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みんなちがってみんないい

ビジョントレーニング

ビジョントレーニングとは視覚機能の力を高めるためのトレーニングです。ものを見る力(視覚機能)は生まれつき備わっているわけではありません。徐々に発達して就学前までにその基礎ができあがると言われています。通常は成長の過程の中で、見たり触れたり体を動かしたり、様々な経験を通じて必要な機能を身につけていきます。これには個人差があります。特に不器用等調整力の弱さと「見えにくさ(視覚機能の困難)」においては関係性が強いといわれています。見る力は一人ひとり違い、この見えにくさを抱えた状態を放置しておくと、努力をしても結果が伴わなくなるという場面も増えてきます。そうなると「どうせ勉強はできない」「運動は嫌いだ」と意欲を失い、自己肯定感の喪失につながっていきます。

もちろん、学習の困難についてはこれまでのブログで述べてきたとおり、音韻機能や他の認知機能の問題もあり、視機能だけに関係づけられるものではありませんので、ビジョントレーニングで学習困難が解決するかどうかは他の認知機能との問題がないかどうかのアセスメントが重要です。ビジョントレーニング自身はそう難しいトレーニングではないのでホームページを見ていると、放デイの療育内容の目玉のようにしているところがありますが、アセスメントをどのようにしているのか明示しているところが少ないのが気になります。2012年の文部科学省実施の調査では子どもの2.5%に読み書き困難があり、その子どもの1割弱が視知覚の弱さが原因ではないかと考えられます。

ビジョントレーニングをすすめる記述には、視機能の課題が学習の困難と結びついている人は次のような傾向があると、書かれています。
1書字:文字を崩さずに正しい形で書けない。ノートに書かれているマス目や行からはみ出す。図形の形を正しく描けない。2読字:行間の読み飛ばしや、読み間違いをする。文章の意味を理解する力が身につかない。3手指の作業:ハサミやカッターなどを使い曲線などを正確に切ることができない。定規等をつかって正確な図形を描いたり、正確な線を引くことができない。紙を折ったり、貼ったりする作業をすることが困難。4集中力:授業中、しっかりと勉強に集中することができない。長時間(30分程度)の読書が続かない。5記憶力:ひらがなや漢字等、正しい形で記憶することが困難。学習において記憶の積み重ねが増えない。約束したことを忘れたり、忘れ物をしたりすることが減らない。6イメージ力:模様を見ながら再現できない。図形を正確にイメージして形を思いうかべられない。方向、方角の認識を身につけることができない。7運動する力:ボールを上手く受け止められない。縄跳びなどの跳躍運動が苦手。ダンスや体操など、目の前のお手本通りに真似るのが苦手。
確かに、生活の80%は視覚からの情報ですので、視知覚入力に課題があれば様々な問題が起こるのは当然です。だからと言って全てを視知覚の問題として扱うのは大雑把すぎる気がします。

これまで、スタンダードな視知覚検査は「フロスティッグ視知覚発達検査(DTVP)」でしたが、ここ10年視知覚の検査はたくさん開発されています。学力の問題との相関性を統計処理したものも出ています。おすすめはWAVESです。WAVESは Wide-range Assessment of Vision-related Essential Skills の略で、日本語では「視覚関連基礎スキルの広範囲アセスメント」と言います。この検査では、視知覚・目と手の協応を総合した総合指数により同年齢の子どもとの比較ができ、また、下位検査の成績によって、形態認知や記憶、協応動作について個人内の得意不得意も把握でき、段階内容別のトレーニングプリントもついています。おそらく多くのビジョントレーニングで療育を行う放デイはこれを利用していると思います。ただ、アセスメントに重要なのはテストバッテリーと言って一つの検査だけで結論を得るのではなく二つ以上の検査等から多面的に分析することです。本事業所ではWAVESとKABC-2(心理・教育アセスメントバッテリー)、STRAW-R(標準読み書きスクリーニング検査)によるテストバッテリーを組むことができます。ご希望の方はスタッフまでご連絡ください。

PECSセミナー in 京都

PECS「レベル1ワークショップ」(初級)が7月25日(土)26日(日)の二日間京都市で予定通り開催される見通しです(会場は未定ですがいつもは京都テルサです)また、家で学べるオンラインワークショップ(ZOOM使用)も6月13日  ~6月14日、6月20日~6月21日に開催されます。一般は39000円ですが保護者・学生は29000円です。いずれもピラミッド社のWEBから申し込み可能です。ご相談は、すてっぷのスタッフまでお声掛けください。

 

 

家、学校つなぎ学習支援

家、学校つなぎ学習支援

2021/06/03【読売新聞】

高松市 オンライン対応進める
新型コロナウイルスの感染拡大や災害などで臨時休校になり、児童生徒が登校できない場合に備え、高松市が学校と家庭をオンラインでつなぐ学習支援を進めている。タブレット端末の使用による成果や課題などを踏まえ、今後、全市立小中学校への普及を目指す。(林信登)

休校想定 木太南小で試行
■Zoom使い
「みなさん、こんにちは。聞こえていますか」。5月28日午後4時頃、高松市立木太南小6年4組の教室で、平田将己教諭(26)がビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を通じて呼びかけると、児童約30人が画面越しに手を挙げるなどして応えた。

約30分間のオンライン学習で児童は、専用の学習支援ツールアプリで出された課題に回答した後、別のアプリを使って英語や国語の問題を解くなどした。その様子が教室の電子黒板に映し出され、平田教諭は「分からないことはないですか」などと状況を見守った。

久次米紗帆さん(11)は「教室で受けるのとは違い、新鮮な感じがした」、平田教諭は「細かい指導ができない側面もあり、画面越しのコミュニケーションを工夫していきたい」と振り返った。

■1人1台
昨春、新型コロナで市立小中学校が臨時休校となった際、各学校は児童生徒の学習に遅れが生じないよう、学習プリントを作成。各家庭に郵送したり、直接配ったりした。

この経験を踏まえ、市は教諭らの負担軽減などに加え、休校時の家庭学習をより充実させるため、国の「GIGAスクール構想」で昨年度末までに全69校で1人1台配布されている学習用のタブレット端末を自宅に持ち帰り、オンライン学習に活用することにした。

今年度から全学年で端末を活用している木太南小で7月まで毎週、オンライン学習を試行し、効果や課題を検証する。

■教諭も研修
教諭側も様々なノウハウを蓄積していく必要があるとして、放課後の30分間をオンライン研修に充てる取り組みを並行して進めている。市総合教育センターの中浦将治所長は「いざという時に備え、子どもたちも先生もオンラインでの学習に慣れておく必要がある。子どもたちの学びの機会が失われることがないようにしたい」と強調する。

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当事業所が知る限り、自宅に配布されたタブレットを持ち帰ってきたと言う話は未だ聞きません。大阪市の騒ぎのように校長と市長が、環境も整わないのにできないと校長が言えば、市長は組織の意向が気に食わないなら辞めたらいいとやり合っているのを横目に、無料で何回でも40分継続利用できる民間アプリZOOMを使って授業をすればいいじゃないかと考えている学校だってあります。

校長先生たちのいう環境が整わないというのは、GIGAスクール構想での自治体の教育専用サーバーに繋げないと言っているだけで、民間のリモートサーバーは、家庭にネット回線さえあれば誰でも使える環境にあります。批判することが目的で児童と教師の頭上で空中戦を演じるよりも少しはこうした動きに目を向けて欲しいと思います。何もかも揃わないとICTを使った教育ができないわけではないからです。できることからやればいいのだと思います。

回線が込み合う都会よりも地方の方が回線はサクサク反応するかもしれません。岐阜市の全ての児童生徒にセルラー(4G回線)付きタブレットを配布しているのは画期的と以前も書きましたが、岐阜市は全生徒がリモート対応できるのでどんな実践をするのか楽しみです。そして、子どものタブレットを後生大事に充電式保管金庫に入れている学校は、かならず遅れを取ると思います。タブレットが手元になければ子どもも教師も簡単なことでも使わないからです。GIGAスクール構想での狙いは子どものデジタルリテラシー(デジタル機器操作に慣れる事)をまずは育てることです。学校では金庫に保管せずいつでも触れてネット利用を含めて操作ができるようにしておくことがまずは大事です。そして家庭に持ち帰らせ短時間でも少人数でもリモートの経験をさせることが大事だと思います。

知っていますか「特別児童扶養手当」

特別児童扶養手当は、20歳未満の精神または身体に障害のある子どもを育てる養育者が受けられる手当です。対象は 20歳未満で精神または身体に障害のある子どもを育てている養育者に支給されます。
・身体障害者手帳1~3級程度、および一部4級程度
・療育手帳AとBの一部(審査されます)
・精神障害者保健福祉手帳1級と2級の一部(審査されます)
・手帳をもたないが、障害・疾病等により日常生活に著しい困難がある場合(審査されます)
支給制限は、扶養義務者の前年の所得が600万円くらい(共働きや扶養者数、内容によって違います)を超えると手当は支給されません。京都府の特別児童扶養手当月額は1級認定の場合 52,200円、2級認定の場合 34,770円です。(※手当の月額は物価変動などにより改定されることがあります。)
問い合わせ窓口 各自治体の「子育て支援」の窓口。特別児童扶養手当は毎年8月に「現況届」を提出して更新する必要があります。「現況届」とは手当を引き続き受給する要件があるかどうかを確認するためのもので、その年の6月1日の状況を書くものです。前年の所得の状況と6月1日現在の児童の養育状況等を記載します。「現況届」の提出がない場合、手当が支給されません。
手帳がない発障障害の子どもも特別児童扶養手当を申請することは可能です。その際には、役所の子育て支援の窓口で渡される用紙に、かかりつけ医に診断を書いてもらって申請したうえで、指定の判定医の診断をうける必要があります。

障害児福祉手当は、20歳未満の精神または身体に重度の障害のある子どもを育てる養育者などが受けられる手当です。手当の判定基準に該当する方は特別児童扶養手当と併給することができますが、障害福祉手当のほうが審査条件が少し厳しいです。これは各自治体の「福祉の窓口」で申請します。

そもそも、手当や福祉関係の情報って病院や学校、事業所でも教えてくれないことがあります。自分で積極的に調べて聞いていかないと申請できません。また、お兄ちゃんは特児手当がもらえたけど、下は軽度だからもらえなかったという家庭もあります。時々施しは受けないという方がおられますが、生活費に使っても後ろめたいことは何もないし、家族とその子のために使えばいいのです。
住んでいる自治体ごとに制度が違うので、詳しくは役所の子育て支援の窓口と、福祉の窓口で申請手続きをする際によく確認してみることをおすすめします。
乙訓各自治体のHP
向日市
長岡京市
大山崎町

これらの制度は障害者手帳(特に療育手帳)があるとスムースに申請ができることから、手帳の申請がまだの方は各自治体の「福祉の窓口」でお聞きください。税控除や様々な助成を受けることができます。

そして、手当についての「使い方」について共通しているのは「何が正しいか」ではなく、その家庭にとって「何が必要か」ということです。家庭の必要に合わせて使うことが正しい使い方だということです。必要な人に、必要な手当が届くよう、お役立てください。

テラハ問題は身近に起こっている

リアリティショーで人気の「テラスハウス」の木村花さんが、SNSでの非難を苦にして亡くなった事件は国会にまで議論が飛び火して、SNSを規制する方向で世論が動いているといいます。匿名なら何を書いてもいい、欲求不満のはけ口にしてもかまわない、金もらって出演している人と普通の人は違うなど様々な論点があります。

しかし、同じような傾向は別に有名人でなくてもクラスや職場の裏アカの書き込みにも見られます。書き込まなければ自分が狙われると言ういじめの構造とSNS問題はやや違いますが、ディスった人たちが社会的な罪に問われない、コミュニティーから排除されないというところは同じ性質です。そうは言ってもSNSはなくなりません。大人は子どもにどのように教えればいいのか議論を進める必要があります。

でも、下の長々とした論評よりも、今日東京上空を飛んだブルーインパルスの医療従事者への感謝飛行の方が何百倍も説得力があります。ガンバレ!ありがとう!を交わし合う感動が、多くの人々を前向きに一つにしてくれることを、教えてくれています。

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テラハ問題を理解できない若者たちの闇 「何が問題なの?」
2020.05.29 17:00 【NEWSポストセブン】

5月23日、女子プロレスラーの木村花さん(享年22)が急逝した。花さんは恋愛リアリティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系・Netflixでも配信)に出演していたメンバーで、女子プロレスで培ったヒールとしての役割を演じた彼女の姿に、かねてよりネット上では多くの誹謗中傷が飛び交っていた。

27日、フジテレビは同番組の打ち切りを発表。フジテレビと制作会社は「木村花さんがご逝去された事について、あらためてお悔やみ申し上げます。またご遺族の方々にも深く哀悼の意を表します」とのコメントを発表している。一般人も含めた出演者たちの恋愛模様を赤裸々に描くというコンセプトの「恋愛リアリティショー」には、これまでも出演者のデマ情報の流布やSNSでの執拗なアンチコメントなどが問題視されてきた。

今回の木村さんの訃報に触れ、多くの人たちが誹謗中傷の書き込みに対する非難の声を上げている。しかし、この痛ましい出来事を受けてもなお、「何が問題なのか分からない」という若者たちもいるという。私立大学で教鞭を取る情報学系の研究者A氏(30代)は、今回の件を受けての学生からの反応に驚いたという。「学生に今回の件について尋ねたところ思わぬ反応があった。『テラハのファンだった』という女子学生の一人は、『彼女が亡くなったのは個人的な問題なのに、なぜ番組が叩かれるんですか? 番組を作っている人と、番組のファンが被害者です!』と言ってきた。このコメントには唖然としましたが、他の学生も『ネットの言葉なんか無視するべき、スルースキルがあれば起こらなかったと思う』、『アンチも養分だと思わないと。正直、続きが気になっていたし、新しく加入したメンバーがかわいそう』などとコメントをしていたんです。肩透かしを食らった気持ちでした。ここまで、言葉の持つ力は軽いものなのか。

木村さんと同年代の視聴者の声を聞き、自分自身の考えが甘かったと猛省しました。日本のリテラシー教育にかかわる研究者、教育者として、ここまで根深い問題があるとは、今回の件まで理解できていなかったのです」A氏はさらに、学生へ向けて「芸能人や著名人のSNSにコメントをする(リプライを送る)ことはどう感じるか? リプライしたことはあるか?」と尋ねたところ、多くの学生から「友だち感覚でリプを送れる」、「つまらない芸人には、リプで『全然おもんない』と送ったことがある、「ふざけてDMを送る友達も多い」などという反応があったという。同じツールを使う者同士、フラットな対人関係にあると錯覚するのではないか、と付け加えた。

今回、テラスハウスに関しては過剰な演出や台本の有無なども話題にされているが、「議論をそこに矮小化しないで欲しい」と語るのは、別の私立大学で社会学を教えるB氏(40代)だ。「視聴者のリテラシー不足を非難する前に、そうした激情型の視聴者を煽り立て、そのネガティヴなエネルギーでコンテンツの価値を増幅させようという制作意図自体に限界が来ていた。経済学でいう『アテンション・エコノミー』(※注目や関心の高さが経済的利潤を生むという概念)が悪い形で発露した事例ではないでしょうか」「リアリティショー」という番組構成に対して、視聴者が「現実とドラマの世界を区別できない」という指摘についてはどうか。B氏はこう語る。

「『リアル/バーチャル』以前に、私たちはある種のステレオタイプのもとに、対象を『見たいように見る』。たとえば、今回の場合は番組制作サイドも視聴者も、木村さん個人ではなく、“女子プロレスラー、ハッキリと意志表示する強い女、個性的なヘアメイクやファッション”といった要素やカテゴリーで彼女を切り取った。か弱く守ってあげたい受動的な女性像とは真逆です。そして一部の人たちの間には、こういったカテゴリーの女性ならば非難して良いんだ、という認識がある。誹謗中傷する者にとっては、リアルかバーチャルかはどちらでも良い。ただ『叩きやすい要素』、『盛り上がれる要素』があれば良い。そこにジェンダー的な問題が潜んでいることを、もっと私たちは自覚しないといけません」(B氏)

問題はネットリテラシー以前の、より根深いところにあるのかもしれない。

不登校YouTuberゆたぼん激怒

不登校YouTuberゆたぼん激怒過去動画への「マスクしろ」批判に「ホンマにアホやと思う」

6/3(木) 【J-CASTニュース】

【動画】「学校でマスクは外せ!」ゆたぼんさんの主張

■「学校でマスクは外せ!」と主張
2021年5月27日、今年2月に大阪府高槻市の小学校で当時5年生の男子児童が、体育の授業で持久走を走った直後、体調が急変し死亡していた、と毎日放送などが報じた。事故との関連は不明だが、児童はマスクをした状態で持久走に臨んでいた可能性もあるという。

このニュースを受けてゆたぼんさんは、「学校でマスクは外せ!」と題した動画を公開。「運動する時とか体育の時はマスクをつける必要はないし、逆にそれで死んでしまう可能性もあるから、みんなもマスクを外したほうがいい」と説いた。

続けて、「だいたい、いつでもどこでも『マスクつけろ』って言ってるやつが頭おかしいねん」と述べ、

「俺の動画でも、誰もいない海で撮影してる動画やのに『マスクしろ』ってコメントしてきたり、コロナが出る前の動画にも『マスクしろ』ってコメントしてくるやつがおって、ホンマにアホやと思うわ。自分で考えることもできひんで、脳みそが"マスク脳"になってて、完全に思考停止してるねんな!」
と痛烈に批判した。

「ホンマ何の意味があるねん!」
ゆたぼんさんは先日、自分の妹が学校の遠足で「コロナの影響でバスが乗れない」との理由から、児童全員マスクをつけたまま1時間歩かされたといい、「ホンマにヤバいなって思ったわ。沖縄でマスクつけて1時間歩くだけでも地獄やのに」「ホンマ何の意味があるねん!」と憤った。

そして、「結局これも『学校に行け、学校に行け』って言ってるのと同じで、みんながマスクつけてるから苦しくても『マスクしろ!』ってなってるだけやねん」とゆたぼんさん。「学校に行って死んでしまうくらいなら学校なんて行かんでいい。今自分に一番大事なものは自分の命!自分の人生!自分の心や!みんな人生は冒険だ!自由に生きよう!死んだらアカン!」と力説していた。

コメント欄には「確かに思考停止でマスクは危険だと思う」「これはぐぅ正論」「時と場合だね」「ちょっと極論じゃね?体育の時間は外しとるがな」など様々な意見が寄せられている。
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王様の耳はロバの耳や、裸の王様を思い出しました。『王様の耳はロバの耳』は、ロバの耳をした王様の散髪をした床屋が絶対にしゃべるなと言われたのに我慢できず、森の中の葦に向かって叫びます。すると、葦が風で揺れるたびにその言葉を繰り返し呟く様になり、いつの日かその葦の前を通る人々へ伝わってしまうお話です。

『裸の王様』は、周りがイエスマンばかりのある国の王様が、馬鹿には見えない糸で作った服と詐欺師に騙されて、無い服を着て国中を歩きます。国民も皆、見えないのに王様が怖くて裸でいる事を言えないのに、一人の子供が裸である事を指摘し、やっと大人も認めはじめますがパレードは延々と続く…お話です。

ゆたぼんの言う通りです。武漢風邪のウィルスが戸外で飛沫感染したと言う研究結果は世界中で一つもありません。あるのはスーパーコンピュータ富岳でランナーの飛沫シミュレーションをしたら、結構周囲に拡散するというだけで、感染の根拠ではありません。

ゆたぼんの地元沖縄では、来週から2週間の休校だそうです。市民の外出禁止を課さない学校休校は、感染拡大防止効果はなかったと言われているのに、何を根拠にして子どもの学習権を奪うのか意味不明です。私たちもイソップ寓話の床屋やアンデルセン物語の子どもになる必要がありそうです。

台風5号

子どものころ、台風が近づいてくるとなんだかわくわくしたものです。今のように刻々と変わる正確で詳しい情報はありませんから、学校はすぐ休校になり、子ども心には余計なイメージが広がります。母はろうそくの買いたしや風呂の貯め水をしたり、雨戸を閉めてその上からくぎ打ちしていた父の姿が鮮明に思い出されます。非日常のドキドキもあるけど、家族全員で来るかもしれない困難に立ち向かっている姿が心地よかったのかもしれません。

今や都会では台風でも職場や学校に行き、ぎりぎりまで休業にしません。昔は町に出ても台風の前は静まり返っていて往来も少なかったものです。台風が来るかと思ったら次の日は晴れてたなんてこともよくあって、「あーよかったねー」で済んだのですが、今は正確な進路まで予想できますからそんなわけにもいかないようです。

20日(土)夜までの48時間で雨量は九州から四国、紀伊半島など西日本太平洋側の多い所で300mmに達する所があるそうです。また、21日(日)は台風5号に向かう南西からの湿った空気の流れが強まる九州では、雨雲が非常に発達し激しい雨となるおそれがあり、最大で500mmに達する大雨のおそれがあるそうです。広い範囲で南よりの風が強く、西日本では瞬間的に20m/sを超える強風に対しても注意を呼び掛けています。

マスクできない理由分かって

マスクできない理由分かって 感覚過敏の娘、「『着けろ』と怒鳴られないか…」母の不安な日々
2020年6月1日 11:00 【京都新聞】

母親(上)がマスクを着けてあげようとすると、嫌がる娘(京都市内)
「自閉症の娘が、こだわりや感触の特性でマスクが着けられません」「日帰り温泉で、館内の利用を断られました」。京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」のLINEに、母親からの悲痛な声が届いた。新型コロナウイルス感染防止のため、マスク着用が「当たり前」になりつつある中、偏見におびえながら暮らす現状だという。
京都新聞社に声を寄せたのは、京都市西京区の母親(53)。長女(25)は、自閉症スペクトラムと重度の知的障害がある。障害の特性で体の感覚が過敏で、マスクが着けられない。
母親がマスクを着けてあげようとすると、長女は嫌がってその手を払いのけ、不快な表情を浮かべた。母親は「皮膚感覚や口をふさがれる圧迫感が、我慢できないのかな。知的障害の娘はマスクの必要性を理解できないし、無理強いすると自傷行為につながってしまう」と話す。長女は、他人のマスク姿も不安に思うようで、既に膝をかむなどの自傷行為があったという。

■日帰り温泉で売店などの利用断られ
5月、お風呂が大好きな長女を連れて、家族で京都府内の日帰り温泉施設に出掛けた。すると、受付で「マスクしてください」と言われた。障害の特性があってマスクを着けられないことを説明しても、「他のお客さまが嫌な思いをするかもしれないので」と浴室以外の売店や休憩所の利用は断られた。
風呂から上がった後は髪も乾かさず、日帰り温泉施設を急いで離れざるを得なかった。母親が事情を説明しても施設は売店や休憩所の利用を渋った。母親(53)は「同じ人間なのに、違う扱いをされて悲しくなった」と話す。
政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は5月4日、今後の感染拡大に備えた「新しい生活様式」を提言し、その実践例として「外出時、屋内にいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用」と求めた。マスクの着用を入店条件にする商業施設などが増えており、今夏以降も「マスクが当たり前」の社会が予想される。
母親は「外出時、『マスクを着けろ』と怒鳴られたり、白い目で見られたりしないか不安です」とし、「施設や店舗が『マスクなしでもOKの日や時間』を作ってくれるとうれしい」と話す。
「新しい生活様式」を担当する厚生労働省結核感染症課は、京都新聞社の取材に対し「感染予防には、手洗いなどを含め総合的な対策が必要で、マスクの有無が全てではない。マスクを着けられないからといって、不当な差別につながることがあってはならない」としている。

■感覚過敏 一つの刺激に集中
マスクの着用が困難な人に、どんな配慮が社会に求められるのか。自閉症や発達障害に詳しい「どんぐり発達クリニック」(東京都世田谷区)の宮尾益知医師=小児精神神経科=に聞いた。
一般的な感覚の人は、音やにおいなどさまざまな刺激を脳で自動的に取捨選択するが、自閉症の人は一つの刺激に集中してしまう。マスクが耳や口を覆う不快さや、マスクを着けた時に口が隠れる見た目の不自然さに集中してしまい、耐えられなくなる。
対策としては、締め付けの弱いタオルやフェースシールドを着けたり、マスクに口や好きなキャラクターを描くなどの手段がある。ただ、感覚過敏の人には、感覚が一般の人に比べて激烈でとても我慢できない人もいる。そうした事情を持つ人がいることも、社会に広く知られる必要がある。

水泳の授業、あなたの学校は?

