すてっぷ・じゃんぷ日記

かまって

Nさんが西山登りで、かまってほしそうに職員に関わってくるので、もうおねぇちゃんだし構わないでおこうとスルーしたそうです。そうすると道端で膝を抱えて固まってしまったそうです。

他にも、かまってあげないとストライキを起こす子がいます。かまってほしい理由はそれぞれなのですが、基本はうまく伝えられずに大人に「見て見て」アピールをするのです。「どうしたの」と声をかけ続けて欲しいのです。声をかけると、しばらく頑張るのですが大人が離れるとフリーズします。

応用行動分析的に言えば、大人の注目が強化子なのです。でも、15分程度坂道上がるくらいの山道で「見て見て」が始まると「自分で頑張り」となってしまいます。注目が得られないと困りますから、もっと注目を得られる行動が始まります。移動中に固まれば、否が応でも大人は注目せざるを得ません。大人が注目をやめればやめるほど注意喚起行動は強化され、バースト(爆発)します。

つまり、注目をやめる行動と見て見ての行動の力比べは「見て見て」が勝つに決まっているのです。山に子どもを置き去りにはできないからです。このような時の解決セオリーはトークンエコノミーなどの契約制です。最初は簡単なことで契約を教え、徐々に時間を延ばしたり、ご褒美のインフレーションが起こるくらい褒美を与えていきます。この時に、誉め言葉は強化子に裏付けられてセットになるので大事です。

やがて、ご褒美を得ること以外に自分だけでできたと言う成功経験が積み上がっていきます。成功経験を積み上げて行くことで自尊感情は育ちます。成功体験を積み上げればご褒美はやがて必要なくなり達成後の本当の誉め言葉だけで自信がついていきます。時間がかかりますが双方がウィンウィンの関係性を維持しながら注意喚起を消去する方法としては、これに勝る方法を筆者は知りません。

 

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