を避ける

「お母さん」「お父さん」という表現を避けるよう、ニューヨークの学校がガイドラインを発行。インクルーシブ教育のあるべき姿とは

3/23(火) 18:01配信【FINDERS】

多様な人々が尊重される共生社会の実現は、世界的な課題だ。近年、この問題の解決を目指す「インクルーシブ教育」の注目度が高まっており、各地で取り組みが始まっている。

そんな中、ニューヨークの学校が始めたインクルーシブな取り組みを紹介したい。

「mom」、「dad」を「grown-ups」、「folks」に
これはは昨年9月、インクルーシブな学校を目指すべく、教職員向けガイドラインを発行。その中で、「mom(お母さん)」、「dad(お父さん)」、「parents(両親)」といった表現の言い換えを推奨していると、『City Journal』が今月初めに報じた。

このガイドラインの家族に関する表現の言い換えをまとめた章では、「家族はさまざまな形で形成され、構成されています。同校では、この多様性を反映したインクルーシブな言葉を使います。子どもが誰と一緒に暮らしているか、誰が子どもの世話をしているか、毎晩同じ場所で寝ているかどうか、両親に会っているかなど、決めつけないことが大切です」と記載がある。そして「mom」、「dad」、「parents」を「grown-ups(大人たち)」、「folks(両親)」、「family(家族)」、「guardians(保護者)」と言い換えるよう薦めている。片親や同性婚の両親のもとで育てられている子どもに対する配慮なのだろう。

また、ガイドラインには性別、性的指向、人種、民族に関する言葉遣いや言い換えについてもまとめられている。例えば、「boys(男の子)」、「girls(女の子)」を「people(人々)」や「friends(友達)」と言い換えたり、「What are you?(あなたは何者ですか)」、「Where are you from?(どこから来ましたか)」と聞くのではなく、「What is your cultural/ethnic background?(あなたの文化的/民族的背景は何ですか)」、「Where are your ancestors/is your family from?(あなたの先祖/家族はどこから来ましたか)」と言い換えたりするよう促している。

誤った報道に、学校側が声明文を発表
グレース・チャーチ・スクールが発行したこのガイドラインは、多くのメディアによって取り上げられ、注目を集めた。しかしその一方で、一部メディアが誤った報道をしていると同校の公式サイトで声明を発表した。

一部メディアは、このガイドラインが“教職員向け”ではなく“生徒向け”と報じたり、「mom」などの言葉の使用を“推奨”ではなく“禁止”していると伝えたりしていたという。これにより、間違った解釈が広まり、学校に批判の声も見受けられた。

同校は「人種差別に対抗し、可能な限り歓迎的で、敬意ある学習環境を提供するため、多くの構想の中の一つとして、昨年9月に教職員に対しガイドラインを提供しました。ガイドラインは、義務的なポリシー、カリキュラムの一環、学生に対する指導として発行されたものではありません。ガイドラインの意図と目的をもっと明確にするべきでした。(ガイドラインは)生徒との交流において、教職員が感性と包括性の文化を育むのに役立ち、専門的スキルの開発や継続教育のためのツールになると考えています」と述べている。

インクルーシブ教育は共生社会実現のための大きなカギとなるはずだ。しかし一方で、批判の声も上がるだろう。インクルーシブ教育の在るべき姿について、ぜひ考えてみてほしい。

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う~ん・・・としか声が出ません。これは、あくまでニューヨークの私立学校「グレース・チャーチ・スクール」という小さな私立学校の話であり、アメリカ全土の話ではありません。しかし、この記事を最初にピックアップした『City Journal』の狙いはなんとなく分かります。ポリティカルコレクトネス(性別・人種・民族・宗教などに基づく差別・偏見を防ぐ目的で、政治的・?社会的に公正・中立とされる言葉や表現を使用すること)を学校に持ち込む是非での炎上狙いではないかと勘繰りたくなります。

為政者は、その発言についての影響力を考えて時代に即した発言を心がけるべきでしょうが、それを社会全体で上から求めるのは間違っています。子どもにとっては、教員は教える人です。上からではなく論じ合うだけだと言いますが、そうしないと公平社会には到達しないのでしょうか。確かに様々な民族で構成された社会では、多数派の人が移民とは知らずに初対面者に「どこから来たの」は出身国を聞いているようにも受け止められ上から目線を感じるのかもしれません。「前はどこで暮らしていたの」と聞けば少し和らぐという意味でしょう。単一民族の日本人にはわからない機微はあると思います。

しかし、米国には様々な家庭があると言え「僕のお母さん」を「僕を生んだ方の大人」とでもいうのでしょうか。継母や両親ともに男性なら「僕の大人」だけでしょうか。「君どこから来たの」ではなく「君の民族的背景を教えて」と書いていますが、子どもがそんな風に話す方が気色悪いです。

家族やその背景についてや個人の特性については、違って当たり前でそれぞれの人がその出自や特性は変えようがないし、むしろ誇りを持つことは正義だという教育こそ大事だと思います。かの私立学校のガイドラインは、実母を母と呼ぶ感情よりも周囲を気遣う感情を持てというのは行き過ぎています。「みんなちがってみんないい」のインクルーシブ教育とは何の関係もないと怒り出す人がいても当然です。ブラックマターの影響かどうかは知りませんが、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と、今流行りの渋沢栄一ではないけれど紀元前からの人知である『論語』をお勧めしたくなります。

