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みんなちがってみんないい

指標該当

放課後等デイサービス「指標該当」 10/10 で、この指標は「強度行動障害の判定基準で放デイ該当児童を決める」に等しいと述べてきました。放デイは発達期の児童を対象にしており、療育や教育の内容によっては行動障害を予防する効果も上がるので、児童の現在の状態が手がかかるかどうかで、つまり老人や成人のものをそのまま持ってきて判断すべきではないということです。また行動障害は前思春期頃から徐々に生活が困難になって顕在化していくことが少なくないので早期の介入が重要であるということからもこの基準は適切とは言えません。

もちろん、厚労省は夫々の自治体で判断基準を設ければいいとして一律にこの基準を押し付けてはいないとしますが、表を出せば安易に表に引きずられてしまいます。ICFは障害だけに着目するのではなく、障害を「参加の状態」として見ていくべきだと障害観を変え厚労省もその見方に変わってきているのに、こういう得点表になるとあっという間に障害だけを切り取る視点になってしまいます。重要なことは、一人でお店で買い物ができるコミュニケーションや移動能力を持っていなくてもどういう環境なら実現できるかとか、映画館やミュージアムで鑑賞したり公共交通機関はそのままでは使えないけれどこういう支援があったら使っていけるよという事をチェックしなければ意味がないのです。不適切な行為と言っても、家ではそれにあたらなくても百貨店では不適切な場合もあるからどう支援すればうまく行くとか、そううつ状態も場面場面で違う様相を見せるから何を注意すればうまく行くかという内容こそが得点化されなければならないのです。

社会参加の場面でどうなのか、同世代と同じように参加するにはどういう支援がいるのかということです。そういう意味では、行政が親だけに聞き取りをするのもおかしな話で、それこそ支援者も参加するケアマネ会議を持つべきです。相談事業はこうした本人の参加をどう支援していくかを当事者や関係者とともに考えていく事業だったはずです。行政が当事者の参加状況の可能性も考慮して考える余裕や、ありきたりのサービスプランを書くだけで相談員がせいいっぱいにならない施策が必要なのです。基準というのは平等ではあるけれど、条件がそれぞれ違う個人には全く公平ではないのです。それを言えるのは今の制度では保護者の皆さんだけとういうのが、不公平を再生産しないか危惧しています。

そして、現状では余裕のない判定環境はすぐには変わらないのも事実です。従って、学童期の当事者支援については、教育支援委員会で切れ目のない支援をめざしてそれなりに相談時間をかけて親とともに支援環境や校種※を選択しているのですから、行政の縦割りを乗り越えて、これを一つの公的な相談の結論として福祉行政も共有すれば良いと思います。 

※学校教育法施行令第22条の3の特別支援学校の知的障害の就学基準は、「1、知的発達の遅滞があり、他人との意思疎通が困難で日常生活を営むのに頻繁に援助を必要とする程度のもの 」「2、知的発達の遅滞の程度が前号に掲げる程度に達しないもののうち、社会生活への適応が著しく困難なもの 」とその全般的な支援の必要性を認めている。

特別支援教育「全教員が2年以上の経験を」 文科省検討会議教育「全教員が2年以上の経験を」 文科...

特別支援教育「全教員が2年以上の経験を」 文科省検討会議

2/24(木) 【毎日新聞】

特別支援教育を担う教員をどう育成するかについて議論している文部科学省の検討会議は24日、すべての教員が採用後10年程度の間に、特別支援学級の担任などの経験を2年以上積むことが望ましいとする報告書案を大筋で了承した。専門性を持つ教員を育てるとともに、特別支援教育の経験を通常学級での実践に生かしてもらう狙いもある。

文科省は報告書案に基づき、全国の教育委員会に人事制度の改善などを促す。

通常の小中学校で特別支援教育を受ける児童・生徒は急増している。特別支援学級に所属したり、通常学級に籍を置きながら一部の授業を別室で行う「通級指導」を受けたりする子どもは、2011年度は約22万人だったが、21年度は約46万人と2倍以上になった。

こうした子どもは今後も増加が見込まれ、特別支援教育の担い手の育成が求められている。しかし、小中学校の校長は実践経験が乏しく、校内の一部の教員に頼るケースが多いとされる。また、特別支援学級の担任は、年度ごとに契約が更新される不安定な臨時教員の比率が高い。

報告書案はこうした現状を改善するため、「特別支援教育の経験がある教師を増やしていくことが必要」と指摘。採用から早い段階で実務経験を積むことに加え、普通学校と特別支援学校の人事交流を一層促進したり、教育委員会の幹部を登用する際に特別支援教育の経験を考慮したりすることを提案した。【大久保昂】

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昔は、と言うと「また昭和の古の話か」と思われそうですがその通りです。指導力がありリーダー格の教員が、特別支援学級の担任か教務主任かどちらかを担当するというのが、良い学校の典型でした。つまり、校長教頭は除きトップレベルの教員を支援学級担当者に充てたのです。悪い学校の典型は、支援学級の担任が経験の浅い講師であったり、通常学級で指導力不足の教員であったり、体力が持たない定年前の教員を充てる学校です。

トップレベルの教員が支援学級の担任をすることによって、学校全体の特別支援教育や多様性教育が自ずと進むのです。逆に指導力がないと職員全体から見られている教員が支援学級を担当すると、特別支援教育や人権教育が進まずいじめや生徒指導案件が噴出する傾向があったように感じました。

全ての教員が特別支援学級を担当するのは良いことですが、大事なのは適材適所だと思います。機械的に特別支援学級や通級担当者を命じられても、教科書のない特別支援学級や通級指導教室は何をどうしていいのか分からないまま1年が過ぎていきます。特に通級指導教室担当者はアセスメント力量と知的遅れのない3障害(ASD・ADHD・LD)への多くの知見が求められます。

複数で担当するなら特別支援の新米教員を数年おきに入れ替えることもできるかもしれませんが、一人担任なら子どもが迷惑です。毎年力量の低い担当者では困るのです。そもそも、通級担当者は、小さな学校では育成が困難ですから自治体の教育委員会籍で少人数のチームを作った方が良いかもしれません。教員でも指導技術は集団で学び合うという視点がないと、せっかくのアイデアも絵にかいた餅にならないように合理的なシステムを考えて欲しいと思います。

情報掲示板スタート

このページは、福祉・医療・教育の分野でトレンドになっているトピックを取り上げて、スタッフの私見も含めて紹介していきます。引用先を掲載するので読者の皆さんの参考にしてください。

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NHK連ドラ「スカーレット」

NHK連ドラ「スカーレット」今日は不覚にも泣いてしまいました。

陶芸を導いた大好きな夫の助言を振り切って穴窯に没頭する妻の我儘とその才能への嫉妬心から夫は家を離れます。一人息子の子育てを終え実母を見送った妻は、名声をあげた陶芸では埋められない空虚を、元夫に再会してもうまく伝えられません。

(工房で電気窯を見ている八郎)

喜美子) おう。

八郎) えっ…。

喜美子) おう。

八郎) えっ…?

喜美子) ハチさん呼んでええ?

八郎) えっ?

喜美子) 喜美子呼んで。

八郎) はっ?

喜美子) 喜美子ぉ呼べ。

八郎) あの…。

喜美子) ええやん、もう喜美子呼んで。

八郎) いや…あっ、えっ、あ…あの…。

喜美子) もう普通にいこうや。

八郎) 普通?

喜美子) ハチさん。喜美子。なっ?普通にいこう。

八郎) 何やねんいきなり。

喜美子) せやからな、何やこう…ここ? ここ? よどんでる感じあるやん。

八郎) よどんでる?

喜美子) よどんでるいうか、う~ん…重々しい。

八郎) 重々しい…。

喜美子) ちゃうか、ちゃうな。こう…これ、な…何て言う?え~ほやから…。

八郎) 意識…。

喜美子) えっ?

八郎) 意識し合うてる。

喜美子) そや。意識し合うてるんやな。えっ、うちのこと意識してる?

八郎) そら。

喜美子) 意識してるん?

八郎) いやまあしてへん方がおかしいやろ。

喜美子) うちもしてる。

八郎) おおっ、してるやん。

喜美子) ほななくせ。

八郎) えっ。

喜美子) なっ? 意識し合うてる感じ、はい、なくして。はいはいはいはい。

八郎) いやいや「はいはいはい」いうてそんないきなり…ちょちょちょ…ちょっと、待ってえや。あのな、座る? もう座りましょう。

喜美子) ええ。

八郎) ちょ…もう、ほなもう…えっ何をそんないきなり…。怒ってはるんですか?

喜美子) もう堅苦しいのやめようや。そらいろいろ思うこともあるやろ、うちかてあるわ。いやあるか? ないわ。もう分からん。もう分からんけど、もう何年も前のことやで? いつまでも引きずる年でもないやん。周りに気ぃ遣わせてやで? この前の…この前のあれかてそうや。照子に信作にほんで小池ちゃんもな、もううちらに気ぃ遣てたん分かったやろ?

八郎) 分かった…。

喜美子) そんなん悪いなあ思わんかった?

八郎) 思た…。

喜美子) 武志かてそうやで。気まずいんちゃうんかって聞いてきよった。

八郎) そうなん?

喜美子) ほやからな、普通にしよ。

八郎) ふ…ほな普通てどういうのいう。

喜美子) せやから何回も言うてるやん、ハチさん。喜美子やん。

八郎) 名前?

喜美子) ハチさんはそっからやろ?そっから変えていかんと。

八郎) あ~。

喜美子) 「あ~」やないで? 言うてみ。「喜美子」言うてみ。

八郎) 喜美子。

喜美子) ちゃうなあ。

八郎) もう分からへん…。

喜美子) 何もないねん、もう何もないねん。さっぱりとな? お互い、さばさばいこうや、なっ、分かる? うちできるで。もう手ぇ触っても何ともない。ほら、こんなんもできるで、ほらほら。お~ハチさん久しぶり、おうおうおう、おうおうおう。

(八郎に抱きついた喜美子の顔が真顔になってしまう)

 ・・・あかん・・・・・歳とった〜。

 

ベトナムの小学校が新型コロナ対策

たしかに合理的!ベトナムの小学校が新型コロナ対策で導入したランチタイムのシフト制

2021.02.16 ライフスタイル 【@DIME by 小学館】

5分~10分おきに昼食をスタート!手洗い場所の混雑緩和
ホーチミン市内の学校では、COVID-19感染予防対策として、3密を避けるためにランチの時間にシフト制が導入された。

従来はすべての学年が同じ時間に昼食をとっていたが、子ども同士の接触を減らす工夫がされている。また、下校時間なども多くの子どもが集まらないように時間差で行動するようになった。

昼食時間は、各クラス5分から10分間隔でスタートする。開始時間をずらすことで食前、食後の手洗いの場所の混雑を避けることにもつながっている。食器やトレイも同じものを使用しないように管理されている。

学校としては現在の方法は運用が少し大変だが、子どもや教師の健康を守ることができるとして評判が良く、保護者からも子どもの健康が考えられていて安心と好評だ。

ベトナムのCOVID-19対策は「5K」
COVID-19の発生で、旧正月明けから約3か月間ベトナム国内のすべての学校は閉鎖された。5月上旬より順次学校が再開。学校内の消毒や清掃が行なわれ、登校時の検温、マスクの着用(着用がない場合は目や鼻、口を触らないように指導)など様々な対策が取られた。

ベトナムでは、COVID-19対策として3密のほかに、「5K」が用いられる。

KHẨU TRANG(マスク)、KHỬ KHUẨN (消毒)、KHOẢNG CÁCH (間隔)、KHÔNG TỤ TẬP (密集を避ける)、KHAI BÁO Y TẾ (健康宣言)の頭文字をとったものだ。

教育現場での取り組みは、子どもや保護者などに広がり、国民全体の衛生意識向上に繋がることが予想される。

参考記事:http://tnc-trend.jp/vietnam64/

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ベトナムでの感染者数は減少傾向にあり、平均で1日28人の新規感染者が報告されています。パンデミック(世界的大流行)開始以降、同国では感染者2271人、死者35人が報告されています。ベトナムの人口は1億人弱、桁違いに少ない死者数とも言えます。65歳以上の老齢人口は800万人程で8%、3600万人で3割に迫る我が国の死者数7000人を比べるのは公平と言えないにしても、我が国の200分の一ですから桁違いに少ないのです。

ベトナムの国全体の海外からの渡航者ストップが共産主義国らしく手際よかったからと言う見立てもありますが、それだけでは説明が成り立ちそうもありません。やはり、東南アジアの人々の抗体形成過程や遺伝子DNAレベルで解明されるべきことがあるのかもしれません。

この時間差学校給食はグッドアイデアです。しかし、写真は完全に密な状態で並んで給食食べているけど、それって日本では感染原因とされて緊急事態宣言まで出して、そういう食べ方はいけないのでお店はお休みとなっています。今回のタイムシフト性がグッドアイデアだけに頭隠して尻隠さずに見えてしまいます。

幼い日に発達障害と診断、そして... 親子で目指すピアニストへの道

幼い日に発達障害と診断、そして... 親子で目指すピアニストへの道

3/1(火)【朝日新聞】

幼いころに発達障害と診断され、その後数々のピアノコンテストで優秀な成績を収める高校生がいる。札幌市の高校1年土田裕利(ゆうり)さん(16)。年初の「ショパン国際ピアノコンクール in Asia(アジア大会)」の高校生部門で金賞を獲得。プロのピアニストを目指して練習に打ち込んでいる。

1月12日のコンクールで土田さんは、ショパンの「スケルツォ第4番作品54」と「練習曲作品25―6」を演奏。高校生部門(ホール審査)の最高賞金賞2人のうち1人と、同部門ソリスト賞に選ばれた。「ミスしたところがあったので驚いた。うれしかった」と話す。

2、3歳ごろから、空気清浄機をピアノに見立てて遊ぶ「演奏会ごっこ」に熱中した。5歳のときから、きょうだいの影響でピアノ教室に通い始めた。

しかし教室ではじっと座っていられず、黒板に落書きを始めたり外の物音を気にしたり。幼稚園でもぼんやり立っていることが多かった。心配した母智美さん(47)と診察を受けたところ、発達障害の注意欠陥障害とアスペルガー症候群と診断された。

小学4年生までは特別支援学級に通った。ピアノを弾くのは得意だったが、楽譜がうまく読めず、智美さんが五線譜を指でたどって導いた。先生に「テンポが速い」「音が強いよ」と言われるとどうしていいか分からなくなってしまう。付き添った智美さんが「ゆっくり弾いて」「弱くして」と言い換えると、どんどん上達していった。

周囲の支援も受け、5年生から普通学級に。中学校では勉強のコツも覚え、成績も上がり札幌東高へ進学した。

7歳のときから指導する札幌市中央区のピアノ教師、永井礼子さん(68)は「発達障害のお子さんに教えるのは初めてだったが、しっかり話も聞けるし困ることは一つもない」。練習曲でも情感を込めて「歌う」ように弾くのが裕利さんの特徴だという。

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ピアニストで発達障害を思い出すのは漫画『のだめカンタービレ』です。TVドラマでは野田恵(のだ めぐみ)を上野樹里がASD(であろう)のピアニストをコメディータッチに描きます。原作漫画のモデルは実在しますが、テレビドラマで上野樹里が演じる「のだめ」モデルはASDピアニストの「野田あすか」ではないかと(のだめカンタービレ: 2020/11/13) で以前掲載しました。

行動問題があると、特別支援学級に入級と言うパターンが少なくないですが、ASD児の場合小学校高学年から中学生くらいで「霧がはれる」ように社会適応できるようになる人もいますから、特支級から通常級にリリースする場合もあるはずです。でも、才能の片りんはもっと小さな時期から見せていることが多いです。それを見抜くのは芸術や音楽、科学の世界の楽しさを知っている人たちです。

発達障害だから才能があると言うわけではありませんが、好きなことをとことん追求する強い癖がある人は、その世界の人たちがそばにいると音叉のように共鳴しやすいのだと思います。天才と言われる人たちの中にASD者が多いのはそのためだと言われています。

保育所等訪問支援事業

すてっぷでは保育所等訪問支援事業を実施しています。

障害児が障害児以外の児童との集団生活に適応することができるよう障害児の身体及び精神の状況並びにその置かれている環境に応じて適切かつ効果的な支援を行うものです。支援には当事業所のスタッフ(訪問支援員)が当たります。

すてっぷの利用者の方でも外部の方でも利用できます。保育所等とありますが、児童の利用するところなら、保育所・幼稚園・小学校、特別支援教室、放課後教室等で実施できます。詳しくはスタッフまで。 

親子の関係性の悪循環を理解する

通常、親子の関係性に問題がある場合、親子の関わりや行動に悪循環が生じているものです。子どもが問題行動を起こす→親が頭ごなしに叱る→子どもは、「どうせダメな子なんだ。」と思い、反抗したり、反省する意欲を持てなかったりする→親は、子どもの態度にガッカリし、態度に出してしまう→子どもは、ますます意欲をなくして反抗する(最初に戻る)。ペアレントトレーニングを受ける親は、子どもへの関わり方や関係性に悩みや不安があり、改善意欲を持っていますが、目の前の出来事への対応に手いっぱいで、悪循環に気づいていないことが少なくありません。そのため、まずは、親子の関係性の悪循環に目を向けるところから始めます。

日常生活における子どもの行動について、以下の3つに分類します。
1.好ましい(増やしたい)行動:家事を手伝う、学校の準備をする、兄弟の面倒を見るなど
2.好ましくない(減らしたい)行動:宿題をしない、好き嫌いをする、言うことを聞かないなど
3.許しがたい(絶対に止めさせたい)行動:他人に対する暴力、自傷行為、物を壊すなど
子どもが好ましくない行動や止めさせたい行動について、状況や頻度、親の対応、子どもの反応を思い出し、言語化もしくは文章化して、冷静かつ客観的に振り返ります。そして、親の関わり方のポイントを学習するとともに、実際に子どもが問題行動を起こした場面をロールプレイで再現し、学習したことを実践してみます。一方で、好ましい行動についても、状況、親の対応、子どもの反応を書きだします。その上で、子どもの心に響く褒め方や、子どもの良いところを見つけるコツを学習します。

例えば、嫌がる子どもに宿題をさせる時や、おもちゃを片付けさせる時などは、親子げんかになったり、子どもが言うことを聞かなかったりしやすいものです。こうした場面で、子どもが自発的に好ましい行動(親がさせたい行動)を取れるような、上手な指示の出し方や、子どもが指示を聞かなかった時の対応について学習します。

ペアレントトレーニングが発達障害の子どもを持つ親のトレーニングとして注目され、たくさんの親が興味関心を持つようになるにつれて、いくつかの誤解も生じています。ペアレント(親)トレーニング(訓練)という名前から、問題のある親を指導するものだと誤解している人がいます。しかし、ペアレントトレーニングは、「悩みや不安が強くてうまく発揮できていないけれど、親が元々持っている「子どもを育てる力」」を引き出すためのトレーニングで、親を問題視して指導するためのものではありません。また、ペアレントトレーニングのカリキュラムには、「無視をする」という内容が含まれています。しかし、ペアレントトレーニングにおける無視は、子どもが自分の行動が好ましくないことだと気づかせるための行動で、いじめや児童虐待で問題となる無視とは意味合いが異なります。また、子どもが好ましくない行動を止めるとすぐ褒めるなど、子どもの心をケアするためのテクニックも同時に学習します。

興味のある方はスタッフまで。

ICT化を加速 コロナ禍、幼稚園でも

学校現場のICT化を加速コロナ禍、幼稚園でも環境整備

2021/2/18 07:00【神戸新聞NEXT】

兵庫県教育委員会は2021年度、学校現場でのICT(情報通信技術)化を加速させる。新型コロナウイルスの緊急事態宣言を受けた長期休校を経験し、遠隔地と結ぶオンライン授業の充実も期待されており、教職員が使いこなせるよう指導力向上に力を入れる。(斉藤絵美)

県内の全小中学校では、国の事業を活用し、3月末までに児童生徒に1人1台の端末が行き渡る見通し。県立高校でも昨年9月から各学年に1クラス分のタブレット端末を配備し、授業で活用している。

県立高校や特別支援学校でも21年度、「1人1台」の実現に向けて、低所得世帯の生徒にタブレットやパソコン(計1万2千台を想定)を無償で貸与。自宅にネット環境がない生徒らの家庭学習を支援するため、持ち運びできる通信機器「モバイルルーター」の貸し出しも行う。

学校現場では、これまで整備してきた大型プロジェクターや生徒用タブレットを引き続き活用するため、リース料などとして5億4400万円を予算案に計上。県教委内にICT機器の取り扱いをサポートする技術者1人を配置する。

希望する公立幼稚園・幼稚園型認定こども園には、1園当たり100万円(私立は75万円)を補助。保育参観や小学校との交流事業などでオンライン化を推進する。

一方、環境整備とともに教員の技能向上は欠かせない。教員ごとに到達目標を定めて研修を強化し、ICTの活用にたけた教員「HYOGO(ひょうご)スクールエバンジェリスト」の授業を参考にしながら、指導力の底上げを図る。

西上三鶴教育長は「機械に慣れ、現場で使ってもらうことが重要。授業の場面ごとで最適な使用方法を探りながら、教育に浸透させていきたい」としている。

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兵庫県は年度末までに小中学校への端末配布が終了とのことですが、京都府はまだ情報がありません。近隣市町では4月から端末配布と言う噂もありますが、詳しいことはわかりません。何しろ、記事からも分かるように詳しい技術者1名配置なのですから、機器配布は政府がするが自治体が準備する環境整備にほとんどお金がないようです。

一方で手を上げた幼稚園や保育所にも資金をつぎ込んで、小さな子どものいる家庭からリモート環境を整えようという戦術なのでしょう。この種の報道のコメントにはしつこく書いているのですが、端末が教育に使える環境は国産で整えないと、今は無料で手を差し伸べてくれている海外資本のICTシステムに日本の教育が事実上支配されてしまいます。

パラリンピック ウクライナ出身選手“ハートの国旗”つけ練習

パラリンピック ウクライナ出身選手「ハートの国旗」つけ練習

2022年3月1日(火) 【NHK】

ロシアのウクライナへの軍事侵攻が続く中、3日後に開幕が迫った北京パラリンピックの会場では、ノルディックスキーのアメリカ代表選手が出身地のウクライナの国旗をハートにかたどったマークをつけて練習に臨みました。

アメリカのオクサナ・マスターズ選手は北京大会が冬と夏通じて7回目のパラリンピック出場で、1日は河北省の張家口にある国家バイアスロンセンターで練習を行いました。

1989年にウクライナで生まれたマスターズ選手は、生まれたときから両足の長さが異なる障害があり、7歳の時にアメリカ人の養女となりました。

2012年の夏のロンドン大会以降、冬と夏合わせて6大会に連続で出場していて、冬はクロスカントリースキーとバイアスロン、夏はボートと自転車の競技に出場し、去年の東京大会でも自転車で2つの金メダルを獲得するなど、これまでのパラリンピックで10個のメダルを獲得しています。

座って滑るクラスのマスターズ選手は1日、本番の会場で行われた練習で、ビブスの左胸にウクライナの国旗をハートにかたどったマークをつけて練習に臨んでいました。

マスターズ選手は、ロシアがウクライナに軍事侵攻を始めた先月24日、自身のSNSで「私の心と魂はウクライナとアメリカの両方にある。今夜、ウクライナの人々と生まれ故郷のことで胸が張り裂けそう。私はいつもいつまでもウクライナの味方です」とつづっていました。

3日後に開幕する北京パラリンピックには、ウクライナの選手20人がクロスカントリースキーなどに出場する予定で、開幕前に中国入りする見通しです。

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北京冬季オリンピックと冬季パラリンピックの間隙をついて始まったロシアのウクライナ侵攻。世界中がプーチンの「旧ソ連邦・大ロシア帝国領地復活」の狂気に非難を寄せています。この蛮行について一定の「理解」を示しているのが中国です。中国はウクライナ問題には独自の複雑で特殊な歴史的背景があるとして、自国の台湾侵攻を正当化しようと躍起です。

そんな中、アメリカ選手でありながらウクライナ出身の彼女が胸に貼ったハートのウクライナ国旗を、中国とIPC(国際パラ委員会)は正当に扱ってほしいと思います。オリパラでは政治的ムーブメントを避ける事がオリンピック憲章の第50条で規定されています。競技会場や表彰式の会場などで政治、宗教、人種に関する宣伝活動を禁止しメキシコ大会では黒人差別への抗議として表彰台で拳をあげたアメリカ選手が大会から追放された例があります。

しかし、今回のロシアのウクライナ侵攻はオリパラ精神をも踏みにじっています。競技中は休戦した五輪の歴史からも、戦争が大量の障害者を作り出すことから考えても、オリパラ期間に戦争を始めるプーチンの判断は狂気としか言いようがありません。そのオリパラ中の狂気を「理解する」中国も同罪です。どのような顔をしてパラリンピックを開催するのでしょう。ウィグルやチベット、内モンゴルの民族弾圧も知らぬ存ぜずですから平気な顔ができるのかもしれません。

それでも、ロシアの中では反戦デモが全土で一斉に始まっているだけましかもしれません。中国共産党の下ではロシアの蛮行に「理解」を示した党中央は間違いだと言うSNSすら見受けられません。世界の選手は、「ロシアの蛮行は許せない。私たちの精神はウクライナ国民と共にある」と言うでしょう。中国のパラリンピック主催者はウクライナ選手にどんな声掛けをするのでしょう。中国共産党員はニコニコ笑う仮面をつけて手を振るだけでしょうか。

パラサイト

キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていました。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことになりました。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れます。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していきます。

前半は、コミカルに富裕層に取り付いて行く半地下家族のキム一家。家族ぐるみで詐欺まがいな行動を面白おかしく描いてるのですが、後半は一気に雰囲気が変わります。

そして前後半を大きく分ける「 突然変異 」と言える点は、騙してクビにしたパク一家の元家政婦が現れたところです。キャッチホンの画面に映った瞬間、留守になってるパク豪邸で好き勝手していたキム一家全員が「 やばい 」と言わんばかりの真っ青な表情に変化します。

豪邸には住人のパク一家も知らない地下が存在し、そこに元家政婦の旦那が潜んでいたのです。最初は「 なんとか食事を与えて 」と懇願する元家政婦ですが、自分がクビにされたことの真実を知ります。そしてそこから始まる、キム一家 vs 元家政婦夫婦。最終的に夫婦2人を地下に閉じ込め、しかも、元家政婦は頭を打って脳震盪で亡くなってしまいます。

「 どうしよう、どうしよう 」と困惑するキム一家。このコミカルな前半、ダークな後半のギャップに本当に衝撃を受けます。日本はカンヌどまり韓国はアカデミーまでという本質が垣間見えます。

 

グーグル採用自治体は半数以上に

グーグルが学校向けに新機能 採用自治体は半数以上に

2021年2月18日【教育新聞】

グーグルは2月18日、クラウド型教育プラットホーム「G Suite for Education」の名称を「Google Workspace for Education」に変更し、今年4月から有料エディションも追加すると発表した。現行の無料版G Suite for Educationに名称以外の機能変更はないが、Google Classroomで児童生徒の使用状況を把握しやすくするなどの機能を今年中に追加する。同社によればG Suite for Educationは、すでに全国の自治体の半数以上で採用されており、今後も「日本のニーズに見合うプログラムの調整をしていく」という。

教育現場で利用できる
今年4月に新たに追加される有料オプションは、オンライン学習のセキュリティーを高める「Education Standard」と、ビデオ機能や独自性レポート機能を強化した教員向け「Teaching and Learning Upgrade」の2つ。

合わせて今年中に、無料版のGoogle Workspace for Educationの機能も拡充する。Google Classroomでは▽それぞれの児童生徒の使用状況を把握しやすくする▽アンドロイドスマートフォンから紙の課題の写真をスキャン・編集・アップロードしやすくする▽アンドロイドスマートフォン上でのアプリをオフラインで動作できる――などの新機能が追加される。

Google Meetでも教員が全員の会議を終了する、全員を一度に素早くミュートするなどのオプションが追加され、オンライン授業などをより細かく制御できるようにする。さらに2022年7月までに、各ドメインに100テラバイトのクラウドストレージ容量を提供。同社は「1億を超えるドキュメントの保存に十分」な容量としている。

同社によるとGoogle Classroomのユーザーは現状、全世界で約1億5000万人に達し、1年前の4000万人から大きく増加した。Google for Educationグローバルディレクターのジョン・ヴァンヴァキティス氏は記者会見で「その中で最も大きな成功例は日本。GIGAスクール構想により大きな変革が起きつつあり、これから先も日本のニーズに見合うような形でプログラムの調整をしていく」と意気込んだ。

アジア太平洋地域のマーケティングを統括するスチュアート・ミラー氏は記者会見で、G Suite for Educationがすでに全国の自治体の半数以上で採用されていることや、日本の学校現場からは画面の録画と、ネットワークが不十分な場所でも活用できるオフラインモードなどへの要望がとりわけ多かったということを明かした。

ミラー氏はまた「グーグルの研修プログラムに参加した日本の教員からは、『最初はデバイスを使いこなせるかと心配していたが、研修を受けてみると簡単だった』という声が多かった。今後も、オンラインの動画など多くの研修プログラムを提供していく」と話した。

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GOOGLEが日本の教育ICTシステムを支配しそうな勢いです。無料使用でもほぼ必要なシステムは揃っているので向かう所敵なしです。このPCシステムの無料戦略で思いだすのは、80年代のMS(マイクロソフト)社がパソコンのOS(基本ソフト)を世界に拡散させたやり方です。

MS社はコピーフリーとのアナウンスをしてはいませんが、コピーで拡散しているのはシェアを広げるための暗黙の了解だったようです。パソコンを持ち始めたユーザーはまずコピーしたOSを友達から譲り受け、またその友達が他の友達にコピーを提供してということが世界中で繰り返されてPCのOSシェアはMS社が世界中で一人勝ちしたわけです。

それから後継OSのWindowsになりMS社はコピーできないOSを販売し巨額の富を得る企業になっていたのです。実は1980年代、日本でもWindowsの機能を凌駕するトロンOSが開発され無料配布を始めようとしていたのです。しかし、時すでに遅く、MS社は米政府と結託して当時の日米貿易摩擦に便乗して、この優れた国産OSの配布に待ったをかけました。

OSがなければパソコンはただの箱ですし、メジャーなOSで動くソフトウェアだから資本を注ぎ開発しても売れるのです。マイナーが確定したトロンOSからは蜘蛛の子を散らすように関連企業は撤退し、日本はOSで世界制覇の千歳一遇のチャンスを失ったのです。

日本にもう少しICTの未来に目利きできる政治家や経営者がいればと悔やまれますが、年寄りの政治家や経営者は国産車の輸出にばかり目が向きICTの基本ソフトの価値がわからなかったのかもしれません。逆に言えば、必死に日本の進出を食い止めた米国には価値を理解する若い政治家がたくさんいたということです。イノベーションには必ず志の高い若手集団とそれを粘り強く支援するモノとカネが必要です。

公共サービスにおけるデジタル基本システムの採用は、目的は何であれ、その国の未来に富を生み出すだけでなく国の安全保障や暮らしにまでかかわる重要な政策といえます。今回はトロンOSのように国産のシステムがあるわけではないので簡単に比較はできませんが、GOOGLEの一人勝ちは見えています。GOOGLEシステムがなければ授業が始まらない時代が来るでしょう。

そして、このシステムで育った子どもたちは、好き嫌いに関係なくGOOGLEに暮らしや仕事の大部分を委ねることになります。願わくば、教育の中身くらいは、海外資本の進出を跳ね除け国産ソフトで制圧して欲しいものです。とはいうものの、すてっぷのiPadには米国産のiPecsがしっかりインストールされていますし、子ども用のPCにはMS社が世界に拡げたマインクラフトが入っており、それで小学生たちは毎日遊んでいます。

ワクチン 時間経過で小児は感染予防効果低下か 米調査結果

ワクチン 時間経過で小児は感染予防効果低下か 米調査結果

2022年3月2日 【NHK】

アメリカ・ニューヨーク州の保健当局などは、新型コロナウイルスワクチンの接種から時間がたつと、5歳から11歳の子どもでは感染を防ぐ効果が大幅に低下するとした調査結果を公開しました。

ニューヨーク州の保健当局などの研究チームは28日、製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの接種を完了した5歳から17歳の子どもに対する感染や入院を防ぐ効果を調べた結果を公開しました。

それによりますと、感染を防ぐ効果は12歳から17歳はオミクロン株が主流となった去年12月中旬の時点で66%、ことし1月下旬では51%と比較的小幅な低下にとどまった一方、5歳から11歳では同じ期間に68%から12%と大幅に低下したということです。

研究チームは、5歳から11歳で感染を防ぐ効果が大幅に低下した理由について、接種するワクチンの成分の量が12歳以上の場合の3分の1と少ないことが影響している可能性があるとしています。

また、入院を防ぐ効果は1月下旬の時点で12歳から17歳で73%、5歳から11歳で48%だったということですが、重症化する子どもの数が少ないため、正確な分析をするためにはデータが不足しているとしています。

調査結果は第三者による検証を受ける前の段階のものですが、複数の専門家は今後、この年代の子どもに対し接種の成分の量を変更したり、追加の接種をしたりすることを検討すべきだとしています。

CDC「入院防ぐ効果高い」引き続き接種を推奨
アメリカCDC=疾病対策センターは1日、5歳から17歳の子どもについてファイザーの新型コロナウイルスワクチンの効果を調べた結果を発表しました。

調査は去年4月上旬からことし1月下旬までにアメリカ各地の医療機関で新型コロナウイルスに感染して救急窓口で治療を受けたり入院したりしたおよそ4万人を対象に行われました。

それによりますと2回の接種を完了した子どもでは、入院を防ぐ効果が、5歳から11歳で74%、12歳以上では接種の時期により73%から94%でした。

CDCは「時間とともに効果が低下する傾向が見られるものの、入院を防ぐ効果は高い」として引き続きこの年代への接種を推奨しています。

中山特任教授 効果減っても重症化防ぐ意義ある
アメリカ・ニューヨーク州で、オミクロン株が広がった時期に5歳から11歳を対象にした新型コロナウイルスワクチンの効果が下がっていたという結果が出されたことについて、小児科の医師でワクチンに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は「ファイザーのワクチンは、11歳以下では12歳以上と比べて接種する量を3分の1にしている。11歳と12歳前後で体格はそれほど変わらないが、量を減らすと効果は下がり、免疫が持続する期間が短くなるのは想定されることだ」と述べました。

その一方で、中山特任教授は「ワクチンの本来の目的は重症化を防ぐことで、入院を抑える効果は低くても50%程度と、それなりの効果が出ている。自然に感染してしまうよりもワクチンで免疫の記憶をつけたほうがいい」と述べ、接種の意義はあるとしています。

そのうえで、子どもに接種する量をどう決めるのかは課題が残るとしていて「大人に接種する量と比べて、何を基準にどのくらい減らせばよいか検討することが必要だ。年齢だけでなく体格なども含めて考えるのか、量を減らすのはより低い年齢にするのかといったことを慎重に検討する必要がある」と話しています。

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NHKの新型コロナ感染症報道は少し偏向しているように感じます。今回新たに11歳から5歳児までのワクチン接種が我が国で始まりました。米ニューヨーク州保健局発表のグラフでは(下図)、1か月を越えると予防効果はなくなり、さらに日数経過すると逆に感染しやすくなってしまうと読めます。この報告は米国児童の場合で、重症化率の低い日本人の場合、データはありませんが更に予防効果が低くなる可能性も否定できません。

なぜ、NHKは査読前とはいえ誰もが閲覧できる報告を示さないのか不可解ですし、予防効果率を重症化率に置き換えて専門家に説明させるのも意味不明で、報道の偏りを感じます。米ニューヨーク州保健局の調査では小学校1~2年生の場合1か月たてば接種での予防効果は5%になることが分かったと言えば済む話です。そして、「量を減らしたのだから免疫の持続期間は短くなるのは想定内」という医師の考えを紹介するなら、僅か1か月しか免疫機能が持続しないワクチンを接種するのは意味がないと言う医師の考え方もNHKは紹介するべきです。

子どもへのワクチン接種は重症化の可能性がある基礎疾患のある児童だけで十分で、老齢者への感染拡大を言うならそれは老齢者のワクチン接種を徹底すればよいとするべきです。5歳児までの全ての子どもに接種券を配布して同調圧力をわざわざ作り出す必要はないと思います。少なくともメディアは米ニューヨーク州保健局のグラフを説明したうえで児童の接種の是非を多様な識者に論じさせるべきです。

AI医療

【2月12日 AFP】検査結果やカルテ、手書きの診断書などを学習して、子どもの病気を医師と変わらない精度で診断できる人工知能(AI)プログラムの開発に成功したと、中国や米国の研究者らのチームが発表した。医師のような仕方で患者を診断するAIは世界初としている。論文が11日、医学誌「ネイチャー・メディシン(Nature Medicine)」に掲載された。

 AIはデータ量勝負です。医療情報を多く取り込めば取り込むほど診断確度が上がリます。そのうち、病院の代わりにスマホで病気診断してもらう日が来るのでしょうか?残るは対人交渉の暖かさと対人摩擦ですが・・・あなたはどちらを選びますか。

障害者医療

障害者医療では医ケア問題はクローズアップされてきましたが、知的障害者や自閉症者の医療問題はまだまだ認知されていません。医療機関を受診した際に、十分な診療を受けられないことは障害者本人や家族にとって辛い経験となります。当事者らは医療機関の受診に際し、多くの負担を感じているのです。また、不快体験や失敗体験が医療機関受診への困難感を強めていることもあります。さらにそれらは受診に対する自信喪失や無力感につながっていたことから、知的障害者や保護者が受診の成功体験を積み重ねられるような支援が必要です。

知的障害のある子どもが“成功経験が少ない”のは、周囲の状況が整っていないことの裏返しであり、今の力で活動できるよう工夫されていない結果でもあります。知的障害者の医療機関受診に関しても同様であり、知的障害者がスムーズに受診できていない状況は、医療従事者の支援が不十分であると自覚してもらうことも必要です。医療従事者の態度や言動は知的障害者や保護者の医療機関受診困難感に影響を与えています。医療従事者は専門職として受診環境を含む改善の余地について検討し、支援の必要性を捉えられる視点が重要ではないかと思います。

知的障害者や保護者は自分たちの努力だけではスムーズな受診への限界を感じ、学校や医療機関、ひいては制度やシステムなど周囲に支援を希望しつつも求めることができていない現状があります。しかし、歯科の領域においては知的障害者が受診する際の個別的な支援が見られます。恐怖や不快刺激を生じさせずリラックスできるように設定する刺激統制法や視覚的支援ツールを用いて情報を伝えることで、治療への適応行動を図っています。これは他の診療科においても有用性が期待されます。医療従事者は知的障害という特性から“できない”“無理だ”と判断するのではなく、選択肢として提示できる支援方法のバリエーションを習得していくことが重要だと思います。

またスウェーデンでは、高齢者ケア・障害者ケアで法律体系やサービス、利用手続きが分かれているわけではなく、社会サービス法に基づく普遍サービスとして一元化されています。そのため高齢者と障害者の政策に差異がなく、誰にとっても理解や利用が容易です。加えて、知的障害者の特性や個々人の障害の程度に合わせたきめ細やかな対応も行われています。しかし、「駆け込める病院がない」「緊急時の受診では行ったことのない医療機関の受診となるので難しい」という意見があります。知的障害者が緊急に受診する場合、生命の危機的状況であるにも関わらず“専門の医師がいない”という理由で、診療を拒否されることもあり、日本においては知的障害者の急性期医療自体が十分ではありません。

