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「牛乳は体にいいのか」150年論争 学校給食での提供を停止した自治体も

「牛乳は体にいいのか」150年論争 学校給食での提供を停止した自治体も

2022年1月17日【週刊ポスト】

昨年末、岸田文雄首相はコロナ禍の影響で消費が落ち込んでいる生乳の大量廃棄を回避するため、「牛乳の消費拡大」を求める異例の呼びかけに踏み切り、話題を呼んだ。牛乳というと、真っ先に思い浮かぶのが「成長や健康にいい」というイメージだ。昭和の時代には、多くの栄養を補えるといった印象が定着し、学校給食でも広く親しまれてきたが、振り返ってその“効果”を疑問視する声もある。

「母親から“背が伸びるから飲みなさい”と言われたけど、全然伸びなかった」(50代男性)
「“骨が強くなる”と言われて中学時代に毎日1リットルの牛乳を飲んでいたが、お腹がいつも緩かった」(40代男性)
「“よく噛んで飲め”と言われていたので牛乳を噛んでいたけれど、意味があったのか、いまだに分からない」(50代男性)

「牛乳は完全栄養食」と位置付けられてきた一方で、昨今は「牛乳を飲むと不健康になる」という話を耳にする機会も出てきた。都内在住の50代男性が語る。

「年末に実家に帰ったら、80代の親に『牛乳を飲むとがんになるから、孫には飲ませるな』と注意されました。コロナで健康に気を遣うようになり、『牛乳不健康説』に感化されたようです」

「骨粗しょう症になる」「がんになるリスクがある」といった牛乳不健康説も出回っている。さらに、3回目のコロナワクチン接種が近づくなかでの岸田首相の消費拡大の呼びかけに対し、「ワクチン接種後に牛乳を飲むと、免疫機能に異常が出る」といった陰謀論めいたインターネット上の書き込みまでみられた。一体、牛乳は体にいいのか、悪いのか。

「ここ15年くらいの間で論争が盛り上がり、繰り返されています」

そう指摘するのは、小田原短期大学食物栄養学科の平井千里准教授。

「近年の論争のきっかけの一つは、2005年頃から度々出版される牛乳有害説を唱える書籍の影響と言えます。それまで体にいいとされてきた牛乳に対して、“牛乳が逆に骨を脆くする”といった論がセンセーショナルに打ち出されるようになった。対する乳製品業界なども黙ってはおらず、多くの異議が唱えられて論争に発展しました」

2015年には、お笑いタレントの松嶋尚美が「牛乳を飲むと体内のカルシウムが尿で排出される」「乳製品を多く摂る欧米人は骨粗しょう症になりやすい」などの説をテレビで語り、炎上する騒ぎもあった。

学校給食でも牛乳の扱いに変化が起きている。15年、新潟県三条市は学校給食での牛乳の提供を停止した(給食時間と別に牛乳を飲む「ドリンクタイム」を設けたが、現在は停止)。

「最近では“米飯や麺類に牛乳が合わない”“そこまでして飲まなければならないものなのか”といった保護者からの意見も少なくありません。1954年に施行された『学校給食法施行規則』では牛乳の提供が定められていますが、三条市独自の判断が優先されたかたちです。論争の影響は学校給食にまで及んでいるのです」(平井氏)

遡ると、乳製品に対する論争は明治期から存在したとの視座もある。梅花女子大学食文化学科の東四柳祥子教授の研究によると、富国強兵策の一環として乳製品の摂取が注目され始めた1870年代の明治初期の段階で、安全性への疑いを持つ声もあったという。150年に及ぶ論争だが、前出の平井氏はこう見る。

「牛乳の栄養価の高さを疑う余地はありません。カルシウムやタンパク質にミネラルといった栄養素を豊富に含みます。ただし、飲み過ぎるとカロリー過多やカルシウムの過剰摂取で結石ができやすいといった不具合が起こることも考えられます。完全栄養食とは言えないが、適量を摂る分には体に悪いものではありません」

※週刊ポスト2022年1月28日号
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ここでは、牛乳が栄養食かどうかと言う議論と給食でも嗜好が大事にされてもいいのではないかという議論がごちゃ混ぜになっています。日本人の背が伸びたのが給食牛乳の成果だと言う根拠はありません。給食牛乳をしても現代の子どもの方が骨折しやすくなっているわけですからカルシウム云々の根拠にはならないです。日本の子どもの給食で牛乳を提供するという法律のおかげで、日本の畜産業が息をつないでいると言う業界の意向に押されて給食牛乳の法律は70年近く続いているのです。子どもの健康問題ではなくこの既得権益をどう考えていくかが事の本質と言えます。

筆者が給食で一番違和感を感じたのが、米飯メニューに牛乳です。食文化としてどうなのかと同僚に聞くと牛乳で米飯を炊くメニューもあるから気にしないとのことでした。世界では牛乳で米を煮るのは珍しい事ではなく、イギリスではライスプディング、ドイツはミルヒライス、インドではキール等とどれもミルク粥風で、材料は牛乳と米以外に各国様々、作り方にも違いはあれど、共通しているのは「甘い」ということです。

世界では「牛乳+米」という式には「=おやつ」という答えを出している国が多いようなので、つい米を主食にする者として、反射的に非難がましい想いがわいてきます。しかし、我が国も米にあんこをまとわせて食べていますから米に甘い味付けは日本ではありえないとは言えないなと批判はあきらめましたが、米飯メニューに牛乳が出るのと牛乳で調理するのでは意味が違うではないかと密かに思っています。

ICDー11

昨年、WHOの国際疾病分類は、ICD-10から30年ぶりに改訂されICDー11になりました。厚生労働省は、WHO承認後、国内への適用作業を進め、1〜2年で施行するという予定を案として公表しています。今回の改訂では、心理的発達の障害を神経発達症群とカテゴリー名を変えました。区分は米国精神医学会のDSMー5に沿った「神経発達症」の概念が採用されています。また、我が国ではDSMー5の翻訳の時からdisorderとdisabilityのどちらも「障害」と翻訳するのではなく、特に小児の場合は症状が変わるし治療で軽快する例も少なくないので「症」を使う方向性が示されています。

知的障害の名称は「知的発達症」で、軽度、中等度、重度、最重度の区分分けはそのままで、IQが相対的に高くても社会的適応能力が低ければ相対的に重い判定となるのも変わりません。

会話及び言語の特異的発達障害は「発達性発話または言語症群」となりました。詳細区分として、発達性語音症・発達性発話流暢症・発達性言語症に名称が変更になります。あとに出てくるLDの読字不全やASDを除外した発達性言語症の判別が整理されていないように感じます。