ワクチン未接種の教師の出勤を禁じる判決

新型コロナワクチン未接種の教師に対して学校への出勤を禁じる判決が下される

2021年03月22日 12時30分【THE TIMES OF ISRAEL<GIGAZINE】

2021年3月21日(日)、イスラエル・テルアビブの労働裁判所が「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の定期検診やワクチン接種を拒否する学校教職員の出勤を禁止することができる」と、労働者の権利よりも子どもの安全が優先される判決を下しました。

イスラエル・ツルイガルの地方議会は、学校で働くすべての労働者に対してワクチン接種および新型コロナウイルスの検査を受けることを要求しました。この決定に対して、同地域にある学校でティーチングアシスタントとして働くSigal Avishai氏が、ワクチン未接種でも学校で働けるように議会の決定を覆すための訴訟を起こしました。

これに対して、3月21日に労働裁判所は「Avishai氏は仕事に戻ることができず、支払いも受け取れない」という判決を下しています。

裁判を担当した裁判官のMeirav Kleiman氏は、「Avishai氏が主張する個人の権利」と「学生や保護者、学校で働く労働者が有する権利」を比較検討した場合、「後者を優先すべきという判断になる」と判決について説明。そして、COVID-19に感染するリスクを回避するために、プライバシーと個人の自主性がある程度損なわれるのは仕方のないこととしています。

Avishai氏は従業員に対してCOVID-19検査を求めることは「ある程度不快なこと」と認めていますが、個人の医療情報を開示するという「プライバシーの侵害」は、比較的被害の少ない行為であるという見解を示しています。

今回の判決に対して、ツルイガルの地方議会で雇用法を専門とする弁護士のNaama Shabtay Bahar氏は「これは経済全体に影響を与えるであろう歓迎すべき前例です。労働裁判所は労働者の権利と一般市民の利益との間の正しいバランスを取りました。すべての労働者は予防接種を受けるか否かの権利を有していますが、すべての労働者がその決定に対する責任を負う必要があります。労働者とサービスを提供する一般消費者の両方を保護することを目標とする雇用主に、すべての責任を負わせるべきではありません」とコメントしています。

なお、イスラエルでは法律で「保健省が3カ月間にわたりCOVID-19ワクチンを接種していない人々に関する情報を地方自治体や教育省と共有すること」を許可しています。この法律は予防接種を受けていない人に予防接種を受けることを推奨することを目的としており、他の目的で予防接種に関する情報を使用することを禁止しています。

しかし、2021年3月初めにイスラエルの高等裁判所は、保健省がCOVID-19ワクチンを接種していない人々に関する情報を地方自治体に渡すことを禁じる一時的な差し止め命令を出しました。この差し止め命令において、裁判所はイスラエルにおける「プライバシーに対する憲法上の権利を害する」と主張しています。

なお、イスラエルの保健省が発表したデータによると、450万人以上のイスラエル人がCOVID-19のワクチンを接種しており、ワクチン接種率は世界でも有数です。

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武漢風邪のワクチン接種で世界のトップを走るイスラエルですが、接種しない権利はあるが未接種者の教育職での就労権はないということでしょう。ワクチンアレルギーの人などはどう考えるのでしょう。ただ、この記事を読んでいると、パレスチナとの戦火やテロが収まらない戦時国家の、全体主義的なムードを感じてしまうのは考えすぎでしょうか。

確かに、高齢者や呼吸器や血液系の疾患を持つ人への直接のサービス提供者の接種が就労する前提の義務だというなら理解できますが、子どもへの感染では世界中でかぜの軽微な症状だという事実に立てば、国家規模の集団ヒステリーのようにも感じます。

子どもと保護者を守るという言葉は美しいですが子どもの実害の事実は示さず、保護者の感染可能性は学校や子どもからだけではないので非科学的で合理性がありません。実害も示さず非接種者には学校での就業を認めないというのは、生活の糧を人質にした見せしめにしか見えません。為政者は集団パニックに巻き込まれないように冷静にリーダーシップをとってほしいものです。

LINE行政サービス停止へ

総務省 LINE通じ提供の行政サービス停止へ

03月19日 11時38分【NHK】

通信アプリのLINEが、利用者の個人情報を業務委託先の中国の会社がアクセスできる状態にしていた問題で、武田総務大臣は事実関係の把握を急ぐとともに、総務省がLINEを通じて提供している行政サービスの運用を停止する考えを示しました。

LINEをめぐっては、システムの管理を委託している中国の会社が、日本国内のサーバーに保管されている利用者の名前や電話番号といった個人情報に、アクセスできる状態になっていたことが明らかになっています。

これについて、武田総務大臣は19日午前記者団に対し、「ユーザーが安心してサービスを利用できる環境を確保する観点から、適正な事業運営が必要だ。関係省庁と連携し、事実関係を把握して適切な措置を講じていきたい」と述べました。

また、武田大臣は、総務省が現在、LINEを通じて提供している意見募集や問い合わせの対応などの行政サービスの運用を停止する考えを示しました。
さらに、保育所の入所申請や粗大ゴミの収集の受け付けなど、行政サービスにLINEを活用しているすべての自治体に対し、今月26日までにLINEの利用状況を報告するよう依頼したことを明らかにしました。