そこで、まずは知的障害者の一次医療の充実を図ることが急務です。次に、二次医療圏を中心とした受け入れ医療機関の整備や受診に対するサポート体制の強化が必です。我が国では診察や治療は医療機関においてなされるのが一般的ですが、慣れていない場所での受診が困難である知的障害者においては訪問診療を可能とする医療サービスの適応拡大も必要です。

当事者側としては、スウェーデンやイギリス、アメリカなど多くの国で発展している知的障害者によるセルフアドボカシー(権利主張)グループにおいて受診環境改善の取り組みが始まっています。セルフアドボカシー活動については日本でも1990年代より浸透し、展開されてきましたが、知的障害者の受診においては更なる役割が求められています。日本では知的障害者の余暇活動や仲間づくりを中心として進展・拡大してきた経緯があり、セルフアドボカシーを目的としての活動を行っているグループはまだ少ないからです。セルフアドボカシーグループ活動を通じ、知的障害者の健康や医療に関する当事者の意見やニーズを多くの場で発信できれば、知的障害者の医療受診の現状を知ってもらう機会となり、医療機関での不快体験や失敗体験による受診負担の増加や、受診負担解決への無力感、受診への自信喪失の改善につなげることができると思います。

本人や保護者が医療機関に自信を持って受診できるよう、看護者は事前練習できるための受診に関する詳細な情報提供やスキル獲得のための支援が必要です。待ち時間に対する配慮や受診環境の調整については、本人や家族の申し出で対応するのではなく、看護者から働きかけ当事者の思いに寄り添うことが大事で、うまく受診できなかった場合には、医療機関に訪れることに挫折しないように気持ちを支え、フォローすることで次回の受診へとつなげる役割が求められます。このようにして、知的障害者と保護者が少しずつ自信を持って医療機関の受診ができるようになれば、現在抱えている医療機関受診に対する困難さも徐々に軽減されていくと思います。

「校長がブレーキになってはいけない」 文科相

学校ICT「校長がブレーキになってはいけない」 文科相

2021年2月19日【教育新聞】

国立教育政策研究所(国研)の調査報告で、校長らトップのリーダーシップの有無が学校間や自治体間のICT格差に大きな影響を与えている実態が明らかになったことについて、萩生田光一文科相は2月19日の閣議後会見で、「間違っても校長先生たちがブレーキになってはいけない」と述べ、学校のICT活用に向けて自治体の教育長や校長ら学校管理職がリーダーシップを発揮するよう要請した。また、1人1台端末の整備を受けた学校のICT活用について「ミニマムスタンダードを全国で共有してほしい」として、文科省が指針を示す考えを改めて表明した。

萩生田文科相は「学校においてICTを積極的に活用していくためには、まさに校長先生、あるいは自治体の教育長が、その有効性を理解し、教職員と認識を共有するとともに、ICT環境の整備や教職員を支援する外部人材の確保などに努める必要がある。その果たすべき役割は大きい」と指摘。文科省として、これまでさまざまな会議などを通じて自治体の教育長にICT活用の必要性を伝え、校長ら学校管理職に対しても教職員支援機構を通じて研修を実施している現状を説明した。

校長が従来の伝統的な授業にこだわる傾向が強いとICT活用が遅れるとの報告内容について、「校長先生が定年まであと数年で、今まで積み上げてきた指導方法や、自分の価値観をしっかり持っていればいるほど、4月から始まるICT教育に違和感を持つ先生もいると思う。ただ、間違いなく時代が変わってきている。間違っても校長先生たちがブレーキになってはいけない」と述べ、ICT活用に慎重な学校管理職に意識変革を促した。

ICT活用を全国の小中学校に浸透させるアプローチとして、萩生田文科相は「(文科省が)ガイドラインをしっかり出し、その中でミニマムスタンダードとして『ここまではちゃんと使いましょうね』という内容を全国で共有してほしい。このことは教育長や校長会にも徹底をしていきたい」と述べ、1人1台端末の整備を受けた学校のICT活用について文科省が指針を示す考えを改めて表明した。

続いて「設置者である自治体や、学校の責任者である校長先生の判断で、(端末の)『持ち帰りはダメ』という学校が出てくる可能性も否定できない。そんなときに、われわれ(文科省)は『いや、持ち帰らせてやってくれ』と指導助言はできるけれども、最終的にルールは学校や自治体が決めなければならない」と、1人1台端末の具体的な運用ルールは学校や自治体に権限があることを確認。「4月から初めて全国で同じ条件が整うので、グッドプラクティスは横展開をどんどんしていきたいし、問題が発生すれば『それは気を付けましょうね』というのも共有していきたい」と話した。

こうした流れを説明した上で、校長や教育長らリーダー層に対し、「せっかく環境が変わってきたので、その時代の変化をしっかり受け止めていただき、いいリーダーシップを発揮していただきたい」と述べ、学校のICT活用に率先して取り組むよう求めた。

萩生田文科相は2月16日の会見で、1人1台端末の家庭への持ち帰りについて3月末までにチェックリストを示す考えを表明している。文科省では、端末の家庭への持ち帰りのほか、端末の使用による視力など健康への影響や、保護者に伝えるべき事項などを整理して、一定の指針をまとめる方針。

国研の調査報告は、コロナ禍の学校におけるオンライン授業やICT活用の実態を調べ、促進要因と阻害要因を分析したもの。露口健司・愛媛大学大学院教授が2月16日に行われた教育改革国際シンポジウムで報告した。

それによると、教育長や校長がアクティブ・ラーニングなど新しい授業形態に積極的な場合にはICT活用が進み、逆に学校管理職である校長が従来の伝統的な授業や平等分配にこだわる傾向が強いと、ICT活用が遅れていることが判明。教育長や校長らトップのリーダーシップの有無が、学校間や自治体間のICT格差に大きな影響を与えていることが分かった。

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この間、ICT教育がらみのネタが続いていますが、新春から生徒全員タブレット導入の自治体もあることから、放デイのサポートの仕方も変わり柔軟な対応が求められるので必要な情報を発信していきます。記事にもあるように例え文科省や自治体の教育長が指導助言したにせよ、最終判断は校長が決めるのです。システムがよくわからず職員に丸投げする管理職はまだましですが、タブレットはポータビリティが大事なのに紛失しては責任問題と金庫の中にタブレットを厳重に保管しようとする管理職は必ず出てきます。

かつて各学校にPCが配備されるとき同じような現象がありました。パソコン室がなければ高価なPCが保管できないと思った管理職や教育委員会事務局が大勢いました。パソコン室作るくらいならそのお金でLANを構内に配備して各教室で使えるようにすればよかったのに、パソコン室に絨毯引いて裸足で上がらせる学校もあったりしました。

結局、ネットワークが大事だと知っている教職員やPTA役員でたまたまシステムエンジニアのお父さんがいて、このままじゃ子どもが学べないと職員とお父さんが協力して校内中にLANケーブルを張り巡らした学校は少なくありません。確かにケーブルが壁にむき出しで見栄えは悪かったですが、目の前に操作できるPCがあることは子どもにとってとても大事な環境でした。

考えてみると、ICT教育だけでなく様々な教育課題で管理職や事務局が無知だと、何でも進まないのです。特別支援教育や発達障害教育も未だにそうです、学校間に自治体間にかなりの格差があります。当然、その下で働く職員も同じです。優れた指揮と環境の下では優れたスタッフが育ちます。

障害者雇用、東京は17年連続全国最下位 大企業に集中し、雇えぬ中小企業にペナルティーのいびつさ

障害者雇用、東京は17年連続全国最下位 大企業に集中し、雇えぬ中小企業にペナルティーのいびつさ

2022年3月4日 【東京新聞】

企業に義務付けられた障害者雇用の割合「法定雇用率」を上回った企業は東京都が30.9%で全国最下位だったことが、厚生労働省の昨年調査で分かった。全国平均47%を大きく下回った。法定雇用率が2.3%(従来2.2%)に引き上げられてから3月で1年。企業の本社が多い東京の障害者雇用は大企業に集中し、中小企業では雇えていない。(山田晃史)

政府は雇用を増やすために数年に1度、法定雇用率を引き上げている。昨年3月は引き上げに伴い、障害者を1人以上雇わなければならない対象企業の規模を従業員45.5人以上から43.5人以上に広げた。

東京労働局によると、東京の最下位は少なくとも17年連続。東京の企業に雇われる障害者は全国で最も多い約21万9500人。企業数では6.8%しかない従業員1000人以上の大企業がこのうち75%を雇う。担当者は「東京は大企業の従業員規模も圧倒的に大きいため、数少ない会社が大量に雇っている。中小の採用は厳しい」と説明する。

東京の企業全体の雇用率は2.09%で、同じく全国最下位。企業規模別で大企業のみ法定雇用率を上回った。都内の中小企業団体幹部は「比較的障害の軽い人を大企業が優先して採用し、本当に配慮が必要な人が取り残される傾向がある。中小で雇うのは設備や人員的に難しい」と明かす。

横浜市立大の影山摩子弥まこや教授は「不規則・長時間勤務の情報通信業の中小企業が東京は多く、障害者の雇用が難しい」と指摘する。

◆経営体力の格差…制度の限界
障害者雇用制度は、結果の出ない企業名の公表など「ムチ」をちらつかせて雇用を促す手法に限界が指摘され始めた。経営体力の劣る中小企業でも雇いやすいよう、専門家は短時間勤務者の雇用率への算入を認めるなど制度を柔軟化するように提案している。

「技術者の求人を出しても待遇や設備面で大手にかなわないので、なかなか来てもらえない」。東京都内のIT企業の人事担当者は現状を語る。従業員300人ほどで、障害者4人を雇う。法定雇用率の達成には、数人増やす必要があるが、採用競争は厳しく3~4年ほど不足が続く。

法定雇用率に満たない従業員100人超の企業は、不足分1人当たり月5万円の納付金が徴収される。さらに雇用状況の改善が遅れている企業には、労働局から勧告や指導があり、最終的に企業名が公表される。

担当者は「社名公表は恐ろしい。採用競争が厳しいので求職者に悪印象を持たれたくない」とおびえる。「中小向けの支援はあっても、原則、雇用後に助成金が出る。でも社内の環境が整っていないと求職者が来ない」と悩みは尽きない。

大企業はグループ内の単純事務作業などを集約し、障害者を専門に雇う「特例子会社」を設けることで雇用率を伸ばしてきた。ただ、障害者雇用に詳しい慶応大の中島隆信教授は「事務作業をまとめられるのは大企業だけで、中小では活用できない」と指摘する。

現状でも職を求める障害者の多くが就職できているわけではない。東京で求職者のうち就職できているのは3割程度で、中小での雇用拡大は急務だ。

法定雇用率は、直接雇用で週20時間以上働く人のみ算入の対象になる。中島教授は、在宅勤務などの障害者に仕事を発注した際に一定割合を雇用率に算入する「みなし雇用」や、就職が難しい精神障害者らの20時間未満の勤務も算入対象にすることを提案する。「今の制度は限界が来ている。多様な働き方も雇用率に算入して中小の雇用を増やすべきだ」と話す。

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一番の問題は、障害者の法定雇用人数分の1名当たりのペナルティー額が5万円と安すぎる問題と、そもそもペナルティーで雇用を伸ばそうとする貧困な発想です。1か月の最低賃金にも満たない罰金ですし、環境改善や担当職員を準備して障害者を雇う総経費と月5万円のペナルティーを比べればペナルティーがはるかに安いです。これは、最賃の高い東京都に限ったことではなく、全国の少なくない経営者はそう考えて普通です。東京が3割だと騒ぐよりこの期に及んで全国で半分程度しか達成していないことを記事にすべきです。

資金面で体力のある大企業だからこそ、コンプライアンスの順守ができるのであって、下請けで1円2円の発注価格にしのぎを削っている中小には、自分が生き残らなければ雇用も何もありません。障害者を雇えばその雇用に必要な費用を今のように期間限定ではなく永年補助してくれるなら話は別です。現存するペナルティーも補助もどっちつかずの中途半端な政策だから障害者雇用が進まないのだと思います。障害者雇用政策は昨日今日の政策ではなく、もう何十年も続けている政策です。

長きにわたって役所が立てた目標が達成できないのは政策の問題です。政策を見直し、ペナルティーから報奨制度に変えていく逆の発想が必要です。障害者の雇用は納税者を増やす政策です。つまり福祉に税を回すか雇用に税を回すかの違いです。雇用のハードルが高ければ福祉がその肩代わりをすると言うトレードオフの関係です。だったら、働くチャンスをみんなで作ろうとするほうが前向きです。多様性社会の実現にも寄与します。微々たる罰金とケチな助成金ではなく、抜本的な政策変更が求められていると思います。

すてっぷは何処?

注文していた机を運送屋さんが運んできました。近所の人にホップすてーしょん知ってますか?と聞いたけど誰も知らないので探すの苦労したとのこと。備品の発注はNPOの名前「ホップすてーしょん」を使うので迷ったみたいです。育ちの広場すてっぷは、NPOホップすてーしょんが展開する事業所の一つです。まだ事業所は、「すてっぷ」だけですが、地域の期待に応えて事業拠点を増やした行けたらいいなと考えています。

 

キャリア・パスポート

2020年4月より各学校で「キャリア・パスポート」が始まります。「キャリア・パスポート」とは、児童生徒が、小学校から高等学校までのキャリア教育に関わる諸活動について、特別活動の学級活動及びホームルーム活動を中心として、各教科等と往還し、自らの学習状況やキャリア形成を見通したり振り返ったりしながら、自身の変容や成長を自己評価できるよう工夫されたポートフォリオのことです。なお、その記述や自己評価の指導にあたっては、教師が対話的に関わり、児童生徒一人一人の目標修正などの改善を支援し、個性を伸ばす指導へとつなげながら、学校、家庭及び地域における学びを自己のキャリア形成に生かそうとする態度を養うよう努めます。

また、目的(ねらい)として以下のように書かれています。小学校から高等学校を通じて、児童生徒にとっては、自らの学習状況やキャリア形成を見通りしたり、振り返ったりして、自己評価を行うとともに、主体的に学びに向かう力を育み、自己実現につなぐもの。教師にとっては、その記述をもとに対話的にかかわることによって、学校内における様々な経験を一つにして、自らの学習状況やキャリア形成と照らし合わせたり、振り返ったりしながら成長を自己評価する(=ポートフォリオ)ということです。また、教師は児童生徒の記述などを参考にしながら生徒が自らの学びをキャリア形成に生かせるように関わっていくことが必要となるようです。「アンケートやポートフォリオ等」の実施を全体計画に盛り込んでいる学校は盛り込んでいない学校に比べて「児童・生徒は自己の生き方や進路を真剣に考えている」という結果が良いことも全国アンケートの結果も判明しており、キャリア教育の方法として効果が高いことが示されています。同資料の中にはキャリアは「ある年齢に達すると自然に獲得されるものではなく発達を促すには外部からの組織的・体系的な働きかけが不可欠」であると言われていることや働きかけを支える教材もまた不可欠であることも書かれています。

 

緊張リセット 癒やし空間

緊張リセット 癒やし空間 七尾の障害児施設に整備

2021年2月20日 05時00分【中日新聞】

色が変わる装置、水槽など RCが協力
七尾鹿島手をつなぐ育成会(NPO法人)が運営する七尾市小島町の児童発達支援・放課後等デイサービス施設「ほうぷ子どもの家」(大谷済美センター内)に、知的障害者らの癒やし空間「スヌーズレン」の部屋が整備された。七尾ロータリークラブ(RC)の寄付で実現。施設を利用する子どもたちが楽しんでいるという。県内でも徐々に広がるリラックス空間として、知的障害者らの充実した余暇活動に生かしていく。(室木泰彦)

育成会会員は約百人。同施設では現在、特別支援学校に通う児童、生徒ら約十人が夕方に帰宅するまでの放課後を過ごす。高校卒業まで利用できるが定員は十人ほど。マンツーマンかそれに近い指導が必要で、定員以上を受け入れると丁寧な対応が困難になるためという。今回施設スタッフの発案で、外国で長い歴史と実績があるスヌーズレン導入を検討し、七尾RCが協力した。

施設一階の部屋を改修し整備。円柱型水槽は中の水が泡とぐるぐる回転し、魚の模型が本物のようにリアルに泳ぐように見える。球形の光る装置は触ると色が変わる。ビニール状の柔らかいひも状の物が縦横無尽に伸びる造形物などはさわり心地も楽しめる。

いずれも色が青や赤、黄、紫色などに次々と変わるため部屋全体の雰囲気の変化も楽しめるほか、香りを出す装置もある。施設によると、知的障害者らは学校などでずっと体がこわばる緊張した時間を過ごすため、この空間にいる時は光などの刺激を体感しながら力が抜けたリラックスした時間を過ごせる。ドアを閉め個室として利用できるよう、使用中か分かるボードも入り口に設置した。

十九日、七尾RCの木下義隆会長から整備費用に充てる寄付十五万円を受け取った育成会の三谷芳夫会長と八崎(はっさき)和憲副会長は「障害者への社会の理解は進んでいるが、まだまだ課題も多い。新設備による“静の支援”で障害者が成長できるように努めたい」と感謝した。七尾RCは石田朗(あきら)副会長、伊藤隆行幹事が同席した。

【メモ】スヌーズレン=オランダ語「スヌッフレン(くんくん匂いをかぐ)」と「ドゥーズレン(くつろいでうとうとする)」からの造語。重い障害者も楽しめるよう光や音、匂い、振動、温度、素材の触感などの設備を組み合わせリラックス空間を設けるなどの理念や取り組み。1970年代にオランダの知的障害者施設で始まり認知症の人、発達障害の子どもなどに活用され日本国内も普及。障害者がどんな刺激を好むか空間で一緒に過ごしながら共有できる効果が期待される。県内でも設置する施設が徐々に増えている。
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スヌーズレンはこのブログでも3回ほど掲載(Snoezelen:2019/10/16) しました。場所が必要なのとウォーターベッド等の備品が高いので放デイには贅沢品ですが、箱の中にイルミネーションを貼り付けて入ったりかぶったりして楽しむスヌーズレンBOXならどこの放デイでも簡単にできます。

スヌーズレンは、治療法でも、教育法でもありません。支援者は、治療効果や発達支援を一方的に求めることはせず、障害を持つ人のオープンな楽しみ方をありのままに受け入れ、一緒に楽しみます。スヌーズレンは、障害を持つ人が、自分で選択し、自分のペースで楽しむための、人生の大切な時間だという考え方です。「施設によると、知的障害者らは学校などでずっと体がこわばる緊張した時間を過ごす・・・」とありますが、学校の中にもこういう空間は必要でそれは障害のない人にも必要なものです。のんびり過ごすことは普通の事だという発想の切り替えが必要です。

【北京パラ】IPCパーソンズ会長、拳握り叫んだ「ピース!」開会式でロシアの侵攻を断罪

【北京パラ】IPCパーソンズ会長、拳握り叫んだ「ピース!」開会式でロシアの侵攻を断罪

2022年3月4日【日刊スポーツ】

ロシアのウクライナ侵攻を受け、国際パラリンピック委員会(IPC)がロシアと支援したベラルーシを前日に一転除外した混乱の中、北京パラリンピックが開幕した。4日、国家体育場(通称・鳥の巣)で開会式が行われ、IPCアンドリュー・パーソンズ会長(45)が強く平和を訴えた。雪と氷の障がい者スポーツの祭典には46の国と地域から約560人が参加。5日に競技が始まり、アルペンスキーの滑降座位で金メダル候補の村岡桃佳(25)と森井大輝(41=ともにトヨタ自動車)の男女エースが登場。13日まで6競技78種目でメダルを争う。
    ◇    ◇    ◇
「ピーーース!」
IPCパーソンズ会長が両手拳を強く握り、最後に叫んだ平和の願いが、鳥の巣に響き渡った。演説の第一声ではロシアのウクライナ侵攻に触れた。「今夜はまず平和のメッセージから始めないといけない」と言い、「21世紀は対話と外交の時代のはずだ。戦争と憎しみの時代ではない」と、ロシアの侵攻を断罪した。

五輪、パラリンピック期間中の休戦決議が国連で採択されていることに「尊重し、守られるべきものであって、違反があってはいけない」と強調。46の国と地域が集まる今大会でパラアスリートがスポーツを通じて試合をするが「戦うのではない。競い合うのだ」と訴えた。

IPCはロシアとその同盟関係にあるベラルーシの選手について条件付きで一時、大会出場を認めた。しかし、各国からの反対を受け、両国を除外せざるを得なかった経緯がある。開幕ギリギリまで苦渋の決断を迫られたパーソンズ氏は思いがこみ上げた。

「パラリンピアンは知っている。対戦相手が敵である必要がないことを」とした上で、「世界各国の当局者に呼びかける。アスリートたち同様、ひとつになり平和、理解、共生を促してほしい。世界は共に生きる場であるべきだ。分断されてはならない」と力強く言った。

さらに「変化はスポーツから生まれる。それは調和をもたらし、人々の生き方、町、そして国をも変えることができる」とも熱弁。中国の観覧客からは拍手が起きた。【三須一紀、木下淳】

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ウクライナを進行しているロシアとベラルーシの選手の参加問題でIPC内でもめていたパラリンピックでしたが、結果的には受入れないことで落ち着きました。それまでの、混乱を打ち消すかのように、IPC会長の演説は感動的なものでした。演説の冒頭に国名こそ明らかにしないもののロシアの蛮行がオリパラ精神を冒涜するものだと厳しく断罪し、締めくくりの「平和を!」のシャウトは世界の人々の声を代表しているかのようでした。

案の定ですが、中国の国営放送では、パーソンズ会長がロシアのウクライナ侵攻を念頭に平和を訴えた発言をした際、中国語への翻訳が行われず、通訳が一時的に無言となる一幕があったそうです。ロシアとの友好関係を重視する中国にとって不都合な内容と判断され、意図的に中断したとみられます。

「差別、憎しみ、争いのない、よりインクルーシブな世界を目指す」と述べたところが翻訳されなかったそうです。中国共産党の正直な気持ちと言えばそれまでですが、テレビ局が習近平に恐れ慄いている様子がよくわかります。まさに愚民思想の骨頂、独裁国家たる所以です。

ロシアでも、ウクライナ侵攻を批判する言動は15年の懲役刑に処す法改正の報道もあります。結局、侵略国家は自国民の思想信条の自由すら脅かすことに結びついていくということです。ロシア軍はウクライナ最大の原発にまで砲撃を始めました。風向きによっては国境付近のロシア国民の健康まで脅かすこの戦術は、狂気の沙汰としか思えません。ウクライナ選手団は開会式の入場でこぶしを高々と上げ戦争に抗議をしました。さすがに中共もIPCもこの行動を政治的とみて介入することはできなかったようです。

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ダンボール廃棄

みんなの教材用にとダンボール箱をストックしていましたが、教材室に溢れかえっていたので倉庫を購入しました。倉庫にも入らないダンボール箱は廃棄しようと近くのエコゲートという回収業者の回収ステーションに持って行きました。回収用のコンテナはすでに溢れかえっており、コンテナ周りにダンボール箱が所狭しと放置されて、これを片付ける業者さんは大変だなぁと思いました。人手不足の中ここに人を雇い入れることははできないようですが、障害者雇用のチャンスも感じました。箱は規格品ですからいくつかの大きさのトレイを準備すれば構造化した仕事になるかもしれません。回収ステーションを回る「モービルクルー」(車で巡回するスタッフ)の仕事が開発できるなと思うのですが、どこかの会社でこのアイデア使ってくれないでしょうか。

発達障害だけで子どもを見ないで

卒業・卒園、そして入学・進級シーズンがきます。新しい生活を心待ちにする反面、ちょっと不安もあります。生活の変化は「ストレス」なので、不安になるのは当然の反応です。保護者としては「それも成長」の一過程と見守っていくしかありません。

けれども、もしも日頃から保護者の方が「うちの子は発達障害かもしれない…」とモヤモヤを抱えているとしたら、新生活への不安はおそらく子ども以上です。そんな時には、学校や園とどんな風にコミュニケーションを取っていけばいいかヒントをくれる『「発達障害」だけで子どもを見ないで その子の「不可解」を理解する』(田中康雄/SBクリエイティブ)を参考にしてください。

著者は北海道大学名誉教授であり「こころとそだちのクリニック むすびめ」院長。発達障害の特性を持つ子どもとその家族、関係者とつながり合い、支え合い、認め合うことを大切にした治療・支援で多くの人から支持されている児童精神科医師です。

本書は「発達障害の診断名より大事なのは、その子の目線にまで達して気持ちを想像してみること」として、発達障害と診断される可能性のある1歳から12歳までの12人の子どもたちのストーリーを例にその子に合ったかかわりのポイントを探っていくというものです。いずれのケースでも、その子の気持ちや困っている理由を想像する「仮の理解」を進めた上で、親御さんの気持ちに寄り添いながら時には周囲と連携した具体的な「かかわりの提案」をしていきます。

12人のストーリーは年齢別に相談の多いケースを事例化した架空の存在ですが、たとえば「かんしゃくが激しい、ひろゆきくん」(1歳8ヶ月)、「授業中座っていられない、たいきくん」(7歳・小1)と具体的なので、お子さんと同じようなケースを見つけることができるかもしれません。またそれぞれのストーリーは乳時期(0-3歳)、幼児期(3-6歳)、就学期(6-7歳)、学童期(6-12歳)と成長に合わせた4つのステージに沿って紹介し、その時期ごとにありがちな問題や親が抱えやすい心配、検討の必要が出てくる幼稚園入園前、幼稚園・保育園から小学校へ、低学年から中学年へといった進学・進級の節目にありがちな「不安」にもしっかりヒントをくれるので心強いです。これまでを振り返りながら今を見ることで納得できることもあれば、今後を見通すことで心構えができます。

場合によっては、「あのときこうしなかったから…」という後悔を抱えている方もいるかもしれません。けれども子どもとのかかわりに手遅れはありません。一緒に考えてくれる人と今から始めれば、どの段階からでも手立てはあります。

著者は医学的見地から「発達障害」という概念の存在を否定はしませんが、臨床の現場を通じて「発達障害だけでは話が進まない。進ませてはいけない」ことを実感し、急いで診断名をつけることより「一人一人の思いや周囲との関係性について思いを馳せ、今できる生活の応援を考える」ことを大事にしています。

Minecraftカップ2020

Minecraftカップ2020全国大会、「未来の学校」をマイクラ上で発表。全13作品のAWARDが決定!
「未来の学校」をテーマに、SDGsやSociety5.0など未来を考えてマイクラで作品をつくるコンテストを開催。

2021年2月22日 20時00分【MCCUP運営委員会】

2021年2月21日(日)Minecraft Education Editionのプログラミング作品コンテストMinecraft カップ 2020全国大会 最終審査会を実施、Minecraftのワールド上で表彰式を実施いたしました。
Minecraftカップ2020全国大会は、世界各国の教育現場で活用されている「Minecraft: Education Edition」を使用し、テーマにあわせたワールドをつくる建築コンテストです。2回目になる今回は、「未来の学校」をテーマに、Society5.0・SDGsなど、未来を考える課題を生徒たちが調べて表現しました。

総エントリー者数は1770名、応募総数は483作品の中から最終審査会で、全13作品のAWARDを受賞した作品が決定しました。2021年2月21日(日)に行われた最終審査会では、全国からあつまったファイナリストと審査員がオンライン上でプレゼンテーションと審査を行いました。

■Minecraftカップ2020全国大会 AWARD発表ページ
https://minecraftcup.com/awards/

【大賞】
未来への5つの約束~キレイな水と渓谷の洞窟学校~ 浦添昴さん(沖縄県)

【優秀賞】
◆小学校低学年部門
レッドストーン小学校 ピョコ太郎さん(福岡県)
◆小学校高学年部門
エネルギーが学べる学校その名はたかさご小学校 しょうたさん(埼玉県)
◆中学生部門
未来の学びの島! TSUBASAさん(沖縄県)
◆高校生部門
科学と社会の学校~学問とICTと自然の融合~ なおぴえさん(埼玉県)


【審査員賞】
◆大西一平賞
光る学校 高田豊彬さん(大阪府)
◆Kazu賞
ゆっぴースクール 須崎有哉さん(徳島県)
◆神谷加代賞
未来地区小学校 Kouさん(福岡県)
◆鈴木寛賞
未来の学校 かずねさん(東京都)
◆タツナミシュウイチ賞
電気学校 たけるさん(東京都)
◆髙崎正治賞
未来の学校~気候変動に強く、地産地消に取り組む学校~ リュウトラゴンさん(奈良県)
◆コロコロコミック賞
天空の学校西洋のお城と日本のお城 吉川岳人さん(静岡県)

【特別賞】
◆Microsoft賞
Sea school YYK_/さん(青森県)
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優秀賞は驚くようなち密さで構成されています。プレゼン動画の本人も普通の小学生には見えず独特な個性や才能を感じさせます。家に帰って宿題を全部終えてからの時間を費やし、半年間あまりここに情熱を傾けたんだなぁと思います。ぜひ子どもたちにも見てほしい作品です。

パラリンピック メダル授与のウクライナ選手「戦争をやめて」

パラリンピック メダル授与のウクライナ選手「戦争をやめて」

2022年3月7日 【NHK】

ロシアによる軍事侵攻が続く中、北京パラリンピックのバイアスロンで7つのメダルを獲得したウクライナの選手たちが6日夜のメダル授与式で祖国や国民への思いを語りました。

5日に行われた北京パラリンピックのバイアスロンにはウクライナの選手20人が出場し、男子6キロの視覚障害のクラスではメダルを独占するなど金メダル3つ、銀メダル3つ、銅メダル1つの合わせて7つのメダルを獲得しました。

6日夜のメダル授与式で選手たちは表彰台でメダルを受け取ったあとインタビューに応じました。

このうち、男子6キロの立って滑るクラスで金メダルを獲得したグリゴリー・ボブチンスキー選手は「この金メダルはウクライナの人たちのものだ。私はウクライナ国民、そして祖国のことを考えている。多くの人たちが戦い亡くなっている」と話しました。

また、男子6キロの視覚障害のクラスで金メダルを獲得したビタリー・ルキヤネンコ選手は「国のために金メダルを獲得できたのはうれしいはずだが今のウクライナの状況を考えると素直に喜べない。家族は空爆を受けた地域に住んでいる。私の町を攻撃しないでほしい。戦争をやめてほしい」と話しました。

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大義のない戦争で多くの人が傷つき新たな障害者が作られている中では、パラリンピックを楽しむことはできません。先月24日ロシアのウクライナ侵攻から今週木曜で2週間が経とうとしています。国際大会は政治とは無縁と言いながらナショナリズムを高揚させるし、武力攻撃があればさらにその傾向は強まりスポーツを通じて双方の国民が憎しみ合うことになります。だから、オリパラから前後1週間を含め59日間は戦争は止めようと国連で決めたのです。ロシアはこの約束を3度も裏切りました。ジョージア、クリミア、今回のウクライナです。

クリミア半島への侵略などは150年も前にオスマン帝国にクリミア戦争で敗れて失った領土を取り返すというのがプーチンの本音です。ウクライナでロシアとプーチンに批判的な大統領が当選すると、クリミア半島のロシア人を守るためだとしてクリミアを「併合」したのです。たとえ話ですが、日本に親中国政権ができたからと沖縄を50年ぶりに米国に復帰併合するのを武力威嚇して併合しても良いという理屈です。

中国も南沙諸島や尖閣諸島、台湾で同じような昔話をして、元々我が領地だと言って国際ルールを守りません。共産主義国も元共産主義国も自己正当化して全て周囲が悪いと自国に都合の良い話を作ります。今度は、ウクライナが核兵器を密かに製造しているから原発を攻撃して占領したのだと誰が聞いてもわかる嘘を大真面目にプーチンは語ります。そもそも原発攻撃はジュネーブ協定で禁止されていますが、国際法など無法国家にはないに等しいのです。

ソ連邦崩壊後、ロシア・米国・英国はウクライナの安全を保障すると言って、ソ連時代からウクライナが保有していた核兵器を放棄させたのが「ブダペスト覚書」です。もちろん、ロシアがこんな国際ルールを守るわけがないことは、2014年のロシアのクリミア併合で分かっていたことです。こんな無法なロシアからの攻撃に祖国を守ろうとする人々に自衛隊の防弾チョッキを送るとした日本政府を、武器輸出に当たると非難した日本共産党は誰の敵か明らかで、プーチンと同じ穴の狢です。ルキヤネンコ選手の「国のために金メダルを獲得できたのはうれしいはずだが」と言った言葉が心に刺さります。

コミュニケーションスキルとPECS

PECS(Picture Exchange Communication System)は代替・拡大コミュニケーションシステムで、1985年にアンディ・ボンディ(Ph.D.)とロリ・フロスト(MS. CCC-SLP)によってアメリカで考案され、最初にデラウェア自閉症プログラムの自閉症の未就学の児童に実践されたことから始まりました。それ以降、PECSは世界中、年齢関係なく、様々な障がいを持つ(認知、身体、そしてコミュニケーション)沢山の学習者に実践されてきました。

人は自ら伝えることで社会との調和を図っていきます。他者が言っていることが分かるだけでは人は社会や環境の奴隷です。自ら表現をし、折り合いをつけることで他者と対等の参加となるのです。

 

絵カード交換コミュニケーションシステムの導入とトレーニングをお望みの方はスタッフまでご連絡ください。

https://eikaiwa.weblio.jp/mirai-junior/column/developmental-disorders/pecs/

https://pecs-japan.com/絵カード交換式コミュニケーションシステム/

アマゾンでPECSのスタータキットを売っていました

 

 

 

僕の髪誰かのためにヘアドネーション

僕の髪誰かのためにヘアドネーションに挑戦中石巻・鹿又小5年佐々木君

2021年02月24日 10:43【河北新報】

病気や事故で頭髪を失った子どもたちに無償提供される医療用ウィッグ(かつら)のために髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」に、石巻市鹿又小5年の佐々木佑真君(10)が挑戦している。「誰かのために」と、強い思いで伸ばし続ける髪は、長い部分は45センチほどになった。小学校を卒業する来年まで、50センチ以上を目標にしている。

佐々木君は、テレビ番組でヘアドネーションを知ったことをきっかけに約2年前に髪を伸ばし始めた。番組は小学生ぐらいの男の子がヘアドネーションに挑戦する内容で、「自分もやってみたい、寄付してあげたいと思った」という。母の吏(つかさ)さん(35)は「自分で決めて気が付いたら伸ばしていた」と振り返る。

髪は背中の真ん中まで伸び、学校には一つに結んで行く。赤ちゃんの時から丸刈りだった佐々木君は長い髪の洗い方も結び方も分からなかったが、練習してできるようになった。洗った髪を乾かすには20~30分かかり、少しでも良い状態で寄付できるようトリートメントもしている。

初めの半年ほどは、学校でからかわれたり公園で女の子に間違われたりして落ち込むこともあったが、伸ばすことはやめなかった。吏さんは漫画に登場する長髪のキャラクターの魅力を伝え、「切らない」と固い決意を口にする佐々木君を励ました。事情を知る同級生や先生が周囲に説明してくれたこともあり、理解は広まっていった。

佐々木君は発達障害があり、吏さんは「自分にとっての普通が一般的な感覚と違い、男の子の髪が長くても違和感がない。自分でやろうと思う男の子はなかなかいないと思う」と話す。

へアドネーションには31センチ以上の長さが必要とされ、50センチ以上あればロングヘアなどにもできる。佐々木君は50センチ超えを目指す。

中学校の校則では長髪が認められない可能性があり、伸ばすのは小学校卒業までと決めている。佐々木君は「人のためになると思えば続けられる。大切に使ってもらえたらうれしい」と話す。

吏さんは「ヘアドネーションに限らず、変わったことをしている人がからかわれることがなくなるといい。本人も頑張って良かったと思ってほしい」と見守る。

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講師「何でわからへんねん」、泣きじゃくる男児…発達障害ある小5に暴言

2021年02月23日 10時38分 読売新聞

大阪市立小学校の20歳代の男性講師が授業中、発達障害のある5年生の男児(10)に「何でわからへんねん」などと暴言を繰り返していたことがわかった。男児に当時の様子を尋ねると動揺して泣き出すといい、学校は両親に謝罪。市教委は事実関係を確認したうえで、男性講師の処分を検討する。

学校や保護者によると、男児は算数と国語については特別支援学級で授業を受けている。男性講師は1月20日、特別支援学級での授業中に算数のドリルを解いていた男児に「問題をちゃんと読んでみろ」「前にもやったのに覚えてないんか」などと何度も怒声を浴びせた。

次の授業時間になっても男児が泣きじゃくっていた様子に気付いた女性教諭が校長らに伝え、問題が発覚。暴言について男性講師は学校の調査に対し、「(男児の)解答が違っていたので腹が立った。障害を理解せず、自分本位のペースで授業を進めてしまい、申し訳ない」と話しているという。

男性講師は1月26日から学校を休暇中で、2月15日には校長らとともに両親と対面し、謝罪した。母親は読売新聞の取材に「息子は問題の意味を理解できず苦しんでいたのに、高圧的な言動で追い込んだのは許せない」と話している。

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子どものみずみずしい感性と社会に貢献したいという気持ちや、それを微笑ましく見守る保護者の存在に温かいものを感じます。一方で、子どもの気持ちや子どもに注ぐ家族の視線は全く感じていないと思わせる教員の言動、社会的未熟さにはがっかりします。

普通、自分が出した課題を子どもが理解しないのは自分の見立てや力量の問題なのに、「私が正しい。子どもが問題だ」と感じている教員は彼だけではありません。一人では解けない宿題を学校で一度指導したからと繰り返し出題する教員も、怒りはしないけれども結果としては子どもを貶めている意味では変わらないと思います。

勉強がわからなくて辛かったり、友達にいじめられて悲しい思いをしている一方で、みずみずしい感性や素直な気持ちを子どもから感じる教員であれば、自分の出した課題ができないからと怒鳴ったり、一度教えたことだからと一人ではできない課題を宿題に何度も出せないはずです。

ドライブ・マイ・カー アカデミー賞4部門ノミネート 作品賞は初

ドライブ・マイ・カー アカデミー賞4部門ノミネート 作品賞は初

2022/2/8 【毎日新聞】

米映画界最高の栄誉とされる第94回アカデミー賞(映画芸術科学アカデミー主催)の候補が8日に発表された。濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が最高峰の作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞(旧外国語映画賞)の4部門にノミネートされた。日本作品が作品賞にノミネートされたのは初めて。受賞すれば、英語以外の作品としては韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)以来2年ぶり2回目の快挙となる。

また、日本作品の監督賞ノミネートは黒沢明監督の「乱」以来36年ぶり、脚色賞は初めてで、受賞すればいずれも初。国際長編映画賞でのノミネートは「万引き家族」(是枝裕和監督)以来3年ぶりで、受賞すれば「おくりびと」(滝田洋二郎監督)以来13年ぶりとなる。

ドライブ・マイ・カーは村上春樹さんの短編小説が原作。妻を亡くした演出家(西島秀俊さん)が、専属運転手となった女性(三浦透子さん)らとの対話を重ね、妻の死と向き合っていく姿を描いた。脚本は濱口監督と大江崇允さんが手がけた。今年1月の第79回ゴールデン・グローブ賞で日本作品として62年ぶりに非英語映画賞に選ばれるなど、米国内外で受賞ラッシュが続いている。

受賞発表と授賞式は3月27日(日本時間3月28日)にある。【ロサンゼルス福永方人】

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まだノミネートだけですが筆者も興味のあった映画です。昨年、カンヌ受賞の後京都シネマに来ていたのですが、タイミングが合わずに観ることができませんでした。アカデミー賞ノミネートのおかげでアマゾンプライムでも配信が始まり先日観たところですが、アカデミー賞の発表が待ち遠しい作品です。

この映画は、村上春樹の短編小説に、チェーホフの『ワーニャ伯父さん』を劇中劇として取りこんだ作品です。この点で、チェーホフの村上春樹的解釈であるだけでなく、村上の原作を超える解釈をした映画かもしれません。パク・ユリム(ソーニャ役)は、聴覚障害者で韓国手話を使う女優役として舞台へ参加します。

ポリティカルコレクトネスとダイバーシティを狙ったと最初に観客は思うかもしれません。しかし、終盤での劇中劇でパク・ユリムは圧倒的な存在となり、そんなことは快く忘れてしまいます。また、パク・ユリムが、エレーナ役のソニア・ユアンと、屋外で立ち稽古するシーンの素晴らしさも圧巻です。

妻を喪失した失意の中で西島秀俊がワーニャ伯父さん役で本番の舞台を立ち、そのクライマックスで、ソーニャ役パク・ユリムの手話の語りは、ただただ美しく、静まり返った中での彼女の手話はスクリーンを超えて観客の心を温めます。
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生きていきましょう。長い長い日々を、長い夜を生き抜きましょう。
運命が送ってよこす試練にじっと耐えるの。
ほかの人のために、今も、年を取ってからも働きましょう。
そしてあたしたちの最期がきたら、おとなしく死んでゆきましょう。
そしてあの世で申し上げるの、あたしたちは苦しみましたって、涙を流しましたって、つらかったって。

すると神様はあたしたちのことを憐れんでくださるわ、
そして、ワーニャ伯父さんとあたしは、明るい、素晴らしい、夢のような生活を目にするのよ。
そうしてようやく、あたしたち、ほっと息がつけるんだわ。
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村上春樹がモチーフとした、ビートルズの"Drive My Car"(1965, アルバム"Rubber Soul"収録)が、この原作タイトルです。ジョンとポールは、ジョークに満ちたこの曲で
「あなた、私の車を運転しなさいよ。そうよ、私はスターになるわ。そしたら、あなたの事好きになるかも。」
と歌います。「Drive My Car / 車を運転すること」とは、「愛すること」「生きること」だと、西島と霧島・三浦・朴の3女優が演じていきます。3時間は長すぎましたが、たぶんアカデミー受賞だろうなと思わせる映画でした。パク・ユリムの美しい韓国手話(日本手話とよく似ている)を観るだけでも値打ちがあると思います。

インクルージョン??エクスクルージョン??

