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小学生のスマホは慎重に

小学生のスマホは慎重にいじめ、犯罪のおそれも

2021年05月14日【産経新聞】

スマートフォンが小学生にも普及する中、SNSを巡るトラブルも増えている。ささいな行き違いから友人間でのネットいじめに発展したり、犯罪に巻き込まれたりするケースも。だが、SNS上でのトラブルを学校や保護者が把握するのは難しい。子供にどのようにスマホを使わせるべきか、慎重に考える必要がある。(木ノ下めぐみ)

大阪府東部に住むパート勤務の女性は、3年前に次女が巻き込まれたSNS上でのトラブルが、今も尾を引いていると話す。

炎上、不登校に
きっかけは、些細(ささい)なことだった。小学5年生だった次女が訪問先で撮影した犬の写真をFacebookに投稿したところ、グループ仲間の女児が「他人の犬の写真を勝手に上げるのはルール違反」との趣旨をコメント。次女は許可を得たことを説明したが、その後は「Instagram」や「TikTok」など、ほかのSNSにも写真や動画などを投稿するたびに批判され、“炎上”状態になった。

女性は次女の投稿内容を把握しており、「変な内容はなかった」と振り返る。状況が一向に改善しないため、投稿を控えることやアクセス制限、退会も勧めたが、次女は「退会したら学校で何をされるか」とおびえた。

次第に「学校にもネットにも居場所がない」とふさぎこむようになり、今も学校を休みがちな状態が続いているという。

被害、5年で倍増
短い言葉だけでやりとりするグループチャットは、大人同士でさえ誤解を招きやすい。実は、SNSには高度なコミュニケーションスキルが必要だが、生まれたときからインターネットが身近な「デジタルネイティブ」世代の子供たちは、ネットは使いこなせても、そこに潜む危険性を理解できているわけではない。

警察庁のまとめでは、2020年にSNSをきっかけに犯罪に巻き込まれた18歳未満の子供は1819人。全体の被害者数は前年から263人減少したが、小学生の被害は12人増の84人で、5年間で倍増している。背景にあるのが、スマホの普及だ。内閣府の20年度の調査によると、スマホでネットを利用する小学生442人のうち、41%が自分専用のスマホを持っていると回答した。

SNS上でのトラブルに遭遇した女児も、学童保育を卒業した小4のときに専用スマホを持ち始めた。母親の女性は「仕事で不在がちなので、スマホを持たせれば子供と連絡をとりやすく、安心できた」と話す。

規約浸透せず
実は、ほとんどのSNSは13歳未満の子供の使用を認めていない。Twitterは保護者の同意が必要で、近年小学生にも人気のTikTokは保護者が認めたとしても「アプリを使用できない」と規約に明記している。

だが、規約の内容が十分に保護者に浸透しているとは言い難い。東京都が21年、子供にスマホなどを使わせている保護者を対象に行った調査では、小学校高学年の保護者260人中、SNSの利用に年齢制限があることを知らなかった保護者は41.8%と、半数近くに上った。

子供たちに比べて、学校側や保護者はSNSで何ができるのか、知らないことも多い。例えばSNSを使っていなくても、オンラインゲームのチャット機能を使えば、不特定多数とのやり取りは可能だ。20年9月には、横浜市で小4女児がスマホ向けオンラインゲームのチャット機能で知り合った男に連れ去られる事件が発生している。

保護者はなぜ、小学生にスマートフォンを持たせるのか。
通信・ITサービスの調査を行うMMD研究所が19年12月、保護者約1000人を対象に行った調査では、小学生の子供にスマホを持たせる理由で多かったのは「習い事に通い始めた」(20.6%)、「学校の行き帰りが心配」(18.9%)など、子供の安全確認を目的としたものが多い。

ただ、子供たちのスマホ利用を保護者が管理できているとは言い難い。

内閣府の20年度の調査では、スマホを小学生に使わせている保護者の95.2%が利用時間や閲覧できるサイトの制限といった管理をしていると答えた一方、子供が具体的にどんなサイトを見ているのかなど、利用状況まで把握している保護者は40.3%だった。

子供のネット利用などに詳しい兵庫県立大学の竹内和雄准教授は「どうしてもSNSを子供に使わせたいなら、どのように使用しているかを親がもっと監督すべきだ」と指摘。「子供にいつからどのようにSNSを使わせるべきか、社会全体で議論する必要がある」としている。

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SNSの問題と言うより、それは学校でいじめがあると見るべきで、SNSがきっかけになっただけで、SNSの問題ではないように思います。確かに、デジタルコンテンツが小学生まで使えるような時代になっているのに、大人の管理指導がその浸透速度に追い付いてないことで生じている現象とも言えます。だからと言ってスマホを使うなと規制することはもはや不可能です。

ただ、スマホの個人識別はやろうと思えば簡単にできますから、端末の使用者が未成年である証明提供を、携帯会社が行う仕組みやそれに基づいた法規制はやろうと思えばすぐにできる内容です。未成年と識別される情報提供のある携帯端末はSNSにはアクセスできないようにするのは簡単なことです。

また、法の網をかけなくても、子どもの携帯端末の管理ソフトを使えば、大人の判断でアプリをインストールできなくすることも可能です。子どもの携帯端末の管理は保護者の責任です。少なくとも子どもに携帯を与えるなら管理ソフトを使ったり、管理会社と契約するのは親の義務だと思います。しかし、事はこうした親のネットスキルだけの問題でなく、子どものネットリテラシーやモラルの育成が課題だと思います。法律家や政治家は社会的規制をかけることを検討し、親や教育関係者はスマホの責任にせず、ぶれずに人権教育を進めていくことが大事なのだと思います。

強度行動障害

強度行動障害とは、自分の体を叩いたり食べられないものを口に入れる、危険につながる飛び出しなど本人の健康を損ねる行動、他人を叩いたり物を壊す、大泣きが何時間も続くなど周囲の人のくらしに影響を及ぼす行動が、著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要になっている状態のことを言います。
この定義に加えて、「家庭で通常の育て方をし、かなりの養育努力があっても著しい困難が持続している状態」という但し書きも付されています。つまり、精神医学的な診断(例:精神遅滞、自閉症、統合失調症)とは別に、さまざまな養育上の努力はしていても、行動面の問題が継続している状態に対して付けられる呼称が「強度行動障害」であるということです。

下に厚労省が示した障害支援区分に基づく行動援護の判定基準表があります。合計10点以上が行動援護の対象となる要件の1つとなります。

行動援護の対象が強度行動障害というわけではありませんが、強度行動障害と普通の行動障害に質的な境界線はないといった方が正しいと思います。強度と表現しているのは支援側の理由からです。自傷や他害、飛出や奇声は、またはその前駆症状と認められるような指示待ち等は、その程度に関わらず必ず同じ原因があります。少々の行動障害だから見過ごすというのは、困っている姿を見過ごすのと同じだと思うのです。

下記リンクの「強度行動障害支援者養成研修【基礎研修】」のテキストは支援者用に国立のぞみ園が作成したものです。今回は、このテキストに沿いながら、何故行動障害になるのかどんな支援が行動障害の予防につながるのか、連続シリーズで考えたいと思います。

http://www.nozomi.go.jp/investigation/pdf/report/04/05.pdf

 

カミングアウト

栗原類さんは、イギリス人の父と日本人の母を持つハーフで、5歳ごろからモデルの活動を開始し、中学2年生の時からファッション雑誌『MEN’S NON-NO』に掲載されます。俳優業にも積極的に挑戦している栗原類さんがNHKの番組で自分が発達障害だということを告白しました。その番組では「冷蔵庫にいつも入っている牛乳がない、または配置が違うだけで気持ちがわるくなる」「聴覚が敏感なので不穏な音は非常に苦手である」と言っていました。子どもの頃はアメリカにいてそのアメリカの音楽の授業がどうしても苦手だったのでと急で教室から逃げ出したこともあるそうです。苦手なことも得意なことも個性として捉えることが必要だと言います。

スティーブン・スピルバーグは、「未知との遭遇」「ジェラシックバーグ」という世に衝撃を与える大ヒット映画を指揮する映画監督です。彼も発達障害であることを告白しています。発達障害と一口で言っても様々なタイプがあり困っていることは一つだけではないのですが、一番厄介な思いをしたのは「失読症」だそうです。本を読めない・文字を読めない・文字が認識できない、特に子どもの頃はこの発達障害が原因で進学に遅れをとり、それがきっかけでイジメを受けていたそうです。児童期は抜き出た個性が嫌な面で目立ってしまい、さらに勉強できないというハンデで酷く悩んだと言います。しかし、字を読む事が出来ないことでより「想像力」を高めたり、普通の人とはものが異なって見えてしまうことでより想像性を刺激され、創造力の源泉となったのかもしれません。

時代を変える偉大な人、アインシュタイン、エジソン、ステーブジョブス、トムクルーズ、他多くの人は、特別な才能があるゆえに、変人(発達障害)と言われました。今も多くの才能を日本の教育は潰しています。これは人類の大きな損失です。このような後世に残るような人物が「自分は発達障害である」という発言をすることで、これは病気でなく『個性』だと社会が認識できるようになります。人と違うというだけで好奇な目で見られたり、いじめの対象になってしまうのは世の常ですが、公平な社会を目指していくのであれば、こうし著名人が勇気を持ってカミングアウトすることで誰もが生き易い社会へと変わっていくはずです。

ドラゴン桜

『ドラゴン桜』は現実味ゼロ──関係者が語る「底辺校」の残酷な現実

2021/05/14 【日刊サイゾー】
文=藤井利男(ふじい・としお)

『ドラゴン桜』(TBS)
低偏差値の高校に通う落ちこぼれの生徒たちが、カリスマ教師の優れた指導のもと、半年で東大に合格する──現在放送中の『ドラゴン桜』(TBS)は、そんなストーリーで好評を博したドラマが16年ぶりに復活した作品だが、現実は常にドラマよりも残酷だ。

『ドラゴン桜』は同名のマンガが原作の物語。「つべこべ言わずに東大に行け」を決めゼリフとする主役の「桜木建二」(阿部寛)が教壇に立つ高校は、偏差値が32といういわゆる底辺校で、そこから東大合格者を出すのがミッションだが、偏差値が40に満たない県立高校出身の30代男性のOさんはいう。

「偏差値が低い高校というと“不良の巣窟”みたいな想像をされますが、決してそうとは限りません。私はヤンキーではなかったので、入学する前は身構えていましたが、いざ入学すると、不良はごくわずか。欠席、遅刻、早退をする生徒がとにかく多く、教室は静かなものです。授業中は大半の生徒が寝ており、教師もいちいち怒りません。本人も親も教育というものにまったく興味がないので、『東大に……』と叫んでもまったく響かないでしょうね。

卒業後、地元の塾経営者と知り合いになり、出身校を言うと、私の母校は教育関係者の間で“無気力校”と言われていることを知りました。喜怒哀楽が欠落していて、他人に興味が無い子ばかりだったので、腹が立つというより『何てピッタリな表現なんだ』と思いましたね」(Oさん)

いくつかの不幸が重なり、実力よりはるかに偏差値が低い高校に通ったOさんは、奮起して大学に進んだが、高校時代は「暗黒の3年間」だったそう。マンガを読むか寝ているかの同級生ばかりで、学園祭も体育祭もまったく盛り上がらず、友達はほとんどできなかったという。一方、20年以上の教師経験を持つTさん(40代男性)は、よりシビアな現実を語る。

「これまでいくつもの高校で教鞭をとり、その中には偏差値が学区ビリの高校もあって、大きなカルチャーショックを受けました。赴任が決まった時は、マンガに出てくるようなヤンキー高校を想像しましたが、予想に反して教室は静かで、生徒も授業を聞いています。けれども小テストをやると、まったく理解していない。授業のペースが早すぎるのかと思い、ペースを落としてもダメです。

生徒を見ていると、高校生とは思えないくらい言動が幼稚だったり、極端に特定のことにしか興味が無かったり、中には会話がほぼ成立しない子もいて、知能指数が知的障害ギリギリの子、発達障害の子が恐らく相当数いたはずです。低偏差値校の生徒が“アルファベットが書けない”“分数の計算ができない”などと笑いの種にされることがありますが、マジメにやってもできない子がいるということを知ってほしいです」(Tさん)

そんな重たい話がドラマになるわけはないが、「つべこべ言わずに…」と尻を叩けば誰でも出来るほど、世の中は甘くないのだ。

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『ドラゴン桜』(ドラゴンざくら)は、メディアミックス・ジャパン(MMJ)・TBSテレビ制作によりTBS系「金曜ドラマ」枠で2005年7月8日から9月16日まで毎週金曜日22時 - 22時54分に放送された日本のテレビドラマ。三田紀房の漫画作品『ドラゴン桜』を原作に、元暴走族の貧乏弁護士が平均偏差値36の高校生を東京大学に現役合格させるまでを描いた作品。阿部寛主演。

2021年4月25日から、前作の15年後を描いた続編『ドラゴン桜』が「日曜劇場」枠で放送開始。第1シリーズで主要人物を演じた阿部寛と長澤まさみが同じ役で引き続き出演する。また、TBSとMMJの共同製作だった第1シリーズと違い、第2シリーズはTBSの単独製作となる。漫画版の続編『ドラゴン桜2』が原作だが、今の時代に合わせたエッセンスを入れ、ドラマオリジナルの展開が予定されている。

あらすじ
第1シリーズ
元暴走族の弁護士・桜木(阿部寛)は、経営難の三流私立校・龍山高校に債権者代理として乗り込む。教師・真々子(長谷川京子)らを前に、学校の解散と教師の解雇を通達。だが、弁護士としての名を上げるため、桜木は解散ではなく、東大合格者を輩出する進学校にする再建案をブチ上げる。桜木は東大受験のための特別進学クラスを創設し、生徒たちの東大合格のために奮闘する。
第2シリーズ
龍山高校での成功をきっかけに、同様の底辺高校再生の仕事が舞い込むようになった桜木は虎ノ門に事務所を構える順風満帆な弁護士人生を送っていたが、2年前に依頼された高校で特進クラスの8人中7人を東大に合格させたものの、一人だけ不合格だった男子生徒・米山がナイフで桜木を刺した上に自殺未遂を起こしたことによりマスコミから叩かれる一大スキャンダルとなり、自身も消息不明となっていた。前シリーズでの教え子であり、東大卒業後に弁護士となって桜木法律事務所で働いていた水野直美は独立して事務所を設立したものの経営が行き詰っており、かつての龍山に匹敵する落ちこぼれ校「龍海学園」から翌年に東大合格者を5名出す条件で再建を引き受けることで起死回生を図る。福井県で自堕落な生活をして落ちぶれていた桜木を見つけた水野は、彼を再び教育の場へと連れ出そうとする。
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水野直美弁護士こと長澤まさみは、『コンフィデンスマンJP』の「ダー子」にしか見えないなぁと思いつつ観ています。底辺高校は発達障害の受け皿でもあります。今回のドラマでは重度のASDとはっきり分かる昆虫大好き高校生(原健太=細田佳央太)まで登場します。「桜木建二」こと阿部寛の台詞は学ぶことの本質を語るので、一言一言胸に刺さります。

日刊サイゾーの編集部は学習障害についてもう少し正確に書いてほしいなと思いました。書けないだけ、計算ができないだけで知的な差異はないのだということや、偏差値とはワーキングメモリーを含む記憶力を測ったばらつきを指しているだけだということです。今後、原健太君がサバン症候群の能力を発揮して「記憶」と「偏差値」について一石投じてくれると思います。

その2:行動障害に有効な支援

上の図は、行動障害の人の支援を説明するのに定番で使われている資料です。有効な支援ベスト3は、1構造化支援・2コミュニケーション支援・3薬物療法です。やっかいなのは4番のキーパーソン(信頼できる人)ですが、大変曖昧な表現です。信頼できる人とはあくまで本人が決めるのです。信頼できる人とは、上位二つの支援を当たり前のように自然に支援してくれる人は必ず含まれているはずです。見通しのある環境を準備し、本人の伝えられる方法で言いたいことを聞いて周囲と折り合いをつけてくれる人がキーパーソンの条件だと思います。この二つのサポートを抜きにして、自分は信頼されているという支援者がいればそれは根拠のない妄想でしかないと思います。

しかも8割以上の有効票を得た上位2つと比べれば5割ですから、有効半分無効半分です。良いキーパーソンに当たるか当たらないかは裏表の賭けと同じ結果とも言えます。この結果からどうすれば行動障害が予防できるのかは明確です。そして行動障害の原因は何か次回に考えていきます。

SNS

発達障害の中でも特にASD(自閉スペクトラム症)の方は、相手の気持ちを汲み取る事や、相手の発言の行間を読むことが苦手です。その為、SNS上でも相手の気持ちがわからず、当事者が気づかない間に相手を傷つけてしまう可能性があります。Twitterで不適切な発言をしてしまい、本名が晒される報復を受けたりします。この場合、被害を受けるのは本人だけでなく、家族や親戚に迷惑をかけてしまうことになる為、「拡散」がされやすいSNSでの発言は要注意です。また、その他に、発達障害を持つ方がSNSを利用する際に気を付けないといけないことは、他のユーザーから誹謗中傷等のリプライ(返信)を受けてしまう事です。

インターネット上には様々な人がいます。中には憂さ晴らしの為にわざわざ攻撃の対象を見つけて、誹謗中傷を浴びせかけるような人たちもいるのです。発達障害の方がターゲットとされた時に、そのような人たちをうまく無視することができればいいのですが、ムキになって相手をしているとどんどんメンタルが疲弊してしまいます。ただし、不適切な発言をしてしまうのは発達障害の方やその特性に限りません。むしろ人口から考えれば少数です。匿名性が不適切発言を助長すると考えられます。ADHD(注意欠陥・多動障害)を抱えている方は衝動的な言動が少なくないので、SNSの利用時に衝動性が出てしまうと、SNS上での対人関係においてマイナスの影響が出てしまいます。

発達障害を抱える方が上手にSNSを使う為には、文章や画像を送る前に、「この投稿を見た人はどのような気持ちになるだろう」「この投稿をすることによってどのような影響が出るだろう」と考えるルーチンを作るために、キーボードの横に【入力したら吟味する】等の標語シールを貼っておきます。また、多くのSNSには「限定公開」という機能があり、自分の友達や知り合いの間のみでSNSを楽しむという事もリスク回避になります。おススメは「ミュート」です。ブロックをすると相手のアカウントと自分のアカウントを完全に隔離することができますが、ブロックをしたこと自体が相手にバレてしまうSNSが多いですが、ミュートであれば、相手にミュートしたことがバレずに相手からのリプライを見えなくしてくれるので、相手に余計な感情を抱かれる危険性がありません。

SNS上では自閉スペクトラム症(ASD)のことを「アスぺ」と呼んで揶揄する人がいます。そして、その「アスぺ」という言葉の使い方は間違った意味で使われていることが多いです。特に、文を誤解して捉えてしまった人に「アスぺ」という言葉がかけられることが多いのですが、読解能力と、ASDのコミュニケーションの特性とは関係がありません。また、ADHD(多動症・注意欠陥)についても、誤った認識のもと、SNS上に投稿がされているケースが散見されます。こうしたSNS上でのスラングが発達障害に対して間違った認識を生む原因の一つにもなっています。

発達障害の当事者やその両親の方がSNSから得ることができる恩恵はたくさんあります。例えば、発達障害に特化したSNSを利用して発達障害による日常的な困りごとについて相談できる相手が見つかるかもしれません。発達障害の当事者やその両親は、周りに発達障害の悩みを相談できる人がおらず、孤独感を抱えてしまいがちです。しかし、SNSならば同じ悩みを相談し、共感しあえる相手が見つかるかもしれません。発達障害の当事者やその両親にとって、悩みを共感しあえることは大変喜ばしい事です。また、発達障害に特化したSNSではなくても、Facebook等には、発達障害の情報交換を目的としたコミュニティもあります。

自分が「馴染めそうだな」と感じたコミュニティに入ってみて、普段抱えている発達障害の悩みを打ち明けあったり、共感したりすることができれば孤独感の解消に繋げることができます。直接、発達障害のコミュニティが主催する場に足を運ぶのは抵抗があるかもしれません。しかし、SNSを利用することで発達障害のコミュニティに入ることの心理的障壁を下げることができるかもしれません。ただし、SNSは匿名性が前提なので、場所や氏名等の個人情報が特定できないようにする注意が必要です。

SNSは根拠がなかったり、嘘を平気で拡散して喜びにする人や、その嘘に乗っかって本気で信じてしまう人たちも少なくありません。でもそれはSNSに限ったことではありません。テレビや新聞など大手のメディアでも平気で根拠のないことを拡散することがあります。メディアの目的は嘘だろうが真実だろうが大衆に注目してもらい金を稼ぐことですから、過激になり尾ひれがついて連日報道されます。

今流行りの「#検察庁法改正案に抗議します」も、発端は63歳で今年2月退職のはずの検事長を、検事総長にするために退職延長したのはけしからんし、これでは65歳定年の総長を68歳まで任用を延長できることになるので更にけしからんと言います。しかも今回の法案はこれを正当化するので言語道断というものです。しかし、この法律を施行するのは2年後の4月なので、仮に今の方が総長になっても2か月前に65歳を過ぎており新しい法の影響はありません。現行政の人事権限の問題は法案とは関係のない話で、法案の何が問題なのか説明になっていません。それでも、著名人がこのハッシュタグ付けるとファンが爆発的に拡散します。もう、正しいか間違いかは法案の内容とは関係ないようです。

武漢ウィルス恐慌という最大の危機を前にして、今そんなことでもめてる場合かというのが、大勢の意見ではないかと思います。SNSとは情報の一方通行時代から、市民が双方向性のメディアを手に入れたという意味では画期的なものです。ただ、使い方によっては、個人だけでなく社会の毒にも薬にもなる代物だという事も理解しておくことが大事です。

 

中止・延期。子どもたち不在で事を進めていいのか?

今年も修学旅行、運動会が中止・延期。子どもたち不在で事を進めていいのか?
妹尾昌俊 | 教育研究家、学校・行政向けアドバイザー

5/17(月) 【Y!ニュース】

新型コロナウイルスの影響を受けて、1年前と同じく、今年も修学旅行や運動会などの学校行事の中止、延期などが各地で起きています。

「楽しみにしていた運動会は中止することにしました」。10日、福岡市の小学校では校長が校内放送で告げた。1年生のクラスでは「えー」と悲鳴が上がり、「寂しすぎる」と泣きだす児童もいたという。40代の女性教諭は「なぜ東京五輪はできて、運動会はできないのか」と憤る。

 福岡県教育委員会は10日、運動会やクラスマッチ、文化祭、学習発表会、修学旅行などの学校行事は宿泊等の有無にかかわらず、実施しないよう県立学校に通知。福岡や北九州、久留米、飯塚各市なども宣言期間中は運動会を実施しないと決めた。

(西日本新聞2021年5月14日)

変異ウイルスが猛威をふるうなかですから、理解できる部分も多々あります。しかし、一方的な中止等は、学校教育の根っこに関わる、別の問題もあります。

■多くの自治体が修学旅行や運動会の中止を呼びかけ
教育新聞(2021年5月7日)は、その日時点で緊急事態宣言が出ている都府県の状況を整理しています。(※5/7現在の状況。今後の状況等しだいで変更がある可能性はあります。)

東京都:学校行事で感染リスクの高い活動は中止。修学旅行は中止または延期。
京都府:学校行事で感染リスクの高い活動は中止。修学旅行は緊急事態宣言中は実施しない。※京都市も同様。
大阪府:府県間移動を伴う学校行事は中止、延期。修学旅行は緊急事態宣言中は中止・延期。※大阪市、堺市も同様。
兵庫県:学校行事で県外の活動は見合わせる方向。修学旅行は原則行わないが、一部は学校判断。
神戸市:児童生徒が接触する学校行事の活動などは中止。修学旅行は中止または延期。
愛知県:修学旅行を含め学校行事は中止または延期。
名古屋市:検討中。
福岡県:検討中。
福岡市:検討中。
北九州市:運動会や体育祭は延期

中止または延期という判断のところが多いようです。修学旅行は大人数で飲食や宿泊を伴う活動ですし、運動会、体育祭などでは接触する種目もありますから、新型コロナの感染防止の観点からは、延期等もやむを得ないという判断であろうと思います。

理解できる部分は多いのですが、一方で、とても気がかかりなこともあります。ここでは2点に整理したいと思います。

■疑問1:「中止」という選択肢しか本当にないのか?
延期はまだわかりますが、早々に「中止」を決定する自治体、学校もあります。本当に「中止」しか選択肢はなかったのでしょうか?

修学旅行について言えば、感染リスクが低い地域に変更、延期したり、日帰りの体験活動に変更したりする例が昨年度もありました。運動会なども、学年別に分けて開催したり、接触の多い種目は除いたり、保護者等の人数を限定したり(あるいは無観客にしたり)する例もありました。

こうしたことは、教育委員会も教職員もよくわかっているとは思いますがが、感染リスクが心配なので「中止」しかない、という考えのところもあるようです。

■疲弊して萎縮する学校現場
「もう少し柔軟に、幅広い選択肢から考えたらよいのに」と、私は感じますが、「行事を強行して、感染者が出たときには、すごく学校が非難される」という心配、もっと言えば、恐怖が学校や教育委員会には強いのだろう、と思います。

ある教員も「もちろん、やれるものなら、やりたいという気持ちは先生たちにもありますよ。でも、何かあったときすごくバッシングされるのはいつも学校です」と言っていました。

実際、行事にかぎらず、普段の学校で感染者が出たときも、学校の対応がマズかったのではないか、という批判、非難が多く寄せられる地域はあります。地域のかたや議員さんからクレームが入るのです。家庭内感染が主なルートであったとしても。冷静に話をしてくれる人ばかりではありません。

ただでさえ、多忙を極めているのが、多くの学校現場です。やっかいなクレーム電話に対応するのは、精神的にもすり切れてしまいます。

※もちろん、学校の対策が十分だったかどうかという検証や検討は重要なので、こうした苦言をすべて「クレーム」と見なすことも適切とは言えませんが。

「中止」とすぐに決めてしまう教育委員会や学校のなかには、こうしたこれまでの痛い経験があるため、萎縮してしまっているところもあるのです。

なお、文科省は感染対策は講じた上で、修学旅行等をなるべく実施してほしい、という考えです。再三通知を出していますが、この4月1日にも、「令和3年度における修学旅行等の実施に向けた配慮について」という文書を出しています。

■疑問2:子どもたち不在で決めていくのが「教育」か?
ちょうど約1年前の状況を振り返っても、修学旅行や運動会、体育祭、文化祭などの中止が相次ぎました。私が問題視しているのは、中止の是非というよりも、その決め方です。

すべての地域がそうだったとは申し上げませんが、一部の教育委員会や校長は、子どもたち不在でいろいろ事を進めようとしてきました。教育委員会と校長会でゴニョゴニョと協議し、早々に決めたところも多かったですし、昨年度は夏休みを大幅に短縮する動きも一方的でした。調査データがないので、推測になりますが、おそらく多くの地域では、こうした決定の前に児童生徒の声を聴いたという形跡はほとんどありません。保護者もほとんど関与できなかったところが多いのではないでしょうか。

約1年前に見られたことが、また今年も繰り返されつつあります。

本当にこんなことでよいのでしょうか?

ある学校(複数)では、修学旅行の代替となる校外学習を小6、中3の子どもたちが話し合いながら企画しました。そういう学校と、「コロナで残念だったね」で済ませる学校で、どちらが子どもたちが育つでしょうか?

■日本の教育は「従順さ」ばかりを育てている
子どもの権利条約では、子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、おとなはその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮することを求めています(第12条)。

日本が子どもの権利条約を批准したのは1994年。25年以上経っているのに、学校や教育行政では、いまだに、子どもたちの意思や意見が十分に尊重されているようには見えません。子どもの権利・法律問題に詳しい、佐藤みのり弁護士はこう話しています(強調は引用者、大人んサー「夏休み短縮、部活動中止…子どもの意見を聞かず、大人だけで議論していいのか」) 。

 こうした声(引用者注:子どもたちの声、意見)に耳を傾けず、大人だけで物事を決めてしまうと、子どもは『どうせ自分たちが意見を言っても大人は聞いてくれない』と感じ、次第に『何を言っても無駄だ』と諦めるようになってしまいます。教育が大きく変わる可能性のある今こそ、大人が子どもの意見にしっかり耳を傾けるチャンスです。

 子どもの意見をよく聞き、それを踏まえて議論し、その過程や結論を子どもに分かりやすく説明することが大切です。そうすることで、子どもは大人が真剣に向き合ってくれたと感じ、今後もあらゆる場面で、自ら考え、意見を言えるようになるでしょう。

「主体性のある子どもを育てる」「自律的に学び続ける大人になっていってほしい」。こう日本中の先生たちは言うわけですが(学校目標にはそういう文言がよく入っています)、まったくきれい事ではないでしょうか?

「教育委員会や先生の言うことに黙って従うのが〝いい子〟」ではありませんよね?

■理不尽な校則を押しつけることも、根は同じ
茶髪禁止、ツーブロック禁止、スカートはひざ下5センチ、下着は白のみ。「ブラック校則」と言われることもある、合理的な理由がよくわからない校則を押しつけることも、行事の中止等と同じ根っこの問題がある、と私は見ています。

かつて荒れて生徒指導がたいへんだった時代に、頭髪や服装などを厳しくしないと、地域等からクレームがたくさん来る学校もありました。ともかく校則を守らせておけばそうしたクレームにはならないだろうという安直な考え方が教職員に引き継がれ、また、日々忙しいなかで、校則や学校の決まりを見直そうというエネルギーさえ生まれてこない。そして、子どもたちの意見表明や主体性を軽視してきたことが、こんにちまで続いているのです。

学校や教育委員会だけを責めて解決する問題でもありません。教育関係者に加え、保護者や地域のかたなど、多くのかたが、「大人の言うことを子どもたちは黙って従っていればいい」という教育をしてしまっている現実に気づき、「もっと子どもたち主体で練り直そう」、「コロナでたいへんだけれども、だからこそ、子どもたちと一緒に考えていこう」と転換できるかかどうかが、問われています。

※本稿は、拙著『教師と学校の失敗学:なぜ変化に対応できないのか』(PHP)を加筆して作成しました。

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筆者も妹尾氏の意見に同意します。一度決めたら変えられない。その理由に政権や学校の「権威がなくなる」ことを恐れているのだそうです。明治維新然り太平洋戦争然り、幕府の攘夷方針を変えることができず薩長に政権を明け渡した徳川、ミッドウェー海戦で空母を致命的に失うのに停戦協定等に移行できなかった大本営と同じです。そこに横たわっているのは、権威とか言うけど、それは言い訳でかっこつけてるだけだと思うのです。農耕型ムラ社会が足並みを揃える事で生産性を維持するために作った文化、身に染みた同調圧力が怖いだけではないかと思います。子どもと共に語り合う事は、自分たちのことは自分たちで決める自立心を育てていくのだと思います。

その3:二つのコミュニケーション

行動障害の予防には原因を正確につかむことが必要です。この図は障害による二つのコミュニケーションの障害が行動障害の直接原因だとしています。そして環境要因としてのモノ・ヒト・コトが掛け合わされて長い年月をかけて積みあがり行動障害が形成されます。

さて二つのコミュニケーションと書きましたが、このブログをお読みの方はもうお分かりだと思います。

そうです。理解コミュニケーションと表出コミュニケーションの二つです。最近は、理解コミュニケーションは構造化支援や視覚化でずいぶん取り入れられるようにはなってきました。昔は絵カードなんて社会では使えないからと平気で言う方がおられましたが、さすがに影を潜めました。障害のない人でも記憶が定かでなかったり、すべてを知っているわけではないので書いてあるものを頼りにするのだから、聴覚入力や記憶がさらに弱い人なら視覚支援は当たり前だということがやっと広まってきたからです。

例えば以下の経験のない人がいるでしょうか。みんな物事を理解するために、忘れないために視覚支援という情報に大半頼っているのです。(1)カレンダーに予定を書き込んで、忘れないようにしていいる人。(2)《すべきこと》のリストを作って、机や冷蔵庫に貼っている人。(3)何がほしいかを伝えるときに、広告やメニューの写真を指さしたことがある人。(4)買い物に出かける前に、買い物リストを作る人。(5)「列に並んで下さい」、「入口・出口」などの標識を見たことがある人。(6)料理本のレシピを見ながら、食事を作ったことがあり、その料理を作る度に、そのレシピを繰り返す人。(7)家族への伝言を、メモに書いておく人。(8)レストランで注文を決めるとき、メニューに目を通す人。(9)子どもが歯磨きを忘れないように、チェックリストを作った人。(10)やるべきことを思い出すために、付箋紙に書いて鏡や玄関ドアに貼ったことがある人。(11)《イラスト入り組み立て説明書》を見ながら、買ってきた家具などを組み立てたことがある人。(12) 電車やバスに乗るときに、時刻表や接近情報を見る人。(13) 車を運転するときに、様々な道路標識や交通信号を見る人。(14) 新幹線や映画館で指定席に座るとき、座席の番号を切符を見て確認する人。(15) スーパーなどで買い物するとき、値札を見て買うかどうか考える人。あげだすときりがありません。理解コミュニケーションに障害があれば、もっと丁寧に支援するのは当たり前だと思います。

二つ目のコミュニケーションは最も大事なコミュニケーションです。表出のコミュニケーションです。どんなに周りのことや大人の言うことが理解できても、何も伝えることができないとすればあなたならどんな気持になると思いますか?それが毎日毎日です。永遠にその感じが続くとすればどうでしょうか?周囲のことが少々理解できなくても、自分から伝えることができれば大体のことは解決できると思いませんか?

明日は表出のコミュニケーション障害と行動障害について考えてみます。

大阪モデルと視覚化の効能

大阪府では5月5日、『大阪府新型コロナウイルス対策本部会議』で、約1カ月延長が決定した緊急事態宣言の規制を早期に緩和させるための独自基準「大阪モデル」を決めました。吉村洋文知事は、「感染状況を4つの信号に分ける。警戒信号が7日間点灯しなかったら自粛を解除する」と発表しました。

この日の会議では、府独自の基準にも基づく自粛要請もしくは要請解除の基本的な考え方について検討。モニタリング指標として、4つの警戒基準案を資料にして公表しました。
1つめは、新たに発見された感染経路(リンク)不明陽性者の増加比(前週比1未満)
2つめは、新規陽性者における感染経路不明数(10人未満)
3つめは、新規PCR検査での陽性率(7%未満)
4つめは、重症の患者を受け入れる病床使用率(60%未満)
(5月4日時点で、1=0.68、2=7.29人、3=4.5%、4=33%とすべて基準値以下)

この4つを「警戒信号」とし、陽性者の発生を抑えて4つの信号すべてが原則7日間消えれば自粛は段階的に解除します。一方、解除後であっても1から3までの信号が全点灯した場合には、改めて府民へ自粛などの対策を要請するという方針です。現在の緊急事態措置において、5月31日までは自粛を継続しますが、吉村知事は「14日の国の判断も参考にしながら、15日に府としてどう判断するかを発表したい」と、大阪府ではこれら警戒基準案をベースに段階的な解除が可能か判断するといいます。今後、府下の警戒状況については、「より分かりやすく行動変容を促せるよう大阪城や太陽の塔、通天閣にも協力をお願いし、大丈夫は緑、警戒は黄色、注意は赤などライトアップで見える化したい」と語りました。

大阪城のライトアップは金がかかりすぎると松井市長に断られましたが、視覚化と言うアイデアは安心感をもたらします。発達障害の人だけでなく、誰だって視覚化すれば見通しがもてて頑張ろうとするのがよくわかる事例だと思います。今日で達成6日目で後二日で判断です。基準や枠組みを示し視覚化すれば、辛いことなのに楽しみさえ持てるのが視覚化のすぐれたところです。

大阪市の小中学校 24日から通常授業

大阪市の小中学校 24日から通常授業を再開へ

05月17日【NHK】

今回の緊急事態宣言を受けて、大阪市立の小中学校が自宅でのオンライン学習と、学校でのプリント学習を組み合わせる形で対応していることについて、市の教育委員会は、今週後半から授業を段階的に再開したうえで、来週24日から通常の形での授業を再開することを決めました。

緊急事態宣言を受けて、大阪市立の小中学校では、子どもたちの感染リスクを抑えるため、先月26日以降、原則、自宅でのオンライン学習と、学校でのプリント学習を組み合わせる形で対応しています。

これについて、大阪市教育委員会は、この間、子どもの感染者数が徐々に減少傾向となっているほか、重症化した事例の報告もないとして、今週後半から授業を段階的に再開したうえで、来週24日から通常の形での授業を再開することを決めました。
具体的には、今週20日から、各学校の実情を踏まえながら授業を最大で4時間実施し、残りの時間は、オンライン学習などを行うとしています。

そのうえで、来週24日から通常授業を再開するとしています。
また、先月26日以降、午前のみの保育としている市立の幼稚園についても、来週24日から通常の保育を再開し、このうち、今年度、新たに入園した子どもについては、段階的に保育時間を延ばすとしています。

松井市長は、記者団に対し、「病床のひっ迫や、変異株の感染リスクを考慮し、子どもたちの接触機会を減らすための対策をとってきたが、幸い重症例もなかったので、通常授業に戻していく」と述べました。

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武漢風邪のピークアウトは連休前にあり、その後は下げ止まりの感があり、3月頃の100名以下にはなりそうにありません。それも踏まえて、宣言延長による学校の自粛登校の効果もあまりなかったということで、緊急事態宣言終了日の1週間前倒しで「再開」したのかも知れません。大阪市長の「幸い重症例もなかったので、通常授業に戻していく」の主語は子どもですが、もともと子どもの重症例は世界的に報告されていないどころか、無症状がほとんどです。通学自粛には結果的に意味がなく、他市と平等であるべき子どもの学習機会を根拠なく奪ったことへの取り繕いのコメントだとすれば残念です。

その4:表出のコミュニケーション

前回の二つのコミュニケーションで重要なのは表出のコミュニケーションだと述べました。ただ、表出のコミュニケーションと言えども誰にでも伝わるものでなければ役に立ちません。また、自発的に使えないと肝心な時に役に立ちません。

言葉での表出は、発声機能に問題がないこと、言語処理機能に問題がないこと、聴覚的短期記憶や長期記憶に問題がないことが前提です。身振りはどうでしょう?身振りはそのサインを模倣できる力や相手にもそのサインが何をさすかがわかる必要があります。絵や写真はどうでしょう?相手にものを渡せる機能と、絵が現物を表現する方法だと分かればだれでも使えますし、誰でも伝わります。つまり、意思伝達に絵カード表現は最短距離で到達できるということです。

二つ目に大事なことは、表出コミュニケーションの自発性を獲得していることです。私たちは用もなく話しかけることはほとんどありません。必ず目的があります。ところが、行動障害の方は、相手に自分から情報を与えて目的をかなえる、「自発的」な表出コミュニケーションが困難な方がほとんどなのです。

また、日常相手が黙っていると「どうしたの?」と私たちは声を掛けます。「どうしたの?」は、「何か欲しいの?」「どこか痛いの?」「何か気分が悪いの?」「何か困っているの?」「何か助けがいるの?」等の意味です。自発的な表出に困難がある人は、「どうしたの」が聞かれなければ何も表出(言えない・身振りできない・カードが示せない)人が多いのです。中には何か言ってほしそうにじっと相手の顔を見つめる人もいます。これが「指示待ち」です。つまり「どうしたの?」や「~してね」を待っているのです。

相手が自分に話しかけたり相手が自分にはたらきかけたりして、初めて伝えるもの、初めて行動を起こすものという理解をしている方が大変多いのです。この状況を想像してみてください。自分の要求を叶えるために相手が自分に話しかけてくれるのを四六時中ずっと相手の様子を見守り待つのです。万が一、話しかけてくれたにしても表出スキルが低くかったり相手の理解力が低かったりして上手く伝えられなかったらまた待つのです。実力行使する行動障害の人たちの気持ちが分かります。

適切な意思伝達は自分から起こすものだということを理解してもらうには、適切なコミュケーションスキルで意思伝達ができ要求が叶ったという経験を蓄積するしか方法がありません。日常場面では、スキルを教えるよりこの自発性を教える方がはるかに難しいと感じています。それはある程度のコミュニケーションの成功体験の回数が必要だからです。その人にもよりますが、1日100回を超えなくては文字通り話にならないと思います。つまりその人が便利だと気がつくまで生活のあらゆる場面で経験が蓄積される必要があります。

大阪に追随「京都方式」

昨日掲載した武漢ウィルス感染症緊急事態宣言の解除を示した「大阪モデル」にならって、5/12日に「京都方式」を発表しました。以下が京都府LINE公式アカウントの発表です。

【京都府LINE公式アカウント 新着情報 #新型コロナウイルス】
本日開催の専門家会議において、緩和判断基準(案)について議論頂き、概ね了解を得ました。
コロナ感染症は収束した訳ではなく、緩和は段階的かつ慎重に進めていく必要があります。
最終的には、15日に開催する専門家会議を踏まえ対策本部会議において決定します。

<4つの判断基準(案)>
①新規陽性者数 5名未満(7日間平均)
②感染経路不明者数 2名未満(7日間平均)
③PCR検査陽性率 7%未満(7日間平均)
④重症者病床使用率 20%未満
※全ての指標が7日間連続で下回っていることが確認できた段階で緩和に移ります。

大阪の3分の1の人口で換算すれば、大阪府感染経路不明者数10名より厳しめですが、数値で枠組みを決めたところは評価できます。と、思っていると政府も追随して、発表するようです。

政府は14日午後、安倍晋三首相が記者会見し、解除を判断した理由などを説明します。対策本部での正式決定は会見後となる予定です。

解除の根拠は、直近2週間で新規感染者数が減少傾向にあり、「直近1週間の新規感染者数が人口10万人あたり0・5人以下」などとするものの、必達の基準とはせず、医療提供体制に余裕があるかやPCR検査の拡充など各地域の状況を総合的に判断する方向です。

再び感染が急拡大する兆しがみられる場合は、改めて緊急事態を宣言する考えです。ただ、具体的な数値基準は示さず、直近の新規感染者数や、感染経路不明者の割合などをもとに判断する方向で調整中と言います。

どうも官僚色が強ければ強い程、責任を取りたくないのか条件が曖昧ではっきりしない感じがします。数値基準もハードルが高過ぎます。人口1億2千万とすれば、新規感染者数が週600人、一日85人以下ならOKですよということです。京都府260万なら週13人、1日2人未満ですから、京都の5人未満目標の倍以上のきつい目標となります。ただ、学校を3か月止め、飲食店も1か月以上止めれば達成はできるはずです。気になるのは煽り気味の自粛ムードと、その同調圧力を恐れて解除の決断が根拠なく遅れてしまうことです。

 

福島第1原発事故甲状腺検査、任意性確保に課題

福島第1原発事故甲状腺検査、理解進まず県聞き取り調査、任意性確保に課題/福島

2021/5/19【毎日新聞】

福島第1原発事故当時に18歳以下だった子どもに県が実施している甲状腺検査について、県は17日の県民健康調査検討委員会で、検査を受けた子どもと保護者への聞き取り結果を公表した。検査を受けることによる不利益や、自らの意思で検査を受けるかどうかを決める任意性についての理解が進んでいないことが明らかになった。

小中学生と高校生への甲状腺検査は、担当者が学校へ出向き、授業中などに希望者に対して実施されている。一方、学校での検査は断りづらく任意性が確保されにくいという意見や、無害の甲状腺がんの発見で心身に負担が及ぶ「過剰診断」の不利益を被るとの指摘も言われ続けている。

調査は今年3月、検査を受けた県内の高校生3人と、中学・高校生の保護者6人へのインタビュー形式で実施された。検査を授業中に学校で行うことに強制性を感じるかという質問には「半強制みたいな感じ」「時間をとってやるので、受けないのが変かな」などとの回答があった。また、検査を受けるかどうかを決めるうえで、検査による利益・不利益を知っているかとの質問には「受ける・受けないを決める考えはなかった」「デメリットは考えたこともない」「検査の情報は圧倒的に少なく、説明会をもっときめ細やかにやるべきだ」などの意見が出た。

県は今後、検査の利益・不利益を説明する文書を本格的に配る。星北斗座長(県医師会副会長)は「任意性の確保の工夫と同時に、検診の機会の容易さも考えなければならない」と指摘した。【寺町六花】
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武漢風邪のPCRスクリーニング検査で陽性になっても偽陽性もあるので罹患したかどうかは発症をみないと分からないことと同様の問題です。しかし、個人へのダメージが大きい点では比べ物にならないくらい、甲状腺超音波スクリーニングは問題が多いです。小児に関しては甲状腺癌の早期発見が再発率の低下に貢献するどころか真逆である可能性が高いという医師もいます。福島の放射能汚染の風評被害は、野菜や魚だけではありません。子どもたちの遺伝子異常の風評被害まであるからです。

超音波スクリーニングで発見される小さな腫瘍は悪性の甲状腺がんとは限らないです。しかし、今までは予防的には使われなかったこの検査が、任意ではあるけれども福島の子どもの早期発見のためにと言う大義名分で使われているのです。今までは、首にしこりなどの症状があって甲状腺超音波検査をしていたのが、症状のない人にまで拡大すれば、発見数は増えて当たり前です。そして、検査数を増やして腫瘍発見数が増えたからと言って悪性の甲状腺がんが増えたと言うエビデンスはありません。

韓国では甲状腺超音波スクリーニングでの過剰診断の問題が明るみにでてから甲状腺癌の手術件数は減少していますが、実は診断された数と手術数の割合は変化していません。つまり、甲状腺癌と診断された大多数の患者は過剰診断を知っていながらそれでも手術を受けることを選択しているのです。子供に対して癌を”放置する”という決断ができる保護者はなかなかいません。経過観察を選択したものの、数年後に不安に耐えられなくなって手術に踏み切るのです。子供にとっても甲状腺癌を経過観察するということは一生涯に渡って大きな重荷を背負わせることになります。

子供に癌患者とのレッテルを貼ることがQOLを大きく低下させる、ということを認識する必要があります。過剰診断の被害は小さな腫瘍が見つかった時点で始まっています。ところがこの小さな腫瘍が無害かどうかは時間がたたないと分からないのです。若年者の甲状腺癌の過剰診断は成人のそれより被害が深刻です。