広汎性発達障害は、自閉スペクトラム症で小児自閉症やアスペルガー症候群などの下位分類が改訂され知的発達症や機能的コミュニケーションのレベルで分類されます。

学習障害は発達性学習症になり、読字不全・書字表出の不全・算数不全と詳細区分もDSM-5に揃えました。運動機能の特異的発達障害も、発達性協調運動症となりました。全て「発達性」で統一しました。

情緒障害の分類だったチック症は、神経発達症の分類へと移動しました。詳細区分に、トゥレット症候群・運動のチック症・音声のチック症が入ります。

AD/HD多動性障害は、注意欠如多動症で「欠陥」が「欠如」に変更されます。不注意優勢型・多動衝動性優勢型・混合型の分類はそのままです。

話は変わりますが、障害は理解できるが発達がわからない(?)という放デイ業界の方が少なくないと聞きましたICDやDSMの神経発達のカテゴリーは発達の問題を扱った症状カテゴリーです。知的発達症は全般的な発達の遅れです。これに対して、ASDは社会性の発達、AD/HDは衝動性や注意の調整力の発達、LDは音韻・書字・数量処理の発達、つまり全般ではなく部分的な発達の遅れや凸凹を原因とした症状をさします。発達の遅れにはいろいろなバリエーションがあるという分類です。

それとも、発達がわからないというのは、子どもの通常の発達の順序性をよく知らないというのが同義でしょうか。例えば、数量認識が通常4歳頃で、まだ序数(数える量)段階なのに、繰り上がりな量の合成分解の操作をさせている間違いです。算数障害で量感覚がイメージできない場合も量の合成分解で躓きます。

「こぶた たぬき きつね ねこ」のしりとりは、単語を音に分解したり構成したりする能力(音韻操作)通常6歳の言語発達で完成することを知らずに取り組む現場。全般的遅れがなくても音韻意識に遅れがあれば就学年齢でも困難は続きます。結局、障害は分かるが発達が分からないというのは肢体不自由など目に見える障害は分かるが、目に見えない発達障害やは理解されてないという事でしょう。

社会性発達の順序性が無視された指導も少なくないです。通常6歳の自己認知の発達は経験を蓄積してだんだんできるようになる自分を認識して自尊感情を育てていく時期ですが、この大事な時期にやってもやってもできない課題を与えたり、逆にすぐにできてしまう課題を与えてしまう誤りなどです。発達には順序性がありその段階に合わせた指導をしたときに発達の伸長が望めるのです。ハイハイしている子どもには歩く指導ではなくたっぷり四つ這いできる環境と励ましを与えるのと同じ事です。

ただ、発達の順序性とは言うけれど、あくまでこの順序の子が多いと言うだけの話でしかありません。この平均の物差しで測っているに過ぎない事を忘れて、平均でない多様な子どもを理解したかのように思い込む人もたくさんいます。物理的に歩けない子には車椅子の操作を教えるように、聴覚記憶の弱い子には視覚情報で補う支援をします。車椅子の子に、平均は歩く事だという人はさすがにいませんが、絵カード支援を見て、特別(平均的ではない)事をするから聞く力が伸びないと思い込み、子どもの才能と自尊心を悪意もなく潰し続ける人はまだいます。

大事なことは子どもにはみな凸凹の個性があり、その個性に合わせた支援にはあらかじめ決まったものなどないと、専門家なら心得ているはずです。子どもができない事を障害や発達の遅れに還元してしまわず、指導している自分のせいだという謙虚さがあれば、おのずと良い支援のアイデアは思いつくものですし、そのアイデアに必要な情報は自分で手に入れているものだと思います。

もっと知って「場面緘黙」

学校でだけ声出せず「なぜ沈黙」もっと知って「場面緘黙」

2020/12/30 12:00【神戸新聞NEXT】

「私の生きづらさ、『場面緘黙(ばめんかんもく)』を知っていただきたい」-。漫画家細川貂々(てんてん)さん(兵庫県宝塚市在住)とのコラボ企画「生きるのヘタ会?てんてん×神戸新聞」宛てに、神戸市の会社員みほさん(50)から手紙が届いた。場面緘黙とは不安障害の一つで、自宅では普通に会話できるのに、学校など特定の状況では声を出せない症状。世界保健機関(WHO)が定めた疾病分類にも登録されている。周囲の理解がなかなか得られず、みほさんは「非常に苦しい子ども時代を過ごしました」とつづっていた。(中島摩子)

12月半ば、記者はみほさんと神戸市内で会った。事務の仕事をし、大学生と高校生の子どもの母親という。

中学生の頃まで、家庭では普通に話せるのに、学校でほぼ声を出せなかった。「みんなと同じように話したいのに、『話さなきゃ』と思うと喉が詰まったようになる」。吃音(きつおん)とも異なるという。例えば国語の授業中、本読みで指名されると「緊張して心臓がドキドキ、頭がクラクラして声を出せなかった」と振り返る。

さらにつらかったのが、周囲の理解のなさだった。「あいさつをしなさい。おはようの『お』だけでも言って」「どうして言わないの」。そう先生に責められた。声を発せずにいると、「ずっと立っているように」と言われたことも。「わざとだ」「甘えている」と誤解され追い詰められた。

「自分でもなぜこうなるのか分からない。こんな苦しみを抱えているのは、世界で1人だけと思っていました」。高校進学で大きく環境が変わり、少しずつ声が出せるようになった。ただ「今も、最初に声を発するときは勇気が要る」と話す。

生きづらさの原因が、場面緘黙と知ったのはわずか6年前だ。テレビ番組で同じ症状の少女が紹介されているのを見て、「私やん!」と驚いた。長年苦しんできたみほさん自身も知らなかったほどに、まだまだ認知されていない。

一方で今、この時も悩んでいる子どもたちがいる。「学校などで場面緘黙をもっと知ってもらい、気付いて、支援につなげて」とみほさん。周りのクラスメートらも「しゃべらない子」と決めつけて仲間外れにするのではなく、気軽に話し掛け、輪に入れてあげてほしい、と願う。

■「気持ち表す手伝いを」専門家500人に1人同様の症状
「話さない」のではなく、「話せない」のが場面緘黙だ。普通に話せるときがあるのに、ある特定の状況では一貫して話せないことなどが診断基準とされる。多くが子ども時代に発症するが、はっきりとした原因は分かっていないという。

全国的な調査はないが、関西国際大(本部・三木市)教育学部の梶正義教授(62)が2015~17年、神戸、尼崎、西宮、姫路市の公立小学校の児童約14万7千人を対象に調べたところ、約500人に1人の割合で場面緘黙の症状が見られたという。