加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「政府では、LINEを含め民間企業が不特定多数の利用者向けにインターネット上で提供するサービスを利用する際には、機密情報は取り扱わないということで運用している。この基準に沿って、各省庁で対応していると認識しているが、現在、内閣官房を含め、各省庁におけるLINEの利用状況を改めて確認している」と述べました。

そのうえで「内閣官房では、個人情報などの管理上の懸念が払拭されるまでは利用を停止するなどの対応を予定している」と述べました。

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海外の通信系アプリはやばいとLINEが広がりだしたころから言われていました。単なるおしゃべりのやり取りくらいは盗見されても問題ないから大丈夫と大勢の人は思っていました。ところが、便利だと広まった通信系アプリには色々な情報のやりとりを載せたいのが人情です。こうして行政系の個人情報までがやり取りされれば抜き取られるのは時間の問題と、アプリの開発に関わる人ならすぐにわかったのだと思います。

一昨年も国会で海外のアプリの個人情報保護は大丈夫かと言う質問がされていましたが、行政は我が国の法律や基準に合わせた運用をしていると会社が言うので大丈夫だと応えています。会社が言うから大丈夫というのは相当お人よしです。普通はやばいんじゃないかという情報をつかんだなら行政が独自に調査をするべきでした。相手のいう事を鵜呑みにするとは、我が国の安全保障は本当に大丈夫かなと思います。

気になっているのは以前から述べているグーグル採用自治体は半数以上に02/19多国籍IT企業のアカウントが無料で提供される教育系プラットホームです。Googleの生まれが米国で自由主義国だから大丈夫なわけではありません。LINEは生まれも育ちも自由主義国ですが、中国本土に個人情報は流れました。国産の教育系プラットホームの開発は今からでも遅くはありません。政府が音頭を取って、こういう時こそ開発費や設備費の助成金をたんまり出せばいいと思います。GIGAスクールスタートの今年、政府の姿勢一つで子どもたちの個人情報が守られるかどうかの瀬戸際だと思います。

 

支援学校の生徒暴行

横浜・北綱島支援学校の生徒暴行、林市長が謝罪「教育の使命、自覚して」

2021/3/17(水) 22:11配信【神奈川新聞】

横浜市港北区の市立北綱島特別支援学校で教諭が障害のある生徒に暴行してけがをさせた事件を巡り、横浜市の林文子市長は17日の定例会見で「本当に残念で申し訳ない」と謝罪し、「教諭としても学校組織としてもあってはならないこと。教育委員会が決意を持って(再発防止に)取り組んでもらいたい」と述べた。

市教委が16日に公表した報告書では、当該教諭の人権意識や倫理観の低さを指摘。林市長は「教職員一人一人に教育の使命を自覚して、コンプライアンスなど服務の順守をお願いしている」と強調。管理職に向けて「人権意識を持って教職員の管理監督に当たらねばならない」と力を込めた。

事件は2019年11月に発生。教諭は傷害容疑で逮捕され、暴行罪で罰金30万円の略式命令を受けた。市教委は昨年4月、停職6カ月の懲戒処分にした。現在は市立高校で教諭として勤務しているという。

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支援学校教諭が障害の生徒暴行、罰金命令横浜市教委が処分へ

2020/2/27(木) 5:30配信【神奈川新聞】


横浜市の特別支援学校の男性教諭が障害のある生徒に暴行し、けがをさせたとして逮捕された事件で、市教育委員会は26日、事件を公表し、教諭が暴行罪で罰金30万円の略式命令を受けた、と発表した。今後、教諭の処分を検討する方針。

市教委によると、教諭は34歳で、北綱島特別支援学校(同市港北区)に所属。昨年11月、体の不自由な生徒をトイレで介助した際、生徒の手が複数回当たったことに激高し、肩を殴る、洋服をつかんで揺さぶるなどした。「一人じゃ何もできないくせに調子に乗るな」などと口にした。

生徒は意思に反して手が動くことがあったといい、揺さぶられた際、車椅子に後頭部をぶつけて約2週間のけがを負った。

生徒の利用する放課後デイサービスの職員がけがに気付いて発覚。教諭は今月5日、傷害の疑いで逮捕された。

市教委は26日まで事件を公表しなかった。当初、生徒の保護者が本人の特定につながるなどの理由から非公表を要望。その後、公表を求めたという。市教委は公表時期について「処分決定時を検討していたが、再発防止に取り組む必要があり、このタイミングになった」としている。

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全身不随の生徒暴行で教諭停職横浜の特別支援学校

2020.4.21 12:40【産経新聞】

横浜市教育委員会は21日、全身不随で車いすを利用する生徒を殴るなどしたとして、市立北綱島特別支援学校(同市港北区)の福田慎教諭(34)を停職6カ月の懲戒処分とした。

市教委によると、福田教諭は昨年11月19日、トイレで生徒の手が複数回当たったことに腹を立てて暴言を吐き、肩を殴ったり、胸ぐらをつかんで体を揺すったりするなどした。生徒は頭をぶつけ、2針縫うけがをした。

さらに、福田教諭は生徒の保護者からの問い合わせにうそをついて暴行を隠し、上司にも虚偽の報告をした。横浜区検に2月26日、暴行罪で略式起訴され、横浜簡裁から罰金30万円の略式命令を受けた。既に納付している。