水泳の授業、あなたの学校は? 神戸・西宮市は中止、姫路市は実施

2021/6/6 【神戸新聞NEXT】

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、昨年は多くの学校が中止した水泳の授業。今年は手探りで実施する市町も出てきた。兵庫県内では、対策を取って予定する姫路市、昨年に続いて中止を決めた神戸市など判断が割れている。(小尾絵生)

兵庫など全国の公立学校は2020年度、5月末までの長期休校が明け、手探りで学校生活を再開したこともあり、多くが水泳の授業を見送った。体育や音楽の授業、運動会、音楽会などの行事も縮小した。

スポーツ庁と文部科学省は水泳の授業について、前年度と同様、本年度も中止は求めず、感染対策としてプールの残留塩素濃度の管理▽身体的距離を2メートル以上確保▽手をつないだり体を支えたりするなど密接活動は避ける-などを求めた。

しかし、神戸市教育委員会は5月21日付で市立小中学校などに水泳授業中止の方針を伝達。理由には、更衣室で密になる、常に2メートル以上の距離を保つのは難しい、マスクの着脱ができない-などを挙げた。

西宮市教委も、市立小中学校に対し「水に入っての授業は行わないことが望ましい」と方針を伝えた。両市教委とも中止は2年連続。行えなかった指導内容は次年度の計画に盛り込むよう学校に求めた。

西宮市教委の担当者は「新型コロナの若年層の陽性者が増えている。水泳をきっかけに感染者を増やすわけにはいかない。ただ、昨年も授業を行えず、現中学3年生はそのまま卒業してしまう。中止は苦渋の決断だった」と明かした。

姫路市教委は原則実施を決定。2メートル以上の身体的距離を確保するため、これまで学年単位が基本だった授業をクラス単位に変えるなどし、1回当たりの人数を減らす予定だが、全学年で十分な授業回数の確保は難しくなるという。

小学校では6年生を優先するなど、学校は授業計画に苦心する。同市教委は「感染対策を最優先に、無理のない計画を立てるよう呼び掛けている」とする。

一方、県教委によると、県立高校では水泳は選択制が多く、人数が限られるため、原則実施が大半。神戸市教委も、市立高校については緊急事態宣言が解除された後は実施可能とする。
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プール授業を実施しても非難こそあれ表立って賛同されることはないのなら、「仕方がない」と表明して実施しない方が役人や教員にはストレスはかかりません。いったい誰のための水泳授業かと思いますが、いずれは収まる感染恐怖なら、今はやり過ごせばいいと言う判断は大人の理屈です。

プール授業で感染したというケースがこれまであったとは聞きません。もしあったなら、全国で水泳授業が何件実施されている中で何件の感染だったのか明らかにして欲しいです。民間のスイミングプールも営業をはじめ、各地の水泳競技の大会も開催され、何故、学校のそれもほとんどが戸外のプールの水泳授業が見送られるているのか、明確な理由は示されません。

一方、戸外活動中のマスク着用は児童には熱中症の危険があります。200人に一人の陽性者確率そのうち6割以上は無症状の武漢風邪を恐れて熱中症のリスクを冒しています。熱中症の重症者は死に至ります。武漢風邪で死に至る子どもは皆無です。水泳授業に変えての戸外の体育授業や教育活動は熱中症のリスクを考えてノーマスクでお願いします。

DV防止法

7月12日千葉地裁は、千葉県野田市立小4年の栗原心愛さん=当時(10)=が1月24日に自宅浴室で死亡した虐待事件で、父勇一郎被告(41)の暴行を制止しなかったとして、傷害ほう助罪に問われた母なぎさ被告(32)に懲役2年6月、保護観察付き執行猶予5年を言い渡した判決が確定したと明らかにしました。求刑は懲役2年でしたが、地裁によると、10日が控訴期限だったが検察側、被告側の双方から控訴がなかったので刑が確定したということです。母なぎさ被告も夫からDVを受けており、一部の意見には夫のDVの中で母親は子どもを守る判断力を失っているのだから母に刑を科しても刑の効果は薄く、保護と治療が必要というものもありました。

通称『DV防止法』が制定されたのは、2001年(平成13年)のことです。“夫婦喧嘩は犬も食わない”と限度をこえた夫婦の問題に対して、行政は関与することを長年控えてきたのです。ある面、他人が入り込むことを遠慮してしまう家庭という空間。法律がそこに踏み込むことで、辛い環境に耐えてきた女性達を救い出したことは、大きな意義があると思います。「DV」とは、ドメスティックバイオレンス(Domestic Violence)、略して「DV」です。ドメスティックは、「家庭的な」。バイオレンスは、「暴力、暴行」です。正式名称は、『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律』です。

一般的には「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」と書かれています。「配偶者からの暴力」に対する定義として、身体に対する暴力だけではなく、『心身に有害な影響を及ぼす言動』つまり言葉の暴力も含むということです。相手に危害を与える暴力は、圧倒的に男性から女性に及ぼすものが多いですが、言葉の暴力は、男性女性関係なく起こりえます。一年間のDV件数は、2015年(平成27年)には、63,141件の相談が寄せられています。検挙状況は、7,914人が刑法犯として検挙されました。DV防止法制定により、年間これだけの人が罪に問われ、同時にほぼ同数の被害者が救われていることになるので、法律ができた意義はとても大きいといえます。

法の前文には「配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することにより、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、この法律を制定する」とあり 家庭内の問題だからといって、今までのように放置しないで、しっかり対処しますよという法律になっています。『配偶者暴力相談支援センター』は、以下のことを行います。
○相談や相談機関の紹介 ○カウンセリング ○被害者及び同伴者の緊急時における安全の確保及び一時保護 ○自立して生活することを促進するための情報提供その他の援助 ○被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供その他の援助 ○保護命令制度の利用についての情報提供その他の援助です。DV相談件数は10万件超えの相談が寄せられています。他には、裁判所が配偶者に対して、保護命令を出すケースもあります。具体的に、被害者への接近禁止命令や住居からの退去命令が出されます。もし命令に違反すれば、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。また、発見者による通報という項目があります。配偶者からの暴力を受けている人を発見した人や医療関係者は、すすんで警察や配偶者暴力相談支援センターに通報することを推奨しています。このようにDV防止法によって、様々な行政の支援体制が整ってきています。

DV防止法改正内容 2001年にDV防止法が制定されたことで、家庭内で暴力を受け、沈黙していた多くの女性達が、救われることとなりました。配偶者からの暴力も犯罪であるということ。閉ざされた家庭空間で、「暴力をふるわれるのは、私にも問題がある」という被害者の錯覚が明らかになったこと。 それらをDV防止法が、私たちに気づかせてくれたのです。DV防止法は2001年の制定・施行以来、18年の歳月が経ちましたが、その間に三度の改正が行われています。法律は、極論すれば、人々が幸福で安寧な暮らしをするために存在するものです。。まだまだDVはなくならないとはいえ、以前はDVについて議論すら許さない風潮があった時期を思えば、やっとここまで来たという感があります。

リスクヘッジ

各自治体歩調を合わせて今年は学校プール無しだそうです。以下のスポーツ庁の見解は前向きのタイトルですが、実は「安全対策を講じることが困難であれば、今年度の水泳を控えるよう」とゼロリスクでなければ中止を求めている様にも読め、中止への逃げ道を残しまず。確かに感染者が出るような無防備はまずいですが、一人も出さないと言うのは見えないウィルス相手に現実には無理な話です。現感染率はサイコロを6回振って同じ目の出る確率です。それでも「感染するかもしれないから、中止」がこんなに幅を利かせ、誰も文句が言えない雰囲気です。

昨日のマスクがつけられないASD者の記事も同じです。医療関係者等の装着以外マスクに予防効果はないと言うのがこれまでのWHOの定説です。いつの間にかWHOの定説を覆し、根拠データもなしに国民総マスク化がすすみます。武漢ウィルスは恐れる必要はない、中国はしっかり対応しているから大丈夫と1月当初は世界中にコメントし、瞬く間に世界で620万人が感染し38万人が死亡するという有様ですから、WHOの定説を信用しろといっても、こんな失敗があっては難しいのかもしれません。

それはさておき、危険だと言って中止するのは簡単です。しかし、リスクを減らしながらも、必要なことは実行していく冷静さも重要です。

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学校プールは実施可能 塩素濃度、適切管理で―スポーツ庁
2020年05月22日16時26分【時事】

スポーツ庁は22日、学校の水泳授業について、プールの塩素濃度を適切に管理すれば実施が可能だとする見解をまとめ、全国の教育委員会などに連絡した。専門家の意見を踏まえ、新型コロナウイルスの水中感染リスクは低いと判断した。一方で、十分な安全対策を講じることが困難であれば、今年度の水泳を控えるよう求めた。
授業では、水中で消毒効果を発揮する塩素(遊離残留塩素)の濃度について、従来と同様に1リットル当たり0.4~1.0ミリグラムとなるよう管理してもらう。ドアノブやシャワー、ビート板などは小まめに消毒し、プールサイドでの児童生徒間の距離を2メートル以上保つ必要があると指摘した。
幼稚園などのプールについても、同様の対策を講じることで実施が可能だと示した。

 

プール 香川県のほとんどの小学校が「対策取りながら実施」

去年は中止が相次いだ「プールの授業」 今年は香川県のほとんどの小学校が「対策取りながら実施」

6/7(月) 17:38【KSB瀬戸内海放送

高松市などの小学校では6月からプールの授業が行われています。
2020年は新型コロナの影響で多くの自治体がプールの授業を中止しましたが、2021年は香川県のほとんどの小学校で対策を取りながら行われています。

高松市多肥上町の多肥小学校は6月2日にプール開きしました。
(多肥小学校/久利知光教頭)
「学校として最大限のコロナ対策をしながら、子どもたちには存分に活動を楽しんでもらいたい」

■2021年は香川県の7市9町で全ての小学校が「実施」
プールの授業は新型コロナの感染拡大を受けて、2020年は高松市やさぬき市が全ての小学校で中止するなど、香川県でも見送る学校が多くありました。

KSBが学校や教育委員会に確認したところ、2021年は高松市や丸亀市など7市9町で全ての小学校が「実施」するとしています。一方、さぬき市は7つある小学校のうち1校が「実施」、3校が「中止」、残る3校は「検討中」としています。

高松市教育委員会は2021年4月、プールの授業を行う場合は、更衣室の密を避けることや泳ぐときに距離をしっかり取ることなどを各小学校に通知しました。

多肥小学校では着替え中の密を防ぐため、男子は体育館のステージ、女子は2つの更衣室に着替えるスペースを分けました。また、例年は2クラス合同で行う授業を、2021年は1クラスごとにしました。

(白戸ゆめのリポート)
「プールサイドには黒と赤のマークがそれぞれ2メートル間隔で付けられています。この場所に授業中、児童が立つことによって密を防ぎます」

この他、一度にプールに入る人数を減らしたり、対面にならないように一方通行で泳いだりとさまざまな対策をとっています。

■久しぶりのプールにあふれる笑顔
2年ぶりのプールの授業は例年通りとはいきませんが、児童たちには笑顔があふれていました。

(6年生の児童は―)
「初めに入る時はちょっと冷たかったけど水に入るとだんだん慣れてきて気持ちよかったです」
「みんなで安全に気をつけながら楽しく出来たと思います」

(多肥小学校6年生の担任/野﨑佳子先生)
「制限のある中でもきょうはマスクが外れたということで、子どもたちの久しぶりの笑顔が見られたというのが一番良かったと思います」

多肥小学校は例年、1クラス当たり10回以上プールの授業を行っていましたが、2021年は1クラス当たりの授業数は少なくなりそうだということです。

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これが普通の対応だと思います。500名に1名(*)の確率で感染して症状が出る武漢風邪を恐れて実施しないのではなく、クレームが恐ろしくてプール開きができない学校が少なくありません。文科省もスポーツ庁も感染予防をしながらプール指導を行う通達を出していますが、相変わらず、「対策を講じることが困難であり、児童生徒の安全を確保することができないと判断する場合は、今年度においては水泳授業の実施を控えるようお願いします」と昨年と同じフレーズを残しているので、各校が対策をしないままプール実施が見送られる可能性があります。どんなことでも困難な理由は挙げればきりがありません。大事なことは実施する気があるかどうかです。

国会で野党は武漢風邪を人質にして、オリンピック開催の是非を問いますが、どうすれば開催できるかは論じ合っておらず選挙前の政治利用としか思えません。政府もメディアに煽られた世論を気にして分かりにくい答弁で是々非々の姿勢が示せず、国民の不安を高めます。高松の学校もきっとメディアに煽られた人たちがクレームを入れてくると思いますが、先生たち子どもたちのために頑張ってください。応援しています。*0.5%のPCR陽性者の4割弱が感染症状のある人なので 、0.2%が発症確率となります。

ソーシャル・ストーリー

ソーシャル・ストーリーとは、米国のキャロル・グレイが開発した「身の回りのものの性質や様々な場面でのふさわしい言動はどのようなものなのかなどをASDの子どもにわかりやすい形で伝えるためのコミュニケーションツール」です。

ASDの人は社会的な暗黙のルールのようなものを察することが苦手です。子どもたちが自然に身に付ける暗黙のルールですが、自閉症スペクトラムのある子どもたちは、認知上の偏りや興味関心の偏り、他者の感情の読み取りが苦手、情報の取り込み方も違うために、丁寧に教えてあげないと自然に学ぶことが非常に難しいと言えます。しかし、周囲の人たちはそうした事情を知らないので、問題児だとか、何を考えているのか理解できない子ども、などと思われることも少なくありません。

ソーシャル・ストーリーは、様々な知識や暗黙のルールを丁寧に教えることによって、ASDの人たちの理解力を高めて、自分自身で適切な行動をとっていけるように書かれた文章です。ソーシャル・ストーリーについての本は、「ソーシャルストーリブック」と「お母さんと先生が書くソーシャルストーリー」の2冊が有名です。この本には多くの文例が載っていて、そのまま使える文例集です。日常生活や学校生活で必要な様々なスキルや情報が網羅されています。

ただ、ソーシャル・ストーリーは本来一人一人にオーダーメイドで作る文章なので、自分で書く場合には「お母さんと先生が書くソーシャルストーリー」が必要です。「ソーシャルストーリーブック」だけ読んで、書き方について不完全な理解のまま新しいソーシャルストーリーを書くのはやめた方がいいです。

幼稚園・保育園の年少の幼い子どもでもわかりやすい内容では「マイソーシャルストーリーブック」が良いです。「ソーシャルストーリーブック」に比べ、一つ一つの項目が丁寧に書かれていています。子どもが小さいうちはこちらを先に読む(読んであげる)と良いと思います。

ASDの子どもは社会的な暗黙のルールを自然に習得してくのが苦手なので、特に教えなくてもよいような簡単なことを、大人になっても理解していないということがあります。このような理解不足は、幼稚園・保育園や学校または職場での生活トラブルの原因になります。

ソーシャルストーリーは、ASDの子どもに、肯定的な表現をしながら様々なことを教えるので、自尊感情を損なわずに理解力を高め、子どもの成長のためには必要なツールです。子どもの発達によってはすべての項目は必要ないかもしれませんが、ある部分だけごっそり取りこぼしている可能性があるので、読み物としてすべての項目を読んでおくのも無駄ではありません。

また、大人がソーシャルストーリーの語り口を知っておくことは、普段の生活で、子どもとのコミュニケーションに非常に役に立ちます。ASDの子どもには、ソーシャルストーリーのように説明をすると理解しやすいので、子どもに理解できるように話せるからです。子どもにこちらの意図がちゃんと伝わり、お互いに不要なストレスを抱えることがなくなります。ソーシャルストーリーは、こちらの伝えたいことを子どもにわかりやすい言葉と文字で伝える支援方法と言えます。次回は他者の内面が読みにくい子どもへの支援として、コミックストーリを掲載します。

フェースシールド

スナックでフェースシールドした店員が水割りを作って客と話している映像がありました。お酒を飲みながらお話するのがスナックの価値なので、客がそれでいいならいいかなと思っていました。スナックだけではなく、あちこちの対人サービス営業のお店でフェースシールドが広がっています。要するにフェースシールドは「うちの店は安心安全だよ」という客引き用のツールになっているようなのです。

と言っているうちに、「わが町の学校は安心安全だよ」とフェースシールドを導入した自治体が出てきました。感染症よりもはるかに有病確率の高い熱中症になりはしないかと心配しています。過ぎたるは猶及ばざるが如し(度が過ぎることは、足りないことと同じくらい良くないということ )。

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フェースシールド、学校で必要? 医師「素手で触ると感染リスク」と警鐘
2020年6月2日 07時13分【東京新聞】

新型コロナウイルス感染拡大に伴い休校していた学校が1日、各地で再開された。感染防止のため児童生徒らにマスクの着用を求め、手洗いや換気の徹底を図る学校が多い中、顔の前面を覆うフェースシールドを着けさせる自治体もある。医師からは「子どもらが扱うにはリスクが高い」との見方が出ている。

「学校現場でもフェースシールドを活用しながら感染拡大を予防していきたい」。大阪市の松井一郎市長は五月二十二日の記者会見で、市立小中高の全児童生徒と教職員にフェースシールドを配ると明らかにした。市教育委員会によると、児童生徒用十八万七千個と、市立幼稚園を含む教職員用二万個を合わせた二十万七千個を業者から一千万円で購入。六月十日までに順次、配布する。

休み時間や給食の時間など、児童生徒が距離を保ちにくい時に着用させ、授業中は担任らに任せる。使用後は児童生徒らが水とせっけんで洗い、学校での保管を基本に、自宅に持ち帰っても構わない。市教委の担当者は「マスクと併用するか、どちらか一つを使うかは学校の判断」と話す。

福岡県粕屋町は町立小中の全児童生徒と教職員用に五千四百個を約百万円で購入し、登校が再開された五月二十五日に配布した。当初は授業中、原則全員に着用させていたが、保護者らから反対の声が寄せられ、熱中症の心配もあるとして、わずか一週間で方針転換。六月一日からは「着ける」「着けない」の判断を学校ができるようにした。

フェースシールドは医療従事者や、対面での長時間の接客を伴う店舗の従業員らが着けるのが一般的。文部科学省が定めた、新型コロナ感染に伴う学校の衛生管理マニュアルもフェースシールドには言及せず、マスクの着用や手洗いなどを求めている。同省健康教育・食育課の大西恵美保健指導係長は「マニュアルを作る際、専門家からフェースシールドの話は出なかった。飛沫(ひまつ)はマスクで防げると考えている」と説明する。

厚生労働省によると、五月二十七日時点の累計感染者数は一万六千四百七十五人。うち未成年者は4%の六百六十八人にとどまり、死者はゼロ。五月二十三日以降、感染者が急増している北九州市の小学校でクラスター(感染者集団)が発生しているとはいえ、児童生徒への影響は限定的だ。

教育評論家の親野智可等(おやのちから)氏は「感染をマスクで100%防げるわけではなく、フェースシールドの着用は理解できる。新型コロナは未知の部分が多く、試行錯誤して良ければ続ければいいし、悪ければやめればいい。ただ、熱中症や、暑さで集中力が落ちるリスクもある」とみる。

医師からは、注意を促す声が上がる。国立感染症研究所の元研究員で蔵前協立診療所(東京都台東区)の原田文植(ふみうえ)所長は「往診でフェースシールドを試したが、暑くて断念した。子どもが使うのは無理だろう。開いている部分から手を入れて顔を触ってしまえば、感染は防げない」と唱える。

埼玉県立小児医療センター救急診療科の植田育也科長も「フェースシールドは相手の飛沫が付着し、本来は医師らが慎重に扱わなければならない防護具。子どもらが素手で触ると、感染リスクが高まる」と強調した。

各地で相次ぐ学校侵入

各地で相次ぐ学校侵入専門家、風化懸念も大阪・池田小事件から20年

6/8(火) 【時事通信】

大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件後、全国の学校で危機管理マニュアルの作成が義務付けられた。

ただ、侵入事件は各地でたびたび発生。専門家は事件の風化を懸念しており、「学校現場の危機意識を高めることが重要だ」と指摘する。

「新しい先生が来ると、現場に連れて行き話をする」。昨年、池田小に着任した真田巧校長(53)は校内で唯一、事件を直接知る存在だ。当時は6年の担任で、校舎3階からうつぶせに倒れた教員や逃げ惑う子どもが見えた。職員室に急いだが全く状況がつかめず、犯人確保後にようやく不審者侵入を知ったという。

同小では事件後、正門に警備員が常駐し、フェンスには赤外線警報装置を設置。教室や廊下など約300カ所に非常ボタンが取り付けられた。年5回行われる訓練は、不審者役の侵入経路や居場所を教職員に伝えず開始。協力して発見し、さすまたで取り押さえる。真田校長は「情報交換や発信を通じ、他の学校でも学校安全を考える機会をつくる存在でありたい」と話す。

現在は各学校での安全計画や危機管理マニュアルの作成が義務化されたが、池田小の事件後も学校侵入自体は食い止められずにいる。2003年には京都府宇治市の小学校で男が1年の児童2人を負傷させ、14年にも金沢市の小学校で、運動会の最中に刃物を持った男が侵入した。19年にはお茶の水女子大付属中学校で、秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さま(14)の机に刃物が置かれる事件も起きた。

池田小を視察し、事件翌年に公表された文部科学省の危機管理マニュアル作成に携わった学校安全教育研究所の矢崎良明代表(68)は「事件後、門や玄関の施錠が広まったが、まだ十分実施されていない地域や学校もある」と指摘。事件を知らない若手教員が増えており「休み時間でも教室を子どもだけにしないといった課題を忘れず、研修を通じて現場の危機意識を高めていくことが重要だ」と話している。

