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【第94回アカデミー賞】作品賞は「コーダ あいのうた」 聴覚障害を抱える家族を支える少女を力強く描く

【第94回アカデミー賞】作品賞は「コーダ あいのうた」 聴覚障害を抱える家族を支える少女を力強く描く

3/28(月) 【映画.com】

第94回アカデミー賞授賞式が3月27日(現地時間)、米ロサンゼルスで開催され、シアン・ヘダー監督作「コーダ あいのうた」が作品賞に輝いた。Apple TV+によるオリジナル作品で、動画配信系の作品初の受賞作。男性のろう者の俳優でトロイ・コッツァーが初めて助演男優賞を受賞した。

【感動の瞬間】男性のろう者の俳優で初 助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァー

2014年製作のフランス映画「エール!」のリメイク作で、家族の中でただ1人の健聴者である少女の勇気が、家族やさまざまな問題を力に変えていく姿を描いたヒューマンドラマ。テレビシリーズ「ロック&キー」などで注目の集まるエミリア・ジョーンズが主人公ルビー役を演じ、「愛は静けさの中に」のオスカー女優マーリー・マトリンら、実際に聴覚障害を持つ俳優たちがルビーの家族を演じた。

かつて「キャバレー」(73)で主演女優賞を獲得している大女優ライザ・ミネリから作品賞タイトルが読み上げられると、キャストと製作陣は会場の観客から拍手を表現する手話で祝福された。

助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァーらキャスト陣、手話通訳者とともに壇上に上がったプロデューサーのフィリップ・ルスレは「歴史を刻むことができました。候補となった他の作品も素晴らしいものでした。初日からキャストとクルーは大変でした。大きな問題が山積みでしたが、船は浮かび続けました。素晴らしい船長、素晴らしいプロデューサー、そしてキャスト。皆が愛する家族をスクリーンに作り上げてくれました」と、各方面への感謝の言葉と共に、数々の困難を乗り越え手にした栄冠に万感の思いを述べた。

海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえることから、家族の耳となり、家業も手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対する……。今回、第94回米アカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚色賞の3部門にノミネート。ルビーの父親フランク役を務めたトロイ・コッツァーは、男性のろう者の俳優で初めてオスカー候補になった。

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やっぱりアメリカ映画は直球勝負が最高です。前回、ドライブ・マイ・カー アカデミー賞4部門ノミネート: 03/08を掲載した後、最有力候補の「パワー・オブ・ザ・ドッグ」と「ベルファスト」を観ましたが、今一つしっくりこない感があって、アカデミー賞発表の直前に第3候補の「コーダ あいのうた」を観に行きました。前回、「ドライブ・マイ・カー」のパク・ユリムの手話の語りが美しく温かいと書きましたが、今回の「コーダ あいのうた」の手話は力強く情熱的で、何よりカッコいいのです。アカデミー作品賞の受賞はとても納得のいくものでした。

役者本人も聴覚障害者である父役トロイ・コッツァーと家族で唯一の聴者である娘役エミリア・ジョーンズのハイライトシーンは障害を超越した親子愛を深く深く映し出します。いわゆるヤングケアラーの彼女は、ろう者漁師の漁業無線通訳者として家族のために午前3時から働いています。この家族から離れることはできないと、バークリー音楽大学への進路を諦めかけます。が、星空の下でのハイライトシーンで、父の思いの全てを受けとめた彼女は巣立ちを決意します。クライマックスは、試験会場に忍び込んできた家族に彼女は手話をつけて歌い出します。曲は「青春の光と影」(原題: Both Sides, Now)。ジョニ・ミッチェルが作詞作曲した大ヒット曲です。

この力強く情熱的な手話と歌がスクリーンから観客に直球で届く感覚は映画を観た人しかわからないものだと思います。「ドライブ・マイ・カー」の国際長編映画賞は嬉しいものでしたが、その感動をはるかに凌いだのが「コーダ あいのうた」の鑑賞後の気持ちでした。アメリカ映画は真っ直ぐなのがいいと久々に感じた映画でした。メディアは聴覚障害者の俳優を交えたダイバーシティな撮影経緯の素晴らしさを報じていますが、何よりも娘役エミリア・ジョーンズの歌声を聴いてほしいと思います。ちょっと日本映画では太刀打ちできないなぁと、ハリウッドの底力を見せつけられました。