神戸市出身の落語家、桂あやめさんも、幼稚園から小学2年まで場面緘黙の症状があったことを明かしている。

不安が強くなると、体が動かなくなったり、倒れたりする子もいるといい、自己肯定感が低くなる傾向がある。「単純に話させようとするのはマイナス。話し言葉にこだわらず、文字で伝えたり、指さしをしたり、とにかく気持ちを外に出す手伝いをすることが大事」と梶教授。環境の変化で改善することもあるというが、「そのうち治る、というのは誤解。早期の適切な支援が必要」と話す。

周囲が理解して自信を育てることが大切とされ、カウンセラーや専門医のほか、当事者団体もある。(中島摩子)

◇◇

【みほさんの手紙の全文】
私の生きづらさ、「場面緘黙」という症状をご存知でしょうか。自宅で、家族とは普通に話せるのに、学校や幼稚園、または自宅外で他人と話そうとすると全く声が出なくて会話ができない、というものです。

私はこの場面緘黙のため、中学校を終わる頃まで「学校」という枠の中で、ほぼ声を発することが出来ませんでした。自分はみんなと同じように話したいのに、どうしてもどうしても声が出ないのです。自分でもなぜなのか分かりません。

しかし、家族とは普通に話しているのを親はもちろん、先生も親から聞いて知っているので、周りの大人は皆、私が何らかの理由があって自分の意思で話さない、あるいは精神的に幼くて話さないといけないことが分からなくて話さないのだ、と思い込んでいて、「なぜお話しようとしないの?」「ちゃんとお口でお話しないと分からないよ」などと叱られ(時には罰を与えられ)、話したくても話せないだけで十分苦しいのに、周囲はそれを理解してくれなくて怒られる、という精神的に非常に苦しい子供時代を過ごしました。

幸い高校からは少しずつ声が出せるようになりましたが、子供時代に他人との「会話の練習」が出来なかったために今でも会話が苦手です。理解してもらえないのは、決して知的に考える能力がなくて話せないのではなく、普通に自分の考えや伝えたいことがあるのですが、それを最終的に「声に出して話す」という部分だけが苦手、ということです。

自分のこの症状が「場面緘黙」というちゃんと名前の付いた症状として存在するのだ、と知ったのは6年前でした。たまたま観ていたテレビ番組で、家では話せるが学校では会話ができない場面緘黙の少女が紹介されていて、「これ…私やん!」と心底びっくりしました。それまでは、家では話せるが学校では声が出ないなんておかしな人間は世界中に私1人くらいだろう、と思っていたのですから。

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場面緘黙の子どもと出会ったのは1度だけです。もう30年以上前の話です。小学校3年生の女子でした。おかあさんはとても社交的な人で、親子は似るものと思っていた筆者には驚きでした。まぁ、家で喋るならいいやと、そう気にもせず長い間忘れていました。その子は、全く喋らなかったのではなく、付き合い始めて2年目に、か細い聞き取れないほどの声で音読したり話したりすることがありました。あれは、大奮発のサービスだったんだと悔やまれます。本人はいかほどに苦しかったかと思います。

以前に「場面緘黙2019/06/28」でも掲載しました。支援関係の仕事についてから、思っていたより少なくないと感じていたからです。当事者団体もでき、早期治療が必要だとわかったのもここ10年です。気になったのは、本人が自尊感情が低く、なんでもあきらめがちで、能力はあるのに学力の低い子が少なくないことです。適切な自発性の表出コミュニケーションは生きていくうちで何よりも大事です。それは、自分の発信で周囲を変え得るという経験です。例え周囲が理解して意図をくみ取ってくれたにしても、自分から発信ができないというのはつらいものです。だからと言って、喋ることは当たり前だと何の配慮もなく押し付けてくるのは文字通り言語道断です。

 

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子どもの感染拡大 募る不安…受け入れ続く「放課後施設」 発熱外来も急増…3分の1が15歳未満

子どもの感染拡大 募る不安…受け入れ続く「放課後施設」 発熱外来も急増…3分の1が15歳未満

2022年1月18日【長野放送】

子どもへの感染が急拡大し、休校なども相次いでいます。長野県松本市の放課後に子どもを預かる施設は現在も受け入れを続けていて、不安を募らせています。

病院に並んだ車。発熱外来の受診者です。こちらの医師が往診しているのは子ども。病院では年明けから受診者が増えていますが、特に急増しているのが15歳未満です。15日は1人でしたが、17日は65人中22人とおよそ3分の1を占めました。

病院も対応で負担が増しています。
子どもたちへの感染拡大。新学期が始まったことが要因と考えられ、県によりますと17日時点で県内の小中高校41校が休校や学年閉鎖などの対応をとっています。

病院では「発熱やのどの痛みなど少しでも違和感を感じたら学校には行かず検査を受けてほしい」と呼びかけています。

こちらは松本市の高宮児童センターです。現在も受け入れを続けていて18日も60人が利用しました。
高宮児童センター・太田武志館長:
「学年を超えてたくさんの子どもが集まりますので、非常に危険なリスクの高い状況と心配している」
第5波では市が保護者に対し施設の「利用の自粛」を呼びかけましたが、今回はそうした要請は出ていません。センターは市に「人数を減らすなどの対応をしてほしい」と考えていますが、今は消毒や換気などこれまで通りの対策を徹底するしかないと話します。
高宮児童センター・太田武志館長:
「(学校に比べ)センターの場合、どうしても密な状態ができてしまう。子どもたちの感染のリスクが高いことを肝に銘じて職員一同、基本的な感染防止対策をやっていかないといけない」

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感染報道の典型かなと思いました。施設側が子どもを預かって不安と表現することで、「自粛の呼びかけがない」としながらも暗に利用を控えて欲しいという誘導になります。「60人が利用」と言いますが、学校ははるかに多い子どもが活動していますし、「感染リスクが高い」といいますが、子どもの集まるところの感染リスクが高いのはこの2年間ずっと変わりません。病院の発熱外来で自家用車が長蛇の列で待機して医師が巡回してくる様子を報じる事で、この感染力の強力さを表現していますが、実際にどの程度の症状なのか医師のインタビューはせず、素人の不安インタビューを報じて印象操作をします。