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毎日学校までお迎えに行く放デイ職員にとっては、校門の管理が厳格なのは面倒ですが、子どもの命を守るためには協力しようと思います。しかし、筆者が知る限り下校時にインターホンで顔確認して施錠を遠隔操作する設備のある学校は2校だけでした。テレビカメラは宇治の事件があってからは全校に設置されたようですが、まだまだ不審者にとっては入り放題というべきです。

学校には表門と裏門の二つがありますが、裏門はひっそりしている分カメラでも不審者は捉えやすいですが表門は保護者や業者、放デイの職員と見分けがつきません。学校開放の参観日や行事の時が最も不法侵入の可能性が高くなると思います。ガードマンが置けないならせめてICカードを関係者には与えて入校チェックを管理する等、防犯にはもうあと一工夫が求められていると思います。世知辛い世の中になったものですが、命にはかえられません。

最近は学校荒らしも増えていて、ICT機器が教室から盗まれるケースが相次いでいます。防犯をしようと思えば、タブレット充電器付き金庫となるわけですが、1台30万円近くする割には盗難を考えた構造ではないので簡単に開錠できてしまい保管した40台(時価200万円)すべて持って行かれるケースなどが後を絶ちません。自宅に持って帰らせれば教員の防犯配慮の負担も減らせるし児童のコンピュータリテラシーも高めることができます。

コミック会話

今回は、コミュニケーションをスムーズにする、コミック会話についてです。コミック会話も先に書いたソーシャルストーリ―の開発者である米国のキャロル・グレイが発案しました。開発の順序はコミック会話(comic strip conversations)の方が先です。ASDの子どもは、うまく状況を理解できなかったり、周りの人たちと違った捉え方をしてしまうことがあるのですが、そうした困っている状況を言葉で表現して、周りに説明するのが苦手です。コミック会話は、ASDの子どもが、今どんなことに困っているのか、どんなことを考えているのかを理解する手助けをしてくれます。また、彼らの周りで起こっている状況を的確に伝えるための手段としても、使うことができます。コミック会話の手法を使うことで、コミュニケーションをスムーズに取ることができるようになり、お互いの理解が進むのです。

コミック会話の方法は、子どもに書きながらコミュニケーションするのは良い方法だという理解を得て教えていきます。棒人間を描き、その人が言ったことを吹き出しに書き、感情を雲型の吹き出しに書くといった方法で状況を説明します。従って、文字や絵が描けることが前提です。このルールを徹底するのでマンガを描くのとは違い、表現ルールを覚える練習が必要になります。普段の会話をコミック会話を使って行うのです。たとえば、 今日、学校でどんなことをしたの?という、普通の日常会話です。こうして、普段から日常会話にコミック会話を使っておくことで、なにか困ったことがあった時にも、コミック会話を使って、スムーズに状況を説明できるようにしておきます。基本的にコミック会話は、ASDの子どもが、自分の気持ちなどを説明するために使うので、主に描くのは子どもです。

練習段階では、大人が質問をしながら、コミック会話を書き上げていくことになりますが、慣れて書き方がわかれば、子ども一人でも表現することができるようになります。会話ですので、子どもが書き、大人が書きと、続けていくことで、お互いの理解を深めていきます。

ノートを使うか、ホワイトボードを使うか、どんな筆記具を使うかは、様々なものを試せばいいです。ただ、筆記具に関しては、8色で感情な表現をするので、色のある筆記具を用意します。大きめのノートに色鉛筆、水性ペンなどを使う人が多いです。

コミック会話ができれば、状況や感情表現に非常に役に立つツールになります。話し言葉より先に文字に興味を持つタイプの方はコミック会話はとても分かりやすいようです。今の状況を周りに伝えられることでストレスが少なくなり、周りの大人も、子どもの考えていることがわかれば、どんな支援をすればよいのかがわかります。コミック会話がうまくいけば、かなり気持ちの面で穏やかになる方が多いです。ただし、コミック会話では子どもの誤解や間違いもたくさん発見できるので、間違いを指摘したくなりますが、それはNGです。表現することで役に立った、聞いてもらえてよかったという実感が大事です。

ここの、ブログを前からお読みの方はもうお気づきかと思います。ソーシャルストーリが理解コミュニケーションで、コミック会話は表出コミュニケーションです。他者のことがわかるだけではなく自分のことも相手にわかってもらってこそバランスが取れた暮らしというものではないでしょうか。理解だけ進んでも表出手段がなければストレスが溜まって行き詰ってしまうのは当然だと思いませんか。

なぜそんなに早く諦めるのか

一昨日も学校のリスクヘッジとはゼロリスクを求めているのものではないという記事を掲載しました。今問題になっているのは、小6や中3の修学旅行等の宿泊活動の早々とした中止決定です。宿泊先の旅館も、自治体丸ごとキャンセルだと経営的に大打撃ですが、子どもたちも大ショックです。

ただでさえ、武漢ウィルス感染予防でプールもクラブも行事も自粛させられ、「勉強だけで学校に行くなら、ネット授業で十分。学校なんかいらない」と言う子どもたちの声もあります。子どもの感染症状のほとんどは無症状か軽症です。それがクラスターになって家族や老人への二次感染に繋がるのが怖いと言う訳です。でも、無症状で誰が感染しているか分からない中で学校は再開しているのですから、理屈としては二百日もある学校内での感染確率と3日程度の宿泊学習の感染確率は大差ないと思うのです。

同じ環境で健康観察が続けられた子ども集団の貸切車輌での移動と不特定多数の交通移動は同列視できないし、宿舎はホテルにし食事は部屋内での弁当にするなどいくらでも工夫はできるはずです。結局、教育の論理よりもリスク回避という名のもとの責任回避じゃないかと批判されるのは、無理もないなと思います。

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保護者「なぜそんなに早く諦めるのか」…区立中の修学旅行中止に不満も
2020/05/24 10:04【読売】

新型コロナウイルスの影響を受け、東京都世田谷区は今年度の区立中学校の修学旅行を中止にする方針を固めた。保護者からは「なぜそんなに早く諦めるのか」と不満の声が出ているが、区は「滞在先で生徒が発症した場合の安全確保が困難」と理解を求めている。

区によると、修学旅行を1学期中に実施予定だった学校の中には、日程を変更するのが困難なところもあるという。区教育委員会は、学校ごとに実施の可否が分かれることを懸念し、全ての区立中学校で中止にする方針だ。バスや電車を使った長時間の移動や、大人数での寝食を伴うため、感染リスクが避けられないことも理由という。

新型コロナの影響をふまえて旅程を変更した学校の関係者からは落胆の声も。ある中学校では、8月末~10月か高校受験終了後の3月の実施を目指して旅行会社と調整を進め、3月中旬に実施することが決まったばかりだった。この学校の保護者の一人は「子供たちは『コロナ禍では中止が当たり前』という感覚になってしまっている。もう少し前向きに検討できないものか」と話した。

文部科学省は修学旅行について、教育的な意義や生徒の心情への配慮を理由に、感染の収束後に実施を検討するよう求めている。

医療的ケア児支援法案成立へ

医療的ケア児支援法案成立へ 介護の担い手不足解消を=賀川智子(東京地方部)

2021/6/10【毎日新聞】

たんの吸引や人工呼吸器など日常的に医療的なケアを必要とする子どもたちと、その家族を支援する「医療的ケア児支援法案」が今国会で成立する見通しだ。小さな命を将来につなぐため孤軍奮闘してきた家族にとって一筋の希望の光になるかもしれない。だが、支援法ができてもすぐに担い手不足が解消し家族の負担が減るわけではない。

深刻なのは支援の地域間格差と親、特に母親の負担の大きさだ。九州地方に住む公務員、坂口菜月さん(31)は、1223グラムの低体重で生まれ、気管切開をした1歳2カ月の長女七海ちゃんが起きている間、20~30分に1回たんの吸引をする。ケアで睡眠時間が4時間ほどの日もあった。夫が仕事の平日は「少しでも目を離したら娘の命にかかわる」と気が抜けない。昨年11月から8カ所ほどの保育園に電話をかけたが入園できず、今春の職場復帰をあきらめ、来年3月まで育児休暇を延長した。日々不安だという。

事情に応じた、選択肢欲しい
七海ちゃんのような19歳以下の医療的ケア児はこの10年間で倍増し、全国に約2万人いる(2019年厚生労働省調べ)。背景に新生児医療の進歩があり、16年の児童福祉法改正で初めて「医療的ケア児」が定義された。今回の新法は「居住地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられなければならない」との理念を掲げ、公的支援がこれまでの努力義務から責務に“格上げ”される。さらに学校の設置者に対し、保護者が付き添わなくても学校に通えるよう看護師の配置などを求め、普通学級から多くが門前払いされている現状の是正も促す。

ただ、課題は残る。
東京都の村林瑠美さん(36)は、特別支援学校小学部1年の長女が放課後等デイサービスに週5日通所し、午後5時半ごろ送迎車で帰宅する。会社の介護時短勤務制度を使い家で長女を迎えられるが、フルタイムの勤務は厳しい。村林さんは「入浴や夕食まで担ってくれる長時間のデイサービスや居宅介護など、各家庭の事情に応じたさまざまな選択肢から選べるようにしてほしい」と願う。

また、看護師らケアを担う人材は慢性的に足りない。そもそも「医療的ケア」は、医師法上は医師と看護職員が行う医療行為に含まれるものの、生活援助行為として治療行為とは区別され、ほとんどのケアは医師でも看護師でもない親がしている。12年の社会福祉士及び介護福祉士法改正で、研修を受けた介護職員などもたんの吸引などの医療的ケアができるようになったが、配置する学校は少ない。

学校の理解不足、看護師依存増す
NPO法人「地域ケアさぽーと研究所」の下川和洋理事は、「医療行為だから医療の専門家以外にはリスクが高い」と配置を敬遠してしまう傾向があると言う。その結果、看護師のいない学校では結局は親が付き添わないといけなくなる。下川理事は「一番の課題は医療的ケア児の正しい理解が学校現場にないこと。看護師以外にもできるケアは多くあるのに、看護師への依存度が増している。医療職でない人でも法的に可能な範囲できちんとケアを担ってもらうのが大切」と指摘する。

学校を出た後の生活介護事業所などでも「看護師の配置が難しく、受け入れ先がとても少ない」と東京都の福満美穂子さん(49)は言う。長女の華子(かこ)さん(17)は生後22時間後、脳に酸素が届かず脳性まひで寝たきりになった。いま特別支援学校高等部3年で、卒業後の居場所探しで悩んでいる。

新法が成立しても、新型コロナウイルスへの対応などで看護師不足がすぐに解消するとは思えない。一方、国はコロナワクチンの「打ち手」を歯科医師らに広げている。ならば、看護師の配置を進めるのと同時に、ケアの担い手の職種や範囲をさらに広げることはできないだろうか。国の責任の下、ガイドラインを示して担い手を配置すれば母親の負担は減ると思う。

戦後間もなく制定された児童福祉法の理念にこんな文言がある。「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない」

その責任は保護者だけでなく国や地方公共団体も負う。私は、医療的ケア児やその家族への支援は、一部の特殊な問題ではなく、みんなが共有して取り組まなければならない問題だと思う。障害の有無に関係なく、すべての子どもを全国どこでも安心して産み育てられる環境の整備は少子化対策そのものだからだ。

国はこども庁の創設を検討しているが、2万人の子どもに「学校に通って友達と一緒に勉強する」という当たり前の権利を認めずに、少子化対策と言えるだろうか。新法に実効性を持たせるため、国は柔軟性とスピード感を持って取り組んでほしい。

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特別支援学校も2012年から「社会福祉士及び介護福祉士法」の一部改正によって、研修を受け認定された教員は常勤する学校看護師の元で・口腔内の喀痰吸引 ・鼻腔内の喀痰吸引・気管カニューレ内の喀痰吸引・胃ろう又は腸ろうによる経管栄養・経鼻経管栄養という特定行為ができるようになっています。同じように放デイも看護師が勤務し登録特定行為事業者(喀痰吸引)として認定され、研修認定者がいれば、先に掲げた5つの医療的ケアの実施が可能となります。

乙訓近辺には向日市と洛西の2か所に登録特定行為事業者(喀痰吸引)の放デイがあります。ただ、医ケアを必要とする子どもは単に痰を吸引したり栄養を注入すれば良いと言うものではなく、気管カニューレが抜け落ちたり、突然呼吸が不安定になる等、呼吸器系は命にかかわることも少なくないので安全安心な仕組みが必要です。医師がいない中で実施されるこの仕組みは、看護師の心理的負担が大きいとも言われます。また、この法律は、発達障害者支援法と同じく理念法なので具体的な施策は書かれていません。現場が必要とする財政的保障や医療スタッフの配置等が進むように、この法律の積極的運用が行政に求められています。

応用行動分析を支援に生かす

発達障害のある人の行動問題について、前回はその支援の一丁目一番地は表出のコミュニケーションだと述べてきました。行動問題の解決と予防に必要なものはは、表出コミュニケーションと理解コミュニケーション(視覚的構造化含む)、3番目には応用行動分析(ABA=applied behavior analysis)だと考えられます。

ABA理論は人間の行動の分析の仕方と法則を扱っている心理学理論です。ちょうど、化学反応の法則を導き出すことと似ています。水は電気分解すると水素と酸素になります。人は褒められるとその行動を繰り返そうとします。単純化すればのたとえ話ですが、このように化学反応と行動変容はよく似た表現をします。表出のコミュニケーションに取り組むPECSもABA理論に基づいています。激しい不適切行動も、成長の過程で周りの人たちの対応を含む環境によって強められた結果であることが多いです。まず、不適切行動が強まる例をABC(三項随伴性と言います)分析の枠組みで整理して示します。


<例1>
①(A)外に出たい→(B)くつ持ってくる→(C)外出ができる
②(A)外に出たい→(B)くつ持ってくる→(C)「後でね」と言われて外出できない
③(A)外に出たい→(B)窓ガラスをたたく→(C)母親に叱られるが外出できる
『課題からの逃避』の機能を持つ行動が強まる例は
<例2>
①(A)課題が嫌→(B)泣く→(C)課題が終了される
②(A)課題が嫌→(B)泣く→(C)課題が終了されない
③(A)課題が嫌→(B)逃げる→(C)課題が終了される
④(A)課題が嫌→(B)逃げる→(C)席に戻され課題が終了されない
⑤(A)課題が嫌(B)作業課題を投げる→(C)課題が終了される
⑥(A)課題が嫌→(B)作業課題を投げる→(C)課題が戻され終了されない
⑦(A)課題が嫌→(B)作業課題を破壊する→(C)課題が終了される


例1の先行条件(A=Antecedent)で子どもが求める結果(C=Consequence)は外出できることであり、例2では課題を終了することです。例から分かるように同じ結果を得るために行動が順に変わり強まっています。同じ行動でも段々強度が増していき(激しく、時間も長くなっていく)、下に進むほど対応が難しい行動になっていることが分かります。例1の『③窓ガラスをたたく』、例2の『⑦作業課題を破壊する』という行動(B=Behavior)は、対応する側としてはこどもの要求を通さざるを得ず、無視できない行動です(関係ない人を叩くといった他害行動が見られることもあります)。このような強力な行動を早い段階から行うこともありますが、不適切行動は例1、例2のように段階的に強度を増していくことが多いです。


ではな不適切行動の強度は増していくのでしょうか。決定的には適切な表出コミュニケーションができないことですが、強度が増すのはある行動を行うことで要求が通っていても、段々同じ行動では要求が通りにくくなるからです。保護者や対応する人が慣れてきて少々泣いても気にせず課題をすすめようとなったり、忙しくて対応できなかったり、「教育的」に外出の回数を制限するよう計画したりと理由は色々あります。

そして、ある行動を行っても要求が通らなくなり、または、通り難くなると、要求を通らせるために不適切行動をより激しく、より長く行います。これを消去バースト(消去時の爆発)と言います。この段階で要求が通ってしまうと、より激しく、より長く不適切行動を行うと要求が通るということを学習し、以前より不適切行動が強力になっていきます。それでも要求が通らなければ、要求が通るような行動を色々試し、自分のできる行動の中から要求が通りやすい行動を行います。そこで要求が通ると、新たな不適切行動が形成されるということです。このような仕組みで、不適切行動は強度を増し、対応せざるをえない行動に変わっていきます。これは障害のあるなしに関係なく、どんな人でもこのツボにはまると負の連鎖は繰り返されます。たまに要求がかなえば、例えばパチンコ通いのように次は成功するかもとお金をつぎ込むように、不適切行動をつぎ込んで要求が叶うまで繰り返します。次回は日常生活で不適切行動を強めないため何が必要かを考えます。

バランスの決断

北九州市の事例は、今後どこでも発生すると思われます。北九州市では、濃厚接触者は症状がない限り2週間の自宅待機のみを促してきました。ドライブスルー検査などPCR検査の受け入れ体制が充実してきたので、北九州市は感染症状のない子どもも全て、PCR検査を実施するようになったのです。つまり、今までも濃厚接触者を検査をすればその程度は存在していたことになります。学校が始まれば当然感染の可能性があります。従って、感染ゼロリスクで学校を開けるのは不可能なのです。感染率を下げるには接触回数を減らすしかありません。つまり、登校回数を減らすしかないのです。

ただ、こんなことをイタチごっこのようにやっていてもきりがありません。どこかで、子どもたちの教育保障と感染リスクヘッジのバランスの決断をする時が来ます。そして、PCR検査が万能のように主張される識者の方もおられますが、軽症や無症状であればあるほど陽性的中率は7割から5割以下に落ちていくので、検査陰性でも安心などとは全く言えないのです。子どもにとってはほとんど害のない感染と高齢者にとっては高リスクの感染をどうバランスをとるのかと言う決断がいるのだと思います。

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北九州市「第2波」発生2週間 学校、病院…試行錯誤続く
2020/6/6 6:00 【西日本新聞】

北九州市が新型コロナウイルス「第2波」発生を最初に発表してから6日で2週間となる。登校が始まっていた小中学校で児童生徒の感染が相次ぎ確認されたことで、全市的な分散登校に逆戻り。複数の大規模病院でクラスター(感染者集団)が発生し、救急患者の円滑な受け入れにも黄色信号がともる。今後、波及の恐れがある他地域の対策モデルとなれるのか。同市が直面する課題は多い。

■休校か登校か
北九州市を襲った新型コロナ「第2波」では、市内の小中5校の児童生徒が感染。これを受けた市教育委員会の対応は、一斉休校ではなく分散登校だった。「子どもたちのリスク低減は必要だが、心と体を育てる場でもある学校の継続も使命。バランスに悩んだ」。田島裕美教育長は決断に苦慮したことを明かす。小倉南区の小学校ではクラスターの疑い例も発生したが、市保健福祉局の永富秀樹局長は「現段階で国内の小学校での集団感染例はない。子どもから子どもへの感染と推定されているが、特定に至っていない」と慎重な言い回しだ。市に派遣されている厚生労働省のクラスター対策班が「教室内感染」と判断した場合、再開した全国の学校への影響が大きいためだ。市危機管理参与で、救急救命九州研修所の郡山一明教授は「児童らの感染は濃厚接触者のPCR検査をしっかりやって初めて分かってきたこと」とした上で「症状は軽症か無症状。『3密』の度合いを下げられる分散登校を選んだ」と説明する。市は今回、小中学生の感染発表に際し、性別などを非公表とする対応に切り替えた。加藤勝信厚労相は、5日の閣議後会見で「感染症は誰でも感染しうる。子どもたちや医療従事者への偏見、差別はあってはならない」と強調した。

■救急患者1.5倍
「1日の救急患者の受け入れが最近1・5倍に増えた」。市内の医療関係者は疲れ切った様子で語った。多くの急患を受け入れている北九州総合病院など三つの大規模病院でクラスターが発生したことで、別の病院に救急搬送が集中する課題が急浮上した。「第2波」の渦中、熱などの症状がない救急搬送の高齢患者らを念のため調べると、相次いで感染が判明。救急医療の最前線は、増加する急患とそこからの感染防止に神経をすり減らしている。市消防局によると、現時点で「搬送遅れなどの影響は出ていない」とする一方、同市などは市周辺の6医療機関にも急患受け入れの依頼を5日から本格化させ、「救急医療体制の逼迫(ひっぱく)」の回避へ力を注ぐ。市立八幡病院の伊藤重彦院長は「重症以外での救急外来を避けてほしい。軽症者は、まずかかりつけ医や電話相談をお願いしたい」と呼び掛けている。このほか、「警戒中の医療機関で、どうしてクラスターになったのか」など検証すべき課題は山積み。感染経路不明者の確認も市内全域で続き、一定規模の市中感染が疑われている。(竹次稔、一瀬圭司、山下航)

「みんな仲良く元気よく」が子どもを追いつめる

なぜ「みんな仲良く元気よく」が子どもを追いつめるのか

06/10 【婦人公論】

個性の強さから学校で問題児扱いされるような子どもたちを集め、彼らに自由な発想と学びの場を提供することを目指した教育が、東京大学にて行われています。そこでディレクターを務める中邑賢龍教授は「かつての日本では、それぞれの特性に合った生き方を選べた。今はそれが許されていないことが教育に悪影響を及ぼしている」と警告しますが――

※本稿は、中邑賢龍『どの子も違う――才能を伸ばす子育て 潰す子育て』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。
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第二回●「子育ては褒めるのが大事、叱るのは良くない」が招く危うい未来
なぜ子育てしにくい社会が放置されているのか
プラットフォーマーと呼ばれる巨大企業があらゆる業界を飲み込み、成長を遂げる中、ここにきての新型コロナウイルスの広がりもあり、さまざまな企業や業種が時代に取り残されれつつあります。

その結果、足元の経済格差はさらに広がってしまいました。国の財政難も深刻になり、自助努力が難しい人だろうと公助になかなか頼れないという“壁”のようなものを感じる時代になっています。

本来ならば公助の社会を構築するべく、地域住民がより協力する必要があるのかもしれませんが、そうしたコミュニティも、すでにこれまでの変化の中でほぼ崩壊してしまいました。

弱々しい社会に、親子の問題の解決を頼るのが難しいのは明白で、また同時に社会そのものの構造として、多くの人が子育てしにくいと感じる状況が続いています。
しかし、放置していればいつまでも解決はなされない、そうした社会が築く“壁”について、今回少し考えてみたいと思います。

人と違うことをすればいじめられるから
「個性を豊かに」と言いながら、学校などでは、自分の気持ちを隠して同化しないと仲間に入れません。「仲良くする」とはつまり、みんなと一緒に遊ぶことで、仲間から外れて一人でいると「可哀想な子」だと捉えられてしまう。

今「人と違うことをすればいじめられる」と考える子や親が多いようです。
だからこそ目立ってはいけない、自分の好きなことばかりするのは良くない、時には我慢して集団に合わせるのが必要と考えます。しかしそんな環境で育った子どもは、きっと大人になっても人と違うことをするのを強く恐れるはずです。

社会に出ても空気を読み、上司の意見に同調しながら働くことで認められるのが、今の日本かもしれません。しかし、現実として活発な議論ができないような組織から、変化やイノベーションは起きません。

やりたいことを我慢し、人の都合に合わせて行動する人は「優しい」と評価されますが、それはそれで、どこかおかしい。
いじめられないように、自分を殺して生きるなんてとても馬鹿げています。絶対に、いじめる方が悪いのですから。