それは問題が健康問題にとどまらず、人権問題も伴うからです。特に、福島県の子供に対しては、「遺伝子が放射線で汚染されている」「結婚すべきではない」等、心無い風評が残念ながら広がってしまっています。このような状況で子供たちに”がん”という診断名をつけることは彼らの人生に重大な影響を与えます。福島で甲状腺癌と診断された本人や家族が最も懸念しているのは健康問題ではなく「結婚」問題なのです。

その5:丁寧にひとつずつ

私たちは表出言語を教えられた経験はありません。自然に覚えたからです。行動障害を起こしていたりその可能性のある方に表出のコミュニケーションを教えるにも自分の経験がないのです。人は自分の経験にないことを習得するにはそれなりの時間がかかります。スポーツの経験のある方や習い事をされた方ならわかると思います。さらに、人に教えられるようになるには普通にできる人より深く広く熟知する時間が必要です。

サイン言語の研修会やPECSの研修会に行って少し職場でやってみたけど子どもがうまく反応してくれなかったり成果が出なかったりして、周囲からもなんとなく疎まれている感じがしてあきらめてしまう支援者は少なくないと思います。成功している方は、家庭でも現場でも長く粘り強く取り組んでいる方です。人の発達を考えても、自発のコミュニケーションの基礎が完成するまでに10か月から18か月かかるのです。焦りは禁物です。あの手この手の工夫も必要です。

子どもが自発の表出コミュニケーションの扉を開けると驚くような速さで表出コミュニケーションを吸収していくのも事実です。言葉の獲得まで進む方もいます。言葉があったけれどもうまく使えなかった人も適切に会話ができるようになる人もいます。

この道のりを試行錯誤で切り拓いたのは100年前のヘレンケラーとサリバン先生。今日、表出コミュニケーション支援が最も体系化されエビデンス(科学的根拠)が確認されている方法は、PECS以外に私たちは知りません。ただPECSも細部にわたって万能ではないし人はみな個性があり違います。一番大事なことはその人が好きなことをたくさん知っていることです。先にも述べたように私たちは表出のコミュニケーションを「教えられた」経験はありません。だから私たちも表出のコミュニケーションの学習者です。行動障害を予防し強度行動障害を軽減するコミュニケーション支援は、子どもたちに並走しながら地道に学んで伝えて、一歩一歩進むことが大事だと思うのです。

川崎病類似の症例

新型コロナ、川崎病類似の症例急増に関与の疑い-イタリア医師ら指摘

ブルームバーグニュース Jason Gale 2020年5月15日 9:15 JST

少数の子供にしか見られないが、発症すれば血管に炎症が起き大事に至ることもある川崎病に似た症例が世界各地で報告されている。症例数は通常の約30倍に急増しており、新型コロナウイルスがこれを引き起こしている可能性があると、イタリアでの調査報告が指摘した。子供へのリスクについて、パンデミック(世界的大流行)の影響に苦しむ他国にも不吉な警告だ。

イタリアの感染拡大の中心地となったベルガモでの詳細な分析が14日、医学誌ランセットに掲載された。それによると、川崎病に似た症状の子供が10人見つかり、さらにニューヨークと英イングランドでおよそ90人の症例が報告された。

川崎病は5歳までの子供がかかることの多い希少疾患で、血管に炎症や腫れを起こす。発熱や発疹、目の充血、唇や口の乾きやひび割れ、手のひらや足の裏の赤み、リンパ節の腫れなどの症状を伴う。

新型コロナ感染症(COVID19)にかかっても子供は成人に比べて重症化するリスクは依然低いが、リスクはゼロではないと、この報告は明示している。新型コロナが猛威を振るう他国でも同様の症例が発生する可能性があり、学校再開を巡るガイドラインを策定するに当たり考慮すべきリスクだろう。

報告執筆者の1人でベルガモの小児科医であるアンナリーザ・ジェルバゾーニ氏は、「われわれの経験では、新型コロナに感染した子供のうち川崎病のような症状が出てくるのはごく少数だ」としつつ、「世界の各国が社会的な距離をとる政策の緩和を計画する中では特に、新型コロナが子供に及ぼす影響を理解していくことが重要だ」と電子メールで指摘した。

一般的な例では、この症状を発症した子供のうち約4分の1が心臓の合併症を起こすが、適切な治療が行われれば命に関わることはまれだという。この症状を引き起こす原因は判明していないが、感染に対する免疫の過剰反応が関係しているとみられる。

原題:Coronavirus Spurs Spike in Serious Blood Disorder in Children(抜粋)

不登校の「その後」見つめる

あの時ほしかったものを不登校の「その後」見つめるびーんずネット・金子純一さん(49)

2021年5月17日 【東京新聞】

七年前、仕事から帰宅すると、テーブルの上に小学三年だった長男からの書き置きがあった。「学校に行きたくないです」
突然の不登校にひどく慌て、悩んだ。「学校に行くことに意味を感じていたし、弱さや甘えを許してしまうと将来が心配だ、と思っていましたから」。一緒に風呂に入るたびに「新学期から学校に行こうな」と言い聞かせた。

長男は漢字を書くのが苦手だった。漢字ドリルの不正解だった部分に、先生が付せんをつけていく。その付せんが連なって、「ライオンのたてがみみたい」と同級生にばかにされたのだという。「漢字のない国に行きたい」と長男は打ち明け、大泣きした。

結局、新学期からも登校せず、子育てを巡って夫婦げんかに。翌朝、妻あかねさんから本を渡された。「子どもを信じること」(田中茂樹著、さいはて社)。先回りし、価値観を押しつける親の危うさが書かれていた。ぜんぶ自分のことだ、と思ったという。
「子どもが転ばないように、勝手に石をどけようとしていた。先回りはやめて、自分たちが変わろうって決めました」

二〇一八年、妻が産業カウンセラーの資格を取得したのをきっかけに、夫婦二人で「びーんずネット」の活動を始めた。不登校に関するセミナー開催のほか、不登校だった人々の「その後」に着目した事例集「雲の向こうはいつも青空」を年二回発行。今年三月で五冊目になった。

リアルで等身大の不登校を立体的に伝えるため、不登校の経験者や保護者、支える人々ら、一冊で七人のインタビューを紹介する。つづられているのは、正解のない、七人七色の雲と青空だ。読者は全国に広がり、「安心した」「勇気をもらった」との声が届く。
「不登校のその先はどうなるのか。悩んでいたあの時、まさに自分がほしかったものなんです」

長男は今、登校のない通信制高校の二年生。今年二月、肩まであった髪を切り、ファストフード店の厨房(ちゅうぼう)でアルバイトを始めた。やけどした手を見せるのも、どこか誇らしげだ。
「これで万々歳とは思わないけれども、親としてじんわりうれしい」。ほおが緩んだ。(石川修巳)

<びーんずネット>代表は妻の金子あかねさん。「まず、親が幸せになる」をキャッチフレーズに、気づきや学びの場となるセミナーをオンラインで開催。ほかにインタビュー事例集「雲の向こうはいつも青空」(税込み1100円)の発行など、不登校をテーマに活動している。詳しくはホームページへ。

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記事に出てくる「漢字のない国へ行きたい少年」は読み書き障害と思われます。小学校は毎日のように漢字の小テストがあります。先生は親切心ですが、読み書き障害の子どもにとっては、たまったものではありません。多くの学校は読み書き障害のない前提で学習を進めているし、読み書き障害のスクリーニングもしないので、苦しむのは子どもという事になります。

発達性読み書き障害の研究者で有名な宇野彰先生によると、学童期で日本語の読み書きで7~8%、英語になると10%存在すると言います。そのグレーゾーンまで含めると、無視できない数となっています。にもかかわらず、字が下手糞、書写が遅い、音読の家庭学習が不十分等といわれなき中傷を昔から受け続けてきたのです。しかし、現代は読み書き障害が発達障害の一つとして国際的に認知されているのです。これが不登校の主要な原因なら、学校は合理的配慮の不作為を問われ責任を追及されても仕方がありません。

不登校の原因は学習の問題だけではないですが、まじめな子どもであればあるほど、自分ができないのは他人がもっと頑張っているからに違いないと思い、自分を責めだんだん登校が苦しくなっていきます。学習障害を契機とする不登校だけは学校の力で防止してほしいものです。

その6:虐待防止

行動障害の原因や支援方法を理解をしていないと虐待の可能性が高くなります。今回は虐待防止について考えてみます。
2012年から始まった障害者虐待防止法の最後に「養護者に対する支援等に関する施策を促進」と書かれています。また、「養護者に対する支援」という部分では、家族など養護者の虐待について触れています。家族は、もちろん愛情をもって育てていますが、介護している人の中には大きなストレスを抱えていたり、相談できる人が周りにおらず追い込まれた状態にある人がいます。これらが原因であることが多いので、虐待までに発展しないように、家族などの養護者を支援していく事が必要としています。
また、虐待が起こってしまった場合には、なるべく早く小さいうちに見つけて、虐待がエスカレートする前に被害を防いでいくことが重要です。そこで、法律の中でも早期発見・早期対応ということが重視されています。

虐待の類型は養護者・職員・使用者と分けて書かれています。

〔養護者による虐待の5つの類型〕
①身体的虐待:障害者の身体に外傷が生じ、若しくは生じるおそれのある暴行を加え、または正当な理由なく障害者の身体を拘束すること。②性的虐待:障害者にわいせつな行為をすることまたは障害者をしてわいせつな行為をさせること。③心理的虐待:障害者に対する著しい暴言または著しく拒絶的な対応その他の障害者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。④放棄・放置:障害者を衰弱させるような著しい減食または長時間の放置、養護者以外の同居人による①から③までに掲げる行為と同様の行為の放置等養護を著しく怠ること。⑤経済的虐待:養護者または障害者の親族が当該障害者の財産を不当に処分すること。その他当該障害者から不当に財産上の利益を得ること。

〔施設・事業所(職員)における虐待の5つの類型〕
①身体的虐待②性的虐待⑤経済的虐待は養護者と同じです。③心理的虐待では、「~不当な差別的な言動」が加筆されます。④放棄・放置では、「他の利用者による①から③までに掲げる行為と同様の行為の放置その他の障害者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること。」が加わります。

〔使用者による虐待の5つの類型〕
①身体的虐待②性的虐待⑤経済的虐待は養護者と同じで、③心理的虐待は、職員と同じです。④放棄・放任では、「養護者以外の同居人」や「他の利用者による」となっていたところが、「~ほかの労働者による」とし、同僚・上司・部下などからの身体的、性的、心理的な虐待が起こっていることを容認したり見過ごすことが書かれています。この使用者による虐待については、障害児童も高齢の障害のある人もこの虐待防止法が適用されることになっています。

〔事業所での身体拘束・行動制限について〕
本人を落ち着かせるためにとか、周りへの影響を考えてなどの理由で本人の行動を抑制することが、本人にとってはマイナスになってしまう可能性があることや、倫理的な部分で問題になってくることがあります。障害特性などをしっかりと理解し、できる限り支援方法の共有化やマニュアル化などによって行動障害が起こってしまう前に、適切に支援することが大事です。身体拘束については、切迫性、非代替性、一時性の3要件すべてを満たすことが必要です。ただ、身体プロンプト(スキル獲得のための身体誘導で、徐々に消去していく行動支援)と身体拘束は全く違うものですから支援の専門家は行動支援の手法について良く学習をすることが必要です。
「問題行動」に対処するために、身体的虐待に該当するような行動制限を繰り返していると、本人の自尊心は傷つき、抑えつける職員や抑えつけられた場面に対して恐怖や不安を強く感じるようになります。人や場面に対しての誤った学習を繰り返した結果、さらに強い「問題行動」につながり、さらに強い行動制限を行うという悪循環に陥ります。行動障害に対する知識と支援技術を学び、支援をマニュアル化することなどによって職員全体で共有し、行動制限の廃止に向けて取り組むことが施設・事業所での障害者虐待を防止することにつながると共に、支援の質の向上にもつながります。

YouTube「向日が丘学習支援チャンネル」

臨時休業中の学校のホームページを見ると、先生方が色々頑張って発信している学校もあります。小中学校独自ではテキストベースのものが多いですが、支援学校はおもしろい動画のオンパレードでした。

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京都府立特別支援学校で学まなんでいる児童生徒のみなさん、学校に通かよえない毎日が続いていますが、元気にしていますか。このページぺーじ『まなびのバイキングばいきんぐ』は、コロナウィルス感染拡大予防のため在宅となっているみなさんを応援するために、全の府立特別支援学校の先生が協力して立ち上げました。このページには、みんなの笑顔を思浮かべながら考えた先生たちのアイデアがたくさん詰まっています。自分のできそうなもの、楽しそうなものを選んで見てください。そしてやってみてください。そして、学校でまた会えたときに、どれが楽しかったか教えてくださいね。それでは、「見みてみよう・やってみよう!!」

http://www.kyoto-be.ne.jp/tokubetsu/cms/?page_id=96

これの向日が丘支援学校版がyoutubeにアップされています。

https://www.youtube.com/channel/UC-R92ycFKYIO1WexpZVym8Q

校舎内やスクールバスに投影するプロジェクションマッピングや簡単なマジックなど楽しいですよ。一度覗いてみてください。

 

わいせつ教師のブラックリスト

わいせつ教師のブラックリスト共有化を考える
園田寿 | 甲南大学名誉教授、弁護士

5/21(金)【Yahoo!ニュース】

■はじめに
教師による学校内での児童生徒に対するわいせつ事件があとを絶ちません。優越的立場を背景に、抵抗できない弱い者に対して自己の性的欲望を暴力的に満たすのは、もっとも卑劣な行為だといえます。ところが現行の制度では、処分を受けて教員免許状を剥奪された者が、最短で3年経過すれば再び教職に返り咲くことができるようになっています。性的な不祥事を起こした教員が再び教壇に立つことができないようにするべきだとか、3年という時間はあまりにも短すぎるといった意見がありますが、もっともだと思います。そこで、この点を改善すべく、法律案が検討されています。

法律案は、わいせつ教師のブラックリスト(データベース)を作成し、免許状の再交付にあたって全国の教育委員会、学校法人の採用担当者などが閲覧できるようにするという仕組みを提案しています。私は、この法律案の基本的な方向性に反対するものではありませんが、十分な議論が必要だと思います。本稿では、その議論の端緒を整理してみたいと思います。

なお、2021年5月10日付けで、学校における子どもの人権を考える会(共同代表:佐久間亜紀、慶應義塾大学・教師教育学)による「『教職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律』案についての論点整理」が公にされています。法案の内容については、基本的にこれに依っています。

■現行制度の確認
現行の教員免許法では、(1)懲戒免職、(2)分限免職、(3)その他教員にふさわしくない重度の非行がある場合には、「免許状取上げ」の処分を行い、「当該処分の日から3年を経過しない者」には免許状の再交付を行わないという規定になっています(第5条1項)。

懲戒免職とは、犯罪や重大な非行などを行ったことを理由として解雇される場合で、(「身分保障の限界」という意味の)分限免職は、心身の故障、勤務成績不良や懈怠(けたい)などを理由とした免職で、必ずしも犯罪や非行などを理由としたものではありません。

問題は、このような理由によって免許状が取上げられた者であっても、最短3年が経過すれば申請によって免許状が再交付されうるという制度になっている点です。

実際に、「福岡県で生徒へのわいせつ行為で懲戒免職を受けたことを隠し、虚偽の履歴書を提出して88~2018年に埼玉県で教員として勤務した」といったケースが報告(埼玉新聞2021年3月23日)されていますし、同様のケースは少なくありません。

■法案の内容
今回の法案はとくに以上のような点について、制度を改めることが目的です。そして、目玉となるのがデータベースの構築ですが、それは以下のような内容になっています。

(1)次のような行為を「児童生徒性暴力等」と定義する。
a. 強制性交、わいせつ行為(刑法上の罪)
b. 児童買春のあっせん、児童ポルノ所持、製造、輸入、盗撮による製造等(児童ポルノ禁止法上の罪)。
c. 児童生徒を著しく羞恥させたり、不安をおぼえさせるような態様で、衣服の上から、あるいは直接児童生徒等の身体に触れたり、通常衣服で隠されている下着や身体を撮影し、または撮影目的でカメラ等を向けたり設置したりする行為
d. その他、性的羞恥心を害する言動であって、児童生徒等の心身に有害な影響を与える行為

(2)児童生徒性暴力行為等によって免許状が失効した場合、各教育委員会がその教員の情報を、文科省が一元的に管理するデータベースに迅速に登録し、各教委や学校法人などが採用の参考とする際に閲覧できるようにする。

(3)各教委が第三者委員会の意見を基に、再交付の可否を判断する「裁量権」を認め、その際、教員の更生状況などを勘案する。

端的にいえば、文科省がわいせつ教師のブラックリストを作成管理し、このデータベースを各教育委員会や学校法人が参照して免許状の再交付の可否を決定するというものです。

はたしてこのような制度は、今までの制度に矛盾なく溶け込むのでしょうか。以下、その点を考えたいと思います。

■一般的な問題点
国の基本的な制度からの大きな方向転換になりはしないか
第一の論点は、ブラックリスト共有化という新しい提案が、国の従来からの制度に対する大きな方向転換になりはしないかという点です。

現在の刑罰制度は、根底に応報という考え方(苦痛を与えることによって過去の犯罪行為を清算すること)があり、その枠内で犯罪予防(一般人の犯罪を予防し、受刑者本人の将来の犯罪を予防する)を考えるというものです。そのため、実際の刑罰執行(行刑制度)は、受刑者の再社会化(更生=人生のやり直し)を目的として組み立てられてきました。

その一つに前科抹消制度といわれる制度があります。
これは、刑に処せられて一定の時間が経過すると、刑の言渡しがなかったことになるという制度です。刑の言い渡しを受けて、判決が確定すると市町村役場に置かれている犯罪人名簿に登録されます。しかし、前科は更生の障害となる場合があるため、昭和22年に刑の消滅の規定(刑法34条の2)が設けられ、執行終了または免除後一定期間(禁錮以上は10年、罰金以下は5年、刑の免除は2年)を罰金以上の刑に処せられることなく経過したときに、刑が消滅し(法律上の復権)、前科人名簿からの抹消が認められました。

わいせつ教師のブラックリスト共有化は、この前科抹消の制度と基本的に調和するのでしょうか。ブラックリストからの削除についての規定も、登載期間についての規定もないので、ブラックリストに登録することで、一度過ちを犯した者を刑法の原則を超えて社会から排除するおそれのある制度となる危険性はないのでしょうか。社会制度としてこのような仕組みを設けることは根本的に妥当なのかという点について疑問があります。

本制度は、再び教職に付かせないということだけが狙いなので、他の職業に付くことへの制約にはならない、つまり職業選択の自由を侵すものではないといえるでしょうか。これが次の論点です。

罰則規定がないのは問題
刑法学者としての観点からこの新提案を見た場合、もっとも気になる点は、情報漏洩や悪用についての罰則規定がないことです。

教育委員会や学校法人がブラックリストを閲覧するわけですが、教育委員は公務員ですから、得た情報を漏洩したり悪用した場合は守秘義務違反の罪(最高1年以下の懲役)がありますが、私立学校の採用担当者は私人であって、罰則がありません。私立学校の校長などが、友人の予備校や塾の経営者、さらには一般企業などに情報を漏らすようなケースも想定することが必要でしょう。

ブラックリストには性犯罪歴が登録されているわけですから、もしもこれが漏れたりした場合はたいへんなことになります。本人はもとより、家族や親戚へのダメージは想像以上でしょう。

ブラックリスト共有化が教員免状の再交付を厳格にするだけの制度だから問題はない、といえるのかです。

「児童生徒性暴力等」の概念は明確なのか
ブラックリストに登録されることは、本人にとって重大な制裁的効果があります。登録の前提条件である「児童生徒性暴力等」の概念は、明確なのでしょうか。

この概念の中には、刑法上の性犯罪から、明確に「犯罪行為」として認識されないような行為まで、行為の性質と重さの異なるさまざまな性的行為が含まれています。それらに対する一律的な行政的制裁として免状の取上げがあるわけですが、これにさらにブラックリストへの登録という実質的な制裁処分が課されることになります。その際、なされた行為における侵害性の軽重は問題となっていません。このような仕組みは、近代法の大原則である責任主義(許されるのは責任の重さに応じた制裁)に反する疑いが濃厚です。

また、具体的に当該行為が「児童生徒性暴力等」に該当するとの判断は、だれがどのように行うのかも問題ですし、本人の弁明の機会なども十分に保障されなければなりません。

■では、どうすればよいのか
誤解のないようにいいますが、私も性的な問題を起こした教師がわずか3年で免許状の再取得が可能であるという現状はたいへん問題だと思います。しかし、ブラックリストに登載して排除するという方向性にも疑問があります。

では、どうすればよいのか。

今回の法案では、教育委員会の裁量権を認めることも提案されています。一定の法定要件が具備されれば免許状がオートマティックに再交付されるのではなく、再交付の可否について教育委員会が個別に判断することになります。この提案じたいに異論があるわけではなく、むしろ望ましい制度だと思います。しかし、ブラックリスト方式を前提に考えると、教育委員会が検索して該当者がヒットすれば、それだけで該当者についてさらに実質的個別的な審査が行われる可能性は、特別な事情がない限りきわめて小さいと思われます。

この教育委員会の裁量権を活かすためには、再交付に際して参考とされるデータベースはブラックリスト方式ではなく、ホワイトリスト方式とされるべきです。つまり、まず全教員リストから、懲戒、分限等の処分があれば、その都度ここから該当者を削除していき、いわばホワイトリストを作成する。そして教育委員会が免許状の再交付を審査する際にはこれを参照し、申請者がこれにヒットしなければ、さらにその者について聴聞の機会も保障して個別に実質審査を行う。このような仕組みであれば、法案が目指すものと同じ効果が得られますし、官民の多くの人たちに共有されるデータベースのあり方としても望ましいのではないかと思います。

いずれにせよ、新しい提案について十分に議論されることが必要です。

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性犯罪の再犯率は低くありません。しかも、学校教員や施設職員から子どもが受けるわいせつ事件のほとんどは、行政処分を受け社会的制裁を受けたのだからと起訴されないことも多く、軽微なものと判断されるものは略式起訴程度で終わるものがほとんどで、服役をするほどのものはごく稀です。

犯罪の種類でいえばわいせつ罪は強制も準強制も最高懲役20年と罪が重いのですが、職員が犯す罪は健全育成条例違反の淫行罪がほとんどで懲役2年が最高で、初犯なら執行猶予がつくものがほとんどです。従って前科抹消制度が摘要されれば前科すら消えるのです。

免許制度をわいせつ前科のある人には免許を与えないようにする法案も、憲法の掲げる職業選択の自由を侵すとして断念されました。そこで、行政処分リスト(官報)を調べる証明システムを免許申請や採用時に求める仕組みを文科省が考えたのですが、履歴は今年からと言う情けないシステム(教員の懲戒免職・解雇理由、官報に記載 03/30)なので、日本版DBS(子どもの性被害どう防ぐ?: 01/06) を法律で決めようと言うわけです。英国では2012年にスタートしたそうですが、日本型民主主義(憲法)は時間がかかり過ぎます。

子どもの呼称

福祉の関係者の中には、「~ちゃん」「~くん」と呼ぶことを、人権侵害または人権侵害への傾きがあるとする見解を持つ人がいます。呼称は、そのように単純な問題ではありません。こういう指摘に対して、現場の支援者が納得できない気持ちは理解できますが、ちゃん付けが正しいわけでもありません。

呼称の問題を単純化する悪弊は、自治体職員や福祉支援者に地域住民・利用者を「お客様」と呼ばせることや、学校教育における児童生徒の男女差別を解消するための手立てとして、男女すべてを「~さん」に統一して呼ぶとするなどがあります。「お客様」は消費者主権主義にもとづくビジネスモデルにおける呼称ですから、ビジネスモデルに包摂されない地域住民やサービス利用者は、行政の主権者ではありますが金銭とサービスを交換する「お客様」とは違います。敬意をもって丁寧に接することと、お客様扱いは意味が違います。学校における「~さん」への呼称の統一というのは、差別事案を具体的にとらえて克服していこうとするのではなく、呼称の統一によって「性区別なく公平に扱っていますよ」、「君付けは上から目線だから使いません」というのは、アリバイ工作程度にしか感じないのです。だからと言って、これが全部間違いだというのも逆のステレオタイプのような気がします。もう少し呼称や敬称の問題の本質をつかんだ上で、プロとしての流儀を明確にしたいと思うからここで取り上げてみたのです。

福祉的支援における呼称の問題は、サービスの種類で区別して考える必要があります。一つは施設入所支援やグループホームのように親密圏を構成する支援サービスの中で、支援者と利用者が取り結ぶ関係性にふさわしい呼称の場合です。もう一つは、就労継続支援や就労移行支援に代表されるような、公共圏において支援するか、「公共圏に向けて」支援する時空間において支援者と利用者が取り結ぶ関係性にふさわしい呼称です。だから、この場合は呼び捨てにしたり「~ちゃん」はあり得ません。

親密圏における呼称は、関係当事者の同意に従ったいかなる呼称も、公序良俗に反しない限り、人権侵害には該当しません。ただ、支援者の優位性をテコに利用者を「子ども扱い」して呼び捨てにしたり「~ちゃん」と呼称するのは論外です。しかし、この問題の本質は呼称にあるのではなく「子ども扱い」することに人権侵害の根幹があるのです。関係者の相互了解さえあれば多様な呼称が容認されてもいいのかもしれません。ただ、利用者が施設やグループホームから地域社会のさまざまな活動(就労、買い物、外出、友人との仲間活動等)に参加する場面で呼び捨てや「~ちゃん」を使用し続けることは、人権侵害につながる問題をはらんでいます。地域社会における一般市民の受けとめ方の中に障害のある人に対する「子ども扱い」や特別視を助長しかねないからです。

「~ちゃん」の呼称が、いつの間にか人権侵害につながる恐れがあるという指摘は、呼称の問題が本質なのではありません。親密圏そのものがはらむ「割り切れないリスク」に問題の本質があります。親密圏における「暮らしの中の人権侵害」の問題には立ち入らず、呼称という表面的な問題で片づけているとも言えます。障害のある人が親密圏と公共圏のそれぞれにおいて、難しさを感じることなく、もっとも活き活きと周囲の人たちとの関係をゆたかに取り結べるための呼称を、ケース・バイ・ケースで考えるべきかもしれません。ただ、言霊文化を重んじる日本では、声に発した言葉が、相手にも自分にも良くも悪くも影響を与えると言われてきました。敬語や呼称敬称によってその関係性を持続させるという考え方は行動科学としては理にかなっており、あながち否定できるものでもありません。

そこで、児童サービスの場合も同じ課題が浮かび上がります。支援者が子どもを名前呼びにしたり、ちゃんづけしたりするのは良くあります。特別支援の必要な子どもの場合は日常茶飯といっていいかもしれません。しかし、ここにも親密圏と公共圏、もしくは公共圏に向けた支援かどうかということが問われます。中学高校生の利用者に「~ちゃん」と呼びかけた声を、同じ場所で小学生が聞いているという状況に、あまりにも鈍感ではなかったかと思うのです。子どもへの支援者の言動は子どもの言動に乗移っていきます。家族以外からいくつになっても「~ちゃん」と呼びかけられている子どもに、公共圏での自尊感情は担保されるのでしょうか。また支援者自身がそのことを意識できるのでしょうか。さん付け君付けだけで、子どもに敬意を払うことができるわけではありません。そのことを深く理解していること、それがプロとしての流儀と言えるのかもしれません。

 

ソーシャル・ナラティブで感染不安の解消を

毎日、垂れ流される武漢ウィルスの感染情報に恐れをなしているASD児のことについては何度か掲載してきましたが、問題は正確に感染のリスクが子どもたちに知らされていないことです。なので、他者に接触すれば感染すると誤解している子どもが少なくありません。これをソーシャル・ナラティブ風に書くと以下のようになります。

新型コロナウィルスに感染した人はこの4か月間で16367人。10万人に13人です。これは、サイコロを6回振って6回連続で同じ目が出る確率に近いです。つまり、感染する人はものすごく少ないのです。

4か月間で交通事故に遭う確率は10万人に100人で、先の感染確率の8倍で0.1%です。この確率でも、通事故にあうかもしれないから外出しないという人はほとんどいません。それはごく小さな確率だからです。信号を守る、一時停止をする、交差点で左右をよく見て通行するという交通ルールに気を付ければ事故を防止できる確率だと考えられるからです。

新型コロナウィルスの感染率はそれより一桁小さな確率です。これは外出してもほとんど感染しないと考えて良い確率です。マスクをする、外のものを触った手で目や口を触らない、帰ったら手を洗う、この三つを守れば予防できる確率だと考えられます。

コロナウィルスは人に直接接触しても皮膚から感染はしないウィルスです。つまり、皮膚感染を恐れる必要はありません。友達の身体に触れても感染しないのです。どうしても気になる時は、ポケットに除菌シートを入れて黙ってそっと手をふけば気持ちが落ち着くかもしれません。

このウィルスは70歳以上のお年寄りの人に感染したときに重い肺炎になりやすいです。しかし、子どもが感染しても、何も起こらないか、少し熱が出るくらいの人が多いです。新型コロナウィルスの感染が原因で死んだ子どもは、わが国には一人もいません。

テレビでは、感染が少なくなっているのに、感染すると危険だという情報を毎日何回も放送しています。これは、感染数が少なくなったという放送より、感染は危険だという放送の方が視聴率が上がるからです。テレビ放送は視聴率が上がるように作られるので、真実が放送されないこともあります。ただ、子どもには何が正しい情報か調べる方法がないので、私は、親や先生に聞いて確かな情報を教えてもらいます。

私は、外でマスクをすれば直接口を手で触れないし、帰ったら手を洗うのでウィルス感染の予防ができます。そして、もしも、子どもが感染しても軽い症状だけで治ってしまうので、私は心配しなくても大丈夫です。

『ドラゴン桜』で説明した東大の「文化」

『ドラゴン桜』で説明した東大の「文化」にOBから疑問の声 学生間の試験対策を「発達障害の学生のため」と紹介?

2021/05/24 【リアルライブ】

日曜劇場『ドラゴン桜』(TBS系)の第5話が23日に放送され、平均視聴率が13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)だったことが各社で報じられている。第4話の14.3%からは0.5ポイントのダウンとなった。

第5話は、専科の生徒との勝負に負けた藤井(鈴鹿央士)は苛立っていた。そんな様子の藤井を案じた理事長の久美子(江口のりこ)は、東大専科と一流大学コースで再度勝負することを桜木(阿部寛)に提案する。そして、東大専科には5人目の生徒がやってきて――というストーリーが描かれた。

※以下、ネタバレ含む。

専科に来た5人目の生徒とは、学年で成績ワースト1位という発達障害の健太(細田佳央太)。桜木は健太のその異様な記憶力に注目し、健太が好きな昆虫研究の英語の論文を渡すことで勉強欲を刺激することに成功していた。

そんな中、水野(長澤まさみ)が話した、発達障害でも東大で勉強できる、ある文化が話題になっている。

「健太は目から入った情報は忘れないものの、一方では聴覚的短期記憶能力が低く、これまで授業についていけなかったとのこと。このことから幼馴染の麻里(志田彩良)から『仮に東大に入れたとしても講義についていけないんじゃ?』と指摘する場面がありました。しかし、水野は『大丈夫。東大には書き起こし文化があるから』といい、当番制で教授の話を書き起こす制度だと説明。『そのぐらい東大に通う発達障害の学生は多いのよ』と話していました」(ドラマライター)

この水野の説明に、視聴者からは「書き起こし文化なんてあるんだ!」「そんな文化あるなんてすごいな」という感心が集まっていたが――。

「しかし、SNSからは東大OBを名乗るユーザーから『ミスリード』を指摘する声が噴出することに。実際、この書き起こし文化は東大法学部の学生の間で自発的に行われているもので、発達障害の学生のためだけではなく、そもそもの目的は試験対策とのこと。ツイッターからは『発達障害を起源に持ってくるのは無理がある』『書き起こしは公式ではないし万能でもない』『学生間の試験対策を発達障害に配慮した文化にするのはちょっと…』という指摘が上がっていました。また、大学側の制度ではなく学生間で行われている文化のため、書き起こしがない授業も多く、語弊があるとの指摘もありました」(同)

ドラマでの説明と現実での乖離に、多くの東大OBが違和感を抱いてしまったようだ。

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前回(ドラゴン桜 05/15)、健太(細田佳央太)のサバン症候群が発揮されると書きましたが、予想通りでした。ドラマは全てが事実ではないのに、あえて疑義を唱える元東大生の『ミスリード』指摘にはステレオタイプの方に少なくない特性を感じます。けれども、東大が発達障害を持つ学生の支援に力を入れていることは事実です。2010年には、発達障害の学生をサポートする専門機関である「コミュニケーション・サポートルーム」を立ち上げています。

開設当時、東京大学学生相談ネットワーク本部は、「東大が多くの発達障害の人を抱えるのは事実」「支援室の開設は発達障害と共に生きる東大としての第一歩」と言っています。また、日本学生支援機構の調査によれば、東大は対人関係スキルを身につけるためのセミナーを全学生に向けて開催しているそうです。今回の件について、東大のコミュニケーション・サポートルームは学生のプライバシー保護のためにノーコメントだそうですが、ノートテイク支援の是非を聞いているだけなのにあえてコメントしないという事は、様々な支援事例があるので安易に触れられないということでしょう。

大事なことは、東大で授業の講義が書き起こされるかどうかの真偽ではなく、普通の学校の授業で視覚的支援が合理的配慮としてなされているのかどうかです。視覚的支援がないから学習に取り組めないし、不適応行動の原因を知能が低いからと誤解しているから、いつまでたっても不適応行動が収まらない、という桜木(阿部寛)の台詞にこのドラマのメッセージがあります。そして、「だけど」と付け加えた桜木(阿部寛)の、「無理やりに学習をさせようとはしなかった担任の行動は、健太(細田佳央太)の学校への安心を形成して、学習への嫌悪感を与えなかった」という台詞内容も支援の本質を感じさせました。

気象病

「う~ん15時から降水率60%か~ビミョ~」今日は雨が降るかどうか、梅雨の時期だからこそ外で遊ばせたいスタッフは、ヤフー天気予報といつもにらめっこしています。ところで、季節の変わり目に体調変化や気分変動があるように、気圧が下がると体調が乱れ、片頭痛や関節痛、耳鳴りなどの症状が悪化する「気象病」はご存じでしょうか。季節の変わり目と同じように自律神経のバランスの乱れが関係するそうです。

気圧の低下によって悪化する症状の多くは、自律神経のバランスの乱れが関わっています。春先や秋口などの季節の変わり目や、梅雨時の低気圧接近による気圧の低下で、以下のような症状が悪化することがあると考えられています。

①片頭痛:片頭痛のはっきりとした原因は不明ですが、血管の拡張によって痛みが生じることが知られています。過労や環境の変化などによるストレスとともに、気温や気圧の急激な変化も、痛みの引き金となります。②関節痛:気圧が下がり、相対的に体内の圧力が上がることで、関節まわりの炎症部分が圧迫されます。また、気圧の低下による血流の増加で、自律神経の痛みに対する過敏性が高まると考えられています。③めまい:気圧の低下により相対的に耳の内部の圧力が高まることで、耳の内部にある器官(蝸牛や三半規管)から内リンパ液という液体が漏れだすことで、回転性めまい(ぐるぐると回っているような感覚になるタイプのめまい)が悪化します。④耳鳴り:気圧の低下により、相対的に耳の内部の圧力が高まることで起きます。エレベーターで高層階に行くときに耳鳴りが起きるのと、同じ仕組みです。⑤過敏性腸症候群(IBS):主にストレスによって胃腸の調子が悪くなる状態で、便秘型・下痢型・混合型に分類されます。低気圧が日本に近づく春先や秋口になると、自律神経のバランスが乱れ、症状が起きやすくなります。⑥精神関連:自律神経失調症、パニック障害、うつ病、統合失調症、不安障害などの精神疾患は、自律神経のバランスの乱れを招く気圧の低下によって、悪化しやすいと言われています。尚、昔は喘息も低気圧と関係すると言われてきましたが、最近の研究によると気圧変化か心理変化かどちらかはっきりとは言えないそうです。

それぞれの症状の悪化は、気象状況の影響かどうかに関わらず、医療機関を受診して、適切な治療を行うことが何よりも大切です。治療に加えて、日頃から予防するには、自律神経のバランスを整えるトレーニングも有効です。
●ウォーキングなど適度な運動を行い全身の血行を改善する。●栄養(繊維質タンパク質)がとれる食事と、規則正しい時間に食事をして代謝を整える。●シャワーではなくぬるい湯船にゆっくりつかって汗をかきリラクゼーションする。●就寝する2時間前以降はインターネットやゲームを禁止して快眠を得て生活リズムを整える。●小集団でのレクリエーションや軽作業など計画的に軽いストレスに慣れる。
要するに、自律神経系に働きかける、運動や食や温度管理や、過剰な視覚ストレスを避けつつ日常的に調節できる範囲で仕事や勉学の負荷をかけることです。放デイにできることは、雨の隙間を縫ってみんなで体を動かすことだという事です。

 

ソーシャルナラティブ

昨日のソーシャルナラティブという言葉が初めて出てきたので解説します。これは、以前書いたソーシャルストーリーTMのことです。自閉スペクトラム症の人の捉え方に合わせて(=理解の仕方に配慮しながら)、社交上の約束事や暗黙の了解について伝える方法です。非自閉スペクトラム症の人々が、自閉スペクトラム症の人に物事を伝える際のマナーとも言えます。開発者のキャロル・グレイが書いた書き方ルールは著作権があり、「ソーシャルストーリーTM」とされています。それをまねて(C・グレイ)のルールに完全には従わず、オリジナルのものを書く場合は、区別のために「ソーシャルナラティブ」と称すべきなので今回はソーシャルナラティブと書きました。

ソーシャルナラティブという用法を日本でおそらく初めて論文で用いた藤野・米山(2009:415)らには、用語について以下のような注があります

「ソーシャルストーリーTM」という名称は米国において 商標登録され,現在では Gray による公認を受けなければ,この名称を使った講演,研修会,研究発表などを行うことは許可されていない(Gray, 2006)。一方,Myles, Trautman, & Schelvan(2004)はソーシャルストーリーTM に代表される社会的状況の意味を説明し望ましい行動の 見本を記述した物語を使った支援方法の一般呼称として“Social Narrative(ソーシャルナラティブ)”という名称を 創案し使用している。本稿でも Myles らにならい,この ようなタイプの教育技術を「ソーシャルナラティブ」と 総称することにした。また先行研究で“Social Stories” を使用したと記載している論文でもGrayによる公認を受けたことが明記されていないものは“Social Narrative(ソーシャルナラティブ)”を使用したものと解釈し,本稿ではそのように表現した。

 

1人1台コンピューター「一見よさそう」の落とし穴

学校1人1台コンピューター「一見よさそう」の落とし穴
科学医療部次長岡崎明子

2021年5月25日 【朝日新聞デジタル】

小学生の娘が、学校から配られたiPadを使うようになってから2カ月がたつ。コンピューターを活用した教育を広げるため、文部科学省が進める「GIGAスクール構想」の一環だ。3月末までに、全国のほとんどの小中学校に1人1台分のパソコンやタブレット端末が配られた。

アップルのスティーブ・ジョブズは家で子どもがiPadを使うのを制限し、読書や会話の時間を大切にしていたという。だから私も、娘が幼い頃からなるべくスマホやiPadを遠ざけてきた。それなのに。

娘は喜々として「今日はヤフーで『三角形』を検索した」などと教えてくれる。国は、この構想は学びを個別最適化し、創造性を育むと言う。でも本当にそんなエビデンス(科学的根拠)があるのだろうか。

学びの質を研究してきた東大名誉教授の佐藤学さんに聞いてみた。「実は、ICT(情報通信技術)教育が学力向上につながるというエビデンスはほとんどないのです」

最も信頼できるのが、国際学習到達度調査(PISA)の調査委員会が2015年にまとめた報告書だという。先進国の集まりであるOECD加盟の29カ国のデータを分析すると、学校でコンピューターの使用が長時間になると、読解力も数学の成績も下がっていたという。衝撃的な内容だ。

PISAの担当者はその理由を二つ挙げる。一つは深い思考を育む先生と子どもの対話がコンピューターによって阻まれる可能性。もう一つは従来の授業スタイルのままコンピューターを入れることの限界だ。

佐藤さんはこれに加え、今のICT教育の現場で使われるソフトの質を挙げる。答えを入力すると即座に○×が表示され、正解なら次に進むといったものも多い。

ここから続き
「刺激と反応の学びは短期記憶にしかなりません。そもそもGIGAスクール構想は20年前のコンピューター教育。協同で探究する学びに改革する必要があります」

世の中には、「一見、よさそう」と思って導入したものの、実は効果がなかったということが結構ある。

今から半世紀前の1976年2月。米国の陸軍基地で1人の新兵が豚インフルエンザで亡くなった。見つかったウイルスは、18年のスペイン風邪と同じH1N1型だった。パンデミック再来を恐れた当時のフォード大統領は、専門家の助言に従い、全国民2億人以上にワクチンを接種するという前代未聞の事業を決断した。

接種は10月から始まり、4千万人以上がワクチンを打った。だがギラン・バレー症候群など多数の副反応が報告され、わずか10週間で事業は中止された。実際のところパンデミックは起きなかった。残ったのは、公衆衛生行政への不信感だけだった。

検証報告書は、貧弱な証拠から組み立てられた理論に、専門家らの過信があったと指摘している。エビデンスがない政策は税金の無駄となるだけでなく、ときに害を与える。

コンピューターに向かう時間が増えることが、子どもたちから深く思考する機会を奪うとしたら。その代償は計り知れない。私は子どもには、物事を多面的にとらえ、自分の意見をしっかり持った大人になってほしい。1人1台を進めるにしても、エビデンスのないまま広げ、貴重な学びの場が「実験台」になるのは勘弁だ。

コンピューターに一切触れるなと言っているわけではない。実はPISAの報告書には、ヒントとなりそうなデータもある。例外的に、オーストラリアではコンピューターを使うほど読解力が上がっていた。

日本のICT教育は、先進国の中では周回遅れだ。だからこそ、効果をあげている他国の例に学べるというメリットがある。ジョブズはこうも語っている。「教育の問題はテクノロジーでは解決できない。これは、政治の問題なのだ」(科学医療部次長 岡崎 明子)

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ICTを使えば学習ができるようになると言うのは正しくないです。当たり前のことですが、学習ができるように作られたICTならば学習ができるようになるのです。例えば、今はやりの講義アプリのスタディーサプリがあります。あれは、優秀な講師が講義をするので学力が平均以上の人にとってはとても役に立ちます。しかし、基礎学力の伴わない人が使っても成績向上は望めません。また、聴覚情報が苦手な人にも向いていません。

下のグラフは2015年のもので、このグラフだけで本当にICTの利用と非利用の格差が出たかどうかはどんなデーターの取り方をしたかどうかわからないので何とも言えません。こういう数字のマジックを使うのはメディアの得意技です。PISAの500を平均とした標準偏差100の5〜6点差は、入試偏差値の平均50・標準偏差10にすれば1ポイント未満の数値です。これをわざわざグラフで大きく切り取って見せているのです。また、日進月歩のICT世界での2015年当時とは一昔前とも言え、適切な学習アプリが開発されているとは言えないからです。少し自信がない記者は、アップルコンピュータのカリスマ、スティーブ・ジョブズを引っ張り出して、自説を補完します。

ICTを使った学習を○×の短期記憶の学習機とレッテルを貼るのも、メディアの得意技です。PISAの報告書によれば、周回遅れのはずの日本はICTを使ってないのに読解力は落ちているのです。このことについては何も触れずに我田引水です。ICT機器を学習に使うメリットは、その人の興味や関心、分かる速度に合わせて自学自習ができる事や、学習したことや気づいたことを簡単に仮想空間で共有できることです。まさに、教室から外に飛び出した授業が展開できる可能性が広がっているという事です。

ICTと学力とは関係がない事ですが、日本のワクチン開発が先進国の中で遅れているのは、政治の責任と言うより、メディアが散々ワクチンの副作用をエビデンスもないまま恐怖を国民に煽ったからです。副作用が恐ろしいぞと特殊例だけをあげて煽れば、誰も国内で売れない商品を開発しようとはしないでしょう。その舌の乾かぬうちに今度は開発が遅れているのは政府の責任だと言うのです。今回のメディアによるICTの教育展開の批判も同じ類の根拠のない無責任な主張ではないかと思います。今大事なのは、ICT機器を利用するためらいではなく、学校や家庭のネットワーク環境を整備してソフト開発にどんどん民間会社を呼び込んで良いソフトを競争して作ることです。

 

端末持ち帰り調査

<学校ICT時代端末持ち帰り調査>(上)小中学校編岐阜が先行、福井認めず

2021年5月26日 【中日新聞】

小中学生に一人一台ずつ学習端末を配備する国の「GIGA(ギガ)スクール構想」。新型コロナウイルス禍による休校も想定し、文部科学省は学校だけでなく、自宅での学習にも端末を生かしてほしい考えだ。こうした端末の「持ち帰り」にどう対応するか?。中部九県の県庁所在地と政令指定都市の計十市教委に取材した。(北村希、加藤祥子、河原広明)

昨年九月に全児童生徒への配備を済ませ、直後から「持ち帰り」に取り組むのは岐阜市。同市教委担当者は「休校時でも自宅の子どもと学校の先生をつなげる環境をいち早くつくりたかった」と話す。

学校便りの配信など保護者との連絡に用いたり、一部の学校で不登校の児童生徒向けに授業を中継したりするなど積極的に活用している。コロナ禍による昨年の一斉休校では「学びの保障」が課題に。文科省は「一人一台」の配備完了時期を二〇二三年度から二〇年度に前倒し。自宅への持ち帰りも促す。

名古屋と金沢、富山の三市も本年度中の持ち帰りを「認める」と回答。富山市では既に持ち帰りを進めている学校も。名古屋市教委の担当者は「学びの継続性を考えると持ち帰りは必要」と説明する。ただ、配備が慌ただしく進んだこともあり、自治体によっては一部の学校で「持ち帰り」を試行し、効果的な活用法を検討したり、課題を見定めたりする場合も。津市は本年度に全七十校のうち四校で試行。その結果を基に来年度以降の全体の対応を決める。

同市教委の担当者は「地域や学校ごとに状況が異なり、一斉に導入するのは難しい。小一から中三まで学年の幅も広く、どんな課題が出てくるか予想できない」と漏らす。
一方、「コロナによる休校など有事以外は認めない」とするのは福井市。市教委の担当者は「(破損時の)保険や家庭の通信環境の確保などで費用負担が大きい」と説明。「効果も十分検証されておらず、紙を用いた学習を続けながら、周りの状況を注視したい」とした。