今回は上気道での炎症が中心なので風邪の症状です。子どもの重症者はおらず僅かに高齢者の重症例があると言う話です。ワクチン接種者にもブレークスルー感染すると言いますが、接種者の症状例に入院を必要とする重症例はありません。大阪府では、従来の2類相当の感染として扱うと、濃厚接触者の特定や措置までしなければならないのですが保健所はもう手が回らず、学校や老人施設だけにすると決めました。政府も濃厚接触者の自宅待機期間を2週間から十日に縮めました。エッセンシャルワーカーは陰性証明を前提に更に3日縮めました。今回の感染症状の多くは軽いですが子どもが多く感染するので、施設や学校の仕事では職員が濃厚感染になる可能性が高く、子どもが感染する度に濃厚接触者扱いされるとサービスはできなくなっていきます。

症状が重いなら仕方がありませんが、重症例が極めて少なく全てのエッセシャルワーカーが接種を済ませているのに接種前と対応が変わらないのは、政治家のエクスキューズ(言い訳)のためです。厳しめに対応しておけば失敗してもクレームは少ないが、規制を緩めて感染が拡大すれば因果関係がはっきりしなくても政治生命に関わると判断しているからです。これまでの制限について科学的な効果は確認されていないのに、教育関係では再び県をまたぐ修学旅行や試合などを中止し始めました。

それをならってか、飲食関係も再び規制対象になる「まん延防止等重点措置」で客足が遠のきます。ワクチン接種証明アプリで飲食や旅行をスムースにしようと言う話も雲散霧消し政治家は誰も言わなくなっています。本当のリスク管理とは子どもが受ける社会的なリスクと感染リスクの比較によって判断する施策のはずです。大は小を兼ねるというような施策なら誰にでもできる話で政治家は必要ありません。ピークアウトする2月半ばくらいまでまた我慢の季節がやってきます。

【図.知見のまとめ:子どもの COVID-19 関連健康被害 (日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会作成)子どもは多くの場合、家庭で感染しているが、幸いほとんどの症例は軽症である。しかし、COVID-19 流行に伴う社会の変化の中で様々な被害を被っている。】

木村泰子さんの言葉

大阪の大空小学校初代校長の木村泰子さんの言葉にはパワーがあります。映画『みんなの学校』の舞台となった大阪の大空小学校は、発達障害と診断された子や不登校だった子など、さまざまな問題を抱えた子どもたちがともに学び合い、元気に卒業していきます。日本の教育システムが変わらない原因は何なのでしょう?社会は、人と違う考えや行動ができる「ふつうじゃない人」を求めるようになっているのに、大人が勝手に決めた「ふつう」の基準に当てはめて判断しようとします。社会が求めるニーズと教育現場が、どんどん乖離しています。本来、子どもの成長度合いを検査する目的は、その子の特性を知ったうえで、周りの子どもたちと安心してつながって、一緒に集団生活を送るためであるべきと木村さんは言います。以下、木村さんのインタビューです。ごく当たり前のことしか言っていないのですが、強烈なパンチ力があると感じるのは私だけでしょうか?

Qーーーー大空小学校に転校してきた子が、前の学校で体操服に着替えるのを嫌がり、「例外は認められない」という理由で、体育の授業を受けさせてもらえなかった話がありました。

Aーーーー体操服に着替えるのが嫌なら、そのままの服で体育の授業を受けさせればいいんです。子どもには学習権があります。憲法二六条は、「すべて国民は、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と定めていますからね。子どもが学校にくる目的は、体操服を着ることじゃない。体育の授業を受けることですから。私がその子の親なら、「この子は自宅以外では着替えられないので、この服装のままで体育の授業を受けさせてください」と学校に言います。それでも「困ります」と言われたら、「憲法にある子どもの学習権についてはどうお考えですか?」と勝負をかける(笑)。体育の授業の目的は、運動をすることにあるのです。本当の公平は、体操服に着替えられない子がいても、「体育ができれば、その服のままでもええよ」と、その子の個性を認めて安心させること。そして、周りの子も安心して授業を受けられるようにすることです。「ふつう」ができない子どもがいても、お互いを認め合って尊重することを、子どもたち自身で学ぶ。その手助けをするのが先生の役割ですし、それこそが本当の公平な関係性なんですよ。例外を認めず、みんなと同じようにさせるのが公平という考え方は100パーセント間違ってます。

Qーーーー大空小学校では、さまざまな子どもたちが一緒に学ぶ環境でありながら、先生は定時退勤できていました。なぜそのような教育環境を作ることが可能だったのでしょうか。

Aーーーー私が9年間校長を務めた大空小は、全校児童260人中、「発達障害」と診断され(障害者)手帳を持っている子どもが50人を超えていました。そう聞くと「先生の負担が多くて大変そう!」と思われるかもしれませんけど、日常は勤務時間が終われば帰っていました。 じゃあ、なんで他の学校の先生たちは、いつ死んでもおかしくないほど長時間労働しないといけないのか?大空小では、一人一人の子どもが自分から学校へ来て、1日学んで、納得して家に帰ります。それは、私たち教師が子ども同士をつなげて、子ども同士で教え合ったり助け合ったりしているからです。大空小学校のルールはただひとつ。「自分がされていやなことは人にしない 言わない」。この約束を守ることだけです。子どもが学校生活を楽しんで納得できると、いじめも不登校もないし、親からクレームがくることもありません。教師は生徒や親の問題解決や相談事に時間をとられる必要がないから、本業だけやっていればいいんですよ。教師の働き方改革より、学び方改革をしないといけないわけです。

 

子どもの性被害どう防ぐ?

学校や保育の現場での子どもの性被害どう防ぐ?法改正に高いハードル

2021年1月5日 17時14分【毎日新聞】

子どもへの性犯罪で処分を受けた教員や保育士の免許や資格に制限をかけるための制度改正を巡る議論が政府・与党で本格化している。子どもへの性犯罪は再犯率が高いとされるが、自分の犯歴や処分歴を隠し、職に復帰することも可能だからだ。しかし、法改正には高いハードルがある。

「法制上、乗り越えられない課題があり、法案として提出できる状況には至らなかった」。萩生田光一文部科学相は昨年12月25日、わいせつ行為で懲戒免職となり、免許を失効した教員が再取得できないようにする法改正を断念する方針を明らかにした。

教員の子どもへのわいせつ行為について文科省は原則懲戒免職とするよう求めてきた。しかし、教育職員免許法(教免法)では懲戒免職処分を受けると免許は失効するが、最短3年で再取得できる。これを無制限に延ばすことが検討されてきた。

背景には、子どもへのわいせつ行為が「高止まり」していることがある。同省は昨年12月、2019年度にわいせつ行為やセクハラを理由に懲戒処分や訓告を受けた公立小中高校などの教員は273人で過去2番目の多さだったことを明らかにした。勤務校の児童生徒や卒業生ら18歳未満の子どもに対する行為での処分者は126人に達した。