福田教諭は、何度も生徒の手が当たったためにわざとだと思い込んで腹を立てたと釈明。「けがをさせ、申し訳ない」と話しているという。

市教委の古橋正人教職員人事部長は「極めて遺憾であり、大変申し訳ない」とコメントした。

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これは事件内容も処分もトップの対応もみなひどいです。横浜市林市長は現職3期目でこの夏改選ですから、事件当時も市長の職にあったのです。今回の市長のコメントは事件から1年以上たっておりあまりにも遅すぎます。もっと不思議なのは、この教師は起訴され有罪になっているのに、停職復帰後は高校で教諭を務めていることです。

確かに、教職員の懲戒基準には合致しています。以下は京都府のものですが、体罰による全治1か月未満の傷害は停職処分です。しかし、この教員の行動は生徒の言動を正すための体罰とは言い難く、ただ激昂して相手が弱いので暴行したとしか思えないです。
(1) 体罰
ア 体罰を加えたことにより、児童生徒を死亡させ、又は児童生徒に重大な後遺症が残る傷害を負わせた教職員は、免職又は停職とする。
イ 体罰を加えたことにより、児童生徒に治療期間が概ね30日以上の傷害又は後遺症が残る傷害を負わせた教職員は、免職、停職又は減給とする。
ウ 上記ア、イの場合以外で、体罰を加えた教職員は、停職、減給又は戒告とする。
(注)処分を行うに際しては、被害者等の状況、社会的影響等も情状として考慮の上、判断するものとする。

さらに、この教職員は生徒にけがを負わせたのに上司や親に嘘をつきました。
(6) 虚偽報告
事実をねつ造して虚偽の報告を行った教職員は、減給又は戒告とする。

そして、公務外であっても傷害罪には免職の記述があります。
(3) 傷害
人の身体を傷害した教職員は、免職、停職又は減給とする。

こう考えてみると、処分があまりにも軽すぎるのではないかと思います。支援学校の教職員が肢体不自由者に向かって「一人じゃ何もできないくせに調子に乗るな」という発言だけでも十分免職に値し教員の資格はないと言えます。体の傷よりも心の傷のほうが癒えないものです。本人だけでなく周囲の児童生徒も教職員も大きな心の傷を負ったはずです。まずは行政トップがこんな人が教員であるべきではないと発言して自分の身を切る覚悟で懲戒処分を決断すべきです。これはコンプライアンス以前の常識の問題です。横浜と言い神戸と言い二つの政令指定都市の役人トップの常識は市長を筆頭に地に落ちています。

 

スマートフォン提示で運賃割引

スマートフォン提示で障害のある人が運賃割引 JRや大阪メトロで障害者手帳の代わりにアプリを導入

2021年3月15日 月曜 午後0:17【関西テレビ】

鉄道各社は、障害のある人がスマートフォンアプリを見せることで運賃割引を受けられるサービスを始めました。
鉄道各社が導入したのは、スマートフォン向け障害者手帳アプリ「ミライロID」です。「ミライロID」に障害者手帳の情報を登録することで、運賃の割引を受けることができます。これまでは障害者手帳を係員に見せることで割引を受けられましたが、人前で手帳を出すことに抵抗を感じるといった意見などから導入されました。
【体験した人】
「こういう風にスマホでやってもらえると取り出しやすくなるのですごくありがたい」
【ミライロ・垣内俊哉社長】
「障害のある方がまた外に出よう、また買い物に行こうとポジティブな気持ちで外に出られる社会になればいいなと」ミライロIDによるサービスは、大阪メトロやJRを含む全国123の鉄道会社などで利用できるようになります。
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ついに出ました!以前ここでも掲載の記事障害者差別解消に証明のデジタル化を2020/09/23でもコメントしましたが、デジタル庁設立の勢いであらゆる証明書をICカード(マイナンバーカード)やスマホで示せるようにするのも差別解消の一つとコメントしました。政府はこの企業と1年ほど前からマイナンバーカードと障害者手帳の紐づけを条件にデジタル処理ができるように提携していたのです。しかも、鉄道全線や市バス地下鉄にも広がる勢いですからすごいです。(3/17現在ミライロのHPでは、JR全線・関東圏の私鉄大半・京都市地下鉄・京阪と阪急電車は療育手帳利用はできないようです)

このアプリは子どもの障害者手帳でもOKですから、知的障害のある人に広がれば自立度が高まると思います(JR全線・京阪・阪急電車等は療育手帳はまだ利用できないようです)。利用方法の詳細は分からないですが、テレビ報道では窓口にスマホを差し出していたので、そのまま改札が通れる仕組みをJRや私鉄カードと組み合わせるならもっと利用価値は高まると思います。この会社のHP読んでみると他にもいろんなこと考えています。デジタル化はみんながより自由になり結果差別が解消されていくというのが理想です。

コロナ禍で変わる「卒業アルバム」

コロナ禍で変わる「卒業アルバム」 行事中止で普段の生活を写真に 【現場から、新型コロナ危機】

3月15日 11時43分【TBS】

多くの学校が卒業シーズンを迎える中、新型コロナの影響は学校生活の思い出が詰まった「卒業アルバム」にもおよんでいます。

「いただきます」
東大阪市にある市立長瀬東小学校。学び舎を巣立ちゆく6年生たちの頭を悩ませる問題がありました。それは「卒業アルバム」です。去年のアルバムを見てみると・・・
「今年行くはずだった夏の林間(学校)の写真。行けてないです。これは修学旅行。例年であれば、11月に広島に行くけど、これがない」(6年担任 吉田貞晴先生)