インクルージョンとは、 ラテン語の語源によれば、 中に招き入れて入口を閉めるという意味があります。 包摂と翻訳されることもあるようです。 エクスクルージョンは、 戸を閉ざして建物の外に締め出す、 排除するという意味です。

ダイバーシティー社会は異質な人々が共存する社会の姿であり、これをさらに進めて皆が貢献参加するのがインクルージョンな社会だと言います。

どんなことでも分け始めるとキリがありません。合理的で効率的だと思っていてもいつの間にか排他的になってそれが日常に変わってしまうこともあります。

うまくいかないから、合理的でないからと環境の工夫や支援の方法を顧みず、場所を分けてしまおうとするエクスクルージョン志向に陥るのではなく、昨日より少しでもうまくいくように、コツコツ工夫していく地道なスタイルこそインクルージョンを進める王道なのかもしれません。

新型コロナ拡大防止

京都市立校3月5日から休校、府立校は3~13日 新型コロナ拡大防止で
2020年2月28日 12:57 【京都新聞WEB】

政府が小中高校の臨時休校を要請したことを受け、京都市教育委員会は、3月5日から全ての市立の小中高校、特別支援学校、幼稚園の計261校を臨時休校にすると28日発表した。「課題を確認して対応するには一定の時間が必要」として、2~4日は通常通り登校日とする。
休校期間は春休みを含め、幼小が4月7日、中学が4月5日、高校が4月7日か8日、特別支援学校が4月7日まで。
京都府教委も同日、全ての府立中高校、特別支援学校の計74校(分校含む)を3月3~13日に休校すると発表した。今後の状況に応じて延長するという。市町教委にも臨時休校を実施するように依頼する。
府教委によると、政府の要請は2日からだったが、周知の期間などを踏まえて3日からに決めた。期限を13日までとしたことについては、ウイルス感染が収束した場合に定期テストを実施する可能性を考えた上での措置だとした。橋本幸三教育長は「テストや入試など非常に大事な時期でつらいところだが、感染の拡大を防ぐために可能な限り対応していく必要があると判断した」と話した。
3月6日に予定している高校入試の中期選抜は実施し、ウイルス感染や感染の疑いで受験できなかった生徒には追試験の実施を検討する。卒業式も感染防止対策を講じた上で行う。

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京都市教育委員会「京都市立校、2日は通常登校」 府教委「高校入試は実施」 首相休校要請で検討
2020年2月28日 9:33 【京都新聞WEB】

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて安倍晋三首相が突如表明した休校要請に対して、京都府と滋賀県、京都市の各教育委員会は27日夜、対応の検討を急いだ。
京都府教委は幹部らを集め緊急会議を開いた。3月6日に予定している高校入試の中期選抜については、府内の感染状況に大きな変化がない限り実施予定。府立中3校の卒業式は時間を短縮する方針という。橋本幸三教育長は「突然の表明には正直驚いている。政府の要請を踏まえた対応をする方向で、生徒や学校運営に対する影響を考慮しつつ最善の方法を考えたい」とコメントした。
京都市教委は校長会役員と協議を行い、3月2日は通常通り登校日とすることを決めた。3日以降の対応については早急に検討するという。在田正秀教育長は「一人一人の子どもの居場所、安心・安全の確保、各家庭の状況など各学校で課題を確認して対応するには一定の時間が必要」としている。
滋賀県教委も緊急会議を開き、3月の卒業式や高校入試を予定通り行う方針を確認した。県立高校などの卒業式は、来賓や在校生の出席者数を減らしたり、式典時間を短縮したりするよう各校に求める。休校期間に必要な対応や、児童・生徒、保護者らへの注意事項などを検討しており、福永忠克教育長は「国の要請は重く受け止める。子どもたちの安全を一番に考え、判断していく」と述べた。

<学校ICT時代>海外の現状

<学校ICT時代>海外の現状を本紙特派員がリポート

2021年2月25日 05時00分 【中日新聞】

全国の小中学生に1人1台のタブレット端末かパソコンを配備し、通信環境を整える政府の「GIGAスクール構想」。新型コロナウイルスに伴う臨時休校を受けて計画が前倒しされ、大半の自治体で2020年度中に配備が完了する見通しだ。ただ、世界の中で日本は教育現場での情報通信技術(ICT)の活用が進んでいるわけではない。各国の現状について本紙特派員がリポートする。

米国ネット環境格差が課題
米国はオバマ政権が2016年に「コンピューター・サイエンス・フォー・オール」を掲げ「幼稚園から高校まで全生徒がコンピューター科学を学び、技術を身に付ける」ため各州や学区への資金支援を表明。トランプ政権も継続した。
米調査機関の昨春の調査で全米の中高生の49%が過去1年でコンピューター科学を学校で学び、46%が週1時間以上だったと回答。メリーランド州のある学校では中1で3次元デザインを学び、高1ではプログラミングで簡単なゲームアプリを作製。学校には安価なノート型パソコンが生徒の人数分備えられ、各授業で日常的に使用し、宿題提出もパソコン上で行っている。
ただ、デジタル環境の整備は各州や各学区でばらつきが大きい。さらに新型コロナで自宅でのオンライン授業が一般化したことで、パソコンやネット環境が不十分な家庭との格差が問題になった。
バージニア州の高校でコンピューター科学を教えていたリア・ガラノスさんは「コンピューターへのアクセスを確保するだけでなく、コンピューターが人生をどう変えることができるかを子どもたちに示すことが重要だ」と語る。(ワシントン・金杉貴雄)

タイ語学の勉強に活用も
使い込まれ、傷も目立つタブレットだがジェシリンさん(14)にとって、教科書が並ぶ書棚であり、図書館だ。「故郷の歴史物語が好き」と頁(ページ)を繰る。出稼ぎの両親を追い、4年前に生まれ育ったミャンマーから隣国タイ・バンコクへ。週6日は縫製工場で働き、日曜にNGOの学習センターに通う。タイ語の発音は貸与されたタブレットから耳で覚え、みるみる上達した。
貧富の格差が世界有数のタイ。6〜17歳の3割近く、260万人もが経済的な事情などで正規の学校に通えない。ジェシリンさんのような移民の子や、学校の整備が行き届かない少数民族地域は多い。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が政府や通信会社の協力を取り付け、3年ほど前からタブレット支給やオンライン学習の導入を進めている。
アプリにはタイ語学習のテキストに加え、ミャンマー語や少数民族文字で書かれた各科目の教科書、物語など1000冊以上を収録。随時、更新され「楽しんで勉強するきっかけになる」と学習センター副所長ヤニーニさん(49)。ジェシリンさんは「将来はパソコンを使ってオフィスで働くのが夢」とはにかんだ。(バンコク・岩崎健太朗、写真も)

フランスモデル校で効果検証
「この計算問題に挑戦してみたいのは誰?」。フランス・パリ郊外のレシェーン小学校。1年生の教室で一斉に手が挙がった。指名された児童が電子黒板と向き合う。投影されたタイマーの時間内に全問正解し、喝采を浴びた。担任のマルティーヌ・カバン教諭は「電子黒板のおかげで低学年でも飽きずに授業に取り組める」と手応えを話す。
効果は昨春のコロナ第1波による都市封鎖(ロックダウン)中にも表れた。児童らは自宅のパソコンなどで遠隔授業を受けたが、電子黒板への慣れから、画面上の問題に抵抗感がなかったという。
だが、この環境を享受できる児童や生徒は限られる。仏政府の2018年の公立校調査で電子黒板を使う小学生は4%にとどまる。タブレット端末の配布率は中学校では51%だが、小学校では12%。北欧やバルト3国など欧州の先進国からは大きく遅れている。
昨秋にレシェーン小を視察したブランケール教育相は、2700万ユーロ(約34億円)規模のデジタル教育モデル地区事業を発表。2県の公立校にタブレットやウェブカメラを配備して効果を検証し、来年以降の全国展開を目指すという。(パリ・谷悠己、写真も)

韓国「双方向授業」56%に
IT大国を誇る韓国は昨年4月から新型コロナ対策で小中高校の登校を制限し、オンライン授業を拡大した。政府が低所得家庭への端末提供や通信接続を全面支援。IT教育に精通した人材も多いと自信を示したが、当初は集中力が続かない子が続出した。
教育省は、教員と子どもがネット上でやりとりする「双方向授業」の比率を昨年7月の15%から、10月に56%に高める改善策を実施。兪銀恵(ユウネ)教育相は今年1月、「教員研修、良質な教育コンテンツの開発を続ける」と述べた。
競争社会で、富裕層の子ほど塾や習い事に通う傾向もある。教員1万人が対象の調査では、79%が「オンライン授業で、学習格差が拡大した」と回答した。
地域教育も注目される。ソウル市の中区教育支援センターは昨夏から、地域の童話作家や人気ユーチューバー、料理研究家ら多彩な講師を招いたオンライン授業を開講。10人前後の定員に小中学生が殺到し、毎回ほぼ満員に。担当の朴珠熙(パクジュヒ)さんは「コロナ禍で行き場のない子らに学ぶ機会を提供する必要性が増した。字幕や音響など編集技術も高めてもっと楽しませたい」。(ソウル・相坂穣、写真も)

※ICT=InformationandCommunication Technology(情報通信技術)の略

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海外でもネックは家庭のネット環境です。地域や家庭のネット環境が整備されればバンコクでのユネスコ支援のように移民の子弟でも自国の言語で知識を得たり、端末そのものが現地語との翻訳機になり教育格差を緩和するツールにもなります。しかし、家庭の経済格差がネット環境格差に直結するような状態を放置していると、教育格差はさらに広がっていくということです。日本では約12%(子ども約100万人)の家庭にWifi環境がないと言われており無策のままです。

現在、端末自体はアンドロイドの安物なら1万円台、IOSでも3万円台で購入できます。端末の年数劣化や陳腐化は避けられませんが4年は使えますし公費で保障するなら出費は0円です。しかし、ネット環境はWifi環境を作る光回線だと様々なキャッシュバック販売が展開されているとはいえ使い続けるとなれば月3000円程度を払い続けることになります。家庭WiFiは電気ガス水道の光熱費と同じような存在です。なくてもすぐには困りませんが、それはガスや電気も昔はそうでした。今やそれが贅沢だという人がいないように、高速通信回線も同じなのです。

確かに、Wifi回線は家族も使うものですから公費負担と言うわけにはいかないものかもしれません。しかし、携帯電話のように学校制度を利用する子弟がいれば半額という割引制があれば無Wifi家庭は激減すると思います。結局は将来の利用者を獲得できるのですから会社には損はないはずです。ICT教育の正念場が家庭と地域のGIGAネット環境の整備の段階に移ってきているのです。あげ足取りの国会論戦をやめて真剣に国のICT環境の整備について議論してほしいものです。

 

赤穂特別支援学校で体罰の60代教諭を停職 兵庫県教委

赤穂特別支援学校で体罰の60代教諭を停職 兵庫県教委

03月08日【NHK】

兵庫県教育委員会は、特別支援学校の複数の児童をたたくなどした60代の教諭など、合わせて3人を停職や減給などの懲戒処分としました。

このうち停職1か月の処分となったのは赤穂特別支援学校に勤める60代の教諭です。
県教委によりますと、教諭は去年6月から先月にかけて、担任をしていた高学年クラスの児童あわせて4人に対し、注意や言うことを聞かなかったとして背中をたたいたり、おでこを指ではじいたりするなどあわせて6回にわたって体罰などを行ったということです。

教諭は県教委の聞き取りに「体罰を加える意図はなかったが、どうしても言うことを聞かせたい時にしてしまった。やり方は不適切だった」と話したということで、自主退職する予定だということです。

このほか60代と20代の臨時講師2人については、児童の腹部を蹴る体罰や、酒に酔って通行人の女性の腕や肩をつかむなどの不適切な行為を行ったとして減給処分としました。

県教育委員会の稲次一彦 教職員課長は「教員の配慮に欠ける言動により傷つけてしまった児童・保護者のみなさまに心からおわび申し上げます。特別な支援を要する児童・生徒の指導については、いま一度、研修を行うよう各学校長と市町教育委員会に指導してまいりたい」と話していました。

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また、兵庫県です。メディアは体罰という言葉をやめて暴行・傷害と言えばいいのです。兵庫県は教育に限らず神戸の放デイでも、先日公判で「体罰」に対する有罪判決がおりたばかりです。姫路市の暴言・暴行教諭は懲戒免職後、刑事告訴がされたという話は聞きません。北海道旭川のいじめ自殺事件もですが、日教組の強い自治体ほど学校が治外法権化していると感じます。教育3法を変えて教育委員会がお飾りになっている状態は改善されつつありますが、教員の労働組合が政治勢力に大きく関与している自治体で、学校不祥事が目立つことが気になります。

今回は60「代」の教諭ですから、再任用教諭ということになります。再任用教諭とは定年後年金が満額支給される65歳まで再雇用される教員の事をいいます。60歳になっても子どもに手を上げるような教員は、そもそも若い時から特別支援の教育技術も研鑽していない教員ではないかと思います。再任用教員は退職時に在任校の学校長が定年後も教諭として働けることを保障することが必要です。ところが、職場の中で指導力不足教員と大半が認めるような教員でも、触法等の理由がない限り簡単に再任用を認めてしまうようです。

また、日頃体罰をしなかった教員が突然60歳になってから体罰を行う事は考えにくく、体罰で従わせていた経過が以前からあったはずです。もしくは、通常学校の再任用教員は勤まらないと考えた管理者が担当児童数の少ない特別支援学校へ配置し、特別支援の必要な子どもへの対応が分からず体罰に及ぶというケースが考えられます。どちらにしても、体罰というから善意の意図を感じさせ管理職の言い訳にもなりやすいのです。体罰は傷害罪、暴行罪として学校は告発すべきです。悪質ないじめは、治外法権のように学校でふるまう教員を真似た子どもの姿とも言えます。自治体の首長は管理責任者に、学校での暴力事件は教員生徒に関わらず刑事告訴するように指示すべきだと思います。

連休と好きなこと

子どもにとって、学校はしんどいことも多い場所でもあります。じっと先生のお話を聞いたり、一時間机に向かって勉強したり。家に帰れば苦手な宿題をしたり。

新学年からひと月。子どもたちは新しい環境に慣れようと頑張っています。この連休は学校で疲れた子どもたちがほっとリラックスしたり、自分の好きなことに向き合えるようになったらいいですね。

子どもたが好きなことをすれば、気持ちが上向きます。パワーアップのチャンスです。

子どもの好きなことは得意につながります。子どもを育てていると、得意なことと苦手なことの差に驚かれる親御さんも多いと思います。

得意なことはどんどん伸ばしたい!他に得意なものはないだろうか?1つでも多くの「得意」を身につけさせてあげたいです。

「好きこそものの上手なれ」という言葉の通り、好きなものは得意なものになっていきます。好きだからこそ繰り返し、繰り返すからこそ習得が早いのです。

1つの好きなものを起点に、好きなものがどんどん増えていくこともあります。大好きな電車を起点に、好きなものがどんどん広がっていく方もあります。

電車が好きだから、車体の名前を覚える。鉄道会社を覚える。路線図を覚える。プラレールで線路を作ってみる。線路を立体化してみる。

電車は乗り物だから、他の乗り物も気になる。飛行機を覚える、船も覚える。船は海を走るから海も好き。だから海水浴も大好き!

好きな遊びをとことんできる環境を作れば、子どもは自分からどんどん興味を広げていきます。ぜひ、ゴールデンウィークは子どもが好きそうななことをどんどん提供して、1つでも多く興味を広げてあげましょう。もちろん親御さんに無理のない程度にです…。

 

阪神・淡路大震災を経験した神戸の学校?

神戸市の教員いじめの行政処分が昨日報道されました。二人の男性教諭は懲戒免職。主犯格と言われていた女性教諭は停職3か月、もう一人の男性教諭は減俸だそうです。

同じ日、神戸市教委が他にも職員同士のパワハラはないかと調査したところ、さなぎを食べさせたり、丸刈りにするなどが発覚しました。しかも臨時講師が加害者です。神戸市の学校は緩みきっている感じです。これが25年前阪神・淡路大震災で6千名越えの犠牲者を出して、命の尊さを語り続け、悲しみを乗り越えてきた神戸の学校かと思うと、本当に情けなくなります。

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蚕のさなぎ食べさせる 神戸市立学校で新たな教員間いじめ 教室で丸刈り、頭に七味も
【毎日新聞WEB2020年2月28日 22時54分】

神戸市教委は28日、市立東須磨小学校とは別の学校で、複数の先輩教員が後輩教員に対し、蚕のさなぎを食べさせるなどの集団ハラスメントがあったと発表した。40代男性教諭を減給10分の1(3カ月)、30代男性臨時講師を戒告の懲戒処分とした。市教委は「(後輩に)被害感情がなく、公表を望んでいない」として、校名や校種を明かさなかった。

市教委によると2016~18年度、加害側の2教員が後輩の男性教員に、蚕のさなぎを食べさせる▽職員室や教室で丸刈りにさせる▽飲酒を強要する▽10万円分のかばんや時計を購入させる▽七味を頭からかける――など十数件のハラスメント行為をした。既に退職した別の教員も、この後輩教員宅の壁やドアに落書きをしたという。

東須磨小の教員いじめ問題を受けて、市教委が全教職員を対象に実施したハラスメントに関するアンケートで発覚した。被害教員は申告しなかったが、同僚13人から訴えがあったという。前校長らは同僚からハラスメント行為について知らされたが、加害側の教員らに十分な指導、注意を怠っており、前校長は口頭訓戒、現校長は文書訓戒となった。

市教委は「被害感情がなく、今回の処分発表で調査は終わりにする」と説明した。【春増翔太】

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神戸・東須磨小教員間いじめ 加害教諭2人を免職処分、2人は停職と減給
【2020.2.28 19:40産経WEST】

神戸市立東須磨小で教諭4人が同僚をいじめていた問題で、市教育委員会は28日、加害側の蔀(しとみ)俊教諭(34)と柴田祐介教諭(34)の2人を懲戒免職、女性教諭(45)を停職3カ月、男性教諭(37)を減給3カ月(10分の1)とする懲戒処分を発表した。
また調査委員会が先日公表した報告書で2件の暴言が認定された前校長(55)を停職3カ月、加害教諭側に漫然と口頭指導を行い、逆恨みを招いたとして現校長(55)を減給3カ月(10分の1)とした。さらに前々校長(62)も戒告処分とした。
調査委の報告書では、加害教諭4人は平成29年夏頃から約2年間、主な被害に遭った男性教諭(25)に対し激辛カレーを食べさせた行為をはじめ、暴言・暴行など100件超のハラスメントを行った。このうち蔀教諭は最多の78件、柴田教諭は27件のハラスメント行為が認定されていた。
市教委は2人の処分理由について「悪質なハラスメント行為で職場の秩序を乱した。勤務態度にも問題があり、最も重い免職とした」と説明した。
また停職の女性教諭、減給となった男性教諭についても「ヒアリングで虚偽の事実を述べたり、セクハラ行為にも及んでおり、厳しく処分する必要があった」とした。

 

京都市、全市立学校でICT教育システム導入

京都市、全市立学校でロイロノート・スクール導入

2021/02/25-13:46[株式会社LoiLo]

1人1台端末本格活用で個別学習、協働学習の充実をめざす
2月17日(水)株式会社LoiLoは京都市とGIGAスクール構想実現に向け、教育活動に関する連携協定を締結しました。これにより京都市すべての市立学校で授業支援クラウド「ロイロノート・スクール」の運用が開始します。個別学習の深まり、協働学習の繋がりの往還により、京都市がめざす「すべての子どもが”学びの主役”」となる教育を実現します。

2月17日(水)私たちLoiLoは京都市と連携協定を締結し、協定締結日から令和5年3月31日までの協定期間、京都市すべての市立学校にロイロノート・スクールを無償で提供することに合意いたしました。

京都市の在田正秀 教育長は「令和3年度を”1人1台端末の本格活用元年”の好機と位置付け、ICTの積極活用を通じて、児童生徒の学力定着・向上や情報活用能力の育成、教職員の授業改善を推進したい」と述べました。

また、「ロイロノート・スクールは本市が掲げる個別学習の深まり、協働学習の繋がりを往還し融合できるツールであり、”すべての子どもが”学びの主役”となる教育を実現するのに最適なツールである」とロイロノート・スクールへの期待を示しました。

当社の杉山竜太郎 代表取締役は「教育先進自治体である京都市で、ロイロノート・スクールが運用されることに大きな意義を感じる、京都市の掲げる生徒主体とした授業づくりのために尽力していきたい」と述べ、京都市への教育活動支援について全面的な支援を表明しました。

締結式後半では、ロイロノート・スクールを先行利用している京都市立祥栄小学校の授業の様子を録画映像と中継で紹介しました。当日紹介した映像は以下よりご覧いただけます。

▼ ロイロノート・スクールを使った授業風景

▼ 児童インタビュー

1人1台端末環境での学びが本格始動する2021年、私たちLoiLoはGIGAスクール構想の実現に向けて努めてまいります。

関連記事
● 京都市と株式会社 LoiLo による教育活動に関する連携協定締結について【京都市広報資料】
  https://drive.google.com/file/d/13Jqt9sZX7wwqpxNS-EnVD5wtEiJleLay/view?usp=sharing
● 京都市が教育ソフト会社と協定【NHK NEWS WEB】
  https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20210217/2010009497.html

ロイロノート・スクールについて
ロイロノート・スクールは、教育1人1台時代、生徒の主体性を育み、双方向授業をつくり出す授業支援クラウドです。小学校から大学まで、すべての授業で使えます。資料のやりとり、思考の可視化、意見の共有が直感的にできるため、子どもたちが自ら考え表現する協働的な学びや、教員の負担軽減につながります。個別最適化された学びづくりや遠隔での学習にも効果を発揮します。マルチプラットフォームに対応しており、1日30万人以上が利用しています。全国で5000校以上、1人1台校では320校に導入されています。
導入事例など詳しくはWebページをご覧ください。https://n.loilo.tv/ja
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国産ICT教育システム、資本が小さくても頑張ってほしいものです。多国籍ICTシステムに負けないで頑張ってください。ただ、いつも思うのですが、35人ほどの児童数に対して指導用ディスプレー(電子黒板)の多くは65インチサイズのようで小さいなぁと感じているのは私だけでしょうか。できれば黒板全面に展開する高輝度プロジェクター型やユニット型の黒板の方が生徒には見えやすいと思います。国産システムまで含めて導入しようとする京都市の健闘を期待しています。

(社説)特別支援学校 教室の不足 見過ごせぬ

(社説)特別支援学校 教室の不足 見過ごせぬ

2022年3月10日 【朝日新聞】

ひとつの部屋をカーテンで仕切り、別々のクラスで使うのは珍しくない。体育館や廊下にパーティションなどを立て、教室にしている例も全国で100近く報告された――。

障害のある子が通う公立の特別支援学校の教室が足りず、様々な策を講じて学びの場を確保している様子が、文部科学省の調査でわかった。

昨年10月時点で不足数は3740にのぼる。国と自治体は連携して、教育環境の改善に力を尽くさなければならない。

原因は通う子どもの数の増加だ。特別支援学校は07年、複数の障害を持つ子に対応できる態勢をとるため、盲・ろう・養護の各学校を一本化してできた。1学級の人数はおおむね10人以下で、障害に応じた専門的な教育や、卒業後を見すえた自立のためのサポートを行う。

かねて言われているように、障害のある子が地元の学校に通い、そうでない子と一緒に学ぶ意義は双方にとって大きい。一方で、手厚い指導を評価・期待して特別支援学校を選ぶ保護者も多く、昨年の児童・生徒は約14万6千人と、発足当初の07年に比べて3割以上増えた。

教職員の確保もさることながら、より深刻な問題が教室不足だ。文部科学省は各自治体に対し、学校の新増設や改修にかかる経費を国が補助する制度を利用するなどして、対処するよう求めてきた。改善傾向が見られた時期や地域もあるが、用地の確保が難しい都市部を中心に、抜本解決にはほど遠い。

とりわけ心配なのは9割以上を占める知的障害のある子だ。聴覚や視覚への刺激を減らして授業に集中させたいのに、間仕切り方式では隣の「教室」から声や物音が聞こえるなどして、支障が出ているという。

文科省は昨秋、特別支援学校の設置に必要な施設や、校舎・運動場の面積などに関する最低基準を初めてつくった。しかし既にある学校には適用されず、努力義務にとどまる。

20~24年度をこうした既存施設の改修に取り組む集中期間とし、費用の国庫補助率を3分の1から2分の1に引き上げる施策をとっているが、どこまでの進展が見込めるか。政府は状況を見ながら、期間の延長を柔軟に検討してほしい。

統廃合で閉鎖された校舎などの活用も、管轄する自治体や部署の垣根を越えて積極的に進めるべきだ。通学環境の整備や人員のやり繰り、地域の協力の取りつけと課題は多いが、手をこまぬいてはいられない。

障害の有無にかかわらず、全ての子どもに学びの場を確保・提供する。それは行政の最も大切な責務のひとつだ。

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支援学校の過密問題は喫緊の課題と言われてもう10年以上が経過しており、余りにも遅い対応です。もちろん、新設の支援学校を建設するにはそれなりの準備が必要ですが、新設を待つだけでは事態はどんどん深刻化していきます。地域の学校には空き教室が目立ち、統廃合まで考えている小学校も少なくないです。この空き教室を利用する発想はあるのですが、支援学校の多くは都道府県立、小中学校は市町立という学校管轄の権限問題で前に進みません。

こういう緊急避難的な場合は政府が政令を出すなど法律を調整する手段をとるべきです。補助金だけを増やしてもその効果はすぐには出てきません。ただ、行政は法に従うしかできませんから、こういうことは議員の役割、政治の出番だと思います。保護者や現場の職員はもっと地方議員から国会議員まで上手に働きかけるべきではないかと思います。

特別支援教育が大事にしてきたものは、通常学級にも在籍する発達障害児への対応、インクルーシブ教育や就労支援の充実です。しかし、インクルーシブ教育が前進したとは思えません。通常教育から発達障害を見つけだして支援学級入級を勧め、その結果、支援学級にいた中重度の子どもたちが特別支援学校に行くことが余儀なくされるというインクルージョンとは逆の状態が続き、支援学校の過密を生み出しているように思います。

本来は、通常学校の全ての教職員が特別支援教育の技術を身に着けることで、障害のある子への対応がどこでもできるようになり、障害のない子への対応力も高まり、子どもたちも人権感覚を身に着けいじめをも減少させていくというバラ色の学校の未来像を描いていたはずです。政府文科省はもう一度この目的に基づいて過密問題を見直してほしいと思います。

鉄道ファンと子育て

 親たちから絶賛され、オンリーワンの強さを誇る雑誌『鉄おも!』(ネコ・パブリッシング)をご存知でしょうか。名前の通り「鉄道」に特化した5万部を誇る児童向け月刊誌です。

親にはイベントや商品情報、「新型列車が出た」とか子どもに伝えて喜んでもらえる情報に人気があります。実際、大抵の鉄道関連企業のホームページは情報量がとても多いので、あまりネットにふれない方には大人でもわかりにくい面があります。本にまとめた旬の鉄道情報が人気の秘密のようです。

インドア派の親や子どもにも、好きなことなら行ってみようかということになります。先日も書きましたが好きなことから世界が広がり興味を広げ知識を広げる契機となります。一度読んでみてください。もちろん鉄オタのお父さんは、とっくに把握済みの情報でしょうけど。

みんなで力を合わせる事

【2020年3月2日 17時12分NHKWEB】

全国で始まった学校の臨時休校に合わせて保護者が仕事を休んだ場合の所得補償として、厚生労働省は1人当たり日額8330円を上限に、賃金相当額を支払うことを決めました。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため全国の学校で始まった臨時休校で、保護者の中には仕事を休まざるをえない人もいることから、厚生労働省は、所得を補償する新たな助成金制度を作り、2日、詳細を公表しました。

それによりますと、今回の対策で学校が臨時休校になったり、新型コロナウイルスに感染したおそれがあったりする子どもが休むのに合わせて従業員が有給休暇を取得した場合、1日当たり1人8330円を上限に賃金相当の額を企業に助成します。

対象は、正規、非正規を問わず、先月27日から今月31日に取得した休暇に助成金が支払われます。

一方、フリーランスで仕事を請け負っている人や自営業の人は対象となっていないということです。

厚生労働省は今後、申請の方法などを決めて公表したいとしています。

加藤厚生労働大臣は、午後の参議院予算委員会で、「保護者への助成は、年次有給休暇とは別枠で休暇を確保し、通常の有給休暇と同額の賃金を支払ってもらうよう企業側に求め、企業側には支払った賃金の10割を助成する」と述べました。

また、学童保育について小学校の休校に伴って午前中から運営する場合は1日当たり1万200円を、新たに運営する場合は1日当たり3万6000円を各施設に加算し、保護者に追加の負担は求めない方針を示しました。自民党の対策本部で、岸田政務調査会長は、臨時休校について、「家庭にはさまざまな事情があるので、しっかり耳を傾けながら、丁寧に対応を考えていきたい」と述べました。

出席した議員からは、「臨時休校で給食がなくなるため、関係業者への支援を行うべきだ」といった指摘や、仕事を休まざるをえない個人事業主も支援するよう求める意見などが出されました。自民党は、近く、政府に3回目の提言を行うことにしています。

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この時期、被雇用者の親が、子息の学校が臨時休校で仕事を休めば、最高20万円程度国が会社に人件費補填をしてくれる仕組みです。会社は人件費の持ち出しがなくなるので社員を休ませやすくする仕組み、社員も有給休暇が減らないので休みやすい仕組みと言ってもいいかもしれません。

しかし、人件費の補填ができても、人手を失った事業体が社会に与える影響は計り知れません。特に我々のような対人サービスの場合、休んだ従業員の人件費が補填できてもすぐさま代替者が見つかるわけでもないので、現場でのサービスは維持できなくなります。

休校になった学校の教職員に手伝ってもらう事はできるはずですが、そういうメッセージを発した政治家は多くないです。みんなが力を出し合う音頭取りが非常時の政治家の役割なのに、金を出せば良いという安易さを感じさせているのが気になります。休業者の人件費で会社が倒れるのを防ぐ事は大事ですが、政府は企業活動までを自粛させて感染防止をしようとしているのではないのですから、働く親を休ませなくてもいいように、政治家は動くべきです。

休めない家庭の低学年や特別支援学校生には学校開放する千葉・埼玉・横浜・大阪・京都市等は、働く保護者を支援する方向で動いています。いろいろ壁はあるけど緊急時はみんなで助け合おうというメッセージが伝わってきます。学校現場は共働き率が高い職場です。子どもを預けなければ仕事が成立しない方が多いのです。それでも、休みのドミノ倒しを誰かが止めて支えないと社会は崩壊します。これは、お金では解決しません。

確かに日本中の学校を休校にして感染スピードを落とそうという決断は凄いですが、学校職員が支えてあげてほしいと首長をはじめとする政治家が動く事も、お金を積むよりはるかに政治性の高い決断だと思うのです。

トイレ洋式化

学校トイレ洋式化、自治体で格差/石川

2021/3/1【毎日新聞】

家庭のトイレと言えば洋式が一般的になったが、今なお全国の小中学校のトイレでは約半数で和式が残る。昨年9月に文部科学省が発表した全国の公立小中学校にある洋式トイレの割合は57%。「子どもたちが慣れない和式で用を足せずに困っている」という声もあり、近年は衛生面や新型コロナウイルスを含む感染症対策の面からも洋式化が求められている。【井手千夏】

■富山県が全国一79%
文科省の調査では洋式化率は北陸3県でみると、富山県が全国トップの79・3%のほか、石川県55・8%▽福井県57・7%。県庁所在地では富山市が94・1%なのに対して、福井市は51・8%、金沢市は41・9%と全国の中で下位にとどまる。石川県内でも、84・9%の野々市市から45・7%の宝達志水町まで「格差」がある。

TOTO(北九州市)によると、トイレの出荷台数の99・3%(2015年)を洋式が占める。文科省は子どもが洋式に慣れていることや、災害時に避難所になる学校の特性も踏まえたバリアフリーの観点から洋式化を推奨。和式は便器外に飛沫(ひまつ)が飛び散りやすく雑菌が繁殖したり、洋式のふたを閉めて流したりすると感染症予防に効果的だとしている。

特に低学年の児童にとって、慣れない和式の存在は大きなストレスになる可能性がある。トイレ問題に関心を寄せる金沢市の小林誠議員によると、休み時間に限られた洋式に子どもが集中するために、用を済ませられなかった子どもが授業中に失禁してしまうケースがあると校長から声が寄せられている。

■斜めに設置の奇策
全国でも上位に入る富山市は、16年の前回調査から48・6ポイント上昇。その「秘密」は便器自体の交換を優先して進めてきたことにある。学校の個室トイレは内開きが多く、和式から洋式に変えた便器がドアに引っかかってしまうこともあるが、富山市では便器を斜めに設置にしたり、ドアを外開きにしたりするなどしている。費用は1ブースにつき、工事代を含め50万~100万円以内で済むという。

一方、金沢市は16年の29・5%から12・4ポイント増にとどまる。市教委は、市内に学校が多いことに加え、エアコン設置などの課題を抱える中で「優先順位を決めて取り組んでいる」と説明する。古い学校が多く配管工事も必要なことなどから、富山市のような便器交換ではなく、トイレ全体の改修工事を念頭に置く。その分、工事は長期に及ぶ上、縦1列につながる1~3階のトイレの改修には約5000万円かかるという。

20年12月の市議会で全面洋式化のめどについて問われた山野之義市長は「できるだけ早く達成すべく整備計画の策定と実現に取り組む」と応じ、21年2月に発表された21年度当初予算案に420万円をつけ、実態調査を行う。石川県は同年度当初予算案で県立学校16校のトイレ洋式化と手洗い場の自動水栓化に3億3000万円を盛り込んだ。

■トイレに選択肢を
自治体による洋式化を後押しするため、文科省は01年に改修費の3分の1を補助する制度を設けている。その効果もあって、洋式化率の全国平均は16年の43・3%から20年に57%へと増加した。

NPO法人「日本トイレ研究所」(東京)の加藤篤代表理事は洋式化の重要性を挙げた上で、「和式を好む人のために一定の数の和式を残したり、介助が必要な人やトランスジェンダーのために男女共同トイレを整備したりするなど、選べるということが大事だ」と指摘している。

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昔、まだシャワートイレが普及していなかった頃にASDの子どもから「家がシャワートイレなので学校のトイレに行けない」という声がありました。排便の後を紙で処理したことがないというのです。「え?それってシャワーの後は拭かないの?」と聞くと「乾燥機付きのシャワートイレだから大丈夫」なのだと応えていたのが印象深かったです。今となっては乾燥機付きじゃないのかとがっかりする時代になりました。

放デイのアセスメント表に、「排泄は自分で処理できる」というのがありますが、時代が変わればボタンが押せる人なら「STで処理できる」という項目が増えるのでしょう。トイレは臭い汚いが昔の公衆トイレや学校トイレの代名詞でしたが、今や高機能公衆トイレが耳目を集めます。和式を選ぶ人がいるのかどうかは知りませんが、低学年の様式の場合身長にあわせて、床を上げるなどの配慮はいると思います。

 

議員のマスク拒否、法廷闘争に 口元切り取りは正当な権利?挑発?