通信環境確保に四苦八苦
「持ち帰り」では家庭の通信環境の確保が欠かせない。ネットを活用した調べ学習をしたり、休校時などに学校と家庭をつなぐ「オンライン授業」に取り組んだりするためだ。
GIGAスクール構想で配る端末は、通信回線の契約付きか否かの二種類。十市のうち唯一、「通信契約付き」にした岐阜市では、家庭の通信環境に関係なくネットに接続できる。残り九市の端末は、家庭で通信環境が整っていないとネットに接続できない。

名古屋市と津市、金沢市など五市は通信環境がない家庭に、ネット接続に必要な機器「モバイルルーター」を貸し出して対応する。機器を整えても、ネットにつなぐ通信費を誰が負担するかも各市の悩みどころ。使う頻度にもよるが、一人分は少額でも、全児童生徒分だと額が膨らむからだ。

全ての児童生徒分を市が全額負担する岐阜市や「検討中」の市を除き、各市は家庭負担が基本。その上で、名古屋市や津市などのように生活保護受給世帯などを対象に全額または一部を補助するケースが多い。

補助以外の方法も模索されている。長野市教委の担当者は「通信環境のある学校や公共施設を開放し、家庭の負担を減らす方向で検討したい」、浜松市教委の担当者は「市で負担するのは予算的に厳しく、休校時などに通信環境がない家庭の児童生徒は学校に来てもらう形も検討する」と話している。

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<学校ICT時代端末持ち帰り調査>(下)高校編配備済みの岐阜と福井は可生徒の個人所有方式も

2021年5月27日 【中日新聞】

国の「GIGA(ギガ)スクール構想」の一環で、県立高校でも生徒に学習端末の配備が行われている。中部九県の教育委員会に端末の自宅への持ち帰り状況を聞くと、認めているのは「一人一台」が完了した岐阜県と福井県のみ。そもそも全児童生徒の端末代を国が負担する小中学校と異なり、高校では国の負担は一部にとどまるため、配備状況に差が生まれている。(白井春菜、杉浦正至、福沢英里)

高校生の端末について、国は三クラスに一クラス程度分は配備できるよう負担。新型コロナウイルス関連の交付金なども使って「一人一台」を目指すよう求めている。小中学校で一人一台で学んだ生徒が、高校でも同じ環境で学べるようにするためだ。

交付金も投入して一人一台を達成した岐阜県。大垣市の大垣北高校は公費端末を生徒が家に持ち帰り、手書き入力ができる学習支援アプリで宿題をこなす。以前は宿題に使ったノートを授業開始後に教員が見て回ったり、授業後に集めてチェックして返却したり時間を要した。今では教員が授業前に自分の端末から各生徒の宿題の状況を確認でき、授業時間を有効に使える。

同県教委ICT教育推進室の室長は「コロナ禍や台風による臨時休校など有事への備えにもなる」と強調。推進室職員、ICT担当の教頭と指導主事の計十数人が県立校八十三校を手分けして回り、教員らの活用を後押し。画面のひび割れなどの破損は、故意でない限り県教委加入の保険でカバーする。

福井県も同様に一人一台を達成して持ち帰りを認める。担当者は「家庭学習に使い、休校しても学びの継続性を確保するため」と話す。学校の課題に取り組むなど授業と連動した活用を想定している。

富山県の端末配備は今年の夏ごろに完了する見込み。持ち帰りを認める予定だが、時期は各校が実情に応じて判断する。担当者は「オンライン授業や課題の提出など学校教育に限らず、教育目的なら資格取得に向けた勉強なども認めていく」と述べた。
一人一台の体制になっていない静岡、石川両県は、持ち帰りの方針について「未定」と答えた。

一方、生徒が個人所有の端末を持ち運び、学習に使う「BringYourOwnDevice(BYOD)」方式を採用する県も。大半の生徒が保護者負担で端末を用意し、それが難しい家庭には公費端末を貸し出す。

長野県は二一年度にタブレットかスマートフォンでBYOD方式に。公費で配備した端末は持ち帰りを認める方向で検討中だ。二一年度中に全生徒の三分の一強に国費端末が行き渡る予定の愛知県は現時点で認めていない。ただ、担当者は「端末の紛失や損傷時の補償、弁償の枠組みなど、さまざまな課題が解決できれば二一年度中にも認めたい」と話す。

通信費 多くは自己負担ルール作り課題
家庭の通信環境の確保はどうか。環境が整わない家庭向けに、多くの県でネット接続に必要な機器「モバイルルーター」などを貸し出す用意がある。通信料は県費で負担する岐阜県を除き、多くが自己負担。富山県は「今後の検討」とした。
家庭の状況に応じて、国の「高校生等奨学給付金」を案内する県も。通信料相当として年一万二千円が補助される制度だ。それでも足りない場合、福井県は低所得世帯向けに補助を上乗せしている。

スマホの所有率が高い高校生でも、端末依存やネットトラブルの懸念はある。岐阜県はフィルタリングソフトを入れて、会員制交流サイト(SNS)やゲームサイトにつながらない設定にしている。三重県の担当者は「情報モラルはこれからの社会を生きる世代に必要な基本スキル」と教育の必要性を強調する。
持ち帰り時のルールについて愛知、福井両県は学校の実情に応じて決めてもらう。富山県は、県教委で作ったひな型を各校に周知した上で、ルール作りを各校に委ねる。

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記事を読んでいて、この期に及んでもGIGAスクール構想での各生徒にPC一台配備の意味が理解できてない役人がいることが、明らかになった感じです。これは前回も掲載(「校長がブレーキになってはいけない」 文科相 02/20)しましたが、危惧した通り自治体によって相当違う対応になっています。

特に福井県は福井市教委と、福井県教委で真逆の対応となっているのが驚きです。小中では金がないから家庭に持ち帰らせないとし、高校は県が買い与えてでも家庭学習を推進する対応です。つまり県全体としてGIGAスクール構想をたたき台にしたICT教育の統一的な構想がないので、同じ県下でも方針が違うのでしょう。京都府と京都市も似ていますが、京都市は府と同じくらいの財政権限を持つ政令市ですので比較対象にはなりにくいです。

京都府や地元の自治体は、家庭持ち帰りや家庭の回線環境についてまだ統一的な見解を発表していませんが、この記事にあるような否定的な見解を持つ学校関係者も少なくありません。いったいいつになったら、子どもたちは家庭でルールに沿って自由に端末で学習ができるのでしょう。岐阜県のように持ち帰りを前提にセルラー機器(民間回線接続)を購入している自治体もあるのですから、 ひとえにICT教育担当の役人にかかっていると言っても過言ではないと思います。以下は東京渋谷区の子ども用の持ち帰りルール例です。かなり決まりが多いですが、それでも子どもを信じて持ち帰らせようと言う関係者の気持ちに共感できます。政府の施策なのに住んでるところでこれほど運用に差があっては、公教育の名折れだと思います。

裏面あり画像クリックでPDFが読めます

子どもへの診断告知

子どもに自分の障害について早い時期から告知していくことは必要なことだと言われています。ただ、診断名だけを告知しても、障害受容はできません。近視を説明するのに近視だというだけでなくメガネやコンタクトを装着させることで、なるほどと思わせるような支援の有効性とセットで教える必要があります。告知は子どもに諦めさせたり大人に従わせたりするためではありません。それでは診断名を否定的なものと考えてしまいます。診断名を知っても苦手なものは苦手です。子どもの苦手な理由を聞いて支援策を考えることが大事です。困難な状況であっても具体的支援で乗り越えるしかないのです。告知で何とかなるという発想は、治療方針を示さず当事者が聞いたこともない病名を告げて患者が安心すると言っているのと同じことです。「ADHDだから気をつけろ」とだけの注意は具体的な助言ではありません。これは「多動で不注意だから注意しろ」と言っているのに過ぎません。どうすれば集中できるのか、失敗をどうリカバリするのかを具体的に教える必要があるのです。

A病院では自閉傾向、BセンターではLD。C心理士はADHDと、結局のところよく分からないままでは、子どもに伝えようがありません。診断や評価は支援のためにあります。逆に言えば支援に結びつかない診断や評価は価値の低いものでレッテル貼りです。支援内容が具体的に出てこない診断名だけの診断・評価では、やればできると子どもに思わせるのは無理です。最初に、得手・不得手とその理由(見方・考え方のクセ)を具体的に見きわめます。子どもの見方・考え方のクセは、親にはあまりにも身近すぎて見えにくいです。子どもの考え方のクセを教えてほしいと事前にはっきりと伝えて、医療機関・療育機関・教育機関での評価を利用してみましょう。

子どもへの告知(医学心理学教育)の最も重要な部分は診断名を伝えなくてもできます。特性に合わせた具体的支援から始めるのです。親の判断はLDだったけれど医学診断は軽度精神遅滞だった、親の判断はADHDだったけれど医学診断は自閉症だった、ということは良くあります。子どもに診断名を伝えた後で修正の必要が生じると親子ともども混乱します。診断名を子どもに伝えるのは熟練した専門家の判断を受けてから行います。

赤ちゃんは、誰に強制されたわけでもないのに毎日努力を続けて這い立ち歩行へと進んでいきます。子どもというのは、本来、誰に言われなくても前へ進んでいきます。大人が邪魔し続けて、前に進むことへの希望を奪わなければ前へ進むのです。子どもが診断名を言い訳のように使うとしたら、その子は言い訳をする以外に自分の心を守る方法を手に入れていないのかもしれません。子どもにも達成可能な、人からも歓迎される具体的な方法を教えてあげてください。子どもの意欲を引き出すのは説得ではなく達成感です。

ASDやADHDは病気ではありませんから、治す必要はありません。でもそのために不都合が生じないための工夫や努力は大切です。でも最も大事なことは、子どもたちに何かの技術を教えるのは、子どもたちのやり方は間違いだから正しいやり方を教えるのではないということです。ASDが人口の99%を占める世界があったなら、研修の参加者が「187名が主催者発表でした」ではなく「まぁ200くらい?」なんて平然と表現する曖昧さや、「会話は、興味なくても相手に注目して、キャッチボールのように話す」という変なこだわりは、きっとASDの皆さんにあきれられてしまうでしょう。私たちの教えているのは「多数派のやり方」です。ASDの皆さんの感じ方も一つの真実だけど、みんなの暮らしやすさのために多数派のやり方に合わせるワザを使って欲しいということです。この続きは明日。

緊急事態宣言 京都大阪兵庫解除

 緊急事態宣言 北海道は継続へ
05月21日 11時56分【NHK】


緊急事態宣言の解除をめぐり、政府が専門家に意見を聴く「諮問委員会」が開かれ、大阪など関西2府1県で解除するとした政府の方針は妥当だとする見解が示されました。東京など首都圏の1都3県と北海道は宣言が継続されることになります。
新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言の解除を前に、政府が感染症の専門家などに意見を聴く「諮問委員会」が午前10時ごろから開かれました。
冒頭、西村経済再生担当大臣は「8都道府県のうち京都府、大阪府、兵庫県では直近1週間の新規感染者の報告数が10万人あたり0.5人程度以下となり、医療提供体制や監視体制も十分と認められることなどを総合的に勘案し、宣言を解除することが妥当と判断される」と述べ、関西2府1県で宣言を解除する方針を諮問しました。
このあと西村大臣は記者団に対し、関西2府1県で解除するとした政府の方針は妥当だとする見解が示されたことを明らかにしました。
東京など首都圏の1都3県と北海道は宣言が継続されることになります。
これを受けて政府は午後、衆参両院の議院運営委員会での報告と質疑を経て、21日夜に開く対策本部で正式に決定することにしています。
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あちこちの放デイでは「もう限界」と言う声が聞こえていたので、やれやれというところです。おそらく冬までは第2次宣言はないと思いますが、放デイのマンパワーがかなり疲弊して、ボロボロになっているのは間違いないです。

みんなと違う子だから発達障害?

『みんなと違う子だから発達障害』という考え方はなぜ危険なのか

5/27(木) 12:31【婦人公論】

個性の強さから学校で問題児扱いされるような子どもたちを集め、彼らに自由な発想と学びの場を提供することを目指した教育が、東京大学にて行われています。ディレクターを務める中邑賢龍教授が「みんなと違う子だから治療する、という考え方は危険すぎる」と警告する理由とは?

※本稿は、中邑賢龍『どの子も違う――才能を伸ばす子育て 潰す子育て』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

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◆たくさん届く相談メールを前にして

毎日、さまざまな人から子育てについての相談メールが私のところに届きます。
自分の気に入らないことには感情を剥き出しにして抵抗する子、苦手なことに関して心を閉ざし、貝のようになってしまう子など、少し読んだだけで、見守る家族のご心労がひしひしと伝わってきます。

ここで見方を変えてみましょう。私からすれば、それらの子どもたちは、みな人間らしいとも言えます。親の苦悩を感じつつも、実際、その行動のユニークさや豊かさには、思わず頬が緩むこともしばしば。

しかし、だからといって、現状の学校や社会は必ずしもそんな彼らに優しいわけではなく、「集団に馴染めない=困ったこと」と一元的に捉え、彼らに特別な教育や指導を受けるように求めています。

実際、それが機能する子どももいるでしょう。しかし、その教育や指導に苦しみ、闘う子も少なからず存在します。

なぜ、子どものことをしっかり考えているはずの学校や社会が、結果として彼らにとっての《壁》になってしまうのでしょうか? 以下いくつかの事例を紹介しながら、彼らの行動の本質について考えてみたいと思います。

◆なぜ小学4年生はカーテンの中で授業を受けたがったのか
子どもが大人の常識とかけ離れた行動をとると、ほとんどの親は驚き、「信じられない! 何でこんなことするの! 早くやめなさい!」などと声を荒らげます。その行動の裏に、実は子どもなりの事情があるにもかかわらず、大人はそれを理解しようとする前に、まず声を出してしまう。

たとえば私の知る例として、カーテンの中に入って授業を受けようとする小学校4年生のA君がいました。

先生は「椅子に座って授業を聞きなさい」と怒るのですが、彼はカーテンから出ようとしません。先生が怒れば怒るほど、クラスの子どもたちの目も「勝手なことをする変わった子だ」というものになっていきます。

そこでA君に「なぜ授業中にカーテンに入りたがるの?」とお母さんがたずねたそうです。すると彼は、「カーテンに入っていたら、ノートを取らなくていいから」「そうしたら聞くことに集中できて、授業がよく理解できるようになる」「授業が分かると楽しい」と話したそうです。

◆「ルールを外れたから悪い」を改めよ
いったい、誰がこんな答えを想像したでしょうか? 子どもが机から離れてカーテンに入っている、と聞けば「授業を受けずにサボっている」と感じる親がほとんどでしょう。だからこそ、「椅子に座って授業を受けなさい」とたしなめると思います。

しかしA君の場合は、自分に一番合った学び方を自分で発見していたのです。
背景を知れば、カーテンに入ることは批判される行為ではなく、褒められるべき行為だったと私は思います。しかし日本の多くの学校においては、「授業は椅子に座って正しい姿勢で受ける」というルールが存在します。

つまり、彼がいかにカーテンの効用を説明したとしても、その理由や事情を理解していない先生にとって、この行為は単にルール違反となってしまう。

大切なのは「ルールを外れたから悪い」と一律に判断するのでなく、まずはその背景を探ってみること。彼らのユニークな行為の背景には、個々の子どもの有する性格や、認知の特性が影響していることが多々あるのです。

◆理解できない行動をとる可能性もある
これまでの日本では、そういった「違う」子を区別してきました。しかしそれでは進展がありません。「彼は『違う』子だから治療する」「ほかの集団に移す」といった発想にしかならないわけです。

自らの経験や知識に乏しい人が、A君の行為を受け入れることは容易ではないでしょう。
一方、最初から自分とは「違う」認知特性や、性格特性を有する人がいるのが当たり前で、理解できない行動をとる可能性がある、という事実を理解しておけば、次に出会ったA君のような子どもにも、温かく接することができるようになるはずです。

◆発達障害と診断される子どもがなぜ増えているのか
最近では自分の子どもが発達障害の診断を受けた、と相談される機会が増えています。国が積極的に発達障害支援を進めているという影響もあるのかもしれません。

なお私自身の考えを記せば、単にユニークなだけの子どもまでが発達障害の診断を受け、治療を受ける機会が増えているようにも感じており、そうした流れには危機意識を持っています。

もちろん社会に適応できず、子ども本人が困っているケースもあるでしょう。しかし、多くの場合は本人ではなく先生や親が困っているだけ、というのが現実です。子どもが一人で好きにしている分には何も問題ない。なのに、集団に適応するために治療が行われている、というのが実態ではないでしょうか。

◆集団に適応すべく投薬治療や訓練を受ける子どもたち
幼稚園や小学校のような一斉指導の場で、勝手な行動は認められません。事故が起こるのを防ぐ、また、他児の学びの妨害とならないため、結果として立ち歩きや発声、攻撃行動などを持つ子どもは、投薬治療やソーシャル・スキル訓練(SST: Social Skills Training)を受けるのが一般的になりつつあります。

しかし大人の立場として困る特性の多くは、実は子どもの持つユニークな個性であり、才能でもある。
私のまわりにいる研究者を見ていると、空気を読まない、集中力がすごい、こだわりが強い、思考が面白いほど拡散している、といった人たちばかりです。そしてその特性があるからこそ、ユニークな研究ができているわけです。もちろん、周囲が支えてくれる環境があるのが前提とはなりますが。

◆彼らを修正するのではなく環境を調整しよう
少し前なら、個性の強い子も、ある程度まで集団の中で許容される雰囲気がありました。
しかし、今の社会では基本的に「人と違う」行動は許されず、子どもたちも相当なストレスを感じているはずです。個性の強い子は、果たして本当に治療されなければならないのでしょうか。

このまま早期から子どもの治療を続けていく時代が続くと、おそらく個性が乏しくなる分、画期的なイノベーションが起こりにくい社会になる気がしてなりません。
ユニークな子どもたち、その全てを障害と認定し、性急に治療する、という考えはとても危うい。むしろもう少し、ゆるやかに支えていくことが重要です。

彼ら自身を修正するのでなく、環境の方を許容できるものに調整できれば、個性を伸ばしながら、成長することは十分可能なのです。

中邑賢龍

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中邑先生の主張に同意します。ただ、こういう主張を誤解して取り上げ、だから服薬も支援も必要なく昔のようにおおらかに構えていればいいのだというほったらかしの自然放置論は百害あって一利なしです。かつての民主党の「コンクリートから人へ」のスローガンに似ています。ダムは自然破壊だと主張してステレオタイプに全国の治水工事をストップした結果、大洪水の被災が毎年起こっています。なんでもかんでも同等に扱うと被害が大きくなる例はいくらでもあります。

中邑先生は東大で「異才発掘プロジェクト」を主催し、多くのユニークな子どもと触れ合っていますから彼らの事が良くわかるのだと思います。放デイで働く私たちも行動や学習不振の問題から支援学級に入級し才能を埋もれさせている子どもに出会う事があります。子どもの特性に大人が気づかず、やってもやっても分からない勉強を繰り返す事で学習性無力感に苛まれている子もいます。ある子は教室を飛び出し、ある子は教師に悪態をつき、仲間からは異端としていじめを受ける元々の原因は、特性に応じた大人の手立てが遅れたためです。

初期の段階で少し支援すれば、少し服薬すればこんなに傷つかずに済んだだろうと思うケースの方が多いのです。中邑先生のメッセージを読んで我が意を得たりと特別なニーズ支援を否定する輩がいそうで危惧します。大事なのは早期発見と早期支援です。もちろん、周囲の大人や集団が本人を受け止める度量を広くするのは大前提ですが、何もしないのはダンピングといって安上がりの教育施策に理由を与えてしまいます。アメリカのブッシュ政権の時期にインクルーシブ教育が大事だと言う建前で多くの発達障害児が通常学級に放置され大失敗をしました。個性の尊重と支援・治療は本来対立するものではありません。本人をしっかり見ないで、機械的でステレオタイプな支援が優れた能力まで摘み取ってしまうと言う警告だと受け止めたいと思います。

その2:特性は長所でもある

支援者が子どもに伝えるべき事柄は個々の具体的な困難への対処方法です。それは子どもが実践可能で、効果的でなくてはなりません。手助けと自分の工夫で、毎日の暮らしが安定する!嫌なこと・困ることも、やりようで変えていける!こうした経験を子どもにもたせてから告知は始まります。自閉症の特性は不都合の原因となる場合も多いものですが、人間としての長所でもあります。興味が偏る裏返しは、好きなものには集中でき探究心も高いところが長所です。自分の特性は長所でもあると告知の前に伝えて置くべきことです。叱られてばかりの暮らしの中で取ってつけたように誉められても子どもはそれを信じられません。「自分の特性は長所でもある」という認識は「やりようはある」という実感と不即不離のものです。

やりようはあるという実感・長所でもあるという実感を、毎日の生活の中で、個々の具体的事柄に関して積み重ねていくこの第一段階が、子どもへの告知の基盤です。これを子どもに充分に経験させるには支援者に技術力が必要です。この段階では診断名の告知は必要ではありません。この具体的対応を教える段階を充分に経験しているか否かが、告知が支援となるか、意味のない宣告となるかの分かれ目です。

親だからわが子に合った育児ができるなんて絶対にありません。子どもが自分の良さを発揮するために特別な工夫を必要としているように、特別な工夫を必要とする子どもを育てる親にも特別な工夫が必要です。子どもがその工夫のために支援者を必要としているように、親もまた支援者を必要としています。自閉症協会や親の会、保健所や発達障害支援センター、或いは発達障害の知見に詳しい地域の福祉事業所にも連絡を取ってみることをお勧めします。学校にも相談部門がありますから聞いてみましょう。ただし、担当者によって腕が違うのは病院やいろんな技術職と同じで、ある意味当たり前のことです。親同士の情報も参考にしましょう。この続きは明日。

将棋道

将棋は、藤井聡太四段のように身近な家族から教わることが最初の第1歩です。しかし、最初から8種類20枚の駒(コマ)を使って将棋をすることは難しいものです。そこで段階を踏んで将棋に興味をもってもらい、強くなるための本格的な指導は将棋教室等強い人に教えてもらいます。
将棋には、大人でも難しいと感じる「漢字」がたくさん書かれています。そのため「苦手意識」を持ってしまう子供も多数います。実は将棋には様々な遊び方があります。「遊び」を通じて、将棋の駒への抵抗感を下げていきます。

◎まわり将棋
将棋盤と駒をつかった2人対戦の「すごろく」ゲームです。お互いに「歩」1枚を将棋盤の「隅」(対角線状)に置きます。4枚の「金」をさいころのように振って、出た目を合計した数だけマスを移動します。
裏 ⇒ 0マス
表 ⇒ 1マス進む
横向き ⇒ 5マス進む
上向き ⇒ 10マス進む
下向き ⇒ 20マス進む
マスは将棋盤の端を時計回りに移動します。コマが将棋盤を1週するか。「隅」に止まると大きなコマに変ります。
歩 ⇒ 香 ⇒ 桂 ⇒ 銀 ⇒ 角 ⇒ 飛車 ⇒ 王将
早く王将になった人が勝ちです。自然に「駒」の格(強さ)を学ぶことができます。

◎将棋崩し
2~4名で対戦するゲームです。将棋の四角い箱に、全ての駒を入れた状態で将棋盤にひっくり返して「山」を作ります。指1本だけを使って、音を立てないようにコマを将棋盤の外に出します。出したコマは自分のものになります。もし、「カタッ」と音が鳴ってしまったらその瞬間に、次の人に交代します。山がすべてなくなり、最後に持っているコマの数が一番多い人が勝ちです。

◎はさみ将棋
2名で対戦するゲームです。それぞれ9枚の「歩」を将棋盤の端に並べます。「歩」は左右上下のいずれかに動かすことができます。交互に1つずつ「歩」を動かし、相手の「歩」を自分の2つの「歩」で挟み込むと相手の「歩」を取ることができます。1つだけはなく、隣同士で並んでいる「歩」の両端を挟めば、2個以上とることが可能です。相手の「歩」を全てとったほうが勝ちです。

◎スタディ将棋で駒の動かし方を覚える
本将棋をはじめる子供は、「くもん出版」から販売されている「スタディ将棋」を使うことが多くなっています。動かせる方向が描かれているため、わざわざ動かし方を覚えなくても将棋を楽しむことができるからです。実は、話題の藤井四段も子供のころに使用していました。藤井四段への注目度があがるにつれて、「スタディ将棋」も人気となっているため、現在は品薄状態になっています。

将棋はゲームのひとつであるため、将棋を一生懸命頑張ったからと言って学校の成績がよくなるわけではありません。しかし、将棋を楽しむことによる副次的なメリットがいくつもあります。
1.礼儀・マナーをおぼえる
将棋教室に参加すると、同世代はもちろん、年上のお兄さんから年配のおじいちゃんまで幅広い年代の人と対局をすることになります。将棋も日本の古い武道とおなじく「礼」に始まり「礼」に終ることを重んじているため、しっかりとした礼儀作法を身に着けることができます。
2.地道な努力の大切さを学べる
将棋で強くなるためには、無数にある局面において、どのように指した方が有利かと言う「記憶」が極めて重要です。したがって、過去の棋譜を地道に覚えるという作業が必須になります。将棋以外の分野でも良い成績を収めるために努力が必要と言うことが理解できます。
3.達成感を得ることができる
一生懸命努力をして、今まで勝てなかった相手に勝てた時の喜びはとても得難いものです。その喜びを知っているからこそ、日々の地道な努力を続けることができるのです。将棋の世界は細かく「級」にわかれており、自分がどんどん強くなっているという実感が持ちやすく、特にやり始めの時は達成感を得やすい習い事です。

わいせつ教員対策法成立

わいせつ教員対策法成立 免許再取得、拒絶可能に

2021/5/29【毎日新聞】

教員による児童生徒へのわいせつ行為を防止するための新法が28日、参院本会議で全会一致により可決、成立した。わいせつ行為で懲戒免職となった教員の免許再取得を都道府県教育委員会が拒絶できるようにする議員立法で、国がデータベースを整備することも規定。一部を除き公布から1年以内に施行される。

新法では、教員のわいせつ行為などを「児童生徒性暴力」と定義し、同意の有無にかかわらず禁止すると明記した。国や地方自治体、学校に防止や早期発見、調査などの対応を求める。


現行の教育職員免許法では、免職により免許を失効しても3年後に再取得が可能。処分歴を申告せずに他自治体に採用され、わいせつ行為を繰り返したケースがあり、規制を求める声が高まっていた。

新法は、免許授与権を持つ都道府県教委に「裁量権」を与え、更生状況などが「適当と認められる場合」に限定。第三者による審査会の意見を踏まえることで、教委の判断が恣意(しい)的にならないようにして公平性を担保する。

採用時の活用を想定し、わいせつで免職となった教員の氏名や処分理由などを国がデータベース化するとした。

付則には、子どもに関わる職業従事者の性犯罪歴を照会する制度を検討することを盛り込んだ。

文部科学省によると、2019年度にわいせつ行為やセクハラで懲戒処分や訓告を受けた公立小中高などの教員は過去2番目に多い273人。文科省も昨年、免許再取得の制限期間を延長する法改正を目指したが、「職業選択の自由」に抵触する恐れがあるなどとして断念した。

「大きな一歩」「実効性懸念」
わいせつ教員対策を強化する新法は、再び教壇に立たせないようにするだけでなく、教育委員会や学校に防止や調査を求めた。問題を訴えてきた人らは「子どもへの性暴力根絶に向けた大きな一歩」と評価する一方、「身内に厳しく対処できるのか」との疑問も抱いており、実効性のある対応が必要と指摘する。

「教員の性暴力に特化した法律ができるのは画期的」。全国学校ハラスメント被害者連絡会の共同代表を務め、対策を求める5万筆超の署名を文部科学省に提出した郡司真子さんは強調する。指導や恋愛と称した性暴力もあるとし「何が問題か先生が理解できるよう具体的な基準を国が作るなど実効性ある対応を」と注文した。

小学生の時に被害に遭った千葉県の女子生徒(14)の父親も「大きな一歩。良い流れだ」と評価。ただ、実際に法律を運用する学校や教委について「きちんと対応するのか不安」と明かす。被害を受けた当初、校長は教員を異動させず、女子生徒に転校を勧めたといい、「教委や学校の姿勢に誠実さが感じられなかった」と振り返る。女子生徒は今も大人を怖がり、自宅からほぼ出られない。父親は「被害に遭った子どもの目線に立った対策を」と話す。

教員の性暴力対策の必要性を訴えてきたフォトグラファーの石田郁子さん(43)も、実効性に懸念を口にする。自身も10代後半、通っていた札幌市立中の教員から被害を受けた。市教委に訴えたが取り合ってもらえず、市と教員を提訴。昨年12月の東京高裁判決が性暴力を認めた後、市教委はようやく懲戒免職にした。「加害者が否定すれば教委はかばい、なかったことにされる」とし、独立した第三者が調査する仕組みが必要だとした。

性暴力被害に詳しい上谷さくら弁護士は「教育現場は性暴力が起きやすい構造にある。新法は現場が対策を講じるための大きな後押しになるはずだ」と語った。
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今後は教育委員会が免許再申請者の提訴を恐れて怯まない限りは現実的な法制度が教員レベルでは完成したと言えます。付帯決議はされましたが、保育士や指導員など福祉現場の法制度改革がまだ残っています。また、痴漢事件でみられるような事実無根の虚偽の訴えについても、個人的な恨みなどが法制度化によって増えてくることは予測がつくので、これへの罰則(刑法では虚構申告罪・虚偽告訴等罪・偽計業務妨害罪がある)や名誉回復の行政手続きなども用意する必要はあります。

学校内のわいせつ行為を警察に通報し行政処分と並行させる義務は良いと思います。校長らは嫌がるのですが淫行の軽犯罪であっても通報を行う必要があると思います。校長は事件化を嫌がり被害者の気持ちをなだめようとしますが、これが校内セクハラの温床にもなってきました。しかし、今回の法律もどこからを通報対象にするのかは曖昧です。

公立学校は独立性が弱く、校長は上を向いて学校経営をしがちです。職員の人事や懲戒行為は、もしもの公判に耐える体制が必要ですから校長は行政組織に守られる分、権限は少なくなる仕組みです。しかし、逆に言えばこの仕組みは、校長の判断の間違いも曖昧にする仕組みです。学校の権限と責任を増やし強化することで子どもの人権は守られるという意見は一理あります。

その3:告知のタイミング

告知はとても個別性が高いものです。子どもの支援・親の支援・生活学習環境等を検討して方法を探ります。診断名告知に積極的に取り組んでいる専門家の中でも、どの時期が良いのかは様々です。幼児期からできるだけ早く診断名告知をしたほうがいいという専門家もいれば、問題が噴出しているときこそ診断名告知の好機だという専門家もいます。つまり、答えはなく、それぞれの対象の子どもの状況や環境、専門家のポジションやその背景によっても違うのです。これも必ずというわけではないないですが、前回述べたように支援の効果を子どもが知っていることは告知の理解には有利だという事です。だからといって、場合によっては詳しい告知から入った方が効果が上がる人もいます。

子どもへの診断名告知の判断を親だけが引き受けていくというのはとても荷の重い作業です。必ず医師や心理士、教育関係者等専門家のサポータを作ってから始めます。また文字情報を処理する能力が相応に高い子どもで、診断名に関してもしかしたら既に知っているのかもしれないと思われる場合や混乱なく受け止めるだろうと予測される場合には、ASDの子どもたちは自分のペースで文字情報を手がかりに情報処理をしたほうが理解も納得もしやすいので診断告知に関する書籍を与えて予習してもらうことも有効です。想像力の問題のために一度思い込んだ事柄を修正するのが苦手な子どもたちなので、その意味でもひとりでじっくりと情報で吟味することが有効な場合も多いからです。書籍を渡してもらう場合には、今、目の前で読めと迫ることはしないで、自分のペースで情報処理するようにゆったりと構えて取り組みましょう。また情報を渡す際には、後ろ向きな感想も含めいろいろのことを思ったり話し合ったりすることは大事だと必ず伝えていくことが必要です。

また、告知は1回で済むものではなく、サポーターが協力して少しづつ違う角度から複数回行います。また節目節目にバージョンアップもして伝えていくものです。ここまで読んでお分かりの方も多いかと思うのですが、子どもへの発達障害の告知とは、医師の特権行為というより子どもへの教育なのです。子どもが一つ一つ自分について知っていくプロセスを支援することが大事だからです。これを心理学的医学教育といいます。

ここまで書いたことは、日本のASD告知のオーソリティーでもある吉田友子医師のホームページを参照しています。書籍資料や講演会情報などアクセスしてみてください。http://i-pec.jp/

 

京都市学校再開案内

京都市の学校再開案内が22日に発表されました。読んでいてごちゃごちゃ書いてあって具体的なことがよくわからないです。文書は5W1Hをバランス良く書く必要がありますが、今回の文書は言い訳のようなWHYがやたらに多いのです。

主旨は、1週目は給食無し帰り、2週目は給食あり帰り、3週目から平常校時です。また、登校が不安な家庭の児童の欠席は当面欠席日数としてカウントしないそうです。これは強迫性やこだわりが強い子どもの家庭の場合かえって複雑な事態を招きそうです。

尚、2週目までは全員が集まると良くないので半分づつ登校する学校や、学年で時間帯をずらして登校する学校になるというものです。これがものすごくわかりにくいのです。これで感染予防になるのかなとも思います。ウォーミングアップだの欠席はつけないだのと全学校が揃えることを指示しながらも、児童生徒の分け方も登校日や始業終業時間も各学校に丸投げしているので、各校の足並みが揃わないようです。あえてややこしい指示を出しているのは、責任の半分を学校に持たせたいのかなとも勘ぐってしまいます。

そして、学校の登校人数を半分にしたからといって感染リスクが半分になる証拠も、逆に、人数を倍にしたらリスクが倍になる証拠も今のところはないのです。それは、この3か月、日曜以外毎日開所してきた、3密の学童保育や放デイの感染者が京都中ゼロ名で、この理屈が成り立たないからです。しかも、子どもらの多くは品切れや様々な理由でマスクすらしていないにも関わらず、京都府の感染者はゼロだからです。つまり、2週間の半数登校作戦にリスクを減らす統計的な根拠は今のところないのです。強いて言えば、この方が安心だという気分が得られるということかもしれません。

発表後土日をはさんでいるので、明日からもう少しまともな提案が各校から出されるのかもしれません。しかし、働いている親にとっては、宣言が解除されているのにあと半月、隔日や時間別の登校に付き合わされるということです。もちろん3密の学童保育や放デイは、まだまだ延長してこの受け皿になるわけですから、どこが感染予防に慎重なのか科学的な根拠すら乏しいと思います。今回の再開指示が「感染回避の対策はしましたよ」というアリバイ作りに見えてしまうのは私だけではないと思います。

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令和2年5月21日
京都市教育委員会

市立学校・幼稚園の再開について

政府による緊急事態宣言及び京都府知事からの学校に対する休止要請が解除されたことを受け,下記のとおり,本市立学校・幼稚園を再開します。

1.学校・幼稚園の再開時期
 5月31日(日曜日)までとしている臨時休業期間については,5月18日(月曜日)からの「教育活動再開に向けた準備期間」の取組(希望制による「学習相談・面談」や,学級や学年等を対象とする「登校(園)日」等。)を継続し,準備を進めたうえで,6月1日(月曜日)から学校・幼稚園を再開します。

2.段階的な学校・幼稚園の再開
 令和2年3月5日からの休業期間が3か月に及ぶことから,再開に向けては,各校種の実態も踏まえながら,段階的に,通常の教育活動へ繋げることとします。

(1)6月1日(月曜日)から12日(金曜日)まで (高校は5日(金曜日)まで)
ア 児童生徒等が,学校・幼稚園生活へ順応するための「ウォーミングアップ期間」として,各校種の実態も踏まえつつ,段階的に「在校時間を増やす」,「登校する日を増やす」等しながら,学校園を再開します。
イ 長期間に及ぶ臨時休業期間を踏まえ,児童生徒等の心身のケアとともに,学校生活における感染拡大防止のための行動様式の確認と指導を図りつつ,児童生徒等同士また児童生徒等と担任をはじめ教職員とのつながりを深める期間とします。
ウ また,臨時休業期間における家庭学習等の丁寧な確認と見取りを行い,必要に応じて指導し,その定着を図ります。

(2)6月15日(月曜日)以降 (高校は8日(月曜日)以降)
通常の学校教育活動を再開します。

※ 6月1日(月曜日)以降に実施する教育活動に,感染拡大への懸念等から御家庭の判断により欠席する児童生徒等は,当面,指導要録上の「欠席」としない取扱いとします。

3.感染拡大防止対策の徹底について
 各学校・幼稚園で,次の事項を踏まえた,学校・幼稚園ごとの感染拡大防止の取組指針を作成し,保護者等とも共有して,感染拡大防止を徹底しながら教育活動を行います。

(1)基本的な感染症対策の徹底
ア 登校時,授業と授業の間や給食時間前,長時間休憩後等のこまめな手洗いや咳エチケットを徹底するよう指導。
イ 多くの児童生徒等が手を触れる場所(ドアノブ,手すり,スイッチ,共用する器具等)の毎日の消毒。
ウ 免疫力を高めるため,十分な睡眠,適度な運動やバランスの取れた食事を心がけるよう指導。

(2) 集団感染のリスクへの対応(「3密条件」の回避等)
ア 教室等のこまめな換気を実施。
イ 教室内の座席と座席の間隔をできる限り広く確保するなど席配置を工夫。
ウ 飛沫を飛ばさないよう,やむを得ない場合や場面を除き,必ずマスクを着用するよう指導。また,教職員,来校者もマスクの着用を徹底。

(3)児童生徒等の健康管理の徹底
ア 毎朝「健康管理票」を持参させ,健康観察を徹底。
イ マスク着用に伴い,熱中症のリスクが高まる可能性があるため,室温調整やこまめな水分補給等の実施。

4.新型コロナウイルス感染症の予防に関する指導
 児童生徒等が,新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識を身に付け,感染のリスクを自ら判断し,これを避ける行動をとることができるよう,発達段階に応じた指導を実施します。
5.各教科等の指導における留意事項
(1)各教室の席は全員が前を向く講義型(一斉授業の形態)として,席間についてもできる限りスペースを空けるなど席配置を工夫。
(2)児童生徒同士の話し合い活動やグループ活動等については,近距離での会話とならないよう,また,それが難しい場合は,当面,行わない等,授業展開を工夫。
(3)各教科等の特性上,感染症対策を講じてもなお飛沫感染等の可能性の高い活動を行う場合等については,順序の変更等の工夫。
6.給食の実施について
 小学校・中学校(義務教育学校含む),及び総合支援学校では,以下に留意し,6月8日(月曜日)から給食を再開します。
(1)配食・会食前や返却後の手洗い,給食当番のマスク着用等,感染防止対策を徹底。
(2)給食の受取,返却等は,学年ごとに時間差を設けるとともに最少人数で行うなど,密接,密集を避ける。
(3)会食時は,飛沫を生じないよう,机を向かい合せにしないで会話を控える。
7.部活動について
 中学校(義務教育学校後期課程含む),高校では,通常の学校教育活動の開始日(中学校は6月15日(月曜日),高等学校は6月8日(月曜日)予定)以降,条件付きで再開します。
 小学校は,児童への負担等を考慮し当面休止とします。
8.授業時数の確保に向けた取組
 夏休み等の10日程度の短縮や,学校行事の見直し,1校時当たり5分短縮することによる7時間授業を週1回から3回程度実施するなど,児童生徒等の負担にも配慮しながら,様々な工夫を行い,授業時数を確保します。

市立学校・幼稚園の再開について
お知らせ(5月21日付け)(PDF形式, 962.87KB)

 

eスポーツで引きこもり解決 

eスポーツで引きこもり解決 潔癖症の漫画家とスクールの出会い

2021/5/30 【毎日新聞】

引きこもりだった人が、ゲームで社会とつながっていく。金沢市のビジネススクールと潔癖症の漫画家の出会いで生まれた漫画がある。なぜ、ゲームなのか。生きづらさを感じる人らのためのスクールと、漫画の世界観を紹介する。【森野俊】

潔癖症、学ランを洗濯する日々
漫画「ケッペキゲーマー」は人と接するのが苦手な主人公が、ゲームを通じて人とつながり、変わっていく姿を描いた物語。極度の潔癖症で引きこもりだった少年は、関節リウマチで手足が不自由な車いすの少女の一言でゲームに触れる。ゲームの前では全ての人が対等であることに気づいた少年は、ゲームの腕前を競う「eスポーツ」の世界に足を踏み入れていく――。小学館の青年コミック誌「ビッグコミックスペリオール」で連載が始まり(現在は電子版のみ)、28日に単行本1巻が発売された。

「漫画の半分くらいが、自分の経験や考えからできています。同じ境遇の人だけでなく、支える家族など周りの人たちにこそ読んでほしい。どんなことを感じ、考えているのかを周りの人が理解してくれるだけで、問題の半分は解決すると思います」

そう話すのは、作者の「あまの」さん。中学時代は毎日欠かさず学ランを洗濯し、卒業する頃にはグレーにしたほどの潔癖症という。当時は「人が触ったものが黒いオーラをまとっているように感じていました」と振り返る。

あまのさんは、障害者とeスポーツ、自身が抱える潔癖症をそれぞれ漫画にしたいと考えていた。半身不随のプロゲーマーの記事を読んで、「三つがクロスした一つの漫画を描きたい」と思うようになった。障害とゲームが関係する取り組みを探して見つけたのが、金沢市のビジネススクール「カラフル・金沢」。ゲームを使い、引きこもりだった人を就労につなげる取り組みを進めていた。

カラフル・金沢では、障害がある人や引きこもっていた人、生きづらさを感じる人らが社会生活を送るための訓練をし、就労や起業を目指している。2016年に「ビジネス」「生活」「起業・経営」の3コースで設立され、19年4月にゲームコースが加わった。ゼネラルマネジャー(GM)の別宗(べっそう)利哉さんは「好きなこと、得意なことは、社会でいろいろな経験をするきっかけにできます」と力を込める。

「ゲーム漬けにさせて本末転倒」「ゲームをして仕事につながるのか」。ゲームコースの開設当初はメールなどで批判があった。別宗さんは「いつもは教室の隅にいる子が、ゲームの話になると輪の中心にいます。コミュニケーションを生み、自己肯定感も上がると思いました」と振り返る。ゲームコースは、他の3コースを受講するゲーム好きな生徒が議論を重ねてできたものだった。

自力と他力を合わせる
現在ゲームコースには、精神疾患や知的な障害、発達障害などがある10~30代の7人が通う。ほとんどの生徒がアルバイトを含めた社会経験がなく、両親の職業すら知らない人もいるという。

授業では、eスポーツ大会で採用される「ぷよぷよ」などのパズルゲーム、「ウイニングイレブン」といったスポーツゲーム、「エーペックスレジェンズ」など操作が複雑なシューティングゲームを用いる。主に対戦形式のゲームをプレーして攻略法を話し合う。

また、1カ月に1回程度、生徒が授業で取り組みたいことを話し合い、実行するプログラムが用意されている。既存のゲームを幅広い年齢やあらゆる心身状態の人が楽しんで対戦できるよう、ルールを修正して遊んだり、自作のカードゲームでの対戦を提案したり。ゲーム大会の開催も案に挙がり、企画書や参加申込用紙の作成、当日の運営まで役割を分担して実施した。

プログラムには、企画や提案、タイムマネジメントなど社会人に必要な能力の向上を図る狙いがある。別宗さんは「自力と他力を合わせることの大切さを知る機会になります」と強調する。

あまのさんは19年6月ごろから、カラフル・金沢の取材を始めた。暗い雰囲気をイメージして訪れたが、参加者の表情は明るく、雑談も途切れない。「その中心にあるのがゲームでした」と振り返る。「人の目を見るのが怖いとか、何を話していいか分からないなど、社会で出くわすものの対策や練習、突破口の一つになると感じました」と話す。

あまのさんは転校が多く、人間関係を一から作る上で相手が何を考えているか分からず想像して苦しんだ。「それが潔癖につながったと思います。はたから見える以上に自分たちは苦しんでいます。引きこもりも潔癖も、やめられるならやめたい。漫画にはその気持ちを込めました」と語る。

漫画「ケッペキゲーマー」には、カラフル・金沢の別宗さんも「ぱすてるの別所さん」として登場。読んだ生徒は「障害のある方が描かれた漫画ですか?」「どうしてこんなに自分たちの気持ちが分かるんですか?」と感想を寄せた。

ゲームコースは開設して2年が経過した。オンラインで4人対戦ができるオリジナルのカードゲームを作った生徒や、コンピューターグラフィックス(CG)やアニメのキャラクターを用いて動画配信、投稿を行うバーチャルユーチューバー(Vチューバー)に挑戦する生徒も出てきた。別宗さんは言う。

「今まで人を避けていた子たちが、ゲームを通じて人を喜ばせています。好きなことだから主体的に動ける。これが社会に出るスタートです」
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記事を読んでいて、高3生でプヨプヨ日本選手権で1位になり外車を買った、ドラマ「コントが始まる」の神木隆之介演じる瞬太を思い出しました。金髪の青年で焼き鳥屋でアルバイトをしています。趣味はスナック通いで、主食はポップコーンです。小学生の頃から1人で家にいることが多く、買い与えられたゲームで時間を潰して過ごし、中学生になるとゲームセンターに通い始め、対戦型ゲーム「ぷよぷよ」に熱中します。「ぷよぷよ」一色の生活を始め、高校3年生の頃には日本一を決める大会で頂点に立ちます。元々は社交的な人間ではなく、目立たない存在でしたが、文化祭での演技が話題となり一目おかれる存在になります。卒業後はプロゲーマーの道を歩むが、春斗と潤平に出会ったことで「マクベス」のメンバーになりドラマが展開していきます。

ゲーム会社のセガはeスポーツ大会として2か月に一回、プヨプヨ選手権の賞金に100万円を超える金額を出資して、ゲーマ人口のすそ野を広げようとしています。これは任天堂をはじめ世界中のゲーム開発会社も同じ立場です。そんなわけで世界的には賞金1000万円を超える大会も少なくありません。このブログでも以前、障害者雇用の一環としてeスポーツの選手養成のための就労支援事業が出てきたという記事を掲載しましたが、プロスポーツなら就労職種の一つではあると妙に納得した経緯がありました。どんなことであっても、人は好きなものに対しては熱心に努力するので、上達が早くモノになるのです。好きこそものの上手なれです。

睡眠障害

人間をはじめとする多くの生物は、基本的なリズム(活動する・休む・眠る)および体内の働き(自律神経機能・内分泌機能・代謝機能などのさまざまな生体機能)が1日に約25時間を周期とするリズムで変動しています。そして、この変動のリズムをもたらしているものを生体時計(体内時計)と呼びます。ヒトの生体時計は実際の1日24時間より約1時間長いので、社会生活を維持していくためには、1日24時間を周期とする生活リズムに調整していかなければなりません。この生活リズムが狂ってしまうと、不眠症、うつ、不登校、全身倦怠感、注意集中困難、イライラ、学習困難などのさまざまな症状が出現します。不眠症は入眠困難という形で現れ、遅寝遅起きになります。近年、発達障害や夜型生活との関連で増加している睡眠相後退症候群は、子どもの身体・知能の発達、さらには不登校、神経症、自閉傾向を強めるとして注目されています。では、どのようにして生活リズムを24時間にリセットして規則正しい生活にすればよいのでしょうか?