新型コロナの影響で多くの行事が中止になったため、恒例の写真がほとんど撮れていないのです。代わりに普段の様子をアルバムに載せるということで、撮影の様子を見に行ってみると・・・
「重たい、重たい」
体に重りを付けて高齢者の生活を疑似体験するという総合の授業。カメラマンの手にはどういうわけか、スマートフォンが・・・
「これでいまね、動画を撮っているんですよ。一眼レフでスチル(写真)を撮って、動画と紐づけて卒業アルバムに使う」(カメラマン)

この学校が取り入れたのは「AR(エーアール)卒業アルバム」。東京のコンサルティング会社がAR=「拡張現実」を使って開発したサービスで、アプリを入れたスマートフォンを写真にかざすと、動画を見ることができるというものです。

「これまでだったら載せられないものを載せたりとか、企画を考えたり、生み出すことにもつながった」(6年担任 吉田貞晴先生)
動画で学校生活を記録することができるため、グループに分かれてダンスを披露したり、人文字を作ったり、バリエーションがぐっと増えました。
「緊張するけど、1年後とか、動画なら何してるか思い出せるからいい」(6年生)

一方、こんなアイデアでピンチを乗り越える学校も・・・
カメラを構えるのは子どもたち。児童が自ら撮影した写真を卒業アルバムに載せるのです。大阪の卒業アルバム制作会社が企画し、応募があった全国の学校の中から抽選で30校にカメラが贈られました。
「子ども同士でやると恥ずかしさがなくて、自分好みのポーズができていい」(6年生)
「コロナの中だけど自分たちで頑張れたと、それも1つ思い出にしてほしい。普段見られない子どもたちの様子を見られるし、はしゃいでる様子もすごく楽しそうに見えるので、やってよかった」(6年担任 小池優介先生)

行事がなくても、思い出がいっぱい詰まったアルバムを作りたい。コロナをきっかけに、「卒業アルバム」も変わろうとしています。

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卒業アルバムと言えば無表情な集合写真と写真屋が撮った行事のスナップ写真と相場が決まっています。でも行事がないなら、日常をみんなでして残そうというアルバムはいいです。考えてみたら当たり前ですが、このアルバムづくりに子どもたちが関与するのがいいと思います。今は誰でも写真をスマホで撮る時代です。カメラ屋さんには申し訳ないけど、スナップは子どもの手で作る時代です。

映像の専門家は、これまでのアルバムを進化させて写真と動画を駆使したAR(拡張現実)アルバムを商品化しています。皮の表紙のアルバムはWEBに取って代わられ画面の中に納まり、卒業写真の面影がそのままかどうかは動画でリアルすぎて興覚めです。ユーミンやビギンの曲に浸りながら古いアルバムを開くのも我々の世代が最後なのかなと思います。

 

酸素ボックス・視覚機能トレーニング機器導入

障害ある子の発達支援通所施設開所福山/広島

2021/3/10【毎日新聞】

障害のある子供に運動療育などを行う児童発達支援・放課後等デイサービス「ぽかぽかホームえがお」が福山市松永町5にオープンした。

延床面積161平方メートルでスタッフは5人。県内の施設では珍しい酸素ボックスや視覚機能のトレーニング機器も導入し、学習支援や農業体験など幅広い教育プログラムを用意した。施設から5キロ圏内は送迎も行う。

未就学児が対象の児童発達支援は火~金曜の午前10時~午後1時に利用できる。定員2人。放課後等デイサービスは6~18歳が対象。月~金曜は午後2時半~午後5時半、土曜と夏休みなど長期休暇期間は午前10時~午後4時。定員8人。利用には「受給者証」が必要。

管理者の佐々木舞子さん(30)は「障害が異なるそれぞれの子供に合わせたペースで、さまざまな体験を提供し、保護者のサポートもしていきたい」と話す。電話084・937・4741。【関東晋慈】

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経営規模や運営形態は土曜を開く以外は「じゃんぷ」とほぼ同じですが、部屋の広さは二倍です。酸素ボックス、視知覚トレーニング機材(たぶんスープリュームビジョン=ボクサー等の動体視力訓練用、写真は子ども用)はそれぞれ100万を越す機材です。常勤スタッフ5名ならそれだけで年間の収支はギリギリと思います。そこまでして機器整備に投資した指導内容はどんなものか気になるところではあります。酸素ボックスは、集中力の向上に良いと言われ、通常利用は3日に一度40分程度と放デイのサイクルには合っています。スープリュームビジョンも幼児用訓練モードがあるので無理なく遊びながら訓練できるかもしれません。

これまでの放デイは、感覚統合用のブランコやボルタリング用の壁を設置しているのが流行でしたが、これからは、大人顔負けのハイテク設備の設置が流行るのかもしれません。それでも、そんなことで行動の問題や学習の問題が解決するなら苦労はありません。行動の問題には応用行動分析が、発達性読み書き障害の問題は音韻意識理論が支援に生かされてこそ、その困難が軽減することが望めるのです、行ってみれば酸素は送っているが、酸素を血中に取り込む肺機能が弱いままではせっかくの設備も生かされないと思います。当たり前のことですが、重要なのは支援者の専門的な支援スキルのレベルです。