大人に求められるのは”違い”を認めること
今の学校では一つの目標に向かい、協働して成果をあげることが重視されています。「みんな仲良く、元気良く」という言葉が絶対。現実としてそうなることを期待されているわけで、それに該当しない子どもはいじめられる傾向が強くなると言えます。

いじめられる子どもは素直に、その特性に従って行動しているだけなのに、ペースが違う、方向が違うといったことを理由に、いじめの対象になるわけです。
「好きなことをやりたかったとしても、人と違うといじめられてしまうし、やめた方がいい」と言われたら、言われた人は自己否定するしかありません。

私は繰り返し「子どもは皆違って、それでいい」と述べていますが、でも現実の世界でそれを通したら、子どもがいじめられてしまうと心配になっている人もいることでしょう。
だからこそ大人である私たち自らが違いを認め、ユニークさを評価し、それで社会の雰囲気を変えていく必要があるのです。

閉鎖的で、変わることのできない組織は必ず衰退していきます。一方で、私たちの手にはインターネットという、場所や立場を超えて発言し、人と結びつくツールがあります。枠を超えてダイナミックに結合する新しい社会を創造し、そちらを選んで生きていきましょう。

かつては特性に合った仕事で生活できた
こういったお話をする際、いつもアフリカのマリ共和国の首都、バマコに行った時のことを思い出します。

街を歩く人に「どんな仕事をしているの?」と聞くと、多くの人は「色々」と答えてくれました。彼らは特定の職に就いているのでなく、その日、そこにあった仕事をするのだそうです。

自分ができる仕事を少しだけやって、それで生活する。彼らは決して裕福な生活を送っているわけではないですが、のんびりした穏やかな暮らしがそこにはありました。

日本でも、それぞれの特性に合う仕事を選び、それで生活できる社会がかつてありました。特に半世紀前までの働き方は多様でした。たとえば1960年代くらいまでの産業構造を調べると、第1次、2次、3次産業がバランスよい状態に保たれていることが分かります。

そのため少々の凸凹やペースの違いがあっても、個人の特性に応じた働く場所がありました。小さな工場に行けば気難しい職人さんがいて、愛想は悪くとも、コミュニケーションは上手でなくとも、素晴らしい仕事を見せてくれました。

また、街の八百屋や魚屋に行けば、休むことなく動き回る店主が、詳しく商品の説明をしてくれました。こちらが早く帰りたくても話が続くので帰れない、なんてことがあっても、そこで得た野菜や魚の知識は今も生きています。

読み書きが苦手で、学校の成績が悪かった友人がいますが、彼は中学を卒業し、地元で家業の農業を手伝っています。テストの点が悪くとも、体力があって根気強い彼は、農業には適していたのか、高校に進学することのないまま、今でも楽しそうに働いています。
日本でも、それぞれの特性に応じて、自分のペースで働けるような社会があったわけです。

追いつめられた人にさらに無理を強いていないか
しかし、パソコンやインターネットが登場し、道路や航空路などの整備で物流が発展すると、スピードや経済効率が優先されるようになり、ペースが遅いというだけで社会から取り残される人が出てきました。

また農業や製造業の大規模化・機械化の中で、多くの人が仕事を変えることを余儀なくされ、現在では商業、運輸通信業、金融業、公務、その他サービス業からなる第3次産業がすっかり主流になっています。

第3次産業はほかの産業形態に比べ、コミュニケーションや読み書きの力が問われます。時にはパソコンの前に座り、同じ部屋の中で、長時間仕事を続ける必要もあるでしょう。

つまり、特性的にそれが苦手な人だと「働く」という点で、すでにたくさんの壁が生まれてしまっているわけです。

実際そういった社会構造の変化によって不適応を起こした人が増えた結果、彼らを支援する意味でも「発達障害」という障害が、制度側の都合で生みだされたようにも感じています。そして、彼らを社会構造に当てはめるための訓練が今も続いているのです。

追い詰められた人に、さらに無理を強いる。そうしたアプローチばかりになっている今の社会は、とても残念です。むしろ苦手を認めつつ、特性を活かして働ける仕事を意識的に生み出す。そうした動きがより活発になってほしいと筆者は考えています。

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中邑先生の多様性社会が大事だと言う意見には完全に同意できます。しかし、ちょっと観念的でステレオタイプな感じもします。昔が良かったと言われるけど、生産力が低い時代では子どもは親の所有物のように乳児や女児の子捨てが当たり前だったし、戦後でも今は虐待と言われるような事が躾として認められていたのですから、一面だけで子どもの環境の是非は評価できません。

昔、支援学校の国際交流の時間に外国のアーティスト(絵画)を招いて、授業の前に校内を案内した時の事を思い出しました。彼は生徒たちの織物作業の授業を見て、いろいろ質問していました。彼の質問に対して、生徒はこの程度の事ができても社会には通用しないからというような返答をしました。

絵描きの彼は、手を大きく振って「それは間違いだ」と生徒に演説を始めました。「君たちの織りのスキルはアフリカの途上国なら指導員になれるレベルだ、世界は日本のように機械化されている国だけではない。人口比で言えば日本が珍しいくらいだ」と生徒に語り掛けました。生徒たちはこの外人のおっちゃん何言ってんのという表情でしたが、話が終わると笑顔でアフリカの学校の様子を聞いていた光景を思い出しました。

中邑先生の話やアーティストの話で、この国の現状がすぐさま変わるわけではありません。でも、大人が子どもに向かって発信するメッセージは、常識や現実だと思っていることは結構限定的なもので、一昔前や違う国では、違う文化があり、それもまた現実なのだと伝える事が大事です。

だからと言って、この国を昭和に戻したり発展途上の国にすることはできないけれども、変わらないものは何もないというメッセージを送り続ける事が大事なのだと思います。今後生産労働時間が減り、余った時間を生かせるのは凸凹の子どもたちだと私は思っています。中邑先生の文章は、それは違うなと思わせるところもありますが、色々考えさせてくれる本です。

強化と行動

ある行動を行い、望ましい結果が伴えば、その行動の頻度は高まります。例えば、『(A)夕食後→(B)宿題をする→(C)母親に褒められる』と『(B)宿題をする』という行動が増えます。これを“強化”と言い、その際の望ましい(C)結果を“強化子(きょうかし)”や“好子(こうし)”と呼びます。

この強化は応用行動分析(ABA)の基本であり、とても大切です。強化子というのは嬉しいものであるとは限りません。直前の行動を維持し、強める結果のことです。ドアノブを回すとドアが開きますが、この『ドアが開く』という結果は『ドアノブを回す』という行動の強化子となっています。ドアが開いてもそう嬉しいわけではないですが、ドアが開くという結果がドアノブを回すという行動を維持します。

基本的には望ましい結果、嬉しい結果が強化子となることが多く、その内容は人それぞれです。保護者や先生の賞賛、お菓子、おこづかい、ゲームができる、遊びに行ける、微笑みかけられる、休憩時間が伸びるなど、その子どもが喜ぶものは基本的に強化子として考えることができます。やりがいや達成感を感じるということも同様です。ある行動を増やしたければ、その行動の直後に強化子を与えることで、その行動が強化され頻度が高まります。不適切行動も同様であり、不適切行動の頻度が高く維持しているようであれば、その行動はその子にとって望ましい結果によって強化されていると考えます。

計画を立てる際によく見られる誤りは、お菓子などの特定のものを強化子と決めつけることです。お菓子が好きな子どもならお菓子が強化子になり、お菓子をそれほど好きでない子どもならお菓子は強化子にはなりません。また、お腹がいっぱいの時はお菓子を別に欲しくないので強化子にはならず、その時の状態によっても強化子は変わってきます。

次に、ある行動を行い、望ましくない結果が伴えば、その行動の頻度は減少します(ご飯中におしゃべりをして母親に怒られる、など)。これを“弱化”または“罰”と言います。その際の望ましくない結果を“嫌子(けんし)”または“罰子”といいます。この嫌子も人それぞれです。叱られる、叩かれる、空腹、喉の渇き、極度の暑さ寒さ、周囲からの批判などです。

弱化にも2つの条件があり、ある行動を行って嫌子の結果となる正の弱化と、ある行動を行って強化子がなくなる負の弱化があります。後者の代表的なものはタイムアウトで、望ましくない行動を子どもが示したら、子どもを強化子から遠ざけるという手続きです。ゲームを取り上げられる、減点されるのも強化子から遠ざける負の弱化です。

この強化と弱化、そして4つの条件によって、行動が増えたり、減ったりすることの多くを説明することができ、行動を修正したり形成したりすることが可能となります。

<正の強化>
 1. 行動を起こすと
 2. 強化子(好きな事)が得られ
 3. その結果、その行動が増える
<負の強化>
 1. 行動を起こすと
 2. 嫌子(嫌な亊)がなくなり
 3. その結果、その行動が増える

<正の弱化>
 1. 行動を起こすと
 2. 嫌子が得られ
 3. その結果、その行動が減る
<負の弱化>
 1. 行動を起こすと
 2. 強化子がなくなり
 3. その結果、その行動が減る

結果が好きな事か嫌な事が消えるならその行動は増え(強化)、結果が嫌な事か好きな事が消えるならその行動は減る(弱化)ということです。そして、行動の形態や種類に関係なく、この強化の原理は人の行動なら何にでも適用されるということです。良い行動であっても、悪い行動であっても、日常的な行動であっても、奇異な行動であっても、同様です。子どもに不適切行動が見られるならば、その行動により子どもにとって何か望ましい結果が得られていて不適切行動が強化されていると考えることができます。従って、不適切行動を予防するには適切な行動が増える好きな事か嫌なことが消える結果を探し、不適切な行動を減らすには嫌なものか好きなものが消える結果を探して取り組めばよいことになります。

しかし、弱化はなかなか難しいのです。子どもの好子はかなり強力なものが多いですから、少々の弱化、つまり嫌な亊を与えたり好きな事を奪っても持続的な効果はすぐには見えず、逆に消去バースト(行動がさらに強くなる)を前に怯んでしまいます。また内容や程度にもよりますが、弱化は倫理的に考えて躊躇しやすいからです。つまり大人のほうが効果と言う強化子がなかなか得られず、倫理的という同調圧力の言葉で取組行動が減ると言う負の弱化が成立します。ではどうすればいいか次回に考えて行きます。

香川のゲーム依存症対策条例「効果上がらず」

香川のゲーム依存症対策条例「効果上がらず」ゲームエイジ調査
2020年6月9日 16時18分【産経新聞】
 

香川県で4月から施行された「ネット・ゲーム依存症対策条例」について、地域の子供たちのゲーム利用時間の減少にはあまり効果が上がっていないことが分かった。

同条例は子供たちのゲーム依存防止のために利用時間を制限する内容。モバイルゲーム利用者約135万人の動向調査を行っているゲームエイジ総研(東京都渋谷区)が、全国平均と比較して発表した。

発表によると、新型コロナウイルスの感染拡大で休校措置がとられた時期と重なったためか、全国的に10代の利用時間は増加傾向にある。

香川県の10代の利用時間も全国と同様に、学校が休校になった3月7日前後から増加。条例が施行された4月1日には減少したが、その後の緊急事態宣言の発令に合わせて再び増加傾向に戻った。2月3日~4月19日の11週間で、利用時間平均は全国で計270・2時間、香川で計262・6時間と、あまり変わらなかったという。

総研は「条例の影響力は少ないのが実態のようだ。依存防止を意識してもらうためには、一律に時間制限するのとはまた違ったアプローチの方法が考えられるのでは」としている。

「教職員がPCR検査の検体採取」 1人が感染

徳島教組「教職員がPCR検査の検体採取」 1人が感染 新型コロナウイルス

2021年6月15日 【朝日新聞】

徳島県教職員組合は14日、阿南市内の中高一貫校で4月末に新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した際、教職員がPCR検査の検体採取に従事させられたと明らかにした。作業後に1人の感染が判明したという。県教組は教職員に検体採取にあたらせないよう求める請願か陳情を県議会に出す方向で調整しているという。

県教組によると、検体採取はドライブスルー方式で、教職員は車に乗った生徒の名前を確認して唾液(だえき)採取用の容器を手渡し、採取後に回収する作業などに当たった。フェースシールドや手袋の配布はあったが、マスクは各自が持参した不織布マスクだったという。

小原伸二委員長は「十分な説明もないまま危険を伴う作業をさせるのはおかしい。子供の命を守るのは当然だが、教職員の命も守らなければならない」と語った。一方、県教委は「しっかりとした安全対策をするとともに、教職員には十分な説明を行って児童生徒の速やかな教育活動の再開のため、今後とも必要な協力は行う」としている。

作業について、県感染症対策課は生徒本人が唾液を採取し、教職員は容器の回収にとどまり、保健所職員の立ち会いのもと十分な安全対策をとっているなどとして、「容器の受け渡しであって検体採取ではない。作業による感染は考えにくい」としている。(杉田基)

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教員に検体収集を行わせているのは職務内容ではなく危険な行為で不当だと言う教員組合の頓珍漢ぶりは驚きですが、報道はもっと問題です。検体を「採取」と朝日は書いていますが、実際は症状のない生徒から検体ボトルを保健所職員と一緒に集めただけです。教諭は生徒と毎日向き合っており、クラスターが発生した学校なら教員が感染する可能性はいつもあり、たまたま検体集めをした教員が感染したからと言って作業が感染の原因とは考えにくいという公式発表もあるのに、「検体採取」の後に「感染」と表題に書くのは二つを関係づける印象操作であり、フェアな報道ではありません。

こんな報道をしても、不安を煽るだけで感染予防にはつながらないばかりか、教員や子どもに関わる職員は感染予防に協力するのは仕事じゃないと思っているという誤解を、市民に与えるだけで迷惑です。この間のメディアの煽りに煽る感染報道は売らんがための「炎上商法」とも言えますが、商売の域を超えています。

朝日はオリパラ開催反対を社説に書きながら、会社自身はオリパラのオフィシャルパートナーです。オリパラ報道・放映は協力金や放映権料を支払っても十分利益が出る見返りがあるのでしょう。夏の高校野球も朝日が主催ですが、今年は感染懸念の報道すらなく実施です。高校野球は甲子園の賃貸料も放映権料も無料ですからCM料で丸々利益が出ます。それでも、オリパラも高校野球も儲けが目的ではなくスポーツへの貢献だと朝日は言いきります。

やっている事と言っていることが違う場合、その言葉には信憑性はありません。この間のオリパラ中止を煽る報道は朝日だけではありませんが、世間が注目してくれれば(儲かれば)炎上商法でも何でもあり、というのがメディアの本音ではないかと思います。しかし、結果としては、社会の公器としての報道の権威を貶めておりたいへん残念です。

 

消去と強化を組み合わせる

おさらいです。人は起こした行動に対する結果が望ましいものだと、以降もその行動を繰り返しやすくなります。この望ましい結果(ごほうび)を与えてその行動を増やすことを「強化」と言い結果のことを「強化子」と言います。お菓子や、おもちゃ、褒め言葉など本人が喜ぶものはどのようなものでも強化子になります。

人は行動のあとにごほうびとなる出来事が得られないと、その行動が減少していきます。これが「負の弱化」=「消去」です。罰には積極的罰と消極的罰があり、ごほうび(快)を取り去るのが消極的罰です。ここまでが前回の掲載でした。でもそんなに上手くいかない現実の問題にどう対応するのかと言うのが今回のお題です。

ABAを心得ている現場では、原則は罰の手続きだけを用いることはありません。罰を与える人がいない時に不適切行動が増えたり、他の不適切行動が増える可能性があるからです。このようなときは、環境調整(強化子のない場所)などによって対応していくほうがよいと言われています。消極的罰を用いるのは、子どもが幼く、困った行動が起きてから期間がたっていない場合などに限ったほうがいいと思います。

不適切行動に対応するには、問題行動を減らしつつ、望ましい行動を増やすことが重要です。つまり、消去と強化の両方を使うのです。消去は、「求めているものを与えない、もしくは与えられない」という状況を作ることですので、例えば、欲しい物があって泣き叫んでも毅然と無視し「欲しいものが手に入る」という強化子をなくします。これまでの「泣く」→「欲しいものが手に入る」→「泣く」という負の循環を断ち切ります。消去を行う時は、一時的にその行動が悪化する「消去バースト」(泣く強さが強くなる、暴れるようになるなど)が発生します。これも大人が反応せずにいるといずれ消去バーストは収まります。他者の迷惑にならない場所に連れて行き、泣きやむで待ちます。

時間がかかる場合もありますが、要求に反応してしまうと、逆効果なので一貫した態度で対応します。消去バーストが起きた時に完全に無視し続けることができないと、その困った行動を強化してしまうことがあるからです。例えば、要求が叶わず大泣きしても無視しているとします。そこで、物を倒したり傷つけるなどして無視し続けることが難しくなり対応してしまうと、より派手で影響が大きい行動をすれば大人に無視されないと学びます。そうすると、次回以降は最初から影響が大きい行動をするようになります。それが予測できるなら「要求の起こる場所に行かない」「別の場所で過ごす」などの環境調整で対応するほうが無理なく困った行動を防ぐことができます。

不適切行動を減らすと同時に、望ましい行動ができた時に褒めたり、ごほうびを与えることで強化を行います。強化には、様々な方法がありますが、今回は「別の適切な行動を強化する」という方法を例にあげます。「泣かずに○回行動できたら要求を叶える」というルールを設定し、事前に子どもと契約します。このルールを子どもにわかりやすく伝えるために、ノートやメモ帳を使って、適切な行動が終わるたびにシールが貯まる仕組みを作りましょう。このように、ポイントが貯まることでほうびがもらえる仕組みのことを「トークンシステム」と言います。トークンが一定数たまったら、要求が叶うご褒美(強化子)を用意し、実際にルールを守って行動ができたときには褒めてあげながらシールを貼り、揃った時はごほうびをあげます。このトークンの数は子どもと交渉しないほうがいいです。交渉するとトークンが減ると言う行動が強化されてしまうからです。何をトークンにするか、多い少ない増やす減らすは現場のセンスが問われます。一気に核心に迫らず、成功しやすいものから徐々に取り組むことがセンスを磨く初心者にはおすすめです。

子どもの特性はひとりひとり異なること、また問題行動の種類や状況は様々であるため、対応の方法は全て異なりますが、これらの手法により、どのような原因があるのか、どう行動を起こすべきなのかが具体的になります。不適切行動には、大声を出し合ったり嫌味の言い合いをしたりと子どもと同じレベルで力比べのような対応をするくらいなら、その膨大なエネルギーを無視とアイデアと褒め抜く根気に使っても損はないと思います。そう周囲の人たちにも最初から言って回ればどうでしょう。そして、少しでもうまく行った時は同じく周囲の人に喜んでみせるのです。笑顔を否定する行動は倫理に反するので弱化され減って行きます。あなたを直接否定する声は減って行くはずです。そして、よかったねと言ってくれたらありがとうと感謝して励まし行動を強化するのです。消去と強化を組み合わせると言うのが今回の提案でした。ご意見、ご質問お待ちしています。

マスクと熱中症

暑い日が続いています。梅雨から夏の暑い季節に向けて、熱中症の予防が大事です。暑さを避ける、小まめに水分を取る、体調管理に気をつけるといった従来の予防策に加え、今年の夏は、新型コロナウイルス感染症の予防も考え合わせながら、感染リスクの少ない場面ではマスクを外す、エアコンを使いつつ、換気も小まめに行うといったことも大切になりそうです。

厚生労働省は5月、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」における熱中症予防の留意点について発表しました。それによると、夏の気温・湿度が高い中でマスクを着用すると、熱中症のリスクが高くなる恐れがあるとして、「屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、熱中症のリスクを考慮し、マスクを外すようにしましょう」としています。

マスクを着用している場合には、強い負荷の作業や運動は避けて、のどが渇いていなくても小まめに水分補給をすること、エアコンを使っていても換気が必要になるため、小まめに温度設定を調整することなどの注意を呼びかけています。日本救急医学会、日本臨床救急医学会、日本感染症学会、日本呼吸器学会のワーキンググループは6月1日、学術団体として熱中症予防に関する提言を出しました。

最初に掲げたのは、「室内換気に十分な配慮をしつつ、小まめにエアコン温度を調節し室内温度を確認」すること。熱中症は室内で多く発生していることから、エアコンによる室温管理が重要である一方、通常の家庭用エアコンは空気を循環させるだけで、換気の機能はないという。そのため、新型コロナ感染予防のためには、適宜、窓を開けて風通しをよくすることが重要だとしています。扇風機なども活用することや、すだれやレースカーテンなどで直射日光を避けるなどの工夫にも触れています。

提言ではまた、マスクの着用によって体に負担がかかることを考慮し、周囲と距離を取るなどの感染対策に注意しながら、適宜マスクを外して休憩することが大切と呼びかけています。マスク着用が体温に及ぼす影響を学術的に研究した報告はあまりなく、「現時点ではマスクをつけて運動しているから必ず熱中症になりやすいとも言えない」としつつ、「心拍数、呼吸数、二酸化炭素、体感温度の上昇から、マスクをつけることで、体に負担がかかると考えられる」と指摘しました。

熱中症予防には小まめな水分補給が大切。口の渇きはそもそも脱水予防の指標にはならないとして、口の渇きには関係なく塩分を含む経口補水液の頻回摂取を訴えた。このほか、暑さに慣れていない時期が危ないので適度な運動で徐々に体を慣れさせること、独居高齢者など熱中症に弱い人には特に注意が必要なこと、日頃の体調管理を行い観察記録をつけることなどを提言しました。

マスクについては、日本小児科医会が5月25日、2歳未満の子どもへの使用はやめるよう呼びかけるメッセージを発表しました。それによると、乳児の呼吸器の空気の通り道は狭いため、マスクは呼吸をしにくくさせ呼吸や心臓への負担になること、マスクそのものや 嘔吐物による窒息のリスクや熱中症のリスクが高まること、顔色や唇の色、表情の変化など体調の異変への気づきが遅れることなどの心配がある一方、子どもが新型コロナウイルスに感染することや重症化する例は少ないことなどを理由としています。米国でも、2歳未満の子どもには使用しないよう警告しています。

いじめ動画流出で学校が英断 生徒4名が逮捕 (香港)

いじめ動画流出で学校が英断 生徒4名が逮捕されるも厳しい姿勢を貫く
暴行動画を確認した学校が、警察に通報。被害を受けた生徒のことを一番に考え、行動を起こした。

2021/06/16 【ニュースサイトしらべぇ】

いじめが起きてもそれを隠し、学校と保護者・生徒の間で穏便に済ませようとするケースがある。しかしこのほど、ある学校がいじめ行為を確認し、警察に連絡。強い姿勢を示したことを、『South China Morning Post』など海外のメディアが報じた。

■教室で起きた悪質ないじめ
5月27日のこと、香港の学校に通う男子中学生(13)が、ある女の子をデートに誘おうとした。それを知った女子3名、男子1名の計4人が教室で同生徒にからみ、いきなり顔面を平手打ちする、ひざまずかせて思い切り蹴り上げるといった暴行に及んだ。