生活リズムをリセットする因子として以下のものがあります。光による明暗(昼と夜)・社会的因子(家庭・学校・会社・仕事・遊びなど)・食事・身体的運動・環境(温度・湿度・騒音・振動など)。この中で、朝の光を浴びること、朝食、日中の運動がもっとも強い同調因子です。朝のジョギングや歩いて登校するなどの活動はこれらをすべて満たしてくれるといってもいいでしょう。特に、規則正しい生活リズムの獲得は身体にも心にも良い影響を与え、社会生活の様々なリスクを回避する礎となります。

睡眠を阻害する因子の中で、ストレスが占める割合は一番大きいのかもしれません。一般によく聞かれる不眠症とは、心身の健康を維持するために必要な夜間の睡眠が量的または質的に不足し、昼間の日常生活に支障をきたしたりストレスを抱え込んでいる状態のことをいいます。逆に、睡眠に問題がないということは、日中眠気がなく、心身共に健康に生活できる睡眠がとれるということです。ここで、睡眠障害の4つのタイプを見ると、入眠障害:布団に入ってもなかなか寝つけないタイプ。不眠の中ではもっとも訴えの多い症状です。中途覚醒:夜中に何度も目が覚めてしまい、再び寝つくのが難しいタイプ。熟眠障害:睡眠時間のわりには、朝起きた時にぐっすり眠った感じがしないタイプ。早朝覚醒:朝早く目覚めてしまい、まだ眠りたいのに眠れなくなるタイプ。高齢者に多いのが特徴。睡眠相後退症候群:夜なかなか寝つけず、朝はなかなか起きることができない状態が極端に悪いもので、最も多いのが、通常夜中の2時から朝の6時頃まで眠れず、そのため朝はまったく起きられなくなるというパターンです。一旦眠ると普通に眠れますが、その眠る時間帯が社会のリズムとずれているため社会適応が困難になります。遅刻や欠席が多く、また日中に強い眠気に襲われたり、授業に集中できないといった障害がおこります。このように学校に適応できない状態が続くと二次的に抑うつ状態、不登校、ひきこもりになることも稀ではありません。

中高校生の不眠患者の約半数がDSPSといわれており、思春期での発病率がもっとも高く、典型的なDSPS患者は発病前から夜型人間の傾向が強く、感覚過敏のあるASDや、ゲーム・携帯電話などにはまっている場合に多く見られます。また、DSPSが不登校の原因かもしくは結果かについての判断は難しいですが、両者は深く関係しており、DSPSの治療をすることで不登校から立ち直ることができたケースも多く見られます。DSPSの病態生理は、睡眠相だけでなく、深部体温のリズムや脳のメラトニン(睡眠を制御するホルモン)の分泌リズムが遅れており、このため生体リズムが後退したまま固定され、外部環境に同調できない状態となることがわかっています。

DSPSを改善するための早寝早起きの工夫をみてみましょう。日当たりの良いベッド。朝にカーテンを開ける。朝は必ず起きる。起きたらすぐに着替える。朝に日光を浴びる。日中に身体を動かす。入眠3時間前から照明を落とす。昼寝をしない。メラトニン療法。高照度光療法。ビタミンB12。

寝る前にしたほうがいいことは、寝る1~2時間前から脳をリラックスさせることが大切です。一旦布団に入った後でも、眠れない時は無理に眠ろうとせず、布団を出て気分を変えるのも一つの方法です。できれば眠くなるまで布団には入らないようにしましょう。また、布団の中で、好きな本を読む、携帯電話、ゲームなどをしないようにしましょう。他には、ぬるめのお風呂にゆっくりつかる。カフェインが含まれていないハーブティを飲む。眠りを誘う音楽や心が落ち着くビデオを鑑賞。空腹の時はホットミルクを飲む。就眠3時間前から室内の照明をダウンさせる(真っ暗より薄暗い程度、蛍光灯より白熱灯、直接照明より間接照明)。寝袋、身体を強くしばる、マッサージなどの刺激がよいことも。就眠儀式はあったほうがいい (歯磨き、ストレッチ、ぬいぐるみなど)が挙げられます。

寝る前に避けたほうがよいことは、熱いお風呂に入ること。コーヒーや紅茶などカフェインを含む飲み物。寝る前のおやつや食事。勉強や激しい運動。テレビ、ゲーム、パソコンなど。明るすぎる室内照明(明るい蛍光灯など)。

障害の種類に関わらず、また、テレビやゲームのしすぎなどにより、生活リズムの乱れている子どもも多く見られます。子どもが衣食住に関わる基本的な行動・習慣を身に付けるためにも、約束を決めて子どもがしたいことをする「時間」を保障しながら、まずは親が子どもの生活リズムをコントロールすることが重要です。さらに、タイムスケジュールのような簡単な表などを使い、目に見える形で評価することでより意識しやすくなるでしょう。そして原因のはっきりした避けきれないストレスが子どもの生活リズムを乱しているなら、まずは、その原因から子どもを遠ざけ、健康な生活リズムを取り戻すことを優先した選択を行うべきだという考え方もあります。

「放課後等デイサービス」経営悪化

障害児支える「放課後等デイサービス」経営悪化の事業所相次ぐ
【NHK2020年5月25日 5時38分

多くの特別支援学校で休校や分散登校が続く中、障害がある子どもや家族を支えているのが、「放課後等デイサービス」と呼ばれる制度です。民間などの事業所が子どもたちを受け入れ、自立した社会生活を送るための力を養うものですが、国の要請で運営時間を延長した3月以降、経営が悪化する事業所が相次いでいて、業界団体は支援を訴えています。

東京 江東区にある放課後等デイサービスの事業所はこれまで午後2時から5時半まで開けていましたが、特別支援学校が休校になった3月以降は子どもの居場所を確保してほしいという厚生労働省の要請を受け、午前8時半から開けて運営時間を延長しています。

ダウン症の娘が通う区内の女性は「自宅では同居する母親を介護するため子どもをみる時間がないが、ここに来れば友達や顔見知りのスタッフもいる。サービスのおかげで生活リズムを保つことができる」と話していました。

その一方、事業所では東京都の外出自粛要請が続く中、利用者数自体は減り、運営時間が延びた影響で人件費は増えたことなどから、先月の収支はおよそ130万円の赤字だったということです。

事業所を運営する田中祐子さんは「今は経営は二の次で、サービスを必要とする子どもや家族の声に応えたくて続けています」と話していました。

全国476の事業所が加盟する「障害のある子どもの放課後保障全国連絡会」の中村尚子副会長は、「放課後等デイサービスの運営費用はその月の利用者数に応じて国と自治体から支払われる仕組みで、今回のような事態が起きると存在が危ぶまれてしまう。公的な支えが必要だ」と訴えています。

中学生徒8人が搬送 運動会練習中

熱中症か 中学生徒8人が搬送 運動会練習中 福岡 篠栗町

2021年5月31日 【NHK】

31日昼すぎ、福岡県篠栗町の篠栗北中学校で運動会の練習中に複数の生徒が相次いで熱中症とみられる症状を訴え、生徒の男女8人が病院に搬送されました。

31日午後0時40分ごろ、篠栗町の篠栗北中学校で、グラウンドで行っていた運動会の練習中に、複数の生徒が気分が悪くなったと学校から通報がありました。

消防と学校によりますと、男子生徒1人、女子生徒7人の合わせて8人が熱中症とみられる症状を訴えて病院に搬送されました。

このうち3人が重症とみられいずれも意識はあるということです。

学校によりますと、31日は午前中、全校生徒およそ310人が参加して、来月開催する予定の運動会のリハーサルを行っていました。

31日昼前ごろに、生徒2人が体調不良を訴え、このうち1人は回復しましたが、リハーサルが終わった後に別の7人が新たに体調不良を訴えたということです。

学校では、生徒にはマスクをするよう指導していましたが、競技中は外してもよいとして、生徒の判断に任せていたとしています。
また、生徒たちにはこまめな水分補給を呼びかけていたということです。

松本修校長は取材に対し「2年ぶりの運動会となり子どもたちが外で長く運動することに体が慣れていなかったかもしれない。今回の事態を重く受け止め再発防止に努めたい」と話していました。

31日の福岡県内は気温が上昇していて、篠栗北中学校からおよそ10キロの所にある福岡空港の31日午後0時40分の気温は28.9度を記録し、夏日となっていました。

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本番よりもリハーサルがしんどいと子どもたちは言います。集団演技で「ハイ良くできました。では、その調子でもう一回!」「なんでやねん!」と子どもたちは突っ込みを入れます。「できたんやったらもうええがな」と。発達凸凹の子どもたちにとっては、大嫌いな体育祭あるあるです。

それにしても、炎天下でマスクをさせて待機させたら危険と、誰も咎めない学校職員の思考停止状態が心配です。今のところ日本人の感染確率は0.5%、炎天下のマスク使用で重篤な熱中症確率は300名中8人で約3%、武漢風邪の6倍の確率です。さらに、PCR陽性者のうち人体に影響のない無症状者が6割(*)なので重篤な身体ダメージだけで考えれば熱中症は15倍以上の危険率です。(PCR検査を使用した調査では、陽性判定者のうち無症状だった例(無症状感染者)の割合中央値は65.9%;Annals of Internal Medicine誌2021年1月22日オンライン版の報告)

一般人ならともかく確率計算を生徒に教える中学校の教師は何をしているのかと心配になります。もちろん8名の生徒の熱中症確率は結果ですが、生徒を炎天下でリハーサルさせる経験はこれが初めてでもないはずです。「競技中は外してもよい」は下手な言い訳に過ぎません。待機時間の方が競技時間よりはるかに長いのは周知のことです。

熱中症は下手をすると死に至ります。それくらいの判断ができないくらい感染報道に洗脳されているのかと思うと恐ろしくなります。エビデンスのないリスクマネジメントは呪いよりタチが悪いです。屋外飛沫感染の事実は医学的に確認されていないのですから、体温調節が未成熟な子どもの高温下でのマスク装着は、運動の可否に関わらずリスクが高過ぎると思います。

パラリンピック

東京オリンピックのチケットが取れなかった倍率100倍だったとネット上をにぎわせていますが、パラリンピックはいまいち盛り上がりに欠けると関係者の間では言われています。東京パラリンピックでは22競技537種目が実施されますが、チケットは8000円以下で平均2~3000円だそうです。

実はこのパラリンピックのチケットが史上初で完売されたのが前々回のロンドン大会でした。大会準備にあたって、関係者がとにかく市民にパラスポーツを体験してもらう取り組みを粘り強く行ったそうです。誰だって競技がわからなければ観戦なんてしません。パラスポーツが健常者競技に勝るパワーとテクニックが必要なことは競技を知らないとわからないのです。この結果、ロンドン大会は大成功を収めました。

ところが前回のリオ大会はロンドン大会以前に逆戻り。チケットが余り、観戦席もまばらで選手にも申し訳ない状況がおこりました。リオ大会はそもそも政変のただ中での開催で、選手宿舎問題やオリンピックインフラ建設が追い付かない状況だったので全体の準備そのものが大変だったようです。だからこそ、GDP世界第3位の日本の首都東京で開催するパラリンピックは、ロンドン大会のレベルまでに戻すことが重要です。

世界一の車いすラグビーや世界2位のボッチャなどみどころもたくさんあります。チケット発売は日本国内では、東京2020組織委員会が直接販売し8月発売の予定です。

 

テレワーク継続

テレ(リモート)ワークをやってみると意外に会社に行く必要はそんなにないと感じたサラリーマンは多いと聞きます。緊急事態宣言が解除されても、そのままテレワークが続けられる会社はそのままでという政府の後押しもあって、新しい働き方が定着するかもしれません。そして、それは社会性の障害等を持つ人たちにとって、新しい就労の機会=在宅勤務の機会を広げることになるのかもしれません。

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【事例】ITスキルを学び、テレワークを実現!
       障害者就労移行支援manaby
@Press
2020.5.21 16:12 SankeiBiz © 2020 SANKEI DIGITAL INC.

障害福祉サービス、就労支援事業を行う株式会社manaby(本社 宮城県仙台市、代表取締役 岡崎衛)は、創業時から障害者への在宅就労訓練を提供しており、就職者の23.2%(※2020年3月時点)がテレワークで活躍しています。

★得意を活かして在宅就労を実現
Aさんは、自動車部品を販売する会社でEC(通販)サイト用の画像加工やバナー制作、HP更新の仕事をしています。障害者雇用枠ではなく一般の求人でしたが、自身の障害をオープンにして働いています。自分が学んできた技術を活かせる仕事があるとマナビーの支援員から紹介され、入社して1年が経ちました。Aさんにはパニック障害がありましたが、現在はほぼ寛解しています。発症は公認会計士を目指して頑張っていたころのことでした。一次試験を通過し、二次試験に向けて勉強に取り組んでいるときに体に異変が起きたのです。机に向かっても気分が悪くなってしまい、人混みに出ると疲れるようになりました。電車に乗るのもつらく、休むことしかできなかったと言います。しばらくは不安定な体調との闘いでした。医師と相談しながら薬の量を増やしていったあるとき、「もう少し外に出てみよう」と思えたそうです。そんなときに検索して見つけたのがマナビーでした。 

★心強い仲間の存在
Aさんは公認会計士への挑戦から気持ちを切り替えて、マナビーで学ぶことを決めました。在宅訓練ができると知って興味を持ったマナビーでしたが、支援員からは「Aさんならできるはず」と通所訓練を勧められました。電車もそれほど混んでいなかったので、通ってみることにしたAさん。事業所でホームページ作成のHTML/CSS、画像処理のPhotoshop、illustratorなどを学びました。「スタッフが一緒に考えて応援してくれるので、自分のできることをやってみよう、と思えるようになった。一人じゃない、と感じました。心強いですね。」とAさんは言います。

★健康に働き続けるために
現在Aさんは自宅で週に5日働いていますが、体調を崩すことなく仕事に集中できています。「多くの人とのコミュニケーションに疲れてしまうところもあったので、在宅で働くことで、自分にとって程よい距離感を維持できるとも感じています」一方で、意識をしないと家に籠りがちになってしまいます。Aさんは、運動不足解消もかねて毎朝30分近所を散歩し、太陽の光を浴びるようにしているそうです。また、腰を痛めないように椅子に姿勢補助器具を使うのも、快適に働くためのポイントです。

★いま、自分にできることを積み上げること
社会の状況で思うようにできない、他人のようにはできない、と悩む方がいるかもしれません。自分の目指す働き方を実現するのは難しいと思うこともあるでしょう。「いま、自分にできることを積み上げていくことが、きっと自分らしい働き方につながる。自分もそうだったから」と、Aさんは力強く語ってくれました。そしていま、Aさんは働きながらファイナンシャルプランナーの勉強をしています。すでに2級の資格を取得して、さらにその上を目指して頑張っています。「障害者が直面するお金の相談に乗れるように、困っている人の役に立ちたいと考えるようになりました。そんな仕事もしていきたい。仕事はひとつでなくてもいいですよね。」

トランスジェンダー女子の学校スポーツ参加禁止

トランスジェンダー女子の学校スポーツ参加禁止 米フロリダ

2021年6月2日 マイアミ/米国【AFP】

米フロリダ州で1日、トランスジェンダーの女性が公立校で女子の運動部に参加することを禁止する法律が成立した。

法律は7月1日から施行され、女子チームに入る生徒や学生は、出生証明書で生物学的な性を証明することが義務付けられる。

州内のキリスト教系の学校で法律に署名したロン・デサンティス(Ron DeSantis)知事は「競技の整合性を守ることが非常に重要だと信じている」と話し、「フロリダでは女子は女子の、男子は男子のスポーツをプレーする。われわれはスポーツを行う際、イデオロギーではなく生物学を土台にする」と続けた。

共和党のデサンティス知事は、性的少数者(LGBTQ)の「プライド月間(Pride Month)」初日に法律に署名した。

これを受け、ヒスパニック系で、ゲイを公表している民主党のカルロス・スミス(Carlos Smith)州議会議員は「おぞましい」ことだと話している。性的少数者の権利擁護団体ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)も、訴訟を起こす意向を表明している。

共和党の知事が率いる州では、すでに同様の法律が成立しているところもあるが、フロリダはその中でも最も人口が多い州となっている。(c)AFP

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宗教との関係があるのか共和党の強い州はLGBTQ問題を避けて通りたがるし、逆に民主党は伝統的なものに反発するキャンセルカルチャーの意識が強く、こうした極めて個人的で繊細な問題を政争の具にします。どちらも法律と裁判で決着をつけようとするのは、勝ち負けだけで良いのかと、スポーツ精神も地に落ちてしまい、ちょっと受け入れがたいです。

筆者の個人的な感覚では別に目くじら立てずにトランスジェンダーの参加を認めていいと思います。女子のラグビーチームに「男子サイズ」の人がボールをもって突進してきて、相手チームがフリーズしている動画を見たことがあります。それで勝ったから何なのと皆思うはずです。スポーツは見た目がチーム同士で拮抗しているから面白いのです。逆に言えば、チーム力が拮抗していれば性差は関係がないです。個人競技はウェイトで区別すればすむ話です。

日本のラグビー熱が盛り返したのは一昨年のワールドカップでしたが、これの下地を作ったのは外国人選手の活躍です。古くはプロ野球・大相撲・プロサッカー、最近ではバスケットやバレーボールまで外国人選手の参加で盛り上がりを見せます。ナショナルチームへの外国人参加は良くてトランスジェンダーの女子スポーツ参加の何が悪いのか良くわかりません。きっと、世間はそれで面白くなければ振り向きもしなくなるし、面白ければ盛り上がるだけです。

アマチュアの世界は純血主義でというのも、かえって気持ちが悪いです。大事なのはやっている本人と見ている人が感動できればそれでいいと思います。ラグビーワールドカップで、189cm・113kgのリーチマイケルの突進力にも感動しますが、スクラムハーフで166cm・73kgの田中史朗が巨人の中を潜り抜けていくのも痛快です。 日本がベスト8入りしても外国人がいるから興覚めだと言う人には言わせておけばいいと思います。女子スポーツにトランジェンダーの人が参加する事の好き嫌いは個人の勝手ですが、法律で規制したり裁判で争うような筋のものではありません。

ビジョントレーニング

ビジョントレーニングとは視覚機能の力を高めるためのトレーニングです。ものを見る力(視覚機能)は生まれつき備わっているわけではありません。徐々に発達して就学前までにその基礎ができあがると言われています。通常は成長の過程の中で、見たり触れたり体を動かしたり、様々な経験を通じて必要な機能を身につけていきます。これには個人差があります。特に不器用等調整力の弱さと「見えにくさ(視覚機能の困難)」においては関係性が強いといわれています。見る力は一人ひとり違い、この見えにくさを抱えた状態を放置しておくと、努力をしても結果が伴わなくなるという場面も増えてきます。そうなると「どうせ勉強はできない」「運動は嫌いだ」と意欲を失い、自己肯定感の喪失につながっていきます。

もちろん、学習の困難についてはこれまでのブログで述べてきたとおり、音韻機能や他の認知機能の問題もあり、視機能だけに関係づけられるものではありませんので、ビジョントレーニングで学習困難が解決するかどうかは他の認知機能との問題がないかどうかのアセスメントが重要です。ビジョントレーニング自身はそう難しいトレーニングではないのでホームページを見ていると、放デイの療育内容の目玉のようにしているところがありますが、アセスメントをどのようにしているのか明示しているところが少ないのが気になります。2012年の文部科学省実施の調査では子どもの2.5%に読み書き困難があり、その子どもの1割弱が視知覚の弱さが原因ではないかと考えられます。

ビジョントレーニングをすすめる記述には、視機能の課題が学習の困難と結びついている人は次のような傾向があると、書かれています。
1書字:文字を崩さずに正しい形で書けない。ノートに書かれているマス目や行からはみ出す。図形の形を正しく描けない。2読字:行間の読み飛ばしや、読み間違いをする。文章の意味を理解する力が身につかない。3手指の作業:ハサミやカッターなどを使い曲線などを正確に切ることができない。定規等をつかって正確な図形を描いたり、正確な線を引くことができない。紙を折ったり、貼ったりする作業をすることが困難。4集中力:授業中、しっかりと勉強に集中することができない。長時間(30分程度)の読書が続かない。5記憶力:ひらがなや漢字等、正しい形で記憶することが困難。学習において記憶の積み重ねが増えない。約束したことを忘れたり、忘れ物をしたりすることが減らない。6イメージ力:模様を見ながら再現できない。図形を正確にイメージして形を思いうかべられない。方向、方角の認識を身につけることができない。7運動する力:ボールを上手く受け止められない。縄跳びなどの跳躍運動が苦手。ダンスや体操など、目の前のお手本通りに真似るのが苦手。
確かに、生活の80%は視覚からの情報ですので、視知覚入力に課題があれば様々な問題が起こるのは当然です。だからと言って全てを視知覚の問題として扱うのは大雑把すぎる気がします。

これまで、スタンダードな視知覚検査は「フロスティッグ視知覚発達検査(DTVP)」でしたが、ここ10年視知覚の検査はたくさん開発されています。学力の問題との相関性を統計処理したものも出ています。おすすめはWAVESです。WAVESは Wide-range Assessment of Vision-related Essential Skills の略で、日本語では「視覚関連基礎スキルの広範囲アセスメント」と言います。この検査では、視知覚・目と手の協応を総合した総合指数により同年齢の子どもとの比較ができ、また、下位検査の成績によって、形態認知や記憶、協応動作について個人内の得意不得意も把握でき、段階内容別のトレーニングプリントもついています。おそらく多くのビジョントレーニングで療育を行う放デイはこれを利用していると思います。ただ、アセスメントに重要なのはテストバッテリーと言って一つの検査だけで結論を得るのではなく二つ以上の検査等から多面的に分析することです。本事業所ではWAVESとKABC-2(心理・教育アセスメントバッテリー)、STRAW-R(標準読み書きスクリーニング検査)によるテストバッテリーを組むことができます。ご希望の方はスタッフまでご連絡ください。

PECSセミナー in 京都

PECS「レベル1ワークショップ」(初級)が7月25日(土)26日(日)の二日間京都市で予定通り開催される見通しです(会場は未定ですがいつもは京都テルサです)また、家で学べるオンラインワークショップ(ZOOM使用)も6月13日  ~6月14日、6月20日~6月21日に開催されます。一般は39000円ですが保護者・学生は29000円です。いずれもピラミッド社のWEBから申し込み可能です。ご相談は、すてっぷのスタッフまでお声掛けください。

 

 

家、学校つなぎ学習支援

家、学校つなぎ学習支援

2021/06/03【読売新聞】

高松市 オンライン対応進める
新型コロナウイルスの感染拡大や災害などで臨時休校になり、児童生徒が登校できない場合に備え、高松市が学校と家庭をオンラインでつなぐ学習支援を進めている。タブレット端末の使用による成果や課題などを踏まえ、今後、全市立小中学校への普及を目指す。(林信登)

休校想定 木太南小で試行
■Zoom使い
「みなさん、こんにちは。聞こえていますか」。5月28日午後4時頃、高松市立木太南小6年4組の教室で、平田将己教諭(26)がビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を通じて呼びかけると、児童約30人が画面越しに手を挙げるなどして応えた。

約30分間のオンライン学習で児童は、専用の学習支援ツールアプリで出された課題に回答した後、別のアプリを使って英語や国語の問題を解くなどした。その様子が教室の電子黒板に映し出され、平田教諭は「分からないことはないですか」などと状況を見守った。

久次米紗帆さん(11)は「教室で受けるのとは違い、新鮮な感じがした」、平田教諭は「細かい指導ができない側面もあり、画面越しのコミュニケーションを工夫していきたい」と振り返った。

■1人1台
昨春、新型コロナで市立小中学校が臨時休校となった際、各学校は児童生徒の学習に遅れが生じないよう、学習プリントを作成。各家庭に郵送したり、直接配ったりした。

この経験を踏まえ、市は教諭らの負担軽減などに加え、休校時の家庭学習をより充実させるため、国の「GIGAスクール構想」で昨年度末までに全69校で1人1台配布されている学習用のタブレット端末を自宅に持ち帰り、オンライン学習に活用することにした。

今年度から全学年で端末を活用している木太南小で7月まで毎週、オンライン学習を試行し、効果や課題を検証する。

■教諭も研修
教諭側も様々なノウハウを蓄積していく必要があるとして、放課後の30分間をオンライン研修に充てる取り組みを並行して進めている。市総合教育センターの中浦将治所長は「いざという時に備え、子どもたちも先生もオンラインでの学習に慣れておく必要がある。子どもたちの学びの機会が失われることがないようにしたい」と強調する。

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当事業所が知る限り、自宅に配布されたタブレットを持ち帰ってきたと言う話は未だ聞きません。大阪市の騒ぎのように校長と市長が、環境も整わないのにできないと校長が言えば、市長は組織の意向が気に食わないなら辞めたらいいとやり合っているのを横目に、無料で何回でも40分継続利用できる民間アプリZOOMを使って授業をすればいいじゃないかと考えている学校だってあります。

校長先生たちのいう環境が整わないというのは、GIGAスクール構想での自治体の教育専用サーバーに繋げないと言っているだけで、民間のリモートサーバーは、家庭にネット回線さえあれば誰でも使える環境にあります。批判することが目的で児童と教師の頭上で空中戦を演じるよりも少しはこうした動きに目を向けて欲しいと思います。何もかも揃わないとICTを使った教育ができないわけではないからです。できることからやればいいのだと思います。

回線が込み合う都会よりも地方の方が回線はサクサク反応するかもしれません。岐阜市の全ての児童生徒にセルラー(4G回線)付きタブレットを配布しているのは画期的と以前も書きましたが、岐阜市は全生徒がリモート対応できるのでどんな実践をするのか楽しみです。そして、子どものタブレットを後生大事に充電式保管金庫に入れている学校は、かならず遅れを取ると思います。タブレットが手元になければ子どもも教師も簡単なことでも使わないからです。GIGAスクール構想での狙いは子どものデジタルリテラシー(デジタル機器操作に慣れる事)をまずは育てることです。学校では金庫に保管せずいつでも触れてネット利用を含めて操作ができるようにしておくことがまずは大事です。そして家庭に持ち帰らせ短時間でも少人数でもリモートの経験をさせることが大事だと思います。

知っていますか「特別児童扶養手当」

特別児童扶養手当は、20歳未満の精神または身体に障害のある子どもを育てる養育者が受けられる手当です。対象は 20歳未満で精神または身体に障害のある子どもを育てている養育者に支給されます。
・身体障害者手帳1~3級程度、および一部4級程度
・療育手帳AとBの一部(審査されます)
・精神障害者保健福祉手帳1級と2級の一部(審査されます)
・手帳をもたないが、障害・疾病等により日常生活に著しい困難がある場合(審査されます)
支給制限は、扶養義務者の前年の所得が600万円くらい(共働きや扶養者数、内容によって違います)を超えると手当は支給されません。京都府の特別児童扶養手当月額は1級認定の場合 52,200円、2級認定の場合 34,770円です。(※手当の月額は物価変動などにより改定されることがあります。)
問い合わせ窓口 各自治体の「子育て支援」の窓口。特別児童扶養手当は毎年8月に「現況届」を提出して更新する必要があります。「現況届」とは手当を引き続き受給する要件があるかどうかを確認するためのもので、その年の6月1日の状況を書くものです。前年の所得の状況と6月1日現在の児童の養育状況等を記載します。「現況届」の提出がない場合、手当が支給されません。
手帳がない発障障害の子どもも特別児童扶養手当を申請することは可能です。その際には、役所の子育て支援の窓口で渡される用紙に、かかりつけ医に診断を書いてもらって申請したうえで、指定の判定医の診断をうける必要があります。

障害児福祉手当は、20歳未満の精神または身体に重度の障害のある子どもを育てる養育者などが受けられる手当です。手当の判定基準に該当する方は特別児童扶養手当と併給することができますが、障害福祉手当のほうが審査条件が少し厳しいです。これは各自治体の「福祉の窓口」で申請します。

そもそも、手当や福祉関係の情報って病院や学校、事業所でも教えてくれないことがあります。自分で積極的に調べて聞いていかないと申請できません。また、お兄ちゃんは特児手当がもらえたけど、下は軽度だからもらえなかったという家庭もあります。時々施しは受けないという方がおられますが、生活費に使っても後ろめたいことは何もないし、家族とその子のために使えばいいのです。
住んでいる自治体ごとに制度が違うので、詳しくは役所の子育て支援の窓口と、福祉の窓口で申請手続きをする際によく確認してみることをおすすめします。
乙訓各自治体のHP
向日市
長岡京市
大山崎町

これらの制度は障害者手帳(特に療育手帳)があるとスムースに申請ができることから、手帳の申請がまだの方は各自治体の「福祉の窓口」でお聞きください。税控除や様々な助成を受けることができます。

そして、手当についての「使い方」について共通しているのは「何が正しいか」ではなく、その家庭にとって「何が必要か」ということです。家庭の必要に合わせて使うことが正しい使い方だということです。必要な人に、必要な手当が届くよう、お役立てください。

テラハ問題は身近に起こっている

リアリティショーで人気の「テラスハウス」の木村花さんが、SNSでの非難を苦にして亡くなった事件は国会にまで議論が飛び火して、SNSを規制する方向で世論が動いているといいます。匿名なら何を書いてもいい、欲求不満のはけ口にしてもかまわない、金もらって出演している人と普通の人は違うなど様々な論点があります。

しかし、同じような傾向は別に有名人でなくてもクラスや職場の裏アカの書き込みにも見られます。書き込まなければ自分が狙われると言ういじめの構造とSNS問題はやや違いますが、ディスった人たちが社会的な罪に問われない、コミュニティーから排除されないというところは同じ性質です。そうは言ってもSNSはなくなりません。大人は子どもにどのように教えればいいのか議論を進める必要があります。

でも、下の長々とした論評よりも、今日東京上空を飛んだブルーインパルスの医療従事者への感謝飛行の方が何百倍も説得力があります。ガンバレ!ありがとう!を交わし合う感動が、多くの人々を前向きに一つにしてくれることを、教えてくれています。

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テラハ問題を理解できない若者たちの闇 「何が問題なの?」
2020.05.29 17:00 【NEWSポストセブン】

5月23日、女子プロレスラーの木村花さん(享年22)が急逝した。花さんは恋愛リアリティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系・Netflixでも配信)に出演していたメンバーで、女子プロレスで培ったヒールとしての役割を演じた彼女の姿に、かねてよりネット上では多くの誹謗中傷が飛び交っていた。

27日、フジテレビは同番組の打ち切りを発表。フジテレビと制作会社は「木村花さんがご逝去された事について、あらためてお悔やみ申し上げます。またご遺族の方々にも深く哀悼の意を表します」とのコメントを発表している。一般人も含めた出演者たちの恋愛模様を赤裸々に描くというコンセプトの「恋愛リアリティショー」には、これまでも出演者のデマ情報の流布やSNSでの執拗なアンチコメントなどが問題視されてきた。

今回の木村さんの訃報に触れ、多くの人たちが誹謗中傷の書き込みに対する非難の声を上げている。しかし、この痛ましい出来事を受けてもなお、「何が問題なのか分からない」という若者たちもいるという。私立大学で教鞭を取る情報学系の研究者A氏(30代)は、今回の件を受けての学生からの反応に驚いたという。「学生に今回の件について尋ねたところ思わぬ反応があった。『テラハのファンだった』という女子学生の一人は、『彼女が亡くなったのは個人的な問題なのに、なぜ番組が叩かれるんですか? 番組を作っている人と、番組のファンが被害者です!』と言ってきた。このコメントには唖然としましたが、他の学生も『ネットの言葉なんか無視するべき、スルースキルがあれば起こらなかったと思う』、『アンチも養分だと思わないと。正直、続きが気になっていたし、新しく加入したメンバーがかわいそう』などとコメントをしていたんです。肩透かしを食らった気持ちでした。ここまで、言葉の持つ力は軽いものなのか。

木村さんと同年代の視聴者の声を聞き、自分自身の考えが甘かったと猛省しました。日本のリテラシー教育にかかわる研究者、教育者として、ここまで根深い問題があるとは、今回の件まで理解できていなかったのです」A氏はさらに、学生へ向けて「芸能人や著名人のSNSにコメントをする(リプライを送る)ことはどう感じるか? リプライしたことはあるか?」と尋ねたところ、多くの学生から「友だち感覚でリプを送れる」、「つまらない芸人には、リプで『全然おもんない』と送ったことがある、「ふざけてDMを送る友達も多い」などという反応があったという。同じツールを使う者同士、フラットな対人関係にあると錯覚するのではないか、と付け加えた。

今回、テラスハウスに関しては過剰な演出や台本の有無なども話題にされているが、「議論をそこに矮小化しないで欲しい」と語るのは、別の私立大学で社会学を教えるB氏(40代)だ。「視聴者のリテラシー不足を非難する前に、そうした激情型の視聴者を煽り立て、そのネガティヴなエネルギーでコンテンツの価値を増幅させようという制作意図自体に限界が来ていた。経済学でいう『アテンション・エコノミー』(※注目や関心の高さが経済的利潤を生むという概念)が悪い形で発露した事例ではないでしょうか」「リアリティショー」という番組構成に対して、視聴者が「現実とドラマの世界を区別できない」という指摘についてはどうか。B氏はこう語る。

「『リアル/バーチャル』以前に、私たちはある種のステレオタイプのもとに、対象を『見たいように見る』。たとえば、今回の場合は番組制作サイドも視聴者も、木村さん個人ではなく、“女子プロレスラー、ハッキリと意志表示する強い女、個性的なヘアメイクやファッション”といった要素やカテゴリーで彼女を切り取った。か弱く守ってあげたい受動的な女性像とは真逆です。そして一部の人たちの間には、こういったカテゴリーの女性ならば非難して良いんだ、という認識がある。誹謗中傷する者にとっては、リアルかバーチャルかはどちらでも良い。ただ『叩きやすい要素』、『盛り上がれる要素』があれば良い。そこにジェンダー的な問題が潜んでいることを、もっと私たちは自覚しないといけません」(B氏)

問題はネットリテラシー以前の、より根深いところにあるのかもしれない。

不登校YouTuberゆたぼん激怒

不登校YouTuberゆたぼん激怒過去動画への「マスクしろ」批判に「ホンマにアホやと思う」

6/3(木) 【J-CASTニュース】

【動画】「学校でマスクは外せ!」ゆたぼんさんの主張

■「学校でマスクは外せ!」と主張
2021年5月27日、今年2月に大阪府高槻市の小学校で当時5年生の男子児童が、体育の授業で持久走を走った直後、体調が急変し死亡していた、と毎日放送などが報じた。事故との関連は不明だが、児童はマスクをした状態で持久走に臨んでいた可能性もあるという。

このニュースを受けてゆたぼんさんは、「学校でマスクは外せ!」と題した動画を公開。「運動する時とか体育の時はマスクをつける必要はないし、逆にそれで死んでしまう可能性もあるから、みんなもマスクを外したほうがいい」と説いた。

続けて、「だいたい、いつでもどこでも『マスクつけろ』って言ってるやつが頭おかしいねん」と述べ、

「俺の動画でも、誰もいない海で撮影してる動画やのに『マスクしろ』ってコメントしてきたり、コロナが出る前の動画にも『マスクしろ』ってコメントしてくるやつがおって、ホンマにアホやと思うわ。自分で考えることもできひんで、脳みそが"マスク脳"になってて、完全に思考停止してるねんな!」
と痛烈に批判した。

「ホンマ何の意味があるねん!」
ゆたぼんさんは先日、自分の妹が学校の遠足で「コロナの影響でバスが乗れない」との理由から、児童全員マスクをつけたまま1時間歩かされたといい、「ホンマにヤバいなって思ったわ。沖縄でマスクつけて1時間歩くだけでも地獄やのに」「ホンマ何の意味があるねん!」と憤った。

そして、「結局これも『学校に行け、学校に行け』って言ってるのと同じで、みんながマスクつけてるから苦しくても『マスクしろ!』ってなってるだけやねん」とゆたぼんさん。「学校に行って死んでしまうくらいなら学校なんて行かんでいい。今自分に一番大事なものは自分の命!自分の人生!自分の心や!みんな人生は冒険だ!自由に生きよう!死んだらアカン!」と力説していた。

コメント欄には「確かに思考停止でマスクは危険だと思う」「これはぐぅ正論」「時と場合だね」「ちょっと極論じゃね?体育の時間は外しとるがな」など様々な意見が寄せられている。
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王様の耳はロバの耳や、裸の王様を思い出しました。『王様の耳はロバの耳』は、ロバの耳をした王様の散髪をした床屋が絶対にしゃべるなと言われたのに我慢できず、森の中の葦に向かって叫びます。すると、葦が風で揺れるたびにその言葉を繰り返し呟く様になり、いつの日かその葦の前を通る人々へ伝わってしまうお話です。

『裸の王様』は、周りがイエスマンばかりのある国の王様が、馬鹿には見えない糸で作った服と詐欺師に騙されて、無い服を着て国中を歩きます。国民も皆、見えないのに王様が怖くて裸でいる事を言えないのに、一人の子供が裸である事を指摘し、やっと大人も認めはじめますがパレードは延々と続く…お話です。

ゆたぼんの言う通りです。武漢風邪のウィルスが戸外で飛沫感染したと言う研究結果は世界中で一つもありません。あるのはスーパーコンピュータ富岳でランナーの飛沫シミュレーションをしたら、結構周囲に拡散するというだけで、感染の根拠ではありません。

ゆたぼんの地元沖縄では、来週から2週間の休校だそうです。市民の外出禁止を課さない学校休校は、感染拡大防止効果はなかったと言われているのに、何を根拠にして子どもの学習権を奪うのか意味不明です。私たちもイソップ寓話の床屋やアンデルセン物語の子どもになる必要がありそうです。

台風5号

子どものころ、台風が近づいてくるとなんだかわくわくしたものです。今のように刻々と変わる正確で詳しい情報はありませんから、学校はすぐ休校になり、子ども心には余計なイメージが広がります。母はろうそくの買いたしや風呂の貯め水をしたり、雨戸を閉めてその上からくぎ打ちしていた父の姿が鮮明に思い出されます。非日常のドキドキもあるけど、家族全員で来るかもしれない困難に立ち向かっている姿が心地よかったのかもしれません。

今や都会では台風でも職場や学校に行き、ぎりぎりまで休業にしません。昔は町に出ても台風の前は静まり返っていて往来も少なかったものです。台風が来るかと思ったら次の日は晴れてたなんてこともよくあって、「あーよかったねー」で済んだのですが、今は正確な進路まで予想できますからそんなわけにもいかないようです。

20日(土)夜までの48時間で雨量は九州から四国、紀伊半島など西日本太平洋側の多い所で300mmに達する所があるそうです。また、21日(日)は台風5号に向かう南西からの湿った空気の流れが強まる九州では、雨雲が非常に発達し激しい雨となるおそれがあり、最大で500mmに達する大雨のおそれがあるそうです。広い範囲で南よりの風が強く、西日本では瞬間的に20m/sを超える強風に対しても注意を呼び掛けています。

マスクできない理由分かって

マスクできない理由分かって 感覚過敏の娘、「『着けろ』と怒鳴られないか…」母の不安な日々
2020年6月1日 11:00 【京都新聞】

母親(上)がマスクを着けてあげようとすると、嫌がる娘(京都市内)
「自閉症の娘が、こだわりや感触の特性でマスクが着けられません」「日帰り温泉で、館内の利用を断られました」。京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」のLINEに、母親からの悲痛な声が届いた。新型コロナウイルス感染防止のため、マスク着用が「当たり前」になりつつある中、偏見におびえながら暮らす現状だという。
京都新聞社に声を寄せたのは、京都市西京区の母親(53)。長女(25)は、自閉症スペクトラムと重度の知的障害がある。障害の特性で体の感覚が過敏で、マスクが着けられない。
母親がマスクを着けてあげようとすると、長女は嫌がってその手を払いのけ、不快な表情を浮かべた。母親は「皮膚感覚や口をふさがれる圧迫感が、我慢できないのかな。知的障害の娘はマスクの必要性を理解できないし、無理強いすると自傷行為につながってしまう」と話す。長女は、他人のマスク姿も不安に思うようで、既に膝をかむなどの自傷行為があったという。

■日帰り温泉で売店などの利用断られ
5月、お風呂が大好きな長女を連れて、家族で京都府内の日帰り温泉施設に出掛けた。すると、受付で「マスクしてください」と言われた。障害の特性があってマスクを着けられないことを説明しても、「他のお客さまが嫌な思いをするかもしれないので」と浴室以外の売店や休憩所の利用は断られた。
風呂から上がった後は髪も乾かさず、日帰り温泉施設を急いで離れざるを得なかった。母親が事情を説明しても施設は売店や休憩所の利用を渋った。母親(53)は「同じ人間なのに、違う扱いをされて悲しくなった」と話す。
政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は5月4日、今後の感染拡大に備えた「新しい生活様式」を提言し、その実践例として「外出時、屋内にいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用」と求めた。マスクの着用を入店条件にする商業施設などが増えており、今夏以降も「マスクが当たり前」の社会が予想される。
母親は「外出時、『マスクを着けろ』と怒鳴られたり、白い目で見られたりしないか不安です」とし、「施設や店舗が『マスクなしでもOKの日や時間』を作ってくれるとうれしい」と話す。
「新しい生活様式」を担当する厚生労働省結核感染症課は、京都新聞社の取材に対し「感染予防には、手洗いなどを含め総合的な対策が必要で、マスクの有無が全てではない。マスクを着けられないからといって、不当な差別につながることがあってはならない」としている。

■感覚過敏 一つの刺激に集中
マスクの着用が困難な人に、どんな配慮が社会に求められるのか。自閉症や発達障害に詳しい「どんぐり発達クリニック」(東京都世田谷区)の宮尾益知医師=小児精神神経科=に聞いた。
一般的な感覚の人は、音やにおいなどさまざまな刺激を脳で自動的に取捨選択するが、自閉症の人は一つの刺激に集中してしまう。マスクが耳や口を覆う不快さや、マスクを着けた時に口が隠れる見た目の不自然さに集中してしまい、耐えられなくなる。
対策としては、締め付けの弱いタオルやフェースシールドを着けたり、マスクに口や好きなキャラクターを描くなどの手段がある。ただ、感覚過敏の人には、感覚が一般の人に比べて激烈でとても我慢できない人もいる。そうした事情を持つ人がいることも、社会に広く知られる必要がある。

水泳の授業、あなたの学校は?