 

才能開発


発達障害の症状は、一つのことに異常にこだわることや、普通なら気が付かないことに気が付く特徴があります。

これを長所とし、才能にまで開花させて、天才と呼ばれるようになった発達障害の人は大勢います。

むしろ、世界中で天才と呼ばれている人の多くは、発達障害であったのではないかとされています。

★アインシュタイン

天才といえばアインシュタインですが、アインシュタインはアスペルガーとLD=学習障害だったといわれています。

 ・5歳までほとんど話すことができなかった
・読み書きが苦手で、時間がかかった
・数字と自然科学には興味があり集中した
・興味がないことには集中できなかった
・仕事が長続きせず転々としていた
・コミュニケーションをとるのが苦手だった
・部屋がいつも散らかっていた。整理整頓が苦手だった
・汚い布で顔を拭いたり、服の汚れを気にしない無頓着さがあった
・簡単な数字すら覚えるのがたいへんだった

アインシュタインはLD=学習障害もあったため、子どものころは勉強ができずに苦労していたようです。大学に入学するのも、行きたかった大学にはおちて、なんとか滑り止めの大学に受かっているほどです。

そんなアインシュタインには、よき理解者の父親がいて、父親がアインシュタインの個性を認めのばしていたそうです。

LDは、知的障害はなくIQが高い場合が多いのです。このような凹凸ある才能が、天才を生み出します。

★野田あすか

人気マンガでドラマにもなった「のだめカンタービレ」のモデルではないかと噂をされる(年齢から考えると違うと思われますが)、天才ピアニストの野田あすかさん。野田さんは、自閉スペクトラム症、解離性障害であることをカミングアウトしています。 

子どものころから発達障害の症状のせいでいじめをうけて、そのせいで何度も転校することになります。そんないじめを受けるなか、夢中でとりくんでいたのがピアノ。でも、大学にもなじめず大学を中退してしまいます。そして22歳の時「広汎性発達障害」と診断されました。

それでもピアノへの想いは捨てきれず、宮崎学園短期大学に入学し、ピアノ講師の田中幸子さんとであったことで、野田あすかの才能は開花し、数々の賞を得ました。

発達障害の「興味があることには過集中する」「強いこだわりをもつ」という症状は天才の王道でもあります。

 ★黒柳徹子

「徹子の部屋」でおなじみの黒柳徹子さん。どんなゲストがきても徹子流に見事にさばいてその人となりを表現していく天才トーク。

芸能界という移り変わりが激しい世界で、トークの力だけで長年テレビに出続ける。天才パーソナリティと言われる所以です。

 黒柳さんも自らの著書「小さい時から考えてきたこと」で、自分が「読書障害」「計算障害」であり、発達障害ではないだろうかと語っています。 

 レオナルド・ダ・ビンチ エジソン ガリレオ ベンジャミン・フランクリン ウィンストン・チャーチル ネルソン・ロックフェラー ヘミングウェイ アンデルセン アガサ・クリスティー ロダン スティーブン・スピルバーグ ウォールト・ディズニー ビル・ゲイツ スティーブ・ジョブズ 天才の多くはこだわり続ける変人=偉人として紹介されます。

しかし、発達障害の少なくない人たちは学校で勉強につまずき、友達を作るときのコミュニケーションにつまずき、就労でも躓いている方が少なくはありません。 周囲が良かれと思って普通を求めれば求めるほどそのつまずきは必然となっているようにも見えます。

とびぬけたこだわりを発見したのなら、その時代の「普通」とされるレールを走る必要はないという身近な誰かの気づきが重要です。こだわりを追求できる環境があってこそ、こだわりは長所となり才能は開発されます。つまり、才能の開花は、その才能のつぼみを見つけ水をやり肥料を与え、太陽の光をあてるファン=サポーターが必要なのだと思います。

 