男子生徒の顔を打った生徒の数は、少なくとも3名。さらに何者かが、男子生徒を背後からキックまでする様子を撮影し、短い動画にまとめてSNSで公開した。

■即座に動いた学校
これだけひどい目にあったにもかかわらず、男子生徒は親や教師に被害を打ち明けることができずにいた。しかしSNSにアップされた動画が話題になり、学校側も確認。男子生徒とその保護者に代わってただちに通報し、警察の介入を求めた。

学校側はその後、ホームページに「いじめは一切許容しません」という声明を掲載。「警察の捜査が進んでいる段階のため、情報の開示はできません」「ですが学校側も厳しく対処していく所存です」とも書いている。

■逮捕者は4名
この件について調べを進めた犯罪捜査班は、同じ学校に通う14~15歳の生徒4名(男子1名、女子3名)の身柄を確保した。すでに全員が保釈金を支払い自宅に戻っているが、捜査が完結したわけではない。

被害を受けた生徒は、重傷は負っておらず、警察も「病院で治療を受ける必要はなかった」と発表している。

■学校に期待する対応
いじめ問題は多くの学校で起きるが、対応は学校によってずいぶん異なる。教職員がいじめを隠し再発防止に失敗した結果、罪のない被害者が自殺してしまうケースも実際にあった。

この動画を見た人たちの多くは通報・逮捕を肯定的に評価しているようで、「逮捕するのが当然」「典型的ないじめっこ集団だと思う」「被害者の痛みを思い知れ」と厳しく加害者を批判するコメントがネットにあがっている。

被害者、加害者、そしてその保護者たちは、学校の指導法と対処をしっかり見ている。「どうせ通報なんかできっこない」と加害者に思わせないためにも、厳しい対応を望む声は多い。 マローン 小原
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確かに学校の対応は素早く、行き過ぎた暴力を学校で隠蔽せず、警察を介入させた姿勢は評価できます。保釈金を払って釈放という事は香港では中学生でも大人と同じく拘置所に拘留し日本とはかなり違うようです。学校があえてホームページに学校見解を発表しているという事は、これまでも同様の事件が続き、学校としても決着をつけたかったのでしょう。SNSではいじめた中学生らを袋叩きにしていますが、子どもの行動は大人社会の反映だという意見が見当たらず、強制消去されたのかもしれません。

1年前に香港政府は中国共産党の指示によって市民に対して言論の自由を暴力で封殺しました。その前から現在に及んで、ウィグルやチベットで民族の宗教や文化を奪い漢民族との混血を強引に進め、歯向かうものは親族までも収容して強制労働に向かわせています。昨年からは、内モンゴルの学校でモンゴル語の禁止が始まりました。こうした権力の暴挙に対して何も言えない社会の中で、子どもの人格がどのように形成されていくか考えただけで恐ろしくなります。

今回の香港の学校の行動は正しいですが、中国共産党の決定が全てに優先される中で、封建時代のような社会感覚が育つのは仕方がないのかも知れません。120年以上培われた香港の民主主義が暴力によって簡単に散ってゆく姿を私たちは目の当たりにしました。今国会で「中国」を名指しにしてその暴力政治の非難ができない国会議員や政党には、民主主義を語る資格はないと思います。

見て見ぬ振りをすることを公の場で行う姿を、子どもたちがどんな目で見ているか想像できないはずはありません。それでも中国の暴挙を告発できない議員には、いじめっ子の取り巻きでものを言わない子どもたちと同じ感情=次は自分が報復される恐怖感があるのかも知れません。そんな負い目を中国から受けている人に公教育が任せられるはずがありません。

思春期1

思春期は、子どもから大人への変化期間で、男の子の場合は11~18歳頃です。とはいっても、6年になった途端に思春期が訪れるわけではありません。前思春期は小5から始まっていますし、個人差も大きいので、急に変わったと親が驚くことは少なくありません。体の変化から始まり、精神面にも、社会で担う役割にも変化が訪れます。発達障害のある子どもにとっては、この変化が怖く感じられることもあり、混乱から困った行動につながってしまう場合もあります。

思春期の混乱によって出てきた困った行動には、男女の違いも含まれます。母親にとっては、どのように関わったらいいか迷うこともあります。体の成長への対応、勉強や交友関係、ゲームとの関わりなど、さまざまな事があります。

心の変化としては、自意識の芽生え、恋愛感情を覚えること、イライラや不安を覚えやすくなるという点です。社会的な役割に変化が出てくることで「一人の人間」という自意識が芽生えます。また、第二次性徴による体の変化に伴い「異性」「同性」という概念をより意識することで恋愛感情が生まれます。このような変化を受け、子どもの心は複雑になっていきます。心が複雑になることで、自分の中では扱いきれないテーマや感情を抱えるようになることも増え、精神が不安定になったり、イライラを覚えたりするのです。

発達障害がある子どもの場合、このような変化に相手の感情が読みにくいTPOにかまわず字句通りに行動するなどの認知特性が加わることで、極端な感情を持ったり、行動に移してしまうことがあるかもしれません。自分の内外における変化の複雑性に耐え切れず、不安定になっている点が思春期の特徴です。ライフステージが上がるごとに、社会から与えられる役割はより複雑になります。例えば、以前なら許されていたわがままも「もう大きいんだから我慢しなさい」と、とがめられたり、他人や女性との距離感を調節する必要が出てきたりします。

思春期は、自立心の芽生えから自己主張が強くなり、大人の指示に対して反発することが目立ちはじめます。思春期の男の子を育てる保護者には「人間関係、家庭内での暴言・態度、ゲーム・ネットへの依存」などの悩みが多くあります。

心と体の成熟スピードのアンバランスさから困難を感じている場合もあります。体は大きく成長しているのに心は幼い場合や、体の成長に対して心がませている場合もあります。男女差だけでなく、子どもに起きているトラブルの背景に何があるのかを見極め、無理をさせすぎないよう留意しながら年齢相応な行動ができるよう、対応していく必要があります。次回は対応について考えます。

台湾のコロナ対策で立役者となった発達障害の「38歳の天才」

6/10(水) 6:01配信【ダイヤモンド オンライン】より抜粋

新型コロナウィルスが世界中で猛威を振るい、欧米の先進国がコロナ対策に苦慮している中で、もっとも対応に成功していると報じられたのが台湾です。

台湾の蔡政権は2020年1月に、いち早く中国との人的往来をほぼ完全に遮断しました。それに加えて、スマートフォンのアプリを利用した方法でマスクの買い占めを防ぐなど、防疫体制の構築に力を注ぎました。その結果、他のアジア諸国と比べても、被害はかなり小さく抑えられています。

この台湾のコロナ対策において重要な役割を演じているのが、IT担当大臣である「38歳の天才」、オードリー・タンです。IQが180とも言われるオードリーには、発達障害(特にASD)の傾向が顕著に見られます。オードリー氏は男性として生まれ、20代で性転換を受けて女性となりました。学校にもなじめませんでしたが、10代で起業するなど早くから高い能力を発揮し、35歳のとき史上年少で入閣。今回のコロナ騒動下では「マスク配布システム」などITを活用したコロナ対策を打ち出して高く評価されました。  

彼女はマイルールをいろいろ持っていて、25分間仕事するごとに5分間の休憩を取らないといけないし、毎日必ずメールボックスのメールを捨てて、「To Doリスト」にやるべきことを残しません。また毎週決まった時間に、フランスにいる精神科医と45分間の対話を行っているなど、ASD的な「こだわり」の特徴が濃厚です。  

人類の歴史の中でも、発達障害の特性を持つ人々は科学や芸術に新しい光を吹き込み、社会を大きく変革してきました。「ネットの神童」で「無私の公僕」であるオードリー・タンも、そういった天才のひとりです。この世界的な危機を救うのは発達障害のマインドを持つ人たちなのかもしれません。(岩波 明)

「どうしても頑張れない人」に必要なこと

『ケーキの切れない非行少年たち』著者が語る、「どうしても頑張れない人」に必要なこと 「細かく口出しばかりをしてはダメ」

6/16(水) 【Real Sound】

児童精神科医・宮口幸治氏の70万部を超えるベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』(2019年、新潮新書)。医療少年院には、丸いケーキを3等分する問題にもうまく答えられない非行少年たちがいると指摘し、そうした認知機能の弱い「境界知能」の少年たちに合わせたトレーニングの重要性などを論じた。

今年の4月には続編『どうしても頑張れない人たちケーキの切れない非行少年たち2』(新潮新書)が刊行された。今作は仕事や勉強などを「どうしても頑張れない人たち」に着目し、周りはどう支援するといいかが詳細に紹介されている。宮口氏に、前作の反響と今作を執筆した狙いについて話を聞いた。

■「どうしても頑張れない人」がいる理由
記者:前作はベストセラーになりましたが、改めてその反響はどうでしたか?
宮口:SNSの反響を見ていましたが、たくさんの若い方が読んでいることに驚きました。新書を初めて読んだという方もいました。「犯罪者への見方が変わった」など、前向きな感想が多かったように思います。

若い人たちは専門書に関心がないと思われているかもしれません。でもそれは大きな思い違いです。みんな専門書でも手にとって、しっかり勉強してわかりたいと思っている。今回、改めて気づいたことでした。

記者:前作出版後、少年院の矯正教育のプログラムに変化はありましたか?
宮口:まだこれからでしょうね。少年院などの国の施設は本1冊ですぐに変わらないでしょう。ただ、多くの施設関係者から「子どもたちにもっと可能性があることに気づいた」という反応をもらいました。「今までどうしていいかわからなかったけれど、ヒントをもらった」と言われました。また、本で紹介したコグトレ(認知機能強化トレーニング)の依頼が殺到するようになりました。

記者:今作は「どうしても頑張れない人たち」がテーマですね。
宮口:前作よりも前から考えていたことでした。(企業などのメッセージで)「頑張ったら支援します」という言い回しをよく聞くことがありますよね。私はひねくれているところがあって、「じゃ頑張れない人はどうなんだろう」と昔から思っていました。

記者:頑張ったときだけというのは、少し突き放しているような印象を受けます。
宮口:支援することはいいですよね。でも頑張れなかったときは支援しませんという条件つきなんですよ。やっぱりそれはよくありません。本来の支援のあり方は、頑張れなくても、成果を出せなくても、ずっと支援をすることです。自分の子どもが何かを頑張れなかったとしても、無条件の支援をするじゃないですか。支援される側からしても、無条件の支援があって初めて心に響くと思います。

記者:「どうしても頑張れない人」がいるのはなぜなのでしょう?
宮口:頑張るための最低条件として、安心・安全の土台が必要です。食べ物がない、住むところがない、虐待を受けている。そんな状況で頑張れるはずがありません。さらに何度も失敗体験が積み重なっている場合、頑張る意欲は出てきません。昔から動物実験でも、どんなにやってもダメな場合は、無気力になってしまいます。人間も同じです。また、頑張れないのは知的なハンディも背景として考えられます。

記者:見る、聞く、想像するといった認知機能の弱さが原因である可能性を指摘していました。
宮口:認知機能が弱い子どもで分かりやすいのは知的障害の子たちです。頑張れないし、できないんですよ。たとえば、小学校3、4年生のクラスに1年生がいるようなイメージです。九九もわからない子に、3、4年生の算数はまずできません。毎日授業についていけなければ、頑張ろうという気は絶対に起きません。そういう場合は、手順を追って指導していかないといけません。

記者:学校を卒業してから社会に出るとさらに大変そうでした。
宮口:学校で先生が見てくれているときはいいかもしれません。しかし、社会に出ると、ハンディがあってしんどいことを考慮してくれなくなります。見た目だけでは、他の人と違いがわからないこともあるからです。ただサボっていてやる気がないと見られてしまう可能性があります。

記者:一方で、「努力しないで頑張らなくていいんだよ」と言う主張に対しても、宮口さんは違和感を抱いているように感じました。
宮口:できることはちゃんとやり尽くして、それでもできない場合にはじめてかける言葉だと思います。発達障害や知的障害の場合、主治医は平気で「この子にあまり負担をかけないように」と言ったりします。だから親も信じてしまう。でもやらせる前に「頑張らなくていいよ」と言うのは本当に無責任と感じます。昔と違って今は、IQは環境と関わり次第で変わる可能性があるとされています。何もやらせないまま、気がついたら手遅れになってしまうことも多いのです。

■実は支援する側が元気をもらっている
記者:努力をしたとしても「どうしても頑張れない」。そんな人たちに対する支援の3つの基本は、安心の土台、伴走者の存在、チャレンジできる環境だそうですね。
宮口:わかりやすいように、電気自動車に例えてみましょう。子どもなど支援する相手を電気自動車、支援者を充電器だとします。電気がなくなりそうになったら、いつ帰ってきてもきちんとした電圧で充電してくれる。これが安心の考え方です。

伴走者は横の助手席に乗ってくれる存在です。注意したいのは、運転について細かく口出しばかりをしてはダメであること。とにかく静かに見守りながら、困ったときにちゃんとアドバイスをあげるという姿勢が大事です。

安心の土台と伴走者の存在があると、初めて新しいことにチャレンジしたい気持ちが出てきます。子どもだったら、勉強、スポーツ、友達関係など。大人だったら、仕事、趣味など。何でもいいので新しいことができる環境に身を置くと、頑張ってみたいと思うようになるんです。

記者:発達障害や知的障害のケースだけでなく、多くの人の日常のいろいろな場面で参考になりそうです。
宮口:実はそうなんです。この本は基本的にみなさんへのメッセージです。会社の部下と上司など、いろんな場面でこの原理は使えます。ちょっとでも力になってもらえたら、という意図がありました。

記者:支援中に逃げ出したり反抗してしまうような人が、本当は一番支援が必要だとしていました。そんな矛盾の中でどうすればいいでしょう?
宮口:とても難しいところです。でもちょっとした工夫ができるはずです。たとえば、余計な声かけをしないこと。ずっとかまってほしいわけじゃないんですよ。余計な一言を言うことで、やる気を奪ってしまうことがあります。求められたときには決して見捨てずに「いつまでもいますよ」と示すだけでもいいですよね。

これが簡単なようで、ものすごく難しい。支援する側も生身の人間なので、自分の調子が悪いことだってあります。そんなときに逃げ出したり、反抗されたりしたら、支援をやめたくなってしまう。せっかく助けようとしたのに断られたとものすごく傷ついてしまう。だから支援をしている人にも、同じように安心・安全と伴走者が必要なんです。支援者同士で、足の引っ張り合いなどをしている場合じゃないんですね。

記者:他に支援について考える上で大事なことはありますか?
宮口:実は支援をする側が逆に元気をもらっているのだという視点です。誰だって人の役に立ちたい。人に世話をされて幸せになるんじゃなくて、人の世話をして感謝されることで元気になっていくんです。だから支援をしてくれる人に、しっかりお礼を言ってあげたら、ものすごく元気が出ると思うんですよね。そういう視点は大事かなと思います。

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逃げ出す人こそ支援が必要とはその通りです。逃げ出しはしないけど、当事者に不適切な言動をとられるのは、事業所の日常です。支援する側がそのことについて、怒ったり無視したりしていたら、それは支援のプロではなくただの素人です。だけど、寄り添うだけでは相手は変わらないです。そこにプロフェッショナルとしての支援者のスキルが試されます。

つまり、逃げ出したり反発したりするの当事者だけの責任ではないです。支援者との関係性が当事者の行動を生み出しているのですから、支援者の行動を変えて行けばその関係性は変えていけると思います。確かに、手ごわい方もおられますが、そんな時は相手だって手ごわいなぁ、やりにくいなぁ、支援されにくいなぁと感じているのです。そんなことを色々考えさせてくれる一冊です。

 

思春期2


さて前回は、思春期の子どもを育てる保護者の方が感じやすいであろう悩みの背景に、「今までのわが子とちがう」という点を述べました。また母親の場合、異性である息子の成長に戸惑い、対応の仕方に迷いが生じて、叱ってばかりになったり、はれ物に触るように対応したりなど、コミュニケーションがうまく取れなくなる人も少なくないということを書きました。今回は、どう対応すればよいかを考えていきましょう。

まずは視覚的構造化です。「勉強するゾーンと趣味のゾーンを分ける」「忘れ物しないよう置き場所を決めておく」など、環境を整えることで、子どもにとって刺激が少なくなったり、行動の切り替えがスムーズになります。そのため、大人の介入が減りストレスや衝動的な言動を減らすことができます。起床についても修羅場となる場合が少なくないですが、基本は起きて朝の家庭での活動(食器ならべ、掃除など)があることや起床習慣しかありません。これは前回述べた(7/13)睡眠障害のところもお読みください。

自立心が芽生えはじめた子どもに対しては、大人が指示する方法でのコミュニケーションは難しくなってきます。自立心の芽生えはじめた子どもにとって思春期は、自分の主張や考え方を表出して意思を示す事。自分の主張や考えを他者と調整して考える事。解決にむけて妥協する事。の力をつけていく時期にあたります。意思を示した子どもに対して、「考える」支援をすることで、解決に導いていくことが求められます。この時に「気持ちを尊重して聴く」ことが、子どもが自分で自分の考えを整理し動き出す支援になります。

聴く時は、すぐに否定せず「そう」「うん」などの言葉で気持ちをいったん認める。子どもの気持ちを代弁する。どうする?どうすればいい?など、考えをたずねることが重要です。気持ちを認め、代弁することで、コミュニケーションができる関係性をつくり、反発・拒否だけで終わらず、どうすればいいのかを自分で考えられる時間をつくります。

食事時間なのにゲームがやめられない場合
大人「ごはんだよ」子ども「分かってる」大人「そう。今いいところなの?」大人「…うん」大人「一応決着つくのに何分くらいかかりそう?」(時間をおいてから)大人「〇分たったよ。一応の決着ついた?」。「今いいところなの?」と子どもの気持ちをいったん認めたうえで、何分くらいかかりそうかたずね、自分で考えさせるのがポイントです。

思春期の子どもは、小さいころと同じようにほめられると子ども扱いされたような気持ちになることもあります。子どもの心の発達に合わせたほめ方が必要になります。ほめられることで適切な行動が増え、親子のコミュニケーションも向上します。ポイントは、できないことではなく、できていることに着目し、結果ではなく努力(プロセス)に着目し、感謝や敬意を伝え、さらりとほめることです。例えば、寝転がってお菓子をたべながら宿題をしている状況なら、「机に座ってやりなさい!」と言えば、「うるさいんじゃ」となりますが、できていることに着目すれば「お、やってるな!」となり、子どもも悪い気にはなりません。

買い物でも、「忙しくて手が離せなかったから、買い物に行ってくれてほんとに助かった。ありがとう」とほめるほうが「えらいえらい」よりはるかに感謝が伝わります。「えらーい」「すごーい」と言われると、馬鹿にされたような気持ちになることもあります。さりげなく敬意を伝えることが大事です。

また、聴きたいことがあるときは、最初から聴き出そうとするのではなく、子どもが興味のある・話したいと思っている内容をまず聴くことが大切です。大人にとって都合のいい話ばかりをさせたがると、大人と話すことに意義を感じられなくなってしまいます。

ゲームやテレビ、勉強の時間など、大人と子どもで目標となる行動を話し合って決め紙に書きます。約束が守れたら印をつけ、記録します。ポイントがたまったら決めておいたものや好きな活動を交換できるシステムです。約束しておくことで、行動を促す際にスムーズになります。保護者が一方的に押し付けるのではなく、子どもの気持ちを受け止め、意見を聴いてからつくり、ハードルは高くせず、やればできるけれど、「継続・定着」が難しい行動を目標にしましょう。評価のポイントを明確・具体的にして、できなかったときのリカバリー策(例えば、同等の時間を必要とする家事や作業)も予め話し合って設けましょう。行動契約のメリットは、自己コントロールが育ち、自分の頑張りや努力が表なので目で見て分かりますし、将来就労したときに給料と労働の仕組みを体感でき理解しやすくなります。

このほかに異性のことや第二次性徴のこともありますがこれはまた別の機会とします。大事なことは大人が子どもの心の成長と発達障害ならその特性に合わせた対応に変えていくことです。特に敬意を払うこと、予告や契約は重要です。子どもに敬意を払うなんてとか、身近な子どもに契約なんてよそよそしいとか思う方が少なくないのですが、約束は人間生活のあらゆることに大事なことです。また、約束が守れなかった時の謝罪を含めたリカバリー方法も絶対に必要なものです。それはお互いを尊重するからできることなのです。

他者感情をうまく読みとれないから、敬意をこめて丁寧に(しつこくではありません!)理由を話すのです。もともと整理や順序が苦手だからこそ構造化(目に見える)した環境でむかつく大人から介入されなくても一人でできるように自立させ、字句通りに0か100かで考える人だからこそ契約文書でのトレーニングが有効となるのかもしれません。

発達障害の人のマスク着用の件

新型コロナウィルスの感染拡大は、発達障害の自閉症スペクトラム障害(ASD)のある人たちに新しい困難をもたらしました。社会的およびコミュニケーションスキル、反復行動、同一性へのこだわり、感覚に関わる問題がASDのある人がマスクを着けることを困難にします。ASDの人の多くは触れられることにとても敏感で、顔はとくにです。 マスクの着用は不快な感覚を与えることもあります。

皮膚の表面には引っかき傷をつけるような布の質感、マスクの上部が皮膚と接触する場所での圧力、耳にはかかるゴムの引っ張りがあります。マスクの中では温かく湿った息のにおいがします。さらに空気を吸ったり吐いたりするのに抵抗を感じ、それにASDの多くの人は心配や不安を感じます。マスクをつけるとASDのない人でも不快を感じますが、ASDの人はそれがより激しいものとなる可能性があります。

そして、これらの感覚的な課題に加えて、マスクは新しいソーシャルコミュニケーションの課題も生み出します。自閉症スペクトラム障害では視覚知覚能力の低下が含まれることもあります。マスクをつけた人に対しては、いつも以上に表情を読み取ることが難しくなります。マスクをつけた人の顔を見ると目しか見えません。ASDのある人の中には目を見ることが困難な人も多く、ますますコミュニケーションが困難になってしまいます。

そして、マスクを声をこもらせることもあるため、言葉も聞き取りにくくなります。しかし、マスクの利用をできるようにする方法はいくつか考えられます。
・ぬいぐるみ、人形、家族など、好きなものや人にマスクをつける実演をする
・さまざまなタイプの素材のマスクを選べるようにして、最も快適なマスクを見つけられるようにする
・必要なときに休憩をとることができるように、短時間のマスクの着用を練習することから始める
・マスクをうまく着用しつづけられるように、静かで穏やかな、人の少ない場所へ出かけることを計画する
・外出前にマスクを着用するための視覚的な手がかりとして、マスクを着用した人の写真を利用する。写真はドアの近くに貼ったり、タブレットですぐに見えるようにしてもよい
・マスクをかぶったままガムを噛んだり、キャンディーをなめたりして、気を散らしマスクの中の息のにおいを変える
・透明なマスクもあります。そのマスクであれば口が見えます。コミュニケーションの改善に役立つといわれます
ASDのある人にとって、マスクの着用が簡単ではない理由を理解することは親や関係者にとって重要な情報です。

