すてっぷ・じゃんぷ日記

電池が切れて困っています。

V君が事業所のカウンターの中に入って頭を叩いて自傷しているのを見つけました。どうやら、大好きなメロディー絵本が見当たらないので探し疲れて頭を叩いているらしいので、メロディー絵本を一緒に探して見つけました。V君にっこり。ところが残念なことに電池が切れていたらしくボタンを押しても押しても音が出ません。失望したV君は再び頭を叩きだしました。

ここまで、ありきたりの文脈で書いたように、多くの人は、このV君の行動を見て疲れ果て失望して頭を叩いていると理解しますが、全然違うのです。頭を強く叩けば人が注目してくれます。そして、あれこれとV君の欲しいものを考えてあれかこれかと聞いてくれます。V君は欲しいものが見つかるまで頭を叩き続けます。音のなる絵本が欲しいと表現できなくても、せめて、「助けて」という機能的コミュニケーションが取れれば、頭は叩かなくて済むのです。V君はPECSのフェイズ3a「必要カードの選択」に取り組んでいますが、助けてカードが弁別できるようにトレーニングする必要があります。