議員のマスク拒否、法廷闘争に 口元切り取りは正当な権利?挑発?
3/11(金) 【毎日新聞】

コロナ禍でマスク着用を拒否する地方議員の行動が物議を醸す中、北海道白糠町では法廷闘争に発展している。原告の福地裕行町議(71)は「法的根拠なく、着用を強要するのは違法」と主張。一方の町側は、自ら口元を切り取ったマスク姿で議場に現れたことに「挑発行為」と戸惑いを隠さない。ただ、着用拒否を巡る見解はさまざまで、町議の行動を問題視する識者がいる一方で、「必ずしもマスクが善ではない」とする識者もいる。【高橋由衣、本間浩昭】

「裁判所ではマスクの着用を推奨しております」。釧路地裁で10日開かれた第1回口頭弁論の冒頭、新谷祐子裁判長がこう呼び掛けると、法廷内に沈黙が流れた。だが、マスクをせずに入廷した福地町議は気に留める様子もなく、しばらくして新谷裁判長は意見陳述を促した。

福地町議は一礼後、眼鏡を外して陳述書を手にし、「ワクチン接種とマスク着用を強要し、同調圧力によって応じない者に差別と偏見が全国に広がった」「問題提起するため未着用を決めた」などと読み上げ、審理は終結。判決言い渡しは29日午前10時に決まった。

訴状などによると、2020年3月、町議会は全員協議会で、マスク着用などの感染対策をとることを「申し合わせ事項」として確認。当時、福地町議もマスクを着けていたが、その後に一転した。

同町関係者などによると、福地町議は21年6月の特別委員会で着用を拒否し、他の町議の反発を受けて審議が中断。自身が委員長を務めた同7月の委員会でも着用せず、他の委員が離席して委員会は空転した。

その4日後に開かれた臨時会では議長から退席を命じられ、議場を退出。議会事務局職員に不織布マスクとハサミを要求し、口元を四角く切り取った手製の「マスク」を着用して再び議場に現れた。「それはマスクではない」と議長から発言禁止を告げられると、「マスクだよ、これ。なんで認めないの」と激高したという。

福地町議は同8月、法的根拠なくマスク着用を強制され、発言禁止の処分を受けたとして、町側を相手に20万円の損害賠償とマスクをせず議会で発言する権利の確認などを求めて提訴した。代理人の木原功仁哉弁護士(大阪弁護士会)によると、マスクの着用を巡る議員の提訴は全国初。

福地町議は訴訟で「公益性のための活動を制限するのは違憲、違法だ」と主張。「マスク着用は子どもの発達障害を引き起こす。症状がある人に推奨する程度にとどめるべきだ」と訴える。

これに対し、町側は「マスク着用は全員協議会で協議し、感染対策の自主的な取り組みとして全員が合意した」などと請求棄却を求めている。臨時会の進行に支障を来した上、飛沫(ひまつ)対策に無意味な切り取りマスクをしたのは「議会を挑発し、愚弄(ぐろう)していると言われても仕方ない行為」と非難する。

福地町議は毎日新聞の取材に「マスクの効果を疑問に思っていた。メディアに出ない専門家の話を聞くなどさまざまな勉強をして、着用が有効であるというエビデンス(証拠)はないとの確信に至った」と未着用に至った経緯を説明。現在、フェースシールドを着用して議会に出席しているのは「本当はしたくないが、しないと発言できない」と話した。

一連の騒動を識者はどう見るか。

中央大の佐々木信夫名誉教授(行政学)は「集票活動の一環のようで、政治利用が透けて見える。『民意を鏡のように反映する』という地方議会の仕組みからして、住民に誤った情報を流布する活動になりかねない」と危惧する。さらに「反マスク運動を展開するなら、被害が広がった場合に議会人としてどう責任を取るのかを示した上で、反マスク運動の有効性を証明すべきだ」と指摘する。

同志社大の中谷内一也教授(リスク心理学)は、福地町議ら地方議員のマスク着用拒否に「何のメリットがあるのか分からない」と首をかしげる。一方で、「感染対策に反対する主張には一理あるものもある。どんな対策にもメリットとデメリットがあり、トレードオフ(何かを得るために何かを失う)の関係がある。必ずしもマスクをすることが善、ワクチン接種が正解とは思わない」と話す。

また、「前例のない事象で、先のことが正確に分かる人はいない。専門家も過去のデータを基に将来の評価をしており、不確実性を含んでいる。自己判断する上で、この人が言っているから絶対に『正しい』『間違っている』という考え方には注意が必要」と指摘する。

地方議員のマスク拒否を巡っては、大分県臼杵(うすき)市の若林純一市議が議会でマスク着用を強制され、発言を許されなかったのは違法などと21年11月に提訴し、係争中。今年2月には、広島県呉市の谷本誠一市議が釧路空港から羽田空港に向かう旅客機内で着用を拒んで出発が1時間以上遅れ、市議会は辞職勧告決議案を可決している。

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この記事で、「マスク着用は子どもの発達障害を引き起こす」と福地議員が言ったか、記者がそう表現したかはわかりませんが、明らかな間違いなので訂正してほしいと思います。発達障害の人が感覚過敏でマスクがつけられない場合があるのは良く知られたことですが、マスク着用が原因で発達障害にはなりません。取材の段階で気が付いてほしい間違いです。こういう基本的なところで間違われると、正論を示しても誰も信用しなくなります。

マスクの着用について議会ともめている議員は、北海道と広島県と大分県の3名の地方議員です。広島県の議員は飛行機搭乗にマスク拒否をしてフライト時間を遅らせた結果、議会で辞職勧告がなされました。大分の議員は福地議員と似ていて議会でマスク着用を強制すべきものではないと反発し、この二人は裁判を起こしています。身に着けるものは、表現の自由とも重なり他者に制限を加えるべきものではありません。しかし、議会なのですからそんな子どもじみたパフォーマンスをするより、言論で戦えば良いのではないかという意見もあります。

マスクは、新型コロナ感染症が流行するまでは、健康な人が着用しても予防効果はないというのがWHOの正式見解でした。インフルエンザの予防のために感染者がマスクをするとある程度周囲への予防効果があるとは言われていました。しかし、インフルエンザ・ウィルスとコロナ・ウィルスは種類の違うウィルスですから、予防方法が同じかどうかは分かっていません。

世界がマスクに注目し始めたのは、日本の感染率の低さを見て、日本人はマスクをしているから感染が低いのではないかという憶測が起こりWHOもそれを根拠なく追認してからです。国内では、スーパーコンピューター「富岳」の飛沫シミュレーションをテレビ放映したことで、コロナウィルスが飛沫感染で広がるという印象を国民に与えました。

結局、かなり離れていても飛沫を吸い込むことは分かったのですが、それを吸い込んで感染するのかどうかの研究結果はいまだにありません。そもそも、コロナウィルスは感染者の排泄物の接触感染との研究成果がサーズウィルスの流行の時から積み上げられており、この説は覆されてはいないのです。トイレやトイレに持ち込むスマホ等を消毒しないと感染は広がるのです。クラスター感染は全て多数の人が使う共同トイレのある所で発生しているのがその根拠と言います。

科学的な根拠がないのに、一律に強制してマスク着用を求めるのはおかしいというのが3議員の主張です。これ自身は筋が通った話で、地方議会が強制力のある形で市民の代表者である議員の表現の自由を奪うべきではありません。もしも、法制化するなら欧米のように政府が決める事です。ところが日本の憲法の建付けではこういう強制が出来ないと言うのですから、それならば地方議会が政府や憲法を越えるべきではありません。

我が国は同調圧力によって個人を押さえつける癖が強く、根拠のないことでもみんなで渡れば怖くないという事が多いです。PCR検査もWHOが35回増幅で良いというものを45回も増幅して感染力のない1匹ほどのウィルスを見つけて陽性とし、いつの間にか感染者にすり替えられてしまいますが、医師会でこの事を指摘する人はほとんどいません。さすがに11歳以下のワクチン接種は「同調圧力をかけてまでやる必要はない」と東京医師会が言い出しました。感染が広がった最初の頃はデータがないのである程度非科学的な行動も仕方がないです。けれども、もう2年も経ったのですから、やり方を変える事が大事です。が、これも我が国が最も苦手とするところです。

平成から令和へ

平成最後の日がやってきました。テレビでは「平成を振り返って」特集をあちこちでやっています。
昭和生まれにとっては、平成よりも昭和の方に懐かしさを感じてしまいます。平成は30年、昭和は60年余と2倍の長さがあり、敗戦から高度経済成長そしてバブルと、実にドラマのような展開でした。

平成はというとバブルがはじけ「失われた20年」という言葉が日本の衰退と没落の代表語のようにも使われます。けれども、私はそうは思いません。平成は、驚くべき勢いで日本の福祉が進んだ時代であったと思います。共同作業所という成人障害者の進路先ですら親がお金を出し合って細々と経営していた昭和。放課後等デイサービスは、学童保育所ですら全国にいきわたらなかった昭和では思いも及ばない公的サービスの実現でした。
文明は進化する。考えてみれば人口減少だ、少子高齢化だ、デフレだ、財政破綻だといっても、平成の日本の労働者1人あたりのGDPは2000年から15年間で約20%も伸びているのです。経済を支える舞台裏で日本人が頑張り続けた結果です。もちろんブラック企業が大きな顔をしたりする時もありましたが人手不足の今では影を潜めています。福祉が目に見えて進んだ平成時代が終わりをつげ、明日から始まる令和がどんな時代になっていくのかは誰にも分かりません。わかっているのは、時代を作っていくのはその時代を生きていく人たちだということです。昭和や平成を生きた人々と同じように。

さくら開花予想

事業所の近くを歩いていたら、早咲きの桜が咲いていました。今年のさくらは、平年より大幅に早く咲く見込みで、記録的に早くなる所もありそうです。ただ、九州南部や静岡など温暖な地域では、暖冬の影響が大きいためほぼ平年並みの開花となりそうです。

--------------------------ウェザーマップの「さくら開花予想」

今年の冬は、寒気が流れ込んでも北日本までのことが多く、西日本を中心に大幅な暖冬となっています。このため、休眠打破は鈍く花芽の成長も鈍いとみられます。一方、1月・2月も春のような暖かさの日が多く、3月も一時的な寒の戻り以外は気温がかなり高めの状態が続くと予想されます。暖冬の影響よりも1月下旬以降の高温の影響が非常に大きいとみられるため、平年より大幅に早い開花となりそうです。九州や四国など暖冬の影響が大きい地域は、記録的な早さとはならない見込みです。

 

格安航空会社「ほなやろ課」積極雇用

ピーチ障害者はつらつ・・・「ほなやろ課」積極雇用

2021/03/02 05:00【読売新聞】

マニュアル写真・絵で工夫
勤怠や運航
関西空港を拠点にする格安航空会社(LCC)「ピーチ・アビエーション」で、障害者が大半を占める「ほなやろ課」の取り組みが注目されている。障害を持つ社員がそれぞれの特性をいかして働いており、運航上の重要な実務も任されている。グローバルに展開する同社はダイバーシティー(多様性)を尊重しており、「障害があっても、『成長したい』と挑戦できる環境を整えていきたい」としている。(北口節子)

「ほなやろ課」は、障害者雇用の受け皿として2018年9月に発足し、聴覚障害や知的障害、肢体不自由などの24人を含む29人が在籍。関西弁のユニークな課名には「あらゆる業務において、真摯しんしに前向きに業務に取り組もう」という思いが込められているという。

業務は多岐にわたり、名刺の作製や給与・勤怠業務をはじめ、給油量の管理、航空機の整備記録の保存など運航業務も担う。障害者の積極的な人材活用により、同社の障害者雇用率は法定の2.3%を上回る3%前後を保っている。

様々な障害を持つ課員の誰でも数多くの仕事をこなせるのは、工夫をこらした業務マニュアルの存在が大きい。写真やイラストを多用して「仕事のイメージがわきやすい」と好評で、多数のマニュアルをそろえる。

サポート役に徹するスタッフが質問や相談を最優先で受け付けていることも、安心して働ける職場環境につながっている。トラブルが生じても不安にならず、仕事に集中できるという。障害のある課員がサポートする側に回ることもある。

発達障害がある同課の井上亮一さん(26)は航空機の整備記録のデータ化などを担当。以前の職場では人間関係のつまずきで退職を余儀なくされることもあった。「障害の有無にかかわらず、業務を任せてもらえることにやりがいを感じ、仕事の幅も広がっていく」と充実感を口にする。

障害のある社員の専門的な能力を伸ばすことで、障害者枠での採用後、ITや整備などの一般枠に切り替わったケースもある。


「ほなやろ課」を引っ張る黒木均課長(35)は約10年間、特別支援学校で教諭を務めた経験がある。兄は重度障害があり、職業の選択が限られた。「教え子らには働ける場所をもっと広げたい」との思いで3年前、ピーチに転職した。今では障害者雇用の先進事例を学ぼうと、企業や学校などから講演や指導の依頼が寄せられている。

1月には泉南市の府立すながわ高等支援学校の1年生に向け、キャリア教育についてオンラインで講演した。障害者の職域開発を進め、客室乗務員が主に行う機内清掃にも参加するようになったことを紹介。「掃除だけでなく、不審物の有無もチェックする。何かあれば飛行機を運航できず、責任問題になる」と重要業務を任されていることを説明した。

黒木課長は「障害を理由に簡単な仕事しかさせないなどの行き過ぎた配慮は不要。障害のある人も必要なサポートを遠慮せずに発信するなど、苦手を克服する工夫も大切だ」と指摘する。

◆障害者雇用率障害者の働く機会を確保するため、障害者雇用促進法は、民間企業や国、地方自治体などに対し、一定割合の雇用を義務づけている。3月1日から、民間企業は2.3%、国や自治体は2.6%と、それぞれ0.1ポイント引き上げられた。

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送迎の途中、ぼそっと子どもが「僕は将来どうせ働けない。生活保護で生きていくしかない」と呟いていました。誰が彼にそんな風に思わせたのか腹が立ちますが、一方でこうした障害者雇用・ダイバーシティー雇用の情報を子どもに流していない自分に気が付きました。そんなことは学校がするだろうと思っていても、どの学校でしているわけではありません。心無い大人は、マスメディアに興味本位に引きこもりやごみ屋敷を描きます。子どもたちがそれを見て、自分の未来に仕事はないな誤解するのは当然です。子どもの未来に前向きな情報がもっともっと必要です。身近な格安航空会社がこんなに雇用努力しているとは知りませんでした。がんばれ!ピーチ!

 

学校HP、コロナ禍後に保護者の満足度上がる

学校HP、コロナ禍後に保護者の満足度上がる

2022年3月14日【日本教育新聞】

学校が家庭向けに発信する情報について、印刷機関連企業などで構成する民間団体が保護者を対象として行なった調査で、学校が開設しているホームページへの満足度は新型コロナウイルス感染症が広がってから向上していることが分かった。プリント類の満足度は依然として高かったが、コロナ禍が始まってからはやや下がった。

この調査は令和2年の1~2月と11月に実施。小・中学生、高校生の子どもがいる人を対象とし、初回は1000件、2回目は1030件の回答を集計した。インターネットモニターから回答を募った。

学校からの連絡の手段について、「プリント(紙)」「メール」「学校のホームページ」を挙げ、それぞれ「とても満足」または「満足」と答えた割合を比べたところ、「学校のホームページ」は中学生の保護者が19・5ポイント増の58・5%と大きく伸びた。小学生、高校生の保護者も増えていた。

「プリント(紙)」は、中学生の保護者で6・2ポイント減となるなど、各学校種ともに、低下したが依然としてホームページを上回った。

調査を行ったビジネス機械・情報システム産業協会のデジタル印刷機部門では、プリント類は、五感を刺激する情報伝達手段であるとして、優位性があるとの見方を示した。

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学校ホームページは当事業所も良く閲覧します。学校の短縮下校時間が何時なのかを確認することが多いです。原則は保護者からの連絡を待つのですが、学校の連絡文書を紛失されたり記憶違いがあったりで、事業所からも学校のホームページから下校時刻を検索することは少なくないのです。

各校の学校のホームページを閲覧していると、ホームページの発信や更新にかなりの差があり、学校の年間行事計画すら掲載されないところから、毎月の学校だよりで次月の下校時間やお知らせが事前に定期的にアップされているところまで様々なのです。当事業所が把握しているところでは、年間行事計画や次月の予定が掲載されている学校は7割程度というところです。

残る3割のうちわけは、保護者パスワードがあれば閲覧できるシステムになっているものが1割、あとの2割はそもそもホームページの整備ができておらず、更新も管理職が思いついたようにしているという学校のHPがあります。プリントを配布しているのだからそれ以上はなくてもよいサービスだという考えもありますが、プリントは持ち歩けないし、紛失の可能性もあるものですから、ネットが検索できるのはありがたいのです。

公立学校は「ネットコモンズ」という当ホームページでも使っている無償のホームページシステムが使われているので、操作は極めて簡単で担当者さえ更新の仕事をしていれば、プリントされた配布物をPDF化してアップするのは数分でできる作業です。このHPシステムはスマホでも閲覧できるシステムなので、学校だよりなど予定は積極的にアップしてもらえると、保護者にも関係者にもとても役立ちます。もちろんプリントの現物はもらった感があって大事なのは変りないので、当事業所でも印刷お便りの「すてっぷ通信」は欠かせません。

令和元年

テレビのどこのチャンネルも令和元年の報道ばかりです。そもそも天皇一代で元号一つは明治からの話です。むかしは案外簡単な理由で元号が変わっていたそうです。明和は、1764年から1772年までの8年間施行されました。この時代の天皇は後桜町天皇、後桃園天皇。江戸幕府将軍は徳川家治でした。何故明和9年がなかったのか?「めいわく年」は良くないという理由で8年で終わり 安永(1772-1781)に続いたというのです。案外簡単な理由で変えているのです。日本古来の元号は面倒ですが世界に一つのオンリーワン、と思えば誇らしくもあります。

子ども起業

京都市内の中高校生が経営する小学生向けプログラミング教室が2月、中京区にオープンした。受講生集めから経理、指導まで全てを担い、経営の厳しさや面白さを体感している。生徒たちは、昨春から北区のコミュニティーFM局「RADIO MIX KYOTO(ラジオミックス京都)」で週1度の番組「17歳、就職活動なう。」を担当している。経営者らへのインタビューを通して働くことの意味や大学での学びを考える内容で、企画を続けるうちに実際の事業経営に関心が生まれたという。

大人も若者の挑戦を支援する。番組プロデューサー中川隼人さん(34)は、生徒を「つかず離れず」の状態で見守り、全国でプログラミング教室を展開するNPO法人「ロジカ・アカデミー」(大阪府池田市)は運営面での協力を申し出た。経営に携わる生徒は18人。10人ほどが中心となり、リーダーの「社長」を筆頭に、経理や人事、技術担当を決めてビデオ会議を定例で行う。週1度の教室では生徒が同アカデミーの教材を用いて小学生にプログラミングを教える。現在は教室がスタートして間もなく収入がないため、運転資金は中川さんが貸し付けている。事業計画の中で収入確保策や返済計画を立てる予定で、中川さんは「徹底的に自分たちで考えることで、これからの時代に必要な問題解決能力が養われると思う。今後が楽しみ」と応援する。

中高生が運営する教室は同アカデミーの教室に例がなく、目下の悩みは小学生にどう教室の存在をアピールするかだという。社長の平野福さん(15)=同志社高1年=は「楽しい教室にするのは得意だけど、集客や広報の難しさを実感している。一方で小学生の発想の豊かさを間近に感じられるのは楽しい」と話す。「ロジカ式京都四条校」は中京区室町通六角下ルの「こいやまCafe」で毎週水曜日に開講。月謝制。問い合わせは中川さん090(7554)8081。

【2020年3月3日 14:00 京都新聞WEB】

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プログラミング講座を中高生が企画するというのも面白いのですが、高学年、中高生が店を出したり会社を起業させてみるのはとても良いと思います。小学生なら洗車・清掃会社、中学生なら御用聞きの便利屋、高校生なら記事のような学習支援サービスや企画も行うイベント会社などです。自主的に組織的に収益上げて目標を達成するというところがとても大事で、大型旅行の費用にする、高額のスポーツ用具やIT機器をそろえるなど、期間限定型の起業はぜひ経験させたいプログラムです。

一斉休校から1年・・・数年後にストレスが表面化

一斉休校から1年・・・コロナ禍で学校生活「激変」専門家「数年後にストレスが表面化」

2021.3.2 17:06【SankeiBiz】

新型コロナウイルス対策の全国一斉の臨時休校から2日で1年。多くの学校は6月まで休校を余儀なくされ、授業再開後も行事が中止されたり、部活動に制限がかかったりと、学校生活は大きく変わった。子供たちにもストレスによる心身への影響が懸念される中、昨年自殺した児童生徒は過去最多に。現在も外出などの自粛が求められる中、専門家は「今は問題ない子供でも、数年後にストレスが表面化する可能性がある」としている。(藤井沙織)

自殺が過去最多
「最近、子供が急に『習い事をやめたい。宿題もやらない』と言って泣き出すようになった」。兵庫県の会社員の女性(44)は、小学2年の長男(8)についてこう話す。友達や先生とトラブルがあったわけではなく、以前は学校も習い事も楽しんでいる様子だったといい、「どうすればいいのか」と悩む。

コロナの感染防止のため、学校生活にも1年以上にわたり、さまざまな制約がかかっている。常にマスクの着用が求められ、給食は黙って食べる「黙食」。合唱や調理実習など、感染リスクが高い教科や、部活動は制限されている。修学旅行や文化祭、運動会などの行事も中止や規模縮小となり、子供自身も気づかない間にストレスは蓄積している状況だ。

文部科学省などによると、令和2年に自殺した小中高校生は前年より140人増え、統計のある昭和55年以降最多の479人。同省はコロナとの関係の分析や今後の対応策の検討を急ぎ、今年2月から児童生徒の自殺予防に関する有識者会議を重ねている。

変化に注意
子供たちの抱え込んだストレスが「これから表面化してくるおそれがある」と指摘するのは、早稲田大の本田恵子教授(学校心理学)。東日本大震災の際、3年ほど後になって心身のバランスを崩し、不登校などになる子供が数多くいたためだ。

「特に注意が必要」とするのは、ストレスをためこむ子供。泣いたり怒ったり、がむしゃらに勉強したり逆に無気力になったりと、分かりやすい「サイン」があれば、周囲も気づきやすい。だが、「約6割の子供はストレス反応を表に出さず、求められたルールを真面目に守って、自分を抑圧してしまう」と本田教授は指摘する

実際、学校現場で求められる感染症対策に、子供たちは従順だという。大阪府内の複数の公立小中学校長は「子供たちは文句も言わず、感染対策に協力してくれる」と口をそろえる。

だが、ストレスのサインが表面化しないわけではない。子供たちのストレスサインは、朝起きるのが少し遅い▽甘い物ばかり食べるようになった▽大人に気を使っている-など、小さな変化として現れるという。

変化に気づいた保護者は、どうすればいいのか。本田教授は「話を聞いて共感を示し、まず背景にある『悔しい』『寂しい』などの感情を受け止めて」とし、「解決策は子供が決めるので、保護者からは提示しない」ことを挙げた。毎日の登校や宿題、感染対策など、当たり前にできていることに「頑張っているね」「ありがとう」と伝えることも大切という。

相談先はある
大阪母子医療センター子どものこころの診療科の平山哲医師は、コロナ禍での子供たちは「心のエネルギーがたまりにくい状態にある」と話す。「心のエネルギー」は人とのコミュニケ-ションや遊びなど、心が前向きに動くことで生まれるといい、「給食時間に友達と話せず、遊び方も制限される状況が続き、終わりが見えないことが、ボディーブローのように小さなダメージとして蓄積している」という。

そこで、平山医師がアドバイスするのが、外では制約されるコミュニケーションを、家庭でこそ意識的にとることだ。その日の出来事や面白かったテレビ番組などについて、保護者から会話を投げかける。子供が学校の話をしなくなれば、「『今日の給食のお肉は豚だった?牛だった?』など、感想ではなく経験した事実を、会話の入り口にしては」。

子供のストレスは保護者にとっても不安で、対処に悩むもの。各自治体にはスクールカウンセラーや精神保健福祉センターなどの相談窓口がある。自治体のホームページでも紹介されており、平山医師は「相談先があることを知ってほしい。それだけでも気持ちが違うはずだ」としている。

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「心のエネルギー」は人とのコミュニケ-ションや遊びなど、心が前向きに動くことで生まれる・・・という平山医師の説はその通りだと思います。知識やスキルを学ぶのは、それを遊びや生活で生かすから意味があります。実際のリアルな場面がなければ、その必要にも気が付きませんし、言われたからやっているという受け身の自分が際立つだけです。

子ども時代の遊び友達の存在は何にも変えがたいものです。そこから冒険心や挑戦心や競争心や、いたわりやねぎらいや優しさという、より良い自分を目指すエネルギーがわいてきます。すべてがそこから始まるからです。友達から語らいや遊びを抜けば何も残らないと言っても言い過ぎではないように思います。それを失うような予防が必要な風邪ではないし、少なくとも普段のインフルエンザと比較しても子どもの感染死亡事例もない軽度の症状なのですから、ふざけ合う事もできないような過剰な予防を子どもに強いる必要は全くないと思います。

小1男児、トイレに連れられ児童8人から殴られ蹴られる…学校側は保護者に「ポピュラーな遊び」

小1男児、トイレに連れられ児童8人から殴られ蹴られる...学校側は保護者に「ポピュラーな遊び」

3/15(火)【読売新聞】

仙台市立小学校の男子児童がいじめを受けて不登校になったとして、市教育委員会は、いじめ防止対策推進法で定める「重大事態」と認定する方針を固めた。児童の欠席日数は認定の目安となる30日を超え、15日で連続50日に上る。市教委は「事実確認で時間がかかっている」として、対応の遅れを認めている。

保護者によると、小1の男子児童は昨年12月15日、時間内に食べ終わらなかった給食を昼休みに食べていた時、同級生にトイレへ連れて行かれ、児童8人から胸や背中などを殴ったり蹴られたりしたという。受診した小児科で「全身打撲」「急性ストレス反応疑い」で全治4週間と診断された。

学校に対して調査を求めた保護者によると、学校側からは「ポピュラーな遊びだった」「加害者側もたたかれた」などと回答され、いじめは否定されたという。男子児童は同16日から不登校が続いている。

保護者は市教委に話し合いを求め、今月4日に状況を説明した。これを受けて市教委は「いじめがあったという前提で、学校内で詳しい状況を確認している」として、重大事態として第三者を含む「いじめ調査委員会」を学校に設け、調査する。

事案の発生から3か月が経過し、保護者は「子どもが学校へ行けない日が続いている。市教委は実態を正しく確認して説明してほしい」と求める。学校側は14日、読売新聞の取材に対し、「個別案件には答えられない」としている。

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こんな杜撰なクレーム対応は民間ではあり得ません。最低限の機能を果たさないポンコツ商品にクレームを付けたら「商品の仕様です」と弁解されたら金返せと言われるのがオチです。子どもが教師の視界から外れたところでいじめられているのに、「ポピュラーな遊び」と弁明する事は、これが「わが校の仕様です」と言っているに等しいです。一言、「ご心配おかけして申し訳ありません。すぐに調査し指導します」と言えなかったのでしょうか。

「申し訳ない」この一言が言えない学校関係者は少なくありません。そして、子どもの行動は学校の責任ではないと思っているような言動が目立ちます。もちろん、学校には様々な子どもが通学していることは親も承知です。しかし、様々な子どももがいるからこそ、心身の安全の確保は大人の責任なのです。教員の指導が行き渡らなかった、学校の管理が行き渡らなかったという発想が出来ない人が少なくないような気がします。

結果として、校長も自分の責任だと言わないので「上の人出して」ということにつながります。教育委員会に親がクレームを言うのは、親がクレーマー化しているからではありません。クレーマーと言うのは、些細な事を捻じ曲げてクレームにして業務をしつこく中断させる行動をとる人を言います。「申し訳ありません」「すぐに改善します」の対応がなく、言い訳に終始するから教育委員会に持ち込まれるというケースがほとんどです。学校の常識は世の中の非常識といわれる所以を学校関係者は考えるべきだと思います。その非常識さが逆に本当のクレーマーの餌食にもなっているのです。教員は、苦情対応を含む教育サービスを売り物にし、その対価を報酬としてもらっていると考えて欲しいものです。

高文脈型コミュニケーションと低文脈型コミュニケーション

日本人と米国人のミックスの子どもで使う主言語がどちらかによって、行動や心理発達まで変わってくるといいます。

『すてっぷを見に行くね。』と言うと、日本人だったら言ってる本人が行くのだろうとすぐ想像がつきます。しかし、英語を母国語に持つ人は、『誰が行くの?』と聞き返してきます。食後『テーブルを片付けといて。』と頼むと、『テーブルは重くて動かせない。』と返事されます。端折った日本語表現も悪いのですが、テーブルは誰でも重くて動かせませんし、その上にあるものだと分かるはずです。また、『そこ、拭いといて。』と言うと、『そこじゃ分らん。』と返事が返ってきますし、『テーブルだ。』と返事をすると、近くにあったティッシュで拭き始めました。『テーブルは台布巾で拭くものだ。』と話すと、『言わないと貴方が考えていることは分らない。』と反論されます。英語圏人には、とにかくいちいち説明する必要があるのです。
コミュニケーションには、"HC" High Context Communication(高文脈型コミュニケーション)と"LC" Low Context Communication(低文脈型コミュニケーション)があり、日本語は高文脈型に属します。

高文脈型は、集団主義的な考えを持つ文化で生まれ、非言語のコミュニケーションが多いことが特徴です。人間関係が密接で情報が共有されるため、言葉以外の文脈や状況までコミュニケーションの前提としています。また、全体との協調や調和を大事にするため、主体的でない間接表現が多く、遠まわしで曖昧な言い回しが多いのです。
英語は低文脈型に属します。低文脈型は個人主義的な考えを持つ文化から生まれており、個性を重視した主体的なコミュニケーションに価値をおく言語です。よって、伝達される情報は言葉の中にすべて入っており、逆に語られない言葉にはメッセージが存在しない事になります。

自分の考えを言葉にはっきり出すため、分りきった内容でもいちいち言葉として表現する必要があり日本人にはストレスに感じる部分も多くあります。英語はお互いの意思を一つ一つ言葉で確認し合う低文脈型の文化圏で発達した言語であることを意識する必要があります。

このように文化が先か言語が先かは今となっては卵と鶏で、どちらが先と言えないですが、言語スタイルと思考パターンやコミュニケーションパターンはセットとなるということです。だったらバイリンガルの人はどうなるんでしょう?どちらかの言葉を主で考えているという答えが多いようです。

文脈のとらえ方が使用言語によって違うというのは、子どもたちとのコミュニケ―ションでも考えさせられることです。子どもは低文脈型ですからいちいち言語(シンボルやサイン含む)にする必要がありますし、いちいち表出させないとそれで伝わったと勘違いして育つ可能性もあります。

 

センバツ無観客

日本高野連は4日、第92回選抜高校野球大会(19日開幕、甲子園)について、史上初の無観客で開催準備を進めることを決めた。主催者の日本高野連と毎日新聞社は大阪市内で運営委員会と臨時理事会を開き、出場32校に無観客での実施に向けての準備を要請することを決めた。だが、新型コロナウイルスの感染状況によっては中止することも明言した。開催の可否は11日の臨時運営委員会で結論を出す予定だが、予断を許さない状況だ。

「開催ありき」で進めてはいけない。これから1週間の状況を注視し、やはり開催は難しいと判断されれば、速やかに中止を打ち出すべきだ。丸山大会会長も「中止も視野に入れている」と強調したが、言葉だけではないことを強く願う。11日の判断にあたっては、科学的、疫学的な面から冷静に開催可否を決めて欲しい。「球児の夢だから」という感情が先走るとしたら危険だ。

確かに、出場校からは歓迎の声が多く上がった。甲子園でプレーさせてあげたいという日本高野連の心情は理解できる。昨年のセンバツ入場料収入は約3億3000万円。甲子園大会は放映権料がないため、無観客とすることで収益面ではかなり厳しい運営が待っている。それでも、現時点では中止を決めなかったことに“決意”が表れている。ただ、一般的な国民感覚からすれば、驚きをもって受け止められたと思う。毎日新聞社とともに世論の批判を覚悟の上で、今回の決定に至ったのだろう。その覚悟を、大会終了まで最大限、安全確保に努めることで示さないといけない。

【アマチュア野球担当=石橋隆雄、古川真弥 2020年3月5日 日刊スポーツ】

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深刻なのは、高校球児だけではありません。応援の人々を輸送するバス会社、宿舎、飲食関係業者と広がっていきます。学校の臨時休校でも民間給食会社とそこに供給している業者は悲鳴を上げています。もちろん政府のつなぎ融資は提案されてはいますが、先日も書いたように人は支え合って生きています。お金だけで何とかなるものとならないものがあります。広がりの底辺に行けば行くほど細々と様々なものを支え合っています。

誤解を恐れずに使うならば、リスクとリターンはバランスよくとるしかありません。高い効果を狙えば大きなコストも覚悟しなければなりません。大きなコストを恐れて小出しに対応するとわずかな効果しか期待できません。結局、そこそこの持続を求めるなら、バランスがどこにあるのか探るしかありません。どちらかに偏った形での正解はないのです。

 

小学校全学年の35人学級を実現

35人学級に、学校現場は満足しているわけではない

前屋毅 | フリージャーナリスト
3/4(木) 7:00【Yahoo News】

小学校全学年の35人学級を実現するための国費を盛り込んだ2021年度予算が、3月2日の衆院本会議で可決された。いよいよ本格的に少人数学級への取り組みが動きだすことになる。しかし、それで終わりではない。

新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)の感染予防のために、少人数学級への要望が高まった。教室での密状態を避けるためだ。そして実に約40年ぶりに学級規模の引き下げが実施されることになった。その経緯から、少人数学級は新型コロナ対策だけのため、とおもわれがちである。もちろん、その目的もあるが、それ以外にも大きな目的があることを忘れてはならない。

なぜ、少人数学級の実現が必要なのか。それを理解するには、現場の教員の声に耳を傾けるのがいちばんだ。『もっと!少人数学級』(旬報社)には、少人数学級を体験した教員たちの思いも綴られている。

たとえば小学校教員の高橋公平さんは、「クラスの人数が少ないと授業中よく『喋る』と感じます。もちろん学習に無関係なおしゃべりではなく、授業の課題解決の場面や行事の縦割りの異学年交流などでも一人ひとりができることを進めようという想いがあると思います」と書く。

そして、「教師と子ども、子どもたち同士のかかわりの『濃さ』が、子ども一人ひとりの主体性を伸ばしているのだと考えています。『主体的・対話的で深い学び』につながる子どもたちの姿ではないでしょうか」と続ける。

佐藤光音さんは、中学の教員としてクラス全員が帰りの会で作文を読み合うという実践経験を書いている。その活動のなかで、「ともすれば落ちこぼれ」になりそうな子がクラスの人気者になっていく。

作文をとおして、クラスの子たちが彼に対する理解を深めていった結果だそうだ。大勢のクラスだと、それは難しいかもしれない。佐藤さんは、次のように書いている。

「人数が半分になれば一人ひとりの声を聞く機会が倍になり、それぞれの個性を互いに理解する深さが深まります」

少人数学級では人と人との物理的距離は離れるが、精神的距離は近づく。子どもたちの成長にとっては、はかりしれない「効果」をもたらす。

もちろん、授業も充実する。佐藤さんは、「例えば、机間巡視。人数が少なければ一周回るのにかかる時間が大きく変わります」と書く。教員が子ども1人あたりに目を配れる時間が、クラスの人数が少なければ少ないほど多くなるというのだ。それは、学習効果にも大きく影響してくるだろう。

いよいよスタートする35人学級で、こういうことが実現されていくのだろうか。あまり期待しすぎないほうがいいかもしれない。

先の佐藤さんの話も、実は25人学級での経験なのだ。佐藤さんは33人学級での経験もあるが、「33人学級で同じように作文の読み合いをしてもここまでの深まりにはたどり着くことはできませんでした」と書く。

約40年ぶりに引き下げられて35人学級になっても、まだまだ学級単位としては大きすぎるのだ。子どもたちが大きく成長し、学習効果も上げていくためにも、35人に留まらず、さらなる少人数学級の実現が必要なのだ。

同書のなかで山﨑洋介さん(ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会)は、「約11万人の教員、国・地方合わせて約1兆円の追加予算」で20人学級が実現できると述べている。学級人数を毎年度1人ずつ引き下げていって15年間で20人学級を実現し、その間に教員養成と教室など施設の確保もすすめていく、と具体的な方策も提言している。

35人学級がスタートするといっても、それがゴールではない。さらなる少人数学級を実現していかなければ、子どもたちのためにはならない。

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学校定数法では、35人を超えれば学級を分割して最低18人のクラスができるという仕組みです。つまり最高35人のクラスもあれば最低18人クラスもあるという制度で、平均すれば26.5人になるのです(現在の平均は30人)。記事にあるように最も教育効果が上がったと教員が感じられたのは22人なら30人学級にしないとその平均値は得られないのです。OECD加盟国の1学級の平均が21人なので、先進国標準の定員は26人です。

学級定員が減っても学力には大きな差はないという研究者もいますが、公費だけで教育費を賄う先進国と、私費を費やす日本では簡単に比較できません。日本の子どもたちはPISAでは比較的上位にいます。しかし、自己肯定感や幸福度、他者を助けた経験など、いわゆる「非認知能力」に関する調査結果は、諸外国と比べ明らかに低いのです成績以外のところで格差は生じているようにも感じます。学級定員を減らすのは武漢風邪の感染防止策などとケチなことを言わずに、中学校も含めて世界のトップ水準に教育水準を引き上げるとは言えないものでしょうか。

 

「辞書に見当たらない」から×? 先生によって大きく異なる漢字の採点基準

「辞書に見当たらない」からバツ? 先生によって大きく異なる漢字の採点基準

2022.03.16【朝日新聞】

SNSでたびたび話題になる漢字の「とめ・はね・はらい」の問題。実は気にする必要がないという〝ファイナルアンサー〟は文化庁の指針で出ているのに、学校現場では知られていません。なぜなのでしょうか。教員養成に携わる棚橋尚子・奈良教育大教授に聞きました。

たなはし・ひさこ/1959年生まれ。兵庫教育大大学院学校教育研究科教科・領域教育専攻言語系コース修士課程修了。公立中学校、国立大付属小学校の教員、奈良教育大教育学部助教授を経て現職。専門は国語科教育学。

「文化庁の字体・字形指針を理解」は教師の4割だけ
――漢字には様々な字形があり、細かな「とめ・はね・はらい」を気にする必要はないということは、2016年に文化庁が出した「常用漢字表の字体・字形に関する指針」で示されています。このことは、教育現場ではあまり知られていないようです。

日本漢字学会が昨年、小・中学校、高校などの教師587人に聞いた調査では、指針について内容を理解しているのは4割ほどで、存在を知らないという人も2割いました(図1)。思ったよりも知られていないという印象です。多くの先生にとって、指針はご自身の仕事とはかけ離れたところにあるという認識なのかもしれません。

先生たちはみんな、自分の中に理想の教育の姿を持っています。だからこそ外野の意見を受け付けないところもある。漢字学会には「学校の先生の厳しい指導が漢字嫌いを助長している」と憤っている研究者も少なくありませんが、現場の先生からすれば、ただ子どもたちに漢字の力をつけたいという善意からやっていることだと考えます。ベテランの先生ほど長年慣れた指導から脱却できないということもあるかもしれません。

私は小・中学校で教えた経験もあるので、どちらの立場も理解できます。自分自身の経験から言うと、指導は細かくてもかまいませんが、テストなどの採点は、だいたい書けていれば正解としていいのではないでしょうか。漢字の字形の柔軟な評価については、学習指導要領解説にも記載されています。入試の採点が厳しいから緩められないという声も聞きますが、2010年に出された「文部科学大臣政務官通知」は大学入試での漢字の評価は柔軟にするよう求めていることから、少なくとも大学入試はかなり緩くなっているはずです。漢字の字形の細かな正誤より、漢字を使うことの有用性や喜びを認識させられる漢字指導になってほしいものです。

――先生たちはテストで何を採点基準にしているのでしょうか。

漢字学会の同じ調査では、テストを採点する際に、何を正しい形の根拠としているかも聞いています。その結果、8割近くが「教科書の文字」でした。

教科書の文字は、中学校では少し前まで明朝体のフォントが使われていましたが、明朝体は手書きの文字とはかなり差があることから、現在は中学校でもほぼ教科書体フォントが使われています。ただ、ひと口に教科書体といっても出版社によって細部の形が異なります。

調査では様々な手書きの漢字について、どう採点するかも聞いていますが、正誤がかなり割れていました(図2)。「他の漢字と誤解する余地がない」漢字は○にするという意見もあれば、「辞書に見当たらない」漢字は×といった判断もありました。「丸をつけて、余白に正しいものを書く」「長短については指導をしているので、指導したところができていない場合は減点」というコメントもありました。先生によって採点基準がかなり異なることが分かります。

私は、かねてよりテストの採点基準について「緩いコース」と「厳しいコース」を作って、子ども自身にエントリーしてもらって採点してはどうかと提案しています。このアイデアは現場の先生たちには、あまり評判が良くありません。「公平」でないことが受け入れられないのかもしれません。しかし、子どもたちが自分で自分の漢字学習を振り返るためにもこの方法は有効なのではないでしょうか。

漢字は学力全般にかかわる
――漢字の指導のあり方についてはどう考えますか。漢字ドリル任せになっていませんか。

授業時数が限られているので、漢字は学年が上がるにつれて家庭学習で身につけていく傾向が強まります。1年生は学校で1字1字筆順から丁寧に教えますが、高学年になると字数が多く、授業だけでは扱いきれないのでドリル任せという先生が増えます。授業で教えて細かく注意したわけでもないのに、テストの評価ばかり厳しいのはおかしいですよね。

――漢字ドリルに加え、ノートに同じ漢字を繰り返し書くという宿題が多いようです。繰り返し書かせるという指導が「漢字嫌い」を増やしているのでは?