PECSレベル1ワークショップ

すてっぷでは、自発の表出コミュニケーションを特に重視しています。その関係でこのブログにも何度もPECSや応用行動分析(ABA)にについて書いています。特にPECSについては、ぜひ学校やご家庭でも利用されることをお勧めしています。私たちは、単に絵カードが重要だと言うだけでなく、だれでも同じように指導できるマニュアル化された支援方法が重要だと考えています。指導方法がマニュアル化されていると、同じ指導ができたかどうかも判断しやすいからです。

コミュニケーション指導は簡単そうで分からないこともたくさんあります。途中で止めてしまう方が少なくないのは、動画のようにはうまくいかないからです。でも、それで当たり前なのです。指導する大人も指導される子どももみんな違うからです。でも、一人ではうまくいかないことも、同じマニュアルで頑張っている仲間なら相談しやすいです。ぜひ誘い合っての受講をお勧めします。レベル1のワークショップを終えられたら、京都には「京都PECSサークル」があります。年に4回土日に集まって交流会をしています。すてっぷのメンバーにもサークル員がいます。京都PECS連絡アドレスまで連絡すれば情報がもらえます。

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PECSレベル1ワークショップ - 大阪市, 大阪府 (2020年4月)

開催地: 大阪市
開催日: 2020年4月18日 - 2020年4月19日
日程: 9:30 - 17:30
受付開始: 9:00
受講料
一般: 39,000 円
3人以上団体 : 34,000 円
保護者 & 学生: 29,000 円
PECSサークルメンバー: 34,000 円

会場案内:
新大阪丸ビル本館
〒533-0033 大阪市東淀川区東中島1-18-5 株式会社ジャパンライフ
大阪市市

PECSレベル1ワークショップー 神戸市, 兵庫県 (2020年6月)

開催地: 神戸市
開催日: 2020年6月13日 - 2020年6月14日
日程: 9:30 - 17:30
受付開始: 9:00
受講料
一般: 39,000 円
3人以上団体 : 34,000 円
保護者 & 学生: 29,000 円
PECSサークルメンバー: 34,000 円

会場案内:
神戸商工貿易センタービル
〒651-0083 兵庫県神戸市中央区浜辺通5丁目1?14


ワークショップのお申込みでオンライン登録をご希望されない方は、用紙を「役に立つ情報のタグからパンフレット&カタログ」を通してダウンロードし、必要事項をご記入ください。ワークショップのお申込用紙はメールに添付かFAX、郵送でも受付ております。なお教材注文をオンラインでご希望されない方は、注文用紙をダウンロードしていただき、注文用紙に必要事項をご記入いただきメール添付かFAX、郵送でも受付ております。

酸素ボックス・視覚機能トレーニング機器導入

障害ある子の発達支援通所施設開所福山/広島

2021/3/10【毎日新聞】

障害のある子供に運動療育などを行う児童発達支援・放課後等デイサービス「ぽかぽかホームえがお」が福山市松永町5にオープンした。

延床面積161平方メートルでスタッフは5人。県内の施設では珍しい酸素ボックスや視覚機能のトレーニング機器も導入し、学習支援や農業体験など幅広い教育プログラムを用意した。施設から5キロ圏内は送迎も行う。

未就学児が対象の児童発達支援は火~金曜の午前10時~午後1時に利用できる。定員2人。放課後等デイサービスは6~18歳が対象。月~金曜は午後2時半~午後5時半、土曜と夏休みなど長期休暇期間は午前10時~午後4時。定員8人。利用には「受給者証」が必要。

管理者の佐々木舞子さん(30)は「障害が異なるそれぞれの子供に合わせたペースで、さまざまな体験を提供し、保護者のサポートもしていきたい」と話す。電話084・937・4741。【関東晋慈】

