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1. 最年少26歳「タンクトップ市議」「多様な個性を認めて」豊岡市議会

投稿日時: 2021/12/06 staff3

最年少26歳「タンクトップ市議」「多様な個性を認めて」豊岡市議会で初当選 高校生が選挙カーのアナウンスで応援

12/5(日) 【神戸新聞社】

兵庫県北端に位置し、東京23区の面積よりも広い市域に人口わずか8万人の兵庫県豊岡市。10月24日に投開票があった市議選の選挙期間中、市内では黄色の通学帽子をかぶった小学生たちが候補者のポスター掲示板の前にわらわらと集まっている光景が見られた。見上げる先にはあるのは、タンクトップ姿で上腕二頭筋を強調し、微笑をたたえた青年、荒木慎大郎さん(26)のポスターだ。保守色の濃い地域で異色の存在だったが、議員定数24のうち、上から7番目の1989票を獲得し、同市議会で初の20代、史上最年少で初当選を果たした。タッグを組んだのは選挙権を得たばかりの18歳の高校生。選挙カーのアナウンスを担当して支えた。珍しい2人組、一体何者?

市内約500カ所に設置された掲示板の最上段中央に貼られたポスター。顔よりも筋肉の面積の方が大きく、NHKの人気コーナーのフレーズ「筋肉は裏切らない」が思い浮かぶインパクトだ。太陽の光が降り注ぐ背景には、よく見るとなぜか小さなハトがたくさん飛び交っている。

「目を引きたくてマッチョなポスターにしましたが、筋肉は僕のほんの一面です」と、にかっと笑う荒木さん。タンクトップと短パン姿で街頭にも立ったが、「人にお願いする格好じゃない」と指摘されスーツ姿に切り替えた。

選挙前の同市議の平均年齢は65・4歳。荒木さんの倍以上だ。鍛え上げた筋肉を見せびらかしたいわけではなく、「都市部に比べて固定観念が根強い田舎だからこそ、多様な個性を認めてもらいたい。こんな姿でも選挙に参加できると若い人にも知ってほしかった」と思いを語る。

荒木さんは9歳のときに父親を亡くし、市内の母親の実家で暮らし始めた。野球のスポーツ推薦で市外の名門高校に入学するも、寮の同部屋の先輩から激しいいじめを受け、中退。地元に戻り、市内の通信制高校に編入した。大学では陸上部の円盤投げで全日本学生選手権に出場するなど好成績を収めた。

祖父が脳梗塞で倒れたことをきっかけに予防医療や健康増進に関心を抱くようになり、3年前に初心者や女性など誰でも気軽に運動できることをコンセプトにしたスポーツジムを市内にオープンさせた。

さらに、同世代の仲間とともにまちおこし団体も設立。同市では高校卒業後、大半が進学や就職で地元を離れる。「帰ってきたいと思えるようなまちにしたい」と思うともに、「若者は少数派で、声が届きにくいのではないか」と考えるようになったという。

選挙戦では「誰でも(選挙に)出やすくなるように」と低予算を心掛けた。広大な市域を巡るのは限界があるため、通常選挙カーの上部に設置する看板はやめて、市内全域に掲示されるポスターづくりに注力した。

ポスターの効果は大きく、興味を持った高校生らがインスタグラムを閲覧。活動中の様子をライブ配信すると、多いときには120人以上のアクセスがあった。リクエストのあった場所に駆け付けると、高校生が集団で待ってくれていることもあった。

選挙カーのアナウンスを担当したのは高校3年生の女子生徒(18)。荒木さんのジムに母親とともに通っている縁で、荒木さんと地元のまちづくりについて意見を交わすことも多く、トレーニング中に市議選に立候補することを聞いた。最初は「落ちたときに傷ついてほしくないし、『やめときんせえ』って止めました」という。

熱い思いを聞くうちに「友達として応援したい」と、放送部の経験を生かすことを考えた。ただ、自身が選挙活動に参加すること自体を悩んだという。「(荒木さんが)『高校生を利用している』とマイナスの印象を与えないか」「地盤の地元の(人たちの)許しがないといけないのでは」と迷惑をかけることを案じた。