小学校中学年くらいまでは漢字を書けるようになること自体が子どもたちにとって、一種誇らしいことでもあることと、発達段階的にも繰り返し学習がさほど苦にならない傾向があることにより、それほど嫌がらないのですが、高学年ともなると、何度も書くのが無意味に思える子が増えるようです。ただ、高学年で学ぶ漢字は、ほとんどがそれまでに習った漢字や構成要素の組み合わせです。繰り返し書くことを嫌がらない中学年までに、基本的な漢字をしっかり身につけておくことが大事です。つまり、漢字学習の成否は小学校中学年までの漢字学習のあり方に連動しているのです。

学習障害があるお子さんなどには別の手立てを講じる必要がありますが、漢字はやはり手を動かして習得するのが基本。嫌がらないように仕向ける工夫が求められます。書店には様々な工夫がされた漢字教材が並んでいるので、試してみるのもいいかもしれません。また、「一つの漢字につき何回」と書く回数を提示する先生もいますが、自分で書けるようになったと思える回数を子どもに自ら決めさせることも漢字学習の主体性を保障する意味から大事かと思います。そのうえで、漢字の形声的要素や偏旁冠脚などの知識が動員できるといいと思います。

――これからの時代に漢字を学ぶ意味は何でしょうか。

漢字ができないと文章の読解ができず、学力全般にかかわってきます。公立の学校で定員割れしている高校での例ですが、「山月記」のような難解なテキストを回避する事態が常態化していたことがありました。文章を解釈する以前に、そもそも漢字が読めないのです。そこで、総ルビのテキストを使ったところ、教師の期待以上の深い解釈ができたと聞きました。この事例からは学習における漢字の読み書きの重要さがわかります。早い段階で「漢字嫌い」にさせないようにすることが大事です。

漢字学習が「書き」に偏りすぎていることにも問題があります。これからはもっと「読み」に力を入れるべきです。ふりがなも活用し、気軽に読ませてほしい。お勧めしたいのは、国語以外の教科の教科書を音読すること。すべての子どもの手にある教科書は子どもたちにとって最も身近な活字媒体です。国語の教科書には出てこない様々な単語に触れることができ、言葉に対する興味や関心を広げることにもつながります。

葉山 梢 EduA編集部 記者
1977年生まれ、北九州市出身。朝日新聞北海道支社、新潟総局、東京本社社会部などを経て現職。鉄道好きでマイペースな小5男子と、好奇心旺盛でしっかり者の小3女子の2児の母。ツイッターアカウントは @kzehym

漢字学習関連のシリーズ(3/4~ )
https://www.asahi.com/edua/author/11003210

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すてっぷで子どもたちの宿題を見ていると、漢字の繰り返し書きが宿題になっているのは定番で見ます。気になっているのは、繰り返し書きは良いけれども子どもたちは本が読めているのかが気になっています。記事にもあるように、漢字学習は書くことが重視されすぎていて、読んで意味を掴むことが等閑になっています。

しかも、放デイ利用の子どもの中には、読みに困難のある子が多いですから、書くことばかりトレーニングしても読みや意味を掴んでいなければ時間の無駄になるばかりか、やってもやっても効果が上がらないので、学習性無力感に苛まれることになります。まずは、正確な読みのアセスメント、特に速度・流暢性を見てあげて欲しいと思います。

読み書きが苦手な子に対して、この子は読めますと言う学校の先生方のコメントを良く聞きますが、それはゆっくりなら苦労しながら読めているだけであり、学習に生かせるようなレベルではない場合が多いのです。読めるというのは、つっかえずにすらすら読める、苦労せずにすらすら読める事を指します。人のエネルギーにも限りがあります。10ある力を読むことに8割以上使うと意味を理解する力が残ってない図式を思い浮かべて欲しいと思います。

書くことも同じです、書くことに8割もの力を使うと、論理を考えたり文を構成することにエネルギーが回せなくなります。書くことにもすらすら書ける流暢性が必要です。もしも、いくらトレーニングしても多くのパワーを使う苦労が軽減されていないなら、考えることにパワーを回すように仕向けるのが合理的配慮です。書く代わりにキーボードを使う、音声入力を使うなどして文字を書くことの苦役から解放してあげたほうが良い場合もあります。これは障害がなくても同じことが言えます。漢字の止め跳ねエネルギーと思考のエネルギーはトレードオフの関係なので調整が必要で子どもによって違うのです。

子どもの疲労回復力

小学生ぐらいの子どもの日常を知っている人にはさほど驚きのない研究結果がフランスから報告されました。

小学校高学年の子どもにはプロのトライアスロン選手ぐらいの体力があり、しかも肉体疲労からの回復力がハンパなく早いことが科学的に実証されたそうです。

「ママになって体力が落ちた」
「パパも、もう歳かな……。」

なんて今まで思っていたのは間違いで、そもそも子どもと体力を比較しても一般の大人が勝てるわけがなかったのです。

小学生と20歳過ぎの成人男性とプロのアスリートに、同じ量の激しい運動をしてもらい、体に残った疲労感(乳酸の分泌によって引き起こされる)がどのぐらい早く回復するかを心拍数、酸素摂取量と、血中の乳酸の濃度を量って調べたそうです。

すると子どもたちとプロアスリートたちはほぼ同格の数値だったのに対し、一般の成人男性は、疲労からの回復が遅いという結果が出たのです。それどころか、子どもたちのほうがプロのアスリートたちよりも疲労からの回復が早かったそうです。

「なぜ子どもたちは一日中遊んで、遊んで、大人たちが疲れてダウンしてしまった後にもひたすら遊び通せるのか、ようやく解明されたかもしれません」との報告でした。どおりで親が子どもより先に寝落ちするわけです…。

ICT を活用した個に応じた指導法

京都府の教員研修先は京都府総合教育センターです。ここが、昨年3月に発行した「ICT を活用した個に応じた指導法の研究(3 )」がホームページに公開されています。

序文はこんな風です。
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平成 28 年4月1日に、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法) が施行され、公立学校(園)では、合理的配慮の提供が義務となりました。また、 平成 29 年3月には小学校及び中学校学習指導要領、 平成 30 年7月には高等学校学習指導要領が告示されました。新学習指導要領では、 各教科等で学習上の困難に応じた指導内容や指導方法の工夫について記述され、具体的な例として ICT 機器の活用についても触れられています。
そして、 平成 30 年度からは、小学校、中学校及び義務教育学校における通級による指導を受けている児童生徒の増加や、中学校卒業後の生徒の高等学校等への進学状況などを踏まえ、高等学校における通級による指導が制度化されました。

このように特別支援教育をめぐって大きな変化の時代にある中、 京都府総合教育センターでは、 読み書きに困難のある児童生徒の中には、 ICT 機器を読み書きの代替機能として活用することで、 うまく学習することができる児童生徒がいるのではないかと考え、 平成 28 年度は 6 校、 平成 29 年度は 14 校の通級指導教室で、 対象児童生徒のべ 38 名の御協力を得て、 プロジェクト研究に取り組んできました。

平成 28 年度に、 京都府内(京都市を除く 。)全小中学校の特別支援教育コーディネーターと通級による指導担当の先生方を対象に行った調査(302 校から回答) によると、読み書きに困難がある児童生徒がほとんどの学校に在籍しているということが分かった一方で、 ICT機器の活用については、代替え機能として活用しているケースはほとんどないが、効果的な指導を知りたいという意見が多いという状況の中で、 この研究はスタートしました。平成 28 年度の実践及び調査研究により、 ICT 機器を使った効果的な指導や実践を具体的に情報提供することが必要であることを再確認しました。 平成 29 年度のプロジェクト研究において、アセスメント、 ICT 機器を含めた具体的な指導方法の実際や評価の在り方、通常の学級との連携の在り方に関する研修の機会の必要性などの課題が明確になるとともに、 学習意欲の向上、学習内容の理解、自らが効果を実感する等の変容が見られるなどの成果がありました。

こうした 2 年間のプロジェクト研究の成果と課題を踏まえ、 今年度は学習支援の充実はもとより、 通級による指導から通常の学級での学習へ「つなげる」 ことや、小学校から中学校へと「つなげる」ことを目的として取り組みました。 これは、 多くの先生方や児童生徒の皆さんの御協力により得た成果を、広く活用していただくためには何が必要なのかを明らかにしていく ことでもあります。この冊子を、 児童生徒の将来の姿につながる「今」の支援を考えるための資料として、御活用いただければ幸いです。
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そして、この研究の助言者になってきた東大の近藤先生はこう締めくくっています。
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近年、教員の過重労働や疲弊の現状が世間にも知られるようになりました。 3 年間、学校、教室やその周辺の多くの課題に直面しながらも、 ICT を一つの手段として活用し、目の前にいる児童生徒一人一人の学ぶ機会の保障に奔走してくださった、プロジェクトに参加された研究協力員の先生方、総合教育センターの先生方に深く感謝いたします。微力ながら指導助言者を務めましたが、私自身にとって、学び多き日々でした。

一方で、上述したように、今回の研究事業のような取組が存在した故になんとか実現できたことや、課題感が大きく残され、今後の継続的な取組が期待されることも明らかになりました。今後、インクルーシブ教育が発展していく中で、多数派の生徒の学び方と、それ以外の学び方を必要とする児童生徒の間では、両者を共に包摂できるユニバーサルな学びの場が拡大していくことは間違いないでしょう。

しかし同時に、両者のコンフリクト(対立)がなくなるわけでもないこともまた、真実です。これも繰り返しになりますが、コンフリクトは忌避するべきことではなく、両者が相互理解を深めて望ましいあり方に向かうために、歓迎すべき対話の入り口でもあります。そしてそのような対話の場は、すべての子どもたちと私たち教員にとって、学びに満ちた機会でもあります。「個別のニーズのある児童生徒の教育保障に ICT を活用する」という切り口が、合理的配慮のみならず、その学びの機会を目に見えるものにする一助となることを祈っています。

近藤武夫
東京大学先端科学技術研究センター

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残念ながら、この事業所がお世話になっている学校では、読み書き困難に対して子どもたちがタブレットを頼りにしている形跡はいまだにありません。タブレットと言えばYOUTUBEを見るものだと理解している子どもばかりです。どうして先生方の研修先のセンターと学校ではこうも開きがあるのかと、利用者の保護者の方から聞かれることがあります。私は、若く志のある教員がおられてもまだまだ少数なので、同調圧力に負けているのと違うかなと返しています。その背中を押し、伝統を重んじる大勢の先生方を説得するのは、学校のトップである管理職の先生しかいません。

下着「白」を6割が指定

下着「白」を6割が指定 長崎 県立高校と国公立中学校

2021年3月5日 6時42分 【NHK】

長崎県内の県立高校と国公立中学校の6割が校則などで、下着の色を「白」に指定していることがわかり、県教育委員会は、色の指定やそれを確認する行為は人権問題になりかねないとして、見直しを求める通知を出しました。

長崎県の関係者によりますと、学校の校則や指導の在り方が全国で議論になる中、県教育委員会が県立高校と県内の国公立中学校の合わせて238校を対象に、校則や指導の際の基準となる「学校のきまり」について調査した結果、全体の58%に当たる138校が下着の色を「白」に指定していることがわかりました。

県教育委員会は、下着の色の指定や下着を確認する行為を例に挙げたうえで、校則などの中には人権問題になりかねない内容や、生徒の実情、社会を取り巻く環境の変化になじまないものが散見されるとして、今月2日付けで県立学校宛てに校則の確認や見直しを求める通知を出すとともに、各市や町の教育委員会などにも同じ文書を送りました。

また、今回の通知では、校則の見直しにあたっては生徒が話し合う機会を設けたり、保護者にアンケートを行ったりするなど、生徒や保護者が何らかの形で参加できるように工夫することも求めています。
県教育庁「かなり前につくられた校則か」
県教育庁の児童生徒支援課はNHKの取材に対し「学校が荒れていた時代に、風紀を守るために下着の色を『白』にそろえることになったと記憶している。かなり前につくられた校則がいまだに残っているのだと思う」と話しています。

そのうえで「人権問題の観点や時代が変わっていく中で、それに則した校則の見直しを積極的に検討していく必要があると考えている。通知を受けて、各学校で見直してほしい」と話しています。

女子中学生「下着の色を確認されるのも嫌」
みずからが通う学校では「学校のきまり」で下着の色が「白」に指定され、着替えに合わせて定期的に下着の色の確認が行われているという女子中学生が、NHKの取材に匿名で応じました。

この女子中学生は「体育の授業で着替える時に女性の先生が教室にいて『下着は白じゃないとだめだよ』と言われることがある。人それぞれ買いたい下着の色やサイズも違うので、店によっては白ではない色しか売っていない場合もあり、今の時代に白だけというのはちょっとどうかなと思う。下着の色を確認されるというのも嫌なので、白だけというルールは変わってほしい。授業では白以外の下着を着ていても支障はないし、むしろ白ではないほうが下着も透けないと思う」と話しています。

専門家「方法によっては人権的にも問題」
長崎県内の教育現場にくわしい長崎大学教育学部の池谷和子准教授は「下着の色に関してまで細かく校則で規定する必要はないのではないか。下着を実際に確認する行為もあるので、それがいったいどのように行われているのか、方法によっては人権的にも問題になってくる」と指摘しています。

そのうえで、池谷准教授は「生徒には『校則があるからただ従う』というのではなく、どうして制限がかかっているのか、その必要性を理解し、将来的には自分で判断できるように成長してほしい。学校には教育機関として子どもたちにそういうことを考えさせる機会を作り、子どもたちの要望によっては、果たしてこの制限がいま現在の社会で本当に必要なのか判断していくことが重要だ」と話しています。

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長崎は武漢風邪の感染防止アプリ(健康状態集約アプリ: 02/05) で先進的な働きを以前紹介しただけに、ショックです。穿った見方をすると、県民は子どもの頃から管理慣れしているのでこのアプリも平気だったのかなと妙な想像をしてしまいます。長崎の学校は何時代なんでしょう。先日の大阪府立高校の頭髪色不登校賠償裁判では学校の裁量権が広く認められたのですが、こういう事は裁判にはなじまず大人側のセンスの問題なのだと思います。いつの時代も古いものは排斥され、未来の世の中では笑い話になるのですが、「服装の乱れは心の乱れ」と本気で考えている人にはなかなか通じません。

教員の腕次第、まるで「学校ガチャ」 オンライン活用、広がる学校格差 教育現場の課題は…

教員の腕次第、まるで「学校ガチャ」 オンライン活用、広がる学校格差 教育現場の課題は...

2022/3/18【神戸新聞NEX】

教育のオンライン化が急速に進む中、学校間で活用度合いが異なるという格差が行政課題として浮上している。兵庫県西宮市では全国に先駆けて教員へのパソコン配備や教室への大型テレビ設置などを進めてきたが、授業で使いこなせる教員はまだ少なく、市教育委員会は習熟度アップに向けた研修に苦慮。教員の腕次第で子どもの学びが変わるという意味で「学校ガチャ」との言葉も聞かれる。(村上貴浩)

「○○という文章があります。何を意味しているのでしょう」

西宮市内の市立小学校。黒板ではなく大型テレビ画面に国語の読解問題が示され、児童たちがタブレット端末に答えを書き込んでいく。クイズ番組さながらに全員の解答が画面上に映しだされると、担任の男性教員(50)が続けた。

「では、みんなの答えをもとに考えてみましょう」

新型コロナの感染拡大で2年前から学校の臨時休校が相次いだことを受け、文部科学省はICT(情報通信技術)を活用した家庭学習も視野に入れ、2025年度末を予定していたタブレット端末の配備を前倒しした。そんな中、西宮市教委は20年夏から準備を始め、21年3月までに配備を終えた。

「端末を使えば思考や答えを瞬時に共有することができる。算数や理科の授業でも計算の見直しがすぐにできるため深い学びにつながる」と男性教員は手応えを語る。

男性は2004年ごろから独自にパソコンでアニメーションを授業に取り入れるなど積極的にICTを活用。しかし、ここまで使いこなせる教員はまれだ。

市教委は、端末の活用法などについてまとめた「GIGAスクール・スタートパッケージ」を策定し、オンラインの指導例を示しているが、授業のやり方は学校に任せている。

男性は「実態は、どこも手探り状態。『他の学校ではタブレットを活用して授業をやっているのに、うちの学校ではしていない』という保護者の声も聞く」と話した。
     ◆   ◆
そんな状況を、子どもがどんな親の下に生まれるかは運次第で、その家庭環境に人生が左右されるといった新語「親ガチャ」に掛けて「学校ガチャ」と呼ぶ保護者もいる。

パソコン作業が苦手な教員にとっては、端末用の資料を作るだけで大きな負担だ。市内の教員からは「完全に仕事が上乗せされている」との嘆きも聞こえる。

西宮市教委は端末配備に合わせて教員向けの研修を本格化。担当者が各学校に出向き、教科書に載るQRコードを読み取って利用したり、ビデオ端末機能を使って学級会を開いたりと基本的な使い方を伝える。

「パソコン作業は教員によって得手不得手がある。学校、教師で『差』ができているという課題は認識している」と担当者。「どんな授業をするかという基準を先進的な教員に合わせることは難しい。研修を通じて全体の習熟度を底上げしていくしかない」と話す。

■校舎の改善着実に前進 必要度増す貧困世帯支援

西宮市の教育現場は「オンライン教育の推進」という新時代の対応に追われる一方で、ここ数年、「小中学校の校舎改善」と「教育機会の格差解消」という二つの課題解決にも力を注いできた。

市内の学校施設の多くは阪神・淡路大震災による財政的な影響から大規模改修などが遅れ、市は2018年度に「学校施設長寿命化計画」を策定した。

同市教育委員会によると、中でも遅れの目立った「洋式トイレ化」を本格化させると、整備率は17年の約41%から2021年には50%を超え、2年後の24年度には60%に達する見込みだ。

また18年から小中学校の体育館への空調設置を始めると、20年度には全中学校で整備。21年度からは小学校に取りかかり、25年度には完了する見通しという。

一方、西宮市は子育て世代の流入が多く、18年に三田市を抜いて「県内で最も若いまち」となる陰で、低所得世帯への教育支援が課題となっている。

西宮市は小中学生と高校生のそれぞれを対象にした給付奨学金について、他市に比べて申請できる基準所得のハードルを低く設定。高校生対象では追加申請をすれば「オンライン学習通信費給付金」も受けることができるようにした。

「文教住宅都市」を掲げ、民間調査の「住みたい街ランキング」で関西1位になるなど人気の高まる西宮市。市長選は20日に告示され、子どもの教育環境を巡る論戦にも注目が集まる。

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親も教師も「子どもの運次第」という表現が「親ガチャ」「学校ガチャ」です。学校は教師の力量で子どもの学力差がつくのは昔からです。そもそも学校での学力形成をあてにできないから塾が繁盛するのです。そして、塾にも善し悪しがあるので「塾ガチャ」です。月謝が高い塾の方が良い教師をそろえていますから、結局、ばらつきはあるものの、親の収入によって子どもの学力は決まるのです。ですから、学校教育の質がある程度平準化しない限りは「親ガチャ」によって学力は決まるということになります。

ただ、ICTを使った教育は下手な大人の指導より効果があると言われています。どんなものでも100%効果があるものはありませんが、ICTとAIを利用すればBIGデーターから解析してある程度の学習支援のタイプ分けができるので下手な教師より臨機応変な支援が実現すると思います。記事にあるのは、ICTを利用した教育技術の高い教員の話です。パソコンが使えるから、子どもの指導技術が全て高いという事ではありませんが、理解しやすい授業展開ができるのは間違いないです。

教育支援に尽力する西宮市ですが、その一方で6年生のクラスの9割が一人の児童をいじめ不登校になっているのに担任が事態に気づかないばかりか、秘密を条件に親からこの相談を受けた教委が、親の了解もなく情報を学校に伝えてしまうという失態がテレビ報道されていました。学校教育というのは統一性がなかなか担保できない事業です。学校は商店街のようなもので、教員は様々な店の店主と同じで、校長や管理職は商店街の役員のようにお願いに回る事しかできない仕組み、という例えがあります。デパートや大型店のように社員をコントロールできないのです。しかし、学習指導のICT導入は支援の格差を埋めていく大きな可能性を持っていることは間違いないと思います。

福祉用具の選定・適用のできる事業所

質の高い福祉用具を効果的に使うことで、自力での生活行動の範囲を広げることが可能になりますが、福祉・介護従事者の中には、その十分な知識とスキルが不足するために、福祉用具による介護を人の温かみがないと否定したり、機器の操作を覚えることを苦手とする人が多く、介護現場でなかなか福祉用具が活用されていないのが現状です。

自立とは、何でも自分でできることを意味する訳ではありません。何らかの障害があっても、何をしたいか、どうしたいか、自分が主体的に望むことの選択ができることです。そのために、他人の助けや協力を得ることがあっても、また福祉用具を使用することであったとしても、主体的に選択し行動できることが自立を意味するのです。福祉用具はそうした自立生活を確保するためにきわめて重要なものです。

たとえどんな障害があっても、主体的に生きることができる環境を用意し、それぞれが希望するスタイルを実現することが大切だという理念をもち、福祉用具の選定・適用のできる専門職がいるすてっぷでありたいものだと思っています。ただし、資本力がものを言いますが・・・。

 

ICT活用ハンドブック

昨日は京都府ですが、文科省もICT教育のハンドブックを作っていましたので紹介しておきます。読めば読むほど現状との乖離を感じます。

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発達障害などにより、学習に困難を抱える子供たちへの支援においてICT(情報通信技術)を効果的に活用した実践に大きな期待が寄せられています  このため、文部科学省では、平成25年度に「ICTの活用による学習に困難を抱える子供たちに対応した指導の充実に関する調査研究」を兵庫教育大学、宮城教育大学、筑波大学への委託により実施し、その成果を教員向けのハンドブックとしてまとめましたので公表いたします。  発達障害のある子供たちへの学習支援は、特別支援学級での指導や通級による指導のみならず、通常の学級においても必要なことから、ハンドブックは、特別支援学級、通級指導教室、通常の学級の3つの指導場面毎にそれぞれ作成しています。

 

めざせ甲子園

めざせ甲子園、知的障害ある生徒の挑戦元プロ選手協力

2021年3月7日 13時00分【朝日新聞デジタル】

【東京】知的障害のある生徒たちが硬式野球部として挑戦するのを支援する「甲子園夢プロジェクト」が6日、発足した。特別支援学校に通う全国の生徒に呼びかけ、元プロ野球選手らが協力して指導にあたる。球児たちの聖地・甲子園へ――。夢につながる第一歩だ。


発案したのは東京都立中野特別支援学校(中野区)の主任教諭、久保田浩司さん(55)。これまで知的障害のある子どもたちにソフトボールなどの指導をしてきた。6日にあった記者会見で、「野球の指導を通して、生徒たちに夢を見させてあげたいし、自信を持たせてあげたい」。指導に協力する元ロッテ投手の荻野忠寛さん(38)は「うまくなりたい思いのある子の力になりたい」と話した。

荻野さんのほか、社会人野球の経験者も指導に加わる。参加者が集まれば今月下旬にも第1回の練習を行い、その後も定期的に実施する予定。コロナ禍のため、オンラインによる指導も検討中だ。

久保田さんは元球児。日本体育大でも野球を続け、教員になって都立高校を甲子園に導くのが夢だった。配属されたのは軽度の知的障害のある生徒が通う養護学校。思い描いていた学校と違い、戸惑った。

転機となったのは3年目。「野球クラブ」の顧問を任された。ソフトボールを教える中で、「キャッチボールを教えてほしい」と頼まれた。ボールの握り方や腕の振り方、足のステップなどを身ぶり手ぶりで基礎から教えた。1時間ほど指導すると、約30メートルをまっすぐ投げられた。「その子は跳び上がるくらい喜んでね。障害があっても、きちんと伝えればできるんだ、と」。今でも忘れられない体験が、新たな夢をはぐくむきっかけになった。

練習は手探りだった。打者がどちらに走るか分かるように自分が一塁ベースで待っていたり、打者と一緒に一塁まで走ったり。ルールを知らない生徒の目線にたって、分かるように教えた。その後異動で何度か勤務先が変わったが、チームを都の特別支援学校の大会でたびたび優勝に導いた。

プロジェクトの将来的な目標は、特別支援学校の大会ではなく公式戦への出場だ。参加した生徒がそれぞれの特別支援学校で出場をめざす。2016年には、鹿児島県で特別支援学校の生徒が初めて、夏の地方大会に出場している。この時は連合チームだった。「甲子園をめざし、夢を追いかけることのすばらしさを伝えたい」と久保田さん。「教員生活最後の夢として、自分にしかできないことにチャレンジしたい」(野田枝里子)

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特別支援学校の高等部生のソフトボールチームはだいたいどの学校にもあります。年1回府下・県下の支援学校対抗戦もあり、その日は選手も応援者も結構盛り上がります。たしかに、試合としては外野に打たれると、連係プレーができないのでほぼ塁に出られてしまい、ピッチャーの玉の速さで勝負が決まりやすいです。

高等部の軽度知的障害の子どもと言いますが、軽度知的障害だけの子どもは野球がそこそこ上手な子が多いのです。高等部は知的な障害のある人を対象としていますが、中学校で特別支援学級在籍籍者は高等部に入学できるので、知的には遅れのない発達障害の子どももいます。この子たちの中に不器用であったり、対人プレーが下手な生徒が多いのです。

そもそも、集団ゲームの楽しさも、下手糞ゆえに学びそびれてきています。サッカーなどは味方も敵も動くので難しいですが、野球は玉がまっすぐに投げられ守備ができれば参加できます。野球の楽しさ、スポーツの楽しさを経験するのは子どもの大切な権利だと思います。

 

 

ウクライナの障害者へ「とにかく生き延びて」祈りの詩…日本の協議会代表がつむぐ

ウクライナの障害者へ「とにかく生き延びて」祈りの詩...日本の協議会代表がつむぐ

2022/03/18 【読売新聞】

ロシアの侵攻でウクライナにいる障害者の身を案じた日本障害者協議会代表で、視覚障害のある藤井克徳さん(72)=写真=が1編の詩を作った。「とにかく生き延びてほしい」との祈りを込めた詩は、ウクライナ語やロシア語にも翻訳され、知人らを通じて拡散。ウクライナの障害者団体から、藤井さんに感謝の言葉が届いたという。

詩のタイトルは「連帯と祈り ウクライナの障害のある 同胞はらから へ」。「戦争は、障害者を邪魔ものにする」で始まり、「戦争は、障害者の明日を真っ黒に塗りたくる」と言葉を紡いでいる。

藤井さんは、戦争下では障害者の存在が軽視されやすいと考え、ウクライナの障害者の状況を憂慮していた。同協議会のホームページに掲載したほか、多くの当事者に届けたいと、知人に拡散を依頼したところ、14日にウクライナの障害者団体でつくる「ウクライナ障害者国民会議」の関係者から、受け取ったことを伝える感謝のメールがあった。「日本の障害者団体が私たちとともにいることは、とても重要なこと」と書かれており、自分たちのホームページに詩を掲載するという。

藤井さんは「障害者は平和でないと生きづらい。侵攻がすぐにでも終わってほしい」と話している。

(以下、詩の全文)

連帯と祈り

ウクライナの障害のあるはらから へ
戦争は、障害者を邪魔ものにする
戦争は、障害者を置き去りにする
戦争は、優生思想をかきたてる
大量の障害者をつくり出す最大の悪、それが戦争
朝一番のニュースを恐る恐る
キエフの包囲網がまた狭まった
教会も文化財も悲鳴を上げて崩れ落ちる
禁じ手が ほご にされ原子力発電所から火の手
殺し合いでなく話し合いを
侵攻でなく停戦を
停戦でなく平和を
青い空と黄色の豊作に似合うのは平和
私たちは祈ります
西北西の方角をじっとみつめながら
心の中から希望が切り離されないように
とにかく生き延びてほしい
戦争は、障害をたちどころに重くする
戦争は、障害者の尊厳を軽々と奪い去る
戦争は、障害者の明日を真っ黒に塗りたくる
早いうちに、否、この瞬間に終わらせなければ
もう一度くり返す
とにかく生き延びてほしい
たとえ、食べ物を盗んでも
たとえ、敵兵に救いを乞うてでも
遠い遠い、でも魂はすぐ そば の日本より

 ふじいかつのり(NPO法人日本障害者協議会)

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ウクライナのマリウポリ市は「一日平均50~100個の爆弾が落ちている」として「約35万人が防空壕や地下室に避難している」と伝えています。ロシア軍は子どもを含む数百人の民間人が避難したマリウポリのある劇場を爆撃して国際的な非難を浴びました。特に、劇場の前と後ろにロシア語で「子どもたち(дети)」を意味する言葉が白色で大きく書かれてあったにもかかわらず、ロシア軍がこの建物を爆撃したことが明らかになっています。

殺人鬼プーチンに藤井さんの声は届くのかと言われれば大変困難だと言わざるを得ません。命を守るためには降参すればいい白旗を上げればいいという人もいます。特に日本人に降伏論が多いのは、日本が米軍に占領され悲惨な目にはあっていないからかもしれません。それも、北方領土を除く全土に米軍だけが進駐したからです。ドイツのように北海道と東日本がソ連軍に進駐されていれば、降伏論を言い出す人は少なかったのかも知れません。

旧東ドイツは言論の自由を奪われ、自由を唱える者はプーチンをはじめとするKGB秘密警察に暗殺されてきました。日本に進駐したGHQも言論の自由は奪いましたがそれは僅かな間だけでした。社会主義の看板を下ろしたはずのロシアやベラルーシは今も人権を抑圧しています。東欧の社会主義を経験した人たちは自由を奪われることがいかに恐ろしいか良く知っているのです。子どもの命すら何とも思わずに爆撃する殺人者プーチンに降伏すれば何が起こるのかウクライナ人は良く知っているのだと思います。

児童福祉司と虐待対策

子どもの虐待を防ぐため、児童相談所で相談、調査、指導をする「児童福祉司」を、2019年度から2022年度までの4年間で「約2000人増員」することになりました。度重なる子どもの暴行死亡事件を受けての緊急対策です。

児童相談所の業務は、「養護相談」「保健相談」「心身障害相談」「非行相談」「育成相談」など、多岐にわたっています。児童福祉司」を増員することは、いいことだと思いますが、「虐待対応」には、高度な専門性と知識・技術が必要で、そのスキルを得るためには、最低5年から10年かかると言われています。

ところで「児童福祉司」になるには、自治体の公務員試験を受けて採用され、所定の資格を持つ人が「児童相談所」に配置されて1年で任用資格が出来ます。だから、異動等で配置された職員が、よくわからないまま対応に当たることも少なくないと思います。

この状況を打開するには「児童福祉司」を専門職にし特別に育成していくことが急務です。また、「児童福祉」に関係する機関との密な連携をすることで、関係機関とも協力でき、「虐待」だけでなく、総合的に対応ができるシステムが構築できると思います。

「虐待」に関しては、「早期発見・早期対策」「児童の保護」が必要ですが、目に見える体罰など物理的な虐待のすそ野にはその何千倍ものネグレクトや心理的虐待が存在します。見えない虐待は氷山モデルで見ていきます。「育児スキルの低下」や「子どもへの愛着欠如」の本質は世代間で繰り返される「貧困」と「被虐待」が少なくありません。

表面化された虐待への保護は欠かすことはできませんが、この水面下の問題に取り組むには、今回の増員では少なすぎます。今できることは、業種を超えたチーム支援ですが、このチーム支援も曲者で、指揮権や責任が曖昧なので「船頭多くして舟山のぼる」様子が散見されます。児童福祉司の専門職化に加えチーム指揮権の付与が求められていると思います。

仲間関係の発達

子どもがどのように発達し、それぞれの年代でどのような発達の特徴を示すのか、仲間関係の発達から考えてみます。

〈小学生のギャンググループ〉
・小学校高学年頃、親からの自立を始める時期に現れます。
・同じ遊びを一緒にすることがとても大切にされる集団です。
・だから、同じ遊びを一緒にできない子は、仲間外れにされてしまいます。
・子どもがよく、「皆持ってるもん」と、友達と同じゲームを持つことにこだわるのは、このためかもしれません。
・親よりも友だちが大切になり、親や教師の言うことを聞かず、友だちの中でのルールを優先させることも多くなります。
・どちらかというと、男の子に特徴的にみられます。
・同性の、同学年で構成されることが多いです。

〈中学生のチャム・グループ〉
・同じ興味や関心、クラブ活動などを通して関係ができるグループです。
・お互いの共通点(同じ芸能人が好き)を、「私たちは同じね」と確認するような会話多くみられます。
・「私たちは同じ」という一体感の強さから、仲間への絶対的な忠誠心が生れます。
・この一体感は、思春期の不安定な子どもたちにとって安心感をもたらす一方で、違うものを排除するいじめに繋がりやすい面もあります。
・仲間と違う行動をとることを恐れ、仲間の誘いを断れず、一緒になって悪いこと(喫煙、万引きなど)をしてしまうこともあります。
・どちらかというと、女の子に特徴的にみられます。

〈高校生のピア・グループ〉
・共通点だけでなく、互いの違いをぶつけ合うことができるグループです。
・他者と自分の違いを確認する中で、自分というものを確立していきます。
・それぞれが自立した個人として尊重し合える関係です。
・互いの違いを認められる関係であるため、男女混合のグループで、年齢に幅があることもあります。

学校や地域に仲間がいることは、生活を楽しく充実したものにさせてくれます。一人では難しいことも、一緒に頑張っている仲間がいることで、耐えることができます。親から自立していくことはとても不安なことです。その不安な時期に、家族以外の支えができることは、自立を支えてくれます。喧嘩をしたり、仲直りをすることで、人と繋がっていく方法を学んで行きます。

ただ、人は集団になると、圧力が働きます。特に、「同じ」ことを大切にする小学生のギャンググループや、中学生のチャム・グループでは、「違う」ものを排除しようとする力が働きやすくなります。それがいじめに繋がることも多いです。今は、メールやラインで家に帰っても友だちからの圧力から逃げられません。煩わしくても、きちんと答えないことは、友だちと「違う」行動を取ることになります。

この時期の子どもにとって大切な他者は、家族から友人に移っています。だから、その友人から排除されることは、とても恐ろしいことに思えるのです。周囲の大人は、このような子どもたちの心情を理解して関わる必要があります。大人から見て、「そんなこと」と思えることでも、子どもにとってはとても重要な事なのです。

そういうときは、子どものやることを頭ごなしに否定せず、まずは子どもの言い分をよく聞きます。その上で、大人から見た心配を伝え、どうしていったらよいかじっくり話し合います。なるべく、子どもの側からのアイディアを取り入れると、うまくいきます。

小学校高学年くらいになったら、子どもたち自身もこの仲間関係について知る機会があると良いと思います。この時期の、特に女の子は、友だち関係で苦労することが多いと思います。高校生くらいになれば、「違い」を楽しむ関係になれるので、仲間関係は少し楽になっていく、ということを知っていると、少し見通しが持てると思います。

大人になれば、割り切れることは多くなりますが、子どもの世界はとても狭く今いる場所が自分の全てと感じるのです。仲間関係も、自分自身のこと〈進路のことなど〉も大切にできるよう、仲間関係を自分でもコントロールできるよう、その特徴を知ることは良いことです。

そして、対人関係が本当に苦手なタイプの子どもで苦しみが激しいなら、無理をしないでも良いことを伝えます。今友達がなくても、学校で友達がなくても、いつか、どこかで気の合う友達が見つかるまで待てばいいと伝えます。友達百人作るなんて歌のファンタジー世界だと教えましょう。確かに友達が子どもの人格発達に与える影響は大きいですが、結局は友達が好きか嫌いかで判断すればいいと伝え、時間がたてば嫌いが好きになる場合があるかもしれないと教えましょう。

 

 

東芝が特別支援学校にラグビーボール進呈

東芝が特別支援学校にボール贈呈 大野均氏「もう一度ラグビーの素晴らしさ思い出して」

2021年3月8日 14:42 【スポニチアネックス】

ラグビートップリーグ(TL)の東芝は8日、活動拠点のある東京都府中市にある特別支援学校・東京都立府中けやきの森学園にラグビーボール15個を贈呈し、普及担当を務める元日本代表ロックの大野均氏(42)が贈呈式に出席した。

東芝が同市内の特別支援学校にボールを贈るのは、今回が3校目。生徒2人にボールを直接手渡した大野氏は「19年のW杯で日本中が盛り上がり、元気や勇気をもらったという声をたくさんいただいた。昨年はトップリーグが中止となり、日本代表も試合ができなかったが、もう一度ラグビーの素晴らしさ、面白さを思い出してもらうために、寄贈させていただく」とあいさつ。新型コロナの影響で、ラグビーを通じた生徒との交流はできなかったが、「いつか交流したいと思う」と話した。

この活動は東芝にジャージーを供給するカンタベリーオブニュージーランドジャパンが昨年4月から全国約3500の小学校にラグビーボールを寄贈したことに合わせ、東芝独自で始めたもの。新型コロナの影響で、ラグビーに触れる機会が少なくなっている子どもたちにとっては、最高のプレゼントとなりそうだ。

福島県郡山市出身の大野氏は、まもなく東日本大震災から10年の節目を迎える故郷に対しても「10年が経過し、復興が進んでいると思われがちだが、まだ支援が必要な人たちがいる。コロナの中出なかなか明るい話題がないが、少しでもラグビーを通じて元気を届けていきたい」と語った。「個人として、福島にもラグビーボールを届けられたらいいと思う」とも話し、時期を見て普及活動に乗り出す考えも示した。

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ラグビー新リーグ準備室長退任 背景にチーム側の不満

2021年3月5日 7時00分【朝日新聞デジタル】

2022年1月に開幕する予定のラグビー・新リーグについて、新リーグ法人準備室長として制度設計を担当してきた谷口真由美・日本ラグビー協会理事が、同室長の職から退いていたことが複数の関係者への取材でわかった。

新たな室長は岩渕健輔専務理事が務めている。

この人事は、2月17日の日本協会理事会で報告されていた。谷口理事は、参加25チームの1~3部への振り分けを担う審査委員長については留任する。

新リーグは、03年に始まったトップリーグを発展的に解消し、試合の運営権を日本協会から各チームに委譲するなどして運営の「プロ化」を目指している。

複数の関係者によると、過去の成績や日本ラグビーへの貢献度ではなく、新リーグに向けた各チームの事業計画を重視して準備を進めてきた谷口理事ら審査委に対する一部チームの不満が高まり、今回の退任につながったとみられる。

新リーグにはトップリーグ16チーム、下部リーグ9チームの計25チームが参加を表明。6月には1部12チーム、2部7チーム、3部6チームの振り分けが決まる予定だ。

4月にはリーグの運営を担う法人が発足する。

法学者の谷口理事は父が近鉄の元選手・コーチで、大阪・花園ラグビー場内の寮で幼少期を過ごした。そうした縁もあり、19年6月から日本協会理事に就いている。

新リーグの準備は当初、元ヤマハ発動機監督の清宮克幸副会長が担っていたが、企業スポーツの枠を超えた構想、強引とも取れる手法に反発が相次ぎ、20年1月から谷口理事が新リーグ法人準備室長を務めていた。

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ワールドカップで子どもたちに夢を与えたラグビーですが、この間、元会長や次期会長のごたごたで協会内のガバナンスはうまくいっていないようです。今回のリーグ発足も興行主体がプロでもなくアマでもなく中途半端で良くわからないのでもめているようです。