保育でも同じ課題を抱える。昨年4月以降、ベビーシッターマッチングサイト「キッズライン」の登録シッター2人が相次ぎ性犯罪の容疑で逮捕された。うち1人は保育士。同7月には被害児童の母親や保育事業者が記者会見して「性犯罪者を保育・教育現場から排除する方法がない」と訴え、犯歴照会のデータベース整備と、保育・教育現場で働く人が事業者に「無犯罪証明書」を提出するよう義務付けるよう求めた。英国で運用されている犯罪歴確認制度「DBS(Disclosure and Barring Service)」の日本版にあたる。

子どもへの性犯罪は再犯率が高いとのデータがある。16年の法務省法務総合研究所の性犯罪研究によると、性犯罪者の約3割には性犯罪の前科があった。2回以上、性犯罪の前科がある人のうち、同じ「小児わいせつ型」の犯歴を持つ人の割合は約85%だった。

こうした犯歴のある保育士や教員を現場から追放するのは難しい。保育士は児童福祉法上、児童買春・児童ポルノ禁止法違反罪による罰金刑や、その他の罪で禁錮刑以上を受け、保育士登録が取り消されても、2年後に自分から手続きを取れば再登録が可能となる。

厚生労働省は18年、逮捕段階で勤務先の保育所が都道府県に報告を徹底するよう通知。都道府県にも、犯歴照会と登録取り消しの徹底を求めた。ただ保育士は登録や犯歴に関する情報が自治体間で共有されなければ、別の自治体で登録して働ける余地がある。自治体間の情報共有や再登録状況について厚労省は「把握できていない」としている。

そもそも犯歴は、個人情報保護法で「特に配慮を要する個人情報」に位置づけられている。同法は、自身の個人情報であっても、刑罰に関するものはアクセスできない、と定める。

与党内では議員立法で制度改正を目指す動きもある。自民党の野田聖子幹事長代行ら与党有志による検討チームは、学校や保育所などの施設の設置者に被害防止の努力義務を課す(児童買春・ポルノ禁止法改正)▽教免法について「児童買春・児童ポルノ法違反罪などで罰金刑を受けた者」を免許を取得できない「欠格事由」として追加する法改正――を柱とする政策骨子案をまとめた。医師、看護師、保健師などについても、子どもに対する性犯罪で罰金刑以上を受けた場合、免許を取ることを一律に不可能とする「絶対的欠格事由」に定める関連法改正案を秋の臨時国会に提出することも視野に入れていた。

しかし、各省庁は調整段階で難色を示した。理由の一つは「刑の均衡」。性犯罪だけを取り出して他の犯罪よりも厳しい扱いにするのは困難、という理屈だ。

萩生田文科相も法改正の断念理由に挙げたのが「刑の消滅」だ。刑法では、懲役刑や禁錮刑だと刑を終えてから10年、罰金刑なら5年の間に、再び刑を科されなければ刑の言い渡しは効力を失い、前科に伴う資格制限がなくなる。DBSも、刑法や、憲法が定める「職業選択の自由」との兼ね合いが課題となる。

与党の検討チームでは、児童買春・ポルノ禁止法違反罪の法定刑を引き上げる案も浮上。昨年12月には、上川陽子法相に「日本版DBS」を創設するよう申し入れた。メンバーの一人は「子どもへの性犯罪は露見しづらく、教育・保育の場から逃げることも難しい。幅広く検討している段階だ」と話す。自民党・性暴力のない社会の実現を目指す議員連盟も「教員免許の再取得を禁止する方向で検討すべきだ。保育士なども同様の対応を検討すべきだ」との提言案をまとめた。

教員の場合、懲戒免職で免許を失効すると名前は官報に掲載されるが、記載漏れの事例も相次ぐ。閲覧期間は従来3年(昨年11月からは5年に延長)で、処分歴を隠して採用されたケースもあったため、この情報を検索できる期間を2月から40年に延ばす。失効理由が「わいせつ行為」であることが分かる記載とするよう省令も改正する。

厚労省も保育士の性犯罪に関する実態調査や法改正の検討を始めた。しかし、厚労省幹部は「人権の制約につながるため政府として提案できる法改正には限界がある。ただ、子どもを守るため永久追放すべきだという世論が根強いことも理解できる。立法府の議論を注視したい」と話す。【中川聡子、大久保昂】

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必要なことがすぐに決定できない、決めたことがなかなか変えられないのは民主主義社会だからと言う人もいますが、それにしても我が国の役人の動きは遅すぎるように思います。武漢風邪についても最初は感染症の実態がよくわからないからペストなどにあたる二類感染症相当の決定は仕方がなかったかもしれません。しかし、夏が過ぎた段階で感染症の実態がほぼ明らかになり、欧米と比べてもほとんどの人は極めて軽症で済むことがわかってきました。そして、二類感染症相当指定のままで冬に突入すると、無症状や軽症の人まで隔離しなければならないことになり、結果医療崩壊を起こしかねないと誰もが警告していたのです。結局政府は10兆円の予備費を医療支援にも使わず、かといって感染症指定を変えるわけでもなく漫然と成り行きに任せていたと言われても仕方がありません。

子どもの性被害の多くが公的な機関で生じているのに、これまた法律の整合性が合わないからなかなか変えられないと役人は重い腰を上げません。票に結びつかないのか政治家もこの問題を取り上げません。保育士登録も教員免許も性犯罪で失効してから最短2~3年で再取得できるという制度のほうがおかしいのです。おかしな制度は変えればいいのに人権の制約につながると二の足を踏むのです。性犯罪者の人権と子どもの人権を考えればどちらを守るべきか優先すべきものが見えてくるはずですが、武漢風邪の対応を見ているとなんとなく政府の言い訳が理解できてしまうのが悲しいです。

 

台湾の教育制度や病に苦悩した、天才オードリー・タンの軌跡

台湾の教育制度や病に苦悩した、天才オードリー・タンの軌跡【書評】

2022.01.19【Pen】文:今泉愛子

『オードリー・タン 母の手記「成長戦争」自分、そして世界との和解』
近藤弥生子 著 KADOKAWA ¥1,980 
近藤弥生子●1980年、福岡県生まれ。編集者、ノンフィクションライター。日本語と繁体字中国語でのコンテンツ制作を行う草月藤編集有限公司代表。おもな著書に『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』(ブックマン社)。

台湾のデジタル担当大臣として活躍するオードリー・タンは、10代の頃から天才プログラマーとして知られ、15歳で友人と会社を設立。学校教育を中学で終えている。

タンはどんな風に育ち、その天才ぶりをどのように発揮してきたのだろうか?