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経営規模や運営形態は土曜を開く以外は「じゃんぷ」とほぼ同じですが、部屋の広さは二倍です。酸素ボックス、視知覚トレーニング機材(たぶんスープリュームビジョン=ボクサー等の動体視力訓練用、写真は子ども用)はそれぞれ100万を越す機材です。常勤スタッフ5名ならそれだけで年間の収支はギリギリと思います。そこまでして機器整備に投資した指導内容はどんなものか気になるところではあります。酸素ボックスは、集中力の向上に良いと言われ、通常利用は3日に一度40分程度と放デイのサイクルには合っています。スープリュームビジョンも幼児用訓練モードがあるので無理なく遊びながら訓練できるかもしれません。

これまでの放デイは、感覚統合用のブランコやボルタリング用の壁を設置しているのが流行でしたが、これからは、大人顔負けのハイテク設備の設置が流行るのかもしれません。それでも、そんなことで行動の問題や学習の問題が解決するなら苦労はありません。行動の問題には応用行動分析が、発達性読み書き障害の問題は音韻意識理論が支援に生かされてこそ、その困難が軽減することが望めるのです、行ってみれば酸素は送っているが、酸素を血中に取り込む肺機能が弱いままではせっかくの設備も生かされないと思います。当たり前のことですが、重要なのは支援者の専門的な支援スキルのレベルです。

愛知県で初めて開校へ 知的障害と肢体不自由どちらも受け入れる特別支援学校 西尾市

愛知県で初めて開校へ 知的障害と肢体不自由どちらも受け入れる特別支援学校 西尾市

3/29(火) 【CBCテレビ】

知的障害者と体の不自由な子ども、どちらも受け入れる特別支援学校が、愛知県で初めて開校します。

愛知県西尾市の「愛知県立にしお特別支援学校」は、県内初となる、知的障害と肢体不自由、どちらの児童・生徒にも対応する特別支援学校です。

4月1日の開校を前に29日、内覧会が開かれ、愛知県の大村知事や関係者ら約30人が真新しい施設を見学しました。

校舎には愛知県産のヒノキやスギが使われ、壁には西尾市の名産品などの楽しいイラストも描かれています。

また、全ての児童・生徒が交流するための施設「ふれあいホール」も備えています。

(にしお特別支援学校 神本聡・校長)
「(障害の異なる児童・生徒が)授業や行事の交流を通して、お互いを理解しあうこと。すべての教職員がどの子に対しても、適切な指導を行えること(が“この学校”の意義)」

これまで安城市の特別支援学校は教室不足が、岡崎市の学校は長距離通学者が多いことが課題でしたが、今回の開校で、これらの解消にもつながると期待されています。

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京都の人たちにしてみれば、知・肢の総合は当たり前のことです。京都府は縦長に広く、肢体不自由校と知的障害校を分けるとそれぞれの校区が広すぎて通学に支障が大きいので、1979年の養護学校義務制頃から事実上総合化していました(正確には知的障害だけの桃山養護学校を閉じた2011年から)。京都市は総合養護学校と名称変更した2004年から知・肢総合となっています。

今頃、愛知で珍しそうに報道されてもなんだかなぁとも思います。愛知でも決して地の利の良い支援学校ばかりではないはずなのに、新設学校を作るまで事実上放置されていたという事です。今後既存の支援学校が総合化される可能性は報道されてないのでそのままだということです。ただ、知的障害と肢体障害の学校を分けるのが全国的には標準です。お隣の大阪府も兵庫県も滋賀県も別々です。その結果、長時間通学の問題や医療的ケアを必要とする子どもの課題が肢体不自由学校に集中します。

障害種で学校を分けるメリットは、身体の障害の重い子がゆったり過ごせたり、職員が専門的知識を獲得しやすいという面があります。ただ、知的障害学校のASD児対応などを見ていると専門的支援を御存知ないように見える教員もいて、学校を分けたことが専門性の担保にはならない気もします。

さらに通学時間は身体に障害のある人が不公平と言えるほどの通学時間をかけて登校しています。このことについて自治体はもっと考えるべきです。できれば、通常学校に専門性の高い教員が来て特別支援教育を実現し、皆が同じ学校で学ぶのが理想なのです。ですから、通学時間は長いし専門性も人それぞれでは困るのです。テレビ局は官制発表を右から左に流すような報道ではなく、こういう課題にも焦点を当てて取材し放送してほしいと思います。