すてっぷ・じゃんぷ日記

ローマ字表と暗唱

ローマ字の宿題について、C君D君は苦手みたいだとスタッフから報告がありました。ローマ字には規則性があるので、ローマ字表のマトリックスを眺めていれば通常子どもは理屈として理解します。「一番上に横に並ぶKSTNHMYRWに、右端縦のAIUEOが合成されて50音が構成されるという発見です。「へーぇ、九九と同じやん」と納得するのですが、空間認知の弱い学習障害の子どもは表を見ただけでは気づかないのです。

空間認知は強くて音声処理の苦手なE君はすぐさま理解して、キーボードの位置も覚えてしまいます。でも言葉で説明されるとかえって混乱してしまいます。ワーキングメモリーモデルという認知理論では、視空間スケッチパッドと音韻ループでの処理の偏りが「見てわかる人」と「聞いてわかる人」を分けると言います。これの非常に偏ったものが学習障害の原因ではないかと言われています。

ですからC君D君にはローマ字表を見せながら言葉で一番上の並びと一番右の並びの文字が合わさると一音が表現できると説明したうえで、「ケイ、エス、ティー、エヌ、エッチ・・・」と「エイ、アイ、ユー、イー、オー」を暗唱させ、「かきくけこ。ケイ。エイ、アイ、ユー、イー、オー」「さしすせそ。エス、エイ、アイ、ユー、イー、オー」と順番に暗唱できるようにします。とてもめんどくさいけど・・・確実です。これに合わせてキーボードを打てば一石二鳥ですが不器用な子はひとつづつしないとパワー切れを起こします。学習障害(LD)はラーニングディフィカルティー(学習が難しい人)ではなくラーニング・ディファレンシー=学び方の違う人です。