すてっぷ・じゃんぷ日記

二人で打ったホームラン

 すてっぷでは天気がいい日は公園で設定遊びを行います。先日、公園でティーバッティングをしました。ティースタンドに置いてあるボールを打つ人が一人、それ以外の人は守備をします。打つ人が3回ヒット性の当たりを打てたら次の人に交代するという形で、子どもたち一人一人に「順番を守ること」、「打てることを楽しみに守備ができること」、「自分はいつ打つのか見通しを持たせること」を意識させながら取り組みました。

 Pくんは最近、このティーバッティングがお気に入り。上手にボールを打てているので、自信を持って取り組みに加わります。前回の取り組み後も、「僕、野球習ってないけど上手い?」と職員に尋ね、「上手だと思うよ。上手にボールを打っていたね。」と答えてもらうと、Pくんは誇らしげにしながら、「楽しかった。」と職員に伝えました。けれどPくんは元々、ティーバッティングはそれほど好きでもありませんでした。野球の経験が少なかったからです。Pくんに限らず、すてっぷに通う子どもたちは経験したことのない遊びや活動には自信が持てず、不安になって取り組みにくいことがあります。そこで、その不安要素を解消していくために、事前に個人ごとに練習の時間を作ってモデルを見せたり、スモールステップで取り組ませながら、こまめに「上手にできてるね。」と褒めたりといった支援をしました。その積み重ねで、最近のPくんはティーバッティングに自信を持てるようになりました。

 この日も、Pくんの振るうバットは快音。上手にボールを打ててPくんは喜びながら、上機嫌でグローブを装着して守備役に変わりました。Pくんの次に打つのはQくん。以前はボールをかなり遠くまで飛ばしていました。けれど、この日はバットにボールが中々当たらず、空振りを連発していました。守備をしていた友達のみんなから、「Qくん当たるよー。」、「Qくん、ボールよく見てー。」と応援されますが、以前のように打てなくて顔が曇ってきたQくん。すると、PくんがQくんの元に駆け寄ってきました。Pくんは「Qくん。バットの持ち方は左手が下で右手が上だよ。ボールをよく見たら当たるよ。」と優しく伝えました。すると、Qくんの曇っていた顔が晴れていきました。Pくんが守備に戻り、Qくんがティーの上にボールを置いてからバットを構えて一呼吸。カキーン!ついにバットにボールが当たりました。遠くまで飛んでいったボールを見て喜ぶQくん。守備をしていたPくんも同じように喜んでいました。

 QくんにとってもPくんにとっても、「成功体験」を感じる事ができたいい日になったのではないかと職員は思いました。

「上手に打ててすごいね!Qくん。」

「教えるの上手だね!Pくん。」