水泳の授業、あなたの学校は? 神戸・西宮市は中止、姫路市は実施

2021/6/6 【神戸新聞NEXT】

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、昨年は多くの学校が中止した水泳の授業。今年は手探りで実施する市町も出てきた。兵庫県内では、対策を取って予定する姫路市、昨年に続いて中止を決めた神戸市など判断が割れている。(小尾絵生)

兵庫など全国の公立学校は2020年度、5月末までの長期休校が明け、手探りで学校生活を再開したこともあり、多くが水泳の授業を見送った。体育や音楽の授業、運動会、音楽会などの行事も縮小した。

スポーツ庁と文部科学省は水泳の授業について、前年度と同様、本年度も中止は求めず、感染対策としてプールの残留塩素濃度の管理▽身体的距離を2メートル以上確保▽手をつないだり体を支えたりするなど密接活動は避ける-などを求めた。

しかし、神戸市教育委員会は5月21日付で市立小中学校などに水泳授業中止の方針を伝達。理由には、更衣室で密になる、常に2メートル以上の距離を保つのは難しい、マスクの着脱ができない-などを挙げた。

西宮市教委も、市立小中学校に対し「水に入っての授業は行わないことが望ましい」と方針を伝えた。両市教委とも中止は2年連続。行えなかった指導内容は次年度の計画に盛り込むよう学校に求めた。

西宮市教委の担当者は「新型コロナの若年層の陽性者が増えている。水泳をきっかけに感染者を増やすわけにはいかない。ただ、昨年も授業を行えず、現中学3年生はそのまま卒業してしまう。中止は苦渋の決断だった」と明かした。

姫路市教委は原則実施を決定。2メートル以上の身体的距離を確保するため、これまで学年単位が基本だった授業をクラス単位に変えるなどし、1回当たりの人数を減らす予定だが、全学年で十分な授業回数の確保は難しくなるという。

小学校では6年生を優先するなど、学校は授業計画に苦心する。同市教委は「感染対策を最優先に、無理のない計画を立てるよう呼び掛けている」とする。

一方、県教委によると、県立高校では水泳は選択制が多く、人数が限られるため、原則実施が大半。神戸市教委も、市立高校については緊急事態宣言が解除された後は実施可能とする。
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プール授業を実施しても非難こそあれ表立って賛同されることはないのなら、「仕方がない」と表明して実施しない方が役人や教員にはストレスはかかりません。いったい誰のための水泳授業かと思いますが、いずれは収まる感染恐怖なら、今はやり過ごせばいいと言う判断は大人の理屈です。

プール授業で感染したというケースがこれまであったとは聞きません。もしあったなら、全国で水泳授業が何件実施されている中で何件の感染だったのか明らかにして欲しいです。民間のスイミングプールも営業をはじめ、各地の水泳競技の大会も開催され、何故、学校のそれもほとんどが戸外のプールの水泳授業が見送られるているのか、明確な理由は示されません。

一方、戸外活動中のマスク着用は児童には熱中症の危険があります。200人に一人の陽性者確率そのうち6割以上は無症状の武漢風邪を恐れて熱中症のリスクを冒しています。熱中症の重症者は死に至ります。武漢風邪で死に至る子どもは皆無です。水泳授業に変えての戸外の体育授業や教育活動は熱中症のリスクを考えてノーマスクでお願いします。

DV防止法

7月12日千葉地裁は、千葉県野田市立小4年の栗原心愛さん=当時(10)=が1月24日に自宅浴室で死亡した虐待事件で、父勇一郎被告(41)の暴行を制止しなかったとして、傷害ほう助罪に問われた母なぎさ被告(32)に懲役2年6月、保護観察付き執行猶予5年を言い渡した判決が確定したと明らかにしました。求刑は懲役2年でしたが、地裁によると、10日が控訴期限だったが検察側、被告側の双方から控訴がなかったので刑が確定したということです。母なぎさ被告も夫からDVを受けており、一部の意見には夫のDVの中で母親は子どもを守る判断力を失っているのだから母に刑を科しても刑の効果は薄く、保護と治療が必要というものもありました。

通称『DV防止法』が制定されたのは、2001年(平成13年)のことです。“夫婦喧嘩は犬も食わない”と限度をこえた夫婦の問題に対して、行政は関与することを長年控えてきたのです。ある面、他人が入り込むことを遠慮してしまう家庭という空間。法律がそこに踏み込むことで、辛い環境に耐えてきた女性達を救い出したことは、大きな意義があると思います。「DV」とは、ドメスティックバイオレンス(Domestic Violence)、略して「DV」です。ドメスティックは、「家庭的な」。バイオレンスは、「暴力、暴行」です。正式名称は、『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律』です。

一般的には「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」と書かれています。「配偶者からの暴力」に対する定義として、身体に対する暴力だけではなく、『心身に有害な影響を及ぼす言動』つまり言葉の暴力も含むということです。相手に危害を与える暴力は、圧倒的に男性から女性に及ぼすものが多いですが、言葉の暴力は、男性女性関係なく起こりえます。一年間のDV件数は、2015年(平成27年)には、63,141件の相談が寄せられています。検挙状況は、7,914人が刑法犯として検挙されました。DV防止法制定により、年間これだけの人が罪に問われ、同時にほぼ同数の被害者が救われていることになるので、法律ができた意義はとても大きいといえます。

法の前文には「配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することにより、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、この法律を制定する」とあり 家庭内の問題だからといって、今までのように放置しないで、しっかり対処しますよという法律になっています。『配偶者暴力相談支援センター』は、以下のことを行います。
○相談や相談機関の紹介 ○カウンセリング ○被害者及び同伴者の緊急時における安全の確保及び一時保護 ○自立して生活することを促進するための情報提供その他の援助 ○被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供その他の援助 ○保護命令制度の利用についての情報提供その他の援助です。DV相談件数は10万件超えの相談が寄せられています。他には、裁判所が配偶者に対して、保護命令を出すケースもあります。具体的に、被害者への接近禁止命令や住居からの退去命令が出されます。もし命令に違反すれば、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。また、発見者による通報という項目があります。配偶者からの暴力を受けている人を発見した人や医療関係者は、すすんで警察や配偶者暴力相談支援センターに通報することを推奨しています。このようにDV防止法によって、様々な行政の支援体制が整ってきています。

DV防止法改正内容 2001年にDV防止法が制定されたことで、家庭内で暴力を受け、沈黙していた多くの女性達が、救われることとなりました。配偶者からの暴力も犯罪であるということ。閉ざされた家庭空間で、「暴力をふるわれるのは、私にも問題がある」という被害者の錯覚が明らかになったこと。 それらをDV防止法が、私たちに気づかせてくれたのです。DV防止法は2001年の制定・施行以来、18年の歳月が経ちましたが、その間に三度の改正が行われています。法律は、極論すれば、人々が幸福で安寧な暮らしをするために存在するものです。。まだまだDVはなくならないとはいえ、以前はDVについて議論すら許さない風潮があった時期を思えば、やっとここまで来たという感があります。

リスクヘッジ

各自治体歩調を合わせて今年は学校プール無しだそうです。以下のスポーツ庁の見解は前向きのタイトルですが、実は「安全対策を講じることが困難であれば、今年度の水泳を控えるよう」とゼロリスクでなければ中止を求めている様にも読め、中止への逃げ道を残しまず。確かに感染者が出るような無防備はまずいですが、一人も出さないと言うのは見えないウィルス相手に現実には無理な話です。現感染率はサイコロを6回振って同じ目の出る確率です。それでも「感染するかもしれないから、中止」がこんなに幅を利かせ、誰も文句が言えない雰囲気です。

昨日のマスクがつけられないASD者の記事も同じです。医療関係者等の装着以外マスクに予防効果はないと言うのがこれまでのWHOの定説です。いつの間にかWHOの定説を覆し、根拠データもなしに国民総マスク化がすすみます。武漢ウィルスは恐れる必要はない、中国はしっかり対応しているから大丈夫と1月当初は世界中にコメントし、瞬く間に世界で620万人が感染し38万人が死亡するという有様ですから、WHOの定説を信用しろといっても、こんな失敗があっては難しいのかもしれません。

それはさておき、危険だと言って中止するのは簡単です。しかし、リスクを減らしながらも、必要なことは実行していく冷静さも重要です。

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学校プールは実施可能 塩素濃度、適切管理で―スポーツ庁
2020年05月22日16時26分【時事】

スポーツ庁は22日、学校の水泳授業について、プールの塩素濃度を適切に管理すれば実施が可能だとする見解をまとめ、全国の教育委員会などに連絡した。専門家の意見を踏まえ、新型コロナウイルスの水中感染リスクは低いと判断した。一方で、十分な安全対策を講じることが困難であれば、今年度の水泳を控えるよう求めた。
授業では、水中で消毒効果を発揮する塩素(遊離残留塩素)の濃度について、従来と同様に1リットル当たり0.4~1.0ミリグラムとなるよう管理してもらう。ドアノブやシャワー、ビート板などは小まめに消毒し、プールサイドでの児童生徒間の距離を2メートル以上保つ必要があると指摘した。
幼稚園などのプールについても、同様の対策を講じることで実施が可能だと示した。

 

プール 香川県のほとんどの小学校が「対策取りながら実施」

去年は中止が相次いだ「プールの授業」 今年は香川県のほとんどの小学校が「対策取りながら実施」

6/7(月) 17:38【KSB瀬戸内海放送

高松市などの小学校では6月からプールの授業が行われています。
2020年は新型コロナの影響で多くの自治体がプールの授業を中止しましたが、2021年は香川県のほとんどの小学校で対策を取りながら行われています。

高松市多肥上町の多肥小学校は6月2日にプール開きしました。
(多肥小学校/久利知光教頭)
「学校として最大限のコロナ対策をしながら、子どもたちには存分に活動を楽しんでもらいたい」

■2021年は香川県の7市9町で全ての小学校が「実施」
プールの授業は新型コロナの感染拡大を受けて、2020年は高松市やさぬき市が全ての小学校で中止するなど、香川県でも見送る学校が多くありました。

KSBが学校や教育委員会に確認したところ、2021年は高松市や丸亀市など7市9町で全ての小学校が「実施」するとしています。一方、さぬき市は7つある小学校のうち1校が「実施」、3校が「中止」、残る3校は「検討中」としています。

高松市教育委員会は2021年4月、プールの授業を行う場合は、更衣室の密を避けることや泳ぐときに距離をしっかり取ることなどを各小学校に通知しました。

多肥小学校では着替え中の密を防ぐため、男子は体育館のステージ、女子は2つの更衣室に着替えるスペースを分けました。また、例年は2クラス合同で行う授業を、2021年は1クラスごとにしました。

(白戸ゆめのリポート)
「プールサイドには黒と赤のマークがそれぞれ2メートル間隔で付けられています。この場所に授業中、児童が立つことによって密を防ぎます」

この他、一度にプールに入る人数を減らしたり、対面にならないように一方通行で泳いだりとさまざまな対策をとっています。

■久しぶりのプールにあふれる笑顔
2年ぶりのプールの授業は例年通りとはいきませんが、児童たちには笑顔があふれていました。

(6年生の児童は―)
「初めに入る時はちょっと冷たかったけど水に入るとだんだん慣れてきて気持ちよかったです」
「みんなで安全に気をつけながら楽しく出来たと思います」

(多肥小学校6年生の担任/野﨑佳子先生)
「制限のある中でもきょうはマスクが外れたということで、子どもたちの久しぶりの笑顔が見られたというのが一番良かったと思います」

多肥小学校は例年、1クラス当たり10回以上プールの授業を行っていましたが、2021年は1クラス当たりの授業数は少なくなりそうだということです。

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これが普通の対応だと思います。500名に1名(*)の確率で感染して症状が出る武漢風邪を恐れて実施しないのではなく、クレームが恐ろしくてプール開きができない学校が少なくありません。文科省もスポーツ庁も感染予防をしながらプール指導を行う通達を出していますが、相変わらず、「対策を講じることが困難であり、児童生徒の安全を確保することができないと判断する場合は、今年度においては水泳授業の実施を控えるようお願いします」と昨年と同じフレーズを残しているので、各校が対策をしないままプール実施が見送られる可能性があります。どんなことでも困難な理由は挙げればきりがありません。大事なことは実施する気があるかどうかです。

国会で野党は武漢風邪を人質にして、オリンピック開催の是非を問いますが、どうすれば開催できるかは論じ合っておらず選挙前の政治利用としか思えません。政府もメディアに煽られた世論を気にして分かりにくい答弁で是々非々の姿勢が示せず、国民の不安を高めます。高松の学校もきっとメディアに煽られた人たちがクレームを入れてくると思いますが、先生たち子どもたちのために頑張ってください。応援しています。*0.5%のPCR陽性者の4割弱が感染症状のある人なので 、0.2%が発症確率となります。

ソーシャル・ストーリー

ソーシャル・ストーリーとは、米国のキャロル・グレイが開発した「身の回りのものの性質や様々な場面でのふさわしい言動はどのようなものなのかなどをASDの子どもにわかりやすい形で伝えるためのコミュニケーションツール」です。

ASDの人は社会的な暗黙のルールのようなものを察することが苦手です。子どもたちが自然に身に付ける暗黙のルールですが、自閉症スペクトラムのある子どもたちは、認知上の偏りや興味関心の偏り、他者の感情の読み取りが苦手、情報の取り込み方も違うために、丁寧に教えてあげないと自然に学ぶことが非常に難しいと言えます。しかし、周囲の人たちはそうした事情を知らないので、問題児だとか、何を考えているのか理解できない子ども、などと思われることも少なくありません。

ソーシャル・ストーリーは、様々な知識や暗黙のルールを丁寧に教えることによって、ASDの人たちの理解力を高めて、自分自身で適切な行動をとっていけるように書かれた文章です。ソーシャル・ストーリーについての本は、「ソーシャルストーリブック」と「お母さんと先生が書くソーシャルストーリー」の2冊が有名です。この本には多くの文例が載っていて、そのまま使える文例集です。日常生活や学校生活で必要な様々なスキルや情報が網羅されています。

ただ、ソーシャル・ストーリーは本来一人一人にオーダーメイドで作る文章なので、自分で書く場合には「お母さんと先生が書くソーシャルストーリー」が必要です。「ソーシャルストーリーブック」だけ読んで、書き方について不完全な理解のまま新しいソーシャルストーリーを書くのはやめた方がいいです。

幼稚園・保育園の年少の幼い子どもでもわかりやすい内容では「マイソーシャルストーリーブック」が良いです。「ソーシャルストーリーブック」に比べ、一つ一つの項目が丁寧に書かれていています。子どもが小さいうちはこちらを先に読む(読んであげる)と良いと思います。

ASDの子どもは社会的な暗黙のルールを自然に習得してくのが苦手なので、特に教えなくてもよいような簡単なことを、大人になっても理解していないということがあります。このような理解不足は、幼稚園・保育園や学校または職場での生活トラブルの原因になります。

ソーシャルストーリーは、ASDの子どもに、肯定的な表現をしながら様々なことを教えるので、自尊感情を損なわずに理解力を高め、子どもの成長のためには必要なツールです。子どもの発達によってはすべての項目は必要ないかもしれませんが、ある部分だけごっそり取りこぼしている可能性があるので、読み物としてすべての項目を読んでおくのも無駄ではありません。

また、大人がソーシャルストーリーの語り口を知っておくことは、普段の生活で、子どもとのコミュニケーションに非常に役に立ちます。ASDの子どもには、ソーシャルストーリーのように説明をすると理解しやすいので、子どもに理解できるように話せるからです。子どもにこちらの意図がちゃんと伝わり、お互いに不要なストレスを抱えることがなくなります。ソーシャルストーリーは、こちらの伝えたいことを子どもにわかりやすい言葉と文字で伝える支援方法と言えます。次回は他者の内面が読みにくい子どもへの支援として、コミックストーリを掲載します。

フェースシールド

スナックでフェースシールドした店員が水割りを作って客と話している映像がありました。お酒を飲みながらお話するのがスナックの価値なので、客がそれでいいならいいかなと思っていました。スナックだけではなく、あちこちの対人サービス営業のお店でフェースシールドが広がっています。要するにフェースシールドは「うちの店は安心安全だよ」という客引き用のツールになっているようなのです。

と言っているうちに、「わが町の学校は安心安全だよ」とフェースシールドを導入した自治体が出てきました。感染症よりもはるかに有病確率の高い熱中症になりはしないかと心配しています。過ぎたるは猶及ばざるが如し(度が過ぎることは、足りないことと同じくらい良くないということ )。

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フェースシールド、学校で必要? 医師「素手で触ると感染リスク」と警鐘
2020年6月2日 07時13分【東京新聞】

新型コロナウイルス感染拡大に伴い休校していた学校が1日、各地で再開された。感染防止のため児童生徒らにマスクの着用を求め、手洗いや換気の徹底を図る学校が多い中、顔の前面を覆うフェースシールドを着けさせる自治体もある。医師からは「子どもらが扱うにはリスクが高い」との見方が出ている。

「学校現場でもフェースシールドを活用しながら感染拡大を予防していきたい」。大阪市の松井一郎市長は五月二十二日の記者会見で、市立小中高の全児童生徒と教職員にフェースシールドを配ると明らかにした。市教育委員会によると、児童生徒用十八万七千個と、市立幼稚園を含む教職員用二万個を合わせた二十万七千個を業者から一千万円で購入。六月十日までに順次、配布する。

休み時間や給食の時間など、児童生徒が距離を保ちにくい時に着用させ、授業中は担任らに任せる。使用後は児童生徒らが水とせっけんで洗い、学校での保管を基本に、自宅に持ち帰っても構わない。市教委の担当者は「マスクと併用するか、どちらか一つを使うかは学校の判断」と話す。

福岡県粕屋町は町立小中の全児童生徒と教職員用に五千四百個を約百万円で購入し、登校が再開された五月二十五日に配布した。当初は授業中、原則全員に着用させていたが、保護者らから反対の声が寄せられ、熱中症の心配もあるとして、わずか一週間で方針転換。六月一日からは「着ける」「着けない」の判断を学校ができるようにした。

フェースシールドは医療従事者や、対面での長時間の接客を伴う店舗の従業員らが着けるのが一般的。文部科学省が定めた、新型コロナ感染に伴う学校の衛生管理マニュアルもフェースシールドには言及せず、マスクの着用や手洗いなどを求めている。同省健康教育・食育課の大西恵美保健指導係長は「マニュアルを作る際、専門家からフェースシールドの話は出なかった。飛沫(ひまつ)はマスクで防げると考えている」と説明する。

厚生労働省によると、五月二十七日時点の累計感染者数は一万六千四百七十五人。うち未成年者は4%の六百六十八人にとどまり、死者はゼロ。五月二十三日以降、感染者が急増している北九州市の小学校でクラスター(感染者集団)が発生しているとはいえ、児童生徒への影響は限定的だ。

教育評論家の親野智可等(おやのちから)氏は「感染をマスクで100%防げるわけではなく、フェースシールドの着用は理解できる。新型コロナは未知の部分が多く、試行錯誤して良ければ続ければいいし、悪ければやめればいい。ただ、熱中症や、暑さで集中力が落ちるリスクもある」とみる。

医師からは、注意を促す声が上がる。国立感染症研究所の元研究員で蔵前協立診療所(東京都台東区)の原田文植(ふみうえ)所長は「往診でフェースシールドを試したが、暑くて断念した。子どもが使うのは無理だろう。開いている部分から手を入れて顔を触ってしまえば、感染は防げない」と唱える。

埼玉県立小児医療センター救急診療科の植田育也科長も「フェースシールドは相手の飛沫が付着し、本来は医師らが慎重に扱わなければならない防護具。子どもらが素手で触ると、感染リスクが高まる」と強調した。

各地で相次ぐ学校侵入

各地で相次ぐ学校侵入専門家、風化懸念も大阪・池田小事件から20年

6/8(火) 【時事通信】

大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件後、全国の学校で危機管理マニュアルの作成が義務付けられた。

ただ、侵入事件は各地でたびたび発生。専門家は事件の風化を懸念しており、「学校現場の危機意識を高めることが重要だ」と指摘する。

「新しい先生が来ると、現場に連れて行き話をする」。昨年、池田小に着任した真田巧校長(53)は校内で唯一、事件を直接知る存在だ。当時は6年の担任で、校舎3階からうつぶせに倒れた教員や逃げ惑う子どもが見えた。職員室に急いだが全く状況がつかめず、犯人確保後にようやく不審者侵入を知ったという。

同小では事件後、正門に警備員が常駐し、フェンスには赤外線警報装置を設置。教室や廊下など約300カ所に非常ボタンが取り付けられた。年5回行われる訓練は、不審者役の侵入経路や居場所を教職員に伝えず開始。協力して発見し、さすまたで取り押さえる。真田校長は「情報交換や発信を通じ、他の学校でも学校安全を考える機会をつくる存在でありたい」と話す。

現在は各学校での安全計画や危機管理マニュアルの作成が義務化されたが、池田小の事件後も学校侵入自体は食い止められずにいる。2003年には京都府宇治市の小学校で男が1年の児童2人を負傷させ、14年にも金沢市の小学校で、運動会の最中に刃物を持った男が侵入した。19年にはお茶の水女子大付属中学校で、秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さま(14)の机に刃物が置かれる事件も起きた。

池田小を視察し、事件翌年に公表された文部科学省の危機管理マニュアル作成に携わった学校安全教育研究所の矢崎良明代表(68)は「事件後、門や玄関の施錠が広まったが、まだ十分実施されていない地域や学校もある」と指摘。事件を知らない若手教員が増えており「休み時間でも教室を子どもだけにしないといった課題を忘れず、研修を通じて現場の危機意識を高めていくことが重要だ」と話している。

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毎日学校までお迎えに行く放デイ職員にとっては、校門の管理が厳格なのは面倒ですが、子どもの命を守るためには協力しようと思います。しかし、筆者が知る限り下校時にインターホンで顔確認して施錠を遠隔操作する設備のある学校は2校だけでした。テレビカメラは宇治の事件があってからは全校に設置されたようですが、まだまだ不審者にとっては入り放題というべきです。

学校には表門と裏門の二つがありますが、裏門はひっそりしている分カメラでも不審者は捉えやすいですが表門は保護者や業者、放デイの職員と見分けがつきません。学校開放の参観日や行事の時が最も不法侵入の可能性が高くなると思います。ガードマンが置けないならせめてICカードを関係者には与えて入校チェックを管理する等、防犯にはもうあと一工夫が求められていると思います。世知辛い世の中になったものですが、命にはかえられません。

最近は学校荒らしも増えていて、ICT機器が教室から盗まれるケースが相次いでいます。防犯をしようと思えば、タブレット充電器付き金庫となるわけですが、1台30万円近くする割には盗難を考えた構造ではないので簡単に開錠できてしまい保管した40台(時価200万円)すべて持って行かれるケースなどが後を絶ちません。自宅に持って帰らせれば教員の防犯配慮の負担も減らせるし児童のコンピュータリテラシーも高めることができます。

コミック会話

今回は、コミュニケーションをスムーズにする、コミック会話についてです。コミック会話も先に書いたソーシャルストーリ―の開発者である米国のキャロル・グレイが発案しました。開発の順序はコミック会話(comic strip conversations)の方が先です。ASDの子どもは、うまく状況を理解できなかったり、周りの人たちと違った捉え方をしてしまうことがあるのですが、そうした困っている状況を言葉で表現して、周りに説明するのが苦手です。コミック会話は、ASDの子どもが、今どんなことに困っているのか、どんなことを考えているのかを理解する手助けをしてくれます。また、彼らの周りで起こっている状況を的確に伝えるための手段としても、使うことができます。コミック会話の手法を使うことで、コミュニケーションをスムーズに取ることができるようになり、お互いの理解が進むのです。

コミック会話の方法は、子どもに書きながらコミュニケーションするのは良い方法だという理解を得て教えていきます。棒人間を描き、その人が言ったことを吹き出しに書き、感情を雲型の吹き出しに書くといった方法で状況を説明します。従って、文字や絵が描けることが前提です。このルールを徹底するのでマンガを描くのとは違い、表現ルールを覚える練習が必要になります。普段の会話をコミック会話を使って行うのです。たとえば、 今日、学校でどんなことをしたの?という、普通の日常会話です。こうして、普段から日常会話にコミック会話を使っておくことで、なにか困ったことがあった時にも、コミック会話を使って、スムーズに状況を説明できるようにしておきます。基本的にコミック会話は、ASDの子どもが、自分の気持ちなどを説明するために使うので、主に描くのは子どもです。

練習段階では、大人が質問をしながら、コミック会話を書き上げていくことになりますが、慣れて書き方がわかれば、子ども一人でも表現することができるようになります。会話ですので、子どもが書き、大人が書きと、続けていくことで、お互いの理解を深めていきます。

ノートを使うか、ホワイトボードを使うか、どんな筆記具を使うかは、様々なものを試せばいいです。ただ、筆記具に関しては、8色で感情な表現をするので、色のある筆記具を用意します。大きめのノートに色鉛筆、水性ペンなどを使う人が多いです。

コミック会話ができれば、状況や感情表現に非常に役に立つツールになります。話し言葉より先に文字に興味を持つタイプの方はコミック会話はとても分かりやすいようです。今の状況を周りに伝えられることでストレスが少なくなり、周りの大人も、子どもの考えていることがわかれば、どんな支援をすればよいのかがわかります。コミック会話がうまくいけば、かなり気持ちの面で穏やかになる方が多いです。ただし、コミック会話では子どもの誤解や間違いもたくさん発見できるので、間違いを指摘したくなりますが、それはNGです。表現することで役に立った、聞いてもらえてよかったという実感が大事です。

ここの、ブログを前からお読みの方はもうお気づきかと思います。ソーシャルストーリが理解コミュニケーションで、コミック会話は表出コミュニケーションです。他者のことがわかるだけではなく自分のことも相手にわかってもらってこそバランスが取れた暮らしというものではないでしょうか。理解だけ進んでも表出手段がなければストレスが溜まって行き詰ってしまうのは当然だと思いませんか。

なぜそんなに早く諦めるのか

一昨日も学校のリスクヘッジとはゼロリスクを求めているのものではないという記事を掲載しました。今問題になっているのは、小6や中3の修学旅行等の宿泊活動の早々とした中止決定です。宿泊先の旅館も、自治体丸ごとキャンセルだと経営的に大打撃ですが、子どもたちも大ショックです。

ただでさえ、武漢ウィルス感染予防でプールもクラブも行事も自粛させられ、「勉強だけで学校に行くなら、ネット授業で十分。学校なんかいらない」と言う子どもたちの声もあります。子どもの感染症状のほとんどは無症状か軽症です。それがクラスターになって家族や老人への二次感染に繋がるのが怖いと言う訳です。でも、無症状で誰が感染しているか分からない中で学校は再開しているのですから、理屈としては二百日もある学校内での感染確率と3日程度の宿泊学習の感染確率は大差ないと思うのです。

同じ環境で健康観察が続けられた子ども集団の貸切車輌での移動と不特定多数の交通移動は同列視できないし、宿舎はホテルにし食事は部屋内での弁当にするなどいくらでも工夫はできるはずです。結局、教育の論理よりもリスク回避という名のもとの責任回避じゃないかと批判されるのは、無理もないなと思います。

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保護者「なぜそんなに早く諦めるのか」…区立中の修学旅行中止に不満も
2020/05/24 10:04【読売】

新型コロナウイルスの影響を受け、東京都世田谷区は今年度の区立中学校の修学旅行を中止にする方針を固めた。保護者からは「なぜそんなに早く諦めるのか」と不満の声が出ているが、区は「滞在先で生徒が発症した場合の安全確保が困難」と理解を求めている。

区によると、修学旅行を1学期中に実施予定だった学校の中には、日程を変更するのが困難なところもあるという。区教育委員会は、学校ごとに実施の可否が分かれることを懸念し、全ての区立中学校で中止にする方針だ。バスや電車を使った長時間の移動や、大人数での寝食を伴うため、感染リスクが避けられないことも理由という。

新型コロナの影響をふまえて旅程を変更した学校の関係者からは落胆の声も。ある中学校では、8月末~10月か高校受験終了後の3月の実施を目指して旅行会社と調整を進め、3月中旬に実施することが決まったばかりだった。この学校の保護者の一人は「子供たちは『コロナ禍では中止が当たり前』という感覚になってしまっている。もう少し前向きに検討できないものか」と話した。

文部科学省は修学旅行について、教育的な意義や生徒の心情への配慮を理由に、感染の収束後に実施を検討するよう求めている。

医療的ケア児支援法案成立へ

医療的ケア児支援法案成立へ 介護の担い手不足解消を=賀川智子(東京地方部)

2021/6/10【毎日新聞】

たんの吸引や人工呼吸器など日常的に医療的なケアを必要とする子どもたちと、その家族を支援する「医療的ケア児支援法案」が今国会で成立する見通しだ。小さな命を将来につなぐため孤軍奮闘してきた家族にとって一筋の希望の光になるかもしれない。だが、支援法ができてもすぐに担い手不足が解消し家族の負担が減るわけではない。

深刻なのは支援の地域間格差と親、特に母親の負担の大きさだ。九州地方に住む公務員、坂口菜月さん(31)は、1223グラムの低体重で生まれ、気管切開をした1歳2カ月の長女七海ちゃんが起きている間、20~30分に1回たんの吸引をする。ケアで睡眠時間が4時間ほどの日もあった。夫が仕事の平日は「少しでも目を離したら娘の命にかかわる」と気が抜けない。昨年11月から8カ所ほどの保育園に電話をかけたが入園できず、今春の職場復帰をあきらめ、来年3月まで育児休暇を延長した。日々不安だという。

事情に応じた、選択肢欲しい
七海ちゃんのような19歳以下の医療的ケア児はこの10年間で倍増し、全国に約2万人いる(2019年厚生労働省調べ)。背景に新生児医療の進歩があり、16年の児童福祉法改正で初めて「医療的ケア児」が定義された。今回の新法は「居住地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられなければならない」との理念を掲げ、公的支援がこれまでの努力義務から責務に“格上げ”される。さらに学校の設置者に対し、保護者が付き添わなくても学校に通えるよう看護師の配置などを求め、普通学級から多くが門前払いされている現状の是正も促す。

ただ、課題は残る。
東京都の村林瑠美さん(36)は、特別支援学校小学部1年の長女が放課後等デイサービスに週5日通所し、午後5時半ごろ送迎車で帰宅する。会社の介護時短勤務制度を使い家で長女を迎えられるが、フルタイムの勤務は厳しい。村林さんは「入浴や夕食まで担ってくれる長時間のデイサービスや居宅介護など、各家庭の事情に応じたさまざまな選択肢から選べるようにしてほしい」と願う。

また、看護師らケアを担う人材は慢性的に足りない。そもそも「医療的ケア」は、医師法上は医師と看護職員が行う医療行為に含まれるものの、生活援助行為として治療行為とは区別され、ほとんどのケアは医師でも看護師でもない親がしている。12年の社会福祉士及び介護福祉士法改正で、研修を受けた介護職員などもたんの吸引などの医療的ケアができるようになったが、配置する学校は少ない。

学校の理解不足、看護師依存増す
NPO法人「地域ケアさぽーと研究所」の下川和洋理事は、「医療行為だから医療の専門家以外にはリスクが高い」と配置を敬遠してしまう傾向があると言う。その結果、看護師のいない学校では結局は親が付き添わないといけなくなる。下川理事は「一番の課題は医療的ケア児の正しい理解が学校現場にないこと。看護師以外にもできるケアは多くあるのに、看護師への依存度が増している。医療職でない人でも法的に可能な範囲できちんとケアを担ってもらうのが大切」と指摘する。

学校を出た後の生活介護事業所などでも「看護師の配置が難しく、受け入れ先がとても少ない」と東京都の福満美穂子さん(49)は言う。長女の華子(かこ)さん(17)は生後22時間後、脳に酸素が届かず脳性まひで寝たきりになった。いま特別支援学校高等部3年で、卒業後の居場所探しで悩んでいる。

新法が成立しても、新型コロナウイルスへの対応などで看護師不足がすぐに解消するとは思えない。一方、国はコロナワクチンの「打ち手」を歯科医師らに広げている。ならば、看護師の配置を進めるのと同時に、ケアの担い手の職種や範囲をさらに広げることはできないだろうか。国の責任の下、ガイドラインを示して担い手を配置すれば母親の負担は減ると思う。

戦後間もなく制定された児童福祉法の理念にこんな文言がある。「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない」

その責任は保護者だけでなく国や地方公共団体も負う。私は、医療的ケア児やその家族への支援は、一部の特殊な問題ではなく、みんなが共有して取り組まなければならない問題だと思う。障害の有無に関係なく、すべての子どもを全国どこでも安心して産み育てられる環境の整備は少子化対策そのものだからだ。

国はこども庁の創設を検討しているが、2万人の子どもに「学校に通って友達と一緒に勉強する」という当たり前の権利を認めずに、少子化対策と言えるだろうか。新法に実効性を持たせるため、国は柔軟性とスピード感を持って取り組んでほしい。

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特別支援学校も2012年から「社会福祉士及び介護福祉士法」の一部改正によって、研修を受け認定された教員は常勤する学校看護師の元で・口腔内の喀痰吸引 ・鼻腔内の喀痰吸引・気管カニューレ内の喀痰吸引・胃ろう又は腸ろうによる経管栄養・経鼻経管栄養という特定行為ができるようになっています。同じように放デイも看護師が勤務し登録特定行為事業者(喀痰吸引)として認定され、研修認定者がいれば、先に掲げた5つの医療的ケアの実施が可能となります。

乙訓近辺には向日市と洛西の2か所に登録特定行為事業者(喀痰吸引)の放デイがあります。ただ、医ケアを必要とする子どもは単に痰を吸引したり栄養を注入すれば良いと言うものではなく、気管カニューレが抜け落ちたり、突然呼吸が不安定になる等、呼吸器系は命にかかわることも少なくないので安全安心な仕組みが必要です。医師がいない中で実施されるこの仕組みは、看護師の心理的負担が大きいとも言われます。また、この法律は、発達障害者支援法と同じく理念法なので具体的な施策は書かれていません。現場が必要とする財政的保障や医療スタッフの配置等が進むように、この法律の積極的運用が行政に求められています。

応用行動分析を支援に生かす

発達障害のある人の行動問題について、前回はその支援の一丁目一番地は表出のコミュニケーションだと述べてきました。行動問題の解決と予防に必要なものはは、表出コミュニケーションと理解コミュニケーション(視覚的構造化含む)、3番目には応用行動分析(ABA=applied behavior analysis)だと考えられます。

ABA理論は人間の行動の分析の仕方と法則を扱っている心理学理論です。ちょうど、化学反応の法則を導き出すことと似ています。水は電気分解すると水素と酸素になります。人は褒められるとその行動を繰り返そうとします。単純化すればのたとえ話ですが、このように化学反応と行動変容はよく似た表現をします。表出のコミュニケーションに取り組むPECSもABA理論に基づいています。激しい不適切行動も、成長の過程で周りの人たちの対応を含む環境によって強められた結果であることが多いです。まず、不適切行動が強まる例をABC(三項随伴性と言います)分析の枠組みで整理して示します。


<例1>
①(A)外に出たい→(B)くつ持ってくる→(C)外出ができる
②(A)外に出たい→(B)くつ持ってくる→(C)「後でね」と言われて外出できない
③(A)外に出たい→(B)窓ガラスをたたく→(C)母親に叱られるが外出できる
『課題からの逃避』の機能を持つ行動が強まる例は
<例2>
①(A)課題が嫌→(B)泣く→(C)課題が終了される
②(A)課題が嫌→(B)泣く→(C)課題が終了されない
③(A)課題が嫌→(B)逃げる→(C)課題が終了される
④(A)課題が嫌→(B)逃げる→(C)席に戻され課題が終了されない
⑤(A)課題が嫌(B)作業課題を投げる→(C)課題が終了される
⑥(A)課題が嫌→(B)作業課題を投げる→(C)課題が戻され終了されない
⑦(A)課題が嫌→(B)作業課題を破壊する→(C)課題が終了される


例1の先行条件(A=Antecedent)で子どもが求める結果(C=Consequence)は外出できることであり、例2では課題を終了することです。例から分かるように同じ結果を得るために行動が順に変わり強まっています。同じ行動でも段々強度が増していき(激しく、時間も長くなっていく)、下に進むほど対応が難しい行動になっていることが分かります。例1の『③窓ガラスをたたく』、例2の『⑦作業課題を破壊する』という行動(B=Behavior)は、対応する側としてはこどもの要求を通さざるを得ず、無視できない行動です(関係ない人を叩くといった他害行動が見られることもあります)。このような強力な行動を早い段階から行うこともありますが、不適切行動は例1、例2のように段階的に強度を増していくことが多いです。


ではな不適切行動の強度は増していくのでしょうか。決定的には適切な表出コミュニケーションができないことですが、強度が増すのはある行動を行うことで要求が通っていても、段々同じ行動では要求が通りにくくなるからです。保護者や対応する人が慣れてきて少々泣いても気にせず課題をすすめようとなったり、忙しくて対応できなかったり、「教育的」に外出の回数を制限するよう計画したりと理由は色々あります。

そして、ある行動を行っても要求が通らなくなり、または、通り難くなると、要求を通らせるために不適切行動をより激しく、より長く行います。これを消去バースト(消去時の爆発)と言います。この段階で要求が通ってしまうと、より激しく、より長く不適切行動を行うと要求が通るということを学習し、以前より不適切行動が強力になっていきます。それでも要求が通らなければ、要求が通るような行動を色々試し、自分のできる行動の中から要求が通りやすい行動を行います。そこで要求が通ると、新たな不適切行動が形成されるということです。このような仕組みで、不適切行動は強度を増し、対応せざるをえない行動に変わっていきます。これは障害のあるなしに関係なく、どんな人でもこのツボにはまると負の連鎖は繰り返されます。たまに要求がかなえば、例えばパチンコ通いのように次は成功するかもとお金をつぎ込むように、不適切行動をつぎ込んで要求が叶うまで繰り返します。次回は日常生活で不適切行動を強めないため何が必要かを考えます。

バランスの決断

北九州市の事例は、今後どこでも発生すると思われます。北九州市では、濃厚接触者は症状がない限り2週間の自宅待機のみを促してきました。ドライブスルー検査などPCR検査の受け入れ体制が充実してきたので、北九州市は感染症状のない子どもも全て、PCR検査を実施するようになったのです。つまり、今までも濃厚接触者を検査をすればその程度は存在していたことになります。学校が始まれば当然感染の可能性があります。従って、感染ゼロリスクで学校を開けるのは不可能なのです。感染率を下げるには接触回数を減らすしかありません。つまり、登校回数を減らすしかないのです。

ただ、こんなことをイタチごっこのようにやっていてもきりがありません。どこかで、子どもたちの教育保障と感染リスクヘッジのバランスの決断をする時が来ます。そして、PCR検査が万能のように主張される識者の方もおられますが、軽症や無症状であればあるほど陽性的中率は7割から5割以下に落ちていくので、検査陰性でも安心などとは全く言えないのです。子どもにとってはほとんど害のない感染と高齢者にとっては高リスクの感染をどうバランスをとるのかと言う決断がいるのだと思います。

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北九州市「第2波」発生2週間 学校、病院…試行錯誤続く
2020/6/6 6:00 【西日本新聞】

北九州市が新型コロナウイルス「第2波」発生を最初に発表してから6日で2週間となる。登校が始まっていた小中学校で児童生徒の感染が相次ぎ確認されたことで、全市的な分散登校に逆戻り。複数の大規模病院でクラスター(感染者集団)が発生し、救急患者の円滑な受け入れにも黄色信号がともる。今後、波及の恐れがある他地域の対策モデルとなれるのか。同市が直面する課題は多い。

■休校か登校か
北九州市を襲った新型コロナ「第2波」では、市内の小中5校の児童生徒が感染。これを受けた市教育委員会の対応は、一斉休校ではなく分散登校だった。「子どもたちのリスク低減は必要だが、心と体を育てる場でもある学校の継続も使命。バランスに悩んだ」。田島裕美教育長は決断に苦慮したことを明かす。小倉南区の小学校ではクラスターの疑い例も発生したが、市保健福祉局の永富秀樹局長は「現段階で国内の小学校での集団感染例はない。子どもから子どもへの感染と推定されているが、特定に至っていない」と慎重な言い回しだ。市に派遣されている厚生労働省のクラスター対策班が「教室内感染」と判断した場合、再開した全国の学校への影響が大きいためだ。市危機管理参与で、救急救命九州研修所の郡山一明教授は「児童らの感染は濃厚接触者のPCR検査をしっかりやって初めて分かってきたこと」とした上で「症状は軽症か無症状。『3密』の度合いを下げられる分散登校を選んだ」と説明する。市は今回、小中学生の感染発表に際し、性別などを非公表とする対応に切り替えた。加藤勝信厚労相は、5日の閣議後会見で「感染症は誰でも感染しうる。子どもたちや医療従事者への偏見、差別はあってはならない」と強調した。

■救急患者1.5倍
「1日の救急患者の受け入れが最近1・5倍に増えた」。市内の医療関係者は疲れ切った様子で語った。多くの急患を受け入れている北九州総合病院など三つの大規模病院でクラスターが発生したことで、別の病院に救急搬送が集中する課題が急浮上した。「第2波」の渦中、熱などの症状がない救急搬送の高齢患者らを念のため調べると、相次いで感染が判明。救急医療の最前線は、増加する急患とそこからの感染防止に神経をすり減らしている。市消防局によると、現時点で「搬送遅れなどの影響は出ていない」とする一方、同市などは市周辺の6医療機関にも急患受け入れの依頼を5日から本格化させ、「救急医療体制の逼迫(ひっぱく)」の回避へ力を注ぐ。市立八幡病院の伊藤重彦院長は「重症以外での救急外来を避けてほしい。軽症者は、まずかかりつけ医や電話相談をお願いしたい」と呼び掛けている。このほか、「警戒中の医療機関で、どうしてクラスターになったのか」など検証すべき課題は山積み。感染経路不明者の確認も市内全域で続き、一定規模の市中感染が疑われている。(竹次稔、一瀬圭司、山下航)

「みんな仲良く元気よく」が子どもを追いつめる

なぜ「みんな仲良く元気よく」が子どもを追いつめるのか

06/10 【婦人公論】

個性の強さから学校で問題児扱いされるような子どもたちを集め、彼らに自由な発想と学びの場を提供することを目指した教育が、東京大学にて行われています。そこでディレクターを務める中邑賢龍教授は「かつての日本では、それぞれの特性に合った生き方を選べた。今はそれが許されていないことが教育に悪影響を及ぼしている」と警告しますが――

※本稿は、中邑賢龍『どの子も違う――才能を伸ばす子育て 潰す子育て』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。
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第二回●「子育ては褒めるのが大事、叱るのは良くない」が招く危うい未来
なぜ子育てしにくい社会が放置されているのか
プラットフォーマーと呼ばれる巨大企業があらゆる業界を飲み込み、成長を遂げる中、ここにきての新型コロナウイルスの広がりもあり、さまざまな企業や業種が時代に取り残されれつつあります。

その結果、足元の経済格差はさらに広がってしまいました。国の財政難も深刻になり、自助努力が難しい人だろうと公助になかなか頼れないという“壁”のようなものを感じる時代になっています。

本来ならば公助の社会を構築するべく、地域住民がより協力する必要があるのかもしれませんが、そうしたコミュニティも、すでにこれまでの変化の中でほぼ崩壊してしまいました。

弱々しい社会に、親子の問題の解決を頼るのが難しいのは明白で、また同時に社会そのものの構造として、多くの人が子育てしにくいと感じる状況が続いています。
しかし、放置していればいつまでも解決はなされない、そうした社会が築く“壁”について、今回少し考えてみたいと思います。

人と違うことをすればいじめられるから
「個性を豊かに」と言いながら、学校などでは、自分の気持ちを隠して同化しないと仲間に入れません。「仲良くする」とはつまり、みんなと一緒に遊ぶことで、仲間から外れて一人でいると「可哀想な子」だと捉えられてしまう。

今「人と違うことをすればいじめられる」と考える子や親が多いようです。
だからこそ目立ってはいけない、自分の好きなことばかりするのは良くない、時には我慢して集団に合わせるのが必要と考えます。しかしそんな環境で育った子どもは、きっと大人になっても人と違うことをするのを強く恐れるはずです。

社会に出ても空気を読み、上司の意見に同調しながら働くことで認められるのが、今の日本かもしれません。しかし、現実として活発な議論ができないような組織から、変化やイノベーションは起きません。

やりたいことを我慢し、人の都合に合わせて行動する人は「優しい」と評価されますが、それはそれで、どこかおかしい。
いじめられないように、自分を殺して生きるなんてとても馬鹿げています。絶対に、いじめる方が悪いのですから。

大人に求められるのは”違い”を認めること
今の学校では一つの目標に向かい、協働して成果をあげることが重視されています。「みんな仲良く、元気良く」という言葉が絶対。現実としてそうなることを期待されているわけで、それに該当しない子どもはいじめられる傾向が強くなると言えます。

いじめられる子どもは素直に、その特性に従って行動しているだけなのに、ペースが違う、方向が違うといったことを理由に、いじめの対象になるわけです。
「好きなことをやりたかったとしても、人と違うといじめられてしまうし、やめた方がいい」と言われたら、言われた人は自己否定するしかありません。

私は繰り返し「子どもは皆違って、それでいい」と述べていますが、でも現実の世界でそれを通したら、子どもがいじめられてしまうと心配になっている人もいることでしょう。
だからこそ大人である私たち自らが違いを認め、ユニークさを評価し、それで社会の雰囲気を変えていく必要があるのです。

閉鎖的で、変わることのできない組織は必ず衰退していきます。一方で、私たちの手にはインターネットという、場所や立場を超えて発言し、人と結びつくツールがあります。枠を超えてダイナミックに結合する新しい社会を創造し、そちらを選んで生きていきましょう。

かつては特性に合った仕事で生活できた
こういったお話をする際、いつもアフリカのマリ共和国の首都、バマコに行った時のことを思い出します。

街を歩く人に「どんな仕事をしているの?」と聞くと、多くの人は「色々」と答えてくれました。彼らは特定の職に就いているのでなく、その日、そこにあった仕事をするのだそうです。

自分ができる仕事を少しだけやって、それで生活する。彼らは決して裕福な生活を送っているわけではないですが、のんびりした穏やかな暮らしがそこにはありました。

日本でも、それぞれの特性に合う仕事を選び、それで生活できる社会がかつてありました。特に半世紀前までの働き方は多様でした。たとえば1960年代くらいまでの産業構造を調べると、第1次、2次、3次産業がバランスよい状態に保たれていることが分かります。

そのため少々の凸凹やペースの違いがあっても、個人の特性に応じた働く場所がありました。小さな工場に行けば気難しい職人さんがいて、愛想は悪くとも、コミュニケーションは上手でなくとも、素晴らしい仕事を見せてくれました。

また、街の八百屋や魚屋に行けば、休むことなく動き回る店主が、詳しく商品の説明をしてくれました。こちらが早く帰りたくても話が続くので帰れない、なんてことがあっても、そこで得た野菜や魚の知識は今も生きています。

読み書きが苦手で、学校の成績が悪かった友人がいますが、彼は中学を卒業し、地元で家業の農業を手伝っています。テストの点が悪くとも、体力があって根気強い彼は、農業には適していたのか、高校に進学することのないまま、今でも楽しそうに働いています。
日本でも、それぞれの特性に応じて、自分のペースで働けるような社会があったわけです。

追いつめられた人にさらに無理を強いていないか
しかし、パソコンやインターネットが登場し、道路や航空路などの整備で物流が発展すると、スピードや経済効率が優先されるようになり、ペースが遅いというだけで社会から取り残される人が出てきました。

また農業や製造業の大規模化・機械化の中で、多くの人が仕事を変えることを余儀なくされ、現在では商業、運輸通信業、金融業、公務、その他サービス業からなる第3次産業がすっかり主流になっています。

第3次産業はほかの産業形態に比べ、コミュニケーションや読み書きの力が問われます。時にはパソコンの前に座り、同じ部屋の中で、長時間仕事を続ける必要もあるでしょう。

つまり、特性的にそれが苦手な人だと「働く」という点で、すでにたくさんの壁が生まれてしまっているわけです。

実際そういった社会構造の変化によって不適応を起こした人が増えた結果、彼らを支援する意味でも「発達障害」という障害が、制度側の都合で生みだされたようにも感じています。そして、彼らを社会構造に当てはめるための訓練が今も続いているのです。

追い詰められた人に、さらに無理を強いる。そうしたアプローチばかりになっている今の社会は、とても残念です。むしろ苦手を認めつつ、特性を活かして働ける仕事を意識的に生み出す。そうした動きがより活発になってほしいと筆者は考えています。

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中邑先生の多様性社会が大事だと言う意見には完全に同意できます。しかし、ちょっと観念的でステレオタイプな感じもします。昔が良かったと言われるけど、生産力が低い時代では子どもは親の所有物のように乳児や女児の子捨てが当たり前だったし、戦後でも今は虐待と言われるような事が躾として認められていたのですから、一面だけで子どもの環境の是非は評価できません。

昔、支援学校の国際交流の時間に外国のアーティスト(絵画)を招いて、授業の前に校内を案内した時の事を思い出しました。彼は生徒たちの織物作業の授業を見て、いろいろ質問していました。彼の質問に対して、生徒はこの程度の事ができても社会には通用しないからというような返答をしました。

