すてっぷ・じゃんぷ日記

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計算の使いどき

 「因数分解や方程式なんていつ使うの?」数学嫌いの中学生がよく言うこととして紹介されることが多い言葉です。「将来使わないものをどうして勉強しなきゃいけないの?」と質問され、まじめな数学教師は理屈で答えようとします。「道筋立てて考える力をつけるためだよ」「物理の勉強で使うよ」算数と数学の違いも、こんな言葉で説明されることが多いですね。算数は「実生活で使用する計算を学ぶもの」、数学は「論理的な思考を身に着けるもの」と言われることがあります。

 すてっぷの小学生たちの中には、算数の計算でも実生活の中で使うことが難しい子どももいます。そこでそういったことを活動の狙いとして、買い物学習をしたり、遊びの中に自然と計算が入るもので遊んだり、といったことに取り組んでいます。計算が自然に入る遊びとして、誰もが知っているものと言えば、「人生ゲーム」が挙げられるのではないでしょうか。要するにすごろくなのですが、ルーレットを回して出目を出すのが特徴で、止まったマスに基本的にはお金をもらうか、逆に払うかという指示が書かれています。お金は1000ドルからのお札を実際に配って自分のものにしますが、これがちょうど日本のお札が1000円から始まるので、よく子どもたちは「1000円配るね」と言って1000ドル札を渡したりしています。

 すてっぷにも人生ゲームがあり、設定遊びとして取り組むことがあります。銀行役はだいたい職員がしていますが、子どものグループによっては子ども同士で相談して、子どもが銀行役になることこともあります。子どものほとんどは、自分が止まったマスの指示を読んだり、指示に従って「○○円ください」と銀行役に伝えたり、○○円払ったりするだけで、頭をいっぱい使っています。慣れてくると、1000円払うのに5000円札しかないので、「おつりの4000円ください」と言いながら5000円札を出したり、「4人から2000円ずつもらうから8000円になるな」と考えたりと、計算の使いどきがだんだん増えてきます。ただ人生ゲームの難点としては、人数が多くなると、時間が長くなってしまうことです。また、人数が多くなると今が誰の番で、次は誰の番になるのかが分かりにくくなることがありました。そこで、すてっぷでは、ルーレットではなく10面さいころを転がすようにしてみました。ルーレットは回りだしてから止まるまで時間がかかりますが、サイコロだと一瞬で出目が分かって時間短縮になります。また、さいころを転がす入れ物を作って、それを順番に回すことで、今が誰の番かをわかりやすいようにしてみました。すると、時間が短縮できて順番がわかりやすくなり、疲れたり混乱したりで読む・計算する余力がなくなってしまうということが減ってきました。

 今後もこのような工夫をすることで、子どもたちが遊びの中で学習を生かせた!という成功経験を積あげられるよう取り組んでいきたいと思います。

わり算支援

じゃんぷでは3年生になった子どもたちにわり算の支援をしています。どの子も「算数はちょっと…」と苦手意識を持っていますが,一概に苦手なところが同じではありません。苦手な部分も子どもによって違います。

計算そのものが苦手な子,単純な計算は出来るけど文章題が苦手な子,図形が苦手な子…とそれぞれ違います。

個別学習の時間では宿題の文章題やわり算の計算の仕方について支援をしています。主に数図ブロックを使ったり図を作ったりして視覚的に子どもがわかるような教え方をしています。個別学習の時間,算数だけを取り組むわけではないので短い時間で子どもが自分で「出来た!」と思えるよう,ブロックの操作や図を使いながら支援をしています。また,「コグトレ」の「まとめる」プリント等を使い,数の処理についての支援にも取り組んでいます。(「コグトレ」についてはまた後日ブログで紹介しようと考えています。)

自立学習の時間は子どもが自分で取り組んでいます。その中でわからないところは質問をしたり九九表を見ながら逆算して取り組む子もいます。

算数が苦手な原因は子どもによって様々です。数的処理の把握が苦手だったり算数ではなく文章の読みが苦手で文章題が苦手だったり…それぞれの苦手に合わせて支援をするよう心掛けています。