本書の著者、台湾在住のライターの近藤弥生子は、タンの母親である李雅卿(リー・ヤーチン)が1997年に出版した手記『成長戦争』をもとに、自身の見解、タンへのインタビューを加えて、タンの軌跡を詳細に追った一冊をつくった。

近藤は、タンの核となっているものは3つあると語る。

「心臓病を克服したこと、学校教育の場で自殺願望をもつほど追い込まれたものの、教育者や協力者との出会いによって立ち直ったこと、そして、両親が自分を受け入れ支持してくれたことです」

本書には、団体生活に馴染めなかったタンが、3つの幼稚園、6つの小学校を経験し、中学校で学校教育を終えた経過が克明に記されている。

11歳で心臓手術を受けた後、体調が大きく改善したタンは、著者のインタビューに対して「体調が改善したことから始まる“身体が弱くない”人生で、自分が過去に受けた仕打ちに対して、なにか未来に向けて貢献できないかと考えた」と答えている。

タンの幼少時代、台湾では体罰が横行し、子どもたちは競争にさらされていた。

「これからの台湾を担う若い世代は、タンの両親が我が子を守ったことが、教育の現場に風穴を開けたと感じています。これまで教育によってどれだけコントロールされてきたか、わかっている人が多いのです」と近藤。

学校生活における苦難を、社会構造の問題と捉えていたタン。本書で描かれるその姿は、自身の才能を社会に役立てようとする現在のタンと見事につながっている。

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天才プログラマーを大臣に起用する台湾ってかっこいいというのが、日本のメディアの反応でした。コロナ禍の中、マスクが買い占められないようにプログラムを開発した大臣として一躍有名になりました。2016年10月にデジタル担当の政務委員に就任して、35歳での閣僚就任は台湾史上最年少と言います。

「デジタル技術とシステムによって政府の問題解決を補佐し、民間と政府のコミュニケーションの促進と強化を行う。自分の役割は特定の団体の利益のために動くことでも、政府のために政策の広報を行うことでもなく、より多くのアイデアと力を結合させる『パイプ』となることだ。」と言うのがオードリー・タンのマニフェストです。

幼い頃からコンピューターに興味を示し、12歳のときにプログラム言語を学び始めたそうですが、学校が性に合わず何度も転校しています。14歳のとき、中学を中退して自分を支えてくれる父母や教育者らの力を借りて自学自習を始めます。19歳のときに、シリコンバレーでソフトウェア会社を起業した彼(女)は、トランスジェンダーとしてカミングアウトしている世界で唯一の大臣でもあります。

彼を登用した政府の本音はわかりませんが、少なくともビニール袋の有料化で2酸化炭素が削減できると言う若手大臣の登用とは筋が違うと思います。そして、この本が、不登校でも出世できるというような単純な立身出世本ではないことは確かです。

巨大中国に飲み込まれようとしている台湾が生き残るには、強権的なものから決別して民主主義を旗印に掲げる必要があります。台湾は民主主義のシンボルとしてオードリー・タンを登場させているようにも思えます。教育の自由は民主国家の存続と市民の自由の上に成り立ちます。「自分が過去に受けた仕打ちに対して、なにか未来に向けて貢献」したいというメッセージは広く台湾の若者に広がっているはずです。

自主休校

「子供を自主休校させた」ツイート続々対応は?問題なし?文科省に聞いた

1/6(水) 20:34配信【J-CASTニュース】

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、子供を「自主休校」させたと告白する投稿が、ツイッター上で相次いでいる。

家庭によって様々な事情があるようだが、学校の成績のほか、社会性の育成などへの影響を心配する声もある。文科省に対応について聞いた。

■妊娠中の母親を気遣って、息子が望んだケースも
小学校低学年の息子が、友達とオンラインゲームを楽しんでいたときだ。コロナ禍にあっても、友達の多くがショッピングモールや遊興施設、県外の祖父母宅に行っていることに気づいた。

すると、息子が急に「学校に行かなくてもいい?」と言い出したという。これは、母親が2021年1月6日、J-CASTニュースの取材に話したものだ。

「ママにうつしたら、お腹の赤ちゃんも、ママの病院の患者さんも心配」

母親が妊娠中で、医療関係の仕事をしていることも、息子は気にしていた。この訴えを受けて、母親は、7日の始業式からの自主休校を決めた。

実は、息子は、夏休み明けも計20日間、学校を休んでいる。このときも、お盆に外出した友達がいることを知ったのがきっかけだった。その後、登校したときに「ズル休み」「お母さんが病院で働いてるからコロナになった」などと学校で言われたといい、自主休校への理解が進んでいないのが実情だという。

母親は、低学年では黙って給食を食べるのが難しいと担任から聞いたといい、今後登校するとしても、給食を止めて時差登校などにしてほしいと訴えていた。

一方、小学校2年の息子がいる別の母親は1月6日、6月末に息子が発熱し体調を崩したことが自主休校に踏み切った理由だと取材に説明した。コロナではなかったそうだが、感染への不安が募り、家族と話し合って決めたという。それ以来、休校を続けており、冬休み中の感染拡大で「とても登校出来る状況にない」と話す。

文科省「家族の疾患などでは認めるが、基本的には学校に行っていただく」
ただ、「通常であれば自分の考え方とは違うお友達の意見を知ったり、話し合いから導かれる発見があったりすると思いますが、自宅学習ではそれらが行えない」とも明かす。

オンライン授業を希望したが、現状厳しいと言われたといい、担任の教師の好意で、週1回ほどオンライン会議「ZOOM」で学習サポートをしてもらっているそうだ。

年末年始に急速な感染拡大が報じられた影響か、冬休みが明けてから、ツイッター上では、「#自主休校」とハッシュタグを付けた投稿が相次いでいる。

この母親2人のように、登校したときのために時差登校や休校が長引く場合のオンライン授業などを求める声も多い。「全国で『登校選択制』・『オンライン授業』実施を要望します!」とするネット署名活動も始まり、1月6日夕現在で2000人以上が賛同している。

自主休校について、文科省の健康教育・食育課では同日、衛生管理マニュアルを通じて、学校長が判断すれば欠席扱いにはならないと各都道府県教委に通知していると取材に答えた。

「家族に基礎疾患などがあったり、学校の対策に不安があったり、地域で感染が増えていたりするなど、様々な状況が背景にあると思います。そうした場合には、指導要録にある出席停止や忌引きなどの日数に数えることも校長判断でできます」