絵描きの彼は、手を大きく振って「それは間違いだ」と生徒に演説を始めました。「君たちの織りのスキルはアフリカの途上国なら指導員になれるレベルだ、世界は日本のように機械化されている国だけではない。人口比で言えば日本が珍しいくらいだ」と生徒に語り掛けました。生徒たちはこの外人のおっちゃん何言ってんのという表情でしたが、話が終わると笑顔でアフリカの学校の様子を聞いていた光景を思い出しました。

中邑先生の話やアーティストの話で、この国の現状がすぐさま変わるわけではありません。でも、大人が子どもに向かって発信するメッセージは、常識や現実だと思っていることは結構限定的なもので、一昔前や違う国では、違う文化があり、それもまた現実なのだと伝える事が大事です。

だからと言って、この国を昭和に戻したり発展途上の国にすることはできないけれども、変わらないものは何もないというメッセージを送り続ける事が大事なのだと思います。今後生産労働時間が減り、余った時間を生かせるのは凸凹の子どもたちだと私は思っています。中邑先生の文章は、それは違うなと思わせるところもありますが、色々考えさせてくれる本です。

強化と行動

ある行動を行い、望ましい結果が伴えば、その行動の頻度は高まります。例えば、『(A)夕食後→(B)宿題をする→(C)母親に褒められる』と『(B)宿題をする』という行動が増えます。これを“強化”と言い、その際の望ましい(C)結果を“強化子(きょうかし)”や“好子(こうし)”と呼びます。

この強化は応用行動分析(ABA)の基本であり、とても大切です。強化子というのは嬉しいものであるとは限りません。直前の行動を維持し、強める結果のことです。ドアノブを回すとドアが開きますが、この『ドアが開く』という結果は『ドアノブを回す』という行動の強化子となっています。ドアが開いてもそう嬉しいわけではないですが、ドアが開くという結果がドアノブを回すという行動を維持します。

基本的には望ましい結果、嬉しい結果が強化子となることが多く、その内容は人それぞれです。保護者や先生の賞賛、お菓子、おこづかい、ゲームができる、遊びに行ける、微笑みかけられる、休憩時間が伸びるなど、その子どもが喜ぶものは基本的に強化子として考えることができます。やりがいや達成感を感じるということも同様です。ある行動を増やしたければ、その行動の直後に強化子を与えることで、その行動が強化され頻度が高まります。不適切行動も同様であり、不適切行動の頻度が高く維持しているようであれば、その行動はその子にとって望ましい結果によって強化されていると考えます。

計画を立てる際によく見られる誤りは、お菓子などの特定のものを強化子と決めつけることです。お菓子が好きな子どもならお菓子が強化子になり、お菓子をそれほど好きでない子どもならお菓子は強化子にはなりません。また、お腹がいっぱいの時はお菓子を別に欲しくないので強化子にはならず、その時の状態によっても強化子は変わってきます。

次に、ある行動を行い、望ましくない結果が伴えば、その行動の頻度は減少します(ご飯中におしゃべりをして母親に怒られる、など)。これを“弱化”または“罰”と言います。その際の望ましくない結果を“嫌子(けんし)”または“罰子”といいます。この嫌子も人それぞれです。叱られる、叩かれる、空腹、喉の渇き、極度の暑さ寒さ、周囲からの批判などです。

弱化にも2つの条件があり、ある行動を行って嫌子の結果となる正の弱化と、ある行動を行って強化子がなくなる負の弱化があります。後者の代表的なものはタイムアウトで、望ましくない行動を子どもが示したら、子どもを強化子から遠ざけるという手続きです。ゲームを取り上げられる、減点されるのも強化子から遠ざける負の弱化です。

この強化と弱化、そして4つの条件によって、行動が増えたり、減ったりすることの多くを説明することができ、行動を修正したり形成したりすることが可能となります。

<正の強化>
 1. 行動を起こすと
 2. 強化子(好きな事)が得られ
 3. その結果、その行動が増える
<負の強化>
 1. 行動を起こすと
 2. 嫌子(嫌な亊)がなくなり
 3. その結果、その行動が増える

<正の弱化>
 1. 行動を起こすと
 2. 嫌子が得られ
 3. その結果、その行動が減る
<負の弱化>
 1. 行動を起こすと
 2. 強化子がなくなり
 3. その結果、その行動が減る

結果が好きな事か嫌な事が消えるならその行動は増え(強化)、結果が嫌な事か好きな事が消えるならその行動は減る(弱化)ということです。そして、行動の形態や種類に関係なく、この強化の原理は人の行動なら何にでも適用されるということです。良い行動であっても、悪い行動であっても、日常的な行動であっても、奇異な行動であっても、同様です。子どもに不適切行動が見られるならば、その行動により子どもにとって何か望ましい結果が得られていて不適切行動が強化されていると考えることができます。従って、不適切行動を予防するには適切な行動が増える好きな事か嫌なことが消える結果を探し、不適切な行動を減らすには嫌なものか好きなものが消える結果を探して取り組めばよいことになります。

しかし、弱化はなかなか難しいのです。子どもの好子はかなり強力なものが多いですから、少々の弱化、つまり嫌な亊を与えたり好きな事を奪っても持続的な効果はすぐには見えず、逆に消去バースト(行動がさらに強くなる)を前に怯んでしまいます。また内容や程度にもよりますが、弱化は倫理的に考えて躊躇しやすいからです。つまり大人のほうが効果と言う強化子がなかなか得られず、倫理的という同調圧力の言葉で取組行動が減ると言う負の弱化が成立します。ではどうすればいいか次回に考えて行きます。

香川のゲーム依存症対策条例「効果上がらず」

香川のゲーム依存症対策条例「効果上がらず」ゲームエイジ調査
2020年6月9日 16時18分【産経新聞】
 

香川県で4月から施行された「ネット・ゲーム依存症対策条例」について、地域の子供たちのゲーム利用時間の減少にはあまり効果が上がっていないことが分かった。

同条例は子供たちのゲーム依存防止のために利用時間を制限する内容。モバイルゲーム利用者約135万人の動向調査を行っているゲームエイジ総研(東京都渋谷区)が、全国平均と比較して発表した。

発表によると、新型コロナウイルスの感染拡大で休校措置がとられた時期と重なったためか、全国的に10代の利用時間は増加傾向にある。

香川県の10代の利用時間も全国と同様に、学校が休校になった3月7日前後から増加。条例が施行された4月1日には減少したが、その後の緊急事態宣言の発令に合わせて再び増加傾向に戻った。2月3日~4月19日の11週間で、利用時間平均は全国で計270・2時間、香川で計262・6時間と、あまり変わらなかったという。

総研は「条例の影響力は少ないのが実態のようだ。依存防止を意識してもらうためには、一律に時間制限するのとはまた違ったアプローチの方法が考えられるのでは」としている。

「教職員がPCR検査の検体採取」 1人が感染

徳島教組「教職員がPCR検査の検体採取」 1人が感染 新型コロナウイルス

2021年6月15日 【朝日新聞】

徳島県教職員組合は14日、阿南市内の中高一貫校で4月末に新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した際、教職員がPCR検査の検体採取に従事させられたと明らかにした。作業後に1人の感染が判明したという。県教組は教職員に検体採取にあたらせないよう求める請願か陳情を県議会に出す方向で調整しているという。

県教組によると、検体採取はドライブスルー方式で、教職員は車に乗った生徒の名前を確認して唾液(だえき)採取用の容器を手渡し、採取後に回収する作業などに当たった。フェースシールドや手袋の配布はあったが、マスクは各自が持参した不織布マスクだったという。

小原伸二委員長は「十分な説明もないまま危険を伴う作業をさせるのはおかしい。子供の命を守るのは当然だが、教職員の命も守らなければならない」と語った。一方、県教委は「しっかりとした安全対策をするとともに、教職員には十分な説明を行って児童生徒の速やかな教育活動の再開のため、今後とも必要な協力は行う」としている。

作業について、県感染症対策課は生徒本人が唾液を採取し、教職員は容器の回収にとどまり、保健所職員の立ち会いのもと十分な安全対策をとっているなどとして、「容器の受け渡しであって検体採取ではない。作業による感染は考えにくい」としている。(杉田基)

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教員に検体収集を行わせているのは職務内容ではなく危険な行為で不当だと言う教員組合の頓珍漢ぶりは驚きですが、報道はもっと問題です。検体を「採取」と朝日は書いていますが、実際は症状のない生徒から検体ボトルを保健所職員と一緒に集めただけです。教諭は生徒と毎日向き合っており、クラスターが発生した学校なら教員が感染する可能性はいつもあり、たまたま検体集めをした教員が感染したからと言って作業が感染の原因とは考えにくいという公式発表もあるのに、「検体採取」の後に「感染」と表題に書くのは二つを関係づける印象操作であり、フェアな報道ではありません。

こんな報道をしても、不安を煽るだけで感染予防にはつながらないばかりか、教員や子どもに関わる職員は感染予防に協力するのは仕事じゃないと思っているという誤解を、市民に与えるだけで迷惑です。この間のメディアの煽りに煽る感染報道は売らんがための「炎上商法」とも言えますが、商売の域を超えています。

朝日はオリパラ開催反対を社説に書きながら、会社自身はオリパラのオフィシャルパートナーです。オリパラ報道・放映は協力金や放映権料を支払っても十分利益が出る見返りがあるのでしょう。夏の高校野球も朝日が主催ですが、今年は感染懸念の報道すらなく実施です。高校野球は甲子園の賃貸料も放映権料も無料ですからCM料で丸々利益が出ます。それでも、オリパラも高校野球も儲けが目的ではなくスポーツへの貢献だと朝日は言いきります。

やっている事と言っていることが違う場合、その言葉には信憑性はありません。この間のオリパラ中止を煽る報道は朝日だけではありませんが、世間が注目してくれれば(儲かれば)炎上商法でも何でもあり、というのがメディアの本音ではないかと思います。しかし、結果としては、社会の公器としての報道の権威を貶めておりたいへん残念です。

 

消去と強化を組み合わせる

おさらいです。人は起こした行動に対する結果が望ましいものだと、以降もその行動を繰り返しやすくなります。この望ましい結果(ごほうび)を与えてその行動を増やすことを「強化」と言い結果のことを「強化子」と言います。お菓子や、おもちゃ、褒め言葉など本人が喜ぶものはどのようなものでも強化子になります。

人は行動のあとにごほうびとなる出来事が得られないと、その行動が減少していきます。これが「負の弱化」=「消去」です。罰には積極的罰と消極的罰があり、ごほうび(快)を取り去るのが消極的罰です。ここまでが前回の掲載でした。でもそんなに上手くいかない現実の問題にどう対応するのかと言うのが今回のお題です。

ABAを心得ている現場では、原則は罰の手続きだけを用いることはありません。罰を与える人がいない時に不適切行動が増えたり、他の不適切行動が増える可能性があるからです。このようなときは、環境調整(強化子のない場所)などによって対応していくほうがよいと言われています。消極的罰を用いるのは、子どもが幼く、困った行動が起きてから期間がたっていない場合などに限ったほうがいいと思います。

不適切行動に対応するには、問題行動を減らしつつ、望ましい行動を増やすことが重要です。つまり、消去と強化の両方を使うのです。消去は、「求めているものを与えない、もしくは与えられない」という状況を作ることですので、例えば、欲しい物があって泣き叫んでも毅然と無視し「欲しいものが手に入る」という強化子をなくします。これまでの「泣く」→「欲しいものが手に入る」→「泣く」という負の循環を断ち切ります。消去を行う時は、一時的にその行動が悪化する「消去バースト」(泣く強さが強くなる、暴れるようになるなど)が発生します。これも大人が反応せずにいるといずれ消去バーストは収まります。他者の迷惑にならない場所に連れて行き、泣きやむで待ちます。

時間がかかる場合もありますが、要求に反応してしまうと、逆効果なので一貫した態度で対応します。消去バーストが起きた時に完全に無視し続けることができないと、その困った行動を強化してしまうことがあるからです。例えば、要求が叶わず大泣きしても無視しているとします。そこで、物を倒したり傷つけるなどして無視し続けることが難しくなり対応してしまうと、より派手で影響が大きい行動をすれば大人に無視されないと学びます。そうすると、次回以降は最初から影響が大きい行動をするようになります。それが予測できるなら「要求の起こる場所に行かない」「別の場所で過ごす」などの環境調整で対応するほうが無理なく困った行動を防ぐことができます。

不適切行動を減らすと同時に、望ましい行動ができた時に褒めたり、ごほうびを与えることで強化を行います。強化には、様々な方法がありますが、今回は「別の適切な行動を強化する」という方法を例にあげます。「泣かずに○回行動できたら要求を叶える」というルールを設定し、事前に子どもと契約します。このルールを子どもにわかりやすく伝えるために、ノートやメモ帳を使って、適切な行動が終わるたびにシールが貯まる仕組みを作りましょう。このように、ポイントが貯まることでほうびがもらえる仕組みのことを「トークンシステム」と言います。トークンが一定数たまったら、要求が叶うご褒美(強化子)を用意し、実際にルールを守って行動ができたときには褒めてあげながらシールを貼り、揃った時はごほうびをあげます。このトークンの数は子どもと交渉しないほうがいいです。交渉するとトークンが減ると言う行動が強化されてしまうからです。何をトークンにするか、多い少ない増やす減らすは現場のセンスが問われます。一気に核心に迫らず、成功しやすいものから徐々に取り組むことがセンスを磨く初心者にはおすすめです。

子どもの特性はひとりひとり異なること、また問題行動の種類や状況は様々であるため、対応の方法は全て異なりますが、これらの手法により、どのような原因があるのか、どう行動を起こすべきなのかが具体的になります。不適切行動には、大声を出し合ったり嫌味の言い合いをしたりと子どもと同じレベルで力比べのような対応をするくらいなら、その膨大なエネルギーを無視とアイデアと褒め抜く根気に使っても損はないと思います。そう周囲の人たちにも最初から言って回ればどうでしょう。そして、少しでもうまく行った時は同じく周囲の人に喜んでみせるのです。笑顔を否定する行動は倫理に反するので弱化され減って行きます。あなたを直接否定する声は減って行くはずです。そして、よかったねと言ってくれたらありがとうと感謝して励まし行動を強化するのです。消去と強化を組み合わせると言うのが今回の提案でした。ご意見、ご質問お待ちしています。

マスクと熱中症

暑い日が続いています。梅雨から夏の暑い季節に向けて、熱中症の予防が大事です。暑さを避ける、小まめに水分を取る、体調管理に気をつけるといった従来の予防策に加え、今年の夏は、新型コロナウイルス感染症の予防も考え合わせながら、感染リスクの少ない場面ではマスクを外す、エアコンを使いつつ、換気も小まめに行うといったことも大切になりそうです。

厚生労働省は5月、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」における熱中症予防の留意点について発表しました。それによると、夏の気温・湿度が高い中でマスクを着用すると、熱中症のリスクが高くなる恐れがあるとして、「屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、熱中症のリスクを考慮し、マスクを外すようにしましょう」としています。

マスクを着用している場合には、強い負荷の作業や運動は避けて、のどが渇いていなくても小まめに水分補給をすること、エアコンを使っていても換気が必要になるため、小まめに温度設定を調整することなどの注意を呼びかけています。日本救急医学会、日本臨床救急医学会、日本感染症学会、日本呼吸器学会のワーキンググループは6月1日、学術団体として熱中症予防に関する提言を出しました。

最初に掲げたのは、「室内換気に十分な配慮をしつつ、小まめにエアコン温度を調節し室内温度を確認」すること。熱中症は室内で多く発生していることから、エアコンによる室温管理が重要である一方、通常の家庭用エアコンは空気を循環させるだけで、換気の機能はないという。そのため、新型コロナ感染予防のためには、適宜、窓を開けて風通しをよくすることが重要だとしています。扇風機なども活用することや、すだれやレースカーテンなどで直射日光を避けるなどの工夫にも触れています。

提言ではまた、マスクの着用によって体に負担がかかることを考慮し、周囲と距離を取るなどの感染対策に注意しながら、適宜マスクを外して休憩することが大切と呼びかけています。マスク着用が体温に及ぼす影響を学術的に研究した報告はあまりなく、「現時点ではマスクをつけて運動しているから必ず熱中症になりやすいとも言えない」としつつ、「心拍数、呼吸数、二酸化炭素、体感温度の上昇から、マスクをつけることで、体に負担がかかると考えられる」と指摘しました。

熱中症予防には小まめな水分補給が大切。口の渇きはそもそも脱水予防の指標にはならないとして、口の渇きには関係なく塩分を含む経口補水液の頻回摂取を訴えた。このほか、暑さに慣れていない時期が危ないので適度な運動で徐々に体を慣れさせること、独居高齢者など熱中症に弱い人には特に注意が必要なこと、日頃の体調管理を行い観察記録をつけることなどを提言しました。

マスクについては、日本小児科医会が5月25日、2歳未満の子どもへの使用はやめるよう呼びかけるメッセージを発表しました。それによると、乳児の呼吸器の空気の通り道は狭いため、マスクは呼吸をしにくくさせ呼吸や心臓への負担になること、マスクそのものや 嘔吐物による窒息のリスクや熱中症のリスクが高まること、顔色や唇の色、表情の変化など体調の異変への気づきが遅れることなどの心配がある一方、子どもが新型コロナウイルスに感染することや重症化する例は少ないことなどを理由としています。米国でも、2歳未満の子どもには使用しないよう警告しています。

いじめ動画流出で学校が英断 生徒4名が逮捕 (香港)

いじめ動画流出で学校が英断 生徒4名が逮捕されるも厳しい姿勢を貫く
暴行動画を確認した学校が、警察に通報。被害を受けた生徒のことを一番に考え、行動を起こした。

2021/06/16 【ニュースサイトしらべぇ】

いじめが起きてもそれを隠し、学校と保護者・生徒の間で穏便に済ませようとするケースがある。しかしこのほど、ある学校がいじめ行為を確認し、警察に連絡。強い姿勢を示したことを、『South China Morning Post』など海外のメディアが報じた。

■教室で起きた悪質ないじめ
5月27日のこと、香港の学校に通う男子中学生(13)が、ある女の子をデートに誘おうとした。それを知った女子3名、男子1名の計4人が教室で同生徒にからみ、いきなり顔面を平手打ちする、ひざまずかせて思い切り蹴り上げるといった暴行に及んだ。

男子生徒の顔を打った生徒の数は、少なくとも3名。さらに何者かが、男子生徒を背後からキックまでする様子を撮影し、短い動画にまとめてSNSで公開した。

■即座に動いた学校
これだけひどい目にあったにもかかわらず、男子生徒は親や教師に被害を打ち明けることができずにいた。しかしSNSにアップされた動画が話題になり、学校側も確認。男子生徒とその保護者に代わってただちに通報し、警察の介入を求めた。

学校側はその後、ホームページに「いじめは一切許容しません」という声明を掲載。「警察の捜査が進んでいる段階のため、情報の開示はできません」「ですが学校側も厳しく対処していく所存です」とも書いている。

■逮捕者は4名
この件について調べを進めた犯罪捜査班は、同じ学校に通う14~15歳の生徒4名(男子1名、女子3名)の身柄を確保した。すでに全員が保釈金を支払い自宅に戻っているが、捜査が完結したわけではない。

被害を受けた生徒は、重傷は負っておらず、警察も「病院で治療を受ける必要はなかった」と発表している。

■学校に期待する対応
いじめ問題は多くの学校で起きるが、対応は学校によってずいぶん異なる。教職員がいじめを隠し再発防止に失敗した結果、罪のない被害者が自殺してしまうケースも実際にあった。

この動画を見た人たちの多くは通報・逮捕を肯定的に評価しているようで、「逮捕するのが当然」「典型的ないじめっこ集団だと思う」「被害者の痛みを思い知れ」と厳しく加害者を批判するコメントがネットにあがっている。

被害者、加害者、そしてその保護者たちは、学校の指導法と対処をしっかり見ている。「どうせ通報なんかできっこない」と加害者に思わせないためにも、厳しい対応を望む声は多い。 マローン 小原
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確かに学校の対応は素早く、行き過ぎた暴力を学校で隠蔽せず、警察を介入させた姿勢は評価できます。保釈金を払って釈放という事は香港では中学生でも大人と同じく拘置所に拘留し日本とはかなり違うようです。学校があえてホームページに学校見解を発表しているという事は、これまでも同様の事件が続き、学校としても決着をつけたかったのでしょう。SNSではいじめた中学生らを袋叩きにしていますが、子どもの行動は大人社会の反映だという意見が見当たらず、強制消去されたのかもしれません。

1年前に香港政府は中国共産党の指示によって市民に対して言論の自由を暴力で封殺しました。その前から現在に及んで、ウィグルやチベットで民族の宗教や文化を奪い漢民族との混血を強引に進め、歯向かうものは親族までも収容して強制労働に向かわせています。昨年からは、内モンゴルの学校でモンゴル語の禁止が始まりました。こうした権力の暴挙に対して何も言えない社会の中で、子どもの人格がどのように形成されていくか考えただけで恐ろしくなります。

今回の香港の学校の行動は正しいですが、中国共産党の決定が全てに優先される中で、封建時代のような社会感覚が育つのは仕方がないのかも知れません。120年以上培われた香港の民主主義が暴力によって簡単に散ってゆく姿を私たちは目の当たりにしました。今国会で「中国」を名指しにしてその暴力政治の非難ができない国会議員や政党には、民主主義を語る資格はないと思います。

見て見ぬ振りをすることを公の場で行う姿を、子どもたちがどんな目で見ているか想像できないはずはありません。それでも中国の暴挙を告発できない議員には、いじめっ子の取り巻きでものを言わない子どもたちと同じ感情=次は自分が報復される恐怖感があるのかも知れません。そんな負い目を中国から受けている人に公教育が任せられるはずがありません。

思春期1

思春期は、子どもから大人への変化期間で、男の子の場合は11~18歳頃です。とはいっても、6年になった途端に思春期が訪れるわけではありません。前思春期は小5から始まっていますし、個人差も大きいので、急に変わったと親が驚くことは少なくありません。体の変化から始まり、精神面にも、社会で担う役割にも変化が訪れます。発達障害のある子どもにとっては、この変化が怖く感じられることもあり、混乱から困った行動につながってしまう場合もあります。

思春期の混乱によって出てきた困った行動には、男女の違いも含まれます。母親にとっては、どのように関わったらいいか迷うこともあります。体の成長への対応、勉強や交友関係、ゲームとの関わりなど、さまざまな事があります。

心の変化としては、自意識の芽生え、恋愛感情を覚えること、イライラや不安を覚えやすくなるという点です。社会的な役割に変化が出てくることで「一人の人間」という自意識が芽生えます。また、第二次性徴による体の変化に伴い「異性」「同性」という概念をより意識することで恋愛感情が生まれます。このような変化を受け、子どもの心は複雑になっていきます。心が複雑になることで、自分の中では扱いきれないテーマや感情を抱えるようになることも増え、精神が不安定になったり、イライラを覚えたりするのです。

発達障害がある子どもの場合、このような変化に相手の感情が読みにくいTPOにかまわず字句通りに行動するなどの認知特性が加わることで、極端な感情を持ったり、行動に移してしまうことがあるかもしれません。自分の内外における変化の複雑性に耐え切れず、不安定になっている点が思春期の特徴です。ライフステージが上がるごとに、社会から与えられる役割はより複雑になります。例えば、以前なら許されていたわがままも「もう大きいんだから我慢しなさい」と、とがめられたり、他人や女性との距離感を調節する必要が出てきたりします。

思春期は、自立心の芽生えから自己主張が強くなり、大人の指示に対して反発することが目立ちはじめます。思春期の男の子を育てる保護者には「人間関係、家庭内での暴言・態度、ゲーム・ネットへの依存」などの悩みが多くあります。

心と体の成熟スピードのアンバランスさから困難を感じている場合もあります。体は大きく成長しているのに心は幼い場合や、体の成長に対して心がませている場合もあります。男女差だけでなく、子どもに起きているトラブルの背景に何があるのかを見極め、無理をさせすぎないよう留意しながら年齢相応な行動ができるよう、対応していく必要があります。次回は対応について考えます。

台湾のコロナ対策で立役者となった発達障害の「38歳の天才」

6/10(水) 6:01配信【ダイヤモンド オンライン】より抜粋

新型コロナウィルスが世界中で猛威を振るい、欧米の先進国がコロナ対策に苦慮している中で、もっとも対応に成功していると報じられたのが台湾です。

台湾の蔡政権は2020年1月に、いち早く中国との人的往来をほぼ完全に遮断しました。それに加えて、スマートフォンのアプリを利用した方法でマスクの買い占めを防ぐなど、防疫体制の構築に力を注ぎました。その結果、他のアジア諸国と比べても、被害はかなり小さく抑えられています。

この台湾のコロナ対策において重要な役割を演じているのが、IT担当大臣である「38歳の天才」、オードリー・タンです。IQが180とも言われるオードリーには、発達障害(特にASD)の傾向が顕著に見られます。オードリー氏は男性として生まれ、20代で性転換を受けて女性となりました。学校にもなじめませんでしたが、10代で起業するなど早くから高い能力を発揮し、35歳のとき史上年少で入閣。今回のコロナ騒動下では「マスク配布システム」などITを活用したコロナ対策を打ち出して高く評価されました。  

彼女はマイルールをいろいろ持っていて、25分間仕事するごとに5分間の休憩を取らないといけないし、毎日必ずメールボックスのメールを捨てて、「To Doリスト」にやるべきことを残しません。また毎週決まった時間に、フランスにいる精神科医と45分間の対話を行っているなど、ASD的な「こだわり」の特徴が濃厚です。  

人類の歴史の中でも、発達障害の特性を持つ人々は科学や芸術に新しい光を吹き込み、社会を大きく変革してきました。「ネットの神童」で「無私の公僕」であるオードリー・タンも、そういった天才のひとりです。この世界的な危機を救うのは発達障害のマインドを持つ人たちなのかもしれません。(岩波 明)

「どうしても頑張れない人」に必要なこと

『ケーキの切れない非行少年たち』著者が語る、「どうしても頑張れない人」に必要なこと 「細かく口出しばかりをしてはダメ」

6/16(水) 【Real Sound】

児童精神科医・宮口幸治氏の70万部を超えるベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』(2019年、新潮新書)。医療少年院には、丸いケーキを3等分する問題にもうまく答えられない非行少年たちがいると指摘し、そうした認知機能の弱い「境界知能」の少年たちに合わせたトレーニングの重要性などを論じた。

今年の4月には続編『どうしても頑張れない人たちケーキの切れない非行少年たち2』(新潮新書)が刊行された。今作は仕事や勉強などを「どうしても頑張れない人たち」に着目し、周りはどう支援するといいかが詳細に紹介されている。宮口氏に、前作の反響と今作を執筆した狙いについて話を聞いた。

■「どうしても頑張れない人」がいる理由
記者:前作はベストセラーになりましたが、改めてその反響はどうでしたか?
宮口:SNSの反響を見ていましたが、たくさんの若い方が読んでいることに驚きました。新書を初めて読んだという方もいました。「犯罪者への見方が変わった」など、前向きな感想が多かったように思います。

若い人たちは専門書に関心がないと思われているかもしれません。でもそれは大きな思い違いです。みんな専門書でも手にとって、しっかり勉強してわかりたいと思っている。今回、改めて気づいたことでした。

記者:前作出版後、少年院の矯正教育のプログラムに変化はありましたか?
宮口:まだこれからでしょうね。少年院などの国の施設は本1冊ですぐに変わらないでしょう。ただ、多くの施設関係者から「子どもたちにもっと可能性があることに気づいた」という反応をもらいました。「今までどうしていいかわからなかったけれど、ヒントをもらった」と言われました。また、本で紹介したコグトレ(認知機能強化トレーニング)の依頼が殺到するようになりました。

記者:今作は「どうしても頑張れない人たち」がテーマですね。
宮口:前作よりも前から考えていたことでした。(企業などのメッセージで)「頑張ったら支援します」という言い回しをよく聞くことがありますよね。私はひねくれているところがあって、「じゃ頑張れない人はどうなんだろう」と昔から思っていました。

記者:頑張ったときだけというのは、少し突き放しているような印象を受けます。
宮口:支援することはいいですよね。でも頑張れなかったときは支援しませんという条件つきなんですよ。やっぱりそれはよくありません。本来の支援のあり方は、頑張れなくても、成果を出せなくても、ずっと支援をすることです。自分の子どもが何かを頑張れなかったとしても、無条件の支援をするじゃないですか。支援される側からしても、無条件の支援があって初めて心に響くと思います。

記者:「どうしても頑張れない人」がいるのはなぜなのでしょう?
宮口:頑張るための最低条件として、安心・安全の土台が必要です。食べ物がない、住むところがない、虐待を受けている。そんな状況で頑張れるはずがありません。さらに何度も失敗体験が積み重なっている場合、頑張る意欲は出てきません。昔から動物実験でも、どんなにやってもダメな場合は、無気力になってしまいます。人間も同じです。また、頑張れないのは知的なハンディも背景として考えられます。

記者:見る、聞く、想像するといった認知機能の弱さが原因である可能性を指摘していました。
宮口:認知機能が弱い子どもで分かりやすいのは知的障害の子たちです。頑張れないし、できないんですよ。たとえば、小学校3、4年生のクラスに1年生がいるようなイメージです。九九もわからない子に、3、4年生の算数はまずできません。毎日授業についていけなければ、頑張ろうという気は絶対に起きません。そういう場合は、手順を追って指導していかないといけません。

記者:学校を卒業してから社会に出るとさらに大変そうでした。
宮口:学校で先生が見てくれているときはいいかもしれません。しかし、社会に出ると、ハンディがあってしんどいことを考慮してくれなくなります。見た目だけでは、他の人と違いがわからないこともあるからです。ただサボっていてやる気がないと見られてしまう可能性があります。

記者:一方で、「努力しないで頑張らなくていいんだよ」と言う主張に対しても、宮口さんは違和感を抱いているように感じました。
宮口:できることはちゃんとやり尽くして、それでもできない場合にはじめてかける言葉だと思います。発達障害や知的障害の場合、主治医は平気で「この子にあまり負担をかけないように」と言ったりします。だから親も信じてしまう。でもやらせる前に「頑張らなくていいよ」と言うのは本当に無責任と感じます。昔と違って今は、IQは環境と関わり次第で変わる可能性があるとされています。何もやらせないまま、気がついたら手遅れになってしまうことも多いのです。

■実は支援する側が元気をもらっている
記者:努力をしたとしても「どうしても頑張れない」。そんな人たちに対する支援の3つの基本は、安心の土台、伴走者の存在、チャレンジできる環境だそうですね。
宮口:わかりやすいように、電気自動車に例えてみましょう。子どもなど支援する相手を電気自動車、支援者を充電器だとします。電気がなくなりそうになったら、いつ帰ってきてもきちんとした電圧で充電してくれる。これが安心の考え方です。

伴走者は横の助手席に乗ってくれる存在です。注意したいのは、運転について細かく口出しばかりをしてはダメであること。とにかく静かに見守りながら、困ったときにちゃんとアドバイスをあげるという姿勢が大事です。

安心の土台と伴走者の存在があると、初めて新しいことにチャレンジしたい気持ちが出てきます。子どもだったら、勉強、スポーツ、友達関係など。大人だったら、仕事、趣味など。何でもいいので新しいことができる環境に身を置くと、頑張ってみたいと思うようになるんです。

記者:発達障害や知的障害のケースだけでなく、多くの人の日常のいろいろな場面で参考になりそうです。
宮口:実はそうなんです。この本は基本的にみなさんへのメッセージです。会社の部下と上司など、いろんな場面でこの原理は使えます。ちょっとでも力になってもらえたら、という意図がありました。

記者:支援中に逃げ出したり反抗してしまうような人が、本当は一番支援が必要だとしていました。そんな矛盾の中でどうすればいいでしょう?
宮口:とても難しいところです。でもちょっとした工夫ができるはずです。たとえば、余計な声かけをしないこと。ずっとかまってほしいわけじゃないんですよ。余計な一言を言うことで、やる気を奪ってしまうことがあります。求められたときには決して見捨てずに「いつまでもいますよ」と示すだけでもいいですよね。

これが簡単なようで、ものすごく難しい。支援する側も生身の人間なので、自分の調子が悪いことだってあります。そんなときに逃げ出したり、反抗されたりしたら、支援をやめたくなってしまう。せっかく助けようとしたのに断られたとものすごく傷ついてしまう。だから支援をしている人にも、同じように安心・安全と伴走者が必要なんです。支援者同士で、足の引っ張り合いなどをしている場合じゃないんですね。

記者:他に支援について考える上で大事なことはありますか?
宮口:実は支援をする側が逆に元気をもらっているのだという視点です。誰だって人の役に立ちたい。人に世話をされて幸せになるんじゃなくて、人の世話をして感謝されることで元気になっていくんです。だから支援をしてくれる人に、しっかりお礼を言ってあげたら、ものすごく元気が出ると思うんですよね。そういう視点は大事かなと思います。

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逃げ出す人こそ支援が必要とはその通りです。逃げ出しはしないけど、当事者に不適切な言動をとられるのは、事業所の日常です。支援する側がそのことについて、怒ったり無視したりしていたら、それは支援のプロではなくただの素人です。だけど、寄り添うだけでは相手は変わらないです。そこにプロフェッショナルとしての支援者のスキルが試されます。

つまり、逃げ出したり反発したりするの当事者だけの責任ではないです。支援者との関係性が当事者の行動を生み出しているのですから、支援者の行動を変えて行けばその関係性は変えていけると思います。確かに、手ごわい方もおられますが、そんな時は相手だって手ごわいなぁ、やりにくいなぁ、支援されにくいなぁと感じているのです。そんなことを色々考えさせてくれる一冊です。

 

思春期2


さて前回は、思春期の子どもを育てる保護者の方が感じやすいであろう悩みの背景に、「今までのわが子とちがう」という点を述べました。また母親の場合、異性である息子の成長に戸惑い、対応の仕方に迷いが生じて、叱ってばかりになったり、はれ物に触るように対応したりなど、コミュニケーションがうまく取れなくなる人も少なくないということを書きました。今回は、どう対応すればよいかを考えていきましょう。

まずは視覚的構造化です。「勉強するゾーンと趣味のゾーンを分ける」「忘れ物しないよう置き場所を決めておく」など、環境を整えることで、子どもにとって刺激が少なくなったり、行動の切り替えがスムーズになります。そのため、大人の介入が減りストレスや衝動的な言動を減らすことができます。起床についても修羅場となる場合が少なくないですが、基本は起きて朝の家庭での活動(食器ならべ、掃除など)があることや起床習慣しかありません。これは前回述べた(7/13)睡眠障害のところもお読みください。

自立心が芽生えはじめた子どもに対しては、大人が指示する方法でのコミュニケーションは難しくなってきます。自立心の芽生えはじめた子どもにとって思春期は、自分の主張や考え方を表出して意思を示す事。自分の主張や考えを他者と調整して考える事。解決にむけて妥協する事。の力をつけていく時期にあたります。意思を示した子どもに対して、「考える」支援をすることで、解決に導いていくことが求められます。この時に「気持ちを尊重して聴く」ことが、子どもが自分で自分の考えを整理し動き出す支援になります。

聴く時は、すぐに否定せず「そう」「うん」などの言葉で気持ちをいったん認める。子どもの気持ちを代弁する。どうする?どうすればいい?など、考えをたずねることが重要です。気持ちを認め、代弁することで、コミュニケーションができる関係性をつくり、反発・拒否だけで終わらず、どうすればいいのかを自分で考えられる時間をつくります。

食事時間なのにゲームがやめられない場合
大人「ごはんだよ」子ども「分かってる」大人「そう。今いいところなの?」大人「…うん」大人「一応決着つくのに何分くらいかかりそう?」(時間をおいてから)大人「〇分たったよ。一応の決着ついた?」。「今いいところなの?」と子どもの気持ちをいったん認めたうえで、何分くらいかかりそうかたずね、自分で考えさせるのがポイントです。

思春期の子どもは、小さいころと同じようにほめられると子ども扱いされたような気持ちになることもあります。子どもの心の発達に合わせたほめ方が必要になります。ほめられることで適切な行動が増え、親子のコミュニケーションも向上します。ポイントは、できないことではなく、できていることに着目し、結果ではなく努力(プロセス)に着目し、感謝や敬意を伝え、さらりとほめることです。例えば、寝転がってお菓子をたべながら宿題をしている状況なら、「机に座ってやりなさい!」と言えば、「うるさいんじゃ」となりますが、できていることに着目すれば「お、やってるな!」となり、子どもも悪い気にはなりません。

買い物でも、「忙しくて手が離せなかったから、買い物に行ってくれてほんとに助かった。ありがとう」とほめるほうが「えらいえらい」よりはるかに感謝が伝わります。「えらーい」「すごーい」と言われると、馬鹿にされたような気持ちになることもあります。さりげなく敬意を伝えることが大事です。

また、聴きたいことがあるときは、最初から聴き出そうとするのではなく、子どもが興味のある・話したいと思っている内容をまず聴くことが大切です。大人にとって都合のいい話ばかりをさせたがると、大人と話すことに意義を感じられなくなってしまいます。

ゲームやテレビ、勉強の時間など、大人と子どもで目標となる行動を話し合って決め紙に書きます。約束が守れたら印をつけ、記録します。ポイントがたまったら決めておいたものや好きな活動を交換できるシステムです。約束しておくことで、行動を促す際にスムーズになります。保護者が一方的に押し付けるのではなく、子どもの気持ちを受け止め、意見を聴いてからつくり、ハードルは高くせず、やればできるけれど、「継続・定着」が難しい行動を目標にしましょう。評価のポイントを明確・具体的にして、できなかったときのリカバリー策(例えば、同等の時間を必要とする家事や作業)も予め話し合って設けましょう。行動契約のメリットは、自己コントロールが育ち、自分の頑張りや努力が表なので目で見て分かりますし、将来就労したときに給料と労働の仕組みを体感でき理解しやすくなります。

このほかに異性のことや第二次性徴のこともありますがこれはまた別の機会とします。大事なことは大人が子どもの心の成長と発達障害ならその特性に合わせた対応に変えていくことです。特に敬意を払うこと、予告や契約は重要です。子どもに敬意を払うなんてとか、身近な子どもに契約なんてよそよそしいとか思う方が少なくないのですが、約束は人間生活のあらゆることに大事なことです。また、約束が守れなかった時の謝罪を含めたリカバリー方法も絶対に必要なものです。それはお互いを尊重するからできることなのです。

他者感情をうまく読みとれないから、敬意をこめて丁寧に(しつこくではありません!)理由を話すのです。もともと整理や順序が苦手だからこそ構造化(目に見える)した環境でむかつく大人から介入されなくても一人でできるように自立させ、字句通りに0か100かで考える人だからこそ契約文書でのトレーニングが有効となるのかもしれません。

発達障害の人のマスク着用の件

新型コロナウィルスの感染拡大は、発達障害の自閉症スペクトラム障害(ASD)のある人たちに新しい困難をもたらしました。社会的およびコミュニケーションスキル、反復行動、同一性へのこだわり、感覚に関わる問題がASDのある人がマスクを着けることを困難にします。ASDの人の多くは触れられることにとても敏感で、顔はとくにです。 マスクの着用は不快な感覚を与えることもあります。

皮膚の表面には引っかき傷をつけるような布の質感、マスクの上部が皮膚と接触する場所での圧力、耳にはかかるゴムの引っ張りがあります。マスクの中では温かく湿った息のにおいがします。さらに空気を吸ったり吐いたりするのに抵抗を感じ、それにASDの多くの人は心配や不安を感じます。マスクをつけるとASDのない人でも不快を感じますが、ASDの人はそれがより激しいものとなる可能性があります。

そして、これらの感覚的な課題に加えて、マスクは新しいソーシャルコミュニケーションの課題も生み出します。自閉症スペクトラム障害では視覚知覚能力の低下が含まれることもあります。マスクをつけた人に対しては、いつも以上に表情を読み取ることが難しくなります。マスクをつけた人の顔を見ると目しか見えません。ASDのある人の中には目を見ることが困難な人も多く、ますますコミュニケーションが困難になってしまいます。

そして、マスクを声をこもらせることもあるため、言葉も聞き取りにくくなります。しかし、マスクの利用をできるようにする方法はいくつか考えられます。
・ぬいぐるみ、人形、家族など、好きなものや人にマスクをつける実演をする
・さまざまなタイプの素材のマスクを選べるようにして、最も快適なマスクを見つけられるようにする
・必要なときに休憩をとることができるように、短時間のマスクの着用を練習することから始める
・マスクをうまく着用しつづけられるように、静かで穏やかな、人の少ない場所へ出かけることを計画する
・外出前にマスクを着用するための視覚的な手がかりとして、マスクを着用した人の写真を利用する。写真はドアの近くに貼ったり、タブレットですぐに見えるようにしてもよい
・マスクをかぶったままガムを噛んだり、キャンディーをなめたりして、気を散らしマスクの中の息のにおいを変える
・透明なマスクもあります。そのマスクであれば口が見えます。コミュニケーションの改善に役立つといわれます
ASDのある人にとって、マスクの着用が簡単ではない理由を理解することは親や関係者にとって重要な情報です。

学校が親子に立ちふさがる「壁」となってしまう理由

学校が親子に立ちふさがる「壁」となってしまう理由

6/17(木) 【婦人公論】

個性の強さから学校で問題児扱いされるような子どもたちを集め、彼らに自由な発想と学びの場を提供することを目指した教育が、東京大学にて行われています。そこでディレクターを務める中邑賢龍教授は「親子のために存在する学校が、彼らの前に立ちふさがる”壁”になることもある」と指摘します――

※本稿は、中邑賢龍『どの子も違う――才能を伸ばす子育て 潰す子育て』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

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◆なぜ学校が親子にとって”壁”になってしまうのか

以前にも増して、最近「学校に子どもが馴染めない」と心配する親が増えているように筆者は感じています。

その結果、親は「子どもが教科書を読めないので、タブレットの持ち込みをお願いしたい」、「子どもの興味が違うので、内容をそれに合わせてほしい」、「ぺースが遅いので時間を延長してほしい」といった希望を、学校に伝えるようになりました。

一クラスに何十人もいる児童、生徒を一斉に教える先生からすれば、そんな余裕があるはずもないので、単に親のわがままやクレームとして聞きながしているかもしれません。学習指導要領に定められた単元をちゃんと教えなければならない先生ができることには、実際、限度があります。

しかし、子どもが可愛い親は、なんとか学校での問題解決が図れないか、一所懸命に模索する。そしていつの間にか学校を、目の前に立ちふさがる“壁”として見出してしまうのです。

◆学校には複数のステークスホルダー(利害関係者)が存在する

そもそもですが、学校はいくつかの組織から成り立っています。

小・中学校なら義務教育ですから、国の定めた法律の元で学習指導要領に従い、決められた時間数の教科を、教科書を使って教えていくことになります。

それを教える教員の養成は、国が定めた教員免許を発行できる大学や学部中心に行いますが、免許そのものの交付や採用試験は各県の教育委員会が実施。採用された教員は、市町村が管轄する学校への配属となります。

そして学校ごとに最高責任者としての校長がいるのに、県にも市町村にも教育委員会があって、そこに委員会の最高責任者である教育長がいます。

つまり、学校には学校長、市町村教育委員会、都道府県教育委員会、文部科学省という複数のステークホルダーが存在しているのです。

◆だから「たらいまわし」が起こる

そのため、もちろん事案によりますが、もし学校ですぐに解決できないような問題が生じれば、責任の所在が明確でないことから「現場は上の判断で」「上は現場の判断で」といった、たらいまわしがしばしば起こってしまう。

加えて言えば、教育内容も、義務教育であるが故に全国一律で自由度は極めて低く、親の要望に臨機応変に応えることは難しいというのが実態です。

そうした状況が、親や子どもたちが学校を“壁”として感じてしまう理由の一つではないかと筆者は感じています。

◆「原則」に縛られる学校教育

時に学習指導要領も、学校を越えられない“壁”にしてしまうことがあります。

前提として、義務教育では検定された教科書を使い、教科ごとに決められた時間数の授業を実施することが求められています。

すでにあらゆるものがデジタル化されて長いですが、2021年2月現在、教科書において、デジタル教科書はあくまでも副教材にとどまり、印刷された紙の教科書を同時に使うことが原則になっています。

授業についても対面が原則で、2020年の春、コロナ禍で一斉休校となった際に行われたオンライン授業もなかなか授業時間数に加えられませんでした。そのため、多くの学校では、土曜日や夏休みなどに補講を行う必要がありました。

◆自由に学びたいだけなのに

一方、著書『どの子も違う――才能を伸ばす子育て 潰す子育て』に記したようなユニークな子どもたちの多くは、そもそも集団での一斉指導の中で学んでいくことをあまり得意としていません。「個々に応じた教育」と言いながらも、現実として学習指導要領に則ることが重視され、変わらない形で続く教育のもとで学ぶのは容易ではありません。

本来なら、教科書も時間割もない、そんな緩い授業や教室があってもいいのかもしれない。しかし現在の学校教育の中で、そんな自由な学び方は認められていません。

通常教育の中、一部の生徒を対象に、特別な授業スタイルで教えることは大変でしょう。

通級指導教室と呼ばれ、一部の時間だけ部室などを使い、少人数で教えるクラスはありますが、特別支援教育の範疇に入ることからか、そこで学ぶのを拒否する子どもや親もいます。

ユニークな子どもの多くは障害があるわけでなく、もっと自由なスタイルで学びたがっている。それだけなのに、いまだに彼らは自分たちを抑え込むことに必死な学校に身を置くことを求められているのです。

◆世界一多忙な日本の教員

しかし現実を見れば、あまりにも忙しくなった個々の先生からすれば、未来の学校の姿など、考える余裕も無いのかもしれません。

以前より、学校においてはあらゆる管理が厳しくなっています。特に2002年からは、文部科学省が学校設置基準において学校評価を求めるようになり、学校でもPDCAサイクルの確立が強く求められるようになりました。

OECD加盟国など48カ国・地域が参加(初等教育は15カ国・地域が参加)し、日本では小学校約200校及び中学校約200校の校長が参加した「OECD国際教員指導環境調査」(2018年度)によると、参加国・地域の中学教師の平均勤務時間が38・3時間/週であるのに対し、日本の教員の労働時間は56時間/週にまで達し、これは参加国中で最長となっています。

それだけ多忙になっているにもかかわらず、学習進度は守らなければならないので、学習につまずきのある子どもなどへの個別対応が難しく、また同時に、個々のペースを容認しにくくなっていることが考えられます。

逆に、学習進度が早いような子どもたちも、現在の法律で飛び級が認められていないことから、一斉指導の中で授業の妨げと認識され、結果として排除されている可能性もあるでしょう。

ともあれ、こうして学校が置かれた状況を少し鑑みただけでも、それが“壁”とならないための施策が今急いで求められているよう、筆者には感じられてならないのです。

中邑賢龍

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今回はやたらに学校の融通の悪さの言い訳が多いです。学習指導要領はあくまでも基準であり、全員に摘要するものではないことは法律の中でも明らかにされています。学校教育法には第四章 小学校 第二十九条、第五章 中学校 第四十五条にも、その教育の目的は「心身の発達に応じて」施すと断りがあります。学習指導要領は標準的な「心身の発達」に従って作られているだけで、学習障害など凸凹の子ども達にまで適応できるものではありません。つまり、学校のいう教科書通りにというのは言い訳に過ぎず、標準に収まらない子どもの「心身の発達に応じて」教育を考えていくのも学校の仕事なのです。

学校人事への権力関係を全て会社経営になぞって「ステークホルダー=利害関係者」と表現するのはちょっと無理があります。国民主権なのですから、利害関係者は「国民」一つです。ただ、国民とは誰なのか問題があり、国民の利益を執行する組織系列を複数の「利害関係者」と表現したのだと思います。それは、教育行政だけでなく福祉行政も行政と名の付くものはみな同じ構造です。この構造は、明治時代から変わっていない行政構造というか、ますます強固になっていると思います。

外交・安全保障と金融を除く行政機構に必要なことは、上位機構からの権限移譲と既得権限の廃止です。権限移譲によって組織の責任者や、その責任と義務の執行が身近に見える仕組みが作れます。責任は取ってもらうが法に基づく限り自由にやってよろしいという仕組みがこれから求められているのだと思います。もちろんチェック機能は議会だけでなく地域コミュニティーにも任せる仕組みが必要です。中邑先生は、自由な学びには自由で自立的な行政機構が必要だと考えているのだと思います.。

 

 

京アニ

7月18日に京都府京都市伏見区京アニで発生した放火・殺人事件は、京都アニメーション第1スタジオに男が侵入してガソリンを撒いて放火したことにより、京都アニメーションの関係者に多数の死傷者が発生しました。死者は35人に上り、警察庁によれば「放火事件としては平成期以降最多の死者数」となった痛ましい無差別殺人事件です。現在も世界中から京アニを支援する取り組みが続きクラウドファンディングはすでに2億円を超えています。筆者が京アニを知ったのは、2009年「けいおん!」ですが、たまたま知り合いの子どもが素敵なアニメだからと紹介してもらったのがきっかけです。アニメ「けいおん!」シリーズのロケ参考地となった滋賀県豊郷町では、同町の伊藤定勉町長が公式サイトに声明を発表し、豊郷町観光協会は同シリーズの校舎のモデルとなった豊郷小学校旧校舎群に献花台を設置しました。2016年には初めてのアニメ映画だけの製作「聲の形」が上映されましたが、これは聴覚障害者の学園生活を描いた同名の漫画を映画化したもので、素敵な映画です。「聲の形」の舞台モデルとなった大垣市でも事故翌日には市内2箇所に募金箱を設置したそうです。また、高校ブラスバンドのアニメ「響け!ユーフォニアム」シリーズの舞台となった宇治市では事故の翌日、宇治市観光センターに募金箱を設置しました。この事業所の子どもたちも影響を受け毎日のようにアニメ画を描いている子がいます。京アニは私たち、子どもたち、世界に素敵なアニメを送り続けています。がんばれ京アニ!