ミクシィが中学生にプログラミング教えるワケ

ミクシィが中学生にプログラミング教えるワケ 「民間の力」に頼れる学校とそうでない学校の差

2021/03/12【東洋経済】

教育に関心のある経営者や教育に貢献したいと考える企業は多いが、米国などと比較すると、学校教育と産業界の連携はいまだに不十分といえる。まさにプログラミングは、学校よりも企業のほうがノウハウが豊富だが、うまく連携できている学校は少ない。渋谷区の鉢山中学校と、区内の全中学校でプログラミングを教えるミクシィに、学校と企業が連携して授業を行うメリットについて聞いた。

「公民連携」で質を向上させながら持続的な行政サービスを提供
渋谷区は「公民連携」を大きなテーマとしている。財源が豊かな自治体に見えるかもしれないが、財源の多くは住民税であり、その時々の景気の動向などに大きな影響を受けやすい。行政コストを抑えながら、多様化・高度化する地域課題の解消を図るには、区内に拠点を置く企業や大学などと連携して取り組んでいく必要がある。民間企業などが持つ技術やノウハウを生かして、質の維持・向上を図り、効率的かつ持続的な行政サービスを提供していくためだ。

教育分野も、その1つである。とくに渋谷区は、「ビットバレー」と称されるとおり、IT企業が数多く集積している。かねて教育のICT化に力を入れているが、当初から「渋谷区ならではのリソースを探る中で、ITを柱の1つに据え、企業との協議を重ねてきた。国内外からスタートアップを集めて連携する、それこそが渋谷区が生き抜くことができる道」(長谷部健渋谷区長)と考えてきたのだ。

2019年には、渋谷区教育委員会と東急、サイバーエージェント、ディー・エヌ・エー(DeNA)、GMOインターネット、ミクシィの6者が「プログラミング教育事業に関する協定」を締結し、「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト」をスタートさせている。東急が行政や教育機関、IT企業などをつなぐハブになり、渋谷区教育委員会がカリキュラム開発に当たっての教育課程上の助言と学校との橋渡しを行う。そしてIT企業4社は、渋谷区の小中学校に対して各社が開発したプログラミング授業の提供や講師、サポートスタッフの派遣などを通じて、プログラミング教育の支援を行うというものだ。

プログラミング教育は、20年度に小学校で必修化され、21年度には中学校の技術・家庭科で拡充が予定されている。だが、いまだに苦手意識や不安を抱く教員は多く、手探り状態であることは否めない。そこで文部科学省は、プログラミング技術を持つ企業や大学、地域の協力を得て、教員の授業支援や講師として指導してもらうことを勧めているが、渋谷区のように複数企業と教育委員会が提携してプログラミング教育を実施している自治体は珍しい。

鉢山中では全校生徒に全3回の必修授業を実施
一方、IT企業4社は、それぞれの得意分野を生かした支援を行っている。その1つであるミクシィは、SNSの草分けであり「モンスターストライク」などのゲーム開発を手がけることから自社で豊富にプログラマーを抱えている。そこで、コードを自分で入力するテキストプログラミングに挑戦するなど、プログラミングの難易度が上がる中学校の支援を担当しているという。

20年度ミクシィは、8つある区立中学校の全校を対象に、独自開発のオリジナルプログラミング教育アプリを使った講座を実施。その中でも、理数教育重点校となっている鉢山中学校(以下、鉢山中)では、3学年それぞれの「総合」の時間を使って全校生徒約100人に全3回の必修授業を行った。講師はミクシィの技術者で、サポートスタッフも指導に入る。

鉢山中学校で行われたミクシィのプログラミング授業。講師はミクシィの技術者で、サポートスタッフも指導に入る
1回目はプログラミング教育の基本で、ゲームキャラクターに意図した動作をさせることを目的に命令の出し方、つまりプログラミング的思考とプログラムでの具体的な表し方を学ぶ。2回目はプログラミングで作図を行うもので、コンピューターにおける画像データの仕組み、プログラムでの作図の示し方を学んだ後、実際に直線や円、楕円、星形を描く。3回目は時間の経過に応じてアニメーションするプログラミングの方法を学び、課題のコードをまねてそれぞれ再現や加工に挑戦した。

講師やサポートスタッフに質問したり友達に相談しながら、生徒はどんどん課題をこなしていく
実際の授業を見て驚くのは、冒頭の説明は短く簡単なもので、生徒は1人1台のタブレットを使ってどんどん課題をこなしていくことだ。手元に配られた資料を頼りに、時に講師やサポートスタッフに質問したり友達に相談しながら進めていく。例えば、画面上でポインターを動かして始点と終点を決め、ガイドに示された図形を選ぶだけで簡単に図が描ける。図形の横にスクリプトも表示されるため、要領をつかむと直接スクリプト上でテキストを書き換えて色や角度、大きさを変えたり、直接コードを書き込む生徒も出てくるといった具合だ。

渋谷区立鉢山中学校 教諭 松澤貴幸(まつざわ・たかゆき)
「生徒は、われわれが思っている以上にできます。今日の授業は難しいと思っても、1つ教えると2、3、4、5になって返ってきます。普段の授業で、それはなかなかありません」と話すのは、鉢山中でICT担当を務める松澤貴幸先生だ。