学校が親子に立ちふさがる「壁」となってしまう理由

学校が親子に立ちふさがる「壁」となってしまう理由

6/17(木) 【婦人公論】

個性の強さから学校で問題児扱いされるような子どもたちを集め、彼らに自由な発想と学びの場を提供することを目指した教育が、東京大学にて行われています。そこでディレクターを務める中邑賢龍教授は「親子のために存在する学校が、彼らの前に立ちふさがる”壁”になることもある」と指摘します――

※本稿は、中邑賢龍『どの子も違う――才能を伸ばす子育て 潰す子育て』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

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◆なぜ学校が親子にとって”壁”になってしまうのか

以前にも増して、最近「学校に子どもが馴染めない」と心配する親が増えているように筆者は感じています。

その結果、親は「子どもが教科書を読めないので、タブレットの持ち込みをお願いしたい」、「子どもの興味が違うので、内容をそれに合わせてほしい」、「ぺースが遅いので時間を延長してほしい」といった希望を、学校に伝えるようになりました。

一クラスに何十人もいる児童、生徒を一斉に教える先生からすれば、そんな余裕があるはずもないので、単に親のわがままやクレームとして聞きながしているかもしれません。学習指導要領に定められた単元をちゃんと教えなければならない先生ができることには、実際、限度があります。

しかし、子どもが可愛い親は、なんとか学校での問題解決が図れないか、一所懸命に模索する。そしていつの間にか学校を、目の前に立ちふさがる“壁”として見出してしまうのです。

◆学校には複数のステークスホルダー(利害関係者)が存在する

そもそもですが、学校はいくつかの組織から成り立っています。

小・中学校なら義務教育ですから、国の定めた法律の元で学習指導要領に従い、決められた時間数の教科を、教科書を使って教えていくことになります。

それを教える教員の養成は、国が定めた教員免許を発行できる大学や学部中心に行いますが、免許そのものの交付や採用試験は各県の教育委員会が実施。採用された教員は、市町村が管轄する学校への配属となります。

そして学校ごとに最高責任者としての校長がいるのに、県にも市町村にも教育委員会があって、そこに委員会の最高責任者である教育長がいます。

つまり、学校には学校長、市町村教育委員会、都道府県教育委員会、文部科学省という複数のステークホルダーが存在しているのです。

◆だから「たらいまわし」が起こる

そのため、もちろん事案によりますが、もし学校ですぐに解決できないような問題が生じれば、責任の所在が明確でないことから「現場は上の判断で」「上は現場の判断で」といった、たらいまわしがしばしば起こってしまう。

加えて言えば、教育内容も、義務教育であるが故に全国一律で自由度は極めて低く、親の要望に臨機応変に応えることは難しいというのが実態です。

そうした状況が、親や子どもたちが学校を“壁”として感じてしまう理由の一つではないかと筆者は感じています。

◆「原則」に縛られる学校教育

時に学習指導要領も、学校を越えられない“壁”にしてしまうことがあります。

前提として、義務教育では検定された教科書を使い、教科ごとに決められた時間数の授業を実施することが求められています。

すでにあらゆるものがデジタル化されて長いですが、2021年2月現在、教科書において、デジタル教科書はあくまでも副教材にとどまり、印刷された紙の教科書を同時に使うことが原則になっています。

授業についても対面が原則で、2020年の春、コロナ禍で一斉休校となった際に行われたオンライン授業もなかなか授業時間数に加えられませんでした。そのため、多くの学校では、土曜日や夏休みなどに補講を行う必要がありました。

◆自由に学びたいだけなのに

一方、著書『どの子も違う――才能を伸ばす子育て 潰す子育て』に記したようなユニークな子どもたちの多くは、そもそも集団での一斉指導の中で学んでいくことをあまり得意としていません。「個々に応じた教育」と言いながらも、現実として学習指導要領に則ることが重視され、変わらない形で続く教育のもとで学ぶのは容易ではありません。

本来なら、教科書も時間割もない、そんな緩い授業や教室があってもいいのかもしれない。しかし現在の学校教育の中で、そんな自由な学び方は認められていません。

通常教育の中、一部の生徒を対象に、特別な授業スタイルで教えることは大変でしょう。

通級指導教室と呼ばれ、一部の時間だけ部室などを使い、少人数で教えるクラスはありますが、特別支援教育の範疇に入ることからか、そこで学ぶのを拒否する子どもや親もいます。

ユニークな子どもの多くは障害があるわけでなく、もっと自由なスタイルで学びたがっている。それだけなのに、いまだに彼らは自分たちを抑え込むことに必死な学校に身を置くことを求められているのです。

◆世界一多忙な日本の教員

しかし現実を見れば、あまりにも忙しくなった個々の先生からすれば、未来の学校の姿など、考える余裕も無いのかもしれません。

以前より、学校においてはあらゆる管理が厳しくなっています。特に2002年からは、文部科学省が学校設置基準において学校評価を求めるようになり、学校でもPDCAサイクルの確立が強く求められるようになりました。

OECD加盟国など48カ国・地域が参加(初等教育は15カ国・地域が参加)し、日本では小学校約200校及び中学校約200校の校長が参加した「OECD国際教員指導環境調査」(2018年度)によると、参加国・地域の中学教師の平均勤務時間が38・3時間/週であるのに対し、日本の教員の労働時間は56時間/週にまで達し、これは参加国中で最長となっています。

それだけ多忙になっているにもかかわらず、学習進度は守らなければならないので、学習につまずきのある子どもなどへの個別対応が難しく、また同時に、個々のペースを容認しにくくなっていることが考えられます。

逆に、学習進度が早いような子どもたちも、現在の法律で飛び級が認められていないことから、一斉指導の中で授業の妨げと認識され、結果として排除されている可能性もあるでしょう。

ともあれ、こうして学校が置かれた状況を少し鑑みただけでも、それが“壁”とならないための施策が今急いで求められているよう、筆者には感じられてならないのです。

中邑賢龍

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今回はやたらに学校の融通の悪さの言い訳が多いです。学習指導要領はあくまでも基準であり、全員に摘要するものではないことは法律の中でも明らかにされています。学校教育法には第四章 小学校 第二十九条、第五章 中学校 第四十五条にも、その教育の目的は「心身の発達に応じて」施すと断りがあります。学習指導要領は標準的な「心身の発達」に従って作られているだけで、学習障害など凸凹の子ども達にまで適応できるものではありません。つまり、学校のいう教科書通りにというのは言い訳に過ぎず、標準に収まらない子どもの「心身の発達に応じて」教育を考えていくのも学校の仕事なのです。

学校人事への権力関係を全て会社経営になぞって「ステークホルダー=利害関係者」と表現するのはちょっと無理があります。国民主権なのですから、利害関係者は「国民」一つです。ただ、国民とは誰なのか問題があり、国民の利益を執行する組織系列を複数の「利害関係者」と表現したのだと思います。それは、教育行政だけでなく福祉行政も行政と名の付くものはみな同じ構造です。この構造は、明治時代から変わっていない行政構造というか、ますます強固になっていると思います。

外交・安全保障と金融を除く行政機構に必要なことは、上位機構からの権限移譲と既得権限の廃止です。権限移譲によって組織の責任者や、その責任と義務の執行が身近に見える仕組みが作れます。責任は取ってもらうが法に基づく限り自由にやってよろしいという仕組みがこれから求められているのだと思います。もちろんチェック機能は議会だけでなく地域コミュニティーにも任せる仕組みが必要です。中邑先生は、自由な学びには自由で自立的な行政機構が必要だと考えているのだと思います.。

 

 

京アニ

7月18日に京都府京都市伏見区京アニで発生した放火・殺人事件は、京都アニメーション第1スタジオに男が侵入してガソリンを撒いて放火したことにより、京都アニメーションの関係者に多数の死傷者が発生しました。死者は35人に上り、警察庁によれば「放火事件としては平成期以降最多の死者数」となった痛ましい無差別殺人事件です。現在も世界中から京アニを支援する取り組みが続きクラウドファンディングはすでに2億円を超えています。筆者が京アニを知ったのは、2009年「けいおん!」ですが、たまたま知り合いの子どもが素敵なアニメだからと紹介してもらったのがきっかけです。アニメ「けいおん!」シリーズのロケ参考地となった滋賀県豊郷町では、同町の伊藤定勉町長が公式サイトに声明を発表し、豊郷町観光協会は同シリーズの校舎のモデルとなった豊郷小学校旧校舎群に献花台を設置しました。2016年には初めてのアニメ映画だけの製作「聲の形」が上映されましたが、これは聴覚障害者の学園生活を描いた同名の漫画を映画化したもので、素敵な映画です。「聲の形」の舞台モデルとなった大垣市でも事故翌日には市内2箇所に募金箱を設置したそうです。また、高校ブラスバンドのアニメ「響け!ユーフォニアム」シリーズの舞台となった宇治市では事故の翌日、宇治市観光センターに募金箱を設置しました。この事業所の子どもたちも影響を受け毎日のようにアニメ画を描いている子がいます。京アニは私たち、子どもたち、世界に素敵なアニメを送り続けています。がんばれ京アニ!

5歳児の3%に自閉スペクトラム症

5歳児の3%に自閉スペクトラム症 弘前大グループが有病率を国内初推計
2020年06月03日【河北新報社】

自閉スペクトラム症(ASD)の有病率が5歳時点で3%以上であることが、弘前大大学院医学研究科の研究グループの調査で分かった。国際的な診断基準が変更されて以降、ASDの有病率を推計したのは国内で初めてという。ASDと診断された9割が、他の発達障害を併せ持っていることも判明した。

調査は2013~16年、弘前市と連携して実施。5歳児健診時に、子どもの様子や子育てのストレスなどについて、保護者と幼児が通う幼稚園などの教師らに書面で回答を求めた。書面調査で陽性と判定された幼児と、保護者が検査を希望した幼児に、知能や運動能力を測定する2次検査を受けてもらい、ASDかどうか診断した。

調査対象5016人のうち、約8割が書面調査に回答。2次検査を受けた559人のうち87人がASDと診断された。検査に不参加の幼児も含め統計学的な調整を加えると有病率は3.22%と推定されるという。また、ASDと診断された88.5%が、注意欠如多動症(ADHD)など他の発達障害を持っていることも分かった。併存する障害が二つある幼児が36.7%と最も多く、一つが28.7%、三つが22.9%で続いた。

自閉症の国内での有病率を巡っては、改訂前の診断基準に基づく1996年の調査で、0.2%とされていた。研究グループの斉藤まなぶ准教授(児童精神医学)は「3%という数字は、ASDを含む発達障害が決して珍しくないことを示している。適切な支援を早期に提供することが、本人と保護者の生きやすさにつながる」と指摘する。研究成果をまとめた論文は5月14日、英国の医学学術誌に掲載された。

[自閉スペクトラム症(ASD)]対人関係がうまく築けない、こだわりが強いといった特徴を持つ発達障害の一つ。コミュニケーションや言語に関する症状を重度から軽度まで連続体(スペクトラム)として広く捉えて診断する。国際的な診断基準が2013年に改訂され、別の障害とされていた自閉症やアスペルガー症候群も含まれるようになった。

「水泳用マスク」1万3000枚配布

新型コロナプールでも対策日立市、小・中学校に「水泳用マスク」1万3000枚配布

 2021/6/19【毎日新聞】

2年ぶり授業に笑顔
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎながら泳ぎを学ばせようと、日立市でマスクを着用しての水泳の授業が始まった。同市は市立小・中学校の全児童生徒、教職員に「水泳レッスンマスク」を計約1万3000枚配布。子どもらは2年ぶりのプール授業に笑顔を見せた。【田内隆弘】

マスクは表面がシリコン素材、肌面はポリエステルとポリウレタンでできていて、洗って繰り返し使用できる。教室からの行き来やプールサイドなどで着用し、泳ぐときは首に掛けるという。ひもは伸縮可能で、安全のため約4キロの負荷がかかると外れる仕組みだ。

市立坂本小学校(鈴木孝裕校長、児童363人)では18日、5年生を対象に初めてマスクを着けての水泳の授業が行われた。授業の冒頭、教員が「大声は出さない」などと注意。昨年はコロナ禍で水泳の授業がなかったこともあり、児童は歓声を抑えながらも、笑顔で、水に潜っていた。

5年1組の滝夏帆さん(10)は「プールでマスクをすると聞いてびっくりしたけれど、2年ぶりの水泳の授業はうれしい」、吉成脩羽斗(しゅうと)さん(10)は「授業が楽しみだった。普通のマスクより息苦しい気がするけれど、水泳用としては十分だと思う」と喜んでいた。

鈴木校長は「今までにない発想を取り入れることで、感染対策につながれば」と話した。

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プールマスクの存在を初めて知りました。水に落ちた時にマスクがはりついて呼吸ができずパニックを起こして事故につながるので、水辺では原則マスクはつけないと言うのがプール安全指導で教えられてきたことですが、このマスクは簡単に外れるそうで、安全に脱着できるという事です。

プール水は塩素で殺菌されているので接触感染の心配はありません。水泳中の呼吸は最も遠くに飛沫が飛ぶ勢いがありますが、マスクをつけているから飛沫は大丈夫です。マスクに飛沫が付着してもプールの塩素水がマスクを洗い流します。そもそも、プール内のマスクは塩素水飛沫が広範囲を殺菌するので、本当は必要のないものですが、ここではあれこれ言ってはいけません。子どもたちのために何とか水泳授業を実現しようとしている日立市とその学校の前向きな努力に、心から敬意を表したいと思います。

不登校ユーチューバー

「不登校は不幸じゃない」と“不登校ユーチューバー”として「ゆたぼん」(10歳)が注目を集めました。
https://binged.it/2OtmXOL
不登校児は年々増加しており、調査によると「少子化にもかかわらず、不登校の児童生徒数の割合はこの20年で1.5倍に増え、過去最多になっている」そうです。ゆたぼんは不登校になった理由として「周りの子たちがロボットに見えたから」などと説明していて、ゆたぼんを後押しする著名人も多数登場した。脳科学者の茂木健一郎氏はゆたぼんと対談し、「学校に行かなくても学ぶことは無限にできる。学校で身につく社会性がすべてではない。応援しています」とコメントします。ほかにも「勉強が嫌いならしなくてもいい。掛け算は計算機があるんだから、できるようになる必要はない」と発言する人もいます。世の中では“不登校でも構わない”という主張が結構あるようです。

しかし、文部科学省の「不登校経験者への追跡調査」によると、「行かなくてよかった」と肯定的評価をしているのは約1割で、約4割が「行けばよかった」と後悔しているのも事実です。不登校でもいいという世論はあるけど、所詮、他人の子どもだからではないでしょうか。自分の子が不登校になったらどうされるのでしょうと思います。不登校当事者と無関係な人が学校に行かなくていいと安易に語っているような気がします。

なんとなく面倒で学校に行かなくなった人の中には、家ではゲームしたり、まったり自由に過ごし、浪人して大学に入ることができたのですが、学力が伴わないのと締め切りも守れないので、先輩や同期の友人に助けられながら卒業したそうです。そして、不登校のときは一人でも平気だと思っていたけど、人間関係が重要だということを初めて学んだと言います。

他には、学生時代の友人はゼロで、ネットを通じた知り合いが数人いる程度で、結婚式に呼ばれることもないし、人付き合いの仕方がわからないから、彼女ともつき合ったこともないそうです。体育祭や修学旅行など学校生活の思い出もなにので、ドラマやマンガでそういうシーンを見ると羨ましくて胸が締めつけられるそうです。そして今、将来の孤独死を恐れながら暮らしている方もいます。

小学校や中学校は、子どもたちが基礎学力や社会性を身につける発達期なので、行かなくていいという根拠がありません。おそらく、行かなくてよいという発言には、様々な子どもに合わせられない今の学校への批判が含まれているのでしょうが、そういう発言は改革に後ろ向きな学校を免罪するだけで、学校が子どもをふるい分けする仕組みを強化するだけです。大人になって何をやるにしても、柔軟な発想を生み出すためのベースは基礎学力と多様な対人経験だと思います。高校生や大学生なのであれば、本人の選択に任せていいと思います。本人が無駄だと思う時間を浪費するより、学びたい知識や実用的な技術を身につけた方がよいと思うからです。

第2波に自粛は必要か

休業要請・外出自粛は有効だったかどうか検証 大阪府新型コロナウイルス対策専門家会議
6/12(金) 16:33配信【ABCテレビ】

12日に開かれた大阪府の新型コロナウイルス対策の専門家会議で、吉村知事は「第2波に備えるためには、第1波の経験とか事実の分析をきちんとやって、社会経済に与えるダメージを最小化しながら、感染症対策を最大化することを追及しなければならない」と話しました。

第1波が収束した今、第2波に備えるために、これまでの休業要請や外出自粛の呼びかけが有効だったかどうか検証しました。大阪府が独自に分析したのは、感染のピークは緊急事態宣言が出される前の「3月28日」だったという推定です。吉村知事の「緊急事態宣言も営業の自粛も、まったく効果がなかったということですか?」との問いに、大阪大学の中野貴志教授は「なかったと思います」と答えました。3月末からは感染が収束に向かっていて、緊急事態宣言に伴う自粛の効果は限定的だったというのです。ただ、どうして収束したのか、正確な原因を解明するのは難しいというのが別の専門家の見方です。大阪大学の朝野和典教授は「きょうの議論だけで自粛、休業が無意味であったという結論にはしてほしくない」と話しました。専門家会議が終わり、吉村知事は「同じことをやらずとも、感染は抑えられるんじゃないかという論点を持たないといけない。国家レベルでも大阪レベルでも追及していく必要がある」と話しました。

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自粛を呼び掛けたことについての社会的な是非は問うべきではないでしょう。みな、暗中模索の中で決めたことだからです。この記事の教授の発言は後出しジャンケンのようなものです。しかし、実際に効果があったのかなかったのかを検証することはとても大事なことです。

同じように、学校の臨時休業は本当に必要なものだったのかどうかも検証してほしいです。無症状の感染者が出てるからと、その都度、学校閉鎖をするようなことなのかどうかも検証していく必要があります。プールも感染予防の研修をした教員の管理下で感染が予想外に起こったのかどうか、窓を開けた教員の管理下にある教室でマスクは本当に必要だったのかどうかなどです。ただ、高齢者への感染と高齢者施設のクラスター化をどう防ぎきるのかはもっと良いアイデアを出し合い、政策化されても良いと思います。

新型コロナの新規感染者数(棒グラフ・人)と実効再生産数(折れ線・右軸)

低学年に性の第一歩を教えています 小学校のプール授業

低学年に性の第一歩を教えています小学校のプール授業の奥深さ
斎藤秀俊 | 一社法人水難学会会長、国大法人長岡技術科学大学大学院教授

6/21(月) 【Yahoo!ニュース】

2年ぶりの学校プールの季節。先日、小学校勤務33年のベテランから「2年生、心配だわ」と心配の声を聞きました。低学年に着替えの機会を使って性の第一歩を教えているのですが、今年の2年生はどうしようかと。

2年生、1から着替え指導すべきか
2年ぶりの学校プールの季節がきました。昨年はコロナ禍でほとんどの学校プールがお休みとなりました。特に小学1年生は大きなプールでのびのびと泳ぎを勉強するはずだったのがかなわず、泳ぎが1年遅れになってしまいました。

先日、小学校勤務33年のベテランから「2年生、心配だわ」と心配の声を聞きました。「1年生って学校では勉強ばかりでなくて、すべてのこと何でも1から教えるのよね。例えば体育の授業の前に、体操着に着替える練習をするのよ。もちろん、体操着から普段着に着替える練習も。」「プール授業の着替えは普段の体育と違って水着でしょう?教えることが一杯あるのよね。」「去年はプール授業が無かったでしょう?だから2年生に最初のプール授業で1から着替え方を教えなくちゃ。そうすると、2年生の授業を半分そこにあてがうことになるかな。」

彼女の学校では2校時をくっつけてプール授業としています。2年生に着替え指導をきちんとやるとなると、水着への着替え方に20分、普段着への着替え方に20分、合計40分で初回のプール授業90分の半分近くを使うことになります。2年生なりの水泳授業も待ち受けている中で、この時間は痛いそうです。でも、「丁寧に教えなければならないことが着替えにはある」と言います。

性の第一歩を教える機会
これまでの担任の多くが低学年。ベテラン先生は若いときから着替え指導にこだわりを持ってきました。

「1年生に何も教えずに着替えをさせたら、真っ裸になる児童はいるでしょうね。そうでなくても、大切なところが見えているのに自分では気が付かずにいることもあるのよ。」

人間の尊厳、性に関わる大切な一歩。コロナ禍でプール授業ができず1年間そのままになっていました。陸上の体育と違って、プール授業では着替えの時に下着をとる瞬間があります。1年生の時に「大切なところを人に見せないように気を配って着替える」ことを実践で教えるのですが、それが昨年はできなかったのです。

「家庭ではお風呂に入るときには特に気にしないじゃないですか。その雰囲気を学校に持ち込んでは困るんです。中には人前で裸になることに抵抗のない子供もいるの。」

学校は公共の場。家庭とは違ったルールがあります。公共の場ではいろいろなトラブルから自分を守らなければならないし、そしてそこに集まるお互いを尊重しあわなければなりません。特に性の第一歩は人間の尊厳を考える第一歩ですから、まだ性への自覚に乏しい低学年から行動で覚えさせたいとのことでした。

「着替え中に友達の腰タオルをわざと下げる子、いるのよね。」

同性間でも、友達の羞恥心をあおるようないたずらをする子がいます。それがいけないことだということを低学年からしっかりと教えないと、単なるいたずらという認識のまま成長する恐れがあります。だからこそプール授業時の着替えは「してはいけないこと」を身体で覚えることができる、低学年にとっては良い時間だということでした。

性の第一歩を教えていきつつ、ひいては人間の尊厳を守る心を育みたいとベテラン教員は意気込んでいました。

下着がポイしてあることも
ベテラン教員の学校では、いわゆるラップタオル、つまり大きいサイズのバスタオルにゴムを縫いつけ、両端にはスナップを取り付けて留められるように作られたスカート状のタオルを家庭に準備してもらっています。

女の子はそれを肩から下げて、男の子は肩か腰から下げて着替えをします。着替えの指導のイロハはここから始まるのです。

「最も多いのは、スナップの留め忘れだね。肩から下げているタオルで身体を隠してるつもりなのに、スナップを留め忘れた隙間から大切なところが見えてしまうの。だから、スナップの留め忘れがないかしっかりチェックしてから、着替えに入るようにしているよ。」

「男の子の場合は、わざとだらしなくタオルを巻くような児童がいるのよね。どこか、家庭のお風呂を引きずってる感があるかな。だからしっかり、しつこく指導しますよ。きちんとタオルを巻く指導から始めます。」

水着に着替えて、それでおしまいではありません。水を漏らさぬ指導が続きます。脱いだ下着をどうするかの指導です。

「脱いだ下着を机の上とか、椅子の上とかにそのまま脱ぎ捨てる児童がいるのよ。女の子でもいるかな。脱いだ下着は人に見せてはいけない。だから、すぐに袋の中にしまうように徹底指導します!」

なるほど、たしかに公衆浴場の脱衣所を思い出すと、下着が丸見え状態で脱ぎ捨てられているカゴとバスタオルをかけて中が見えないようにしてあるカゴがあります。これまでどういう教育を受けてきたかが、大人になってから行動で明確になるものだと納得してしまいます。