5歳児の3%に自閉スペクトラム症

5歳児の3%に自閉スペクトラム症 弘前大グループが有病率を国内初推計
2020年06月03日【河北新報社】

自閉スペクトラム症(ASD)の有病率が5歳時点で3%以上であることが、弘前大大学院医学研究科の研究グループの調査で分かった。国際的な診断基準が変更されて以降、ASDの有病率を推計したのは国内で初めてという。ASDと診断された9割が、他の発達障害を併せ持っていることも判明した。

調査は2013~16年、弘前市と連携して実施。5歳児健診時に、子どもの様子や子育てのストレスなどについて、保護者と幼児が通う幼稚園などの教師らに書面で回答を求めた。書面調査で陽性と判定された幼児と、保護者が検査を希望した幼児に、知能や運動能力を測定する2次検査を受けてもらい、ASDかどうか診断した。

調査対象5016人のうち、約8割が書面調査に回答。2次検査を受けた559人のうち87人がASDと診断された。検査に不参加の幼児も含め統計学的な調整を加えると有病率は3.22%と推定されるという。また、ASDと診断された88.5%が、注意欠如多動症(ADHD)など他の発達障害を持っていることも分かった。併存する障害が二つある幼児が36.7%と最も多く、一つが28.7%、三つが22.9%で続いた。

自閉症の国内での有病率を巡っては、改訂前の診断基準に基づく1996年の調査で、0.2%とされていた。研究グループの斉藤まなぶ准教授(児童精神医学)は「3%という数字は、ASDを含む発達障害が決して珍しくないことを示している。適切な支援を早期に提供することが、本人と保護者の生きやすさにつながる」と指摘する。研究成果をまとめた論文は5月14日、英国の医学学術誌に掲載された。

[自閉スペクトラム症(ASD)]対人関係がうまく築けない、こだわりが強いといった特徴を持つ発達障害の一つ。コミュニケーションや言語に関する症状を重度から軽度まで連続体(スペクトラム)として広く捉えて診断する。国際的な診断基準が2013年に改訂され、別の障害とされていた自閉症やアスペルガー症候群も含まれるようになった。

「水泳用マスク」1万3000枚配布

新型コロナプールでも対策日立市、小・中学校に「水泳用マスク」1万3000枚配布

 2021/6/19【毎日新聞】

2年ぶり授業に笑顔
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎながら泳ぎを学ばせようと、日立市でマスクを着用しての水泳の授業が始まった。同市は市立小・中学校の全児童生徒、教職員に「水泳レッスンマスク」を計約1万3000枚配布。子どもらは2年ぶりのプール授業に笑顔を見せた。【田内隆弘】

マスクは表面がシリコン素材、肌面はポリエステルとポリウレタンでできていて、洗って繰り返し使用できる。教室からの行き来やプールサイドなどで着用し、泳ぐときは首に掛けるという。ひもは伸縮可能で、安全のため約4キロの負荷がかかると外れる仕組みだ。

市立坂本小学校(鈴木孝裕校長、児童363人)では18日、5年生を対象に初めてマスクを着けての水泳の授業が行われた。授業の冒頭、教員が「大声は出さない」などと注意。昨年はコロナ禍で水泳の授業がなかったこともあり、児童は歓声を抑えながらも、笑顔で、水に潜っていた。

5年1組の滝夏帆さん(10)は「プールでマスクをすると聞いてびっくりしたけれど、2年ぶりの水泳の授業はうれしい」、吉成脩羽斗(しゅうと)さん(10)は「授業が楽しみだった。普通のマスクより息苦しい気がするけれど、水泳用としては十分だと思う」と喜んでいた。

鈴木校長は「今までにない発想を取り入れることで、感染対策につながれば」と話した。

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プールマスクの存在を初めて知りました。水に落ちた時にマスクがはりついて呼吸ができずパニックを起こして事故につながるので、水辺では原則マスクはつけないと言うのがプール安全指導で教えられてきたことですが、このマスクは簡単に外れるそうで、安全に脱着できるという事です。

プール水は塩素で殺菌されているので接触感染の心配はありません。水泳中の呼吸は最も遠くに飛沫が飛ぶ勢いがありますが、マスクをつけているから飛沫は大丈夫です。マスクに飛沫が付着してもプールの塩素水がマスクを洗い流します。そもそも、プール内のマスクは塩素水飛沫が広範囲を殺菌するので、本当は必要のないものですが、ここではあれこれ言ってはいけません。子どもたちのために何とか水泳授業を実現しようとしている日立市とその学校の前向きな努力に、心から敬意を表したいと思います。

不登校ユーチューバー

「不登校は不幸じゃない」と“不登校ユーチューバー”として「ゆたぼん」(10歳)が注目を集めました。
https://binged.it/2OtmXOL
不登校児は年々増加しており、調査によると「少子化にもかかわらず、不登校の児童生徒数の割合はこの20年で1.5倍に増え、過去最多になっている」そうです。ゆたぼんは不登校になった理由として「周りの子たちがロボットに見えたから」などと説明していて、ゆたぼんを後押しする著名人も多数登場した。脳科学者の茂木健一郎氏はゆたぼんと対談し、「学校に行かなくても学ぶことは無限にできる。学校で身につく社会性がすべてではない。応援しています」とコメントします。ほかにも「勉強が嫌いならしなくてもいい。掛け算は計算機があるんだから、できるようになる必要はない」と発言する人もいます。世の中では“不登校でも構わない”という主張が結構あるようです。

しかし、文部科学省の「不登校経験者への追跡調査」によると、「行かなくてよかった」と肯定的評価をしているのは約1割で、約4割が「行けばよかった」と後悔しているのも事実です。不登校でもいいという世論はあるけど、所詮、他人の子どもだからではないでしょうか。自分の子が不登校になったらどうされるのでしょうと思います。不登校当事者と無関係な人が学校に行かなくていいと安易に語っているような気がします。

なんとなく面倒で学校に行かなくなった人の中には、家ではゲームしたり、まったり自由に過ごし、浪人して大学に入ることができたのですが、学力が伴わないのと締め切りも守れないので、先輩や同期の友人に助けられながら卒業したそうです。そして、不登校のときは一人でも平気だと思っていたけど、人間関係が重要だということを初めて学んだと言います。

他には、学生時代の友人はゼロで、ネットを通じた知り合いが数人いる程度で、結婚式に呼ばれることもないし、人付き合いの仕方がわからないから、彼女ともつき合ったこともないそうです。体育祭や修学旅行など学校生活の思い出もなにので、ドラマやマンガでそういうシーンを見ると羨ましくて胸が締めつけられるそうです。そして今、将来の孤独死を恐れながら暮らしている方もいます。

小学校や中学校は、子どもたちが基礎学力や社会性を身につける発達期なので、行かなくていいという根拠がありません。おそらく、行かなくてよいという発言には、様々な子どもに合わせられない今の学校への批判が含まれているのでしょうが、そういう発言は改革に後ろ向きな学校を免罪するだけで、学校が子どもをふるい分けする仕組みを強化するだけです。大人になって何をやるにしても、柔軟な発想を生み出すためのベースは基礎学力と多様な対人経験だと思います。高校生や大学生なのであれば、本人の選択に任せていいと思います。本人が無駄だと思う時間を浪費するより、学びたい知識や実用的な技術を身につけた方がよいと思うからです。

第2波に自粛は必要か

休業要請・外出自粛は有効だったかどうか検証 大阪府新型コロナウイルス対策専門家会議
6/12(金) 16:33配信【ABCテレビ】

12日に開かれた大阪府の新型コロナウイルス対策の専門家会議で、吉村知事は「第2波に備えるためには、第1波の経験とか事実の分析をきちんとやって、社会経済に与えるダメージを最小化しながら、感染症対策を最大化することを追及しなければならない」と話しました。

第1波が収束した今、第2波に備えるために、これまでの休業要請や外出自粛の呼びかけが有効だったかどうか検証しました。大阪府が独自に分析したのは、感染のピークは緊急事態宣言が出される前の「3月28日」だったという推定です。吉村知事の「緊急事態宣言も営業の自粛も、まったく効果がなかったということですか?」との問いに、大阪大学の中野貴志教授は「なかったと思います」と答えました。3月末からは感染が収束に向かっていて、緊急事態宣言に伴う自粛の効果は限定的だったというのです。ただ、どうして収束したのか、正確な原因を解明するのは難しいというのが別の専門家の見方です。大阪大学の朝野和典教授は「きょうの議論だけで自粛、休業が無意味であったという結論にはしてほしくない」と話しました。専門家会議が終わり、吉村知事は「同じことをやらずとも、感染は抑えられるんじゃないかという論点を持たないといけない。国家レベルでも大阪レベルでも追及していく必要がある」と話しました。

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自粛を呼び掛けたことについての社会的な是非は問うべきではないでしょう。みな、暗中模索の中で決めたことだからです。この記事の教授の発言は後出しジャンケンのようなものです。しかし、実際に効果があったのかなかったのかを検証することはとても大事なことです。

同じように、学校の臨時休業は本当に必要なものだったのかどうかも検証してほしいです。無症状の感染者が出てるからと、その都度、学校閉鎖をするようなことなのかどうかも検証していく必要があります。プールも感染予防の研修をした教員の管理下で感染が予想外に起こったのかどうか、窓を開けた教員の管理下にある教室でマスクは本当に必要だったのかどうかなどです。ただ、高齢者への感染と高齢者施設のクラスター化をどう防ぎきるのかはもっと良いアイデアを出し合い、政策化されても良いと思います。

新型コロナの新規感染者数(棒グラフ・人)と実効再生産数(折れ線・右軸)

低学年に性の第一歩を教えています 小学校のプール授業

低学年に性の第一歩を教えています小学校のプール授業の奥深さ
斎藤秀俊 | 一社法人水難学会会長、国大法人長岡技術科学大学大学院教授

6/21(月) 【Yahoo!ニュース】

2年ぶりの学校プールの季節。先日、小学校勤務33年のベテランから「2年生、心配だわ」と心配の声を聞きました。低学年に着替えの機会を使って性の第一歩を教えているのですが、今年の2年生はどうしようかと。

2年生、1から着替え指導すべきか
2年ぶりの学校プールの季節がきました。昨年はコロナ禍でほとんどの学校プールがお休みとなりました。特に小学1年生は大きなプールでのびのびと泳ぎを勉強するはずだったのがかなわず、泳ぎが1年遅れになってしまいました。

先日、小学校勤務33年のベテランから「2年生、心配だわ」と心配の声を聞きました。「1年生って学校では勉強ばかりでなくて、すべてのこと何でも1から教えるのよね。例えば体育の授業の前に、体操着に着替える練習をするのよ。もちろん、体操着から普段着に着替える練習も。」「プール授業の着替えは普段の体育と違って水着でしょう?教えることが一杯あるのよね。」「去年はプール授業が無かったでしょう?だから2年生に最初のプール授業で1から着替え方を教えなくちゃ。そうすると、2年生の授業を半分そこにあてがうことになるかな。」

彼女の学校では2校時をくっつけてプール授業としています。2年生に着替え指導をきちんとやるとなると、水着への着替え方に20分、普段着への着替え方に20分、合計40分で初回のプール授業90分の半分近くを使うことになります。2年生なりの水泳授業も待ち受けている中で、この時間は痛いそうです。でも、「丁寧に教えなければならないことが着替えにはある」と言います。

性の第一歩を教える機会
これまでの担任の多くが低学年。ベテラン先生は若いときから着替え指導にこだわりを持ってきました。

「1年生に何も教えずに着替えをさせたら、真っ裸になる児童はいるでしょうね。そうでなくても、大切なところが見えているのに自分では気が付かずにいることもあるのよ。」

人間の尊厳、性に関わる大切な一歩。コロナ禍でプール授業ができず1年間そのままになっていました。陸上の体育と違って、プール授業では着替えの時に下着をとる瞬間があります。1年生の時に「大切なところを人に見せないように気を配って着替える」ことを実践で教えるのですが、それが昨年はできなかったのです。

「家庭ではお風呂に入るときには特に気にしないじゃないですか。その雰囲気を学校に持ち込んでは困るんです。中には人前で裸になることに抵抗のない子供もいるの。」

学校は公共の場。家庭とは違ったルールがあります。公共の場ではいろいろなトラブルから自分を守らなければならないし、そしてそこに集まるお互いを尊重しあわなければなりません。特に性の第一歩は人間の尊厳を考える第一歩ですから、まだ性への自覚に乏しい低学年から行動で覚えさせたいとのことでした。

「着替え中に友達の腰タオルをわざと下げる子、いるのよね。」

同性間でも、友達の羞恥心をあおるようないたずらをする子がいます。それがいけないことだということを低学年からしっかりと教えないと、単なるいたずらという認識のまま成長する恐れがあります。だからこそプール授業時の着替えは「してはいけないこと」を身体で覚えることができる、低学年にとっては良い時間だということでした。

性の第一歩を教えていきつつ、ひいては人間の尊厳を守る心を育みたいとベテラン教員は意気込んでいました。

下着がポイしてあることも
ベテラン教員の学校では、いわゆるラップタオル、つまり大きいサイズのバスタオルにゴムを縫いつけ、両端にはスナップを取り付けて留められるように作られたスカート状のタオルを家庭に準備してもらっています。

女の子はそれを肩から下げて、男の子は肩か腰から下げて着替えをします。着替えの指導のイロハはここから始まるのです。

「最も多いのは、スナップの留め忘れだね。肩から下げているタオルで身体を隠してるつもりなのに、スナップを留め忘れた隙間から大切なところが見えてしまうの。だから、スナップの留め忘れがないかしっかりチェックしてから、着替えに入るようにしているよ。」

「男の子の場合は、わざとだらしなくタオルを巻くような児童がいるのよね。どこか、家庭のお風呂を引きずってる感があるかな。だからしっかり、しつこく指導しますよ。きちんとタオルを巻く指導から始めます。」

水着に着替えて、それでおしまいではありません。水を漏らさぬ指導が続きます。脱いだ下着をどうするかの指導です。

「脱いだ下着を机の上とか、椅子の上とかにそのまま脱ぎ捨てる児童がいるのよ。女の子でもいるかな。脱いだ下着は人に見せてはいけない。だから、すぐに袋の中にしまうように徹底指導します!」

なるほど、たしかに公衆浴場の脱衣所を思い出すと、下着が丸見え状態で脱ぎ捨てられているカゴとバスタオルをかけて中が見えないようにしてあるカゴがあります。これまでどういう教育を受けてきたかが、大人になってから行動で明確になるものだと納得してしまいます。

一つ一つ丁寧に着替えを指導するのはたいへんよいことですが、プール授業前後ともなると教室はあたかも戦場の様相です。特にプールから上がって水着から普段着に着替える時がたいへんです。子供たちがびしょびしょの状態で、しかも教員もびしょびしょ。床を濡らさないようにする工夫をしながら子供たちを教室に誘導して、それからさらに床を濡らさないようにして、指導を緩めることなく着替えさせなければなりません。

「33年繰り返しているので、ワンオペの達人になったけど、赴任したある小学校ではボランティアで学校に来てくれるおうちの方々が低学年の着替えを手伝ってくれました。」

教員も着替える時間を作ることができるし、おうちの方々にも公の場で着替えに注意する大切さが分かって、大変良いシステムだと思ったそうです。

家庭にお願いしたいこと
「特に1年生なら、プールが始まる前に、家庭で着替えの練習をしてもらえるとうれしいです」とベテラン教員の心からのお願い。

最も訓練してほしいことがラップタオルの取扱い方法。タオルによっては4つも5つもスナップがついていて全部留めるのがおっくうになり、2つ、3つ留めればいいかと妥協してしまいます。加えて、身体の水分を拭きながら下着を着ける練習。お風呂から上がった直後に、これもラップタオルを肩や腰から下げながら家庭で確認してほしいそうです。

下着も洗濯かごに直接ポイするのではなく、プール袋に入れてしまう練習をプール授業が始まる前とか、最中とか、お風呂の脱衣室で行ってほしいそうです。

参考 生命(いのち)の安全教育
令和2年6月に政府の「性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議」において、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」が決定されました。

この方針を踏まえ、子供たちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないよう、全国の学校において「生命(いのち)の安全教育」が推進されています。

これに併せて、教材・指導の手引きが公開されています。例えば、生命の安全教育教材(小学校(低・中学年))では、次の項目について子供向けに図1のようなスライドを使って説明できるように編集されています。

・「水着で隠れる部分」は自分だけの大切なところ
・相手の大切なところを、見たり、触ったりしない
・いやな触られ方をした場合の対応

参考スイミングスクールでは
水難学会の新西道浩理事によれば、スイミングスクールでは小中学生の会員を受け入れる際にプライベートゾーンに関する指導をしているそうです。会員向け広報誌での周知やロッカー巡回という指導を定期的に行っていて、かなり早い時期から生命の安全教育を意識してるとのことでした。
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水着の着替えなど昭和の小学校出身の大人は当時教えられた経験はありません。あの頃はただタオルを腰に巻いて着替えていたので面倒だなぁと思っていた事と、塩素臭とコンクリートの匂いの混ざった薄暗い更衣室の記憶があります。時々、素っ裸で着替える友人もいて、「勇気あるなぁ」くらいにしか思いませんでした。そう言えば昔は、「このパンツ誰のですか」と帰りの会で先生が聞いていましたが、子ども心には「てことは、本人はすっぽんぽんでズボンはいてるのか」と妄想していましたが、友人に聞くと「水着の上からに決まってるやんけ」と笑われた思い出があります。

プールの低学年の授業が性教育の第一歩とは気が付きませんでした。ベテランの先生が「ワンオペ」で指導しているとのことなので、多くの先生が具体的な実践を見ていないかも知れません。学校は教科だけを教えているのではなく、学校生活全般で様々な事を教えています。発達障害の子にとっては、教科外の不定形な集団指導場面が苦しい場合もあります。けれども、みんながいないと「恥ずかしい」の意味も教えにくいです。でも、学校はいろんなこと教えているなぁと教員OBながら感心します。

 図1 生命の安全教育教材(小学校(低・中学年))のスライドの一部抜粋(筆者抜粋)

カリスマティックアダルト

「カリスマティックアダルト」という言葉は、ハーバード大学のロバート・ブルックス教授が、「ありのままの自分を受容し、課題をきちんと指摘してくれるカルスマティックアダルトとのかかわりが、人の人生を大きく変える」と示し、発達障害の子どもらの成長に欠かせない存在としてこの言葉は引用されています。辞書には、『よき理解者あるいは本人を常に無条件で受け入れてくれ、また本人が全幅の信頼を寄せている成人のことを「カリスマティック・アダルト(Charismatic adult)という。本人を心から信頼してくれるよき理解者こそが、その子どもの秘められた才能を引きおこす最も重要なキー・パーソンとなる』とあります。

カリスマティックアダルトと呼ばれる大人は、子どもには、多元的(色々)な知能があること、人間社会には、多様性が必要であることを知っています。そして、子どもにおける「正常」というのは神話のような作り事で、だれにもその子の能力を予測することなどできないと信じています。

子どものカリスマティックアダルトは、同性の家族が理想的ですが、他人でも構いません。おじいちゃんやおばあちゃん、学校の先生や近所の人、たまたま知り合った趣味の人。それは、子どもがなりたいと憧れる大人だから、カリスマティックアダルトになろうとしてなれるものではありません。それは、子どもが決めるのです。このことを勘違いしている大人は多いです。できる人が「カリスマ」ではないのです。「しっかり」している大人が良いわけでもありません。弱点があったり苦手があったりするから子どもが選ばないわけでもありません。ずばぬけて得意な分野があるというのはきっかけにはなりますが、あとは子どもが見抜くのです。

以下のことは十分条件ではないけれども必要条件かもしれません。それは、相手に共感することができる人。子どもにレッテルを貼らない人。子どもが自分の弱点を才能にする手助けができる人。「何が欠けているか」ではなく、今ある自分の素質をベースにした自分らしさを育てる手伝いをする人。大丈夫という感覚を与える人。子どもの怒りを沈めるために冷静な無関心を用いる人。子どもをぞんざいに扱ったり見下さない人。子どもの目線に立つことができる人。その子が内に秘めている価値を見いだすことができる人。子どもがうまくいかないとき、自分ならどう違ったやり方ができるか考えられる人。子どもから自分の評価を求め、真剣に話を聞くことができる人。


子どもたちは、自分はここに居場所があり、自分に選択権があり、自立していると感じ、つまり「自分はできる」と感じることを大切にしてくれると信じる人を、カリスマティックアダルトと決めるのです。

読むトレGO!

日本初!音声認識による読み書き障害(ディスレクシア)トレーニングゲーム発売。実証実験で20%以上読みの時間が短縮!
プレスリリース発表元企業:株式会社サムシンググッド

ディスレクシア、読みの困難さを抱える子どもは5%とも10%ともいわれています。EdTech企業の株式会社サムシンググッド(東京都港区、代表取締役 脇坂龍治)はNintendo Switch(TM)用ゲームアプリとして「机に座らない学習」をコンセプトに、(1)発達障害分野の第一人者、「医学博士 平岩幹男先生」と企画から研究、実証実験まで共同で開発。(2)4週間×10人超の児童による実証実験を2回実施。(3)「67%の子どもが20%以上読みの時間が短縮」し、「2度読みも減少」。2020年2月には本件の論文も発表。確かな効果が期待できるソリューションとして7月上旬より発売開始します。

EdTech企業の株式会社サムシンググッド(東京都港区、代表取締役 脇坂龍治)は、2020年7月上旬にNintendo Switchでゲーム形式でトレーニングできる「読むトレGO!」を発売いたします。
詳細はhttps://www.yomutore.net/をご覧ください。

[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfYUdyQ2t2Y1NsTC5KUEc.JPG ]

読むトレGO!プロジェクトは、医学博士の平岩幹男先生とサムシンググッド開発陣の共同プロジェクトです。2018年の企画段階から初期の研究用ソフト開発、そして実証実験を経ての商業用ソフト開発と、全ての工程を共同で研究開発致しました。
多くの子どもたちや保護者の方からも様々な意見を頂き、当社のエンジニアが一つ一つ丁寧に形にしていきました。読みのトレーニング・ゲーム要素だけでなく、保護者向けに分かりやすいような、トレーニングの記録と評価機能等もご用意しました。
平岩先生はこう仰います。「ディスレクシアの障がいや読みの苦手さを持つ子どもたちに必要なことは、読みの学び直しの機会であり、何歳からでも遅くない」と。私共も、この言葉を実現できるよう開発に邁進してまいりました。

開発・発売元:サムシンググッドとは
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfTkJtSmJocUJSVi5KUEc.JPG ]
サムシンググッドは2015年、役員3名で始動いたしました。当初はソフトバンク様等からプログラム開発やWEBサービス運営を受託するビジネスが中心でした。2017年にNTTドコモ様向けに知育アプリ(プリキュアかずあそび)提供を開始したのを機に、プログラミングやCGデザインチームを大幅に拡充。知育、英語学習、ソーシャルゲームなどを開発していきました。2018年より発達障がい児童向けの教育ソフト開発の研究を開始。その一環で児童福祉施設を中野と新宿に開所(Uooh!療育ラボ)、現在200人以上の児童が通所しています。2020年7月に「読むトレGO!」を発売予定。2020年6月現在、IT×発達性協調運動障がいトレーニングシステムの研究開発中です。

読むトレGO!の特徴
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfSEhST3RmTFJIei5KUEc.JPG ]
①ゲーム機のNintendo Switch用 であること。
2018年の企画初期、平岩先生から「教科書や教材を見ただけで泣き出す子もいるんだよ」とのお言葉が。できるだけお勉強感を無くす為にゲーム機用アプリにしました。ジョイコンで刀を振ったり金魚をすくったり、マイクを使ったりと「机に座らない」読みの学習をコンセプトにしました。
②日本初!音声認識システムでのディスレクシア・トレーニングソフト
ディスレクシアの子どもたちは、読みが苦手だから、書きはなおさら。ですので、日本の国語の授業の「読むと書くを同時に習う」学習法は、とても難しい事となります。我々が重要視したのは「文字を見て」「声で答える」こと。とにかく「読むことが出来る事」を目的にしました。
③全6ゲーム227ステージ!
様々な角度からトレーニングをアプローチする合計6コンテンツ、54レベル、227ステージをご用意しました。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfekxmQVpRY0NRbC5qcGc.jpg ]


医学博士 平岩幹男 先生について
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfaUVLTVdRQlFsYS5qcGc.jpg ]

平岩幹男: 医学博士。Editorial board: Austin Journal of Autism and Related Disorder。
1976年東京大学医学部医学科卒業。三井記念病院小児科、東京大学医学部研究生を経て帝京大学医学部小児科助手?講師。1992年戸田市立健康管理センター母子保健課長?参事・健康推進室長。2009年Rabbit Developmental Research開設(代表)。2012年-2019年国立成育医療研究センター理事。
専門領域:発達障害(自閉症)、乳幼児健診、思春期医学など。著作多数。

実証実験について
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfVFN2clhYQm91Ti5KUEc.JPG ]
平岩先生が主導し、「読むトレGO!」プロジェクトでは、ディスレクシアの診断(DSM-5thに基づく)を受けた児童10名程度を対象にした実証実験を2回(2019年9月、2020年1月)実施しました。第1回目は8/30~9/28のピッタリ4週間、初日に平岩医師の問診とテスト、4週の間は実験用ソフトを家に持って帰りトレーニング、最終日に平岩医師の問診とテスト、という内容です。この結果はとても素晴らしく、全ての児童の読みのスピードが向上、2/3の児童は何と20%以上向上の数値がでました(論文は小児科診療2月号:診断と診療社刊に掲載)。しかし、、、子どもたちの反応は散々でした。。。とにかく音声認識の認識率が悪く、せっかくキチンと読めても正解にならず、「ブブー」と×にされる。泣き出しそうになりながら「嫌だった」と話す子どもが出る始末、当社開発メンバーは意気消沈でした。もう開発期間が延びる(=お金がかかる)のはやむを得ず、ということで、音声認識エンジンを差し換え開発再開。当初予定より半年間も開発期間が延長しましたが、子どもたちにも「まぁまぁだな!」と言っていただけるソフトに仕上がったと思います。本当に実証実験にご参加いただき、様々な意見をくださった子どもたち、保護者の方々に感謝しております。

発達性読み書き障害児童はクラスに1人の可能性。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfQXlkV01wTk96Sy5KUEc.JPG ]

■ディスレクシアとは
dyslexia。発達性読み書き障がい。dysはギリシャ語の「困難」「欠如」という意味、lexiaは「読む」という意味。一番の特徴は、コミュニケーションのうち「話す言葉」「聞く言葉」といういわゆる音声言語には障害がないのに「読む」「書く」という文字言語に障害があること。よって、小学校に入る前には診断が付きにくい。
世界には色々な言語があるが、日本語にはひらがな、カナカナ、漢字と文字の種類がおおっく、おそらく1クラスに1人くらいは存在すると言われている。
世界的に見て、ディスレクシアの特徴は二つ。
①文字を音に変える障がい(デコーディング)
「あ」「ゆ」が読みにくい。時間をかければ読める。なので、「あ」「ゆ」で悩んでいると「あゆつり(鮎釣り)」という単語を見たときにすっと読めない。
②音のまとまりとして単語を読むことが難しい障がい(チャンキング)
「い」「ぬ」と読めても「いぬ(犬)」という音のまとまりとして読めない。よって語彙理解が難しくなる。
【注意】
読みの苦手さ=ディスレクシアだけでない。
認知機能が遅れている知的な問題、紙に書いてある文字がチラつく。すぐに気が散って集中できない、など他の問題も考えられる。

■子どもたちの問題
わが国の学校教育は、ディスレクシアの子どもにとても苦痛を強いる指導法となっている。
①読みの苦手な子に、他の子どもに2回読ませるところを4回、5回と読ませる。
②「読む」と「書く」を同時に指導する。「読み」が苦手な子どもたちは大なり小なり書くのも苦手であり、同時に行うことはとても難しい。

■知的障がいではないが「しんどさ」を抱える子どもたち
知的障がいではないが、しんどさを抱える子どもたちは存在し、読みの困難さを抱えていることもしばしばある。
IQで測ると70以上だが、記憶する力や認識する力が少し弱い子どもたちは、実は人口の7%~11%くらい存在すると言われている。この子たちは知的障がいとしてのいわゆる障がい者手帳は取れないし、障がい者枠で将来就労することもなかなか難しい。しかし適切にサポートをすることで世の中で生きていけるようになる可能性がかなり高いグループというふうに、考えてもいいのではないか?と平岩先生は考えている。

※知的障がい定義はIQであれば70以下。
例えば、小学校に入り、友達とも元気に遊んだり話したり、色々な事ができる。しかし、小学校2年生くらいになると「どうも国語の力が弱いな?」「読むのが苦手だな?」「内容の理解が今一つだな」と感じられるようになる。そのちょっとした苦手さを抱えながら学年が上がっていき、授業もドンドン進んでいく。そして小学校4年生くらいになり、その躓きがどうにもならなくなる、ということはよくある。うまく国語がついていけない。そうすると通常の学級いわゆる普通のクラスは無理だから、「では特別支援学級に移ったらどうですか?」と言われることが多い。しかし、通常学級では国語の授業は週4時間。これが特別支援学級になると週2時間、特別支援学校になると週に1時間になっていしまう。これで、どのように追いつくことが出来るのだろうか?わが国の教育制度はこのようなことに対処する「学び直し」という概念が乏しい、と言わざるを得ない。学び直しをする事で、その方たちの「人生を変えていくこと」に繋がることはとても良いことだと感じる。(平岩先生談)
【出典】本ページ記載の内容は、2020年4月にサムシンググッドが平岩先生にインタビューした内容の抜粋である。

日本のディスレクシア人口のデータ
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzQ3MyMyNDU2NTQjNjc0NzNfY0VPRW1lTnRqSC5KUEc.JPG ]

わが国では文部科学省も厚生労働省も本件に関する大規模な疫学調査を行っていない。よってディスレクシアの人口がどの程度存在するのか?はわからない。その中、参考になるデータは下記のとおりである。
学習面で著しい困難を示す児童生徒の割合は6.1%
・文部科学省調査
・調査時期:平成24年2月~3月
・調査対象:通常の学級に在籍する児童生徒53,882人(1,200校)
※担任教員が記入し、特別支援教育コーディネーター又は教頭による確認を経て提出した回答に基づくもので、発達障がいの専門家チームによる診断や、医師による診断によるものではない。従って、本調査の結果は、発達障害のある児童生徒の割合を示すものではなく、発達障がいの可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒の割合を示すことに留意。

障害児通所支援の機能見直しへ 厚労省検討会が初会合

障害児通所支援の機能見直しへ 厚労省検討会が初会合

2021年6月21日【教育新聞】

障害のある子供が放課後や学校の長期休校中に通う「放課後等デイサービス」など、障害児通所支援の在り方について、厚労省は有識者による検討会を立ち上げ、このほどオンラインで初会合を行った。こうした障害児通所支援は利用者数が顕著に増加している一方で、実態として補習塾的機能や預かりが中心となっている事業所もあるとし、役割や機能の見直しに着手する。

障害児通所支援についての議論を始めた厚労省検討会(YouTubeで取材)
厚労省によると、障害児通所支援のサービス利用児童数は2014~19年度の間に2.3倍に増加。その一方で、補習塾的な機能や預かり中心の事業所があることや、障害児の保護者の就労を支える側面もあること、現状の放課後等デイサービスでは、専修学校や各種学校が対象となっていないなどの課題が出ている。

また、これらのサービスが充実したことで、発達障害をはじめとする、これまで障害と認識されずに育てづらさや生きづらさを抱えていた子供の支援につながった一方で、こうした子供たちが適切な支援を受けながら保育所や学童保育などを利用しにくくなっているなど、インクルージョンの観点からの課題も指摘されている。

こうした状況を踏まえ、検討会では関係団体へのヒアリングを実施するなどし、障害児通所支援の役割や機能の在り方を整理。9月をめどに報告書を取りまとめる。

初会合で座長に選出された柏女霊峰(かしわめ・れいほう)淑徳大学教授は「保育教育施設での(障害児の)インクルーシブな受け入れは伸びていないのではないか。詳細を分析しなければいけない。その上で、本当に障害児通所支援が、その機能として何をすべきなのかというマクロ的な議論をしなければいけない」と強調した。

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サービスは使いやすければ利用が増えるもので、普通はそこに利用者のニーズがあると考えます。放デイの利用が伸びているのは利用者にとって使いやすいからです。また、保育所や学童保育に障害児が増えないのは使いにくいからで、放デイの利用が伸びている事は結果であり原因ではありません。つまり、放デイの責任でも放デイ利用を認めた障害福祉行政の落ち度でもありません。障害のある子もない子も利用しやすい保育所や学童保育サービスを怠ってきた側に責任があります。

だから、柏女座長が放デイの中身をどうこう言う前に、学校や保育所が障害のある児童に使いやすい配慮や工夫がされているのかどうかを調査することが先だと言っているのです。以前、学習障害は教育が支援を担うもので、放デイはサービス提供はしないと公言する関係者がいるらしいと書きました(学習障害抱える児童、タブレット支えに無事卒:04/03)が、その理由は、教育の学習障害支援の足らずを福祉が肩代わりする必要はないという論理です。しかし、学校の学習障害児への支援と、放デイの学習障害児への支援は法的にも行政的にもお互いに独立しているもので、どちらかで代替できるものではありません。

その法的根拠としては、放デイなどの学習障害児支援の責務が法令に明記されていることです。厚労省の支給決定事務等の事務処理要領の「障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等についてR3年4月」には、「2 対象となる障害児(法第4条第2項) 児童福祉法における障害児とは、身体に障害のある児童、知的障害のある児童、精神に障害のある児童(発達障害者支援法第2条第2項に規定する発達障害児を含む。)以下略」とあります。

発達障害者支援法の条文は「第二条  この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害・・以下略」と学習障害が明記されています。つまり、放デイ支援で学習障害児は支援の対象なのです。もちろん教育と福祉と家庭が相互に連携しあい協力をすることは大事です。しかし、自分はやらないから、他の分野で責任を持てなどと言える道理は無いのです。

保護者や一般市民が細かな法令を知らないのは仕方がないにしても、もしも、関係者が公言しているとなると、これは明らかに違法行為であり障害者差別だと言えます。さすがに府県レベルや厚労省で学習障害児を放デイでサービスをしないと言う人はいませんが、地域でこんな暴言を関係者が言っているなら行政処分の対象です。今回の厚労省検討会の議論の行方が、保育所や学童保育でインクルージョンが進まない原因が、放デイの利用数が伸びた事等と、原因と結果が入れ替わったりしないように見守りたいと思います。

 

インフォームドコンセント

心理検査の目的を一言で表すとすると、「子どもの障害の程度を把握し、1人ひとりに合った支援を行うため」です。発達障害の中には、自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠陥多動症(ADHD)、学習障害(LD)などさまざまな障害があります。しかし、以前のようにアスペルガー症候群や非定型自閉症といった細かい分類をすることは少なくなっています。それは、発達障害では、障害の重なりがあり明確に分けられず、発達の凹凸は子どもそれぞれで異なり、それに伴って障害の特徴も細かく違っているからです。(日本の場合、障害の診断は医師しかできません。)

発達の度合いや知能の程度、各能力の特徴まで検査をすることで、発達障害の子どもの特性をしっかりと把握することができます。同じ障害の診断だとしても、検査の結果により見られる凹凸は一人一人違います。その結果をもとに、どの能力を活かしていくか、どのような支援が必要かを、子どもの特徴に合わせて考えることができます。

心理検査は、当事者か保護者の依頼がなければできません。もちろん、学校や施設は心理検査を行うことで正確な支援内容を考られることなどを保護者に説明して検査を勧めるのは良いことです。しかし、何故検査が必要なのか十分に説明しないまま、「障害の疑い=検査=診断=配慮の理由」という流れ作業のように扱ってしまうと、保護者は検査を子どものふるい分けに感じてしまい、たとえ検査を受けても、障害の証明書を突き付けられたような嫌な気持ちになることがあります。検査を勧めることは、その結果報告に基づいて、現場は全力で支援する約束をしたということです。「勉強ができなかったのは障害の結果」「不適切な行動は障害の結果」と子どもの責任にしないという約束です。

また、一部の地域では検査をしているのに検査結果の報告書を保護者にも当事者にも渡さない検査者がいるそうです。例えば、病院で検査を受けて、医師が病気のあれこれを言うだけで検査結果が当事者に示されなければ、何がどの程度悪い病気なのか患者にはよく分からないまま治療が進めらるのと同じです。今日、十分な情報を得た(伝えられた)上での合意(インフォームドコンセント)は医療に限られたことではありません。報告書がないのも問題ですが、報告書があるのに手渡されないなどという事がまかり通っている地域があるとは、開いた口がふさがりません。おそらく、報告内容に責任を取りたくない言質を文字で残したくないという検査者や組織の保身のためでしょうが、検査に携わる者として許されることではありません。医療も何もかも人が判断して行うことで100%はあり得ません。だからこそ、説明と合意が必要なのです。合意のための説明には文書があって当たり前ですし、当事者が写しを持ち帰るのも常識です。報告書を渡さないのがいかに非常識かということです。リスクを取らない検査者の言うことは信じられないと思います。

心理検査を依頼するときは、何のために検査をするのか、結果が出たら子どもにとってどんなメリットやデメリットがあるのかきちんと説明をしてくれる人かどうか判断して依頼しましょう。次回は、検査の実際について掲載します。

文科、コロナ対応、教育活動の実施に関するQ&Aを公開

コロナ対応、教育活動の実施に関するQ&Aを公開
2020.6.16 Tue 12:20 【ReseEd教育業界ニュース】

文部科学省は2020年6月15日、Webサイトに「教育活動の実施等に関するQ&A」を公開した。発熱で学校を休んだ児童生徒の再登校基準、修学旅行の実施に関する見解、児童生徒の心のケア、学習活動の留意点、教職員の勤務など、幅広い質問内容を紹介している。

「教育活動の実施等に関するQ&A」は、学校設置者・学校関係者向けに新型コロナウイルス感染症に対応した教育活動の実施などについて、質問と文部科学省の回答をまとめたもの。5月21日時点で全104問にわたるQ&AをPDFで公開しているほか、分野別にまとめた内容をWebページに掲載している。

Webページで紹介している質問内容は、「学校における感染症対策」「感染者が発生した場合や児童生徒等の出席等の対応」「学校の臨時休業」「学習指導等」「その他」の5分野。マスク不足への対応、健康診断の実施、児童生徒の心のケア、学習活動の留意点、教職員の勤務、保育料や授業料の取扱いなど、幅広く網羅している。

たとえば、発熱で学校を休んだ児童生徒の再登校基準については、「熱が下がった後にすぐに登校してよいかどうかについては、地域の感染の状況によって判断が変わる」と説明。基本的な考え方として、感染経路不明の感染者が多発している地域は「熱が下がった後も一定期間自宅にとどまっていただく対応も考えられる」、感染経路の不明な感染者がいない地域は「一時的な発熱の後、他に症状もないような場合に登校を拒む根拠は乏しい」と述べている。

修学旅行の実施については、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」や「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」、新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえて学校設置者が適切に判断。実施に際しては、日本旅行業協会などが作成した「旅行関連業における新型コロナウイルス対応ガイドラインに基づく国内修学旅行の手引き」などを参考に旅行事業者などと連携し、感染対策の徹底に努めるよう求めている。

そのうえで「当面の措置として修学旅行を取り止める場合においても、その教育的意義や児童生徒の心情等にも配慮いただき、中止ではなく延期扱いとすることを検討いただくなどの配慮をお願いしたい」との考えを示している。

教育活動の実施等に関するQ&A」は、文部科学省のWebサイトから確認できる。《奥山直美》

https://www.mext.go.jp/content/20200521-mxt_kouhou01-000006270_2.pdf

https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00032.html

教育活動の実施等に関するQ&A

①学校における感染症対策に関すること【更新】
②感染者が発生した場合や児童生徒等の出席等の対応に関すること【更新】
③学校の臨時休業に関すること【更新】
④学習指導等に関すること【更新】
⑤その他【更新】

学校集団接種「推奨しない」文科省

学校集団接種「推奨しない」文科省、同調圧力を懸念

2021年6月22日【朝日新聞】

文部科学省は22日、新型コロナウイルスワクチンを12歳以上の中学高校などの生徒に学校で集団接種することについて、「現時点で推奨しない」とする通知を各都道府県などに出した。個別接種が難しいなどの理由で学校集団接種の実施が必要な場合は、接種の有無によるいじめや差別が起きないよう相談窓口を設けることや、接種を行事参加の条件にしないことなどを求めている。

通知は、学校集団接種を推奨しない理由として、保護者への説明機会が乏しくなる▽個々人の意向が必ずしも尊重されず同調圧力を生みがち▽接種後の体調不良に対するきめ細かな対応が難しい――を挙げた。萩生田光一文科相は22日の閣議後会見で「学校での集団接種は受ける人と受けない人の差別化につながり、いじめにつながることも心配される。希望する子どもは親の同意のもとで、個別接種を進めていく」と述べた。

一方で通知は、個別接種の体制確保が難しい場合などに、市町村の判断で学校集団接種をすることを条件付きで認めた。その際、生徒や保護者に接種が強制でないことなどを丁寧に情報提供することや、授業中ではなく放課後や休日、長期休業中に実施するなどの工夫を求めている。

また、特に思春期の子どもに接種前後の不安をきっかけに起きやすいという「予防接種ストレス関連反応」についても説明。「周囲の生徒の様子などの影響を受けてその場の生徒に連鎖して生じることもあり、落ち着いた雰囲気で、万一に備えた体制を整えておくことが必要」と示している。

16歳未満の接種は原則、保護者の同意が必要。小学生については保護者同伴が必要となる。(伊藤和行)

文部科学省通知の主な内容
●中学高校などの生徒に対する新型コロナウイルスワクチンの学校集団接種は、現時点で推奨しない

●学校集団接種が必要な場合の留意点
・効果や副反応など丁寧な情報提供
・差別やいじめが起きないよう、学校は接種が強制ではないことを指導し、市町村は相談窓口を設置
・授業中ではなく、放課後や休日、長期休業中に実施
・業務は教職員に求めない
・「予防接種ストレス関連反応」が生じないように環境を整備

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抗議殺到で個別接種に切り替え 12~15歳にワクチン接種開始の京都・伊根町

2021年6月8日【京都新聞】

京都府伊根町は8日、12~15歳の新型コロナウイルスワクチンの接種を始めたことに対し町外から抗議が殺到したことを受け、中学生を対象に検討していた集団接種を個別接種に切り替える方針を明らかにした。町は「強制的に打つという誤解を解きたい」といい、本人や保護者の同意の下で接種する手続きをより明確にして、これ以上の抗議を避ける狙い。接種時期は未定。