鉢山中では19年度も、放課後のクラブ活動の一環として、希望者を対象にしたプログラミング体験学習をミクシィの支援のもと実施した。区内で唯一の取り組みだったが、習い事などで参加できない生徒もいて、授業内で実施できないか模索していたという。理数教育重点校でもあることから、単発ではなく継続的な取り組みとして全生徒に行いたいと考えたからだ。

だが、その後の新型コロナウイルスの感染拡大もあり、20年度上期はミクシィが作ったウェブサイト構築やプログラミングの基礎を学ぶことができる自宅学習用テキストを生徒に配付けするにとどまった。下期の全3回の必修授業は、理数教育重点校として念願の授業だったというわけだ。

生徒は知らずに触っていてもだんだんとルールがわかってくる
「渋谷区では17年9月に1人1台タブレットが整備され、昨年8月に全端末がSurfaceに替わりました。当初から“使い倒してほしい”ということで、生徒には自宅に持ち帰って家庭学習を含めてタブレットを使ってもらっています。子どもたちはデジタルネイティブで使い慣れており、今までやってきたこともタブレットでできないか検討を重ねています。通常の授業では難しいことが、企業がいることでできると実感しており、このまま理数教育重点校の柱としてプログラミング教育に力を入れていきたいと考えています」(松澤先生)

プログラミングの授業については、もちろん教育委員会から方向性の提示があるものの、学校側の要望もミクシィに伝えて内容を作成してもらっているという。とくに子どもたちの現状や理解度、授業の時間配分などは、現場の教員がいちばんわかっていること。できるだけ子どもたちがプログラミングに親しめる内容にするため、両者で詳細を詰めているのだ。ミクシィの技術者で今回講師を務めた田那辺輝氏はこう話す。


ミクシィ 開発本部 CTO室
田那辺輝(たなべ・あきら)
「中学校向けのアプローチとして、ブロックを操作して簡単にプログラムが組めるビジュアルプログラミングは学習しやすいのですが、その次のステップに進みテキストプログラミングを体験してもらうことをテーマとしてきました。プログラミングと言われるだけで抵抗感がある生徒さん、また先生もいらっしゃいますが、テキストプログラミングの入門アプリを用意しましたので、知らずに触っていてもだんだんとルールがわかってきます。操作で現れるテキストコードとプログラムの実行した結果を見ることで、コードの読み方や区切りが自然と理解できるようになるんです。3回目の授業ともなると、取り組む内容の難易度はかなり上がってきました。学校でどのようにプログラミングを教えていくのかには課題がありますが、生徒さんに浸透しやすい内容が提供できたと感じています」

ミクシィは、渋谷区の中学校に対するプログラミング教育支援のほか、全国から中高生の企業訪問も受け入れている。こうした取り組みの背景には、「IT業界の仕事に興味を持ってもらうことで、次世代を育成したい」という狙いがあるという。実際、今回の授業アンケートでは、図形はプログラミングではなく「実際に描いたほうがやりやすい」「大変だった」といった意見もあったが、「難しかったけど面白かった」という声が多かった。

鉢山中では20年度、全3回の必修授業のほかに、数学科の先生の依頼で「数学」でもプログラミングの授業を実施した。直線上の点を通る垂線や角の二等分線などコンパスを使った作図を行う単元で、ミクシィの同アプリを使って作図を行ったのだ。「通常の授業で作図の勉強をした後、プログラミングソフトで学ぶことでより興味を持ってもらえる」(松澤先生)と同時に、コンパスの長さをプログラムコードで確認、変更できるためいっそう理解が深まるという。

事前に数学の授業でプログラミングによる作図を行っていたため、必修授業でもスムーズに作図ができている生徒が多かった
さらに、特別支援学級の担任である松澤先生は、とくに特別支援学級の生徒はICTが大好きだと話す。実際、WordやExcelで行間の変え方や表、図形を描くなどパソコンの使い方を学ぶ「作業」という時間は、難しい内容にもかかわらず好きな生徒が多いという。また通常学級との授業を楽しみにしている生徒が多く、「ICTがあると通常学級との交流授業がやりやすい」(松澤先生)と話す。

こうした渋谷区のような企業連携の好事例を見ると、うちの地域にそんなリソースはないと思う教育関係者もいるかもしれない。だが、企業に加えてNPOなどの団体、サークルのほか、地域にもIT企業で働く人やプログラミングを得意とする人材はいる。そもそもICTでつながれば、どこにいようと場所は関係ない。もっと教育においても、外部の力を借りることに積極的になっていってもいいのではないか。でなければ、「民間の力」に頼れる学校とそうでない学校の差は広がっていくばかりだ。

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放デイの中では、プログラミング教育専門の事業所も立ち上がり始めています。昭和の我々がプログラミングに手を染めたのは、テキストベースのBASIC言語です。コンピュータは8ビット処理のCPUで、ひたすら雑誌のゲームプログラムを打ち込んではカセットテープに記録して友達に見せびらかしました。今となっては、全く忘れてしまいしたが、そのプログラムの命令論理の面白さに引き付けられたものです。マイクロソフトのビル・ゲイツもAppleのスティーブ・ジョブズも最初はこのBAISC言語を走らせて遊んでいたのです。

昭和に比べれば、今はグラフィックベースでプログラミングが学べるほど端末機の性能が向上したのですが、グラフィックプログラムでは細かなオプションやテクニックを使うのが面倒です。結局は文字で打ち込むキャラクターベースの方が手っ取り早くアレンジもしやすいのです。この文を書いていて、ほとんどの人には「なんのこっちゃ?」と読み飛ばされるなと思っています。しかし、プログラム需要が今後爆発的に伸びることが分かっている今、プログラムが使えるのは、これから英語が使えるのと同じくらいかやや多いくらいの職業需要があると思っています。どちらも言語ですからなんとなくニュアンスは分かってもらえると思います。

自粛生活万歳!