一つ一つ丁寧に着替えを指導するのはたいへんよいことですが、プール授業前後ともなると教室はあたかも戦場の様相です。特にプールから上がって水着から普段着に着替える時がたいへんです。子供たちがびしょびしょの状態で、しかも教員もびしょびしょ。床を濡らさないようにする工夫をしながら子供たちを教室に誘導して、それからさらに床を濡らさないようにして、指導を緩めることなく着替えさせなければなりません。

「33年繰り返しているので、ワンオペの達人になったけど、赴任したある小学校ではボランティアで学校に来てくれるおうちの方々が低学年の着替えを手伝ってくれました。」

教員も着替える時間を作ることができるし、おうちの方々にも公の場で着替えに注意する大切さが分かって、大変良いシステムだと思ったそうです。

家庭にお願いしたいこと
「特に1年生なら、プールが始まる前に、家庭で着替えの練習をしてもらえるとうれしいです」とベテラン教員の心からのお願い。

最も訓練してほしいことがラップタオルの取扱い方法。タオルによっては4つも5つもスナップがついていて全部留めるのがおっくうになり、2つ、3つ留めればいいかと妥協してしまいます。加えて、身体の水分を拭きながら下着を着ける練習。お風呂から上がった直後に、これもラップタオルを肩や腰から下げながら家庭で確認してほしいそうです。

下着も洗濯かごに直接ポイするのではなく、プール袋に入れてしまう練習をプール授業が始まる前とか、最中とか、お風呂の脱衣室で行ってほしいそうです。

参考 生命(いのち)の安全教育
令和2年6月に政府の「性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議」において、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」が決定されました。

この方針を踏まえ、子供たちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないよう、全国の学校において「生命(いのち)の安全教育」が推進されています。

これに併せて、教材・指導の手引きが公開されています。例えば、生命の安全教育教材(小学校(低・中学年))では、次の項目について子供向けに図1のようなスライドを使って説明できるように編集されています。

・「水着で隠れる部分」は自分だけの大切なところ
・相手の大切なところを、見たり、触ったりしない
・いやな触られ方をした場合の対応

参考スイミングスクールでは
水難学会の新西道浩理事によれば、スイミングスクールでは小中学生の会員を受け入れる際にプライベートゾーンに関する指導をしているそうです。会員向け広報誌での周知やロッカー巡回という指導を定期的に行っていて、かなり早い時期から生命の安全教育を意識してるとのことでした。
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水着の着替えなど昭和の小学校出身の大人は当時教えられた経験はありません。あの頃はただタオルを腰に巻いて着替えていたので面倒だなぁと思っていた事と、塩素臭とコンクリートの匂いの混ざった薄暗い更衣室の記憶があります。時々、素っ裸で着替える友人もいて、「勇気あるなぁ」くらいにしか思いませんでした。そう言えば昔は、「このパンツ誰のですか」と帰りの会で先生が聞いていましたが、子ども心には「てことは、本人はすっぽんぽんでズボンはいてるのか」と妄想していましたが、友人に聞くと「水着の上からに決まってるやんけ」と笑われた思い出があります。

プールの低学年の授業が性教育の第一歩とは気が付きませんでした。ベテランの先生が「ワンオペ」で指導しているとのことなので、多くの先生が具体的な実践を見ていないかも知れません。学校は教科だけを教えているのではなく、学校生活全般で様々な事を教えています。発達障害の子にとっては、教科外の不定形な集団指導場面が苦しい場合もあります。けれども、みんながいないと「恥ずかしい」の意味も教えにくいです。でも、学校はいろんなこと教えているなぁと教員OBながら感心します。

 図1 生命の安全教育教材(小学校(低・中学年))のスライドの一部抜粋(筆者抜粋)

カリスマティックアダルト

「カリスマティックアダルト」という言葉は、ハーバード大学のロバート・ブルックス教授が、「ありのままの自分を受容し、課題をきちんと指摘してくれるカルスマティックアダルトとのかかわりが、人の人生を大きく変える」と示し、発達障害の子どもらの成長に欠かせない存在としてこの言葉は引用されています。辞書には、『よき理解者あるいは本人を常に無条件で受け入れてくれ、また本人が全幅の信頼を寄せている成人のことを「カリスマティック・アダルト(Charismatic adult)という。本人を心から信頼してくれるよき理解者こそが、その子どもの秘められた才能を引きおこす最も重要なキー・パーソンとなる』とあります。

カリスマティックアダルトと呼ばれる大人は、子どもには、多元的(色々)な知能があること、人間社会には、多様性が必要であることを知っています。そして、子どもにおける「正常」というのは神話のような作り事で、だれにもその子の能力を予測することなどできないと信じています。

子どものカリスマティックアダルトは、同性の家族が理想的ですが、他人でも構いません。おじいちゃんやおばあちゃん、学校の先生や近所の人、たまたま知り合った趣味の人。それは、子どもがなりたいと憧れる大人だから、カリスマティックアダルトになろうとしてなれるものではありません。それは、子どもが決めるのです。このことを勘違いしている大人は多いです。できる人が「カリスマ」ではないのです。「しっかり」している大人が良いわけでもありません。弱点があったり苦手があったりするから子どもが選ばないわけでもありません。ずばぬけて得意な分野があるというのはきっかけにはなりますが、あとは子どもが見抜くのです。

以下のことは十分条件ではないけれども必要条件かもしれません。それは、相手に共感することができる人。子どもにレッテルを貼らない人。子どもが自分の弱点を才能にする手助けができる人。「何が欠けているか」ではなく、今ある自分の素質をベースにした自分らしさを育てる手伝いをする人。大丈夫という感覚を与える人。子どもの怒りを沈めるために冷静な無関心を用いる人。子どもをぞんざいに扱ったり見下さない人。子どもの目線に立つことができる人。その子が内に秘めている価値を見いだすことができる人。子どもがうまくいかないとき、自分ならどう違ったやり方ができるか考えられる人。子どもから自分の評価を求め、真剣に話を聞くことができる人。


子どもたちは、自分はここに居場所があり、自分に選択権があり、自立していると感じ、つまり「自分はできる」と感じることを大切にしてくれると信じる人を、カリスマティックアダルトと決めるのです。

読むトレGO!

日本初!音声認識による読み書き障害(ディスレクシア)トレーニングゲーム発売。実証実験で20%以上読みの時間が短縮!
プレスリリース発表元企業:株式会社サムシンググッド

ディスレクシア、読みの困難さを抱える子どもは5%とも10%ともいわれています。EdTech企業の株式会社サムシンググッド(東京都港区、代表取締役 脇坂龍治)はNintendo Switch(TM)用ゲームアプリとして「机に座らない学習」をコンセプトに、(1)発達障害分野の第一人者、「医学博士 平岩幹男先生」と企画から研究、実証実験まで共同で開発。(2)4週間×10人超の児童による実証実験を2回実施。(3)「67%の子どもが20%以上読みの時間が短縮」し、「2度読みも減少」。2020年2月には本件の論文も発表。確かな効果が期待できるソリューションとして7月上旬より発売開始します。

EdTech企業の株式会社サムシンググッド(東京都港区、代表取締役 脇坂龍治)は、2020年7月上旬にNintendo Switchでゲーム形式でトレーニングできる「読むトレGO!」を発売いたします。
詳細はhttps://www.yomutore.net/をご覧ください。

[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfYUdyQ2t2Y1NsTC5KUEc.JPG ]

読むトレGO!プロジェクトは、医学博士の平岩幹男先生とサムシンググッド開発陣の共同プロジェクトです。2018年の企画段階から初期の研究用ソフト開発、そして実証実験を経ての商業用ソフト開発と、全ての工程を共同で研究開発致しました。
多くの子どもたちや保護者の方からも様々な意見を頂き、当社のエンジニアが一つ一つ丁寧に形にしていきました。読みのトレーニング・ゲーム要素だけでなく、保護者向けに分かりやすいような、トレーニングの記録と評価機能等もご用意しました。
平岩先生はこう仰います。「ディスレクシアの障がいや読みの苦手さを持つ子どもたちに必要なことは、読みの学び直しの機会であり、何歳からでも遅くない」と。私共も、この言葉を実現できるよう開発に邁進してまいりました。

開発・発売元:サムシンググッドとは
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfTkJtSmJocUJSVi5KUEc.JPG ]
サムシンググッドは2015年、役員3名で始動いたしました。当初はソフトバンク様等からプログラム開発やWEBサービス運営を受託するビジネスが中心でした。2017年にNTTドコモ様向けに知育アプリ(プリキュアかずあそび)提供を開始したのを機に、プログラミングやCGデザインチームを大幅に拡充。知育、英語学習、ソーシャルゲームなどを開発していきました。2018年より発達障がい児童向けの教育ソフト開発の研究を開始。その一環で児童福祉施設を中野と新宿に開所(Uooh!療育ラボ)、現在200人以上の児童が通所しています。2020年7月に「読むトレGO!」を発売予定。2020年6月現在、IT×発達性協調運動障がいトレーニングシステムの研究開発中です。

読むトレGO!の特徴
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfSEhST3RmTFJIei5KUEc.JPG ]
①ゲーム機のNintendo Switch用 であること。
2018年の企画初期、平岩先生から「教科書や教材を見ただけで泣き出す子もいるんだよ」とのお言葉が。できるだけお勉強感を無くす為にゲーム機用アプリにしました。ジョイコンで刀を振ったり金魚をすくったり、マイクを使ったりと「机に座らない」読みの学習をコンセプトにしました。
②日本初!音声認識システムでのディスレクシア・トレーニングソフト
ディスレクシアの子どもたちは、読みが苦手だから、書きはなおさら。ですので、日本の国語の授業の「読むと書くを同時に習う」学習法は、とても難しい事となります。我々が重要視したのは「文字を見て」「声で答える」こと。とにかく「読むことが出来る事」を目的にしました。
③全6ゲーム227ステージ!
様々な角度からトレーニングをアプローチする合計6コンテンツ、54レベル、227ステージをご用意しました。
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医学博士 平岩幹男 先生について
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfaUVLTVdRQlFsYS5qcGc.jpg ]

平岩幹男: 医学博士。Editorial board: Austin Journal of Autism and Related Disorder。
1976年東京大学医学部医学科卒業。三井記念病院小児科、東京大学医学部研究生を経て帝京大学医学部小児科助手?講師。1992年戸田市立健康管理センター母子保健課長?参事・健康推進室長。2009年Rabbit Developmental Research開設(代表)。2012年-2019年国立成育医療研究センター理事。
専門領域:発達障害(自閉症)、乳幼児健診、思春期医学など。著作多数。

実証実験について
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfVFN2clhYQm91Ti5KUEc.JPG ]
平岩先生が主導し、「読むトレGO!」プロジェクトでは、ディスレクシアの診断(DSM-5thに基づく)を受けた児童10名程度を対象にした実証実験を2回(2019年9月、2020年1月)実施しました。第1回目は8/30~9/28のピッタリ4週間、初日に平岩医師の問診とテスト、4週の間は実験用ソフトを家に持って帰りトレーニング、最終日に平岩医師の問診とテスト、という内容です。この結果はとても素晴らしく、全ての児童の読みのスピードが向上、2/3の児童は何と20%以上向上の数値がでました(論文は小児科診療2月号:診断と診療社刊に掲載)。しかし、、、子どもたちの反応は散々でした。。。とにかく音声認識の認識率が悪く、せっかくキチンと読めても正解にならず、「ブブー」と×にされる。泣き出しそうになりながら「嫌だった」と話す子どもが出る始末、当社開発メンバーは意気消沈でした。もう開発期間が延びる(=お金がかかる)のはやむを得ず、ということで、音声認識エンジンを差し換え開発再開。当初予定より半年間も開発期間が延長しましたが、子どもたちにも「まぁまぁだな!」と言っていただけるソフトに仕上がったと思います。本当に実証実験にご参加いただき、様々な意見をくださった子どもたち、保護者の方々に感謝しております。

発達性読み書き障害児童はクラスに1人の可能性。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfQXlkV01wTk96Sy5KUEc.JPG ]

■ディスレクシアとは
dyslexia。発達性読み書き障がい。dysはギリシャ語の「困難」「欠如」という意味、lexiaは「読む」という意味。一番の特徴は、コミュニケーションのうち「話す言葉」「聞く言葉」といういわゆる音声言語には障害がないのに「読む」「書く」という文字言語に障害があること。よって、小学校に入る前には診断が付きにくい。
世界には色々な言語があるが、日本語にはひらがな、カナカナ、漢字と文字の種類がおおっく、おそらく1クラスに1人くらいは存在すると言われている。
世界的に見て、ディスレクシアの特徴は二つ。
①文字を音に変える障がい(デコーディング)
「あ」「ゆ」が読みにくい。時間をかければ読める。なので、「あ」「ゆ」で悩んでいると「あゆつり(鮎釣り)」という単語を見たときにすっと読めない。
②音のまとまりとして単語を読むことが難しい障がい(チャンキング)
「い」「ぬ」と読めても「いぬ(犬)」という音のまとまりとして読めない。よって語彙理解が難しくなる。
【注意】
読みの苦手さ=ディスレクシアだけでない。
認知機能が遅れている知的な問題、紙に書いてある文字がチラつく。すぐに気が散って集中できない、など他の問題も考えられる。

■子どもたちの問題
わが国の学校教育は、ディスレクシアの子どもにとても苦痛を強いる指導法となっている。
①読みの苦手な子に、他の子どもに2回読ませるところを4回、5回と読ませる。
②「読む」と「書く」を同時に指導する。「読み」が苦手な子どもたちは大なり小なり書くのも苦手であり、同時に行うことはとても難しい。

■知的障がいではないが「しんどさ」を抱える子どもたち
知的障がいではないが、しんどさを抱える子どもたちは存在し、読みの困難さを抱えていることもしばしばある。
IQで測ると70以上だが、記憶する力や認識する力が少し弱い子どもたちは、実は人口の7%~11%くらい存在すると言われている。この子たちは知的障がいとしてのいわゆる障がい者手帳は取れないし、障がい者枠で将来就労することもなかなか難しい。しかし適切にサポートをすることで世の中で生きていけるようになる可能性がかなり高いグループというふうに、考えてもいいのではないか?と平岩先生は考えている。

※知的障がい定義はIQであれば70以下。
例えば、小学校に入り、友達とも元気に遊んだり話したり、色々な事ができる。しかし、小学校2年生くらいになると「どうも国語の力が弱いな?」「読むのが苦手だな?」「内容の理解が今一つだな」と感じられるようになる。そのちょっとした苦手さを抱えながら学年が上がっていき、授業もドンドン進んでいく。そして小学校4年生くらいになり、その躓きがどうにもならなくなる、ということはよくある。うまく国語がついていけない。そうすると通常の学級いわゆる普通のクラスは無理だから、「では特別支援学級に移ったらどうですか?」と言われることが多い。しかし、通常学級では国語の授業は週4時間。これが特別支援学級になると週2時間、特別支援学校になると週に1時間になっていしまう。これで、どのように追いつくことが出来るのだろうか?わが国の教育制度はこのようなことに対処する「学び直し」という概念が乏しい、と言わざるを得ない。学び直しをする事で、その方たちの「人生を変えていくこと」に繋がることはとても良いことだと感じる。(平岩先生談)
【出典】本ページ記載の内容は、2020年4月にサムシンググッドが平岩先生にインタビューした内容の抜粋である。

日本のディスレクシア人口のデータ
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfY0VPRW1lTnRqSC5KUEc.JPG ]

わが国では文部科学省も厚生労働省も本件に関する大規模な疫学調査を行っていない。よってディスレクシアの人口がどの程度存在するのか?はわからない。その中、参考になるデータは下記のとおりである。
学習面で著しい困難を示す児童生徒の割合は6.1%
・文部科学省調査
・調査時期:平成24年2月~3月
・調査対象:通常の学級に在籍する児童生徒53,882人(1,200校)
※担任教員が記入し、特別支援教育コーディネーター又は教頭による確認を経て提出した回答に基づくもので、発達障がいの専門家チームによる診断や、医師による診断によるものではない。従って、本調査の結果は、発達障害のある児童生徒の割合を示すものではなく、発達障がいの可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒の割合を示すことに留意。

障害児通所支援の機能見直しへ 厚労省検討会が初会合

障害児通所支援の機能見直しへ 厚労省検討会が初会合

2021年6月21日【教育新聞】

障害のある子供が放課後や学校の長期休校中に通う「放課後等デイサービス」など、障害児通所支援の在り方について、厚労省は有識者による検討会を立ち上げ、このほどオンラインで初会合を行った。こうした障害児通所支援は利用者数が顕著に増加している一方で、実態として補習塾的機能や預かりが中心となっている事業所もあるとし、役割や機能の見直しに着手する。

障害児通所支援についての議論を始めた厚労省検討会(YouTubeで取材)
厚労省によると、障害児通所支援のサービス利用児童数は2014~19年度の間に2.3倍に増加。その一方で、補習塾的な機能や預かり中心の事業所があることや、障害児の保護者の就労を支える側面もあること、現状の放課後等デイサービスでは、専修学校や各種学校が対象となっていないなどの課題が出ている。

また、これらのサービスが充実したことで、発達障害をはじめとする、これまで障害と認識されずに育てづらさや生きづらさを抱えていた子供の支援につながった一方で、こうした子供たちが適切な支援を受けながら保育所や学童保育などを利用しにくくなっているなど、インクルージョンの観点からの課題も指摘されている。

こうした状況を踏まえ、検討会では関係団体へのヒアリングを実施するなどし、障害児通所支援の役割や機能の在り方を整理。9月をめどに報告書を取りまとめる。

初会合で座長に選出された柏女霊峰(かしわめ・れいほう)淑徳大学教授は「保育教育施設での(障害児の)インクルーシブな受け入れは伸びていないのではないか。詳細を分析しなければいけない。その上で、本当に障害児通所支援が、その機能として何をすべきなのかというマクロ的な議論をしなければいけない」と強調した。

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サービスは使いやすければ利用が増えるもので、普通はそこに利用者のニーズがあると考えます。放デイの利用が伸びているのは利用者にとって使いやすいからです。また、保育所や学童保育に障害児が増えないのは使いにくいからで、放デイの利用が伸びている事は結果であり原因ではありません。つまり、放デイの責任でも放デイ利用を認めた障害福祉行政の落ち度でもありません。障害のある子もない子も利用しやすい保育所や学童保育サービスを怠ってきた側に責任があります。

だから、柏女座長が放デイの中身をどうこう言う前に、学校や保育所が障害のある児童に使いやすい配慮や工夫がされているのかどうかを調査することが先だと言っているのです。以前、学習障害は教育が支援を担うもので、放デイはサービス提供はしないと公言する関係者がいるらしいと書きました(学習障害抱える児童、タブレット支えに無事卒:04/03)が、その理由は、教育の学習障害支援の足らずを福祉が肩代わりする必要はないという論理です。しかし、学校の学習障害児への支援と、放デイの学習障害児への支援は法的にも行政的にもお互いに独立しているもので、どちらかで代替できるものではありません。

その法的根拠としては、放デイなどの学習障害児支援の責務が法令に明記されていることです。厚労省の支給決定事務等の事務処理要領の「障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等についてR3年4月」には、「2 対象となる障害児(法第4条第2項) 児童福祉法における障害児とは、身体に障害のある児童、知的障害のある児童、精神に障害のある児童(発達障害者支援法第2条第2項に規定する発達障害児を含む。)以下略」とあります。

発達障害者支援法の条文は「第二条  この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害・・以下略」と学習障害が明記されています。つまり、放デイ支援で学習障害児は支援の対象なのです。もちろん教育と福祉と家庭が相互に連携しあい協力をすることは大事です。しかし、自分はやらないから、他の分野で責任を持てなどと言える道理は無いのです。

保護者や一般市民が細かな法令を知らないのは仕方がないにしても、もしも、関係者が公言しているとなると、これは明らかに違法行為であり障害者差別だと言えます。さすがに府県レベルや厚労省で学習障害児を放デイでサービスをしないと言う人はいませんが、地域でこんな暴言を関係者が言っているなら行政処分の対象です。今回の厚労省検討会の議論の行方が、保育所や学童保育でインクルージョンが進まない原因が、放デイの利用数が伸びた事等と、原因と結果が入れ替わったりしないように見守りたいと思います。

 

インフォームドコンセント

心理検査の目的を一言で表すとすると、「子どもの障害の程度を把握し、1人ひとりに合った支援を行うため」です。発達障害の中には、自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠陥多動症(ADHD)、学習障害(LD)などさまざまな障害があります。しかし、以前のようにアスペルガー症候群や非定型自閉症といった細かい分類をすることは少なくなっています。それは、発達障害では、障害の重なりがあり明確に分けられず、発達の凹凸は子どもそれぞれで異なり、それに伴って障害の特徴も細かく違っているからです。(日本の場合、障害の診断は医師しかできません。)

発達の度合いや知能の程度、各能力の特徴まで検査をすることで、発達障害の子どもの特性をしっかりと把握することができます。同じ障害の診断だとしても、検査の結果により見られる凹凸は一人一人違います。その結果をもとに、どの能力を活かしていくか、どのような支援が必要かを、子どもの特徴に合わせて考えることができます。

心理検査は、当事者か保護者の依頼がなければできません。もちろん、学校や施設は心理検査を行うことで正確な支援内容を考られることなどを保護者に説明して検査を勧めるのは良いことです。しかし、何故検査が必要なのか十分に説明しないまま、「障害の疑い=検査=診断=配慮の理由」という流れ作業のように扱ってしまうと、保護者は検査を子どものふるい分けに感じてしまい、たとえ検査を受けても、障害の証明書を突き付けられたような嫌な気持ちになることがあります。検査を勧めることは、その結果報告に基づいて、現場は全力で支援する約束をしたということです。「勉強ができなかったのは障害の結果」「不適切な行動は障害の結果」と子どもの責任にしないという約束です。

また、一部の地域では検査をしているのに検査結果の報告書を保護者にも当事者にも渡さない検査者がいるそうです。例えば、病院で検査を受けて、医師が病気のあれこれを言うだけで検査結果が当事者に示されなければ、何がどの程度悪い病気なのか患者にはよく分からないまま治療が進めらるのと同じです。今日、十分な情報を得た(伝えられた)上での合意(インフォームドコンセント)は医療に限られたことではありません。報告書がないのも問題ですが、報告書があるのに手渡されないなどという事がまかり通っている地域があるとは、開いた口がふさがりません。おそらく、報告内容に責任を取りたくない言質を文字で残したくないという検査者や組織の保身のためでしょうが、検査に携わる者として許されることではありません。医療も何もかも人が判断して行うことで100%はあり得ません。だからこそ、説明と合意が必要なのです。合意のための説明には文書があって当たり前ですし、当事者が写しを持ち帰るのも常識です。報告書を渡さないのがいかに非常識かということです。リスクを取らない検査者の言うことは信じられないと思います。

心理検査を依頼するときは、何のために検査をするのか、結果が出たら子どもにとってどんなメリットやデメリットがあるのかきちんと説明をしてくれる人かどうか判断して依頼しましょう。次回は、検査の実際について掲載します。

