すてっぷ・じゃんぷ日記

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「いっしょにあそぼ!」

 支援学校小学部のPさんは、公園遊びやタブレット遊びが大好き。そして、それぞれの遊びの中で、コミュニケーションが課題だったPさんが大きく成長した姿を見せてくれています。

 すてっぷに来た頃のPさんの公園遊びと言えば、砂場での一人遊びがほとんどでした。そこでPさんの一人遊びは保障しながらも、友だちとの集団遊びを少しずつ増やしていきました。だるまさんがころんだや鬼ごっこなど、最初は理解が難しかった遊びも、職員と1対1で取り組むことで意味が分かるようになり、自分だけでも参加できることが増えていきました。そして今では公園に行く前から、ホワイトボードを見て誰と一緒に行けるかを確認。公園に着いたら「○○くんー」とすてっぷの友だちとの集団遊びに参加したり、ときには地域の友だちとも遊んだりする姿が見られるようになりました。一方のタブレットについては、友だちとの約束(2022/2/7)で紹介しましたが、PさんとUくんとで約束を守れたという経験を積んだことで、PさんはUくんに対して信頼関係が築けたのかもしれません。Uくんのそばで過ごすことも増え、またUくんが遊んでいるタブレットのアプリやテレビゲームに興味を持つようになっていきました。

 先日、Uくんが小学生の友だちと職員とでテレビゲームの「スマブラ」で遊んでいる時のことです。PさんがUくんと職員の座るソファに一緒に座り、テレビゲームの様子を見始めました。Pさんは以前からときどき同じようにして様子を見ていたので、もしかしたらいっしょに遊べるかもしれないと職員は考え、Pさんを誘ってみました。するとPさんは「先生とチーム!」と言って参加。Uくんたちも受け入れ、試合スタートです。前半は職員が操作し、後半はPさんに交代。するとPさんはコントローラーを使い、つたないながらも技を繰り出します。その後も職員の補助がありながらも、試合が終わるまで一緒に遊ぶことができました。その後、職員は他の子の支援のため離れたのですが、帰るまでのもう一試合もPさんはそのまま参加。自分で好きなキャラを選択して試合スタートしたのです。UくんもPさんだけで参加することに驚いたようでしたが、Pさんが見やすいように座り位置を変え、一緒に最後まで遊びました。

 支援学校、小学校と違う学校の子ども同士が関われることが、放課後等デイサービスだからこそできることの1つだと考えています。そのために必要な支援を日々積み重ねていますが、Pさんの成長には目を見張るほどの驚きがあります。もちろんUくんの理解やかかわり方も大きかったと思います。Uくんが活躍したエピソードをまた紹介したいと思います。

「(寄せて?)」「いいよ」

 すてっぷでは、それぞれの課題に応じてグループ毎に活動することだけではなく、支援学校の子どもたちと小学校の子どもたちが同じ場で過ごすことがあります。

 小学生のAくんは、支援学校の子どもと交流することは、なかなかありませんでした。それどころか、支援学校のCくんがそばを通ろうとしたら、近づいてきてほしくないと言わんばかりに、体をそらしてよけようとすることもありました。

 そんなAくんに変化が。支援学校の子への対応が少しずつ柔らかくなってきたのです。どうしてかと職員で話していると、同じ小学校からきているBくんの影響ではないかという話が出ました。なんでもBくんが、「Cくんは親友だから」と紹介したそうです。実際に休憩時間でBくんとCくんがそばでいっしょに遊び場面をAくんは見てきました。

 先日、AくんとBくんがテレビゲームをしていたときのことです。テレビゲームの音を聞くのが大好きなCくんがそばに寄ってきました。「見せて」や「寄せて」が言えないCくんは、何も言わずにスピーカーのあるテレビの裏に回ります。これまでなら「来ないで!」と言っていたAくん。ですがこの時は、不安そうにしながらも、黙っていました。それを見たBくんが「(Cくんは)何もしないよ」と言いました。するとAくんは「Cくん、そこなら居ても大丈夫やで」とCくんに声をかけたのです。そして「でも裏で楽しいんかな」と心配します。職員が「音を楽しんでいるんだよ」と伝えると、Aくんは「そこで楽しいなら、僕たちはそれでいいよ」と言って、ゲームを続けました。

 Cくんにだけでなく、他の支援学校の子への対応も柔らかくなっていったAくん。支援学校の子に「忘れ物だよ」と声をかけて、水筒を渡したこともありました。同じ小学校の先輩の影響を受けたこともありますが、支援学校の子と一緒の場で過ごす中で、その子たちのことを理解し、優しい声掛けができるようになってきたことは、放課後等デイサービスだからこそできたことではないかと思います。職員からの指導ばかりではなく、子ども自身の気づきを大事にして、支援に生かしていきます。

保育所等訪問支援

保育所等訪問支援とは
お子さんの通う保育園、幼稚園、小学校、特別支援学校などに訪問支援員(臨床発達心理士)が訪問し、お子さんや訪問先の担当者、ご家族に対して、お子さんが集団生活に適応するための支援(行動観察、日常生活の場で現場の職員とともに行う支援、個々の発達の特性に配慮する点、情報提供や接し方、環境整備などの助言)を行います。
対象
自閉スペクトラム症(ASD)、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群、LD、ADHDなどの診断を受けている幼児・児童
訪問先
保育園、幼稚園、認定こども園、小学校、特別支援学校、その他各市町村が認める所
実施地域
乙訓地域・京都市
頻度
基本として月2回を目安に実施します。通常の学級は2〜3ヶ月に1回(お子さんの状況、支援内容により変動)。
費用
国の規定した利用料がかかります。
利用の流れ
電話にてお問合せください。お子さんの状況、利用希望理由の聞き取りを行います。
受給者証を各区市町村に申請し、障がい児相談支援事業所へサービス等利用計画の作成を依頼してください。すでに受給者証をお持ちの方で新たに保育所等訪問支援事業を利用される場合には、受給者証の支援の種類の追加とサービス等利用計画の変更が必要となります。
保育園・幼稚園等訪問先へサービスの利用についてお伝えください。必要に応じ、事業の説明などのサポートを行います。
保育所・幼稚園等訪問先での行動観察を行い、保育所等訪問支援計画を作成します。

お問い合わせ先・居住自治体