12~15歳の接種については、厚生労働省の専門部会が米ファイザー製ワクチンの対象年齢として了承しており、国は保護者の同意手続きが必要としている。町は当初、学校のテスト期間に配慮して6月下旬に1回目の接種を検討。保護者の同意を文書で確認する方法をとる予定だった。

同町では6日、小学生と高校生に接種した。7日朝から、町役場に「子どもへの接種はリスクがある」「殺すぞ」などと職員を問い詰める電話が相次ぎ、コールセンターを停止。抗議電話は8日までに170件あった。脅迫を思わせる内容もあり、町は京都府警宮津署に被害届を出すことも検討している。
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マスクをしていないと携帯電話中の女子学生の顔を殴る役人(北海道)がいるかと思えば、子どもへのワクチンが危険だと役所に脅迫や威力業務妨害をする市民がいます。どちらも科学的な根拠を持たずに感情的に他者を傷つけたり脅迫している違法行為です。

確かに学校の集団接種は、同調圧力が強くかかり受けない自由を行使しようとするには勇気が必要です。そして、1000人に7人程度が陽性者でその6割が無症状で、子どもに重篤な症状が一例も報告されていない武漢風邪に、リスクの高い大人に接種が済んでいるなら、集団免疫を広げると言うだけで子どもの接種を急ぐ根拠にはなりません。

急ぐべきは高齢者やそれに続く成人の接種であることは間違いありません。伊根町にはきっとたくさんワクチンが送られ、高齢者も高リスク患者も成人も皆終了したから次は子どもにとなったのかもしれません。乙訓では65歳以上の接種が進み、60歳までの高齢者は7月中に1回目が接種されるようです。

都市部では人口の少ない自治体ほどは接種が進みません。行政サービスは田舎の方が早く行き届くが、都市は便利さを享受しているのでおあいこだと言われます。しかし、命にかかわる有事に公平に対応できないのは問題です。抗議電話は町以外からのものも多く、いつまで待っても接種券が送られてこない都市部の市民の苛立ちが、田舎の役場にぶつけられたような気もします。

この苛立ちに加担しているのが恐怖の煽り報道です。女子学生がマスクを外して電話をしているだけで、役人の立場を忘れるほど苛立つのです。最近、アクリル板は飛沫を滞留させるという研究が電通大から発表されました。テレビで連日見かけるアクリル板は感染を広めたかもしれません。メディアが必ず正しいわけではない証拠です。もちろんこの報道は地上波ではほとんど扱われませんでした。

また、今回のワクチンとは違いますが、子宮頸がんワクチン(HPV)の副反応の恐怖を大々的に煽った結果、日本ではワクチン接種率が極めて低いのです。ワクチンを打てば76人に1人の子宮頸がん発症の確率は216人に1人と3分の1に減ります。しかし、こうした効果は宣伝されずにひどい副反応を起こした人たちの裁判を報道することで日本はワクチン接種を推進している他国より2倍以上の女子が命を落とす危険にさらされています。恐怖や鬱屈した感情をメディアが煽ることによって、社会が歪んでいく危険性も私達は熟知しておく必要があります。

標準化された検査

検査は公的な機関や病院、教育機関などさまざまな場所で活用されます。発達障害の診断では、様々な施設で心理検査を受けることになります。専門家のいる病院やクリニック・発達障害者支援センター・児童相談所・保健センターなどです。また、診断以外でも発達障害の子どもの特徴や性格を細かく知って支援や教育の方針を明確にするために活用されます。そのため学校や放課後等デイサービスなどでも使用されます。逆に、心理検査の報告にあまり関心のない施設があったり職員がいたとすれば、そこは特性に応じた細かな支援については関心がないところかもしれません。

心理検査は子どもの一部分の情報ですから検査の様々な数値が子どもの実態の全てを表すものではありません。数値は低いのに努力した結果、進学校に入学している高校生もいますし、高い数値なのに怠学の結果、進学する学校の選択肢が少ない中学生もいます。心理検査の結果だけで、その人の人生はわからないのです。しかし、心理検査で能力の凸凹があることを知っていれば、子どもに向いた学習の仕方や生活の仕方をあらかじめ考えることができます。何かにつまずいた時も原因が把握しやすくなりますから、傷口が広がらないうちに早く対応できます。子どもに持ち続けてほしいものは高い能力ではありません。自分は失敗しても立ち直れる、その方法は必ず見つけることができるという気持ちが育ってほしいのです。そのためには、失敗しても支援によってリカバリーできた経験や、失敗を予測して別の方法で到達する経験をたくさん積んでほしいのです。そうすれば自分を信じることができるし、支援を信じることができるはずです。

心理検査の流れは、行動の観察・問診として、実際の検査を実施する前に、子どものおおまかな特徴、生育歴や生活環境を把握します。また、本人や両親の困り感、関係者の意見や周囲の環境面についても把握します。そして、報告がどの場所で誰に活用されるのかを判断して検査の種類を選択します。心理検査は1種類のみを実施するのではなく、複数の発達、知能、特性検査を組み合わせて行うことがほとんどです。

検査の種類はいろいろありますが、京都で多用されるのは「新版K式発達検査」です。本来この検査は乳幼児向けの適当な検査がなくて京都児童院(今の児童福祉センター)で開発されたもので、今は成人まで測れます。しかし、標準化(統計的に妥当性があるように作る)されていないのと、子どもの能力を運動・認知・言語の3つに分類され、新しい知能分類(CHC理論)に基づいていないので、何を測定しているのか分かりにくく説明がしにくいのです。それでも、ベテランの検査者にとっては子どもの苦手が推測しやすいということで関西ではよく使われています。

保護者にとってはこの3つの数値を示されても、見る力や言葉の力が進んでいるか遅れているかしかわからず、「一緒に生活したらわかる」程度の数値です。しかし、この検査者の中には「数値が独り歩きするから」と数値を当事者に示さない人がいるそうです。前回も述べましたが、常識で考えれば、検査結果の数値を隠す人の報告を信用できるはずがありません。そんなに自分が行う検査にも説明にも自信がないのならやらなければいいのです。そんな検査に付き合う子どもこそ迷惑です。

K式検査は2001年に改訂されたきり20年近く改訂されていません。知能検査は、10年で陳腐化します。文明の進化と共に子どもの知能全般が伸びるからです。今度予定されている改訂は2020年だそうです。これは標準化された検査になるそうですが、知能の分類は変えないそうです。明日は他の検査について掲載します。

6月21日夏至の日ー全国各地、おうちで日食観察を-

2020年6月21日(日)の午後、日本全国で部分日食が起こります。日本で見られる日食は2019年12月26日の部分日食以来ですが、次回全国で見られる日食は2030年6月1日の北海道での金環日食(他の全国各地では部分日食)までありませんので、梅雨空に晴れ間が生じたら、是非見ておきたい天文現象です。

日食とは、太陽-月(新月)-地球の順に宇宙空間で3つの天体が一直線に並ぶことで起こる現象です。昼間、太陽からの光を受けた月の影が地球に落ち、そこだけ昼間なのに光があたらない場所が出来ます。

日食には、完全に太陽を月が隠してしまう「皆既日食(皆既食)」、太陽の縁が丸くリング状に見える「金環日食(金環食)」、そして太陽の一部分が欠けて見える「部分日食(部分食)」があります。皆既日食や金環日食が生じる場所は帯のように狭く、その周りの地域で部分日食が見られます。今回は、アフリカ中部、アラビア半島、パキスタン、インド、中国、そして台湾のそれぞれ狭い範囲で金環日食となり、この帯状の金環食帯の中心では最大で0分38秒の金環食を見ることが出来ます。今回は、金環食の継続時間がとても短い現象です。

金環食帯の外側の一定範囲では、太陽は完全には隠れませんが、一部のみ隠れる部分日食になります。この日、日本各地では、天候に恵まれれば、午後から夕方の時間帯になりますが、太陽が欠ける様子を観測用具や木洩れ日等を用いることで観察可能です。

那覇では太陽の面積の79%、東京では36%、札幌では18%が月によって隠されます。

太陽の観察はとても危険です。太陽の光と熱のエネルギーは膨大なため、直接、太陽を見ると失明する危険があります。肉眼でも危ないのですから、天体望遠鏡や双眼鏡を使うことは極めて危険です。肉眼で見ることはもちろん、天体望遠鏡や双眼鏡も使わないでください。太陽観察用の「日食グラス」等専用の用具で観察しましょう。また、そのような用具が手に入らなくても、木漏れ日やピンホールカメラを用いて観察する方法があります。より詳しい情報は国立天文台の解説ページをご覧ください。

太陽の光を見かけ上減光できるからといって、黒いごみ袋、アルミホイル、ポテトチップスなどの袋、色付きの下敷きなどで見ることもとても危険です。これらは赤外線を通してしまうため、可視光を減光していても、熱によって網膜が傷ついてしまう可能性が指摘されています。

COVID-19拡大予防のため、今回の日食では日食観察会等が開かれない地域がほとんどかと思います。ご自宅などで3密にならないように楽しむ他、国立天文台の石垣島天文台はじめ、全国各地から日食中継が予定されています。また、金環日食となる海外の国々からもインターネット上で中継イベント等(英文)が予定されていますので、併せてそちらもお楽しみください。

参照ページ:

宙ツーリズム推進協議会 おうちで日食観察を楽しもう!全国各地からオンライン中継

JAPOS(日本公開天文台協会)観測キャンペーン夏至の日の部分日食を見よう

和歌山大学観光学部 YouTube Live-全国縦断「夏至の日に部分日食を見よう!」

 

「学校の防災訓練は非現実的」 学校安全部会で専門家指摘

「学校の防災訓練は非現実的」 学校安全部会で専門家指摘

2021年6月23日【教育新聞】

第3次学校安全推進計画の策定に向けた検討を行っている中教審初等中等教育分科会学校安全部会は6月23日、第2回会合をオンラインで開き、防災教育をテーマに議論を行った。同部会委員で、内閣府の「防災・減災、国土強靭(きょうじん)化ワーキンググループ(WG)」でも委員を務めていた大木聖子・慶應義塾大学環境情報学部准教授は、発表の中で現状の学校の防災訓練が非現実的であると指摘。第3次計画で、幼児教育・保育における防災教育の必要性や、実効性のある防災訓練を学校現場に浸透させることを提案した。

この日の会合では、内閣府から5月末に同WGが取りまとめた「防災・減災、国土強靱化新時代の実現のための提言」についての報告があり、それに続いて大木准教授からの発表が行われた。

内閣府の提言では、東日本大震災の発生から10年を踏まえ、防災・減災、国土強靭化の新時代に向けて、防災教育を第3次学校安全推進計画の柱として位置付け、全ての子供が災害から自らの生命を守れる能力を身に付けられるようにする方針を掲げた。学校で行われている現状の避難訓練は、実施率は高いものの内容は形骸化しているとして、全ての小中学校で、地域の災害リスクや「自分は大丈夫だ」と思い込んでしまう正常性バイアスなどの知識を教えることや、教職課程に防災教育の指導法を組み込んだり、地域と学校が連携して防災教育を支援する「防災教育コーディネーター(仮称)」を育成したりすることを盛り込んだ。

内閣府の防災・減災、国土強靱化新時代に向けた防災教育の提言
続いて発表した大木准教授は、専門の地震学の見地から、「教師の指示に従って、全員が校庭に避難が完了するまでの時間を計測する避難訓練」について、震度6以上の地震では声を発することができないほどの揺れになることから、教師は事実上指示を出せないことや、校舎は一般住宅よりも耐震性が高いにもかかわらず、校庭に避難することに合理的な理由はないことを指摘。

「地震学者の観点から見ると、非現実的な訓練が行われている。最も違和感があるのは、余震を想定している訓練がないことだ。大地震で余震が伴わないものはない」と批判した。

また、幼稚園や保育所などでの、未就学児を対象とした防災教育に力を入れるべきだと提案。第3次計画では、地震の概念が十分にない未就学児の命を守る視点を意識したものとすることや、発達段階に応じた防災教育スタンダードを策定することで、就学前から高校段階までシームレスな防災教育を実践できると強調した。

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地震想定の訓練でグランドに避難するのは、地震から火災が発生したので屋外に避難するというシナリオがあるからです。その理由は、グランドで消防署職員が子どもたちと一堂に交流する機会を持つことで、防災教育の一環としたいという目的があるからです。

その際に、整然と移動できたことを評価しているだけのことで、時間短縮はその結果であり「押さない走らない喋らない戻らない」おはしも訓練に時間短縮目的などありません。また、余震の事にも触れており建物の壁や天井が崩れることも想定して移動するように指導されています。正常性バイアスの問題は防災知識を教えた子どもには起こりにくく、知識のない大人に起こりやすい問題です。大木さんは、学校訓練で教員や子どもの取材をせずに、思い込みで発言しているのではないかなと思います。

すてっぷでも、この5月に地震から近隣住宅に火災が発生した想定で広域避難場所に移動する訓練をしています。子どもたちは、落下物から頭部を守る動作や整然と行動する姿は、毎年学校で2回訓練している効果を感じさせるものでした。問題は、被災後何日間この子たちと安全に過ごせるかどうかの訓練はないので、シミュレーションだけでもしておいた方が良いなと考えています。こちらは何パターンか思い込みでやるしかないのですが・・・。

K-ABCⅡ

WISC-Ⅳは、ウェクスラーという米国の心理学者が1949年に開発し改訂が繰り返されている知能検査の1つです。ウェクスラー式知能検査は世界でも広く使われている知能検査で、受ける人の年齢に合わせて、幼児用…WPPSI、児童用…WISC、成人用…WAISの3つがあります。ここでは対象年齢が学童期のWISCについて紹介します。定期的に改定されており、現在は第4版となるWISC-Ⅳが最新となっています。15の下位検査(基本検査:10、補助検査:5)で構成されており、10の基本検査を実施することで、5つの合成得点(全検査IQ、4つの指標得点)が算出されます。それらの合成得点から、子どもの知的発達の状況をさまざま方向から把握できます。4つの指標得点とは言語理解指標、知覚推理指標、ワーキングメモリー指標、処理速度指標の4つで、それぞれの指標が出るため、得意なこと、不得意なことの判断に役立ちます。

特に情報をどのように入力し、どのように表現するのが向いているかという判断は、勉強法を考えていく上で役立ちます。例えば、知覚推理が弱い子どもには、絵や図で伝えるより言葉にして論理的に伝えたほうが理解しやすいなど、対策を考えることができます。標準化された検査は、検査項目で3ポイント、指標ポイントで15点が「有意な差」(明らかに違いがある)ですから、個人の凸凹を判断するときにはこの開きを見ていきます。

本事業所で採用している検査の一つは、K-ABCⅡです。アメリカの心理学者カウフマン夫妻により(1983)作成されました。カウフマン夫妻はウェクスラー博士のもとでWISCの改訂に協力してきました。妻のナディーン・カウフマンは学習障害をはじめとする発達障害が専門です。夫妻はWISCの課題をKABCで解決しようとしました。子どもの知的能力を、認知処理過程(認知)と知識・技能の習得度(学力)の両面から評価し、得意な方法を見つけ、それを子どもの指導に活かすことを検査の目的としたのです。

K-ABCⅡはカウフマンモデルとCHCモデルという2つの理論モデルに立脚し最新の理論を取り入れたこと、認知処理を、継次(言語的)処理と同時(視覚的)処理だけでなく、学習能力、計画能力の4つの能力から測定していること、が特徴といえます。WISC-Ⅳとの違いは以下の表のとおりです。

WISC-Ⅳには基礎学力を図る検査項目はありません。WISCは医療用として用いられてきた背景があるからです。K-ABCⅡには、習得尺度という基礎学力を図るための尺度があります。これにより、学習がどれだけ定着しているかを知ることができます。K-ABCⅡの検査は、教育を意識して作られているため、WISC-Ⅳよりも学習と結び付けて考えやすい特徴があることも本事業所が採用している理由です。学校や病院ではWISCがほとんど利用されます。KABCは2回に分ける必要があり時間がかかるということが大きな理由だと思います。次回はK-ABCⅡで検査の読み方について考えます。

 

COCOA

接触アプリ、19日午後に提供開始 厚労省
【日経電子版】2020/6/19 12:14更新

厚生労働省は19日、新型コロナウイルスの感染者と濃厚接触した可能性があることを通知するスマートフォン向けアプリ「COCOA」の提供を同日午後3時ごろに開始すると発表した。

アプリによって濃厚接触者を効率的に割り出し、迅速に検査することで感染拡大を防ぐ狙いがある。互いにアプリを利用していないと接触の記録は残らないため、普及率が実効性のカギを握る。

今回提供するアプリは基本ソフト(OS)に「アンドロイド」「iOS」を搭載する機種が対象で、米グーグルやアップルのアプリストアで無料でダウンロードできる。

スマホの近距離無線規格「ブルートゥース」を使い、アプリの利用者同士が1メートル以内に15分以上いた接触の記録をスマホ内に蓄積する。感染が判明した利用者がアプリで申告すると、スマホ内に記録された接触者に対してサーバー経由で通知が送られる仕組みだ。

氏名や電話番号、位置情報など個人が特定される情報は記録、収集せず、通知を受けても過去に接触した誰が感染したのかまでは分からない。接触の記録は14日経過後に自動的に無効化され、アプリを削除した場合も記録は消去される。

スマホにアプリを入れている人同士の接触記録しか残らないため、普及率が6割以上ないと効果は薄いとされる。同様のアプリは他の国でもすでに運用されているが、プライバシー侵害への懸念などから必ずしも普及は進んでいない。3月にアプリ配布を始めたシンガポールの普及率は3割程度にとどまっている。

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要するに、武漢ウィルスの陽性感染者(COCOAをインストールしたスマホ所持者)と接触したから検査したほうがいいよ。というお知らせが来るのです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/cocoa_00138.html

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000641521.pdf

「くたばれ学校」投稿の少女学校の部活禁止に違憲判決

「くたばれ学校」投稿の少女学校の部活禁止に違憲判決

6/24(木)【朝日新聞】

米連邦最高裁は23日、学校への不満をソーシャルメディアに投稿した少女の部活動参加を禁止とした学校の処分について、違憲だとする判決を言い渡した。少女の投稿が学校側に混乱をもたらしたとは言えず、合衆国憲法修正第1条が定める「言論の自由」の範囲内だと判断した。

問題になったのは2017年5月、当時ペンシルベニア州の高校1年だったチアリーディング部の少女(18)が土曜日にコンビニから、共有アプリ「スナップチャット」に投稿した写真。私服姿で舌を出し、中指を立て、《くたばれ学校くたばれソフトボールくたばれチア全部くたばれ》との文字を添えた。

この投稿を少女の友人を通じて把握した顧問が問題視した。「汚い言葉を使わないスポーツマンシップが求められる」などの教育委員会規則に反するとして、少女は1年間、部活動を禁じられることになった。

判決は公立校について、学校外における生徒の言論であっても規制が可能だとの見解を示す一方、今回の事案では少女の言論を制限するだけの理由がないと判断。処分について「合衆国憲法修正第1条に違反する」と結論づけた。

少女は訴訟を支援した人権団体を通じ、「私は、今日の10代がするように自らの不満を表現した。若者には、学校に行ったときに罰せられると心配することなく、自分たちについて表現できることが必要だ」と声明を出した。(ニューヨーク=藤原学思)

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合衆国憲法修正第1条とは、宗教の自由、表現の自由、報道の自由、平和的集会の権利等、国民の表現の自由を掲げたものです。今回の高校生の汚い表現は、スポーツマンだからと言って部活動参加を禁止してでも妨げるほどの理由にはならないという判決です。そもそも、こんなことが裁判になるところがアメリカらしいですが、日本ならどうなったかなと思います。「くたばれ学校」ではなく「学校なんかなくなれ」だったら問題なかったのか、使った言葉が「Fワード(F*ck)」で、これがどの程度の反社会的な言葉か理解できていないのでピンときません。

お国が変わって中国ならどうなるのだろうと思います。学校やクラブをディスったぐらいでは何ともないのかもしれませんが、これが香港政府や中国共産党に「くたばれ」と書き込めば監獄行きなのでしょうか。香港の新聞「リンゴ日報」は、香港国家安全維持法に違反したとして警察に資金が凍結されたことなどを受けて、24日の朝刊を最後に発行停止に追い込まれました。学校への高校生の書き込みと新聞の主張を一緒くたに考えるのはいかがなものかと言う意見もあります。

しかし、たかが高校生の言動に4年もかけて合衆国憲法を持ち出して言論を戦わせるアメリカと、たかがスポーツ・芸能新聞の政府批判の表現が気に入らないと120年以上も続いた表現の自由を弾圧で消し去る世界人口の5人に1人を占める中国との違いは、単なる政権の違いとは言い難いものがあります。

検査の読み方

検査を見る人は、まず全検査IQ(WISC)とか総合尺度(KABC)が100よりどれくらい離れているかを見ようとします。心理検査の多くは100を平均にとって偏差値で得点を表現します。受験で使う偏差値の平均は50です。50から多いほど難関校の合格レベルになっていきます。しかし、検査は受検ではありませんので、100より多い数字だから良いという事ではありません。この数値は10以上ある検査の平均値に過ぎないからです。発達障害の子どものように能力に激しい凸凹がある人の平均値はほとんど意味がないのです。

学力で考えてみましょう。国語が10点で数学が90点ならこの人の平均点は50点です。クラスの平均点はどちらも50点だとします。ではこの人の全体的な学力は50点でクラスの平均学力なのでしょうか?そういうより、国語が超苦手で数学がめっぽう強いといった方がこの人の実態を表します。学力対策も平均50点の国数の対策をするより数学はおいといて国語の対策を集中的にとるのが当たり前です。

検査の結果も同じことです。KABCでいう同時(見て処理)尺度が115で、継次(聞いて処理)尺度85で他の2尺度が100なら、平均値の認知尺度は100です。この100を見て認知の力は標準と見てはいけないのです。言葉で理解する力は平均より低く、理解の早い図や絵も用いて説明した方がよいということになります。IQ(全検査IQや認知総合尺度)だけみても凸凹発達の人には意味がないというのはこうした理由からです。

一般にIQが安定するのは9歳以降と言われ、心理検査は3年生以降でないと大きく変化することがあります。また、IQと学力も必ずしも一致しません。研究によると4割程度しか一致しないのです。つまり、教え方や環境、本人の素質でIQは伸びるという事です。ただし、その人に適した教え方をやめるとIQが元に戻るという研究もあるので、いかに環境が重要かわかります。

検査の細かなことは、検査をした方が丁寧に説明をしてくれます。しかし、大事なことは、大枠を理解することです。大枠とは平均点でしかないIQではありません。大枠とは凸凹のプロフィールが何を意味するか理解し、凸凹のプロフィールつまり得意な事や苦手なことを組みあわせた支援のイメージのことです。

トークン・エコノミー法

トークンエコノミー法とは、ジョージア州立大学名誉教授テオドロ・エイロン博士(Teodoro・Ayllon)とノヴァ・サウスイースタン大学教授のネイサン・アズリン博士(Nathan・H・Azrin)によって開発され、1968年に出版された「トークンエコノミー(The Token Economy)」で紹介された方法です。

「トークン(ふだ)」とは本人にとって価値のある強化子と交換できる代理物のことです。例えば、適切な行動に対してシールを貼ってあげたり、丸印のチェックをつけてあげたり、クリップを置いてあげたりすることです。これらが決められた数だけ貯まったら価値のある強化子、例えば校長先生に褒めてもらえたり、休憩時間が5分伸びたり、好きなお菓子を買ってもらえたり、することが出来ます。このトークンと交換できる強化子を「バックアップ強化子」といいます。

このように事前に標的とした望ましい行動が見られたらトークンを与えますが、事前に標的とした減少させたい不適切な行動が見られた場合はトークンを没収します。このトークンを没収する手続きを「レスポンスコスト」といいます。例えば、授業中不適切な会話をしたらトークン1つ、立ち歩いたらトークン2つなど基準を設定し、それらの行動が見られたら基準通りにトークンを没収します(負の弱化)。ただ、「レスポンスコスト」は今日の応用行動分析の現場ではあまり使われなくなっています。

標的行動とトークンの基準、バックアップ強化子を視覚的に分かりやすく提示したり、リストを作成するなどして、いつでも確認できるようにすると良いです。

トークンエコノミーの良いところは、実用的であることです。例えば学校や事業所で課題に従事する行動に対してトークンエコノミーを用いる場合、どんなところでも用いることができ、課題を中断せずすぐにトークンを提示することができ、周りの子どもの邪魔にもなりません。

また、トークンを得られる基準を高めたり(例えば、1分間課題に従事できたらトークン1つから、3分間課題に従事できたら、5分間、10分間、と伸ばしていくなど)、バックアップ強化子と交換できるトークンの数を増やしたりすることにより(例えば、トークン3枚で交換から5枚、10枚。20枚と変更するなど)、バックアップ強化子を提示する頻度を減らし「飽和」(ご褒美に飽きる)を防ぐことが出来ます。家庭でも例えば冷蔵庫にトークンをつけるシートを貼り付けておいたりすると、子どもが事前に決めた適切な行動を示したらシートに1つチェックを入れるなどは、それほど手間がかからないと思います。ただ、子どもと契約もせずに、大人が勝手に変更すると一気に信頼性がなくなり使えなくなるので注意が必要です。

トークンエコノミーを導入する場合、まずはシステムの意味を理解してもらう必要があります。標的となる適切な行動とトークンが得られる基準、バックアップ強化子の種類と交換できるトークン数を明確にし、視覚的に分かりやすいように工夫して、子どもにシステムを説明します。コミュニケーションが可能であれば、ある程度話し合って子どもの希望も聞きながら、表的行動やトークン数等を決めると良いです。

最初はシールが2枚貯まったらバックアップ強化子と交換するなど、頻繁にバックアップ強化子と交換できる機会を作り、システムの意味を教えていきます。そして、徐々にシール5枚などに基準を高めていきます。子どもが理解でき、ごまかさない形式で、また紛失したりしないような環境に合わせた形式で、トークンエコノミーを用いていきます。トークンは学校運営にも有効であり、トークンなどの具体物を用いた強化子の方が、微笑と過賞賛といった社会的強化子よりも効果的であり、有利であるという報告があります。

京都市 介護従事者や保育士など対象 ワクチン優先接種始まる

京都市 介護従事者や保育士など対象 ワクチン優先接種始まる

06月28日【NHK】

京都市は介護従事者や保育士などのエッセンシャルワーカーを対象にした、新型コロナワクチンの優先接種を28日から始めました。

京都市左京区の「みやこめっせ」に設置された京都市の集団接種会場には、午前中から介護施設や障害者施設で働く職員やスタッフなどが次々に訪れました。

訪れた人たちは、5つのレーンに分かれて、健康状態に問題がないか確認する医師の問診のあと、順番に接種を受け、30分ほど待機して体調の変化がないか、様子を見ていました。

今回の優先接種は、京都市内で働く介護従事者や保育士、それに教職員など、生活を支えるエッセンシャルワーカーおよそ5万人が対象で、今後は、市バスの運転手やゴミ収集の作業員などにも拡大していくということです。

接種を受けた介護従事者は、「病院に行くことも多いので、早くワクチンを打って利用者の方に安心して付き添いたいです」と話していました。

京都市医療衛生推進室の板原征輝 担当部長は、「子どもを守るためにも、地域の人たちに接する職種から先に受けてもらっています。このまま計画が順調に進むよう、ワクチンの安定供給を国に要望していきたい」と話していました。

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京都市が京都府より動きが早いのは、人口がほぼ同じでもトップダウンでの「関所」が少ないからでしょう。府や県は協議したことを、各自治体におろし、各自治体はそれをまた協議して決定するという手続きがあり結果的に実施が遅くなるのかもしれません。普段はそれでもいいかもしれませんが、有事の時は政府からのトップダウンが早く末端まで届くようにしないと、有事の時間勝負の対応に間尺が合いません。

先日、京都府から事業所職員のPCR検査用の採取容器が送られてきました。ワクチン接種を一刻も早く広げようとしている時期に、頓珍漢なタイミングで送られて来た原因はわかりません。採取日のみ1日だけの感染検出のために症状のない何万人も検査を行い、陽性反応が出れば各保健所は事業所に行ってクラスター調査を行うことになり、ワクチン接種で投入すべき人員を割くことになります。当然事業所も、擬陽性であっても最低三日程度は休業が必要になります。

武漢株からインド株に変異していることが危険とメディアは煽りますが、インド株の主症状の多くは頭痛と鼻炎です。高齢者の重症化率はワクチン接種の広がりで顕著に減少しています。今は、ワクチン接種を高齢者と関係者に急ピッチで接種することが優先課題です。京都市が事業所PCR検査をとばして事業所職員ワクチン接種に取り組んだのかその両方を実施したのかはわかりません。ただ、一般的にはトップダウンが通りやすい仕組みは、決めたことでも状況を見て柔軟に変更する決断が早いと言えます。

先日、海外選手に陽性者が出ているのに、日本のバス運転手も自治体コーディネーターも選手と一緒にバスに同乗して宿舎に向かい、濃厚接触者と認定されたという報道がありました。感染しているかもしれない海外の選手に対応するのはとても感染リスクが高いです。ワクチン接種は高齢者からという順番ルールはあるけれども、ホスト自治体に海外変異株を広げないためには海外選手の対応をする関係者は優先してワクチン接種をすべきです。トップダウンの「関所」の自治体で協議の機会があったはずなのに、国からの指示はないとして何も変更して決められなかったのです。一方、接種のやり方は自治体に任されていると言うのが国の言い分ですが、全体を俯瞰して危機の予測ができるのは政府ですし、オリパラは国家事業です。こういう事態こそメディアは正確に取り上げて欲しいものです。

キャンプ

今夏は、経費削減でキャンプに出掛ける人が多いそうです。家族だけでなく空前のキャンプブームだそうです。『オートキャンプ白書』によると、2012年に720万人だった利用者は、2018年には850万人に増加し、6年連続して増えているそうです。野外キャンプを推進する団体が行った小学生対象の調査で「キャンプで一番楽しみにしていることは?」、1位は温泉。自由記述の「一番やりたいことは?」で最も多かったのは「ぼーっとしたい」でした。小学生が、中年サラリーマンのような回答で、みんなどんなキャンプだったのか、ちょっと気になります。

キャンプといえば、楽しくバーベキューをして、焚火の前で飲み食いしながらのおしゃべりが楽しいのですが、労せずその時間が待っているわけではありません。到着したら、まずはテント設営を家族全員で行い、タープ(日よけ雨よけ)を張り、子どもらと水汲み小枝集め、包丁を持つ子と、荷物やシュラフ(寝袋)のテント内整理の子に分かれるといった日常よりもすべき仕事、果たすべき役目がたくさんあります。これらを覚えさせ習得させるまで、ある程度時間がかかります。手伝っては虫を追いかけ、水を汲んでは川に石投げする子どもに、「大人ばっかり働いてるし、手伝わんならキャンプに連れてこんよ!」と叫んでいたりします。叱られた子は「もう、キャンプなんか嫌やし」とすね始めます。でも、うまく火が起こせたら「すごい!ありがとう!」と褒められ、水を運べば感謝されと、仕事を達成すれば何回でも褒められる環境なので子どもたちはまんざらでもありません。テントが設営された瞬間。タープが張れた瞬間。焚火に火が回り始めたとき。自分が切った具材の入った食事が出来上がったとき。子どもも大人も大きな達成感に包まれます。

たかが年に1、2回のキャンプかもしれませんが、子どもは野外活動で何かを獲得すると思います。最初は仕事の中身がわからなくてもめたりするけれど、最終的には自分から仕事を見つけて取り組みます。すべてが「内発的な動機づけ」です。内発的動機づけは、賞罰など外からの強制力に依存しない自発行動です。子どもが大好きな焚火。木を運んで、自分でくべて、乾燥しているものがよく燃えることを知って仲間に伝えていきます。何かを買ってあげるからというような「外発的動機づけ」で木を運んでいないから発見し伝えようとするのです。森の中の遊びなど、さまざまなところに自由があり、子どもは、自由を獲得してこそ、成長があります。

遊びに夢中になって雨に降られてびしょぬれになれば、次回は「風が出てきたら雨が降る」などと風や空の様子を感じながら遊ぶようになります。夕立がくれば、テーブルやいすをたたんでビニールシートをかける等、応急作業を家族や仲間と協力して迅速に行なえるようになります。昼食の枯れ枝を集めに行けば、たくさんある所見つけ夕食分もついでに拾う等、すべての体験が自分で考え判断する力や段取りする力につながります。ただし、最初からテントやコテージがあり道具もすべて整備された今流行の「グランピング」はここでいうキャンプではありません。不便さがあってこそ大事な宝物が獲得できるのです。それから、子どもが大きくなったら家族キャンプには誘いにくくなります。思春期は親は大抵うざい存在です。また友達同士で何かを成し遂げる価値を感じる時期です。家族でキャンプ、知り合い家族と合同キャンプは小さなうちの期間限定の値打ちがあると言えるかもしれません。

COCOAアプリに不具合

感染者 接触確認アプリに不具合 修正まで通知なし 新型コロナ

2020年6月23日 12時24分【NHK】


新型コロナウイルスに感染した人と濃厚接触した疑いがある場合に通知を受けられる、「接触確認アプリ」に不具合が見つかり、厚生労働省がアプリの修正を進めています。修正を終えるまで、感染した人への番号の発行を見合わせるため、接触の通知は行われないことになります。

アプリは、今月19日に運用が始まり、スマートフォンを持っている人どうしが15分間以上、1メートル以内に近づくと、相手のデータを互いに記録します。

利用者が新型コロナウイルスに感染した場合、保健所から発行される処理番号をアプリに入力すると相手先に濃厚接触の疑いがあると通知されるしくみで、23日午前9時の時点でおよそ371万件ダウンロードされています。

ところが、厚生労働省によりますと、処理番号について、誤った数字をアプリに入力すると「失敗」と表示されるはずなのに、正しく登録できたことを示す「完了」と表示されてしまう不具合が見つかったということです。

厚生労働省は不具合の修正を進めていますが、混乱を招くおそれがあるとして、修正を終えるまで感染した人への処理番号の発行を見合わせています。

このため、この間に感染が確認された人に関する接触の通知は行われないことになります。厚生労働省は、今後の見通しについて明らかにしていませんが、なるべく早く修正を終えたいとしています。

加藤厚生労働大臣は、記者会見で、「次の感染拡大に備えて、アプリをできるだけ早く利用してもらえるよう、最初のバージョンをリリースしたが、最初の1か月間は試行版という位置づけだ。不具合については、改善作業を進めており、作業が終了した時点で、修正版としてアプリを更新したい。それほど時間をかけずに対応したい」と述べました。

竹本IT担当大臣は、記者会見で、アプリのダウンロードが、23日午前9時までの時点で、およそ370万件に上ったことを明らかにし、「国民の6割が利用しないとクラスターの発見はできないという説もあるが、6割というのはなかなか大変だ。濃厚接触の可能性の通知を受けた人がPCR検査を行うなどの積み重ねの結果として、クラスターを発生させない効果が期待できる」と述べました。

小児科医に聞く 子どもにも多い「ビタミンD欠乏症」

小児科医に聞く 子どもにも多い「ビタミンD欠乏症」が身体に与える影響は?

6/29(火)【ベネッセ】

子育て食についての本を著した小児科医の伊藤明子先生は、子どもの発達障害の研究とビタミンDの研究をしているドクターでもあります。そこで今回は、ビタミンDの働きと健康の関係について、お伺いしました。

増え続けている子どものビタミンD欠乏症
日本の0~15歳の「ビタミンD欠乏性くる病」と診断された子どもの数がここ数年で、3倍以上増えています。原因は2つ、太陽光を浴びていないことと、動物性タンパク質の摂取不足ではないかと考えられています。

近頃の保護者のかたは、太陽によるシミ・シワを嫌がったり、皮膚がんリスクをおそれるあまり、お子さまが日光浴するのを避けたり、かつ日焼け止めをしっかりと塗布するかたが多く見られます。これに加えて、卵や魚などの動物性タンパク質の摂取量が少ないと、「くる病」のリスクはどんどん高まってしまいます。

「我が家は、日光浴させています」というかたの場合も注意が必要で、保護者のかたが子ども世代だった当時は、例えば、冬場は1時間日光にあたっていればビタミンDが生成されると言われていましたが、現在では温暖化などの地球の環境の変化により、東京以北では十分ではない*(コラム下参照)ことが、環境省の発表で明らかにされています。

ビタミンDは体全体に関わる要素
ビタミンDが不足しているのは、子どもだけではありません。
日本では、まだ大人のビタミンD欠乏に関する正式がデータは発表されていませんが、日本と似たようなライフスタイルで暮らす韓国では、調査対象の7割超がビタミンD欠乏症だったというデータがあります。私のクリニックに不調を訴えていらっしゃる患者さんの血液検査をすると、およそ9割のかたがビタミンD欠乏症であることがわかります。実感としては、日本でも同じくらいのビタミンD欠乏症のかたがいるのではないかと思っています。

ビタミンDは骨だけではなく、全身にかかわる要素なので、皮膚や免疫、メンタルやがんにも関係しています。ビタミンDの数値が低い人は、女性の場合は乳がん、男性の場合は前立腺がんのリスクも高いということもわかっていますし、結核などの感染症にもなりやすいのです。

また、メンタルの面でも、うつや精神疾患との関係も研究で出ており、ビタミンDの数値が低いお子さまに発達の課題がある子が多いことや皮膚トラブルが多いことなどを示す研究もあります。

ビタミンD不足の解消は健康的な食事から
一方で、ビタミンDの量は一般的な健康診断の血液検査では項目として含まれていません。気になるかたは、栄養療法をおこなっているクリニックなどに相談するのがおすすめですが、まだ日本全国には行き渡っていないのが現状です。

ですで、まずは直接口に入れる食べ物から、ビタミンDを摂取してほしいと思います。どのような食べ方がよいのかは、「小児科医が実践している、健康レベルが決まる食事法とは?」を参考にしてみてください。
食生活を変えることで、家族全員がもっともっと元気になれるといいですね。

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「暑いし、中で遊ぶ」子どもの口癖です。そのたびに(外遊びの科学的根拠:2020/12/02)で書いたように外で遊んで背を伸ばすビタミンDを体内に生成しようと外遊びを促しています。それを聞くと「しゃーない(しかたがない)なー」としぶしぶ外に出ていく子どもたちです。これから暑い日ばかりですから、本来ならプールや水遊びが熱中症を防ぎながらの遊びには最適なのですが、まだ水場はコロナストップが解除されていません。

学校や公共施設で水遊びができるようにして、子どものビタミンDの生成を支援し、夏休み明けの子どものうつ病等を原因とする不登校を防止しようと言う行政関係者はいないものでしょうか?いつまでも世界からすればさざ波程度の陽性者数の増減ばかりに注目せず、子どもにとっては鼻かぜ程度の症状なのですから、子どもの生活や健康を維持することも考え、決めたことでも状況によっては変更して、柔軟でバランスのいい施策をしてほしいものです。

*大気の対流でオゾンは低緯度から高緯度に運ばれ、オゾン生成のもっとも盛んな太陽直下の低緯度上空よりも、高緯度上空のほうが高密度となる。これが、温暖化によってさらに加速され、高緯度の紫外線量が低下する。

帰省対策

お盆が近づきました。お盆にはいつも会えない、おじいちゃん・おばあちゃんに会いに田舎に帰省される方も多いと思います。ただ、帰省は発達に凸凹のある子どもたちにとってストレスフルな行事となる子もいます。移動に時間がかかり、体力を消耗する。いつも会わない人に何人も会う。いつもと違う環境での寝泊まり、飲食。団体行動を強制される行事(法事・お墓参り・おでかけなど)等「いつもと違う状況」では不安が高まりやすくなります。その結果、いつもできていることもできなくなってしまうかもしれません。

そんな時に、おじいちゃんやおばあちゃん、親戚から「〇年生なのにこんなこともできてないの」と怒られたり、マイナスな言葉をかけられたりする場合があるかもしれません。最終的には「しつけをちゃんとしてるの」と親もつらい思いをすることがあるかもしれません。まだまだ、「子どもができていないことは親のしつけが悪い」「できないことは叱って教えるものだ」というしつけの文化が根強く発達障害に適した子育ては理解されていません。

本来は、おじいちゃん・おばあちゃん、親戚に事情を話して理解してもらうのが子どもにとっては一番ベストですが、少なくとも保護者が相談しやすいキーパーソンを一人決めて事前に相談すればどうでしょうか。帰省する前に「叱ることで自信がなくなってしまう」「褒めることに力を入れたら素直になってきた」と伝えるのです。

帰省先は基本的に子どもにとってストレスになる場合が多いです。生活のリズムが崩れないように調整し、いつも以上に、当たり前にできていることに目を向けて、細かく褒めることが大切です。そうすると子どもの調子がいい状態が作りやすく、自分から良い行動をとろうとし怒られる場面が減るかもしれません。

一方で、実家の祖父母が穏やかで包容力のある方なら実家が大好きになる子どもも少なくありません。そういうケースでは、家庭でうまく取り組めなかった朝型の生活リズムへの修正や、静かなゆったりした田舎の環境で好きな活動をたくさんさせて、思う存分リフレッシュさせましょう。子どもの調子が自宅より良いなら実家に始業式前まで預かってもらうのも悪いことではありません。子どもが多様な人と穏やかに関わるのはとてもいいことです。リスクは早めに察知して対策を考え、メリットは積極的に生かして夏の後半を乗り切りましょう。

自閉症の天才ピアニスト

17歳でデビュー!自閉症の天才ピアニスト 母が語る「子育てで人の手を借りることは、恥ずかしいことじゃない」

6/15(月) 8:05【たまひよオンライン】Benesse Corporation


17才という若さで「天才ピアニスト」と言われデビューした紀平凱成(カイル)さん。3才で自閉スペクトラム症と診断され、聴覚過敏や視覚過敏に悩まされながらも、現在、ピアニストとして活躍しています。懸命に支えてきた母・紀平由起子さんに話を聞きました。

元気のない私に、凱成はいちごをくれた
――母目線のエッセイ『カイルが輝く場所へ』を出版されましたが、乳幼児期の思い出は?

紀平さん(以下敬称略) 凱成はとてもおとなしい赤ちゃんで、おなかがすいたときや眠いとき以外、激しく泣くこともありませんでした。よく笑い朗らかで、手がかからないと思っていたくらい。ただ、6カ月を過ぎてもおすわりをせず、母子健康手帳の成長目安に比べて成長が遅れているのかなと思うことはありました。

――自閉スペクトラム症とわかったのはいつごろですか?

紀平 正式に医師に診断されたのは3才になってから。でも2才前くらいから走り回って、目が離せなくなっていました。「ワンワン、きた」といった二語文が出ず、言葉の遅れも気になっていました。ただ、当時は発達障害について情報も少なく、個人差の範囲かな、と。2才4カ月のとき、自治体に相談して健診を受けたところ、療育を始めることに。「自閉症の傾向があります」と言われたときはどこかほっとしました。原因があるなら治療ができると勘違いしたんです。

――自閉スペクトラム症を含め、発達障害は脳機能の障害なので、完治はしないと言われていますね。

紀平 はい、それを知ったときは落ち込みました。でもそのとき、いつも動き回ってばかりの凱成が、ふと私の前にきてぎゅっと抱き締めてくれたんです。別の日にも大好きないちごを「あげる」と差し出してくれた。何も見てないようで親の普段とは違う様子を感じていたんですね。凱成の優しさに励まされました。

小学1年生のころから、夢は「ピアノを弾く人」

――凱成さんは幼いころから音楽に興味を持っていたのですか?

紀平 私も夫も音楽好きで、凱成が赤ちゃんのころから家にはドラムやギター、電子オルガンなどの楽器がありました。凱成は楽器をおもちゃ代わりにして、よく夫のひざの上に座ってドラムをたたいていました。2才を過ぎたころ、アニメのテーマソングを聴いて、電子オルガンでそのとおりに弾いたんです。「教えていないのに?」と驚きました。その後も耳にした曲をどんどん弾いたり、ギターのコードを勝手に調整するなど、突出した才能があるのかも、と思わされる出来事が重なりました。

――それでピアニストをめざしたのですか?

紀平 小学1年生のときに学校で将来の夢を聞かれて「ピアノを弾く人になりたい」と答えたんです。まさか「将来」について考えているなんて思っていなかったのですが、しだいに、「ピアニストになりたい」と言うようになり、私たちも真剣に応援し始めました。

――デビューするまでの苦労は?

紀平 小学5年生くらいから聴覚過敏や視覚過敏がひどくなり、ピアノもイヤマフ(防音具)をつけて苦しみながら弾くように。とてもつらい状態が数年続きました。それでも本人は一度もやめたいと言わず、一貫して夢を追い続けました。そんな彼を支えないわけにはいかなかった。そしてご縁がつながり、17才でデビューできました。

困難を乗り越えて、ピアニストに挑戦する息子へ
――夢を果たした凱成さんへ、今の思いをお聞かせください。

紀平 下を向いて日常を過ごしていた凱成が、デビュー後は人前に出て演奏をしたり、取材を受けたりできるようになりました。障害は完治しなくても、困難を克服しようとする本人の頑張りと成長に信じられない思いでいます。

――今、子育てを振り返って、思うことは?

紀平 障害がわかった当初、私も夫も人に迷惑をかけてはいけない、と自分たちだけで凱成の面倒を見ようとしていました。でも、今の凱成があるのもこれまで支えてくれた人たちがいてこそ。子育てで人の手を借りることは恥ずかしいことじゃない、親がゆとりを持って子どもに愛情深く接することができるなら、そのほうが大切だと、今になって気づくことができました。今、子育てをまさに頑張っているママ・パパたちにも、そのことをお伝えできたらうれしいですね。
紀平凱成(きひらかいる)
Profile
2001年生まれ。2019年4月、17才でピアニストとしてデビューを果たす。デビューアルバム『Miracle』が好評発売中。イベント情報はオフィシャルサイトに掲載。

紀平由起子(きひらゆきこ)
Profile
1971年生まれ。幼いころから音楽に親しみ、かつて仕事をしながらシンガーソングライターをめざしたことも。出産を機に子育てに専念し、現在は、凱成さんの音楽活動をサポートする。

書籍『カイルが輝く場所へ 発達障害のわが子がピアニストとして羽ばたくまで』

3才で自閉スペクトラム症と診断され、聴覚過敏などに苦しみながらも、ピアニストになる夢をかなえた紀平凱成さん。息子に寄り添い続けた家族の軌跡を、母・由起子さんがつづったエッセイ。子どもをあるがままで受け入れることの大切さを教えてくれる一冊です。紀平由起子著。1300円/NHK出版