文科、コロナ対応、教育活動の実施に関するQ&Aを公開

コロナ対応、教育活動の実施に関するQ&Aを公開
2020.6.16 Tue 12:20 【ReseEd教育業界ニュース】

文部科学省は2020年6月15日、Webサイトに「教育活動の実施等に関するQ&A」を公開した。発熱で学校を休んだ児童生徒の再登校基準、修学旅行の実施に関する見解、児童生徒の心のケア、学習活動の留意点、教職員の勤務など、幅広い質問内容を紹介している。

「教育活動の実施等に関するQ&A」は、学校設置者・学校関係者向けに新型コロナウイルス感染症に対応した教育活動の実施などについて、質問と文部科学省の回答をまとめたもの。5月21日時点で全104問にわたるQ&AをPDFで公開しているほか、分野別にまとめた内容をWebページに掲載している。

Webページで紹介している質問内容は、「学校における感染症対策」「感染者が発生した場合や児童生徒等の出席等の対応」「学校の臨時休業」「学習指導等」「その他」の5分野。マスク不足への対応、健康診断の実施、児童生徒の心のケア、学習活動の留意点、教職員の勤務、保育料や授業料の取扱いなど、幅広く網羅している。

たとえば、発熱で学校を休んだ児童生徒の再登校基準については、「熱が下がった後にすぐに登校してよいかどうかについては、地域の感染の状況によって判断が変わる」と説明。基本的な考え方として、感染経路不明の感染者が多発している地域は「熱が下がった後も一定期間自宅にとどまっていただく対応も考えられる」、感染経路の不明な感染者がいない地域は「一時的な発熱の後、他に症状もないような場合に登校を拒む根拠は乏しい」と述べている。

修学旅行の実施については、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」や「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」、新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえて学校設置者が適切に判断。実施に際しては、日本旅行業協会などが作成した「旅行関連業における新型コロナウイルス対応ガイドラインに基づく国内修学旅行の手引き」などを参考に旅行事業者などと連携し、感染対策の徹底に努めるよう求めている。

そのうえで「当面の措置として修学旅行を取り止める場合においても、その教育的意義や児童生徒の心情等にも配慮いただき、中止ではなく延期扱いとすることを検討いただくなどの配慮をお願いしたい」との考えを示している。

教育活動の実施等に関するQ&A」は、文部科学省のWebサイトから確認できる。《奥山直美》

https://www.mext.go.jp/content/20200521-mxt_kouhou01-000006270_2.pdf

https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00032.html

教育活動の実施等に関するQ&A

①学校における感染症対策に関すること【更新】
②感染者が発生した場合や児童生徒等の出席等の対応に関すること【更新】
③学校の臨時休業に関すること【更新】
④学習指導等に関すること【更新】
⑤その他【更新】

学校集団接種「推奨しない」文科省

学校集団接種「推奨しない」文科省、同調圧力を懸念

2021年6月22日【朝日新聞】

文部科学省は22日、新型コロナウイルスワクチンを12歳以上の中学高校などの生徒に学校で集団接種することについて、「現時点で推奨しない」とする通知を各都道府県などに出した。個別接種が難しいなどの理由で学校集団接種の実施が必要な場合は、接種の有無によるいじめや差別が起きないよう相談窓口を設けることや、接種を行事参加の条件にしないことなどを求めている。

通知は、学校集団接種を推奨しない理由として、保護者への説明機会が乏しくなる▽個々人の意向が必ずしも尊重されず同調圧力を生みがち▽接種後の体調不良に対するきめ細かな対応が難しい――を挙げた。萩生田光一文科相は22日の閣議後会見で「学校での集団接種は受ける人と受けない人の差別化につながり、いじめにつながることも心配される。希望する子どもは親の同意のもとで、個別接種を進めていく」と述べた。

一方で通知は、個別接種の体制確保が難しい場合などに、市町村の判断で学校集団接種をすることを条件付きで認めた。その際、生徒や保護者に接種が強制でないことなどを丁寧に情報提供することや、授業中ではなく放課後や休日、長期休業中に実施するなどの工夫を求めている。

また、特に思春期の子どもに接種前後の不安をきっかけに起きやすいという「予防接種ストレス関連反応」についても説明。「周囲の生徒の様子などの影響を受けてその場の生徒に連鎖して生じることもあり、落ち着いた雰囲気で、万一に備えた体制を整えておくことが必要」と示している。

16歳未満の接種は原則、保護者の同意が必要。小学生については保護者同伴が必要となる。(伊藤和行)

文部科学省通知の主な内容
●中学高校などの生徒に対する新型コロナウイルスワクチンの学校集団接種は、現時点で推奨しない

●学校集団接種が必要な場合の留意点
・効果や副反応など丁寧な情報提供
・差別やいじめが起きないよう、学校は接種が強制ではないことを指導し、市町村は相談窓口を設置
・授業中ではなく、放課後や休日、長期休業中に実施
・業務は教職員に求めない
・「予防接種ストレス関連反応」が生じないように環境を整備

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抗議殺到で個別接種に切り替え 12~15歳にワクチン接種開始の京都・伊根町

2021年6月8日【京都新聞】

京都府伊根町は8日、12~15歳の新型コロナウイルスワクチンの接種を始めたことに対し町外から抗議が殺到したことを受け、中学生を対象に検討していた集団接種を個別接種に切り替える方針を明らかにした。町は「強制的に打つという誤解を解きたい」といい、本人や保護者の同意の下で接種する手続きをより明確にして、これ以上の抗議を避ける狙い。接種時期は未定。

12~15歳の接種については、厚生労働省の専門部会が米ファイザー製ワクチンの対象年齢として了承しており、国は保護者の同意手続きが必要としている。町は当初、学校のテスト期間に配慮して6月下旬に1回目の接種を検討。保護者の同意を文書で確認する方法をとる予定だった。

同町では6日、小学生と高校生に接種した。7日朝から、町役場に「子どもへの接種はリスクがある」「殺すぞ」などと職員を問い詰める電話が相次ぎ、コールセンターを停止。抗議電話は8日までに170件あった。脅迫を思わせる内容もあり、町は京都府警宮津署に被害届を出すことも検討している。
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マスクをしていないと携帯電話中の女子学生の顔を殴る役人(北海道)がいるかと思えば、子どもへのワクチンが危険だと役所に脅迫や威力業務妨害をする市民がいます。どちらも科学的な根拠を持たずに感情的に他者を傷つけたり脅迫している違法行為です。

確かに学校の集団接種は、同調圧力が強くかかり受けない自由を行使しようとするには勇気が必要です。そして、1000人に7人程度が陽性者でその6割が無症状で、子どもに重篤な症状が一例も報告されていない武漢風邪に、リスクの高い大人に接種が済んでいるなら、集団免疫を広げると言うだけで子どもの接種を急ぐ根拠にはなりません。

急ぐべきは高齢者やそれに続く成人の接種であることは間違いありません。伊根町にはきっとたくさんワクチンが送られ、高齢者も高リスク患者も成人も皆終了したから次は子どもにとなったのかもしれません。乙訓では65歳以上の接種が進み、60歳までの高齢者は7月中に1回目が接種されるようです。

都市部では人口の少ない自治体ほどは接種が進みません。行政サービスは田舎の方が早く行き届くが、都市は便利さを享受しているのでおあいこだと言われます。しかし、命にかかわる有事に公平に対応できないのは問題です。抗議電話は町以外からのものも多く、いつまで待っても接種券が送られてこない都市部の市民の苛立ちが、田舎の役場にぶつけられたような気もします。

この苛立ちに加担しているのが恐怖の煽り報道です。女子学生がマスクを外して電話をしているだけで、役人の立場を忘れるほど苛立つのです。最近、アクリル板は飛沫を滞留させるという研究が電通大から発表されました。テレビで連日見かけるアクリル板は感染を広めたかもしれません。メディアが必ず正しいわけではない証拠です。もちろんこの報道は地上波ではほとんど扱われませんでした。

また、今回のワクチンとは違いますが、子宮頸がんワクチン(HPV)の副反応の恐怖を大々的に煽った結果、日本ではワクチン接種率が極めて低いのです。ワクチンを打てば76人に1人の子宮頸がん発症の確率は216人に1人と3分の1に減ります。しかし、こうした効果は宣伝されずにひどい副反応を起こした人たちの裁判を報道することで日本はワクチン接種を推進している他国より2倍以上の女子が命を落とす危険にさらされています。恐怖や鬱屈した感情をメディアが煽ることによって、社会が歪んでいく危険性も私達は熟知しておく必要があります。

標準化された検査

検査は公的な機関や病院、教育機関などさまざまな場所で活用されます。発達障害の診断では、様々な施設で心理検査を受けることになります。専門家のいる病院やクリニック・発達障害者支援センター・児童相談所・保健センターなどです。また、診断以外でも発達障害の子どもの特徴や性格を細かく知って支援や教育の方針を明確にするために活用されます。そのため学校や放課後等デイサービスなどでも使用されます。逆に、心理検査の報告にあまり関心のない施設があったり職員がいたとすれば、そこは特性に応じた細かな支援については関心がないところかもしれません。

心理検査は子どもの一部分の情報ですから検査の様々な数値が子どもの実態の全てを表すものではありません。数値は低いのに努力した結果、進学校に入学している高校生もいますし、高い数値なのに怠学の結果、進学する学校の選択肢が少ない中学生もいます。心理検査の結果だけで、その人の人生はわからないのです。しかし、心理検査で能力の凸凹があることを知っていれば、子どもに向いた学習の仕方や生活の仕方をあらかじめ考えることができます。何かにつまずいた時も原因が把握しやすくなりますから、傷口が広がらないうちに早く対応できます。子どもに持ち続けてほしいものは高い能力ではありません。自分は失敗しても立ち直れる、その方法は必ず見つけることができるという気持ちが育ってほしいのです。そのためには、失敗しても支援によってリカバリーできた経験や、失敗を予測して別の方法で到達する経験をたくさん積んでほしいのです。そうすれば自分を信じることができるし、支援を信じることができるはずです。

心理検査の流れは、行動の観察・問診として、実際の検査を実施する前に、子どものおおまかな特徴、生育歴や生活環境を把握します。また、本人や両親の困り感、関係者の意見や周囲の環境面についても把握します。そして、報告がどの場所で誰に活用されるのかを判断して検査の種類を選択します。心理検査は1種類のみを実施するのではなく、複数の発達、知能、特性検査を組み合わせて行うことがほとんどです。

検査の種類はいろいろありますが、京都で多用されるのは「新版K式発達検査」です。本来この検査は乳幼児向けの適当な検査がなくて京都児童院(今の児童福祉センター)で開発されたもので、今は成人まで測れます。しかし、標準化(統計的に妥当性があるように作る)されていないのと、子どもの能力を運動・認知・言語の3つに分類され、新しい知能分類(CHC理論)に基づいていないので、何を測定しているのか分かりにくく説明がしにくいのです。それでも、ベテランの検査者にとっては子どもの苦手が推測しやすいということで関西ではよく使われています。

保護者にとってはこの3つの数値を示されても、見る力や言葉の力が進んでいるか遅れているかしかわからず、「一緒に生活したらわかる」程度の数値です。しかし、この検査者の中には「数値が独り歩きするから」と数値を当事者に示さない人がいるそうです。前回も述べましたが、常識で考えれば、検査結果の数値を隠す人の報告を信用できるはずがありません。そんなに自分が行う検査にも説明にも自信がないのならやらなければいいのです。そんな検査に付き合う子どもこそ迷惑です。

K式検査は2001年に改訂されたきり20年近く改訂されていません。知能検査は、10年で陳腐化します。文明の進化と共に子どもの知能全般が伸びるからです。今度予定されている改訂は2020年だそうです。これは標準化された検査になるそうですが、知能の分類は変えないそうです。明日は他の検査について掲載します。

6月21日夏至の日ー全国各地、おうちで日食観察を-

2020年6月21日(日)の午後、日本全国で部分日食が起こります。日本で見られる日食は2019年12月26日の部分日食以来ですが、次回全国で見られる日食は2030年6月1日の北海道での金環日食(他の全国各地では部分日食)までありませんので、梅雨空に晴れ間が生じたら、是非見ておきたい天文現象です。

日食とは、太陽-月(新月)-地球の順に宇宙空間で3つの天体が一直線に並ぶことで起こる現象です。昼間、太陽からの光を受けた月の影が地球に落ち、そこだけ昼間なのに光があたらない場所が出来ます。

日食には、完全に太陽を月が隠してしまう「皆既日食(皆既食)」、太陽の縁が丸くリング状に見える「金環日食(金環食)」、そして太陽の一部分が欠けて見える「部分日食(部分食)」があります。皆既日食や金環日食が生じる場所は帯のように狭く、その周りの地域で部分日食が見られます。今回は、アフリカ中部、アラビア半島、パキスタン、インド、中国、そして台湾のそれぞれ狭い範囲で金環日食となり、この帯状の金環食帯の中心では最大で0分38秒の金環食を見ることが出来ます。今回は、金環食の継続時間がとても短い現象です。

金環食帯の外側の一定範囲では、太陽は完全には隠れませんが、一部のみ隠れる部分日食になります。この日、日本各地では、天候に恵まれれば、午後から夕方の時間帯になりますが、太陽が欠ける様子を観測用具や木洩れ日等を用いることで観察可能です。

那覇では太陽の面積の79%、東京では36%、札幌では18%が月によって隠されます。

太陽の観察はとても危険です。太陽の光と熱のエネルギーは膨大なため、直接、太陽を見ると失明する危険があります。肉眼でも危ないのですから、天体望遠鏡や双眼鏡を使うことは極めて危険です。肉眼で見ることはもちろん、天体望遠鏡や双眼鏡も使わないでください。太陽観察用の「日食グラス」等専用の用具で観察しましょう。また、そのような用具が手に入らなくても、木漏れ日やピンホールカメラを用いて観察する方法があります。より詳しい情報は国立天文台の解説ページをご覧ください。

太陽の光を見かけ上減光できるからといって、黒いごみ袋、アルミホイル、ポテトチップスなどの袋、色付きの下敷きなどで見ることもとても危険です。これらは赤外線を通してしまうため、可視光を減光していても、熱によって網膜が傷ついてしまう可能性が指摘されています。

COVID-19拡大予防のため、今回の日食では日食観察会等が開かれない地域がほとんどかと思います。ご自宅などで3密にならないように楽しむ他、国立天文台の石垣島天文台はじめ、全国各地から日食中継が予定されています。また、金環日食となる海外の国々からもインターネット上で中継イベント等(英文)が予定されていますので、併せてそちらもお楽しみください。

参照ページ:

宙ツーリズム推進協議会 おうちで日食観察を楽しもう!全国各地からオンライン中継

JAPOS(日本公開天文台協会)観測キャンペーン夏至の日の部分日食を見よう

和歌山大学観光学部 YouTube Live-全国縦断「夏至の日に部分日食を見よう!」

 

「学校の防災訓練は非現実的」 学校安全部会で専門家指摘

「学校の防災訓練は非現実的」 学校安全部会で専門家指摘

2021年6月23日【教育新聞】

第3次学校安全推進計画の策定に向けた検討を行っている中教審初等中等教育分科会学校安全部会は6月23日、第2回会合をオンラインで開き、防災教育をテーマに議論を行った。同部会委員で、内閣府の「防災・減災、国土強靭(きょうじん)化ワーキンググループ(WG)」でも委員を務めていた大木聖子・慶應義塾大学環境情報学部准教授は、発表の中で現状の学校の防災訓練が非現実的であると指摘。第3次計画で、幼児教育・保育における防災教育の必要性や、実効性のある防災訓練を学校現場に浸透させることを提案した。

この日の会合では、内閣府から5月末に同WGが取りまとめた「防災・減災、国土強靱化新時代の実現のための提言」についての報告があり、それに続いて大木准教授からの発表が行われた。

内閣府の提言では、東日本大震災の発生から10年を踏まえ、防災・減災、国土強靭化の新時代に向けて、防災教育を第3次学校安全推進計画の柱として位置付け、全ての子供が災害から自らの生命を守れる能力を身に付けられるようにする方針を掲げた。学校で行われている現状の避難訓練は、実施率は高いものの内容は形骸化しているとして、全ての小中学校で、地域の災害リスクや「自分は大丈夫だ」と思い込んでしまう正常性バイアスなどの知識を教えることや、教職課程に防災教育の指導法を組み込んだり、地域と学校が連携して防災教育を支援する「防災教育コーディネーター(仮称)」を育成したりすることを盛り込んだ。

内閣府の防災・減災、国土強靱化新時代に向けた防災教育の提言
続いて発表した大木准教授は、専門の地震学の見地から、「教師の指示に従って、全員が校庭に避難が完了するまでの時間を計測する避難訓練」について、震度6以上の地震では声を発することができないほどの揺れになることから、教師は事実上指示を出せないことや、校舎は一般住宅よりも耐震性が高いにもかかわらず、校庭に避難することに合理的な理由はないことを指摘。

「地震学者の観点から見ると、非現実的な訓練が行われている。最も違和感があるのは、余震を想定している訓練がないことだ。大地震で余震が伴わないものはない」と批判した。

また、幼稚園や保育所などでの、未就学児を対象とした防災教育に力を入れるべきだと提案。第3次計画では、地震の概念が十分にない未就学児の命を守る視点を意識したものとすることや、発達段階に応じた防災教育スタンダードを策定することで、就学前から高校段階までシームレスな防災教育を実践できると強調した。

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地震想定の訓練でグランドに避難するのは、地震から火災が発生したので屋外に避難するというシナリオがあるからです。その理由は、グランドで消防署職員が子どもたちと一堂に交流する機会を持つことで、防災教育の一環としたいという目的があるからです。

その際に、整然と移動できたことを評価しているだけのことで、時間短縮はその結果であり「押さない走らない喋らない戻らない」おはしも訓練に時間短縮目的などありません。また、余震の事にも触れており建物の壁や天井が崩れることも想定して移動するように指導されています。正常性バイアスの問題は防災知識を教えた子どもには起こりにくく、知識のない大人に起こりやすい問題です。大木さんは、学校訓練で教員や子どもの取材をせずに、思い込みで発言しているのではないかなと思います。

すてっぷでも、この5月に地震から近隣住宅に火災が発生した想定で広域避難場所に移動する訓練をしています。子どもたちは、落下物から頭部を守る動作や整然と行動する姿は、毎年学校で2回訓練している効果を感じさせるものでした。問題は、被災後何日間この子たちと安全に過ごせるかどうかの訓練はないので、シミュレーションだけでもしておいた方が良いなと考えています。こちらは何パターンか思い込みでやるしかないのですが・・・。

K-ABCⅡ

WISC-Ⅳは、ウェクスラーという米国の心理学者が1949年に開発し改訂が繰り返されている知能検査の1つです。ウェクスラー式知能検査は世界でも広く使われている知能検査で、受ける人の年齢に合わせて、幼児用…WPPSI、児童用…WISC、成人用…WAISの3つがあります。ここでは対象年齢が学童期のWISCについて紹介します。定期的に改定されており、現在は第4版となるWISC-Ⅳが最新となっています。15の下位検査(基本検査:10、補助検査:5)で構成されており、10の基本検査を実施することで、5つの合成得点(全検査IQ、4つの指標得点)が算出されます。それらの合成得点から、子どもの知的発達の状況をさまざま方向から把握できます。4つの指標得点とは言語理解指標、知覚推理指標、ワーキングメモリー指標、処理速度指標の4つで、それぞれの指標が出るため、得意なこと、不得意なことの判断に役立ちます。

特に情報をどのように入力し、どのように表現するのが向いているかという判断は、勉強法を考えていく上で役立ちます。例えば、知覚推理が弱い子どもには、絵や図で伝えるより言葉にして論理的に伝えたほうが理解しやすいなど、対策を考えることができます。標準化された検査は、検査項目で3ポイント、指標ポイントで15点が「有意な差」(明らかに違いがある)ですから、個人の凸凹を判断するときにはこの開きを見ていきます。

本事業所で採用している検査の一つは、K-ABCⅡです。アメリカの心理学者カウフマン夫妻により(1983)作成されました。カウフマン夫妻はウェクスラー博士のもとでWISCの改訂に協力してきました。妻のナディーン・カウフマンは学習障害をはじめとする発達障害が専門です。夫妻はWISCの課題をKABCで解決しようとしました。子どもの知的能力を、認知処理過程(認知)と知識・技能の習得度(学力)の両面から評価し、得意な方法を見つけ、それを子どもの指導に活かすことを検査の目的としたのです。

K-ABCⅡはカウフマンモデルとCHCモデルという2つの理論モデルに立脚し最新の理論を取り入れたこと、認知処理を、継次(言語的)処理と同時(視覚的)処理だけでなく、学習能力、計画能力の4つの能力から測定していること、が特徴といえます。WISC-Ⅳとの違いは以下の表のとおりです。

WISC-Ⅳには基礎学力を図る検査項目はありません。WISCは医療用として用いられてきた背景があるからです。K-ABCⅡには、習得尺度という基礎学力を図るための尺度があります。これにより、学習がどれだけ定着しているかを知ることができます。K-ABCⅡの検査は、教育を意識して作られているため、WISC-Ⅳよりも学習と結び付けて考えやすい特徴があることも本事業所が採用している理由です。学校や病院ではWISCがほとんど利用されます。KABCは2回に分ける必要があり時間がかかるということが大きな理由だと思います。次回はK-ABCⅡで検査の読み方について考えます。

 

COCOA

接触アプリ、19日午後に提供開始 厚労省
【日経電子版】2020/6/19 12:14更新

厚生労働省は19日、新型コロナウイルスの感染者と濃厚接触した可能性があることを通知するスマートフォン向けアプリ「COCOA」の提供を同日午後3時ごろに開始すると発表した。

アプリによって濃厚接触者を効率的に割り出し、迅速に検査することで感染拡大を防ぐ狙いがある。互いにアプリを利用していないと接触の記録は残らないため、普及率が実効性のカギを握る。

今回提供するアプリは基本ソフト(OS)に「アンドロイド」「iOS」を搭載する機種が対象で、米グーグルやアップルのアプリストアで無料でダウンロードできる。

スマホの近距離無線規格「ブルートゥース」を使い、アプリの利用者同士が1メートル以内に15分以上いた接触の記録をスマホ内に蓄積する。感染が判明した利用者がアプリで申告すると、スマホ内に記録された接触者に対してサーバー経由で通知が送られる仕組みだ。

氏名や電話番号、位置情報など個人が特定される情報は記録、収集せず、通知を受けても過去に接触した誰が感染したのかまでは分からない。接触の記録は14日経過後に自動的に無効化され、アプリを削除した場合も記録は消去される。

スマホにアプリを入れている人同士の接触記録しか残らないため、普及率が6割以上ないと効果は薄いとされる。同様のアプリは他の国でもすでに運用されているが、プライバシー侵害への懸念などから必ずしも普及は進んでいない。3月にアプリ配布を始めたシンガポールの普及率は3割程度にとどまっている。

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要するに、武漢ウィルスの陽性感染者(COCOAをインストールしたスマホ所持者)と接触したから検査したほうがいいよ。というお知らせが来るのです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/cocoa_00138.html

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000641521.pdf