自粛生活万歳!帰省、授業参観、運動会からの解放で喜ぶ女性たち

2021年3月11日 16:00【マネーポストWEB】

コロナ禍で、飲み会などの人が集まるイベントや、家族ぐるみの行事が軒並み中止されることを嘆く声は多い。しかしその裏で、密かに胸をなで下ろした人もいる。

実際、女性セブン読者約2000人を対象にしたアンケートでは、飲み会、季節の行事、子供関連のイベントなどが中止されたことについて、「中止や自粛のままでいい」「大きな声では言えないけれどありがたい」といった意見も多かった。

同アンケート結果でもっとも多かったのは、忘年会や新年会など「会社や仲間内での飲み会」が中止になってよかったという声。次いで、「帰省」がなくなったことを喜ぶ人も多かった。夫の実家に帰らなければならない女性の立場であれば、たしかに納得かもしれない。時事問題や日常の出来事を独自の視点でつぶやき、ツイッターのフォロワー数が18万人を超えるエッセイスト・深爪さんが明かす。

「周囲のママさんからも『夫の実家に毎年帰省するのは気が重かった』という声は多く上がっています。『コロナをうつしたら大変だから』と言って取りやめれば、老親を気遣う心優しい嫁のフリもできて一石二鳥です」

意外なところでは「授業参観」や「運動会」など、子供の学校行事をあげる人も多かった。とはいっても、それも母親ならではの事情から。深爪さんが解説する。

「授業参観がリモートになったから、苦手なママさんと顔を合わせることもなく、家でパジャマのままポテチをかじりながら、わが子の様子を見られるから最高です。近所の小学校では運動会も午前中のみ開催。観覧は2人までと縮小されましたが、これも『弁当をつくらない運動会、素晴らしい』『孫の行事に親より張り切る面倒くさい義両親を体よく断れてありがたい』と親たちは絶賛の嵐。学校、やればできるじゃん、と思いましたよ(笑い)」

ほかにも「ハロウィンがなくなって家の周辺の騒音に悩まされることが減った」(30才・兵庫)、「家の近くで祭りがあるが毎年、人も車もいっぱいで正直うるさかった」(52才・愛媛)、「私が外れたライブのチケットに当たったという人のSNSを見て悔しい思いをしていたが、そのライブが中止になって、気持ちが落ち着いた」(45才・岩手)など、間接的な理由で心の安寧を取り戻した人もいる。エッセイストの紫原明子さんが解説する。

「自粛によって焦燥感から解放されたという人は多い。インスタグラムに投稿されたバーベキューや花火大会の様子を見て、『どこにも出かけない自分はなんてつまらない生活なんだろう、何か楽しそうな投稿をしなければ』という強迫観念に駆られていた人たちは一様に“何に焦っていたんだろう”と楽になったと語っています。

不登校に悩む親子も一緒で、学校が休校になったりオンライン授業に切り替わったりしたことで後ろめたさがなくなり、健やかな気持ちになったケースも。なかには自粛を経て、学校に通えるようになったという声もありました。自粛生活に解放感を覚えた人の共通点は、“みんな同じでないといけない”という同調圧力に窮屈さを感じたという点です」

心理カウンセラーの高見綾さんは「今後、イベントや行事への参加を断るという選択肢がさらに受け入れられやすくなる」と予測する。

「スーパーでわざわざ使い捨て手袋をつけて買い物をする人がいれば、そこまで気にしない人もいる。外出自粛中に旅行に行く人もいれば、旅行どころか近所にすら出たがらず、引きこもる人もいる。コロナ禍は“一人ひとりの感覚はこれほどまでに違うのだ”ということをあぶり出しました。

その結果、“自分と他人の感覚は違って当たり前なのだ”ということに多くの人が気づき始めました。みんなが参加する行事を断るような、以前なら“人と違う”と白い目で見られていた選択肢も、受け入れられやすい状況になってきたといえるでしょう」

※女性セブン2021年3月18日号

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みんなに合わせなくていい。それだけでホッとする。ということはこれまでの日常がどれだけ女性にとってストレスフルだったのかという裏返しです。男性でも、自粛で楽になったと感じることもありますが、女性ほどは感じないような気がします。飲み会の付き合いについては総務省の女性高級官僚が決して飲み会を断らないことで、男性受けが良かったと言います。結局、ストレスに強い人間が生き残るサバイバル社会ということだと思います。でも、家庭生活はのんびり周囲に気兼ねせずに過ごしたいというのは誰でも同じだと思います。そこから、本当に交わりたい仲間との交流や友情が生まれてほしいとも思います。自己決定・自己選択の尊重は自尊感情と表裏一体です。