それはさておき、ラグビーボール15個進呈で記事になるということは、特別支援学校の中ではラグビーがいかにマイナーゲームかということです。ラグビーのルールは前にパスしない、ボールを持たない人にタックルはしないという二つのルールだけなので単純でわかりやすいと思うのですが、どうしても乱暴に見えたり危険に見えるということで流行らないようです。

 

京都駅に響いたウクライナ国歌 駅ピアノで「自由に魂ささげ」

京都駅に響いたウクライナ国歌 駅ピアノで「自由に魂ささげ」

2022/3/21【毎日新聞】

ロシア軍の侵攻が続くウクライナを応援しようと、プロやアマチュアの音楽家らが20日、京都駅ビル(京都市下京区)7階の東広場にあるグランドピアノの伴奏で、ウクライナ国歌とベートーベンの「交響曲第9番(第九)」の一部を合唱した。参加した約40人は、ウクライナへの一日も早い平和の訪れを願った。【福富智】

声楽家の山本昌代さん=奈良県平群町=らが呼び掛けた。山本さんは「音楽は人を励ますことができる。ウクライナの首都キエフと姉妹都市である京都市からの応援が伝わればうれしい」と話した。呼び掛けに対し大勢の人が参加を希望したが、新型コロナウイルス対策で多くを断わらざるを得なかったという。演奏は動画でも配信した。

ウクライナ国歌の「自由のために魂と身体をささげる」「私たちは私たちの土地を治めよう」との歌詞の内容を紹介した後、合唱が始まった。合唱にはウクライナ出身者も参加。京都市国際交流協会職員のオレーナ・シガルさんは「国歌を一緒に歌うことは励ましになる。戦争が始まりショックだ。一日も早く戦争が終わってほしい」と述べた。大阪市の会社員、マリヤ・ボドナルさんは「ウクライナは今、非常にひどい状況だ。みんなと一緒に歌えて感動した」と話した。

ピアノは2019年10月、山本さんが理事長を務める一般社団法人「まほろば芸術ラボ」(奈良県桜井市)が寄贈。ピアノ教室で多くの子どもたちが奏でたピアノで、駅ビルではコンサートやイベントなどで使われている。

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国歌を歌うことを、侵略戦争時の歌、天皇賛美の歌だと嫌う人がいます。中には、式場で自らの国歌ヘイトの表現として着席して歌わない教員もいます。教え子に、表現の自由こそ民主主義だと教えたいのだと思います。国旗や国歌をヘイト表現する人たちが参加する卒業式や入学式は、君が代を国歌と認めている人は、国が分断されているようで嫌な気分にさせられます。帝国主義者の歌と日本国歌をヘイトする人たちは、ウクライナ国家なら反戦の歌として侵略反対の歌として歌うのかもしれません。

ウクライナの人たちは祖国や故郷を破壊しないでほしいと国歌を歌います。同胞を殺さないでほしいと歌います。それに憤り立ち向かう人々や兵士を応援して歌います。国歌や国旗は祖国の象徴です。それを歌うだけで国民が一つになる記号です。その記号にあれこれの意味づけを始めれば国民は一つにはまとまれません。国旗や国歌に様々な理由をつけてヘイトする人たちはそれを目指しているのかもしれません。国が一つにまとまらず祖国の自衛すらできないようにしたいのかもしれません。

みんなでウクライナ国歌を一緒に歌ったマリヤさんの感動は、自国の国歌すら認めない人たちは得ることはできないと思います。BS・NHKで放送される「駅ピアノ・空港ピアノ・街角ピアノ」は静かな人気番組です。今回のウクライナ国歌が演奏された場所は、「京都駅ピアノ」としても放送がされた場所です。悲しい時、嬉しい時、ピアノが弾ける人は自分の好きな曲を弾いて表現できていいなと、ピアノが弾けない人も魅了する番組です。人は人の思いを音楽で共感することができる生き物です。

ワーキングメモリー

ワーキングメモリーは、情報を脳内で一時的に保持する能力・また保持した情報を選択して処理する能力のことです。
ワーキングメモリーは、日常生活における会話や読み書き・計算・仕事・勉強などを行っていくにあたって欠くことのできない能力です。私たちは、無意識のうちにワーキングメモリーを働かせています。

会話能力
人と話をしている時に、話しかけられた内容を脳内に記憶して、的確な返事をすることにワーキングメモリーは関わってきます。会話能力に長けている人は、人から言われた話やその場の雰囲気を瞬時に判断して、その場に適した言葉を選択することができています。これは、ワーキングメモリーが効果的に働いているからです。

物事の優先順位選択力
同じタイミングでいくつかのことをこなさなければいけない時、ワーキングメモリーが上手く働かないと、何を先にすれば良いのか分からなくなり、パニック状態に陥ってしまいます。仕事をするようになると、優先順位付けというのがとても大切で、これができないと職場や家庭生活で様々なトラブルを起こします。

スポーツでの判断力
ワーキングメモリーの、短期的な記憶と情報の選択という機能は、スポーツとも深く関わってきます。特に、チームスポーツのように、プレーの中にいくつかの選択肢があるような場面で、的確な判断をできる人は、ワーキングメモリーが強い人と言えます。子供が行うドッチボールなど単純なスポーツにおいても、「どこに投げればいいか」・「どっちに逃げればいいか」などの判断には、ワーキングメモリーが働いています。


発達障害のある人には、ワーキングメモリーが上手く働いていない人が多いようです。発達障害のある子供たちが日常生活において感じている様々な困難は、ワーキングメモリーの働きと関係していることもあります。

ただ、ワーキングメモリーが上手く働かないということは、言葉で上手く説明することが難しいので、子供も周囲に自分の状況を上手く説明できずに辛い思いもしています。
親や周囲も子供の置かれている状況を上手く想像するのは、難しく、つい叱ってしまうという場合もあります。

ワーキングメモリーを鍛える方法は様々ですが、まずはワーキングメモリーが弱くても、メモを取る、IT機器を使うなど弱さを補完する方法を当事者と一緒に開発することが支援の第一歩です。

ナオミ・ザイブト(Naomi Seibt)さん

スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが気候変動によってもたらされるリスクを訴えていることを以前【グレタ・トゥーンベリさん 9/28】【今年の人-米誌タイム(Time)12/13】書きました。これに対し、ドイツの「気候リアリスト」を名乗る少女がこれに疑問を示し、注目を集めることになりました。メディアでは『Metro』『The Sun』『The guardian』などが伝えています。

ドイツの「アンチ・グレタ」の異名を持つ現在19歳のナオミ・ザイブトさん(Naomi Seibt)は、自身のYouTubeチャンネルで気候変動による問題を訴える活動家やメディアに対して「過剰すぎる」と疑問を示し、自らを「気候変動懐疑論者」または「気候リアリスト」を名乗っています。

そのナオミさんに白羽の矢を立てたのが、米イリノイ州に拠点を置くハートランド研究所(The Heartland Institute)です。同研究所は非営利研究所として運営されている保守系シンクタンクです。同研究所によると、「一部のジャーナリストと科学者の『人類の活動や二酸化炭素が気候変動を引き起こして地球を破壊しているため、若者に未来はなく動物たちは死んでしまう』という考え方は大げさすぎる」と言います。

ナオミさんは同研究所を通じてワシントン近郊で開催される保守政治行動会議(CPAC)で、トランプ米大統領やマイク・ペンス米副大統領の前で演説しました。一躍注目を浴びることになった彼女ですが、自身のYouTubeチャンネルでは次のように訴えています。

「私が幼い頃、学校の教科書やマスメディアは気候変動問題をヒステリックに訴えていました。そんな中で育ったこともあり、私自身が気候変動について危機感を持っていたのです。そして無垢だった私は、樹木にハグすることで地球を救うことができると思っていました。しかし実際にはそうではないことが分かりました。」「気候変動の警鐘を過剰に鳴らすことは、まさに人道に反する卑劣な思想だと言えます。私達は主なエネルギー源である化石燃料を使うことで多大な恩恵を受けていることについては考慮されることもなく、得られた豊かさにまで罪悪感、羞恥心、嫌悪感を持って見下すように教えられてきました。」「周りを見渡してください! 私達は急速な進歩と革新の素晴らしい時代に生きているのです。私達がそれを誇りに思うことは許されないのでしょうか。誇りどころか議論することさえ許されず、真の科学者が職を失っているのです。」

ナオミさんは同研究所で活動することで1900ユーロ(約22万8千円)弱の月給をもらっていることを認めており、これはドイツの月平均手取り額とほぼ同じだそうです。同研究所の公式サイトにはナオミさんのメッセージ動画が掲載されていますが、その中で彼女は「あなたにとって非常に良いニュースがあります。気候変動によって世界が終わることはありません。実際に12年後にはあなたは“iPhone 18”で何気なく写真を撮っていることでしょう」と話しています。

ことの真偽はともかく、どっちもどっちです。環境問題の論争にアイドルは必要ありません。政争に未成年が出てきて良い結果が出たためしはありません。文化大革命、ポルポト、途上国の少年ゲリラ兵士然りです。グレタさんもナオミさんも、プロモーターの大人に踊らされているだけです。彼女たちのエネルギーと時間を、薄汚れた政争のプロパガンダに蝕ませるのではなく、彼女たちの無垢な興味と関心、そのパワーが純粋に真実探究の科学に注げるようにそっと見守ってほしいものです。

ドラマ朝顔

『監察医 朝顔』3・11に向けストーリー変更「今、捜している方がいるからこそ」 - 東日本大震災10年

2021/03/08 06:00【マイナビニュース】

フジテレビ系月9ドラマ『監察医 朝顔』(毎週月曜21:00~)は、上野樹里演じる主人公が東日本大震災で母を失い、遺体すら見つからないという設定で、それをめぐる父娘や祖父たちの心の葛藤を、物語の大きな柱として描いている。

何度も被災地を訪れ、作品を紡ぎあげてきた金城綾香プロデューサーに、今作に込めた思いや、役作りを超えて被災地と向き合う上野の姿などについて、話を聞いた――。

■遺体が行方不明…“無い”悲しさを描く
――原作では、主人公の母は阪神大震災で亡くなったという設定でしたが、第1シーズン(2019年放送)で、東日本大震災から8年後に舞台を置き換えられました。改めてこの狙いは何でしょうか?

私は出身が兵庫で、小学1年生で阪神大震災を経験しまして、もちろん全てではないのですが、8年経った時は街として立ち上がっていたイメージがあったんです。でも、3・11に置き換えようと思って調べたら、8年経ってもまだ立ち上がってる途中でいらっしゃると知って、津波の恐ろしさをあらためて実感しました。それをどう表現したらいいんだと思ったときに、毎回解剖するご遺体と向き合う親子にとって、最愛のお母さん・奥さんの遺体が見つかっていない、“無い”悲しさをドラマで扱ってみるのはどうかと考えました。

また、「亡くなったかどうか分からない」という“不明確”なものを、ドラマではあまり扱わない印象だったので、脚本家さんにも相談してあえてやってみることになりました。この悲しさは、私たちには到底想像が及ばないところなので、手探りではありました。

――第1シーズンで1クールを経て、現在の第2シーズンで2クールというロングランで制作されてきましたが、その間、被災地にたびたび訪れて、交流を続けていますよね。

2年にわたって何度か陸前高田市(岩手県)を訪れたり、周辺の都市にも伺ったり、第2シーズンの前には去年の1月に宮城県の海辺の都市で船を使って遺体を捜索されているチームにお話を聞いたりと、ドラマの制作にあたっていろんなところに行きました。

陸前高田は、最初に訪れてから1年、2年と経っていくと、工事現場だったところに野球場や建物がどんどんできたりして、変化を感じますね。10年という節目は、国からの支援が1段階下がってしまうというのもあるようで、急ピッチで街づくりが進められているさまを見ていると、もともと震災から10年の3月を第2シーズンの最後に迎える予定ではなかったので、不思議なめぐり合わせを感じますし、このテーマに挑戦して良かったなと思えます。

――被災地を取材されて、どのような部分をドラマに反映されたのでしょうか?

特に第1シーズンでは、遺体安置所を描きましたので、規模感やそこにどんな方がいらっしゃったのかなど、大変参考にさせていただきました。また、第1シーズンで風間(俊介)さんが「遺体安置所にいたのは自分だったのかもしれない」と話すシーンは、実際に取材した方のお言葉をそのまま使用させていただきました。


以下略
https://news.mynavi.jp/article/20210308-asagao/2

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最近、月曜日の夜はドラマ朝顔でボロボロになっています。なんで月曜の夜からこんなに泣かせるかなぁとティッシュが足りません。朝顔の父役時任三郎が妻の遺骨探しで震災後の沼地に十年も通う日々、どんどん認知症が進む自分に焦る姿に胸が痛みます。祖父役の柄本明は沼で見つけた娘のハンカチの側にあった人の奥歯を娘と信じ込めずにDNA鑑定を法医学者の朝顔に託します。祖父に母だと嘘がつけなくて悩んでいた朝顔に、青森の漁師が本物の遺骨を見つけてくれます。小さな遺骨を抱えた朝顔からカメラはチルトアップして雪空を映します。

末期ガンの祖父のベッドで祖父と父と朝顔で母親の白い白い指の遺骨を囲む家族の姿、ミシ#ドの和音が耳につくアルペジオで始まる折坂悠太のテーマソングがゆっくり流れだすと、もう心はボロボロです。エンディングがとても長く、涙腺刺激量が半端ないです。明日、3月11日。10年たってもまだ見つからぬ身内を想う方々へ、哀悼の意を表します。

折坂悠太「朝顔」歌詞

ねえ どこにいたの 窓辺には空白んで
僕につげる 「また巡り逢うよ」と

真新しい街に 海鳴りがきこえて
手を振る誰かが 笑っている

ここに 願う 願う 願う
君が朝を愛するように
ここに 願う 願う 願う
その庭を選び今に咲く、花!

最後に ひとつ 聞きそびれた事
ふと呟いてる「あの日なぜ逢えたの?」

お祭囃子の 人波の向こうで
手招く誰かを 覚えている

ここに 願う 願う 願う
君が朝をおそれぬように
ここに 願う 願う 願う
その窓を選び降り注ぐ

ねえ この辺りも変わったよ
また何処かであがる産声を 待ちわびて

ここに 願う 願う 願う
君が朝を愛するように
ここに 願う 願う 願う
その庭を選び今に咲く

ここに 願う 願う 願う
暗闇に呼んだその名を
胸にきつく抱き 願う
物語は続く この僕に
ほら今に咲く、花!


「色はなんか? 」
「群青!淡紅!」
「そりゃ結構」
「そりゃ上々」

Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/yuta-orisaka/asagao/

 

ロシア ウクライナ侵攻 子どもたちにどう教えるか 学校で模索

ロシア ウクライナ侵攻 子どもたちにどう教えるか 学校で模索

2022年3月22日 【NHK】

ロシアによるウクライナ侵攻が続く現状に、不安や疑問を抱く子どももいることから、学校現場でどう教えていくべきか、各地で模索が始まっています。

“意見を出し合う授業” 東京の小学校 
このうち、東京 日野市の日野第四小学校では、ウクライナ情勢に関する不安を抱え込まないよう、高学年を対象に意見を出し合う授業に取り組んでいます。

5年生の道徳の授業では、まず教員が、東京オリンピックで日野市はウクライナのホストタウンだったことや、地元企業の工場がロシアにあること、東日本大震災では両国から日本に支援があったことを紹介しました。

そのうえで、現状への思いや平和な社会に必要なことを話し合う時間が持たれ、児童からは「意見がぶつかっても戦争や暴力以外の方法がある」といった意見が出されていました。

男子児童は「子どもで力がないから助けられない。話し合いで解決すべきなのに戦争が起きてしまい悲しい」と話していたほか、別の男子児童は「交流のあるウクライナで多くの人が命を失っていて、自分のことのように思いました」と話していました。

閏井研司教諭は「認め合う大切さなど、日頃学んできたこととは逆の『戦争』が起きてしまい、子どもたちは漠然とした不安を感じているように思います。『戦争』について話してはいけないと思っている雰囲気も感じたので、まずは考えを出し合うことが大切だと思っています」と話していました。
“遠い国の遠いできごとでなく 私たちの問題として” 横浜の高校 
一方、さまざまな国にルーツがある生徒も学ぶ、横浜市の県立横浜国際高校では、生徒から「ウクライナのことを学びたい」という声が寄せられたことから、歴史の教員が授業を行いました。

この中では、両国の歴史を踏まえたうえで、日本にいるウクライナ人とロシア人の思いを伝える記事やウクライナ情勢に関する歴史の専門家の考察、情報の捉え方を考える資料を読み込み、議論しました。

各班では「いま苦しんでる人がいるのに、それを放置して無知のままでいるのがいちばん怖い」とか、「『国』と『個人』を同じように扱い誹謗中傷が起きているが、情報をうのみにせず自分で考えることが大事だ」といった意見が出ていました。

また、「国の指導者や歴史学者の意見も大事だが、SNSが普及したいまだからこそ、個人個人の声から考えることも大事」などと議論を深めていました。

女子生徒は「ウクライナの状況に無力感を持っていましたが、結論に至らなかったとしても自分の中で考えを持ち、情報を得て知識を深めて、友達と意見を共有することが私にできることだと思えました」と話していました。

徳原拓哉教諭は「ウクライナやロシアと大きな主語で語られますが、学校の友達にも関わることなので、遠い国の遠いできごとではなく、いま目の前で起きている私たちの問題として、迷いも含めて共有して一緒に考えていけたらと思っています」と話しています。

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今起こっていることを、子どもたちに理解できる程度に情報提供することは大事なことです。ただ、戦争はいけないことだという道徳的な話に終始すると、それが分からない人たちにはどう対応するのかという袋小路に陥ってしまいます。戦争の悲惨な事実を伝えるとともに、戦争は安全保障の同盟関係がないところで生じやすく、均衡した戦力や双方が同盟関係で守られている国同士は例え紛争が生じても戦争に拡大しにくいという事実を歴史教育や世界史教育の中で教える必要があります。

そして、残念ながら、世界には理性の通じない国もあり、国連の常任理事国なのに国際ルールも無視してしまう国が存在することを伝えなければなりません。そんな無法者が暴れ出すのを抑止するのはどいう方法があるのか、リアリティーのある柔軟な討議をすることで子どもたちの不戦の知恵は育てられていくのだと思います。そのことは、必ず自分たちの暮らしを守る政治への関心に繋がり、若者の選挙行動にも成果は表れてくるはずです。

戦火の下、自分と同じ世代の生身の子どもたちがミサイル攻撃に傷ついていることについての悲しさを交流することも重要ですが、どうすれば無法者を抑止できるのかというところに関心が向くようにしてこそ平和教育と言えます。武力も含む抑止力について子どもにも考えさせてみる事が未来の安全保障の一歩につながります。現実に生じている事なのに特定の内容については議論しないというタブーを作ると袋小路にはまって無力感や無関心を生み出だしてしまいます。世界は良き方向に変える事ができると子どもたちが信じられるようにするためには、まずは大人たちがタブーなしの議論を行う事が必要です。

iPecs

iPecs(あいぺくす)とは、従来のPECS®コミュニケーションブックからハイテク拡大代替コミュニケーション(AAC)へと進化したiPadのアプリを駆使するコミュニケーションスタイルを意味します。絵カード交換式コミュニケーション®(略してPECS®)のフェーズIからIVまで従来のPECS®のコミュニケーションブックを使用して熟達している方にはPECS®IV+(ぺくすふぉーぷらす)を使うことで、もっと幅広く自由に自発のコミュニケーションの可能性が広がります。

PECS®IV+はどの様な環境でも使用できるようにデザインされており、PECS®IV +の利用者の方々はアプリ内の音声出力装置で話すのに述語カード専用のページを含む、最大20ページものPECSブックのページから何個もの絵カードを使用し文カードを作成できます。
絵カードライブラリで利用可能な言語は、英語、スペイン語、日本語、フランス語、ドイツ語、ギリシャ語と6か国語使用ですから旅行でも使えますよ。ただしiOS(iPad)用のアプリだけです。

自発のコミュニケーションに革命がおこります!!

詳しくはスタッフまでお問い合わせください。

https://pecs-japan.com/アプリ/

危険率

武漢ウィルスの感染率やら死亡率やらを考えていると様々な危険率が気になったので調べてみました。リスクに対して対策を打つためには、まず、リスクと向き合わなくてはなりません。その第一歩として、リスクの起こりやすさを「発生確率」という数字で表してみることが重要です。ところが、この確率はなかなかのくせものなのです。

かつて地震調査研究推進本部地震調査委員会が公表した報告書では、日本における自然災害や事故などの発生確率が参考として示されています。それによると、30年の間に災害、事故、事件で被害をこうむる確率をあげてみると、

【災害】
・大雨で罹災する確率は0.50%、死傷する確率は0.002%
・台風で罹災する確率は0.48%、死傷する確率は0.007%

【事故】
・火災で罹災する確率は1.9%、死傷する確率は0.24%
・交通事故で負傷する確率は24%、死亡する確率は0.20%
・航空機事故で死亡する確率は0.002%

【事件】
・空き巣ねらいに遭う確率は3.4%
・ひったくりに遭う確率は1.2%
・すりに遭う確率は0.58%
・強盗に遭う確率は0.16%
・殺人事件の被害者となる確率は、0.03%

もちろんこれらの確率は、日本中の誰でもどこに居ても同じではありません。例えば、大雨の場合、がけや急傾斜地では、がけ崩れ、地すべり、土石流による土砂災害が起こりやすいです。一度、大雨により地盤が緩くなっている地域は、再度の大雨で被害が起こりやすいとも言われます。

また台風の場合、海の沿岸部では高波や高潮、河川区域では氾濫(洪水)による浸水被害が発生しやすいです。このように、自然災害や事故などが発生する前提にはバラツキがあります。

いくつかの出来事が重なった複雑な出来事の発生確率を考える際には、それぞれの出来事はお互いに影響し合わないか、つまり無関係かどうかという点です。無関係であれば、それぞれの出来事の発生確率を掛け算したものが、それらの出来事すべてが発生する確率に等しくなります。

先ほどの災害や事故などの発生確率で、交通事故での負傷と、航空機事故での死亡が無関係な出来事であると仮定すれば、30年の間にその両方に遭遇してしまう確率は、0.00048%(=24%×0.002%)です。これは、約21万人に1人の確率であり、このようなことは、かなり小さな確率でしか起こらないと言えます。

しかし、それぞれの出来事が無関係でない場合には、単純に発生確率を掛け算しても正しい答えは得られません。例えば、交通事故での負傷と、交通事故での死亡とでは、この2つはどちらも交通事故を原因としていて、無関係な出来事とは言えないです。通常、交通事故による負傷の程度がひどい場合に、死亡に至ってしまうものと考えられます。

この場合、30年間で交通事故での負傷と、交通事故での死亡の両方をこうむる確率は、0.048%(=24%×0.20%)と計算してはいけません。死亡が負傷の延長線上にある、つまり死亡する人は負傷もしているとすれば、両方をこうむる確率は、死亡の確率と同じ0.20%と見るのが妥当だからです。これは500人に1人の確率です。交通事故での負傷と、航空機事故での死亡の両方に遭遇する確率に比べると、だいぶん高いと言えます。

 

震災から10年

震災から10年若者へどう継承【鳥取】

2021年3月11日 10時00分【朝日新聞デジタル】

岩手県釜石市鵜住居(うのすまい)地区にある釜石祈りのパーク。東日本大震災で関連死を含めた1千人以上の犠牲者の名前が刻まれた慰霊碑の前で、8日、鳥取大学地域学部の2年生の森田恒志郎さん(20)、小川颯真さん(21)、青木蓮音さん(20)が、一人一人の名前をなぞるように見つめていた。そして、何人分も刻まれた「キクチ」という名前のところでじっと目をとめた。

「ここで本当に人が亡くなったんやってわかった」。森田さんはそう振り返った。

7~10日の日程で、同学部の1、2年生7人が津波の被害が甚大だった岩手県、宮城県の沿岸部を、地域フィールド演習の一環で訪れていた。

「キクチ」とは、その日の朝、たまたま立ち寄ったお土産店の女性の名字。「大学生?どこから来たの?」といった何げない会話の流れから、女性の弟が震災で亡くなったと聞いたのだった。

別れ際、女性から「おばちゃんが何かうるさいこと言ってたな、なんて思わんでね」。青木さんは「キクチさんの記憶を、次は僕らの記憶としても残していく」。小川さんは「記録と記憶は違う。記憶なら忘れない。記憶は人を動かす。そしてその記憶を伝えたい人がいる」と痛感した。

10年前の3月11日午後2時46分、多くの人の運命が狂った。キクチさんもその中の一人。決して深いつながりを持ったわけではないが、これから先の3月11日、きっとあの女性の顔を思い出す。自分たちの中では、風化することのない日になる気がしている。


松江市嫁島町の会議室に2月、県内の高校生25人を含む計約50人が集まった。震災発生当時にまだ幼かった人たちに震災の記憶を継承しようと、松江ライオンズクラブが主催し、岩手県陸前高田市の市役所とリモートで結んだ講習会だ。

ライオンズクラブの山田さおりさん(47)が中心となって企画した。昨年、発生から10年という節目を忘れている自分に気がついた。「あれだけ衝撃を受け心を痛めていたのに、自分の中に風化を感じた」と山田さん。当時の状況を知らない若者であればなおさらのはずと感じた。

現地の生の声を聞けばニュースでしか見たことのない被災地の姿もきっと見え方が変わると、昨年11月、災害派遣にあたった松江市職員やカメラマンとともに陸前高田市を訪れ取材を重ね、講習会を実現させた。

当日、同市の戸羽太市長は「被害を減らすためには一人一人が備えることが大事。大人と子どもの両方を動かすことのできる高校生のみなさんが自らの行動で示して欲しい」と訴えた。長男を津波で亡くした女性の話も聞いた。

松江工業高校1年の福留爽太さんは「『その時』に備えて日常を生きる大切さを知った」。松江北高校2年の野浪くるみさんは「高校生にもできることがある。自分より下の小中学生にも防災の大切さを教えていきたい」と思いを受け取った。


発達障害のある子どもの家族や支援者らでつくる島根県の「ウルトラの母の会」は昨年2月、発達障害がある若者らを含む10人で東日本大震災の津波で児童74人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校を訪問。遺族の案内で校舎や裏山を巡った。

放課後デイサービスで障害のある子どもたちを支援する河上香さん(55)は「適切な判断がその場に立ってできるかは分からない。突然の災害で固まってしまう子どももいるので、実際におんぶして避難する訓練もしなければいけない」と難しさを語った。

同会事務局で中学教諭の大山英子さん(60)は「まずは自分の命を守れる人になって欲しいというのが、親の願い。すべての人が『その時』に何をすべきかという意識を持つことが大切だ」と話す。

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圧倒的な自然災害の前では人は何もできないです。だからこそ、防災・減災のための準備に手を尽くします。海沿いでは津波に対する避難の速さでしょうが、内陸では地震による交通・通信というインフラ遮断への備えです。震度が圧倒的に巨大であれば、救援までの日数が長くかかります。最低1週間生存可能な防災準備をと専門家は言います。

この際に、最も恐れないといけないのは自然の猛威ではなく、人間の心理だと言います。自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉え、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価をして被害にあう 「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」です。災害の芽は全員の心の中にありそれを摘むのは管理者やリーダーの決断一つだと、命を預かる事業として戒めていこうと思います。

校庭に住民も出入り自由 神戸唯一「学校公園」変わる姿 子どもの安全考慮、境界にフェンス設置

校庭に住民も出入り自由 神戸唯一「学校公園」変わる姿 子どもの安全考慮、境界にフェンス設置

2022/3/24 【神戸新聞NEXT】

神戸市内で唯一、校内グラウンドと校外の公園との境に仕切りがなく、保護者や住民が自由に校内に立ち入ることができた成徳小学校(神戸市灘区備後町1)で、敷地の境にフェンスが設置され、学校の内外が区切られた。これまでグラウンドは「学校公園」の愛称で住民に開放され、早朝や放課後は近隣住民が自由に出入りしていた。文字通り、地域に開かれた学校を象徴した光景が姿を消した。

■走り回る児童の横で…

平日の昼休み、グラウンドを走り回る児童のすぐ横で、住民が成徳公園の清掃や花壇の水やりを行う。本来はグラウンドも住民がジョギングなどで自由に利用できるが、登校から下校までは立ち入らないというマナーが地域で浸透した。

しかし、校内にいる児童の安全を守るため、校内外の敷地を区切るフェンスが設けられた。今後は3カ所の扉を教職員が開閉し、授業時間中は閉めるが、放課後や休日は開け放ち、これまでと同様に地域に開放する。

■「人の輪がフェンスの代わり」     

成徳小は1995年8月に新校舎が完成した。教員らから「フェンスがなければ公園も含めてグラウンドが広くなり、子どもがたくさん遊べる」と意見があり、当初は予定されたフェンスを設置しなかった。

同校によると、阪神・淡路大震災直後は、市内で高倉台小(同市須磨区)、若宮小(同)も敷地を区切るフェンスがない小学校だったが、現在は成徳小だけが残っていたという。

これまでも、2001年に大阪教育大付属池田小学校の児童殺傷事件が起きた際などに防犯上の心配があったが、「人の輪がフェンスの代わりになる」として、住民の見守りで安全を支えてきた。しかし、衝動的に校外に飛び出してしまう児童などもいて、保護者と教職員の不安はぬぐえなかった。

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公園をめぐる問題はこれだけではないです。2019年、神戸祇園小学校の校庭の広さが児童数に見合っていなかったとして、市が近隣の公園を校庭として拡幅する工事を進めていたところ、公園を利用していた住民からの反発が記事になっていました。つまり統廃合で子どもが増えたからと公園を校庭にするのはけしからんという話です。開放は危険だと言ってはフェンスで仕切り、校庭が狭いからと言っては公園を潰しと、神戸だけではなく土地のない自治体は皆公営の空間問題で頭を悩ませています。

どこの自治体でも同じですが、高度経済成長期に住民が都市部やその周辺に移り住み、家屋を驚くべき速度で建てまくった結果、都市の区画整備などとても追いつかず、とにかくどんどん増える人口に対応して学校建設やごみ処理、上下水道の敷設で精いっぱいだったのが都市や衛星都市の実情です。ようやく都市の人口増加も一息つくと、今度は子どもの減少で学校の空き教室が目立ち始めて、統廃合して空いた学校跡地に文化施設や公園を作るフェイズに入ってきています。

そうなると、共有していた公園と校庭も少し余裕が出てくる中で、「何かあったらどうする」という「脅しと怯え」の中で、子どものいる空間はできるだけ区切るのが当たり前になってきます。近所のおばちやんおっちゃんと自然に交流する中で住民と子どもの双方が獲得する社会性より、何万分の1の学校襲撃の可能性の防御をフェンスに託します。

なんだかなぁと思いますが、校庭に花を植えに来た人たちも「何かあっても私たちでは何もできない」とフェンス仕切りを認めざるを得ません。襲撃の抑止には、個別の防備と集団的自衛の両方が効果的に働く時に抑止効果は高まるのですが、「何かあったら」の殺し文句には勝てません。

 

放課後等デイサービス支援とバランス感覚

放課後等デイサービスで一番大事なことは、学校と放課後等デイサービスのコンセプトを混同をしないことが重要です。学校は勉強するところ、放課後等デイサービスは余暇を過ごすところです。ただ以下の3点が放課後等デイサービスのミッションなので支援者の勘違いもおこります。

★ひとりひとりに合わせた療育を提供
放課後等デイサービスの特徴の1つは「ひとりひとりに合わせた療育」を提供することです。保護者との面談をとおして個別支援計画を作成し、お子さんの発達段階や特性に応じて課題を設定します。
これは学童保育にはない特徴ですが、学校では同じことが掲げられていますので学校教育と混同されやすいですし区別もつきにくいところです。ただ、この分野では応用行動分析に基づく支援等は多くの学校ではまだまだ導入されていない場合があるので、福祉分野が先導してもいいものはあると思います。

★小集団の中で社会性を身につける
特徴の2つ目は「小さな集団」であることです。学童保育の定員が40~70人なのに対して、放課後等デイサービスの定員は10人ほどの小さな集団です。小さな集団のメリットは、スタッフの目がとどく中で自由にすごせることです。ひとり遊びなら家でもできますが、他のお子さんと一緒にすごすので「自分の思いどおりにならないこと」もおきます。集団の中で人を傷つけず、自分も傷つかない距離でお友達と関われるようにスタッフが支援していきます。しかし、これも学校の中でも日常的に行われている指導でしょう。では、学校とどう違うのか、ほっこりする場であるという前提をスタッフが心得ていることが大事です。

★家族のサポーターとしての役割
放課後等デイサービスの3つ目の特徴は、家族のサポーターとして「レスパイト(respite)」の役割を担っていることです。レスパイトとは、「休息」「息抜き」「小休止」という意味です。福祉サービスなどを利用している間に、介護をしている家族などが一時的に介護から解放され、休息をとれるようにする支援のことです。放課後等デイサービスを利用して、ご家族が自分のための時間を過ごしたり、家事やきょうだいの育児ができます。お母さんが息抜きできることは、お子さんにとっても良い効果があります。

このようにして、三つ目のサポーター以外の役割は学校と区別がつきにくいですが、子ども目線では「ほっこりする余暇の場」であることが重要です。社会性を育てるために支援することは大事ですが、一方でゆったり見守るというバランス感覚がスタッフに最も求められるところです。

 

「ゲームは1日60分」香川県議会で成立

以前大阪市長のネットゲームと不登校の発言を、産経新聞が勇み足で取り違えたという記事を掲載しました。「スマホ・ゲーム利用と不登校1/17 」その中で香川県が条例化する話を掲載しましたが、今日成立したそうです。何度も書くように、家庭の子育てを支援する施策を考えることこそ大事だと思うのです。そういう意味では茂木先生の考え方もぶっ飛んでいて、家庭は文明問題で困っているのではないという事です。せめて食事は家族で一緒に食べたい、子どもの睡眠時間が心配だという親の不安も少なくないのです。この不安をどう解消するかが命題だと思うのです。

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「ゲームは1日60分」 依存症対策条例、香川県議会で成立 全国初
2020年3月18日 11時29分 毎日新聞 WEB

18歳未満のインターネットやゲームへの依存を防ぐことを目的にした「ネット・ゲーム依存症対策条例」が18日午前、香川県議会で可決、成立した。「ゲーム時間は1日60分」などと家庭内で守るルールの目安を規定。罰則はないが、努力義務として求める。同様の条例は全国初で、4月1日施行される。

<香川ゲーム条例案>「パブコメ詳細示せ」 自民「賛成しない方向」共産「反対」
条例は依存防止に向けた県や学校、保護者の責務を規定。家庭内ルールの目安として▽18歳未満のゲーム時間は1日60分(休日は90分)まで▽小中学生以下は午後9時、高校生などは同10時以降、スマートフォンなどの使用を控える――の2点を示し、子供が守るよう保護者に求める。

県議会は2019年9月に検討委員会を設け、制定準備を進めてきた。「家庭への介入」などと批判もあり、提出した条例案は素案から一部を修正。「スマートフォン使用などの制限」を「家庭におけるルールづくり」に、使用時間の「基準」を「目安」にそれぞれ改めた。【金志尚】

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ゲーム依存防止条例に苦言「これからの世界で必要な子どもの能力のモデルが古い」
2020年3月18日 13時55分スポーツ報知

茂木健一郎

脳科学者の茂木健一郎(57)が18日、自身のツイッターを更新。子供のゲーム利用時間について1日60分までを目安としたルール作りと順守を家庭に求める全国初の条例が香川県議会で可決、成立した問題に私見をつづった。
同条例はこの日、子供のインターネットやゲーム依存症対策として成立したもの。茂木氏はこの問題を伝えたネット記事をツイッターに貼り付けた上で「香川県議会の先生方は、ご自身の判断の中でベストの選択をされたのでしょうが、残念ながら、前提になっている学力観、文明感、これからの世界で必要な子どもの能力のモデルが古いです」とコメント。 さらに「ゲーム利用時間制限とか、ゲーム禁止とか、意味がわからない」とつづっていた。

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自粛生活万歳!