「18歳選挙権」が導入されて以降、高校生にも投票を呼び掛ける動きは広まっているが、高校生が候補者の応援など選挙活動自体に携わることは珍しい。

学校に報告すると、過去にない例で心配されたが、学校からは「学外での個人の活動で、学校が制約することではない」との回答を受けた。学校構内での選挙活動は禁止されているため、注意をしながら、「友達が選挙に出るから応援する」と友人には説明。「周囲から変な子と思われたら嫌だな」という気持ちもあったが、選挙カーで通り過ぎた際に塾の窓から顔を出してくれたり、インスタライブを見てくれたりと、肯定的に受け取ってくれたという。

特にある日の出来事が特に印象的だったという。赤信号で選挙カーが止まった際、停車中はアナウンスしないことがマナーとの教えに従って黙っていたが、薄暗い中で目を凝らしてこちらを見ている制服姿の人影を発見。静かに「お待ちかねの荒木慎大郎がやって来ました」と発してみると、駆け寄ってきて、「待ってました、がんばってください」と言われた。親を連れて講演会に訪れてくれる子もいたという。

「学校で選挙の話はタブーな雰囲気だけど、荒木君のおかげで話しやすくなった」と振り返る。まだ選挙権を持っていない世代に選挙への関心を持ってもらうきっかけにもなったという。「今回は考えをよく知る人だから本人を応援したけど、(今後は)公約を見ていきたい」と話した。

地元の自治会代表の男性(66)は「ポスターは彼らしい気もした」というが、タンクトップ姿での街頭演説は面食らったという。

「地域では当初、『10年早い』『地域の会合にも出ていない』という声もあったが、若いからこそ30年後の地域を考えてくれるのでは」と、徐々に期待感に変わっていったという。荒木さんの投げた問いかけは、少しずつ地域の有権者を揺さぶっていった。

全国で20代の市議は69人(7月1日現在)で、全市議の0・4%にすぎない。 荒木さんは「若者の声を市政に反映し、議員の仕事がどういうものかも伝えていきたい」と抱負を語る。(石川 翠)

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全国の高3の生徒数は約100万人です。団塊世代の70歳は約200万人で18歳はその半分です。さらに総選挙の平均投票率は18歳は4割、70歳は6割ですから、実際の投票数では40万対120万で3倍の差があります。政治家にしてみれば政策に対する票数の見返りは1:3なのでどうしても高齢者向けの政策提案になるのは無理もないことです。そうした中で、18歳が選挙運動に参加していけば、18歳の投票行動は増え投票数の格差は減少していくとは思います。

20代の政治家がいても欧米では何も不思議ではありません。日本の地方議員は年寄りが多すぎるのです。地方議会の仕事が若者にできないような中身でもありません。年寄り向けの政策を言う代議士がいるなら構成比率は少なくても若者代表のような代議士も必要です。ただ、日本の地方政治は金まみれ利権まみれのところが、若者の参政を阻んでいます。今回の新潟の選挙区での裏金要求話も、そのやりとりの真偽は別としても比例復活を狙うならと数千万の金がかかると言うのはあながち嘘ではないような気がします。

現総理のお膝元、広島県の選挙買収事件では、県会議員から町村議員にいたるまで賄賂と知って受け取ったと公判で議員たちが証言しています。選挙で金が議員間を飛び交うのは当たり前という証拠です。議員歳費はその自治体の市民の平均年収とし、政治活動は市民が手弁当で運営するくらいのほうが、政治屋がなくなり透明性があって良いのかもしれません。

国の方向を提案する政党政治は必要ですが、地方議員は選挙のたびに支持政党がかわるくらいの無所属政治家で良いと思います。得票を巡って政治利権が生じ組織腐敗が続くのは、政党組織にいると不正や不公平を必要悪と考える様になり、告発がしにくいからだと思います。日本の未来を支える18歳を地方政治に巻き込むには政党や政治利権と無関係の若者政治家の登場が必要です。