その場合、学校の成績をどうつけるかについて、同省の教育課程企画室は、取材にこう説明した。
「生徒や児童が学校に来ない場合、宿題のプリントを配ったり、オンラインで授業を配信したり、フォローアップの必要があります。そうすれば、定期テストなどを受けなくても、学校の5段階評価などにこれらを加味することができます」

ただ、同室では、次のように強調した。
「クラスメイトと話し合ったりするなど、学校で学びを体験してほしいので、基本的には学校に行っていただくことになります。在宅を認めるのは、家族の疾患があったり、地域で感染が広がっていたり、やむを得ない場合になります」

オンライン授業については、各自治体で末端整備が順次進められているが、登校選択制は、検討しておらず導入する予定はないとしている。(J-CASTニュース編集部野口博之)

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武漢風邪に恐怖を感じ、子どもなりに家族に気遣いをしているという記事ですが、釈然としません。日本はアメリカCDC(疾病対策予防センター)も感染力の限界という35回以上のCT(増幅回数)値でPCR陽性反応が出たとして、無症状の人を感染者として扱います。感染判断には科学として疑義のある値と指摘があるに、「王様の耳はロバの耳」の逸話のように誰も聞こうとはしません。それどころか、無症状者を3割以上含む「感染者数」が増えたと毎日大騒ぎしているわけです。しかし、深刻そうにテレビに中で語る大人を見れば、子どもが自分も何かできないかと心悩ませるのは当然です。症状がなければこれまでは感染者と言わなかったことをどのメディアも言いません。どの大人も教えてくれません。

そうした中で起こっている、子どもの自主休校話は痛々しくしか見えないのです。家族が医療関係者だから、母親が妊娠しているから、祖父母と一緒に住んでいるから、自分は学校に行くべきではないと考える子がいます。それに対して大人は、感染メカニズムのことは避けて、プリント学習やリモート学習で勉強できるとしか情報を与えません。そして、政府は、緊急事態宣言はするけど、できるだけ学校は休校するな共通テストも実施するという、筋の通らないアナウンスをするのですから子どもが混乱しないわけがありません。

せめて、専門家や教育者は子どもには予防の事だけ伝えればいいとは考えずに、今回の武漢風邪や感染症の科学的知見を子どもに分かるような言葉で語ってくれることを切に望みます。

小中学校の不登校児童が過去最多の19万人超え!コロナで学校に行けなくなった

小中学校の不登校児童が過去最多の19万人超え!コロナで学校に行けなくなった子どもたちのSOS

01/21 【週刊女性PRIME】

長引くコロナ禍のもと、子どもたちが強いストレスにさらされている。その結果、いじめや自殺として異変が現れるケースもあれば、不登校という形でSOSが出される場合もある。文部科学省によると、全国の小中学校で不登校の児童生徒数は2020年度に19万人を超え、過去最多となった(国立、私立を含む)。

不登校が増えた背景として、’20年3月の一斉休校措置から続く影響を指摘するのは、NPO法人『フリースペースたまりば』の代表・西野博之さんだ。神奈川県川崎市を拠点に、コロナ以前から子どもたちに安心して過ごせる居場所を提供してきた。

「最初に緊急事態宣言が出された’20年4月当時、学校が閉まっていました。そこへ新入学や進級の時期が重なった。一斉休校が明けてからも、友達がいないという子どもが少なくない。子どもたちにとってみれば学校がおもしろくないんです。常にマスクをしなければならず、声を出してはいけないと注意される。給食も黙って食べる“黙食”。友達と遊ぶときも、触れ合えません」(西野さん、以下同)

外出自粛が叫ばれるなかで家庭環境も様変わりした。

リモートワークで増えた夫婦ゲンカ
「リモートワークになったことで父親が家にいるようになりました。もともと不登校の子がいる家庭では、父親が仕事に行く中で不登校を気づかれずにすんだ。ところが父親が家にいると“朝、起きない”“ゲームばかりしている”子どもの姿を見て、“おまえの態度は何だ”と怒鳴ったりするわけです。さらに矛先を母親に向け、“おまえが甘やかすからだ”などと罵倒するようなケースが増えました」

混乱し、不安を感じていたのは大人たちも同じ。飲食業や宿泊業を中心に失職したり、休業に追い込まれた人もいた。親のストレスがたまると家庭内で緊張が走りやすい。

「子ども1人ではなかなか勉強しないし、オンライン授業への対応は難しいので、親が隣にいることが多く、気が抜けない。もっと“勉強しろ”と言われる。暴言を吐かれたり、手を出されることもある。そのためコロナ禍であっても、フリースペースを閉めないことにしたんです」

子どもを置いて仕事に行けない
実際、一斉休校要請が出された翌日、若い母親からこんな電話があった。

「子どもを置いて仕事に行けない。子どもとずっと一緒で、しかも3食を作らなければならない。イラついて、手が出てしまいそうだ、と」

子どもの目の前で夫婦ゲンカをすることは『面前DV』という心理的虐待にあたり、児童相談所に保護されることもある。DVまでいかなくても、「夫との関係がうまくいかない」という女性たちの相談が増えているそうだ。

厚生労働省によると、’20年度の虐待対応件数は20万5029件と前年度比で5・8%増加。初めて20万件を超え、過去最多を記録した。

「夫婦ゲンカが激しさを増し、警察が介入するケースが増えていると聞いています。こうした中で、子どもの安全を確保するための一時保護が増え、保護所がいっぱいになってしまっているのが現状です」

不登校の子どもたちを取り巻く環境にも変化が生じている。フリースクールなどに通うことで、出席扱いになるケースも増えてきた。自宅でのタブレット学習も、出席と同様にみなす学校がある。

「校長裁量ですが、出席日数が不足していても中学を卒業できるケースがほとんどです。その後、通信制高校やサポート校へ進学する子どもがとても増えました。ただし、本人がその気になっていないのに、親が先回りして手続きをあせらないことが大事。親の言いなりで入った高校を中退したり、卒業後に再びひきこもる相談が急増しています」

一方、学校現場で子どもたちと日々対峙する教師は、どう感じているのだろうか。

「マスクを着用しているので、子ども同士も、子どもと先生の間でも、相手がどんな表情をし、感情を出しているのかわかり合えないんです」

そう話すのは、小学校で講師として授業を行う渡邉信二さんだ。長年にわたり公立小学校の教諭を務めたほか、教育委員会でいじめ自殺の調査に関わった経験も持つ。

渡邉さんは、「コロナ禍で不登校が増えるのは当たり前」と言い切る。

「コロナ疲れで週に何度か学校を休むケースが目立ちます。ストレスが強まり、いじめを生むこともあります。私が関わった学校でもいじめがあり、対応に追われた担任は休職しました」(渡邉さん、以下同)