自粛生活万歳!帰省、授業参観、運動会からの解放で喜ぶ女性たち

2021年3月11日 16:00【マネーポストWEB】

コロナ禍で、飲み会などの人が集まるイベントや、家族ぐるみの行事が軒並み中止されることを嘆く声は多い。しかしその裏で、密かに胸をなで下ろした人もいる。

実際、女性セブン読者約2000人を対象にしたアンケートでは、飲み会、季節の行事、子供関連のイベントなどが中止されたことについて、「中止や自粛のままでいい」「大きな声では言えないけれどありがたい」といった意見も多かった。

同アンケート結果でもっとも多かったのは、忘年会や新年会など「会社や仲間内での飲み会」が中止になってよかったという声。次いで、「帰省」がなくなったことを喜ぶ人も多かった。夫の実家に帰らなければならない女性の立場であれば、たしかに納得かもしれない。時事問題や日常の出来事を独自の視点でつぶやき、ツイッターのフォロワー数が18万人を超えるエッセイスト・深爪さんが明かす。

「周囲のママさんからも『夫の実家に毎年帰省するのは気が重かった』という声は多く上がっています。『コロナをうつしたら大変だから』と言って取りやめれば、老親を気遣う心優しい嫁のフリもできて一石二鳥です」

意外なところでは「授業参観」や「運動会」など、子供の学校行事をあげる人も多かった。とはいっても、それも母親ならではの事情から。深爪さんが解説する。

「授業参観がリモートになったから、苦手なママさんと顔を合わせることもなく、家でパジャマのままポテチをかじりながら、わが子の様子を見られるから最高です。近所の小学校では運動会も午前中のみ開催。観覧は2人までと縮小されましたが、これも『弁当をつくらない運動会、素晴らしい』『孫の行事に親より張り切る面倒くさい義両親を体よく断れてありがたい』と親たちは絶賛の嵐。学校、やればできるじゃん、と思いましたよ(笑い)」

ほかにも「ハロウィンがなくなって家の周辺の騒音に悩まされることが減った」(30才・兵庫)、「家の近くで祭りがあるが毎年、人も車もいっぱいで正直うるさかった」(52才・愛媛)、「私が外れたライブのチケットに当たったという人のSNSを見て悔しい思いをしていたが、そのライブが中止になって、気持ちが落ち着いた」(45才・岩手)など、間接的な理由で心の安寧を取り戻した人もいる。エッセイストの紫原明子さんが解説する。

「自粛によって焦燥感から解放されたという人は多い。インスタグラムに投稿されたバーベキューや花火大会の様子を見て、『どこにも出かけない自分はなんてつまらない生活なんだろう、何か楽しそうな投稿をしなければ』という強迫観念に駆られていた人たちは一様に“何に焦っていたんだろう”と楽になったと語っています。

不登校に悩む親子も一緒で、学校が休校になったりオンライン授業に切り替わったりしたことで後ろめたさがなくなり、健やかな気持ちになったケースも。なかには自粛を経て、学校に通えるようになったという声もありました。自粛生活に解放感を覚えた人の共通点は、“みんな同じでないといけない”という同調圧力に窮屈さを感じたという点です」

心理カウンセラーの高見綾さんは「今後、イベントや行事への参加を断るという選択肢がさらに受け入れられやすくなる」と予測する。

「スーパーでわざわざ使い捨て手袋をつけて買い物をする人がいれば、そこまで気にしない人もいる。外出自粛中に旅行に行く人もいれば、旅行どころか近所にすら出たがらず、引きこもる人もいる。コロナ禍は“一人ひとりの感覚はこれほどまでに違うのだ”ということをあぶり出しました。

その結果、“自分と他人の感覚は違って当たり前なのだ”ということに多くの人が気づき始めました。みんなが参加する行事を断るような、以前なら“人と違う”と白い目で見られていた選択肢も、受け入れられやすい状況になってきたといえるでしょう」

※女性セブン2021年3月18日号

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みんなに合わせなくていい。それだけでホッとする。ということはこれまでの日常がどれだけ女性にとってストレスフルだったのかという裏返しです。男性でも、自粛で楽になったと感じることもありますが、女性ほどは感じないような気がします。飲み会の付き合いについては総務省の女性高級官僚が決して飲み会を断らないことで、男性受けが良かったと言います。結局、ストレスに強い人間が生き残るサバイバル社会ということだと思います。でも、家庭生活はのんびり周囲に気兼ねせずに過ごしたいというのは誰でも同じだと思います。そこから、本当に交わりたい仲間との交流や友情が生まれてほしいとも思います。自己決定・自己選択の尊重は自尊感情と表裏一体です。

NIPT 新出生前診断を全ての妊婦に知らせる新指針への不安 差別や排除が助長されないか

NIPT 新出生前診断を全ての妊婦に知らせる新指針への不安 差別や排除が助長されないか 細川暁子

2022年3月24日 【東京新聞】

NIPTは今 新出生前診断を考える(3)

陽性確定の9割が中絶を選んでいた
新出生前診断(NIPT=Noninvasive prenatal genetic testing)を受けた妊婦のうち、陽性が確定した人の9割が中絶―。日本医学会が認定した、検査の実施施設でつくるNIPTコンソーシアムが行った調査は、厳しい現実を浮き彫りにした。

NIPTは、妊婦の血液から、ダウン症など胎児の疾患の可能性を推定する検査だ。調査によると、2013年4月~2021年3月に検査を受けた10万1218人のうち、陽性だったのは1827人。羊水検査などで陽性が確定したのは1397人で、そのうち1261人が中絶を選んでいた。

「安易に受けていい検査ではない」
障害がある子どもを育てる親たちの思いは複雑だ。

ダウン症の息子(5つ)がいる名古屋市内の女性(35)は「検査を受ける人の気持ちは理解できる」と言う。生まれてすぐにダウン症と分かった息子には心臓の疾患があり、生後3カ月で手術をした。

「もし2人目も障害があったら、上の子の世話ができない」。現在、生後11カ月の次男の妊娠が分かった際、女性はうれしさとともに、大きな不安に襲われた。そこで、認定施設でNIPTを受けた。

結果が出るまでには約2週間かかる。その間も、おなかに宿った命は育っていく。陽性ならどうするか。胸がつぶれそうだった。わずか10ミリリットルの血液を腕から採取すれば終わるNIPT。認定施設だけでも年間約1万5000人に実施されているが「私と家族の心の負担は重かった。安易に受けていい検査ではない」と声を絞りだした。

「検査しなかったの?」に傷ついて
「娘さん、妊娠中に検査しなかったの?」。あるとき、名古屋市内の女性(44)の母親に、知人が問いかけたという。小学3年になる女性の長男(9つ)はダウン症だ。そのやりとりを母親から聞いた際は傷ついた。まるで長男の存在を否定されたように思えた。

これまでNIPTの経験はない。第2子となる長女(4つ)を妊娠したときも受けなかった。「もうダウン症の子がいるんだから、育て方は分かっている」と夫は言った。「どんな子でも育てよう」と二人で決めた。

「事情は一人一人違うし、NIPTを受ける、受けないに正解はない」。ただ、これだけは思う。「障害がある本人や家族が『肩身が狭い』と感じる世の中にしてはいけない」

障害児への支援とセットでなければ
NIPTについて、国や日本産科婦人科学会(日産婦)はこれまで、妊婦には積極的に知らせない姿勢を取ってきた。しかし、国も関わった日本医学会の運営委員会が2月に示した新指針では、母子手帳を配布する際、チラシで全ての妊婦に知らせる方針が示された。正確な情報を提供し、日産婦の指針を守らない無認定施設に妊婦が流れないようにするのが目的という。

一方で無認定施設への罰則はなく、新指針はむしろ検査を促進するとの見方も強い。「全妊婦に知らせる方向にかじを切ったことで、命の選別にもつながる検査に強い『お墨付き』が与えられた印象がある」。そう話すのは生命倫理を専門とする北里大の斎藤有紀子准教授(59)だ。その上で「障害や病気がある人への差別や排除が助長されるのではないか」と危惧する。

「NIPTの広がりと、障害がある子どもを支える制度や情報提供の充実はセットでないといけない」と強調。「具体的にNIPTの何を妊婦に伝えるのか。国と医学会には開かれた議論が求められる」
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がん予防のために、ガンマーカーで血液検査をし、がんの種類を見つけ画像診断で場所を特定しごく小さながん細胞のうちに取り除くがん治療と、出生前検診を同じようには比較できないですが、命を守るか命を間引くかに決定的な違いがあります。もちろん、一昔前は弱い胎児は流産して自然淘汰されていました。それを人類の英知で弱い胎児の命でも守ることができるようになりました。しかし、その子が健康に育つかどうかは医療が進歩すればするほど高いリスクがあります。

この記事ではダウン症など遺伝疾患の胎児の早期発見についての考え方を取り上げています。確かにダウン症や一部の染色体異常にも知的障害が生じたり、寿命が短かったりすることがあります。しかし、知的に遅れているから、命が短いから不幸だと言うのは当事者の意見ではありません。大昔、貧しい家族の食い扶持を減らすとして、子捨てや子殺し、姥捨て山で老人を捨てるのと大して変わらない話だと思えてなりません。NIPTの結果が陽性で子どもが可愛そうだから堕胎するという最も大きな背景には、家族が今の時代を暮らすうえで子育ては負担が大きいと感じているからだと思います。

障害のある子がいても、経済的余裕と豊かな社会的支援があれば堕胎を選択する人たちは減ると思います。もちろん母体が危険にさらされるような事態が予め分かっているなら出産は避けるべきですが、染色体異常の陽性反応だけで堕胎を選ぶような行為は個人の問題ではなく、社会体制全体の問題として議論すべきです。将来は、DNA検査によってIQや生存年齢、がんの罹患率や痴ほう率まで分かるようになると言います。ならば、数値的に思わしくない人は子どもを持たない方がよいというところまで行きつくかも知れません。どこかで歯止めになる大きな議論が必要だと思います。

マインクラフト

放課後等デイサービスで不動の地位を得ているマインクラフト。子どもたちはみんなマインクラフトで新しい世界を作ることに夢中になります。これをプログラミング教育の一環として売りにしている事業所も出てきました。

マインクラフト(minecraft)とは、3Dのレゴ風のブロックで構成された世界で、最近のゲームのリアルなグラフィックと比較すると、レトロな雰囲気ですが、ブロックでできた世界を自由に探検したり、採掘して、自由な世界を組み立てることができます。  

「視覚的なフォーマットの情報と構造や、ある程度の予測可能性を与えてくれる」ことが、子どもを混乱させずに、課題に取り組みやすくしてくれるのです。

 マインクラフトが提供する環境で、子どもたちは、コミュニケーションを学んだり、明確なゲームのルールのなかで遊ぶといったような社会的な相互作用を促すことができます。

マルチプレイヤーモードで子どもたちがいっしょに遊ぶときには、お互いに会話して、アイデアや計画をシェアする方法を学びますす。マインクラフトで学んだことを、実際の生活でも応用することができるようになれるかもしれません。

他のゲームのようにストーリーにそって何かしなきゃいけないのではなくて、好きなものを好きなように作ることができるというのも、マインクラフトの魅力です。

何を創造してもいいという自由度があるというのも、マインクラフトが好まれる理由です。自閉症スペクトラムの人で、あまり一般的ではないことに熱中して詳しくなることがありますが、マインクラフトはそうした好奇心を満たしてくれるゲームでもあります。

マインクラフトは「サンドボックス型のゲーム」というジャンルに分類されていますが、箱庭療法(サンドプレイセラピー)に似たところがあると思います。

 

 

子どもと上手く関われない指導員

放課後等デイサービスで、子どもと上手く関われない指導員のタイプは2つです。
・子どもの発達段階や心情を踏まえず、高圧的な態度で一方的な指示や注意を繰り返してしまう人。
・子どもの言いなりになってしまい、プログラムへの参加を促せなかったり、問題行動をを止められない人。
高圧的なタイプは比較的改善が見込みやすいです。こうした態度はあからさまに子どもの反発を招くため、指導者からも管理者からも問題として認識されやすく、そういった意味では対策を施しやすいです。対応が難しいのは、子どもの言いなりになってしまうケースです。なぜなら、子どもはルールを守ることを求める指導員よりも、自分が何をしても許してくれる指導員のそばにいることを好むからです。そのため、子どもの言いなりになる指導員はしばしば「自分は子どもから慕われている」と勘違いしてしまうからです。

子どもの言いなりになる指導員は、表面的には子どもから慕われているように見えても、本当の意味での信頼は得られていません。その証拠に、このタイプの指導員は常に子どもの暴力・暴言の対象になります。「この先生なら叩いても悪口言っても叱られないだろう」と思われているのです。実際その通りなので暴力や暴言を受けてもそれを止めることができません。それを放っておくわけにも行かないので、やむなく他の指導員がその子の対応に入ることになります。1人の子に複数の指導員が関わることになるため、その分他の子への支援が手薄になります。

子どもの言いなりになる指導員の存在は、他の指導員も巻き込んで事業所運営を困難にさせる上、何より子どもに「相手次第でルール破りは構わない」と誤学習をさせてしまう点で問題です。しかし、こうした指導員に管理者が「子どもの言いなりになるな」と頭ごなしに指示しても納得し難く、かえって反発を招くことがあります。先に述べたように、指導員自身は「自分は子どもから慕われている」と思い込んでいることが多いため、こうした指示を「子どもに良かれと思ってやっていることを否定された」と受け止めてしまうからです。こうした理由から、高圧的な態度の指導員に比べ、子どもの言いなりになる指導員のマネジメントはずっと難しいです。管理者として無理に指示を押し通そうとすれば、関係が壊れかねません。

この場合、指導員のマネジメントではなく、より大きな視野で考える必要があります。つまり、事業所が掲げるサービスの目的とルールを考えます。私たちは子どもに何を提供しようとしているのか。それを提供するためにどんな仕組みを用意するのか。「不適切な指導」は、この二点が明らかになっていないときに生まれてきます。「子どもの言いなりになる指導員」の問題は、施設としての目的を明確にできていない経営側の問題であり、その目的を実現する仕組みを構築できていない管理者の問題でもあります。

「子どもの言いなりになる指導員」にお困りの経営者は、以下の項目を点検してみると思い当たる節が出てくるはずです。
・施設の目的を文章化し、雇用している人全てに浸透していますか。
・経営者であるあなた自身がその目的を追求していますか。
・指導員の動きについて、言語化してスケジュール化されていますか。
・トラブルへの対応の原則について、文章化されていますか。
・問題行動を繰り返す特定の子どもについて、指導員の間で対応方針は一本化されていますか。
・充分な研修やフィードバックの時間が取れていますか。
これらのポイントをきちんと抑えていれば、経営者や管理者が「子どもとうまく関われない指導員」対して「私たちはこういう目的のもと、こういう仕組みで子どもと関わっている。貴方もこれを理解して指導してほしい」と話ができます。その結果、指導員がそれを受け入れてくれるにせよ、受け入れてくれないにせよ、筋の通った話し合いができ、事業所全体でも具体的な改善につながると思います。

ミクシィが中学生にプログラミング教えるワケ

ミクシィが中学生にプログラミング教えるワケ 「民間の力」に頼れる学校とそうでない学校の差

2021/03/12【東洋経済】

教育に関心のある経営者や教育に貢献したいと考える企業は多いが、米国などと比較すると、学校教育と産業界の連携はいまだに不十分といえる。まさにプログラミングは、学校よりも企業のほうがノウハウが豊富だが、うまく連携できている学校は少ない。渋谷区の鉢山中学校と、区内の全中学校でプログラミングを教えるミクシィに、学校と企業が連携して授業を行うメリットについて聞いた。

「公民連携」で質を向上させながら持続的な行政サービスを提供
渋谷区は「公民連携」を大きなテーマとしている。財源が豊かな自治体に見えるかもしれないが、財源の多くは住民税であり、その時々の景気の動向などに大きな影響を受けやすい。行政コストを抑えながら、多様化・高度化する地域課題の解消を図るには、区内に拠点を置く企業や大学などと連携して取り組んでいく必要がある。民間企業などが持つ技術やノウハウを生かして、質の維持・向上を図り、効率的かつ持続的な行政サービスを提供していくためだ。

教育分野も、その1つである。とくに渋谷区は、「ビットバレー」と称されるとおり、IT企業が数多く集積している。かねて教育のICT化に力を入れているが、当初から「渋谷区ならではのリソースを探る中で、ITを柱の1つに据え、企業との協議を重ねてきた。国内外からスタートアップを集めて連携する、それこそが渋谷区が生き抜くことができる道」(長谷部健渋谷区長)と考えてきたのだ。

2019年には、渋谷区教育委員会と東急、サイバーエージェント、ディー・エヌ・エー(DeNA)、GMOインターネット、ミクシィの6者が「プログラミング教育事業に関する協定」を締結し、「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト」をスタートさせている。東急が行政や教育機関、IT企業などをつなぐハブになり、渋谷区教育委員会がカリキュラム開発に当たっての教育課程上の助言と学校との橋渡しを行う。そしてIT企業4社は、渋谷区の小中学校に対して各社が開発したプログラミング授業の提供や講師、サポートスタッフの派遣などを通じて、プログラミング教育の支援を行うというものだ。

プログラミング教育は、20年度に小学校で必修化され、21年度には中学校の技術・家庭科で拡充が予定されている。だが、いまだに苦手意識や不安を抱く教員は多く、手探り状態であることは否めない。そこで文部科学省は、プログラミング技術を持つ企業や大学、地域の協力を得て、教員の授業支援や講師として指導してもらうことを勧めているが、渋谷区のように複数企業と教育委員会が提携してプログラミング教育を実施している自治体は珍しい。

鉢山中では全校生徒に全3回の必修授業を実施
一方、IT企業4社は、それぞれの得意分野を生かした支援を行っている。その1つであるミクシィは、SNSの草分けであり「モンスターストライク」などのゲーム開発を手がけることから自社で豊富にプログラマーを抱えている。そこで、コードを自分で入力するテキストプログラミングに挑戦するなど、プログラミングの難易度が上がる中学校の支援を担当しているという。

20年度ミクシィは、8つある区立中学校の全校を対象に、独自開発のオリジナルプログラミング教育アプリを使った講座を実施。その中でも、理数教育重点校となっている鉢山中学校(以下、鉢山中)では、3学年それぞれの「総合」の時間を使って全校生徒約100人に全3回の必修授業を行った。講師はミクシィの技術者で、サポートスタッフも指導に入る。

鉢山中学校で行われたミクシィのプログラミング授業。講師はミクシィの技術者で、サポートスタッフも指導に入る
1回目はプログラミング教育の基本で、ゲームキャラクターに意図した動作をさせることを目的に命令の出し方、つまりプログラミング的思考とプログラムでの具体的な表し方を学ぶ。2回目はプログラミングで作図を行うもので、コンピューターにおける画像データの仕組み、プログラムでの作図の示し方を学んだ後、実際に直線や円、楕円、星形を描く。3回目は時間の経過に応じてアニメーションするプログラミングの方法を学び、課題のコードをまねてそれぞれ再現や加工に挑戦した。

講師やサポートスタッフに質問したり友達に相談しながら、生徒はどんどん課題をこなしていく
実際の授業を見て驚くのは、冒頭の説明は短く簡単なもので、生徒は1人1台のタブレットを使ってどんどん課題をこなしていくことだ。手元に配られた資料を頼りに、時に講師やサポートスタッフに質問したり友達に相談しながら進めていく。例えば、画面上でポインターを動かして始点と終点を決め、ガイドに示された図形を選ぶだけで簡単に図が描ける。図形の横にスクリプトも表示されるため、要領をつかむと直接スクリプト上でテキストを書き換えて色や角度、大きさを変えたり、直接コードを書き込む生徒も出てくるといった具合だ。

渋谷区立鉢山中学校 教諭 松澤貴幸(まつざわ・たかゆき)
「生徒は、われわれが思っている以上にできます。今日の授業は難しいと思っても、1つ教えると2、3、4、5になって返ってきます。普段の授業で、それはなかなかありません」と話すのは、鉢山中でICT担当を務める松澤貴幸先生だ。

鉢山中では19年度も、放課後のクラブ活動の一環として、希望者を対象にしたプログラミング体験学習をミクシィの支援のもと実施した。区内で唯一の取り組みだったが、習い事などで参加できない生徒もいて、授業内で実施できないか模索していたという。理数教育重点校でもあることから、単発ではなく継続的な取り組みとして全生徒に行いたいと考えたからだ。

だが、その後の新型コロナウイルスの感染拡大もあり、20年度上期はミクシィが作ったウェブサイト構築やプログラミングの基礎を学ぶことができる自宅学習用テキストを生徒に配付けするにとどまった。下期の全3回の必修授業は、理数教育重点校として念願の授業だったというわけだ。

生徒は知らずに触っていてもだんだんとルールがわかってくる
「渋谷区では17年9月に1人1台タブレットが整備され、昨年8月に全端末がSurfaceに替わりました。当初から“使い倒してほしい”ということで、生徒には自宅に持ち帰って家庭学習を含めてタブレットを使ってもらっています。子どもたちはデジタルネイティブで使い慣れており、今までやってきたこともタブレットでできないか検討を重ねています。通常の授業では難しいことが、企業がいることでできると実感しており、このまま理数教育重点校の柱としてプログラミング教育に力を入れていきたいと考えています」(松澤先生)

プログラミングの授業については、もちろん教育委員会から方向性の提示があるものの、学校側の要望もミクシィに伝えて内容を作成してもらっているという。とくに子どもたちの現状や理解度、授業の時間配分などは、現場の教員がいちばんわかっていること。できるだけ子どもたちがプログラミングに親しめる内容にするため、両者で詳細を詰めているのだ。ミクシィの技術者で今回講師を務めた田那辺輝氏はこう話す。


ミクシィ 開発本部 CTO室
田那辺輝(たなべ・あきら)
「中学校向けのアプローチとして、ブロックを操作して簡単にプログラムが組めるビジュアルプログラミングは学習しやすいのですが、その次のステップに進みテキストプログラミングを体験してもらうことをテーマとしてきました。プログラミングと言われるだけで抵抗感がある生徒さん、また先生もいらっしゃいますが、テキストプログラミングの入門アプリを用意しましたので、知らずに触っていてもだんだんとルールがわかってきます。操作で現れるテキストコードとプログラムの実行した結果を見ることで、コードの読み方や区切りが自然と理解できるようになるんです。3回目の授業ともなると、取り組む内容の難易度はかなり上がってきました。学校でどのようにプログラミングを教えていくのかには課題がありますが、生徒さんに浸透しやすい内容が提供できたと感じています」

ミクシィは、渋谷区の中学校に対するプログラミング教育支援のほか、全国から中高生の企業訪問も受け入れている。こうした取り組みの背景には、「IT業界の仕事に興味を持ってもらうことで、次世代を育成したい」という狙いがあるという。実際、今回の授業アンケートでは、図形はプログラミングではなく「実際に描いたほうがやりやすい」「大変だった」といった意見もあったが、「難しかったけど面白かった」という声が多かった。

鉢山中では20年度、全3回の必修授業のほかに、数学科の先生の依頼で「数学」でもプログラミングの授業を実施した。直線上の点を通る垂線や角の二等分線などコンパスを使った作図を行う単元で、ミクシィの同アプリを使って作図を行ったのだ。「通常の授業で作図の勉強をした後、プログラミングソフトで学ぶことでより興味を持ってもらえる」(松澤先生)と同時に、コンパスの長さをプログラムコードで確認、変更できるためいっそう理解が深まるという。

事前に数学の授業でプログラミングによる作図を行っていたため、必修授業でもスムーズに作図ができている生徒が多かった
さらに、特別支援学級の担任である松澤先生は、とくに特別支援学級の生徒はICTが大好きだと話す。実際、WordやExcelで行間の変え方や表、図形を描くなどパソコンの使い方を学ぶ「作業」という時間は、難しい内容にもかかわらず好きな生徒が多いという。また通常学級との授業を楽しみにしている生徒が多く、「ICTがあると通常学級との交流授業がやりやすい」(松澤先生)と話す。

こうした渋谷区のような企業連携の好事例を見ると、うちの地域にそんなリソースはないと思う教育関係者もいるかもしれない。だが、企業に加えてNPOなどの団体、サークルのほか、地域にもIT企業で働く人やプログラミングを得意とする人材はいる。そもそもICTでつながれば、どこにいようと場所は関係ない。もっと教育においても、外部の力を借りることに積極的になっていってもいいのではないか。でなければ、「民間の力」に頼れる学校とそうでない学校の差は広がっていくばかりだ。

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放デイの中では、プログラミング教育専門の事業所も立ち上がり始めています。昭和の我々がプログラミングに手を染めたのは、テキストベースのBASIC言語です。コンピュータは8ビット処理のCPUで、ひたすら雑誌のゲームプログラムを打ち込んではカセットテープに記録して友達に見せびらかしました。今となっては、全く忘れてしまいしたが、そのプログラムの命令論理の面白さに引き付けられたものです。マイクロソフトのビル・ゲイツもAppleのスティーブ・ジョブズも最初はこのBAISC言語を走らせて遊んでいたのです。

昭和に比べれば、今はグラフィックベースでプログラミングが学べるほど端末機の性能が向上したのですが、グラフィックプログラムでは細かなオプションやテクニックを使うのが面倒です。結局は文字で打ち込むキャラクターベースの方が手っ取り早くアレンジもしやすいのです。この文を書いていて、ほとんどの人には「なんのこっちゃ?」と読み飛ばされるなと思っています。しかし、プログラム需要が今後爆発的に伸びることが分かっている今、プログラムが使えるのは、これから英語が使えるのと同じくらいかやや多いくらいの職業需要があると思っています。どちらも言語ですからなんとなくニュアンスは分かってもらえると思います。

【第94回アカデミー賞】作品賞は「コーダ あいのうた」 聴覚障害を抱える家族を支える少女を力強く描く

【第94回アカデミー賞】作品賞は「コーダ あいのうた」 聴覚障害を抱える家族を支える少女を力強く描く

3/28(月) 【映画.com】

第94回アカデミー賞授賞式が3月27日(現地時間)、米ロサンゼルスで開催され、シアン・ヘダー監督作「コーダ あいのうた」が作品賞に輝いた。Apple TV+によるオリジナル作品で、動画配信系の作品初の受賞作。男性のろう者の俳優でトロイ・コッツァーが初めて助演男優賞を受賞した。

【感動の瞬間】男性のろう者の俳優で初 助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァー

2014年製作のフランス映画「エール!」のリメイク作で、家族の中でただ1人の健聴者である少女の勇気が、家族やさまざまな問題を力に変えていく姿を描いたヒューマンドラマ。テレビシリーズ「ロック&キー」などで注目の集まるエミリア・ジョーンズが主人公ルビー役を演じ、「愛は静けさの中に」のオスカー女優マーリー・マトリンら、実際に聴覚障害を持つ俳優たちがルビーの家族を演じた。

かつて「キャバレー」(73)で主演女優賞を獲得している大女優ライザ・ミネリから作品賞タイトルが読み上げられると、キャストと製作陣は会場の観客から拍手を表現する手話で祝福された。

助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァーらキャスト陣、手話通訳者とともに壇上に上がったプロデューサーのフィリップ・ルスレは「歴史を刻むことができました。候補となった他の作品も素晴らしいものでした。初日からキャストとクルーは大変でした。大きな問題が山積みでしたが、船は浮かび続けました。素晴らしい船長、素晴らしいプロデューサー、そしてキャスト。皆が愛する家族をスクリーンに作り上げてくれました」と、各方面への感謝の言葉と共に、数々の困難を乗り越え手にした栄冠に万感の思いを述べた。

海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえることから、家族の耳となり、家業も手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対する……。今回、第94回米アカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚色賞の3部門にノミネート。ルビーの父親フランク役を務めたトロイ・コッツァーは、男性のろう者の俳優で初めてオスカー候補になった。

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やっぱりアメリカ映画は直球勝負が最高です。前回、ドライブ・マイ・カー アカデミー賞4部門ノミネート: 03/08を掲載した後、最有力候補の「パワー・オブ・ザ・ドッグ」と「ベルファスト」を観ましたが、今一つしっくりこない感があって、アカデミー賞発表の直前に第3候補の「コーダ あいのうた」を観に行きました。前回、「ドライブ・マイ・カー」のパク・ユリムの手話の語りが美しく温かいと書きましたが、今回の「コーダ あいのうた」の手話は力強く情熱的で、何よりカッコいいのです。アカデミー作品賞の受賞はとても納得のいくものでした。

役者本人も聴覚障害者である父役トロイ・コッツァーと家族で唯一の聴者である娘役エミリア・ジョーンズのハイライトシーンは障害を超越した親子愛を深く深く映し出します。いわゆるヤングケアラーの彼女は、ろう者漁師の漁業無線通訳者として家族のために午前3時から働いています。この家族から離れることはできないと、バークリー音楽大学への進路を諦めかけます。が、星空の下でのハイライトシーンで、父の思いの全てを受けとめた彼女は巣立ちを決意します。クライマックスは、試験会場に忍び込んできた家族に彼女は手話をつけて歌い出します。曲は「青春の光と影」(原題: Both Sides, Now)。ジョニ・ミッチェルが作詞作曲した大ヒット曲です。

この力強く情熱的な手話と歌がスクリーンから観客に直球で届く感覚は映画を観た人しかわからないものだと思います。「ドライブ・マイ・カー」の国際長編映画賞は嬉しいものでしたが、その感動をはるかに凌いだのが「コーダ あいのうた」の鑑賞後の気持ちでした。アメリカ映画は真っ直ぐなのがいいと久々に感じた映画でした。メディアは聴覚障害者の俳優を交えたダイバーシティな撮影経緯の素晴らしさを報じていますが、何よりも娘役エミリア・ジョーンズの歌声を聴いてほしいと思います。ちょっと日本映画では太刀打ちできないなぁと、ハリウッドの底力を見せつけられました。

 

才能開発


発達障害の症状は、一つのことに異常にこだわることや、普通なら気が付かないことに気が付く特徴があります。

これを長所とし、才能にまで開花させて、天才と呼ばれるようになった発達障害の人は大勢います。

むしろ、世界中で天才と呼ばれている人の多くは、発達障害であったのではないかとされています。

★アインシュタイン

天才といえばアインシュタインですが、アインシュタインはアスペルガーとLD=学習障害だったといわれています。

 ・5歳までほとんど話すことができなかった
・読み書きが苦手で、時間がかかった
・数字と自然科学には興味があり集中した
・興味がないことには集中できなかった
・仕事が長続きせず転々としていた
・コミュニケーションをとるのが苦手だった
・部屋がいつも散らかっていた。整理整頓が苦手だった
・汚い布で顔を拭いたり、服の汚れを気にしない無頓着さがあった
・簡単な数字すら覚えるのがたいへんだった

アインシュタインはLD=学習障害もあったため、子どものころは勉強ができずに苦労していたようです。大学に入学するのも、行きたかった大学にはおちて、なんとか滑り止めの大学に受かっているほどです。

そんなアインシュタインには、よき理解者の父親がいて、父親がアインシュタインの個性を認めのばしていたそうです。

LDは、知的障害はなくIQが高い場合が多いのです。このような凹凸ある才能が、天才を生み出します。

★野田あすか

人気マンガでドラマにもなった「のだめカンタービレ」のモデルではないかと噂をされる(年齢から考えると違うと思われますが)、天才ピアニストの野田あすかさん。野田さんは、自閉スペクトラム症、解離性障害であることをカミングアウトしています。 

子どものころから発達障害の症状のせいでいじめをうけて、そのせいで何度も転校することになります。そんないじめを受けるなか、夢中でとりくんでいたのがピアノ。でも、大学にもなじめず大学を中退してしまいます。そして22歳の時「広汎性発達障害」と診断されました。

それでもピアノへの想いは捨てきれず、宮崎学園短期大学に入学し、ピアノ講師の田中幸子さんとであったことで、野田あすかの才能は開花し、数々の賞を得ました。

発達障害の「興味があることには過集中する」「強いこだわりをもつ」という症状は天才の王道でもあります。

 ★黒柳徹子

「徹子の部屋」でおなじみの黒柳徹子さん。どんなゲストがきても徹子流に見事にさばいてその人となりを表現していく天才トーク。

芸能界という移り変わりが激しい世界で、トークの力だけで長年テレビに出続ける。天才パーソナリティと言われる所以です。

 黒柳さんも自らの著書「小さい時から考えてきたこと」で、自分が「読書障害」「計算障害」であり、発達障害ではないだろうかと語っています。 

 レオナルド・ダ・ビンチ エジソン ガリレオ ベンジャミン・フランクリン ウィンストン・チャーチル ネルソン・ロックフェラー ヘミングウェイ アンデルセン アガサ・クリスティー ロダン スティーブン・スピルバーグ ウォールト・ディズニー ビル・ゲイツ スティーブ・ジョブズ 天才の多くはこだわり続ける変人=偉人として紹介されます。

しかし、発達障害の少なくない人たちは学校で勉強につまずき、友達を作るときのコミュニケーションにつまずき、就労でも躓いている方が少なくはありません。 周囲が良かれと思って普通を求めれば求めるほどそのつまずきは必然となっているようにも見えます。

とびぬけたこだわりを発見したのなら、その時代の「普通」とされるレールを走る必要はないという身近な誰かの気づきが重要です。こだわりを追求できる環境があってこそ、こだわりは長所となり才能は開発されます。つまり、才能の開花は、その才能のつぼみを見つけ水をやり肥料を与え、太陽の光をあてるファン=サポーターが必要なのだと思います。

 

PECSレベル1ワークショップ

すてっぷでは、自発の表出コミュニケーションを特に重視しています。その関係でこのブログにも何度もPECSや応用行動分析(ABA)にについて書いています。特にPECSについては、ぜひ学校やご家庭でも利用されることをお勧めしています。私たちは、単に絵カードが重要だと言うだけでなく、だれでも同じように指導できるマニュアル化された支援方法が重要だと考えています。指導方法がマニュアル化されていると、同じ指導ができたかどうかも判断しやすいからです。

コミュニケーション指導は簡単そうで分からないこともたくさんあります。途中で止めてしまう方が少なくないのは、動画のようにはうまくいかないからです。でも、それで当たり前なのです。指導する大人も指導される子どももみんな違うからです。でも、一人ではうまくいかないことも、同じマニュアルで頑張っている仲間なら相談しやすいです。ぜひ誘い合っての受講をお勧めします。レベル1のワークショップを終えられたら、京都には「京都PECSサークル」があります。年に4回土日に集まって交流会をしています。すてっぷのメンバーにもサークル員がいます。京都PECS連絡アドレスまで連絡すれば情報がもらえます。

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PECSレベル1ワークショップ - 大阪市, 大阪府 (2020年4月)

開催地: 大阪市
開催日: 2020年4月18日 - 2020年4月19日
日程: 9:30 - 17:30
受付開始: 9:00
受講料
一般: 39,000 円
3人以上団体 : 34,000 円
保護者 & 学生: 29,000 円
PECSサークルメンバー: 34,000 円

会場案内:
新大阪丸ビル本館
〒533-0033 大阪市東淀川区東中島1-18-5 株式会社ジャパンライフ
大阪市市

PECSレベル1ワークショップー 神戸市, 兵庫県 (2020年6月)

開催地: 神戸市
開催日: 2020年6月13日 - 2020年6月14日
日程: 9:30 - 17:30
受付開始: 9:00
受講料
一般: 39,000 円
3人以上団体 : 34,000 円
保護者 & 学生: 29,000 円
PECSサークルメンバー: 34,000 円

会場案内:
神戸商工貿易センタービル
〒651-0083 兵庫県神戸市中央区浜辺通5丁目1?14


ワークショップのお申込みでオンライン登録をご希望されない方は、用紙を「役に立つ情報のタグからパンフレット&カタログ」を通してダウンロードし、必要事項をご記入ください。ワークショップのお申込用紙はメールに添付かFAX、郵送でも受付ております。なお教材注文をオンラインでご希望されない方は、注文用紙をダウンロードしていただき、注文用紙に必要事項をご記入いただきメール添付かFAX、郵送でも受付ております。

酸素ボックス・視覚機能トレーニング機器導入

障害ある子の発達支援通所施設開所福山/広島

2021/3/10【毎日新聞】

障害のある子供に運動療育などを行う児童発達支援・放課後等デイサービス「ぽかぽかホームえがお」が福山市松永町5にオープンした。

延床面積161平方メートルでスタッフは5人。県内の施設では珍しい酸素ボックスや視覚機能のトレーニング機器も導入し、学習支援や農業体験など幅広い教育プログラムを用意した。施設から5キロ圏内は送迎も行う。

未就学児が対象の児童発達支援は火~金曜の午前10時~午後1時に利用できる。定員2人。放課後等デイサービスは6~18歳が対象。月~金曜は午後2時半~午後5時半、土曜と夏休みなど長期休暇期間は午前10時~午後4時。定員8人。利用には「受給者証」が必要。

管理者の佐々木舞子さん(30)は「障害が異なるそれぞれの子供に合わせたペースで、さまざまな体験を提供し、保護者のサポートもしていきたい」と話す。電話084・937・4741。【関東晋慈】

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経営規模や運営形態は土曜を開く以外は「じゃんぷ」とほぼ同じですが、部屋の広さは二倍です。酸素ボックス、視知覚トレーニング機材(たぶんスープリュームビジョン=ボクサー等の動体視力訓練用、写真は子ども用)はそれぞれ100万を越す機材です。常勤スタッフ5名ならそれだけで年間の収支はギリギリと思います。そこまでして機器整備に投資した指導内容はどんなものか気になるところではあります。酸素ボックスは、集中力の向上に良いと言われ、通常利用は3日に一度40分程度と放デイのサイクルには合っています。スープリュームビジョンも幼児用訓練モードがあるので無理なく遊びながら訓練できるかもしれません。

これまでの放デイは、感覚統合用のブランコやボルタリング用の壁を設置しているのが流行でしたが、これからは、大人顔負けのハイテク設備の設置が流行るのかもしれません。それでも、そんなことで行動の問題や学習の問題が解決するなら苦労はありません。行動の問題には応用行動分析が、発達性読み書き障害の問題は音韻意識理論が支援に生かされてこそ、その困難が軽減することが望めるのです、行ってみれば酸素は送っているが、酸素を血中に取り込む肺機能が弱いままではせっかくの設備も生かされないと思います。当たり前のことですが、重要なのは支援者の専門的な支援スキルのレベルです。

愛知県で初めて開校へ 知的障害と肢体不自由どちらも受け入れる特別支援学校 西尾市

愛知県で初めて開校へ 知的障害と肢体不自由どちらも受け入れる特別支援学校 西尾市

3/29(火) 【CBCテレビ】

知的障害者と体の不自由な子ども、どちらも受け入れる特別支援学校が、愛知県で初めて開校します。

愛知県西尾市の「愛知県立にしお特別支援学校」は、県内初となる、知的障害と肢体不自由、どちらの児童・生徒にも対応する特別支援学校です。

4月1日の開校を前に29日、内覧会が開かれ、愛知県の大村知事や関係者ら約30人が真新しい施設を見学しました。

校舎には愛知県産のヒノキやスギが使われ、壁には西尾市の名産品などの楽しいイラストも描かれています。

また、全ての児童・生徒が交流するための施設「ふれあいホール」も備えています。

(にしお特別支援学校 神本聡・校長)
「(障害の異なる児童・生徒が)授業や行事の交流を通して、お互いを理解しあうこと。すべての教職員がどの子に対しても、適切な指導を行えること(が“この学校”の意義)」

これまで安城市の特別支援学校は教室不足が、岡崎市の学校は長距離通学者が多いことが課題でしたが、今回の開校で、これらの解消にもつながると期待されています。

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京都の人たちにしてみれば、知・肢の総合は当たり前のことです。京都府は縦長に広く、肢体不自由校と知的障害校を分けるとそれぞれの校区が広すぎて通学に支障が大きいので、1979年の養護学校義務制頃から事実上総合化していました(正確には知的障害だけの桃山養護学校を閉じた2011年から)。京都市は総合養護学校と名称変更した2004年から知・肢総合となっています。

今頃、愛知で珍しそうに報道されてもなんだかなぁとも思います。愛知でも決して地の利の良い支援学校ばかりではないはずなのに、新設学校を作るまで事実上放置されていたという事です。今後既存の支援学校が総合化される可能性は報道されてないのでそのままだということです。ただ、知的障害と肢体障害の学校を分けるのが全国的には標準です。お隣の大阪府も兵庫県も滋賀県も別々です。その結果、長時間通学の問題や医療的ケアを必要とする子どもの課題が肢体不自由学校に集中します。

障害種で学校を分けるメリットは、身体の障害の重い子がゆったり過ごせたり、職員が専門的知識を獲得しやすいという面があります。ただ、知的障害学校のASD児対応などを見ていると専門的支援を御存知ないように見える教員もいて、学校を分けたことが専門性の担保にはならない気もします。

さらに通学時間は身体に障害のある人が不公平と言えるほどの通学時間をかけて登校しています。このことについて自治体はもっと考えるべきです。できれば、通常学校に専門性の高い教員が来て特別支援教育を実現し、皆が同じ学校で学ぶのが理想なのです。ですから、通学時間は長いし専門性も人それぞれでは困るのです。テレビ局は官制発表を右から左に流すような報道ではなく、こういう課題にも焦点を当てて取材し放送してほしいと思います。

 

熱中症

いつでもどこでもだれでも条件次第で熱中症にかかる危険性がありますが、熱中症は正しい予防方法を知り、普段から気をつけることで防ぐことができます。基本は無理をしないこと。急激な温度上昇。急激な運動。あとは「この程度は大丈夫」という過信の禁物です。水分補給だけでは予防にはならないという知識も必要です。

5月から7月にかけての気温は、広い範囲で平年並の見込み。5月は、晴れると気温の高くなる日があり、6月以降は、湿度が高く蒸し暑い日がある。

と気象庁…。なのに、まだ5月なのに今日は警戒レベルです。

熱中症指数とは、温度と湿度の関係で度数を出します。気温が30度でも高地など湿度の低いところでは汗が乾いていくので暑さを強く感じませんが、気温28度でも京都のような湿度の高い盆地では汗が乾かず暑くてしかありません。この温度と乾燥の関係を度数化したものが暑さ指数(WBGT=湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)です。

英文を読んでわかった方もいると思いますが、湿った布を巻いた温度計と球のまんま(実際は黒球)の温度計のことです。球が湿った温度計は周囲の湿度が低ければ気化熱で温度が下がります。黒球は太陽の光が強ければ温度が上がります。この二つと通常の温度との関係を度数で表したのが暑さ指数です。

暑さ指数をみて上手に熱中症を予防したいものです。

右のページに向日市の暑さ指数を新たにリンクしました。ご覧ください。

武漢ウイルスを子どもに話す時

大人たちの会話を聞いたり、ネットやテレビのニュースなど目にする中で、子どもたちも、子どもたちの視点・理解で、今回の新型コロナウイルスの情報を受け取っています。新型コロナウイルス感染対策についての子どもへの伝え方は以下を参考にしてください。(クリック)

