すてっぷ・じゃんぷ日記

タグ:個別支援

垂直と平行

4年生の子ども達は算数で「垂直・平行」を習っているところです。

そもそも「垂直」「平行」という言葉自体子ども達にとって身近な言葉ではなく、頭の中に入りにくいものです。読み書きが苦手な子どもにとってはさらに難しいのかもしれません。

今回は図に示し、「垂直」と「平行」のヒントカードを出して問題を解きました。それを続けて定着が出来る子もいますが、それだけでは中々定着が難しい子もいます。

じゃんぷに通うO君が中々覚えれず、どうしようか、と悩んでいる最中です。Y先生とも相談し、「O君は昆虫が大好きだから垂直と平行を昆虫に例えてみてはどうか」となりました。

カブトムシの角を垂直、クワガタのハサミを平行と例えて、それをヒントカードにしようかと考えています。

さて、これが有効かどうか!O君にとってわかりやすかったら、と願っています。

 

文章問題のポイント

算数の文章問題で悩む子どもは非常に多いです。

文を読んで内容を想像し,頭の中で数の操作をしながら計算式を立てる…という複雑な処理をしています。文字を読むことが苦手な子,計算が苦手な子や書くことが苦手な子にとって一つの事に力を使うことに加えてたくさんの情報を頭の中で整理していかなければなりません。

考えることが難しくなり,授業中「お客さん」状態になってしまうことも少なくありません。授業者としてはそうならないよう配慮しているつもりが後でノートを見てみたら全然考えさせることが出来ていなかった,ということもあります。(筆者もそんな教員でした。反省です…)

じゃんぷでは子どもが学校の授業の中で「お客さん」にならないように学習支援もしています。3年生の「何倍でしょう」という単元はほとんどが文章問題なので「この単元嫌や~」となる子どもが多かったです。

ある子どもは計算式の想像が難しいですが聴覚記憶が良く,「〇〇の時は△△!」とパターンで覚えることが得意な子どもです。こういった子どもには下のような板書をし,文章を一緒に読んで「何倍でしょうがあったから?」「わり算!」「2倍です、と書いているから?」「かけ算!」と文章のパターンを教えました。すると想像がしやすくなったのか「何倍でしょう」の文章問題は解けるようになっています。基本的にテープ図等,視覚的な支援が多いですが子どもの特徴によって支援内容を考えることも大切です。

(板書が撮れておらず教材研究中の汚いメモしか残っていませんでした。ご了承ください。)

子どもが見通しを持ちやすい教材を

先日ある子どもが下の画像のようなプリントを持ってきました。

 

よく見るようなプリントです。ただその子どもは学習に対してかなり強い苦手意識があり,また読み書き,計算も相当にしんどい気持ちを持っています。

わり算を一問解くだけでしんどくなってしまう子どもが50問あるプリント(一面で50問なので裏表合わせて100問ですね。)を見たら「終わらせたい!」という気持ちより「しんどい、やりたくない!」という気持ちが勝ってしまうようです。さらに書くことにも困難があるため小さいスペースに計算をして書く,ということがどれだけしんどいことか,想像は容易いです。

しかし「宿題はやらねばならぬ」と思っているようです。なので下のように10問ずつのプリントに分けました。

 

一枚のプリントに見える情報量を少なくしています。また,「全部一気にやる必要はないから,今日は〇枚進めようね」と本人の負担にならない程度に取り組む枚数を決めて学習に臨んでいます。「これなら出来るわ!」と自分から学習に切り替える姿も見られてきています。数が膨大で終わる見通しが持てなかったのが,「この方法なら出来る」と見通しを持てたようですね。中学3年生の国語「握手(井上ひさし)」に登場するルロイ修道士ではありませんが,「困難は分割せよ」と声をかけたいものです。

読み支援と語彙

じゃんぷに行っている読み支援の一つとして「単語を音のまとまりとして読むトレーニング」に取り組んでいる子がいます。

これは例えば「ねこ」を「ね」と「こ」ではなく,「ねこ」と音のまとまりで読む練習です。

一般的には「ねこ」という文字を見た時に「ねこ」という音のまとまりとして読み,ねこの姿を思い浮かべます。それは「ねこ」を知っているからですね。音のまとまりとして読むためにはその単語を知っている,つまり語彙に入っていることが必要になります。

読み書きが苦手な子どもは読むことに対して疲弊し,どんどん文章を読まなくなります。その分語彙が少なくなってしまうことが多くあります。そして音読等,学校での学習に苦手感を持つことがあります。

いきなり文章…ではなく,まずは単音,そして2文字,3文字とスモールステップで読みの練習をし,そして語彙の意味も教えるようにしています。語彙の意味を教える中にもステップがありますが,それはまた後日…

(出典、引用:「ディスレクシア発達性読み書き障害トレーニング・ブック 著 平岩幹男 発行 合同出版 2018)

わり算支援

じゃんぷでは3年生になった子どもたちにわり算の支援をしています。どの子も「算数はちょっと…」と苦手意識を持っていますが,一概に苦手なところが同じではありません。苦手な部分も子どもによって違います。

計算そのものが苦手な子,単純な計算は出来るけど文章題が苦手な子,図形が苦手な子…とそれぞれ違います。

個別学習の時間では宿題の文章題やわり算の計算の仕方について支援をしています。主に数図ブロックを使ったり図を作ったりして視覚的に子どもがわかるような教え方をしています。個別学習の時間,算数だけを取り組むわけではないので短い時間で子どもが自分で「出来た!」と思えるよう,ブロックの操作や図を使いながら支援をしています。また,「コグトレ」の「まとめる」プリント等を使い,数の処理についての支援にも取り組んでいます。(「コグトレ」についてはまた後日ブログで紹介しようと考えています。)

自立学習の時間は子どもが自分で取り組んでいます。その中でわからないところは質問をしたり九九表を見ながら逆算して取り組む子もいます。

算数が苦手な原因は子どもによって様々です。数的処理の把握が苦手だったり算数ではなく文章の読みが苦手で文章題が苦手だったり…それぞれの苦手に合わせて支援をするよう心掛けています。