文科省の定義によると、不登校とは、年間30日以上の欠席をした児童や生徒(病気や経済的理由を除く)を指す。前述のとおり不登校の数は過去最多を更新、今では1クラスに1人以上、不登校の子どもがいる状態だ。

「それだけ子どもたちは疲れているし、コロナ禍で不安を覚えています。しかも、不登校になると、学校側は再登校させることばかりを考えてしまいがちです。問題を担任や学年任せにせず、学校として対応しないといけません」

現在、渡邉さんはいくつかの学校を回って講演をしたり、講師として小学校で授業も行ったりしている。マスクで表情が隠れ、コミュニケーションが難しい状況であっても、さまざまな工夫を凝らす。

「例えば、子どもたちは机を教卓のほうに向けて授業を受けることが多いのですが、私は子ども同士が対話をしながら授業を行うのが好きで、以前は円形に机を配置していました。現在は感染対策のためV字形に机を並べ、ほかの子の表情や息遣いがわかるようにしています」

高校の不登校は約4万人
相手の表情がわかると、子どもたちは活発に発言し始めるという。コロナ以前からの取り組みが今に生きている。

「教師が精神的な距離感や関係性を縮めようとしたら、子どもたちにはそれが伝わります」

コロナ禍では教師と子どもたちの会話の量も減っている。そこで渡邉さんはノートを有効活用する。話したいことや伝えたいことを、子どもたちに書いてもらうのだ。

「ノートを読み、子ども各自に合わせたアドバイスを書きます。どうやって1対1の関係をつくっていくのかが重要なんです。大変ですが、時間をかけます。ノートに1行しか書かれていなくても、子どもたちから読み取ったことをコメントとして書く。すると、2行に増えたりしますね」

高校の状況はどうか。文科省によると、不登校は4万3051人。特に単位制の高校で1万4175人と多い。都内を中心に、高校で出張授業や相談を行うNPO法人『若者就職支援協会』理事長の黒沢一樹さんはこう話す。

「いまやオンラインで授業を受けることがスタンダードになりつつあります。そのためなのか、友達同士での会話が減っています。さらに文化祭や体育祭などの行事を中止したり、規模を縮小して開催する高校が多かった。コロナ感染拡大で学校に行けない期間が長かったことと、みんなで一緒に何かをする体験がないまま1年が過ぎたことが不登校に影響しているのではないでしょうか」

黒沢さんは「生徒がリアルにコミュニケーションできる場が減り、孤立しやすくなっている」として、不登校や中退対策の必要性を強調する。子どもの発するSOSをどう受け止め、つらい状況を改善させるのか、大人たちの真剣さが問われている。

取材・文/渋井哲也 ジャーナリスト。長野日報を経てフリー。若者の生きづらさ、自殺、いじめ、虐待問題などを中心に取材を重ねている。『学校が子どもを殺すとき』(論創社)ほか著書多数
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一昨日は出さないと言っていたまん防ですが、昨日の感染者の増え方に腰を抜かした知事は今日にも、京都大阪兵庫で政府に要請すると言います。どんな措置をしようと増える時は増え、減る時は減るというのがこれまでの経過で明らかになっていますので感染抑制の効果は期待できません。もう、蔓延しているのだから今更防止しても意味がないという人も多いです。これを措置することで、自粛に応じ店を閉めた業者への収入補填などが政府資金で可能になると言いますが、飲食店に食材を供給する業者も周辺で店を開く飲食以外の店にも支援はないままです。

大人は、腹をくくって明けない夜はないと思えば済むのかもしれませんが、子どもは違います。その年齢にしかないイベント、その学年でしかやらない取組、子ども時代にしか楽しめない集団遊びや友達とのやり取りがあります。これらは、全て子どもの精神発達に大きな影響を与えていきます。表情のわからないマスクで対応する子どものコミュニケーションがどれほど疲れるか、少し考えれば想像がつきそうなことですが、政府はそんなことより風邪程度の感染が広がる事の方が重大なのです。半年後に迫っている選挙でやるべきことをやらなかったと言われるのが怖くて仕方がないのです。

日本は世界の中で感染率も重症率も極めて低いのに未だに欧米と同じような措置を追いかけています。世界はもう1年も前から自粛から踏み出して景気対策に切り替え、日本を残して多くの先進国は景気を回復させています。実現するはずのないゼロコロナを求めて経済を停滞させ子どもの発達の場を奪っているのに、新型コロナと「しっかり」向き合っていくと大臣は言います。変化に対応できずに決断が遅く、一度決めたら変えられない癖、我が国の稚拙な政治は戦前と何も変わっていないではないかと言われても仕方がないような気がします。願わくば子どもたちが受けたダメージが最小限になるように私たちができることは、毎日戸外で走り回って遊ぶ支援を大事にしていくしかありません。

DSM-5

前回のICD-11の説明でいきなりDSM-5(米国精神医学会:精神障害の診断と統計マニュアル第5版)の名前が出てきたので解説しておきます。発達障害についての世界的に使われる基準は前回示したWHOのICDと、米国のDSMです。2013年にDSM-5は、20年ぶりの改訂がされました。「神経発達症群」はDSM-5から新設され、いわゆる「広義の(知的能力障害群等も含む)発達障害」として捉えられています。前回も書いた通りICD-11は、DSM-5に沿って改訂されています。心理発達から神経発達に変えた考え方や自閉症のレベルを連続体としてとらえる「スペクトラム」の名称で、アスペルガー障害などをこの中に含むものにしたことなどです。
DSM-5「神経発達症群」における分類
1 知的能力障害群
知的能力障害・全般的発達遅延・特定不能の知的能力障害
2 コミュニケーション症群
言語症・語音症・小児期発症流暢症・社会的(語用論的)コミュニケーション症
3 自閉スペクトラム症(ASD)
自閉スペクトラム症
4 注意欠如・多動症(AD/HD)
注意欠如・多動症・他の特定される注意欠如・多動症・特定不能の注意欠如・多動症
5 限局性学習症(LD)
読字の障害を伴う・書字表出の障害を伴う・算数の障害を伴う
6 運動症群
発達性協調性運動症・常同運動症・
7 チック症群
トゥレット症・持続性(慢性)または音声チック症・暫定的チック症・他の特定されるチック症・特定不能のチック症
8 他の神経発達症群
他の特定される神経発達症・特定不能の神経発達症