参考)藤田医科大学感染症科 「コロナウイルスってなんだろう」

子どもたちが遊びの中で、今回の感染発生などを表現した時は、まずは無理に止めずに見守りましょう。もし、よくない結果になりそうになったら、良い形で遊びが終えられるようにサポートします。家族に感染した方がいて対応する必要がある時には、子どもがわかるたとえを使いながら丁寧に以下のように伝えてください。
1)○○(家族の誰か)は熱があること(必要であればたとえを用いながら)。そのためにお休みする必要があること。
2)△△(お子さんの名前など)にうつらないように、別々のお部屋で過ごすこと。
3)見通しがわかっていたら見通しを伝える(**日くらいだよ。**まで様子を見てまた伝えるね。それまでに心配なことがあったら言ってね。)
4)ほとんどの人は回復すること。
5)「もし気になったり、心配なことがあったらいつでもいってね」と伝えるなど、子どもの疑問や不安を受け止める。
感染して別々の部屋にいる家族とは、タブレットやスマートフォンなどでのオンライン通話などで、家の中でコミュニケーションをとれるようにするなど、お子さんが安心する方法を試してみるなどお子さんが安心できる方法を工夫します。
学校や保育園のイベントが変更になったときなどは、その事実について丁寧に伝えて、その時のお子さんの気持ちを受け止めてください(嫌だったね、悲しかったね、など)。感染により学校などの行事が取りやめになることもあるかと思います。このようなことは誰かが悪いわけではありません。是非、ご自身のお子さんの気持ちを受け止めた上で、感染したお子さんを労わるようなコミュニケーションをご自宅で取るなど「誰かを悪者にするのではなく、お互いを労わる言葉がけ」をと思います。

ただし、ASDの子どもたちには曖昧な伝え方は混乱のもとですから、数量的な理解ができるならこちらの方が安心できます。以前もブログに書きましたが、確率的な説明が良いと思います。死亡率は感染者の2%というのは極めていいかげんな表現で、総人口に対する確率で考えるのが科学的だと教え、それは、交通事故死の確率よりも低いのだと示してあげると良いかもしれません。ではなぜ、毎日毎日人を怖がらせるような報道をメディアが流し続けるのかという質問があるかもしれません。これには、メディアと言うのは、たくさんの人が注目してくれることでお金儲けをして、生活が成立しているので仕方がないのだと説明します。お化け屋敷は怖いから繁盛するのと同じように、責めても仕方が無いのだとあっさりと説明するのが良いと思います。

コロナ禍で変わる「卒業アルバム」

コロナ禍で変わる「卒業アルバム」 行事中止で普段の生活を写真に 【現場から、新型コロナ危機】

3月15日 11時43分【TBS】

多くの学校が卒業シーズンを迎える中、新型コロナの影響は学校生活の思い出が詰まった「卒業アルバム」にもおよんでいます。

「いただきます」
東大阪市にある市立長瀬東小学校。学び舎を巣立ちゆく6年生たちの頭を悩ませる問題がありました。それは「卒業アルバム」です。去年のアルバムを見てみると・・・
「今年行くはずだった夏の林間(学校)の写真。行けてないです。これは修学旅行。例年であれば、11月に広島に行くけど、これがない」(6年担任 吉田貞晴先生)

新型コロナの影響で多くの行事が中止になったため、恒例の写真がほとんど撮れていないのです。代わりに普段の様子をアルバムに載せるということで、撮影の様子を見に行ってみると・・・
「重たい、重たい」
体に重りを付けて高齢者の生活を疑似体験するという総合の授業。カメラマンの手にはどういうわけか、スマートフォンが・・・
「これでいまね、動画を撮っているんですよ。一眼レフでスチル(写真)を撮って、動画と紐づけて卒業アルバムに使う」(カメラマン)

この学校が取り入れたのは「AR(エーアール)卒業アルバム」。東京のコンサルティング会社がAR=「拡張現実」を使って開発したサービスで、アプリを入れたスマートフォンを写真にかざすと、動画を見ることができるというものです。

「これまでだったら載せられないものを載せたりとか、企画を考えたり、生み出すことにもつながった」(6年担任 吉田貞晴先生)
動画で学校生活を記録することができるため、グループに分かれてダンスを披露したり、人文字を作ったり、バリエーションがぐっと増えました。
「緊張するけど、1年後とか、動画なら何してるか思い出せるからいい」(6年生)

一方、こんなアイデアでピンチを乗り越える学校も・・・
カメラを構えるのは子どもたち。児童が自ら撮影した写真を卒業アルバムに載せるのです。大阪の卒業アルバム制作会社が企画し、応募があった全国の学校の中から抽選で30校にカメラが贈られました。
「子ども同士でやると恥ずかしさがなくて、自分好みのポーズができていい」(6年生)
「コロナの中だけど自分たちで頑張れたと、それも1つ思い出にしてほしい。普段見られない子どもたちの様子を見られるし、はしゃいでる様子もすごく楽しそうに見えるので、やってよかった」(6年担任 小池優介先生)

行事がなくても、思い出がいっぱい詰まったアルバムを作りたい。コロナをきっかけに、「卒業アルバム」も変わろうとしています。

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卒業アルバムと言えば無表情な集合写真と写真屋が撮った行事のスナップ写真と相場が決まっています。でも行事がないなら、日常をみんなでして残そうというアルバムはいいです。考えてみたら当たり前ですが、このアルバムづくりに子どもたちが関与するのがいいと思います。今は誰でも写真をスマホで撮る時代です。カメラ屋さんには申し訳ないけど、スナップは子どもの手で作る時代です。

映像の専門家は、これまでのアルバムを進化させて写真と動画を駆使したAR(拡張現実)アルバムを商品化しています。皮の表紙のアルバムはWEBに取って代わられ画面の中に納まり、卒業写真の面影がそのままかどうかは動画でリアルすぎて興覚めです。ユーミンやビギンの曲に浸りながら古いアルバムを開くのも我々の世代が最後なのかなと思います。

 

発達障害・不登校… 中高生支える放課後デイ 佐賀市内に4月

発達障害・不登校... 中高生支える放課後デイ 佐賀市内に4月

2022年3月30日 【朝日新聞】

発達障害やメンタル不調がある中高生を支援する放課後等デイサービス「ユニスクさが」が4月1日、佐賀市栄町に開所する。学校に行きづらかったり、進学や就職に不安を持ったりする生徒が、コミュニケーション力を高める訓練などを通じて復学や進学、将来的には就職を目指す。

運営するのは一般社団法人ユニバーサル人材開発研究所。研究所代表理事で公認心理師、大野博之さん(58)によると、月~金曜日の原則午後3時半~同7時と土曜日の午後1時半~同3時に実施する。

利用するのは発達障害や適応障害などの診断を受けた中高生が対象で、定員は10人。大野さんらスタッフ計5人が子どもたちを支援する。

子どもたちは、学校などでの人間関係を円滑に進めるための「コミュニケーション訓練」や、調理や清掃、洗濯などを体験学習する「ライフスキルトレーニング」などを受講する。

放課後等デイサービス事業は、児童福祉法に基づく福祉サービスで6~18歳が対象となる。県障害福祉課によると、県内には約170カ所の施設がある。

大野さんによると、利用者を中高生に絞って、復学や進学、就職のいずれかを明確に目指すケースは珍しいという。

利用料は、居住する自治体に受給者証を発行してもらえば、原則自己負担は1割ですむ。大半が月額4600円になるという。

大野さんは「学校に行きづらさを感じる子に対し、社会で生き抜く力を身につけさせたい」と話している。問い合わせは、ユニスクさが(0952・37・7744)へ。(林国広)

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乙訓地域の小学校に通う子どもで社会性支援のニーズに応える放デイは収容数の上では足りてきたと感じます。これもカウントの仕方によるのですが、週2~3回程度の利用ニーズの子どもは受入れる放デイがあるようです。ただ、これも子どもによっては、学童保育などで適応できず毎日必要な子どもから、学童保育に徐々に移行するレベルの利用量や、スキルチェックで週1回程度の利用まで色々あります。

しかし、読み書き障害を含む学習障害がありそれが原因で学校に行きづらくなっている子どもへの認知特性に合わせた読み書きの支援を行うところは地域にはほとんどありません。読み書き障害だけの子どもの場合聡明な子どもも少なくないので、中学年くらいまでは丸暗記して理解しているとか、自分で書きの方略を編み出して満点は取れなくてもそこそこの点数をとっている子がいます。しかし、高学年になると自分で読まない事には理解ができない学習レベルになってきますし、新出漢字も大量に出てくるので授業で丁寧に教えることはなくなり、この子たちは足がかかりをなくして落ちていきます。

なんとか低空飛行でも中学レベルにたどり着いた子どもでも、中学の勉強は基本が「自学自習」です。授業だけで理解できると教師も思っていませんから、読み書きに問題を持つ子どもはどんどんドロップアウトします。残っているのは大容量の記憶だけで乗り越えてきた子です。そんな子でも高校レベルの英語になると流石に記憶容量がパンクします。そして、小さいころから告知もされず頑張ってきた彼らは思うのです。他の人はもっと頑張っているから自分より成績が良いのだと思っています。努力しても努力しても報われない中で彼らが学ぶものは「頑張っても無駄」という人生訓です。

読み書き障害も、早期発見が基本ですが、現状では「学びの遅い子」や「低学力児」としてしか見られておらずその原因まで遡及して障害を見つけられる子どもは多くはありません。学力が低くい理由を怠学のせいや家庭の事情として片づけられ、授業態度が悪いなど素行が不適切なら特支級へと勧められる場合が少なくありません。そして、いつの間にか特支級の子だから学力が低いのは当たり前と本末転倒の理由付けがなされます。その陰に潜んでいる学習障害をなかなか見つけてもらえないのです。

このようにして、中学まで頑張ってきた子も、特支級だから読み書きが遅いのは当たり前と思われてきた子も、通常の学習方法では不向きな認知特性を学校で見つけてもらえないのです。仮に見つけてもらっても、通級指導教室には知的遅れのない読み書き障害のリスク児は児童全体の1割以上もいるし、ASD等他の課題を持つ子の支援もあるので、発見しても毎日のフォローはできません。また、通級にたどり着くまでには「ゆっくりなら読み書きできるから問題ない」という担任や家族の誤解が障壁となることもあります。

地域で学習障害に対して中学高校も支援してくれるシステムも必要ですが、学習障害支援を正面から掲げているのは、当法人の「学びの広場じゃんぷ」くらいしか見当たりません。それも新年度を迎えるというのにほぼ満員の利用状況ですし、じゃんぷでも高校生までは手が伸ばせていません。本当は週2回程度の支援が必要でも出来ない状態の子どももたくさんいます。記事の放デイは、どちらか言うと生活型の支援です。しかし、今必要なのは、痒いところに手が届く認知特性にフィットした学習支援です。学校生活の7割以上の時間を占める学習に工夫して取組み、失敗しても諦めずにまた支援を得て工夫して前進して行くことは、成長の上で大きな意味があると思うからです。

療育型放デイは個別支援が多いので人手や手間がかかる割には収益が低く、確かな支援ができるという知名度が上がるまでは経営が難しいのでなかなか増えません。しかし、子どもたちのニーズに応える地域での療育を、学校・家庭と連携して実現しなければ「頑張っても無駄」と思う子どもたちを減らすことはできません。知能検査や読み書き検査ができ、読み書き障害にASDやADHDが合併している場合の対応もわかっている「じゃんぷ」タイプの療育型放デイが、地域にもっともっと欲しいです。じゃんぷが地域に切り拓いた細い道を、今度は太く広げる事業が必要だと感じています。

ニュース

今週末にはすてっぷ通信5月号が配布されます。昨年は2回の発行でしたが、今年は毎月発行にしようと頑張っています。ニュースというのは文字通り新しい情報です。古くなっては意味がありません。

ということで、今年は情報量は少なくても毎月発行して、利用者の保護者の方に取り組みや私たちが考えていることを発信しようと通信だけでなくブログも精力的に発信していきます。

すてっぷ通信は、webにアクセスしてもらうきっかけとして読んでもらえればということです。またwebにアクセスする環境にない方にも1か月に一度くらいは様子を知ってもらうためです。

すてっぷ通信もこのブログもどうぞごひいきにお願いします。

「うちの子は字が書けないかも」と思ったら

40人のクラスに3人の確率で“読み書きが苦手”な子どもがいます。誤解されがちな「発達性読み書き障害」について取り上げた『「うちの子は字が書けないかも」と思ったら』が、2020年2月29日(土)に発売されました。子どもたちの問題と真摯に向き合った内容に、ネット上では「こういう障害があると初めて知った。すごく大切な啓蒙だと思う」「長く、たくさんの人に読まれる本になりますように」といった声が上がっています。

本書は2017年に刊行された千葉リョウコのコミックエッセイ『うちの子は字が書けない』の続編にあたる書籍です。前作では小学6年生のときに発達性読み書き障害と診断された長男・フユのエピソードがまとめられ、「自分にも息子がいるので、すごく色々なことを考えながら読み進めた。最後はもうポロポロ泣いちゃった」「くじけそうになりながら子どもの力を何度も信じる姿に元気がもらえます!」と大きな反響を呼んでいました。

発達性読み書き障害とは知的発達には問題がなくても音読が苦手だったり、漢字や仮名の形を思い出すことに苦労する発達障害の一種。具体的には「黒板の字をノートに写しきる前に消されてしまう」「テストで漢字を書けずに減点されてしまう」などの状況が起こるが、世間では「怠けているからでは」と誤解されてしまうこともあるといいます。

続編では専門家の宇野彰教授が、障害をもつ子どもたちのためにできることや将来的に役立つことを解説します。また千葉リョウコの描き下ろしマンガとして、長男に続いて発達性読み書き障害と診断された長女・ナツについてのエピソードが収録されました。

まだまだ一般的に知られていない障害について掘り下げた内容に、読者からは「こんなに個人差があるんだ!?とびっくり。もっと知られてほしいなと改めて思った」「『点数は変わらないけど理解してもらえてよかった』にハッとさせられた。すぐ気づいてあげるのは難しいかもしれないけど、いろんな障害があることは覚えておきたい」といった声が上がっています。

マンガ部分のみを抜粋した「漫画抜き出し版」も、電子書籍限定で発売中。本書を手に取って、「読み書きが苦手な子ども」の現実を知ることは大事だと思います。

スマートフォン提示で運賃割引

スマートフォン提示で障害のある人が運賃割引 JRや大阪メトロで障害者手帳の代わりにアプリを導入

2021年3月15日 月曜 午後0:17【関西テレビ】

鉄道各社は、障害のある人がスマートフォンアプリを見せることで運賃割引を受けられるサービスを始めました。
鉄道各社が導入したのは、スマートフォン向け障害者手帳アプリ「ミライロID」です。「ミライロID」に障害者手帳の情報を登録することで、運賃の割引を受けることができます。これまでは障害者手帳を係員に見せることで割引を受けられましたが、人前で手帳を出すことに抵抗を感じるといった意見などから導入されました。
【体験した人】
「こういう風にスマホでやってもらえると取り出しやすくなるのですごくありがたい」
【ミライロ・垣内俊哉社長】
「障害のある方がまた外に出よう、また買い物に行こうとポジティブな気持ちで外に出られる社会になればいいなと」ミライロIDによるサービスは、大阪メトロやJRを含む全国123の鉄道会社などで利用できるようになります。
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ついに出ました!以前ここでも掲載の記事障害者差別解消に証明のデジタル化を2020/09/23でもコメントしましたが、デジタル庁設立の勢いであらゆる証明書をICカード(マイナンバーカード)やスマホで示せるようにするのも差別解消の一つとコメントしました。政府はこの企業と1年ほど前からマイナンバーカードと障害者手帳の紐づけを条件にデジタル処理ができるように提携していたのです。しかも、鉄道全線や市バス地下鉄にも広がる勢いですからすごいです。(3/17現在ミライロのHPでは、JR全線・関東圏の私鉄大半・京都市地下鉄・京阪と阪急電車は療育手帳利用はできないようです)

このアプリは子どもの障害者手帳でもOKですから、知的障害のある人に広がれば自立度が高まると思います(JR全線・京阪・阪急電車等は療育手帳はまだ利用できないようです)。利用方法の詳細は分からないですが、テレビ報道では窓口にスマホを差し出していたので、そのまま改札が通れる仕組みをJRや私鉄カードと組み合わせるならもっと利用価値は高まると思います。この会社のHP読んでみると他にもいろんなこと考えています。デジタル化はみんながより自由になり結果差別が解消されていくというのが理想です。

eスポーツ

「eスポーツ」とは「エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)」の略称で、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使ったスポーツ競技のことを指します。 つまり、複数のプレイヤーで対戦するゲームをスポーツと認め「eスポーツ」と呼びます。

アメリカではすでに、国が「eスポーツ」を「スポーツ」として認めており、「プロゲーマー」が「スポーツ選手」であることを認めています。また、韓国や中国でも「eスポーツ」が非常に発展していて、市場規模も日本とは桁違いのようです。
日本はアーケードゲームでは世界に名を轟かしているのに、「eスポーツ」では後進国と呼ばれていて、「eスポーツ」という単語すら広がっていません。
「eスポーツ」が盛んな国ではプロゲーマーがサインを求められるほどその地位は確立されています。日本では、もう少し時間がかかるようですが、「eスポーツ」には他のスポーツよりインクルージョン社会を推進する可能性があるのではないかと思います。

eスポーツは他のスポーツに比べ、年齢や性別、障害の有無など気にしなくて済む可能性があると思うのです。コントローラーを工夫すれば重度の運動障害のある方でも参加の可能性が開けるし、対人関係の障害でもディスプレーの向こう側の対戦相手なら試合ができます。そんなわけで、学校の部活動・サークル活動への支援や、障害者の社会参加などに取り組む企業も出てきました。
高校生のeスポーツ大会では、知的障害を持つ生徒と健常者の混成チームが参加しました。2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、障害者も参加できる大会など、機運がさらに高まっています。

「たかがゲーム」と考えてしまうのは、もったいない話です。今NHKで「韋駄天」というオリンピックドラマが放送されていますが、陸上競技ですらかつての日本では「たかがかけっこ」とされていたのを、嘉納治五郎をはじめとする人達が何十年も取り組んで昭和の東京オリンピック開催にこぎつけたのです。「eスポーツ」もきっと同じ道をたどるでしょう。ゲーム好きが世界を極める時代がすぐそこまで来ています。

そらいろプロジェクト京都

理・美容室でサロンの椅子に一人で座ってヘアカットをすることに困難を抱える、自閉症などの発達障がいがある方、その他様々な特性によりそれぞれに配慮を必要とする方へのヘアカットを推進しているNPOです。決して無理強いをせず、スモールステップで本人も納得の上での『笑顔でカット』をめざしているそうです。発達障がい児の中には、理美容室に行けない子どもがたくさんいます。そんな障がいを持つ子どものためのカット手法が「スマイルカット」です。

ドライヤーやバリカンの音にパニックを起こしたり、じっと座っていることが苦手だったり、知らないお店に入ることに恐怖を感じる子どももいます。そんな子ども達が、ゆくゆく理美容室に座ってカット出来るようになるため、一人一人の歩みに合わせて練習していくそうです。まずは落ちつける場所からスタート。

視覚的支援などを工夫し、子ども達の気持ちに寄り添いながら無理せずカットしていきます。営業中のサロンで切れたらスマイルカット卒業。卒業の子どもさんには、卒業証書を渡します。現在支援学校・児童館・幼児園・自宅などの場所で、スマイルカットに取り組んでおられるそうです。

そらいろプロジェクト京都

 

支援学校の生徒暴行

横浜・北綱島支援学校の生徒暴行、林市長が謝罪「教育の使命、自覚して」

2021/3/17(水) 22:11配信【神奈川新聞】

横浜市港北区の市立北綱島特別支援学校で教諭が障害のある生徒に暴行してけがをさせた事件を巡り、横浜市の林文子市長は17日の定例会見で「本当に残念で申し訳ない」と謝罪し、「教諭としても学校組織としてもあってはならないこと。教育委員会が決意を持って(再発防止に)取り組んでもらいたい」と述べた。

市教委が16日に公表した報告書では、当該教諭の人権意識や倫理観の低さを指摘。林市長は「教職員一人一人に教育の使命を自覚して、コンプライアンスなど服務の順守をお願いしている」と強調。管理職に向けて「人権意識を持って教職員の管理監督に当たらねばならない」と力を込めた。

事件は2019年11月に発生。教諭は傷害容疑で逮捕され、暴行罪で罰金30万円の略式命令を受けた。市教委は昨年4月、停職6カ月の懲戒処分にした。現在は市立高校で教諭として勤務しているという。

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支援学校教諭が障害の生徒暴行、罰金命令横浜市教委が処分へ

2020/2/27(木) 5:30配信【神奈川新聞】


横浜市の特別支援学校の男性教諭が障害のある生徒に暴行し、けがをさせたとして逮捕された事件で、市教育委員会は26日、事件を公表し、教諭が暴行罪で罰金30万円の略式命令を受けた、と発表した。今後、教諭の処分を検討する方針。

市教委によると、教諭は34歳で、北綱島特別支援学校(同市港北区)に所属。昨年11月、体の不自由な生徒をトイレで介助した際、生徒の手が複数回当たったことに激高し、肩を殴る、洋服をつかんで揺さぶるなどした。「一人じゃ何もできないくせに調子に乗るな」などと口にした。

生徒は意思に反して手が動くことがあったといい、揺さぶられた際、車椅子に後頭部をぶつけて約2週間のけがを負った。

生徒の利用する放課後デイサービスの職員がけがに気付いて発覚。教諭は今月5日、傷害の疑いで逮捕された。

市教委は26日まで事件を公表しなかった。当初、生徒の保護者が本人の特定につながるなどの理由から非公表を要望。その後、公表を求めたという。市教委は公表時期について「処分決定時を検討していたが、再発防止に取り組む必要があり、このタイミングになった」としている。

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全身不随の生徒暴行で教諭停職横浜の特別支援学校

2020.4.21 12:40【産経新聞】

横浜市教育委員会は21日、全身不随で車いすを利用する生徒を殴るなどしたとして、市立北綱島特別支援学校(同市港北区)の福田慎教諭(34)を停職6カ月の懲戒処分とした。

市教委によると、福田教諭は昨年11月19日、トイレで生徒の手が複数回当たったことに腹を立てて暴言を吐き、肩を殴ったり、胸ぐらをつかんで体を揺すったりするなどした。生徒は頭をぶつけ、2針縫うけがをした。

さらに、福田教諭は生徒の保護者からの問い合わせにうそをついて暴行を隠し、上司にも虚偽の報告をした。横浜区検に2月26日、暴行罪で略式起訴され、横浜簡裁から罰金30万円の略式命令を受けた。既に納付している。

福田教諭は、何度も生徒の手が当たったためにわざとだと思い込んで腹を立てたと釈明。「けがをさせ、申し訳ない」と話しているという。

市教委の古橋正人教職員人事部長は「極めて遺憾であり、大変申し訳ない」とコメントした。

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これは事件内容も処分もトップの対応もみなひどいです。横浜市林市長は現職3期目でこの夏改選ですから、事件当時も市長の職にあったのです。今回の市長のコメントは事件から1年以上たっておりあまりにも遅すぎます。もっと不思議なのは、この教師は起訴され有罪になっているのに、停職復帰後は高校で教諭を務めていることです。

確かに、教職員の懲戒基準には合致しています。以下は京都府のものですが、体罰による全治1か月未満の傷害は停職処分です。しかし、この教員の行動は生徒の言動を正すための体罰とは言い難く、ただ激昂して相手が弱いので暴行したとしか思えないです。
(1) 体罰
ア 体罰を加えたことにより、児童生徒を死亡させ、又は児童生徒に重大な後遺症が残る傷害を負わせた教職員は、免職又は停職とする。
イ 体罰を加えたことにより、児童生徒に治療期間が概ね30日以上の傷害又は後遺症が残る傷害を負わせた教職員は、免職、停職又は減給とする。
ウ 上記ア、イの場合以外で、体罰を加えた教職員は、停職、減給又は戒告とする。
(注)処分を行うに際しては、被害者等の状況、社会的影響等も情状として考慮の上、判断するものとする。

さらに、この教職員は生徒にけがを負わせたのに上司や親に嘘をつきました。
(6) 虚偽報告
事実をねつ造して虚偽の報告を行った教職員は、減給又は戒告とする。

そして、公務外であっても傷害罪には免職の記述があります。
(3) 傷害
人の身体を傷害した教職員は、免職、停職又は減給とする。

こう考えてみると、処分があまりにも軽すぎるのではないかと思います。支援学校の教職員が肢体不自由者に向かって「一人じゃ何もできないくせに調子に乗るな」という発言だけでも十分免職に値し教員の資格はないと言えます。体の傷よりも心の傷のほうが癒えないものです。本人だけでなく周囲の児童生徒も教職員も大きな心の傷を負ったはずです。まずは行政トップがこんな人が教員であるべきではないと発言して自分の身を切る覚悟で懲戒処分を決断すべきです。これはコンプライアンス以前の常識の問題です。横浜と言い神戸と言い二つの政令指定都市の役人トップの常識は市長を筆頭に地に落ちています。

 

ペアレントトレーニング

ペアレントトレーニングとは、知的障害や自閉症などの子どもをもつ保護者を対象に、アメリカで開発されたプログラムです。
はじめは、「親は子どもの最良の治療者である」という考えのもとに、支援機関で取り組んでいる子どもへの療育を家庭でもおこなうことで、療育の効果を上げたり、維持させたりすることが目的でした。

ペアレントトレーニングは現在、発達障害を持つ子どもの親を対象とした、子どもの行動を変えるテクニックを身につけるためのトレーニングとして普及しています。
ペアレントトレーニングでは、子どもの好ましい行動を増やし、好ましくない行動を減らすためのテクニックを、親が修得します。そして、子どもの困った行動や親子関係のこじれた状況に対して、まず親が関わりを変えることで子どもの変化を促し、子どもが変わることで親がさらに変わるという好循環を生み出すことを目指します。
また、トレーニングを続ける中で、親が抱えていた悩みや不安を軽減させることも、ペアレントトレーニングの重要な効果です。
ストレスで余裕をなくすと、子どもの行動を冷静に受け止められず、つい頭ごなしに叱りつけるといった不適切な関わりをしてしまうことがあります。
そして、親の不適切な関わりが続くと、子どもは「親に受け入れられていない。」などと落ち込んだり、反発して問題行動に拍車がかかったりし、親はさらに不適切な関わりを繰り返すという悪循環に陥ってしまいます。
ペアレントトレーニングは、親の関わり方を変えることで子どもの行動を変え、子育てへの悩みや不安も軽減させようというトレーニングです。

トレーニングを続けることで、親子の関係性の悪循環を解消し、より良い関係性を築いていくこともできるということで、京都府では現在保健所を中心にペアトレの講座が紹介されています。講座は短いもので5回長いもので8回程度ありますが、1か月ほど間をあけてトレーナーと2~3人の保護者のチームを形成して約半年間続けていきます。

ペアトレを受けたいとお考えの方はスタッフまでご連絡いただければご紹介できると思います。

小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙

こどもの日の5月5日(火)に、東京都荒川区立図書館で「第2回 小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」の結果発表会があります。約2000軒を超える書店店頭、全国の小学校、公共図書館およびHPにて投票用紙を配布し、「自分の一番好きな本」の募集をして、約12万人の小学生によって選ばれた本のベスト10が発表されます。

第1回の全国12万人の小学生が選んだ「自分の一番好きな本」

10位『りゆうがあります
作・絵/ヨシタケシンスケ 出版社/PHP研究所
本の内容:親子で笑えるユーモア絵本。ハナをほじったり、ごはんをボロボロこぼしたり、ストローをかじったり…。こどもたちが、ついやってしまうクセ。お母さんは、そのクセを「やっちゃダメ」と言うけれど、ちゃんとした理由があるんです。気になるその理由とは…。
こどもプレゼンターがこの本を選んだ理由
自分にも、「そうだと思う!」というところがたくさん書いてあったからです。私もストローガジガジコンテストで」優勝したいと思いました。

9位『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂
作/廣嶋玲子 絵/jyajya 出版社/偕成社
本の内容:幸運な人だけがたどり着ける不思議な駄菓子屋が舞台の物語。女主人紅子がすすめる駄菓子がお客さんの運命を翻弄していく…。
こどもプレゼンターがこの本を選んだ理由
私はすこしこわくておもしろい本が大好きです。銭天童は、ゾクッとする、おもしろさがあります。内容も一つ一つ細かくて、お話の世界に入ったように感じます。

8位『ぼくらの七日間戦争
作/宗田理 絵/はしもとしん 出版社/KADOKAWA
本の内容:東京下町にある中学校の1年2組の男子全員が廃工場に立てこもり、こども対大人の戦いがはじまった!女子生徒との奇想天外な大作戦など、大人たちへの反乱を起こすエンターテインメント小説。
こどもプレゼンターがこの本を選んだ理由
僕は、主人公たちが大人たちのいうことを聞かないで、自分たちの「解放区」を作ったのがすごいと思って、感動しました。

7位『このあとどうしちゃおう
作・絵/ヨシタケシンスケ 出版社/ブロンズ新社
本の内容:おじいちゃんを亡くしたばかりの男の子。彼はある日、おじいちゃんの部屋で一冊のノートを見つけます。しんだらどうなる?どうしたい?しんだあとのこと、生きてる間に考えてみよう。
こどもプレゼンターがこの本を選んだ理由
私のひいおじいちゃんは三年前に亡くなりました。ひいおじいちゃんも天国で楽しく暮らしていると良いなと思いました。

6位『おしりたんてい いせきからのSOS
作・絵/トロル 出版社/ポプラ社
本の内容:おしりたんていのもとに届いたのは、差出人不明の封筒。中には暗号で書かれた手紙と地図が入っていた。おしりたんていと助手のブラウンはまだ見ぬ依頼人を助けるため、地図に記されていたジャングルの奥深くへと向かう。仕掛けだらけの遺跡の中に足を踏み入れたふたりを待ち受けていたもの、そして依頼人の正体とは…。
こどもプレゼンターがこの本を選んだ理由
読んだときに、じぶんがぼうけんの世界にはいったかんじだったからこの本を選びました。

5位『おしりたんてい かいとうVSたんてい
作・絵/トロル 出版社/ポプラ社
本の内容:おしりたんていのもとに依頼にやってきたのはオオヤギ家の執事ヤギスチャン。大泥棒かいとうUからの予告状が届いたというのだ。おしりたんていは最強のライバルかいとうUからオオヤギ家に代々伝わるお宝「ほしぞらのかがやき」を守れるのか!?
こどもプレゼンターがこの本を選んだ理由
最近は下の妹にも読んであげてます。絵本もあるからきょうだいみんなで楽しく読めて、僕が一番大好きな本です!

4位『おもしろい!進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典
監修/今泉忠明 出版社/高橋書店
本の内容:笑えて、ちょっとためになる“ざんねん”な生き物の真実がたっぷりつまった1冊。『ざんねんないきもの事典』の続編。さらに、恐竜などの絶滅種も掲載。
こどもプレゼンターがこの本を選んだ理由
本当のことがかいてあると大きな図かんでちょこちょこ調べるよりとても楽だったので良いなと思ったからです。

3位『りんごかもしれない
作・絵/ヨシタケシンスケ 出版社/ブロンズ新社
作品の内容:これはりんごじゃないかもしれない。もしかしたら、大きなサクランボのいちぶかもしれないし、心があるのかもしれない。実は、宇宙から落ちてきた小さな星なのかもしれない…「かんがえる」ことを果てしなく楽しめる、発想絵本。
こどもプレゼンターがこの本を選んだ理由
先日も給食のみかんを手に取って、「これはもしかしたら、みかんの形をしたりんごかもしれない?」とか「これはもしかしたら、みかんの形をしたUFOかもしれない?」とか言って遊びました。

2位『あるかしら書店
作・絵/ヨシタケシンスケ 出版社/ポプラ社
本の内容:このお店は「本にまつわる本」の専門店。店のおじさんに「○○についての本ってあるかしら?」ってきくと、たいてい「ありますよ!」と言って奥から出してきてくれます。今日もあるかしら書店には、いろんな理由で本を探しにお客さんがやってきます。
こどもプレゼンターがこの本を選んだ理由
ぼくは作家になりたいので、『作家の木の育て方』をあるかしら書店で買いたくなりました。

1位『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典
監修/今泉忠明 出版社/高橋書店
本の内容:いきものの残念な一面に光を当てた本。「紫外線をあびると光る」サソリや、「敵におそわれると死んだふりをする」オポッサムなど、不思議な生き物を122種紹介。
こどもプレゼンターがこの本を選んだ理由
僕はこの本を読んで、いろんないきものの、ざんねんなところをしりました。そして、ざんねんなところを、かいぜんしていきたいと思いました。

強い!ヨシタケシンスケさんは4冊もランクインです。ヨシタケシンスケさんの本が4冊もベスト10にランクイン。コミカルで妄想や発想が広がるストーリー展開が魅力的な作品は、子供だけでなく大人のファンも多く、親子で一緒に楽しめる絵本としても人気。また、1位に選ばれた「おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典」は、続編も4位に選ばれていました。図鑑のような役割だけでなく、いきものの残念なところにスポットを当てたことが、たくさんの子供の心をつかんだようです。残念な部分が面白く、また愛おしく感じ、いきものがもっと好きになるきっかけにもなりそうです。

総選挙で発表された作品の中で、まだ読んだことがない本もあるかと思います。これをきっかけに新しい本に出会ってみてはどうでしょう。そして、今年も子どもの日に第2回の投票結果が発表されます。とっても楽しみです。

LINE行政サービス停止へ

総務省 LINE通じ提供の行政サービス停止へ

03月19日 11時38分【NHK】

通信アプリのLINEが、利用者の個人情報を業務委託先の中国の会社がアクセスできる状態にしていた問題で、武田総務大臣は事実関係の把握を急ぐとともに、総務省がLINEを通じて提供している行政サービスの運用を停止する考えを示しました。

LINEをめぐっては、システムの管理を委託している中国の会社が、日本国内のサーバーに保管されている利用者の名前や電話番号といった個人情報に、アクセスできる状態になっていたことが明らかになっています。

これについて、武田総務大臣は19日午前記者団に対し、「ユーザーが安心してサービスを利用できる環境を確保する観点から、適正な事業運営が必要だ。関係省庁と連携し、事実関係を把握して適切な措置を講じていきたい」と述べました。

また、武田大臣は、総務省が現在、LINEを通じて提供している意見募集や問い合わせの対応などの行政サービスの運用を停止する考えを示しました。
さらに、保育所の入所申請や粗大ゴミの収集の受け付けなど、行政サービスにLINEを活用しているすべての自治体に対し、今月26日までにLINEの利用状況を報告するよう依頼したことを明らかにしました。

加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「政府では、LINEを含め民間企業が不特定多数の利用者向けにインターネット上で提供するサービスを利用する際には、機密情報は取り扱わないということで運用している。この基準に沿って、各省庁で対応していると認識しているが、現在、内閣官房を含め、各省庁におけるLINEの利用状況を改めて確認している」と述べました。

そのうえで「内閣官房では、個人情報などの管理上の懸念が払拭されるまでは利用を停止するなどの対応を予定している」と述べました。

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海外の通信系アプリはやばいとLINEが広がりだしたころから言われていました。単なるおしゃべりのやり取りくらいは盗見されても問題ないから大丈夫と大勢の人は思っていました。ところが、便利だと広まった通信系アプリには色々な情報のやりとりを載せたいのが人情です。こうして行政系の個人情報までがやり取りされれば抜き取られるのは時間の問題と、アプリの開発に関わる人ならすぐにわかったのだと思います。

一昨年も国会で海外のアプリの個人情報保護は大丈夫かと言う質問がされていましたが、行政は我が国の法律や基準に合わせた運用をしていると会社が言うので大丈夫だと応えています。会社が言うから大丈夫というのは相当お人よしです。普通はやばいんじゃないかという情報をつかんだなら行政が独自に調査をするべきでした。相手のいう事を鵜呑みにするとは、我が国の安全保障は本当に大丈夫かなと思います。

気になっているのは以前から述べているグーグル採用自治体は半数以上に02/19多国籍IT企業のアカウントが無料で提供される教育系プラットホームです。Googleの生まれが米国で自由主義国だから大丈夫なわけではありません。LINEは生まれも育ちも自由主義国ですが、中国本土に個人情報は流れました。国産の教育系プラットホームの開発は今からでも遅くはありません。政府が音頭を取って、こういう時こそ開発費や設備費の助成金をたんまり出せばいいと思います。GIGAスクールスタートの今年、政府の姿勢一つで子どもたちの個人情報が守られるかどうかの瀬戸際だと思います。

 

忘れ物

「○○さーん、帰るけど忘れ物ないですかー?」「ハーイ完ぺきでーす。」5分後に帰宅の車中に連絡。「○○さーん、二階に筆箱と連絡帳忘れてますから帰ってきてくださーい」「あっちゃー( ;∀;)」

忘れ物。私も子どものころからしょっちゅう忘れます。人生のかなり多くの時間忘れ物に振り回されています。以前ワーキングメモリーの話題を掲載しましたが、相当前に経験したエピソードなんかはひとつ残らず覚えているのに、わずか1分前の記憶の保持が難しいのです。二つ以上のことを同時にやっているとものの見事に一つ以上忘れます。これは記憶する脳の場所が違うそうです。

ワーキングメモリーは長くは保持されないのですが、作業台のようなものでこっちの材料とあっちの材料をちょっとだけ置いておいて、もう一つの材料と一緒に加工するための仮置きのような感じです。ところがワーキングメモリーが弱い人はこの作業台が小さく、置いておいても狭いので机の下に落ちてしまう感じです。

無理やりこの作業台を広げようとしたり、狭いところに無理に高く積んで置いておくのは可能ですが、大変不安定ですし、その分パワーを使うので結局ほかに使うべきエネルギーがなくなって、早く疲れてしまうのです。解決策はひとつづつこなす癖をつけること、記憶を脳の外に保存する、すなわち目で見えるように視覚化することです。視覚支援とは実はワーキングメモリーの弱い人への支援の一つなのです。

「注意しようね」だけでは解決しないのです。あら?また車の中に取りに行った連絡帳を忘れていますよ。

 

祝★百万PV(ページビュー)!!

3月26日、このブログの開設以来のページビュー(PV)が100万回を超えました。たくさんの方にご覧いただき、NPO法人ホップすてーしょん職員一同、心より感謝申し上げます。ブログを開設し公開したのは2019年の4月でした。その前年の3月、「放デイ育ちの広場すてっぷ」の事業がスタートしました。

スタート前までは、発達障害支援や児童福祉のシステムのことを知っているつもりでした。しかし、いざ、運営を進めてみると、実は何も知らないのに等しいことに気付きました。最初は、一応どの事業所さんもホームページは作っているので、知り合いのSEさんにお願いして作っていただきました。でも、変化のないホームページは、誰の役にも立ちません。1年間ほぼ放置していたHPを改めようと、職員でネットや書籍で情報を探して、今のブログスタイルに至りました。

まず、同じような子どもがいる家族や、福祉や教育の関係者が、どんな風に子育てや支援に取り組んでいるのか調べました。そして、調べた成果として、私たちの事業所の日々に照らし合わせてみたり、調べて学んだことををブログに綴っていくことにしました。以来1年近くがたちました。多くの方に励ましやアドバイスをいただきました。同じように発達障害や知的障害のお子さんと向き合う方で、私たちのつたない支援を参考にしていただいたこともあるようです。このブログが何がしか役に立ったのだとしたら、私たちとしては、うれしい限りです。

ただ、何度かご報告している通り、定員1日10名の事業所に30名以上の登録者があって、この地域の行政の申し合わせである上限週3回すら利用できない方が少なくありません。また、重度の方と軽度の方の混合プログラムですから、通常学校の高学年以降の子どものニーズに合わせたプログラムが実施しにくい課題があります。できるだけ早い時期に、新事業所開設を進めてはいますが、人材不足と、武漢ウィルスの関係で工事が遅れ、開設が遅れるのは必至のようです。課題はいろいろありますが、引き続き、当ブログへのご訪問をよろしくお願いいたします。